(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
上述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述されており、これにより、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにおいて、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳説を省略する。以下に、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を指すものに使われる。
【0031】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態によるOLED照明装置について詳説する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置を示した平面図であり、
図2は、
図1のA部分を拡大して示した平面図であり、
図3は、
図2のIII−III’線に沿って切断して示した断面図である。
【0033】
図1〜
図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100においては、基板110上にバッファ層115が配置され、バッファ層115上に有機発光素子(E)が配置される。
【0034】
有機発光素子(E)は、バッファ層115上に配置した第1電極130と、第1電極130上に積層した有機発光層140と、有機発光層140上に積層した第2電極150を含む。このような構造のOLED照明装置100では、有機発光素子(E)の第1電極130と第2電極150に信号が印加されるにつれて、有機発光層140が発光することで基板110全体的に光を出力するようになる。
【0035】
このとき、基板110上には補助配線120がマトリックス状に配置される。かかる補助配線120は、電導性に優れた金属材質で構成されており、基板110の全体領域に配置する第1電極130に均一な電圧が印加されるようにして、大面積のOLED照明装置100で均一な輝度に発光が行われることを可能にする。かかる補助配線120は、バッファ層115と第1電極130との間に配置して、第1電極130と直接接触される形態に連結されてもよい。
【0036】
第1電極130は、ITOのような透明導電物質からなっており、発光される光を透過するという長所を有するものの、金属に比べて電気抵抗が非常に高いという短所がある。従って、大面積のOLED照明装置100を製作する場合、透明導電物質の大きい抵抗によって広い領域に印加される電流の分布が不均一となり、このような不均一な電流分布は、大面積のOLED照明装置100の均一な輝度の発光を不可能にする。
【0037】
補助配線120は、基板110全体にわたりマトリックス状に配置され、基板110全体の第1電極130に均一な電圧が印加されるようにして、大面積のOLED照明装置100で均一な輝度の発光を可能にする。
【0038】
このため、補助配線120は、少なくとも5μm以上の線幅を有することが好ましく、より好ましい線幅としては5〜50μmを有する。かかる補助配線120は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo及びCrのうち選択された1種又は2種以上の合金材質で構成されてもよい。かかる補助配線120は、断層構造で構成されるか、又は、2層以上の複層構造を有してもよい。
【0039】
このとき、補助配線120が第1電極130の下部に配置されるが、補助配線120が第1電極130の上部に配置されてもよい。
【0040】
補助配線120は、マトリックス状に配置されることで、基板110を複数の画素(P)単位に区画することができる。すなわち、補助配線120は、第1電極130に比べて抵抗が非常に低いため、実質的に第1電極130の電圧は、第1電極130に直接印加されるものではなく、補助配線120を介して印加される。従って、第1電極130が基板110全体にかけて形成されるが、補助配線120によって第1電極130が複数の画素(P)に区画される。
【0041】
第1電極130の上部には保護層125が積層される。かかる保護層125は、補助配線120を覆うように第1電極130の上部に配置される。
【0042】
補助配線120は、不透明な金属で構成されるため、補助配線120が形成される領域へは光が出力されない。従って、第1電極130上には補助配線120が位置する上部にのみ保護層125を備えて、補助配線120が配置しない位置には保護層125が配置されないようにして、画素(P)の発光領域でのみ光が発光して出力されるようにする。すなわち, 保護層125は、各画素(P)の中央部分を除く他の領域にのみ形成される。
【0043】
また、保護層125は、補助配線120を囲むように形成されて、補助配線120による段差を減少させることで、その後に積層される有機発光層140及び第2電極150などが断線されず安定して形成されるようになる。
【0044】
このため、保護層125は、SiOxやSiNxなどのような無機層で構成されてもよい。また、保護層125は、フォトアクリルのような有機層で構成されてもよいし、無機層及び有機層を含む複数の層で構成されてもよい。
