(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6685275
(24)【登録日】2020年4月2日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】特に自動車両用の、ウィンドウワイパープレート
(51)【国際特許分類】
B60S 1/34 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
B60S1/34 B
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-502223(P2017-502223)
(86)(22)【出願日】2015年7月2日
(65)【公表番号】特表2017-520467(P2017-520467A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】EP2015065081
(87)【国際公開番号】WO2016008734
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2018年6月27日
(31)【優先権主張番号】1456765
(32)【優先日】2014年7月15日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ピコ
(72)【発明者】
【氏名】ロイク、ルーセル
【審査官】
飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−512231(JP,A)
【文献】
特表2004−513837(JP,A)
【文献】
特表2005−502514(JP,A)
【文献】
特表2004−519385(JP,A)
【文献】
実開平04−019357(JP,U)
【文献】
特開2007−307998(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00739792(EP,A1)
【文献】
西独国特許出願公開第02920899(DE,A)
【文献】
米国特許第06353991(US,B1)
【文献】
特表2005−516833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウワイパープレート(1)であって、
−中空ロッド(5)の形態を成す支持要素と、
−ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト(11)を支持するためのチューブ(9)を備える少なくとも1つのウィンドウワイパーシステムベアリング(7)であって、前記チューブ(9)が、前記中空ロッド(5)と協働するための突出部(15)を有し、前記突出部(15)が前記中空ロッド(5)を固定するための固定域(18)を備え、 前記中空ロッド(5)内へ水が流れ込むのを防ぐように、前記突出部(15)は、前記チューブ(9)から距離を隔てて配置されるカラー(25)を有する、少なくとも1つのウィンドウワイパーシステムベアリング(7)と、を備え
前記カラー(25)は一方向に伸長された形状を有し、
組み立て位置において、前記カラー(25)は、前記チューブ(9)と前記中空ロッド(5)の基端(16)との間で延び、前記固定域(18)は前記中空ロッドによって覆われる、ウィンドウワイパープレート(1)。
【請求項2】
前記固定域(18)は、前記チューブ(9)の反対側にある前記突出部(15)の自由端の近傍で延びることを特徴とする請求項1に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項3】
前記カラー(25)が前記突出部(15)と一体に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項4】
前記カラー(25)が付加部品であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項5】
前記カラー(25)が金属から形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項6】
前記カラー(25)は、プラスチック又は弾性材料から、特にエラストマーから、形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項7】
前記カラー(25)は、水偏向器を形成するように前記突出部(15)の外周から突出しつつ延びることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項8】
前記カラー(25)の主軸は、前記チューブ(9)の軸によって及び前記中空ロッド(5)が周囲で延びる軸によって画定される平面内に含まれることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項9】
