(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の圧力差が加えられるときに、前記水溶性の第1のウェブが前記第1の最高温度以上の第2の最高温度になっている、請求項1に記載の水溶性パウチを製造する方法。
前記基材処理剤が、液体、粉末、又はゲルであり、かつ前記基材処理剤が、洗濯用洗剤、洗濯用添加剤、食器洗浄用洗剤、硬質表面洗浄剤、及び食器洗浄用添加剤からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水溶性パウチを製造する方法。
前記水溶性の第3のウェブの両側に前記第3の圧力差を加えることによって前記第2の区画を形成する前記工程が、前記水溶性の第3のウェブが100℃〜135℃の温度にある状態で熱成形によって実施される、請求項9又は10に記載の水溶性パウチを製造する方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
水溶性パウチ10を
図1に示す。水溶性パウチ10は、水溶性の第1のシート20と、水溶性の第1のシート20に接合された水溶性の第2のシート30と、を備えて、基材処理剤50を含有するチャンバ40を少なくとも部分的に画定し得る。
図1に示す通り、水溶性の第1のシート20は、第1の複数(310)の印刷文字300を備え得る。
【0016】
図2に示す通り、第1のシート20及び第2のシート30はそれぞれ、内面70及び反対側の外面80を有し得る。印刷文字は、内面70及び/又は外面80上にあってもよい。第1のシート20及び第2のシート30の内面70は共にチャンバ40を形成し得る。第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は、互いに接合されてチャンバ40を形成し得る。基材処理剤50はチャンバ40内に配置され得る。第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方は、成形シート25であり得る。第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方は、熱成形シート25であり得る。第1のシート20及び第2のシート30の内面70は、チャンバ40に向けることができる。第1の複数(310)の印刷文字300は、パウチを形成する任意のシートの内面及び/又は外面上に提供され得る。
【0017】
縁部90はそれぞれ、約100mm未満、更には約60mm未満、又は更には約50mm未満の長さを有し得る。水溶性パウチ10の平面図は、ほぼ長方形、ほぼ正方形、ほぼ円形、楕円形、超楕円形(superelliptical)、又は製造に実用的である任意の他の所望される形状であってよい。水溶性パウチの全平面面積は、約10000mm
2未満、又は更には約2500mm
2未満であってもよい。このようにサイズ及び寸法を決められた水溶性パウチ10は、握られた大人の手の中に都合よく収まる。更に、自動食器洗浄機における使用を意図された水溶性パウチ10の場合、こうしたサイズは機械内の洗剤収容部に都合よく収まる。
【0018】
第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は、互いに接着することができる。例えば、第1のシート20及び第2のシート30の縁部90は、熱接着、若しくは溶剤接着、又はこれらの組み合わせによって互いに接合され得る。熱接着は、熱及び圧力のうち1つ以上を、互いに接着される2つの材料に加えることによって形成され得る。溶剤接着は、溶剤を第1のシート及び第2のシートの一方又は両方に塗布し、接着が所望される位置で第1のシート20と第2のシート30とを接触させることによって形成され得る。水溶性パウチの場合、溶剤は水及び/又は蒸気であってよい。
【0019】
第1のシート20及び第2のシート30は、基材処理剤50がパウチ10の外部から目に見えるように十分に半透明、又は更には透明であってよい。つまり、パウチ10を使用する消費者は、パウチ10内に収容された基材処理剤50を見ることができる。
【0020】
パウチ10は複数のチャンバ40を有し得る。例えば、複数のパウチ10が互いに接合されて多区画パウチを形成し得る。
図2に例示される種類の1つ又は2つ以上のパウチは互いに接合され得る。パウチ10は、現在世界の様々な地域で、The Procter & Gamble CompanyによりTIDE PODS、CASCADE ACTION PACS、CASCADE PLATINUM、CASCADE COMPLETE、ARIEL 3 IN 1 PODS、TIDE BOOST ORIGINAL DUO PACs、TIDE BOOST FEBREZE SPORT DUO PACS、TIDE BOOST FEE DUO PACS、TIDE BOOSE VIVID WHITE BRIGHT PACS、DASH、FAIRY(PLATINUM,ALL−IN ONE,YES(PLATINUM ALL−IN ONE、JAR(PLATINUM,ALL−IN ONE、DREFT(PLATINUM,ALL−IN ONEとして販売される種類のものであってもよい。パウチ10は3つのチャンバ40を有し得る。第1のシート20と第2のシート30とは、第1のチャンバ40を形成し得る。別の第1のシート20と第2のシート30とが、第2のチャンバ40、又は1つ以上の追加チャンバ40を形成し得る。2つのパウチ10は一体に接合され得る。チャンバ40は互いに重なり合ってもよい。チャンバ40は隣り合わせの関係であってもよい。
【0021】
基材処理剤50は、液体であっても固体であってもよい。基材処理剤50は、洗濯用洗剤、洗濯用添加剤、食器洗浄用洗剤、硬質表面洗浄剤、及び食器洗浄用添加剤からなる群から選択され得る。
【0022】
パウチ10は、大人の手に収まるようにサイズ及び寸法を決めてもよい。パウチ10は、約70mL未満の容量を有し得る。パウチ10は、約50mL未満の容量を有し得る。パウチ10は、約40mL未満の容量を有し得る。縁部90は、約10mm〜約70mmの長さを有し得る。縁部90は、約20mm〜約60mmの長さを有し得る。縁部90は、約25mm〜約50mmの長さを有し得る。
【0023】
水溶性パウチ10を形成するための装置1を
図3に示す。装置1は、第1のウェブ供給ロール500と、印刷ユニット510と、コンベヤシステム520と、コンベヤシステム520上に移動可能に取り付けられた複数の第1の成形型530と、ヒータ540と、ディスペンサ550と、第2のウェブ供給ロール560と、を備え得る。ディスペンサ550の上流で、装置1は、第1の真空システム600と第2の真空システム610とを備えてもよく、第2の真空システム610は第1の真空システム600とディスペンサ550との間に位置する。第1のウェブ505は、コンベヤシステム520上に配置される前に、印刷ユニット510を介して供給され得る。印刷ユニット510は、第1の複数(310)の隣り合った印刷文字300を第1のウェブ上に印刷することができる。続いて、第1のウェブ505はコンベヤシステム520上に供給され得る。コンベヤシステム520は、第1の成形型530を機械方向MDに搬送し得る。ディスペンサ550は、機械方向MD及び機械方向MDの上流方向に移動可能であり得る。