【0045】
第1電極130及び保護層125の上部には有機発光層140と第2電極150が順次に配置される。
【0046】
有機発光層140は、白色光を出力する有機発光物質で構成されてもよい。例えば、有機発光層140は、青色有機発光層、赤色有機発光層及び緑色有機発光層で構成されてもよいし、青色発光層と黄色−緑色発光層を含むタンデム(tandem)構造で構成されてもよい。しかし、本発明の有機発光層140は、前記構造に限定されるものではなく、多様な構造を適用することができる。
【0047】
また、図面では示していないが、有機発光素子(E)は、有機発光層140に電子及び正孔をそれぞれ注入する電子注入層及び正孔注入層と、注入済みの電子及び正孔を有機発光層にそれぞれ輸送する電子輸送層及び正孔輸送層と、電子及び正孔のような電荷を生成する電荷生成層をさらに含んでいてもよい。
【0048】
有機発光層140は、正孔輸送層と電子輸送層からそれぞれ正孔と電子をそれぞれ輸送されて結合させることで可視光線領域の光を発光する物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。このような有機物質としては例えば、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq3)、カルバゾール系化合物、二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物、BAlq、10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物、ベンゾオキサゾールとベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾール系化合物、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)などが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
第2電極150は、Ca、Ba、Mg、Al、Agのような金属又はこれらの合金などで構成されてもよい。
【0050】
第1電極130、有機発光層140及び第2電極150は、有機発光素子(E)を構成する。このとき、第1電極130が有機発光素子(E)のアノード(anode)であり、第2電極150がカソード(cathode)であって、第1電極130と第2電極150に電圧が印加されると、第2電極150から電子が有機発光層140に注入されて、第1電極130から正孔が有機発光層140に注入され、有機発光層140内には励起子(exciton)が生成される。この励起子が消滅(decay)することによって、有機発光層140のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)とHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー差に相当する光が発生して、基板110の方向に光を発散することになる。
【0051】
また、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100は、有機発光素子(E)が備えられた基板110上の第2電極150を覆うように配置したカプセル化層160をさらに含んでいてもよい。
【0052】
かかるカプセル化層160は、接着層162と、接着層162上に配置した基材層164を含んでいてもよい。このように、有機発光素子(E)が備えられた基板110上にはカプセル化層160が配置され、基材層164が接着層162によって付着することでOLED照明装置100を密封させるようになる。
【0053】
このとき、接着層162としては、光硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができる。基材層164は、外部からの水気や空気が侵透することを防止するために配置させるものであって、このような機能を行えるものであれば、どのような物質でも可能である。例えば、基材層164の材質としては、PET(Polyethyleneterephtalate)のような高分子物質が適用されるか、又はアルミ箔、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金などの金属物質で構成されてもよい。
【0054】
一方、
図2及び
図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100においては、マトリックス状に配列される補助配線120によって区画される画素(P)内に第1電極130が配置され、補助配線120と第1電極130は、相対的に高抵抗の抵抗パターン132によって電気的に接続される。
【0055】
これにより、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100においては、補助配線120に印加された信号が抵抗パターン132を経て第1電極130に印加されるため、第1電極130の開口部135を画素(P)の縁を囲む形態に配置して、抵抗パターン132を十分に長く配置させることにより、信号が流れる経路を十分に長く確保することが可能となる。この結果、第1電極130の開口部135の設計変更によって所望の大きさで短絡防止抵抗を形成できるようになる。