前記カラー(25)の主軸は、前記チューブ(9)の軸と平行である或いは前記突出部(15)の軸に対して垂直であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項10】
前記突出部(15)が補強リブ(17A,17B)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項11】
前記補強リブ(17A,17B)は、前記チューブ(9)の軸と平行な軸に沿って前記突出部(15)の両側で延びることを特徴とする請求項10に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項12】
前記カラー(25)が前記補強リブ(17A,17B)の高さに配置されることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項13】
前記カラー(25)が前記補強リブ(17A,17B)から突出しつつ延びることを特徴とする請求項12に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項14】
前記チューブ(9)は、前記ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト(11)と協働するためのキャップ(13)を有し、前記カラー(25)は、前記チューブ(9)の軸に対する前記キャップ(13)のオフセットを越えて配置されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【請求項15】
前記カラー(25)は、前記チューブ(9)と前記中空ロッド(5)との間において前記突出部(15)の周囲で延び、前記カラー(25)が前記中空ロッド(5)から解放されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のウィンドウワイパープレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車両用の、ウィンドウワイパープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばドイツ特許出願公開第2920899号明細書及び国際特許出願公開第9914086号明細書の文献は、少なくとも1つのウィンドウワイパーベアリングと前記ベアリングにより支持される突出部を介して協働する中空ロッドの形態を成す支持要素により構成されるウィンドウワイパープレートを開示する。
【0003】
ウィンドウワイパーベアリングは、一般にウィンドウワイパーアームとウィンドウワイパーブレードとから構成されるウィンドウワイパー装置に接続される駆動シャフトのための支持体として及び/又は自動車両の車体上に固定するための要素として使用される場合がある。
【0004】
中空ロッドの形態を成す支持要素の端部は、ベアリングと中空ロッドとの間の取り外し不可能な接続をもたらすような態様で、リベットなどの任意の既知の手段により、或いは、前述の出願において更に正確に記載されるように、中空ロッドの形態を成す支持要素のセグメントを突出部により支持される凹部内へ挿入することにより、突出部に対して固定態様で接続される。
【0005】
しかしながら、これらの異なるタイプの接続は、多くの欠点を与える。
【0006】
確かに、中空ロッドと突出部との組み付けは、突出部の周囲にわたる前記中空ロッドの摺動を可能にするある程度の直径隙間を2つの部品間に伴ってのみ達成され得る。
【0007】
例えばリベット結合される取り外し不可能な接続の場合には、突出部とロッドとの間の隙間が存続し、それにより、中空ロッドの表面と突出部との間に円として配置される間隙が形成される。同様に、セグメントを凹部の内側に挿入することによる取り外し不可能な接続の作業中、中空ロッドの形態を成す支持要素が突出部で変形され、それにより、中空ロッドの内壁と突出部の外壁との間の間隙の容積が増大する。
【0008】
この間隙は、中空ロッドの形態を成す支持要素の内側に入り込んで支持要素内に蓄積する水噴射などの望ましくない不純物の進入を可能にする。
【0009】
中空ロッド内のこの水は、中空ロッドの酸化の現象を経時的に引き起こし、それにより、場合により、長期的には、中空ロッドの破裂をもたらし、また、車両の縦揺れの場合には、この水が、間隙を介して出現して車体の隣接する要素と接触し、それにより、潜在的に、同様に、車体の隣接する部分の酸化の現象を引き起こす。
【0010】
この水が中空ロッド内で凍る際には、更なる問題が生じる場合があり、それにより、特に繰り返される冬季の氷結及び解氷の間にわたって、中空ロッドの構造が望ましくなく変化される場合もあり、その結果、中空ロッドが突出部から外れる場合がある。
【0011】