【0024】
印刷ユニット510は、第1のウェブ供給ロール500とコンベヤシステム520との間に位置し得る。場合により、印刷ユニット510は、第2のウェブ供給ロール560とコンベヤシステム520との間に位置してもよい。場合により、ウェブ供給ロール500は、第1の複数(310)の隣り合う印刷文字300がその上に配置された、予め印刷されたウェブ供給ロールであってもよく、印刷ユニット510は除外されてもよい。更に場合により、ウェブ供給ロール560は、第1の複数(310)の隣り合う印刷文字300がその上に配置された、予め印刷されたウェブ供給ロールであってもよく、印刷ユニット510は除外されてもよい。第1の複数(310)の隣り合う印刷文字300は、第1のウェブ505、第2のウェブ、及び/又は第3のウェブの表面にあるか、また、こうしたウェブの1つ又は2つ以上の表面にあるかのいずれかであってよい。
【0025】
コンベヤシステム520は、第1の成形型530を、またそれによって第1のウェブ505を、約5m/分〜約20m/分(その間の任意の整数の範囲又は単一値を含む)の速度で搬送し得る。コンベヤシステム520は、ベルト、若しくはドラム、又は第1の成形型530を搬送するのに好適なその他の構造であってよい。
【0026】
コンベヤシステム520は複数の第1の成形型530を備え得る。本明細書で説明するウェブは、成形型のランド領域内のウェブ保持真空システムによって、本明細書で論ずる成形型上に保持され得る。第1の成形型530の断面を
図4に示す。本明細書で更に論じられる第1の成形型530、及び第2の成形型は、アルミニウムから製造され得る。第1の成形型530は1つ又は2つ以上の第1のキャビティー570を有し得る。第1のキャビティー570は、第1の多孔面575を有し得る。機械横方向に1つ又は2つ以上の第1の成形型530が存在してもよい。コンベヤシステム520は、パウチ10の成形及び充填中に、成形型を機械方向MDに搬送し得る。第1の成形型530は、1つ又は2つ以上の真空伝送システム585を備え得る。第1の成形型530は、第1のウェブ505を第1の成形型530上に保持するための真空システムを有し得る。第1の成形型530は、対応するキャビティーである第1のキャビティー570(複数可)及び第2のキャビティー(複数可)を包囲するランド領域531を有し得る。
【0027】
配設された第1の成形型530は、第1のキャビティー570を備え得る。第1のウェブ505が機械方向MDに搬送されるため、第1のウェブ505はヒータ540の下を通過し得る。ヒータ540は赤外線ランプであってよい。ヒータ540は、約300℃〜約500℃の温度を有する赤外線ランプであってもよい。第1のウェブ505がヒータ540の下を通過するにしたがって、第1のウェブ505は所望の温度に加熱され得る。ヒータ540と第1のウェブ505との間の距離は調節可能であり、よって第1のウェブ505の温度は制御可能である。同様に、ヒータ540の温度は調節可能であり、よって第1のウェブ505の温度は制御可能である。
【0028】
第1のウェブ505が任意選択的に所望の温度に加熱される間、又は第1のウェブ505が任意選択的に所望の温度に加熱された後で、第1の成形型530は第1の真空システム600上を搬送され得る。第1の真空システム600は、第1の負のゲージ圧を第1のキャビティー570の第1の多孔面575に加えるために用いることができる。第1の負のゲージ圧が第1のキャビティー570の第1の多孔面575に加えられる時、第1のウェブ505は第1の最高温度にあってもよい。第1のウェブ505、及び/又は第3のウェブが加熱される時、第1のウェブ(及び/又は該当する場合には第3のウェブ)の温度は、機械方向MD及び横断方向で不均一である。これは、ウェブが第1の成形型530(及び/又は該当する場合には第2の成形型)によって支持される時、ウェブの一部は第1の成形型530(及び/又は該当する場合には第2の成形型)のランド領域531上に置かれ、ウェブの一部は第1のキャビティー570(及び/又は該当する場合には第2のキャビティー)を覆うために起こり得る。第1のウェブ505(及び/又は該当する場合には第3のウェブ)の厚さ方向における第1のウェブ505(及び/又は該当する場合には第3のウェブ)の境界条件の差異は、第1のウェブ505(及び/又は該当する場合には第3のウェブ)の不均一な加熱をもたらし得る。例えば、キャビティーの中央を覆うウェブの部分は温度が107℃であり得、ランド領域531上にあるウェブの部分は温度が約25℃であり得る。キャビティーの中央を覆うウェブの部分は温度が103℃であり得、ランド領域531上にあるウェブの部分は温度が約26℃であり得る。キャビティーの中央を覆うウェブの部分は温度が108℃であり得、ランド領域531上にあるウェブの部分は温度は約24℃であり得る。本明細書で言うところの最高温度とは、成形中のウェブの部分の最高局部温度である。本明細書で言うところの最高温度は、熱成形中のウェブの部分の最高局部温度であってもよい。キャビティーの中央を覆うウェブの部分の温度がより高いと、改善された熱成形を促進して、その結果、構造的に有意な顕微鏡的亀裂がより少なくなり、かつ/又はより小さくなり得る。更に、熱成形中のより高い温度は塑性変形を促進し得、その結果、ウェブが弾性変形した場合と比較して完成したパウチ10の内部圧力はより低くなり得る。温度が高過ぎると、ウェブが柔軟になり過ぎてウェブが成形表面の孔内に引き込まれる場合があり、これは完成したパウチ10の構造的一体性に悪影響をもたらす場合がある。
【0029】
第1のキャビティー570の第1の多孔面575は、約0.1mm
2〜約2mm
2の面積を有する開口部を備え得る。第1のキャビティー570の第1の多孔面575は、約0.5mm
2〜約1mm
2の面積を有する開口部を備え得る。第1のキャビティー570の第1の多孔面575は、約0.5mm
2〜約1.5mm
2の面積を有する開口部を備え得る。開口部は円形の開口部であり得る。開口部は約2〜約2000個存在し得る。開口部は、変形、塑性変形、又は熱成形の温度で、完成したパウチ10の構造的一体性が損なわれるような程度でウェブが開口部に引き込まれることのないように、サイズ決めされ得る。
【0030】
第1の成形型530の第1のキャビティー570は、約5mL〜約300mLの容積を有し得る。第1の成形型530の第1のキャビティー570は、約5mL〜約40mLの容積を有し得る。第1の成形型530の第1のキャビティー570は、約14mL〜約18mLの容積を有し得る。
【0031】