【0056】
すなわち、第1電極130の開口部135は、第1電極130の一部である細長い形状の抵抗パターン132を定義するため、画素(P)を囲むように配置する。補助配線120に印加された信号は、抵抗パターン132を介して第1電極130に印加される。
【0057】
このように、第1電極130が補助配線120及び基板110全体に配置され、第1電極130の一部を除去した開口部135を配置させることで、第1電極130と同じ物質からなる抵抗パターン132を配置してもよい。
【0058】
この結果、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置は、第1電極130の開口部135の設計変更によって所望の大きさの短絡防止抵抗を生成することができ、短絡回路にのみ電流が流れないようにすることができるため、第1電極130と第2電極150との間で短絡が発生することを防止することができる。
【0059】
しかし、上述した本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100の場合、補助配線120が配置される部分とともに、第1電極130の開口部135及び抵抗パターン132が配置される部分では光が発光しないため、補助配線120と第1電極130の開口部135及び抵抗パターン132が配置される部分を保護層125で覆うことになり、これは結局、OLED照明装置100の全体開口率を低下させる原因となっている。
【0060】
特に、抵抗パターン132は、設定された抵抗値を形成するため、設定された幅及び長さだけ形成されなければならず、画素(P)の面積とは関係なく抵抗パターン132が画素(P)内に一定面積で形成されなければならない。これにより、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置100は、短絡防止抵抗が形成されないOLED照明装置に比べて約8.5%以下の開口率が落ちる問題があった。
【0061】
従って、画素(P)の大きさが小さな高解像度OLED照明装置100の場合、抵抗パターン132によって開口率が設定値以下に低下して、OLED照明装置100の品質不良を引き起こす。
【0062】
これにより、第1電極130の開口部135及び抵抗パターン132によって短絡防止抵抗を形成する場合、画素(P)の開口率が低下するため、高解像度のOLED照明装置100の製造に際して技術的困難が生じていた。
【0063】
このような開口率低下の問題を克服するために基板110上の補助配線120を除去すると、基板110上全体にかけて配置するITOのような透明導電物質からなる第1電極130の抵抗が低い関係で、発光の均一度が低下する問題がある。
【0064】
これを解決するため、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置は、開口率向上のため補助配線を除去する代わりに、各画素の一側辺に第1の補助配線を配置させて、第1の補助配線に接続される幅の細い第2の補助配線を画素内にマトリックス状に配置した。
【0065】
この結果、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置は、第1の補助配線及び第2の補助配線によってITOのような透明導電物質からなる第1電極の高い抵抗を補償できるとともに、補助配線の削除で開口率低下の問題を克服できるようになる。
【0066】
これについては、以下に添付した図面を参照して、より具体的に説明する。
【0067】
図4は、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置を示した平面図であり、
図5は、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の単位画素を示した平面図であり、
図6は、
図5のVI−VI’線に沿って切断して示した断面図である。
【0068】
図4〜
図6を参照すると、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200においては、基板210の全面にバッファ層215が配置され、バッファ層215上に第1の補助配線222が配置される。
【0069】
基板210は、透明なガラス材質を用いることができる。また、基板210は、フレキシブルな特性を有する高分子物質を用いることもできる。
【0070】
バッファ層215は、基板210の下部から浸透する水気及び空気を遮断する役割を行う。このため、バッファ層215は、SiOxやSiNxなどのような無機層で構成されてもよい。バッファ層215は、省略してもよい。
【0071】
第1の補助配線222は、基板210上のバッファ層215上に配置される。これにより、バッファ層215は、基板210と第1の補助配線222及び第2の補助配線224の間に配置される。
【0072】
第2の補助配線224は、第1の補助配線222と連結されて、基板210上に配置される。かかる第2の補助配線224は、基板210上の画素(P)内で複数が交差するマトリックス状に配列される。