水が中空ロッド内に入ることができないようにする目的で、フランス特許第2670730号明細書の文献は、例えば中空ロッド内に挿入されて中空ロッドを取り囲む弾性材料から形成されるシールの形態を成す、ベアリングに対する中空ロッドのためのシール手段を設けるとともに、ベアリングの接続突出部も設けることを提案した。
【0012】
しかしながら、この解決策は、高価であるとともに、特定のシール装着作業を必要とする。更に、長期間にわたって、特に車両の寿命の全体にわたって、すなわち、10〜15年間にわたって耐漏れ性を保証できるようにするために、選択される弾性材料は、高価であるとともに、シールが晒される温度変化(夏/冬、日なた/日陰等)を受けて弾力性を失うことにより同様に耐漏れ性の損失をもたらさないように優れた品質を有さなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第2920899号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第9914086号明細書
【特許文献3】フランス特許第2670730号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、中空ロッドの形態を成す支持要素内へ水が流れ込むことを防止できるようにする低コストのウィンドウワイパープレートを提供することによって前述した欠点を少なくとも部分的に改善することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのために、本発明の主題は、ウィンドウワイパーブレード駆動シャフトを支持するためのチューブを備え、チューブが中空チューブの形態を成す支持要素と協働するための突出部を有する、ウィンドウワイパーシステムベアリングであって、突出部がチューブから距離を隔てて配置されるカラーを有することを特徴とするウィンドウワイパーシステムベアリングである。
【0016】
したがって、カラーは、水流の進路を偏向させて、水が中空ロッド内へ入り込むことを防止する。この解決策は、実施が容易であり、非常に有効であるとともに、複雑な装着作業を必要としない。
【0017】
ウィンドウワイパーベアリングは、単独で又は組み合わせて解釈される以下の特徴のうちの1つ以上を更に備えてもよい。
【0018】
− カラーは、突出部と一体に形成されてもよく、或いは代わりに、突出部の周囲の付加部品であってもよい;
− カラーは、例えば、金属から形成されてもよく、又は、更なる態様によれば、プラスチック又は弾性材料から、特にエラストマーから形成されてもよい。
【0019】
カラーが水偏向器を形成するように突出部の外周から突出しつつ延びるようになっていてもよい。
【0020】
また、このカラーが
一方向に伸長された形状を有し、カラーの主軸が、支持チューブの軸によって及び中空ロッドが周囲で略対称的に延びる軸によって画定される平面内に含まれるようになっていてもよい。加えて、
一方向に伸長された形状のカラーのこの主軸は、例えば、支持チューブの軸と平行であってもよく或いは突出部の軸に対して垂直であってもよい。
【0021】
単独で又は組み合わせて解釈される更なる一連の特徴によれば、突出部が補強リブを有するようになっていてもよく、また、
− これらのリブがチューブの軸と平行な軸に沿って突出部の両側で延びるようになっていてもよく、
− カラーが補強リブの高さに配置されるようになっていてもよく、
− カラーがこれらの補強リブから突出しつつ延びるようになっていてもよい。
【0022】
支持チューブがリンクピンと協働するためのキャップを有する場合、カラーは、例えば、支持チューブの軸に対するキャップのオフセットを越えて配置される。
【0023】
本発明の更なる主題は、中空ロッドの形態を成す支持要素と、一方ではウィンドウワイパーブレード駆動シャフトを支持するためのチューブを備えるとともに他方では中空ロッドの形態を成す支持要素と協働するための突出部を備える少なくとも1つのウィンドウワイパーシステムベアリングとを備える特に自動車両用のウィンドウワイパープレートであって、突出部がチューブから距離を隔てて配置されるカラーを有することを特徴とするウィンドウワイパープレートである。加えて、このカラーは、チューブから距離を隔てて及び中空ロッドの自由端から距離を隔てて配置されてもよく、中空ロッドの自由端を介して中空ロッドが突出部の周囲に配置される。したがって、カラーは、中空ロッドから解放され、すなわち、この中空ロッドによって覆われない。
【0024】
更なる利点及び特徴は、本発明の説明を読むと、また、添付図面からも明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係るウィンドウワイパープレートの第1の概略斜視図である。
【
図2】約160°にわたって回転される
図1のプレートの第2の概略斜視図である。