第1の最高温度は約5℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約10℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約20℃〜約100℃であり得る。第1の最高温度は約60〜約100℃であり得る。第1の最高温度は、第1のウェブ505の変形が熱成形によるものとなるような温度であってよい。熱成形は、より低温で変形された第1のウェブ505から成形されたパウチ10と比較して、微小亀裂の程度がより少ない完成したパウチ10を提供し得る。
【0032】
第1の負のゲージ圧は、大気圧より約1kPa〜約9kPa(約10mbar〜約90mbar)低くあり得る。第1のウェブ505は、約1秒〜約10秒間、第1の負のゲージ圧に曝露され得る。第1のウェブ505は、約2秒〜約5秒間、第1の負圧に曝露され得る。第1のウェブ505は、約1秒〜約3秒間、第1の負圧に曝露され得る。第1の負のゲージ圧は、大気圧より約1kPa〜約4kPa(約10mbar〜約40mbar)低くあってもよい。第1の負のゲージ圧は、大気圧より約2.5kPa〜約3.5kPa(約25mbar〜約35mbar)低くあってもよい。水溶性の第1のウェブ505は、第1の負のゲージ圧が第1のウェブ505に加えられた時に約5℃〜約100℃、更には約10℃〜約100℃、又は更には約20℃〜約100℃の温度を有し得る。第1の負のゲージ圧が低いほど、第1のウェブ505はより迅速に変形する。より緩慢に変形させることによって、変形される第1のウェブ505の微小亀裂の量を低減することができる。より低い変形温度の場合、第1の負のゲージ圧がより大きくなる、即ち真空がより減少し得、その結果、第1のウェブ505の変形が緩慢となり、そのため第1のウェブ505の微小亀裂が低減し得る。
【0033】
第1のウェブ505が機械方向MDに更に搬送されると、第1のウェブ505が第2の最高温度にある時に、キャビティー570の第1の多孔面575に第2の負のゲージ圧が加えられ得る。第2の負のゲージ圧は、第2の真空システム610によって加えられ得る。第2の負のゲージ圧は、第1のウェブ505が第2の最高温度にある時に加えられ得る。第2の最高温度は、第1の最高温度を上回ってもよい。
【0034】
分かりやすさのため、ゲージ圧は大気圧を基準にゼロとしている。そのため、第1の負のゲージ圧が大気圧より5kPa(50mbar)低く、第2の負のゲージ圧が大気圧より10kPa(100mbar)低い場合は、第2の負のゲージ圧は第1の負のゲージ圧より低いと言うことができる。また、大気圧より5kPa(50mbar)低いゲージ圧は、大気圧より低い圧力であるため、負のゲージ圧であると言うことができる。大気圧より5kPa(50mbar)低い負のゲージ圧は大気圧よりも低いため、これは真空である。そのため、第2の負のゲージ圧が第1の負のゲージ圧以下である状況においては、第1の負のゲージ圧が真空の第1の水準であり、第2の負のゲージ圧が真空の第2の水準であると考えられ、真空の第2の水準は真空の第1の水準よりも強力である。
【0035】
第2の最高温度は約100〜約120℃であり得る。第2の負のゲージ圧は、大気圧より約15kPa〜約26kPa(約150mbar〜約260mbar)低くあってもよい。第2の負のゲージ圧は、大気圧より約18kPa〜約26kPa(約180mbar〜約260mbar)低くあってもよい。第2の負のゲージ圧は、大気圧より約18kPa〜約23kPa(約180mbar〜約230mbar)低くあってもよい。第2の負のゲージ圧は、大気圧より約21kPa〜約23kPa(約210mbar〜約230mbar)低くあってもよい。つまり、第1の負のゲージ圧と比較して、第2の負のゲージ圧は、第1のウェブ505をより強く引き込む。
【0036】
第1の負のゲージ圧、第2の負のゲージ圧、第1の最高温度、及び第2の最高温度は、区画580が良好に成形され、第1のウェブ505が許容し得ない程度まで第1の多孔面575の開口部に引き込まれることがなく、かつ、第1のウェブ505の変形中に発生する微小亀裂の量が許容可能な程度まで制限されるように選択され得る。より高い温度で第1のウェブ505を変形させることの方がより容易となり得るため、一般的には、第2の温度がより高いほど第2の負のゲージ圧はより大きくなり得る。
【0037】
第1の負のゲージ圧及び第2の負のゲージ圧を加えることによって、第1のウェブ505を変形させて、第1の成形型530の1つ又は2つ以上の第1のキャビティー570内に入れることができる。第1の負のゲージ圧及び第2の負のゲージ圧を加えることによって、第1のウェブ505を塑性的に変形させて、第1の成形型530の1つ又は2つ以上の第1のキャビティー570内に入れることができる。塑性変形は熱成形によって提供することができ、熱成形は塑性変形のサブセットであると考えられる。
図4に示すように、第1のウェブ505は加熱されると、第1の成形型530の第1のキャビティー570内に引き込まれ得る。周囲温度を超える熱を加えられた第1のウェブ505は、真空伝送システム585を介して第1のキャビティー570の第1の多孔面575に加えられた真空によって引き込まれ得る。第1の成形型530の真空伝送システム585は、第1の真空システム600と流体連通して、第1の負のゲージ圧を加え得る。
【0038】
第1の成形型530が機械方向MDの下流に搬送されると、第2の真空システム610が第2の負のゲージ圧を第1の成形型530の真空伝送システム585に加えることができるように、第1の成形型530が所定の位置に移動され得る。第1の成形型530の真空伝送システム585は、第2の真空システム610と流体連通して、第2の負のゲージ圧を加え得る。第2の真空システム610によって生成された第2の負のゲージ圧が第1のキャビティー570の第1の多孔面575に加えられると、第1のウェブ505がキャビティー575内に更に引き込まれ得る。
【0039】
第1のウェブ505中における区画580の形成は、多段階プロセスであってもよい。プロセスの第1段階では、第1の成形型530を第1の真空システム600と動作可能に係合するように位置決めして、第1の負のゲージ圧をキャビティー570の第1の多孔面575に加え、第1のウェブ505を部分的に第1のキャビティー575内に引き込む。プロセスの第2段階では、第1の成形型530を第2の真空システム610と動作可能に係合するように位置決めして、第2の負のゲージ圧を第1のキャビティー570の第1の多孔面575に加え、第1のウェブ505を更に第1のキャビティー575内に引き込む。第1のウェブ505は、第1の負のゲージ圧が加えられた時に第1の最高温度であり、また第2の負のゲージ圧が加えられた時に第2の最高温度であり得、第2の最高温度は第1の最高温度以上である。
【0040】
第2の負のゲージ圧を第1のウェブ505に加えた後、続いて熱成形された第1のウェブ505を、ディスペンサ550によって基材処理剤50で充填又は部分的に充填してよい。続いて、第2のウェブ565を、成形された第1のウェブ505と対面関係にしてから第1のウェブ505に対して封止して、パウチ10を形成する。第2のウェブ565は、約周囲温度〜約120℃の温度であり得る。第2のウェブ565は、約10℃〜約120℃の温度であり得る。第2のウェブ565は、約20℃〜約120℃の温度であり得る。