【0073】
第2の補助配線224は、第1実施形態の補助配線(
図2の120)の線幅の2倍以下の線幅を有することが好ましい。従って、第2の補助配線224は、1〜3μmの線幅を有することがさらに好ましい。第2の補助配線224の線幅が1μm未満である場合には、開口率は増加するものの、第1電極230の抵抗を低くすることが難しい。逆に、第2の補助配線224の線幅が3μmを超える場合には、第2の補助配線224の配置面積が増加し、画素(P)内の発光領域を減少して開口率を低下する問題がある。
【0074】
このとき、第1の補助配線222は、第2の補助配線224と同じ層に配置されて、同じ金属材質からなる。従って、第1の補助配線222は、第2の補助配線224と同じ層で一体に連結されてもよい。
【0075】
保護層225は、第1の補助配線222及び第2の補助配線224が配置された基板210を覆い、第1の補助配線222の一部を露出する貫通孔(TH)を有する。このとき、第1の補助配線222は、貫通孔(TH)によって少なくとも半分以上の面積が露出して、有機発光素子(E)の第1電極230と直接接触される。保護層225は、画素(P)の発光領域内に形成される。
【0076】
かかる保護層225は、SiOxやSiNxなどのような無機層で構成されてもよい。また、保護層225は、フォトアクリルのような有機層で構成されてもよいし、無機層及び有機層を含む複数の層で構成されてもよい。
【0077】
このように、第1の補助配線222及び第2の補助配線224は、貫通孔(TH)を除く全領域が保護層225により安定して保護されるため、OLED照明装置200の信頼性を向上させるようになる。
【0078】
特に、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、補助配線を除去する代わりに、低抵抗確保のため第1の補助配線222及び第2の補助配線224を設計することで、ITOのような透明導電物質からなる第1電極230の高い面抵抗を補償して、大面積の高解像度OLED照明装置200を具現する際、電流降下による輝度低下なく正常発光が可能となり得る。
【0079】
このため、第1の補助配線222及び第2の補助配線224それぞれには、第1電極230の高い面抵抗を補償するため、電導性に優れた金属材質を用いることが好ましい。具体的には、第1の補助配線222及び第2の補助配線224それぞれの材質としては、Al、Au、Cu、Ti、W及びMoのうち選択された1種又は2種以上の合金を含んでいてもよい。
【0080】
特に、本発明の第2実施形態において、第1の補助配線222の厚さは、第2の補助配線224の厚さに比べて相対的に大きく設計することが好ましいが、これは、第1の補助配線222の厚さを相対的に大きく設計してこそ、大面積の高解像度OLED照明装置100を具現する際に電流降下による輝度低下を防止できるからである。
【0081】
従って、第1の補助配線222は、第1膜厚を有して、第2の補助配線224は、第1膜厚より低い第2膜厚を有する。特に、第2膜厚は、第1膜厚の20〜60%であることが好ましい。第2膜厚が第1膜厚の20%未満である場合には、第1電極230の抵抗を低くすることが難しい。逆に、第2膜厚が第1膜厚の60%を超える場合には、厚過ぎる設計によって第2の補助配線224の線幅を減少させにくく、開口率が低下するおそれが高い。
【0082】
このように、本発明の第2実施形態では、第2の補助配線224及び第1の補助配線222が一体に連結されて、貫通孔(TH)を介して第1の補助配線222と第1電極230とが直接に電気的に連結されることで、第1電極230の高い面抵抗を、第2の補助配線224及び第1の補助配線222によって10Ω/□以下の低い抵抗を有するように補償できるようになる。
【0083】
このとき、第1の補助配線222は、第1電極230の面抵抗を低くするため、各画素(P)内の4辺を囲むように配置させることが有利であるが、各画素(P)内の4辺に第1の補助配線222を配置させると、第1の補助配線222が配置される部分では、光が発光しないため、OLED照明装置200の全体開口率を低下し、好ましくない。
【0084】
従って、本発明の第2実施形態では、基板210上の画素(P)内の一側辺、すなわち、補助配線が配置されていた領域のうち一側辺にのみ第1の補助配線222を配置させて、第1の補助配線222及び第2の補助配線224を第1電極230と電気的に接続させることによって、OLED照明装置200の全体開口率の低下を抑制しながら、電流降下による輝度低下なく正常発光が可能となり得る。
【0085】
この結果、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、補助配線を除去する代わりに、第1の補助配線222を画素(P)の一側辺にのみ配置させて、幅の細い第2の補助配線224を画素(P)内でマトリックス状に分散するように配置させることによって、第1の補助配線222及び第2の補助配線224が配置される部分のみが光の発光しない領域となる。
【0086】
従って、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、補助配線が配置されていた領域まで光が発光されるようになるため、その分開口率が増加する効果を奏するようになる。