【
図3】ウィンドウワイパーベアリングの個別的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
これらの図では、同一の要素が同じ参照数字を有する。
【0027】
ここで、
図1〜
図3に関連して、本発明に係るウィンドウワイパープレート1の例示的な実施形態の説明が与えられる。
【0028】
特に自動車両で使用され得るウィンドウワイパープレート1は、中空ロッド5の形態を成す支持要素と、ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト11を支持するチューブ9を有する少なくとも1つのウィンドウワイパーベアリング7とを備える。
【0029】
キャップ13が、ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト11上へ滑り込まされて、このシャフト11とチューブ9との間の耐漏れ性を確保する。
【0030】
キャップ13は、駆動シャフト11を隙間なく取り囲むように寸法付けられる第1のリングを有し、チューブ9を取り囲むように寸法付けられる第2のリング12を支持するために横壁が第1のリングを外側へ向けて略垂直に延ばす。キャップは、特にチューブ9の内側で水の浸入を防止できるようにするシール手段を形成する。
【0031】
支持要素、すなわち、中空ロッド5は、前記ベアリング7により支持される突出部15を介して前記ベアリング7と協働する。中空ロッド5は、その自由基端16を介して突出部15の周囲に滑り込まされる。
【0032】
例えば、この突出部15は、例えば成形によってチューブ9と一体に形成され、或いは、変形例では、溶接によってこのチューブ9に固定される付加部品の形態を成す。
【0033】
突出部15は、中空ロッドを装着するのに十分大きい支持面を与えることができるようにする距離にわたって、チューブから径方向に突出しつつ延びる。突出部15は、チューブ9の軸の法線に対して傾けられる主軸に沿って延び、それにより、ウィンドウワイパープレート1の組み立て位置では、チューブ9から突出する駆動シャフト11それ自体が(
図1に示される方向にしたがって)上方へ延びるときに突出部がほぼ下方へ延びる。したがって、突出部上の任意の水は、重力により、突出部15の自由端へ向けて、したがって中空ロッド5へ向けて流れる傾向があることが理解される。
【0034】
突出部とチューブ9との間の結合部は、補強リブ17A,17Bの存在によって補強され、それぞれの補強リブは、チューブ9を突出部15に接続する略三角形のブレースの形態を成す。これらのリブは、チューブの軸と平行な軸方向で突出部の両側に配置される。任意に、上側リブ17A及び下側リブ17Bが
図1に示される方向で特定されてもよい。
【0035】
図3において更に容易に分かるように、突出部15は、その自由端の高さで、中空ロッドの固定に寄与するように構成される固定域18を有する。図示の例では、固定域が圧着マークを有する。固定域18は、中空ロッド5によってこれがその固定前に突出部15上へ滑り込まされるときに覆われるようになっている。図示の場合、適した形状の工具を使用して圧着力が印加され、この工具は、例えば、固定域18におけるマークの形状を補完し、それにより、突出部15の周囲に中空ロッド5を固定する。
【0036】
ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト11は、その下端(図では見える)で、ウィンドウワイパー駆動機構(図示せず)に接続されるようになっているクランク19に接続される。
【0037】
その自由端が固定フランジ23で終端する支持プレート21が、突出部15の反対側に取り付けられ、それにより、ベアリング7を例えば自動車両の車体の要素に固定できる。
【0038】
中空ロッド5内へ水が流れ込むのを防止するために、突出部15は、カラー25の形態を成す水偏向器を有する。このカラーは、中空ロッドへ向かう水の通過を防止するためのストッパとして作用するべく、突出部の外周から径方向に突出しつつ延びる。
【0039】
「カラー」は、突出部15の平均寸法の実質的な増大が存在し、それにより、駆動シャフトから到達してチューブに沿って流れる水がカラー25によって食い止められて下流側の中空ロッドに入り込まないように突出部から側方へ距離を隔てて取り除かれ得る領域を意味するように理解される。
【0040】
カラー25は、チューブ9から距離を隔てて突出部上に配置され、特に、チューブ9と中空ロッド5の固定に寄与するように構成される固定域18との間に配置される。したがって、中空ロッド5が突出部15上に組み付けられるときに、カラーは、チューブと中空ロッド5の基端16との間で延び、固定域18が中空ロッドにより覆われる。つまり、カラーは中空ロッドから解放され、すなわち、言い換えると、カラーは、それが中空ロッドの上流側で水の流れを食い止めるための手段を形成するように、したがって、チューブ9から突出部に沿って流れる液体が中空ロッドに入り込んで中空ロッド内で停滞しないように、中空ロッドによって覆われない。