【0041】
水溶性パウチ10を製造する方法の一部として、基材処理剤50を、水溶性の第1のウェブ505上に配置してよい。水溶性の第1のウェブ505上に配置された基材処理剤50の観点から、これは水溶性の第1のウェブ505が区画580に変形する前、水溶性の第1のウェブ505が区画580に変形する間、若しくは水溶性の第1のウェブ505が区画580に変形した後、又は上記の期間のいずれかの部分、若しくはかかる期間のうちのいずれかと重複する部分の間に起こり得る。
【0042】
水溶性の第1のウェブ505を成形して区画580を形成するその他の方法も想到される。基本的に、水溶性の第1のウェブ505を区画580内に変形させるために必要なことは、水溶性の第1のウェブ505の両側に圧力差を加えて、水溶性の第1のウェブ505を第1のキャビティー570の第1の多孔面575に適合させることのみである。例えば、水溶性の第1のウェブ505は、水溶性の第1のウェブ505を第1の最高温度にして水溶性の第1のウェブ505の両側に第1の圧力差を加え、続いて水溶性の第1のウェブ505を第2の最高温度にして水溶性の第1のウェブ505の両側に第2の圧力差を加えることにより、区画580に成形することができる。第2の圧力差は、第1の圧力差を上回ってもよい。第2の最高温度は、第1の最高温度以上であってもよい。非限定的な例として、水溶性の第1のウェブ505の両側の第1の圧力差は、成形型の上から流体圧力によって提供され得る。流体は加熱された流体であってもよい。水溶性の第1のウェブ505上に作用し得る流体圧力は、空気などの気体、又は液体によって提供され得る。例えば、ノズルは、第1のウェブ505に向かう方向の圧力下で流体(非限定的な例としては液体又は気体)を分配して、第1のウェブ505を第1のキャビティー570の第1の多孔面575に適合させ得る。
【0043】
本明細書で説明する通り、第1の圧力差は、第1の負のゲージ圧を第1の多孔面575に加えることによって加えることができ、第2の圧力差は、第2の負のゲージ圧を第1の多孔面575に加えることによって加えることができる。第2の負のゲージ圧は、第1の負のゲージ圧以下であり得る。
【0044】
第1のウェブ505と第2のウェブ565とを接合させる任意の好適なプロセスを用いてよい。封止は、ランド領域531中の、第1の成形型530の個々の第1のキャビティー570の間で起こり得る。こうした手段の非限定的な例としては、ヒートシール、溶剤接着、溶剤又は湿式封止、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱及び/又は溶剤はシートの表面全体に適用してもよく、あるいは封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤で処理してもよい。熱又は溶剤は、任意のプロセスにより、典型的には閉鎖材料上に、典型的には封止を形成することになる領域上のみに適用してよい。溶剤又は湿式の封止又は接着を用いる場合、更に熱を加えてもよい。湿式又は溶剤封止/溶着方法としては、溶剤を成形型間又は閉鎖材料上に、例えば、これをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用し、続いて圧力をこれらの領域に適用して封止を形成することが挙げられる。例えば、必要に応じて熱を更に提供する上記のシーリングロール及びベルトを使用してもよい。
【0045】
切断操作は、パウチ10を個別のパウチ10に分離するための
図3に示す装置と一体であってもよく、又はその下流に位置していてもよい。続いて、形成されたパウチ10を切断装置によって切断してよい。切断は任意の既知のプロセスを用いて達成してよい。切断は、任意選択的に一定の速度で、かつ水平位で、連続的な方法で実施してよい。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品であってもよく、後者の場合には、高温の物品がシート/封止領域を「焼き切る」。切断装置(複数可)は、横断方向に切断を行うロータリーダイカッター、及び機械方向MDに切断を行う切断ホイールであってもよい。
【0046】
個別のパウチ10の観点では、水溶性パウチ10を製造するためのプロセスは多段階プロセスである。水溶性の第1のシート20が提供される。水溶性の第2のシート30が提供される。区画580は、第1のシート20及び第2のシート30の一方に、かかるシートを塑性的に変形させることによって形成される。基材処理剤50は、区画580内、又は第1のシート20上に配置され得る。また、第1のシート20と第2のシート30とは互いに封止されて、密封されたパウチ10を形成し得る。
【0047】
パウチ10を製造する方法では、第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方が形成される。パウチ10を製造する方法では、第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方が熱成形され得る。パウチ10を製造する方法では、第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方が塑性的に変形され得る。パウチ10を製造する方法では、第1のシート20及び第2のシート30の少なくとも一方が変形され得る。パウチ10を形成するシートの特性に応じて、その中に基材処理剤50が配置される区画580を形成するために熱成形されるシートは、シートが他方のシートに接合された後で部分的に弾性反撥し得る。第1のシート20及び第2のシート30の特性に応じて、パウチ10は多少湾曲したシートを有するように設計され得る。
【0048】
本明細書で説明するパウチ10を形成する時、区画580を形成するために変形されるシートは、他方のシートがそれに接合されてパウチ10が形成された後で弾性反撥し得る。弾性反撥するシートが収縮すると、他方のシートは、収縮するシートのために生じたチャンバ40内の圧力の上昇によって塑性的に変形され得る。したがって、区画580を形成するために一方のみのシートが変形される場合であっても、第1のキャビティー570内に最初に引き込まれたシートが弾性反撥する時に、両方のシートが塑性的に変形され得ることは可能である。熱は、他方のシートの塑性変形が、熱成形によるものであり、かつ、一方のシートが弾性反撥して他方のシートの変形を促進することによるものであり得るように、塑性的に変形して第1のキャビティー570内に入らなかったシートに任意選択的に加えてもよい。
【0049】
第1の成形型530中の第1のキャビティー570は、約20〜約80cm
2の表面積を有し得る。第1のウェブ505が区画580に変形すると、第1のウェブ505の変形された、塑性的に変形された、又は熱成形された部分の面積は、変形、塑性変形、又は熱成形を受けた第1のウェブ505の部分の変形、塑性変形、又は熱成形前の面積と比較して約50〜約300%増加し得る。
【0050】
2つ以上のパウチ10が互いに接合される場合、
