(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使い捨て吸収性物品であって、長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰縁部を有する前側腰部領域、後側腰縁部を有する後側腰部領域、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域の間に配置された股部領域、及び前記前側腰縁部と前記後側腰縁部とを接合する2つの離間した長手方向側縁部を有する使い捨て吸収性物品であって、
a)トップシートと、
b)前記トップシートの下のバックシートと、
c)前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、コアラップを含む吸収性コアと、
d)前記トップシートと前記吸収性コアとの間に配置された液体管理システムと、を含む構成要素の組立体を含み、
臭気制御組成物が、前記コアラップと前記液体管理システムとの間に配置されており、 前記臭気制御組成物は、活性炭、ゼオライト、シリカ、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含み、前記コアラップは、前記液体管理システムに面する表面区域を有し、前記臭気制御組成物は、前記コアラップ表面区域の多くとも80%にわたって配置され、前記コアラップは、2つの基材を含み、前記2つの基材は、前記吸収性コアの下の位置で互いに結合され、
前記臭気制御組成物が、前記トップシート側又は前記バックシート側のいずれからも見えない、物品。
前記臭気制御組成物が、微粒子、粉末、パウチ、ラミネート、フィルム、繊維、紙、不織布、基材、及びスラリーからなる群から選択される形態である、請求項1に記載の物品。
前記物品が、コア表面区域を有するコアラップと、前記コアラップに面する分配層表面区域を有する分配層とを有し、前記分配層表面区域が前記コアラップ表面区域よりも小さい、請求項1に記載の物品。
前記水性スラリーは、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、及びそれらの混合物から選択される結合剤を含む、請求項9に記載の物品。
前記吸収性コアが、吸収性材料を含まないゾーンによって形成される少なくとも1つのチャネルを含み、前記チャネルは、前記吸収性材料を含まないゾーンを通して前記コアラップの上側部を前記コアラップの下側部に結合する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の物品。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書で使用する場合、用語「吸収性物品」は、幼児用、子供用又は成人用おむつ、生理用ナプキン、大人用失禁製品、パンツ型おむつ、トレーニングパンツ、おむつインサートなど、着用者の身体に対して、又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された身体排出物(例えば、尿及びBM)を吸収し収容する使い捨てデバイスを指す。典型的には、これらの物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、任意で液体管理システム(LMS)、並びに典型的にはその他の構成要素を備え、吸収性コアは通常、バックシートとLMS(設けられている場合)との間、あるいはトップシートとバックシートとの間に、少なくとも部分的に配置される。本開示の吸収性物品について、以下の説明にて、及び図にて、テープ付きおむつの形態で更に説明することにする。しかしながら、この説明におけるいかなる内容も、特許請求の範囲を制限するものと見なされるべきではない。したがって、本開示は、吸収性物品の任意の適した形態に適用する(例えば、トレーニングパンツ、テープ付きオムツ、成人用失禁製品−テープ付き又はパンツ形態のいずれか、生理用ナプキン)。
【0006】
「接着剤」とは、1種以上の熱可塑性ポリマー、典型的には1種以上の粘着付与樹脂、及びレオロジー変性剤又は可塑剤を含む組成物を指す。接着剤は、2%以上の粘着付与樹脂を含有してもよい。接着剤は、概して、少なくとも1つの材料にそれを塗布し、次いでそれに、接着剤が各材料を湿らせるか、又は各材料上に広がってそれらを一緒に接合することができるほど十分な時間をかけ、十分な力を用いて、少なくとも1つの他の材料を接触させることによって、2つ以上の材料を共に接合又は結合させるのに使用される(以下の「粘着付与剤」の定義を参照のこと)。
【0007】
本明細書で使用する場合、「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は修正を意図しない、ベビーケア及び/若しくはフェミニンケア製品又はデバイスを意味する。かかる製品としては、おむつ、胸当て、ワイプ;クリーム、ローション、消費者用の局所的に塗布されるその他の製品の塗布を含むスキンケア;タンポン、及び/又は女性用ナプキンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
「おむつ」とは、一般的に、幼児及び失禁症状のある人によって着用されるものであり、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周りに着用され、具体的には、尿及び糞便を受容し収容するように適合された吸収性物品を指す。「おむつ」という用語には、本明細書で使用する場合、以下で定義されている「パンツ」も含まれる。
【0009】
吸収性物品に関連しての「使い捨て」は、吸収性物品が、洗濯される、あるいは別の方法で吸収性物品として復元されるか再利用されることを一般的に意図しない(すなわち、一回だけの使用の後で廃棄することが意図され、リサイクルする、堆肥化する、あるいは環境に適合する方法で廃棄してもよい)ことを意味する。
【0010】
本明細書で使用する場合、「悪臭」とは、排便にともなう複合臭のようなほとんどの人々にとって一般的に不快であるか不愉快である化合物を意味する。