【0087】
この結果、本発明の第1実施形態によるOLED照明装置は、約80%の開口率を示したのに対し、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、約90%以上の開口率を示した。
【0088】
一方、有機発光素子(E)は、第1電極230と、第1電極230上に積層した有機発光層240と、有機発光層240上に積層した第2電極250を有する。
【0089】
第1電極230は、保護層225上で貫通孔(TH)を介して第1の補助配線222と連結されて、保護層225の一部を露出する開口部235を有する。このとき、第1電極230は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)及びITZO(Indium Tin Zinc Oxide)のうち選択されたいずれかを含む透明導電物質からなっており、発光される光を透過させる。但し、第1電極230は、光を透過する代わりに、金属に比べて電気抵抗が非常に高いという短所がある。
【0090】
このとき、本発明の第2実施形態は、第1実施形態と同様、第1の補助配線222及び第2の補助配線224に印加された信号が抵抗パターン232を経て第1電極230に印加されるため、第1電極230の開口部235を画素(P)の縁を囲む形態に配置して、抵抗パターン232を十分に長く配置させると、信号が流れる経路を十分に長く確保することが可能となる。この結果、第1電極230の開口部235の設計変更によって所望の大きさで短絡防止抵抗を形成することができるため、第1電極230及び第2電極250相互の間が電気的に短絡されることを予め防止できるようになる。
【0091】
すなわち、第1電極230の開口部235は、第1電極230の一部である細長い形状の抵抗パターン232を定義するために、画素(P)を囲むように配置される。第1の補助配線222及び第2の補助配線224に印加された信号は、抵抗パターン232を介して第1電極230に印加される。
【0092】
従って、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、短絡防止抵抗は維持しながら、補助配線を除去する代わりに、低抵抗確保のため第1の補助配線222及び第2の補助配線224を設計することで、第1電極230の高い面抵抗を補償して、大面積の高解像度OLED照明装置200を具現する際、電流降下による輝度低下なく正常発光が可能となり得る。
【0093】
有機発光層240は、白色光を出力する有機発光物質で構成されてもよい。例えば、有機発光層240は、青色有機発光層、赤色有機発光層及び緑色有機発光層で構成されてもよいし、青色発光層と黄色−緑色発光層を含むタンデム構造で構成されてもよい。しかし、本発明の有機発光層240は、前記構造に限定されるものではなく、多様な構造を適用することができる。
【0094】
また、図面では示していないが、有機発光素子(E)は、有機発光層240に電子及び正孔をそれぞれ注入する電子注入層及び正孔注入層と、注入済みの電子及び正孔を有機発光層240へそれぞれ輸送する電子輸送層及び正孔輸送層と、電子及び正孔のような電荷を生成する電荷生成層をさらに含んでいてもよい。
【0095】
有機発光層240は、正孔輸送層と電子輸送層からそれぞれ正孔と電子を輸送されて結合させることで可視光線領域の光を発光する物質であって、蛍光や燐鉱に対する量子効率の良い物質が好ましい。このような有機物質としては例えば、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq3)、カルバゾール系化合物、二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物、BAlq、10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物、ベンゾオキサゾールとベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾール系化合物、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)などが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
第2電極250は、Ca、Ba、Mg、Al、Agのような金属又はこれらの合金などで構成されてもよい。
【0097】
このとき、第1電極230が有機発光素子(E)のアノードであり、第2電極250がカソードであって、第1電極230と第2電極250に電圧が印加されると、第2電極250から電子が有機発光層240に注入されて、第1電極230から正孔が有機発光層240に注入され、有機発光層240内には励起子が生成される。この励起子が消滅することによって、有機発光層140のLUMOとHOMOのエネルギー差に相当する光が発生して、基板110の方向に光を発散することになる。
【0098】
また、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、カプセル化層260をさらに含んでいてもよい。