図5に示すように、装置1は上部パウチ形成装置2を備え得る。こうした構成では、下部パウチ10は、パウチ10の形成に関して上述した通りに形成してよい。上部パウチ形成装置2は、第3のウェブ供給ロール800を備え得る。水溶性の第3のウェブ805は、第3のウェブ供給ロール800から供給され得る。第3のウェブ805は、ホットローラー900上で支持され得る。ホットローラー900は、第3のウェブ805を約100℃〜約135℃の温度に加熱し得る。ホットローラー900は、第3のウェブ805を約100℃〜約125℃の温度に加熱し得る。第3のウェブ805の温度が高いほど、熱成形による変形の傾向は大きくなる。
【0051】
第3のウェブ805は、コンベヤシステム520上の第2の成形型532上で支持され得る。第3のウェブ805用のコンベヤシステム520は、
図3で第1の成形型530に関して示す通り、ベルトシステムであってもよい。第3のウェブ805用のコンベヤシステム520は、
図5に示す通りの回転ドラムシステムであってもよい。
図5に示す通り、ベルトシステムを用いて、第1のウェブ505、及び第1のウェブ505を形成するのに用いられる第1の成形型530を搬送することができる。ベルトシステムを用いて、第3のウェブ805、及び変形、塑性変形、又は熱成形によって第3のウェブ805を形成するのに用いられる第2の成形型532を搬送することができる。ドラムシステムにおいては、第2の成形型532を、回転ドラム521上に取り付けるか、又は回転ドラム521内に形成してもよく、これを第3のウェブ805を熱成形するのに用いることができる。
【0052】
第2の成形型532及び第1の成形型530は、基本的には互いに同じ方法で構造化される。第2の成形型532は、少なくとも1つの第2のキャビティー571を備える。第2の成形型は、真空伝送システム585を備える。第2の成形型532は、第2の多孔面576を備え得る。第2の多孔面576は、第2の多孔面576が第1の成形型530ではなく第2の成形型532の一部である点で、第1の多孔面575とは異なる。第2の多孔面576は、可能な違いの中でもとりわけ、第1の多孔面575とは異なる形状、多孔面576に第2のキャビティーを真空伝送システム585と接続するための異なるサイズの開口部、異なるランド領域531、及び異なる容積を有し得る。第2の成形型532は、ランド領域531を備え得る。第2のキャビティー571の第2の多孔面576は、約0.1mm
2〜約2mm
2の面積を有する開口部を備え得る。第2のキャビティー571の第2の多孔面576は、約0.5mm
2〜約1mm
2の面積を有する開口部を備え得る。開口部は円形の開口部であり得る。約2〜約2000個の開口部が存在し得る。
【0053】
第2の成形型532と第1の成形型530との違いは、それぞれの対応する成形型のキャビティー(複数可)の形状に関してであり得る。更に、第2の成形型532と第1の成形型530との違いは、かかる成形型がコンベヤシステム520に適合し得る、取り付けられ得る、又は嵌合し得るような、対応する成形型の下面の形状であり得る。そのため、
図4は、第2の成形型532及び第1の成形型530を表す。第2の成形型532は、第2のキャビティー571に隣接する第3のキャビティーを備え得る。第2のキャビティー571及び第3のキャビティーは、第1のキャビティー内に形成される単一のパウチ10に対応し得る。本明細書で説明する通りに構成された最終製品は、互いに接合する2つのパウチ10、互いに接合する3つのパウチ10、又は任意の他の望ましい数のパウチ10を備え得る。
【0054】
回転ドラム521は加熱され得る。熱は第2の成形型532に伝導され得る。回転ドラムは、約25〜約70℃の温度を有し得る。回転ドラムの温度は、第3のウェブ805の温度が、第3のウェブが回転ドラム521上に取り付けられた第2の成形型532上で支持されている時に約100〜約135℃であるように設定され得る。回転ドラム521の代わりにベルトシステムを用いることができる。
【0055】
回転ドラムの内部は、第3の真空システム620を備え得る。第3の真空システム620は、真空伝送システム585を介して第2の成形型532の第2のキャビティー571の第2の多孔面576と流体連通し得る。第3のウェブ805がコンベヤシステム520によって第2の成形型532上で支持されると、第3の負のゲージ圧が、第2の多孔面576に加えられ、また、その結果、第3のウェブ805に加えられる。第3の負のゲージ圧は、第3のウェブ805を変形させて、第2の成形型532の第2のキャビティー571内に入れることができる。第3のウェブ805の変形は塑性変形によるものであり得る。第3のウェブの変形は熱成形によるものであり得る。第3の負のゲージ圧が第2の多孔面576に加えられた時、第3のウェブ805は、約100℃〜約135℃の温度であり得る。第3の負のゲージ圧が第2の多孔面576に加えられた時、第3のウェブ805は、約100℃〜約125℃の温度であり得る。
【0056】
第3のウェブ805は、第3の圧力差を水溶性の第3のウェブ805の両側に加えることによって、第2の区画580に成形され得る。第3の圧力差は、第3の負のゲージ圧を第2の多孔面576に加えることによって加えることができる。非限定的な例として、水溶性の第3のウェブ805の両側の第3の圧力差は、第2の成形型532の上から流体圧力によって提供され得る。流体は加熱流体であってもよい。水溶性の第3のウェブ805上に作用し得る流体圧力は、空気などの気体、又は液体によって提供され得る。例えば、ノズルによって、第3のウェブ805に向かう方向での圧力下で流体(非限定的な例として液体又は気体)を分配して、第3のウェブ805を第2のキャビティー571の第2の多孔面576に適合させることができる。
【0057】
一旦、第2の区画580が第3のウェブ805に形成されたら、基材処理剤を第2の区画580内に配置することができる。第2の区画580は、基材処理剤50で充填又は部分的に充填してよい。充填又は部分的な充填はディスペンサ550によって提供され得る。充填は、第2の区画580がその移動経路の先端の近位にある時に実施され得る。第2の成形型532がドラムシステム上を搬送される場合、充填は第2の成形型532がその最高位の近位にある時に実施され得る。第2の成形型532がベルトシステム上を搬送される場合、充填は第2の区画580が形成される位置で、又はその下流で提供され得る。第2の成形型532に対応するディスペンサ550は、コンベヤシステム520と共にコンベヤシステムの移動範囲の少なくとも一部を移動することができる。例えば、第3のウェブ805内に形成された第2の区画580を充填するディスペンサ550は、
図5に示す限定された移動範囲を前後に移動し得る。第3のウェブ805内の第2の区画580が充填された後、続いて第2のウェブ565が、形成された第3のウェブ805に対して封止されて、第2のチャンバ40を有する第2の密封されたパウチ10を形成する。形成された第3のウェブ805は、変形、塑性的に変形、又は熱成形されたものであってよい。
【0058】