【0041】
カラーは、突出部15の主軸を横切って配置されるプレートの形態を成す。図示の例では、カラー25がチューブ9の軸と略平行な平面内で延びるが、突出部に沿って流れる水を遮断する機能が適切に果たされれば、カラーが突出部15の主軸に対して略垂直な平面内で延び得ることが理解される。チューブ9及び突出部15の軸に対するカラー25の方向は、特に、カラーが延在するチューブからの距離に応じて、したがって、カラーと接触する水の到達方向に応じて選択されてもよい。
【0042】
図において分かるように、このカラー25は、例えば、2mmなど、数mmの厚さとして、突出部15と一体に形成される。
【0043】
変形例(図示せず)によれば、カラー25は、例えば強制的なスリービングによって突出部上へ滑り込まされて突出部に固定されるべく例えば突出部15の断面を補完する形状の開口を有する適切な形状の付加部品である。
【0044】
図示の実施形態によれば、カラー25が金属から形成される。
【0045】
変形例では、例えばプラスチック材料から、又は、弾性材料、特にエラストマーから、例えばオーバーモールディングによって、或いは、カラー25が付加部品であればカラーを突出部15上へ挿入することによって、カラーを形成することを想起できる。
【0046】
図から分かるように、カラー25は
一方向に伸長された形状を有する。この
一方向に伸長された形状の長軸Xは、
一方向に伸長された形状の2つの最も反端側の点を結んで中心を通る最も長い線分として規定される。また、この
一方向に伸長された形状の短軸Yは、
一方向に伸長された形状の2つの点を接続して中心を通るとともに長軸に対して垂直な線分によって規定される。
【0047】
一方向に伸長された形状のカラー25は、該カラーが突出部に対して垂直であるか或いは代わりにチューブの軸と平行であるように傾けられるかどうかにかかわらず、このカラーの長軸Xがチューブ9の軸によって及び中空ロッド5の軸によって画定される平面内に含まれるように方向付けられる。
【0048】
このタイプの方向性は、最大量の水が特に突出部よりも上側で突出部に沿って
図1に示される方向に流れる可能性が高い領域にわたって偏向器の寸法を増大させることができるようにし、それにより、水分保持機能を高めて、水が中空ロッドに入り込むことを防止し、したがって、突出部の横方向の体積を増大させない。
【0049】
以上から明らかなように、カラー25は、チューブ及び突出部に沿って流れる水のための偏向器を形成して前記水が中空ロッドに入り込むのを防止するためにチューブ9と中空ロッド5の基端16との間で突出部15の周囲にわたって延びなければならないことが理解される。
【0050】
有利な実施形態において、カラー25の位置は、特に、チューブ9の軸に対するキャップ13のオフセットを越えて想起される。カラーのこの位置は、後述するように、偏向器と支持ロッドとの間に水が入り込むことを防止するために有利である。
【0051】
図1及び
図2は、ウィンドウワイパーブレード駆動シャフト11に沿う水の下方への流れを矢印27によって示し、また、カラー25は、水が突出部15に沿って流れる、したがって中空ロッド5に入り込むのを防止するための簡単で、効果的で、安価な手段であることが分かる。
【0052】
カラーは、好適には、キャップ13のオフセットを越えて、すなわち、キャップの第2のリング12の突出部上の投影を越えて、チューブ9の壁から距離を隔ててチューブ9の軸に沿って配置され、それにより、第2のリングの直径を介してチューブの径方向外側へ向かって噴射される全ての水を遮断できるようにする。キャップ13の第2のリング12により偏向される水(矢印27の形態で見える)は、カラー25の上流側で突出部15に出くわす。
【0053】
また、カラーの位置は、特に、カラーが補強リブ17A,17Bの高さで該リブに当接して突出部から突出しつつ延びるように想起される。
【0054】
この配置は特に製造方法に関して興味深い。これは、カラーを形成するための材料の注入が容易にされるからである。金型のこの領域では、材料がリブを形成するために既に注入され、したがって、注入された材料が、カラーの形成に対応する金型の溝内へとあまり深くまで行き渡らないはずである。この配置は、実際には、注入材料があまり必要とされないため、経済的に及び重量に関して更に有益である。また、機械的挙動に関して、カラーの突出部分は、リブの存在によって補強される。
【0055】
また、この配置は、カラーが付加部品として形成されるときにも有利である。これは、例えばカラーを形成する断片が受け入れられる横方向切り欠きを設けることによりカラーをリブに対して取り付けることが、突出部の円柱状の外周上よりも容易にされるからである。