【0099】
かかるカプセル化層260は、有機発光素子(E)の第2電極250を覆うように積層される。
【0100】
カプセル化層260は、接着層262と、接着層262上に配置した基材層264を含んでいてもよい。このように、有機発光素子(E)が備えられた基板210上に接着層262及び基材層264を含むカプセル化層260が配置して、基材層264が接着層262によって付着することで、OLED照明装置200を密封させるようになる。
【0101】
このとき、接着層262としては、光硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができる。基材層264は、外部からの水気や空気が侵透することを防止するために配置させるものであって、このような機能を行えるものであれば、どのような物質でも可能である。例えば、基材層164の材質としては、PET(Polyethyleneterephtalate)のような高分子物質が適用されるか、又はアルミ箔、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金などの金属物質で構成されてもよい。
【0102】
上述した本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、第1実施形態と同様、第1の補助配線222及び第2の補助配線224に印加された信号が抵抗パターン232を経て第1電極230に印加されるため、第1電極230の開口部235を画素(P)の縁を囲む形態に配置して、抵抗パターン232を十分に長く配置させると、信号が流れる経路を十分に長く確保することが可能となり得る。この結果、第1電極230の開口部235の設計変更によって所望の大きさで短絡防止抵抗を形成できるようになる。
【0103】
従って、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置200は、短絡防止抵抗は維持しながら、補助配線を除去する代わりに、低抵抗確保のため第1の補助配線222及び第2の補助配線224を設計することで、第1電極230の高い面抵抗を補償して、大面積の高解像度OLED照明装置200を具現する際、電流降下による輝度低下なく正常発光が可能となり得る。
【0104】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法について説明する。
【0105】
図7〜
図10は、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法を示した工程平面図であり、
図11〜
図14は、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法を示した工程断面図である。
【0106】
図7及び
図11に示したように、基板210上の全面にバッファ層215を形成する。
【0107】
このとき、基板210は、透明なガラス材質を用いることができる。また、基板210は、フレキシブルな特性を有する高分子物質を用いることもできる。
【0108】
バッファ層215は、基板210の下部から浸透する水気及び空気を遮断する役割を行う。このため、バッファ層215は、SiOxやSiNxなどのような無機層で構成されてもよい。バッファ層215は、省略されてもよい。
【0109】
次に、バッファ層215上に第1の補助配線222及び第2の補助配線224を形成する。一例として、第1の補助配線222及び第2の補助配線224は、スパッタリング蒸着でバッファ層215上にAl、Au、Cu、Ti、W及びMoのうち選択された1種又は2種以上の合金材質の金属層(未図示)を形成した後、ハーフトーンマスクを用いて金属層を選択的にパターニングすることによって形成されてもよい。
【0110】
これにより、第1の補助配線222は、第2の補助配線224と同じ層に配置され、同じ金属材質からなる。従って、第1の補助配線222は、第2の補助配線224と同じ層で一体に連結されてもよい。
【0111】
このとき、第2の補助配線224は、基板210上の画素(P)内で複数が交差するマトリックス状に配列される。
【0112】
第2の補助配線224は、補助配線の2倍以下の線幅を有することが好ましい。従って、第2の補助配線224は、1〜3μmの線幅を有することがさらに好ましい。
【0113】
ここで、第1の補助配線222は、第1膜厚を有して、第2の補助配線224は、第1膜厚より低い第2膜厚を有する。特に、第2膜厚は、第1膜厚の20〜60%であることが好ましい。
【0114】
次いで、
図8及び
図12に示したように、第1の補助配線222及び第2の補助配線224が形成された基板210の全面を覆う保護層225を形成する。
【0115】
かかる保護層225は、SiOxやSiNxなどのような無機層で構成されてもよい。また、保護層は、フォトアクリルのような有機層で構成されてもよいし、無機層及び有機層を含む複数の層で構成されてもよい。
【0116】
次に、フォトマスクを用いて保護層225の一部を選択的にパターニングして、第1の補助配線222の一部を露出する貫通孔(TH)を形成する。
【0117】