水溶性パウチ10を製造する方法の一部として、第2の基材処理剤50を、水溶性の第3のウェブ805上に配置してよい。水溶性の第3のウェブ805上に配置された第2の基材処理剤50の観点から、これは水溶性の第3のウェブ805が第2の区画580に変形する前、水溶性の第3のウェブ805が第2の区画580に変形する間、若しくは水溶性の第3のウェブ805が代2の区画580に変形した後、又は上記の期間のいずれかの部分、若しくはかかる期間のうちのいずれかと重複する部分の間に起こり得る。
【0059】
第2のウェブ565と第3のウェブ805とを封止する任意の好適なプロセスを用いてよい。封止は、ランド領域中の、第2の成形型532の個々の第2のキャビティー571の間で起き得る。こうした手段の非限定的な例としては、ヒートシール、溶剤接着、溶剤又は湿式封止、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱及び/又は溶剤はシートの表面全体に適用してもよく、あるいは封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤で処理する。熱又は溶剤は、任意のプロセスにより、典型的には閉鎖材料上の、典型的には封止を形成することになる領域上のみに適用してよい。溶剤又は湿式の封止又は接着を用いる場合、更に熱を加えてもよい。湿式又は溶剤封止/溶着方法としては、溶剤を成形型間、又は閉鎖材料上に、例えば、これをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用し、続いて圧力をこれらの領域に適用して封止を形成することが挙げられる。例えば、任意で熱を更に提供する上記のシーリングロール及びベルトを使用してもよい。
【0060】
続いて、第3のウェブ805と第2のウェブ565との間に形成されたパウチ10を、第1のウェブ505と接合して、第2のウェブ565と第1のウェブ505との間にパウチ10を形成してよい。上述したように、第2のウェブ565と第1のウェブ505とは互いに接合してよい。
【0061】
第3のウェブ805を第2の区画580に成形するために用いられる第2の成形型532は、第1のウェブ505を成形するために用いられる第1の成形型530と同じ形状又は異なる形状を有する第2のキャビティー571を有し得る。第3のウェブ805を区画580に成形するために用いられる第2の成形型532は、約0.5mL〜約10mLの容積を有する1つ又は2つ以上の第2のキャビティー571を有し得る。第3のウェブ805を第2の区画580に成形するために用いられる第2の成形型532は、約100〜約1500mm
2の表面積を有する1つ又は2つ以上の第2のキャビティー571を有し得る。
【0062】
基材処理剤50は液体であり得るが、固体即ち錠剤であってもよい。用語「液体」とは、液体、ペースト、ワックス状、又はゲル組成物を含むことを意味する。液体の基材処理剤50は固体を含んでもよい。固体としては、マイクロカプセル、ビーズ、麺状物、若しくは1つ以上の真珠光沢ボール、又はこれらの混合物などの粉末又は粒塊が挙げられ得る。このような固体成分は、洗浄を通して、又は前処理、遅延放出若しくは順次放出成分として、技術的利点を提供することができる。あるいは、これは、審美的な効果を提供し得る。本発明の基材処理剤50は、以下で説明する1種以上の成分を含んでいてもよい。
【0063】
本発明の基材処理剤50は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤の合計濃度は、基材処理剤50の約1重量%〜約80重量%の範囲であってもよい。基材処理剤50は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルコールエトキシサルフェート、C12〜16のパレス−9、脂肪酸塩、酵素、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩、及び/又はアルコールアルコキシレートを含んでもよい。
【0064】
基材処理剤50は、液体洗濯用洗剤、粉末洗濯用洗剤、液体食器洗浄用洗剤、粉末食器洗浄用洗剤、液体漂白剤、粉末漂白剤、液体柔軟仕上げ剤、粉末柔軟仕上げ剤、液体洗濯用芳香添加剤、粉末洗濯用芳香添加剤、液体布地ケア有益剤、及び固体布地ケア有益剤からなる群から選択され得る。基材処理剤50は、第四級アンモニウム塩、脱水素化タロージメチルアンモニウムクロリド、及び/又はジエチルエステルジメチルアンモニウムクロリドを含む柔軟仕上げ剤であってもよい。基材処理剤50は、ガラス製品、食器類、床材、織物、タイヤ、自動車のボディ、歯、義歯、皮膚、指の爪、足指の爪、毛髪、器具表面、器具内部、トイレ、バスタブ、シャワー、鏡、デッキ材、窓などからなる群から選択される基材を処理するように配合することができる。
【0065】
第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805は水溶性材料であってよい。水溶性材料は、シート又はフィルムに形成可能なポリマー材料であってよい。シート材料は、当該技術分野において既知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込み成形、押出成形、又は吹込み押出成形により得ることができる。
【0066】
本明細書のいずれに開示されている第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び/又は第3のウェブ805も、印刷されたウェブであってよい。同様に、パウチ10を形成するシートのいずれも、印刷されたシートであってよい。ウェブ又はシートの印刷は、そのいずれの表面上であってもよい。印刷は、文字及び/又は図形であってもよい。印刷は、特定の地域で販売される製品に適用される規制により求められる情報を提供してもよい。印刷は、使用説明書を提供してもよい。第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び/又は第3のウェブ805、並びに本明細書のいずれに開示されているパウチ10の任意のシートも、かかるウェブのうちの1つ又は2つ以上が不快な味、不快な臭気、又は魅力のない質感を有するようにさせる嫌悪剤を含んでよい。非限定的な例として、不快な味は苦味又は辛味(hot taste)であり得る。本明細書で開示されるウェブ又はシートのいずれも、本明細書で開示されるいずれの構成においても本明細書で開示される印刷及び/又は嫌悪剤の両方を有してよい。
【0067】
第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805は、約20〜約150マイクロメートル、更には約35〜約125マイクロメートル、更には約50〜約110マイクロメートル、更には約76マイクロメートル、又は更には約90マイクロメートルの厚さを有し得る。
【0068】
第1のウェブ505、第2のウェブ565、第3のウェブ805、第1のシート20、及び第2のシート30は、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタを用いて以下に記載される方法によって測定した場合に、少なくとも50%、更には少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶解度を有し得る。即ち、50グラム±0.1グラムのシート材料を、予秤量された400mLのビーカー内に添加し、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、lablineモデル番号1250又は等価物である5cmの電磁式攪拌器上で、600rpmに設定して24℃で30分間激しく攪拌する。続いて、この混合物を、上記で定義された孔径(最大20マイクロメートル)を有する折り畳み式定性焼結ガラスフィルタに通して濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度(%)又は分散度(%)を計算することができる。
【0069】
第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805、並びにパウチ10材料として使用するのに適した好適なポリマー、コポリマー、又はその誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン(xanthum)及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択することができる。好適なポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。シート材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%であり得る。ポリマーは、約1000〜約1,000,000、更には約10,000〜約300,000、又は更には約20,000〜約150,000などの任意の重量平均分子量を有し得る。
【0070】
ポリマーの混合物もまた、第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805、並びにパウチ10の材料として用いることができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はシートの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜約40,000、又は更には約20,000のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜約300,000、又は更には約150,000のPVA又はそのコポリマーと、の混合物もまた好適である。ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解で分解可能で水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することにより得られ、典型的に約1〜約35重量%のポリラクチド、及び約65重量%〜約99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなど)もまた、本明細書において好適である。本明細書に用いるのに好適なのは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、又は更には約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0071】
第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805、並びにパウチ10材料は、冷水、つまり非加熱蒸留水中で良好な溶解を示すことができる。こうしたフィルムは、約24℃、又は更には約10℃の温度で良好な溶解を示すことができる。良好な溶解とは、本明細書に記載し、また上記で説明した方法で測定した場合に、シートが少なくとも約50%、更には少なくとも約75%、又は少なくとも約95%の水溶解度を示すことを意味する。
【0072】
好適な第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805は、米国特許第6 166 117号、及び同第6 787 512号で説明される、Monosolから商品照会名M8630、M8900、M8779、M8310で供給されるウェブ、及び対応する溶解特性及び変形特性を有するPVAフィルムであり得る。更なる好適なシートは、米国特許出願公開第2006/0213801号、国際公開WO 2010/119022号、及び米国特許第6787512号に記載されているものであり得る。
【0073】
好適な第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805、並びにパウチ10材料は、1つ又は2つ以上のPVAポリマーを含有する樹脂類であり得る。水溶性シート樹脂は、PVAポリマーのブレンドを含み得る。例えば、PVA樹脂は、少なくとも2つのPVAポリマーを含むことができ、本明細書で使用する時、第1のPVAポリマーは第2のPVAポリマーより小さい粘度を有する。第1のPVAポリマーは、少なくとも8センチポアズ(cP)、10cP、12cP、又は13cP、かつ最大40cP、20cP、15cP、又は13cP、例えば約8cP〜約40cP、若しくは10cP〜約20cP、若しくは約10cP〜約15cP、若しくは約12cP〜約14cPの範囲内、又は13cPの粘度を有することができる。更に、第2のPVAポリマーは、少なくとも約10cP、20cP、又は22cP、多くとも約40cP、30cP、25cP、又は24cP、例えば、約10cP〜約40cP、又は20〜約30cP、又は約20〜約25cP、又は約22〜約24cPの範囲、又は約23cPの粘度を有していてもよい。PVAポリマーの粘度は、英国規格EN ISO 15023−2:2006年、補遺E、Brookfield試験法に記載されるように、ULアダプタを備えたBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製した溶液を測定することにより決定される。国際的慣行では、20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を記載する。本明細書においてcP単位で記載するすべての粘度は、別段の定めがない限り、20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を参照するものとして理解されたい。同様に、樹脂が特定の粘度を有する(又は有しない)と記載される時、特に言及しない限り、指定された粘度は、対応する分子量分布を固有に有する、樹脂の平均粘度であることを意味する。
【0074】