このとき、貫通孔(TH)は、第1の補助配線222の少なくとも半分以上の面積を露出することが好ましいが、これは、第1の補助配線222と有機発光素子の第1電極(
図13の230)との間の接触面積を増加させることで、接触信頼性を向上させるためである。
【0118】
このように、第1の補助配線222及び第2の補助配線224は、貫通孔(TH)を除く全領域が保護層225により安定して保護されるため、OLED照明装置の信頼性を向上させるようになる。
【0119】
図9及び
図13に示したように、貫通孔(TH)を有する保護層225が形成された基板210上に第1電極230を形成する。これにより、第1電極230は、貫通孔(TH)によって露出した第1の補助配線222と電気的に直接連結される。
【0120】
このとき、第1電極230は、ITO、IZO及びITZOのうち選択されたいずれかを含む透明導電物質からなっており、発光される光を透過させる。
【0121】
次に、各画素内の第1電極230の一部をパターニングして、保護層225の一部を露出する開口部235を形成する。
【0122】
このとき、本発明の第2実施形態は、第1実施形態と同様、第1の補助配線222及び第2の補助配線224に印加された信号が抵抗パターン232を経て第1電極230に印加されるため、第1電極230の開口部235を画素(P)の縁を囲む形態に配置して、抵抗パターン232を十分に長く配置させると、信号が流れる経路を十分に長く確保することが可能となり得る。この結果、第1電極230の開口部235の設計変更によって所望の大きさで短絡防止抵抗を形成できるようになる。
【0123】
次いで、
図10及び
図14に示したように、第1電極230上に有機発光層240及び第2電極250を順次に形成する。
【0124】
このとき、第1電極230、有機発光層240及び第2電極250は、有機発光素子(E)を構成する。有機発光層240は、白色光を出力する有機発光物質で構成されてもよい。例えば、有機発光層240は、青色有機発光層、赤色有機発光層及び緑色有機発光層で構成されてもよいし、青色発光層と黄色−緑色発光層を含むタンデム構造で構成されてもよい。
【0125】
第2電極250は、Ca、Ba、Mg、Al、Agのような金属又はこれらの合金などで構成されてもよい。
【0126】
次に、有機発光素子(E)が形成された基板210上にカプセル化層260を付着する。カプセル化層260は、接着層262と、接着層262上に配置した基材層264を含んでいてもよい。このように、有機発光素子(E)が備えられた基板210上に接着層262及び基材層264を含むカプセル化層260が配置され、基材層264が接着層262によって付着することで、OLED照明装置200を密封させるようになる。
【0127】
このとき、接着層262としては、光硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができる。基材層264は、外部からの水気や空気が侵透することを防止するために配置させるものであって、このような機能を行えるものであれば、どのような物質でも可能である。例えば、基材層164の材質としては、PET(Polyethyleneterephtalate)のような高分子物質が適用されるか、又はアルミ箔、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金などの金属物質で構成されてもよい。
【0128】
上述した本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法は、開口率向上のため補助配線を除去する代わりに、各画素の一側辺に第1の補助配線を配置させて、第1の補助配線に接続される幅の細い第2の補助配線を画素内にマトリックス状に形成した。
【0129】
この結果、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法は、第1の補助配線及び第2の補助配線によってITOのような透明導電物質からなる第1電極の高い抵抗を補償できるとともに、補助配線を削除することによって開口率低下の問題を克服できるようになる。
【0130】
従って、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法は、第1実施形態と同様、第1の補助配線及び第2の補助配線に印加された信号が抵抗パターンを経て第1電極に印加されるため、第1電極の開口部を画素の縁を囲む形態に配置して、抵抗パターンを十分に長く配置させると、信号が流れる経路を十分に長く確保することが可能となり得る。この結果、第1電極の開口部の設計変更によって所望の大きさで短絡防止抵抗を形成できるようになる。
【0131】
また、本発明の第2実施形態によるOLED照明装置の製造方法は、短絡防止抵抗は維持しながら、補助配線を除去する代わりに、低抵抗確保のため第1の補助配線及び第2の補助配線を設計することで、第1電極の高い面抵抗を補償して、大面積の高解像度OLED照明装置を具現する際、電流降下による輝度低下なく正常発光が可能となり得る。
【0132】
以上では、本発明の実施形態を中心にして説明したが、通常の技術者の水準で多様な変更や変形を加えることができる。従って、このような変更と変形が本発明の範囲を脱しない限り、本発明の範疇内に含まれると理解することができる。