PVA樹脂の加水分解度が本明細書に記載の範囲内にある限り、個々のPVAポリマーは、任意の好適な加水分解度を有し得る。所望により、PVA樹脂は、更に又はあるいは、約50,000〜約300,000ダルトン、又は約60,000〜約150,000ダルトンの範囲内の分子量を有する第1のPVAポリマー;及び約60,000〜約300,000ダルトン、又は約80,000〜約250,000ダルトンの範囲内の分子量を有する第2のPVAポリマーを含むことができる。
【0075】
PVA樹脂は、約10〜約40cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する、1つ以上の追加のPVAポリマーを更に含むことができる。
【0076】
PVA樹脂が、約11cPよりも低い平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合には、ある種の実施形態では、PVA樹脂は、第1のPVAポリマーを約30重量%未満含有する。同様に、PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合には、別の非限定的な種類の実施形態では、PVA樹脂は、約70,000ダルトン未満の分子量を有するPVAポリマーを約30重量%未満含有する。
【0077】
本明細書に記載されたフィルムの総PVA樹脂含有量の内、PVA樹脂は、約30重量%から約85重量%の第1のPVAポリマー、又は約45重量%から約55重量%の第1のPVAポリマーを含むことができる。例えば、PVA樹脂は、各PVAポリマーを約50重量%含むことができ、第1のPVAポリマーの粘度は約13cPであり、第2のPVAポリマーの粘度は約23cPである。
【0078】
ある種の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約40〜約85重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。別の種類の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。PVA樹脂は、約20〜約25cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第2のPVAポリマーを約15〜約60重量%含み得る。想到されるある種の実施形態は、第2のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。
【0079】
PVA樹脂が複数のPVAポリマーを含む場合、PVA樹脂のPDI値は、あらゆる個々の含まれたPVAポリマーのPDI値よりも大きい。所望により、PVA樹脂のPDI値は、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、又は5.0より大きい。
【0080】
PVA樹脂は、約80〜約92%、約83〜約90%、又は約85〜89%の加重平均加水分解度
【0081】
【数1】
を有し得る。例えば、2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0083】
【数3】
によって計算され、式中、W
iは、対応するPVAポリマーの重量パーセントであり、H
iは、対応する加水分解度である。また更に、約10〜約25、約12〜約22、又は約13.5〜約20の加重対数粘度
【0084】
【数4】
を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0086】
【数6】
によって計算され、式中、μ
tは対応するPVAポリマーの粘度である。
【0087】
また更に、約0.255〜約0.315、又は約0.260〜約0.310、又は約0.265〜約0.305、又は約0.270〜約0.300、又は約0.275〜約0.295、又は約0.270〜約0.300の範囲の樹脂選択指数(RSI)を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。RSIは式Σ(W
i|μ
i−μ
t|)/Σ(W
iμ
i)によって計算され、式中、μ
tは17であり、μ
iは対応するPVOHポリマーのそれぞれの平均粘度であり、W
iは、対応するPVOHポリマーの重量パーセントである。
【0088】
同様に好適なのは、以下の式を有する少なくとも1種の陰性に改質されたモノマーを含む、水溶性の第1のウェブ505、水溶性の第2のウェブ505、及び水溶性第3の805(water soluble third 805)、並びにパウチ10材料又はシートである。
[Y]−[G]
n
式中、Yはビニルアルコールモノマーを表し、Gは、アニオン基を含むモノマーを表し、nは1〜3の整数である。Gは、アニオン基を擁することができる任意の好適なコモノマーであり、任意でGはカルボン酸である。Gは、マレイン酸、イタコン酸、coAMPS、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メチルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0089】
Gのアニオン基は、OSO
3M、SO
3M、CO
2M、OCO
2M、OPO
3M
2、OPO
3HM、及びOPO
2Mからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、OSO
3M、SO
3M、CO
2M、及びOCO
2Mからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、SO
3M及びCO
2Mからなる群から選択され得る。
【0090】
当然ながら、本発明の区画を製造するのに、異なる厚さの様々なウェブ(第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805)、シート材料、及び/又はシートを用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性、即ち放出特性を呈し得ることである。
【0091】
本明細書のウェブ(第1のウェブ505、第2のウェブ565、及び第3のウェブ805)、及びシート材料は、1つ又は2つ以上の添加剤成分を更に含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、水、及び界面活性剤を含む、洗浄水に供給される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などを挙げることができる。
【0092】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0093】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許等の、本願に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせた時に、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0094】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。