【0011】
本明細書で使用する場合、「中和する」又は「中和」とは、化合物又は製品が悪臭化合物を低減するか、又は除去する能力を意味する。臭気の中和は、所定の状況で複数種の悪臭化合物のいくつかのみに作用するか、又は1種の悪臭化合物の一部のみに作用する、部分的なものであってよい。悪臭化合物は、新しい化学物質を生じる化学反応、金属イオン封鎖、キレート化、会合、又は悪臭化合物をそれほど悪臭が強くないか又は無悪臭にする他の相互作用によって中和されてもよい。臭気マスキング又は臭気ブロッキングは、悪臭化合物の状態変化に相当する変化が一切ない、悪臭を知覚する能力の変化であるのに対して、中和は、悪臭化合物の変化があるという点で、臭気マスキングや臭気ブロッキングと区別することができる。悪臭中和は、知覚及び分析測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減をもたらす。したがって、ある悪臭低減組成物が真の悪臭中和をもたらすならば、その組成物は気相及び/又は液相中の悪臭を低減するであろう。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「不織布ウェブ」は、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合させた、一方向に又はランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又は打延べ綿シートを意味し、紙、及び更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフト加工品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。繊維は、天然物由来であっても人工物由来であってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場形成であってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mm超の範囲の直径を有することがあり、短繊維(ステープル又は裁断として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの無撚束(粗麻)、及び連続フィラメントの撚り束(紡績糸)など、いくつかの異なる形態で提供されることがある。不織布ウェブは、メルトブロー、スパンボンド、溶媒紡糸、電界紡糸、カーディング、及びエアレイイングなどの多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル(g/m
2又はgsm)で表される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「接合」、「接合された」、「接合する」、「結合」、「結合する」、「結合された」、「取り付け」、「取り付けられた」、又は「取り付ける」とは、ある要素を直接別の要素に固着されることによって、ある要素がもう一方の要素に直接固定される構成、及びある要素を中間部材に固着させて、続いてその中間部材をもう一方の要素に固着させることによって、ある要素がもう一方の要素に間接的に固定される構成を包含する。
【0014】
本明細書で使用する場合、「臭気マスキング」は、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される、不快でない、又は心地よい匂いを有する化合物の能力を意味する。臭気マスキングは、予期される悪臭と協調することで臭気化合物の組み合わせによって与えられる全体的な匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。
【0015】
「粘着付与剤」とは、ゴム状ポリマーの融解粘度を低下させ、ゴム状ポリマーのガラス転移温度を上昇させ、ゴム状ポリマーのからみ合い密度を低下させる約70℃〜約150℃の範囲のガラス転移温度を有する接着性成分を指す。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「弾性」は、付勢力の印加時に、伸長可能、即ち、少なくとも約60パーセント(即ち、伸張後の、付勢後の長さに)伸縮可能であり、弛緩後の付勢前の長さの少なくとも約160パーセントであり、かつ、伸長、伸縮力の解除時に、少なくとも伸縮の少なくとも55パーセントを回復することになる任意の材料を指す。仮想的実施例であれば、少なくとも4.06センチメートル(1.60インチ)に伸長可能であり、4.06センチメートル(1.60インチ)に伸長されて解除されると、せいぜい3.23センチメートル(1.27インチ)の長さに回復することになる材料の2.54センチメートル(1インチ)試料であろう。多くの弾性材料は、60パーセントを超え(即ち、弛緩後の長さの160パーセントを遥かに上回る)、例えば、100パーセントを超えて伸長され得、これらの材料の多くは、伸長力の解除時に、例えば、初期の弛緩後の長さの105パーセント以内まで、実質的に初期の弛緩後の長さに回復することになる。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「非弾性」は、上記の「弾性」の定義に該当しない任意の材料を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「伸張可能な」とは、付勢力の印加時に、突発故障を起こすことなく少なくとも約50%、少なくとも約100%、又は少なくとも約125%伸長可能である任意の材料を指す。
【0019】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、乳児又は成人の着用者に合わせて設計された腰部開口部と脚部開口部とを有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部内に挿入し、パンツを着用者の下部胴体の周囲の位置にまでずらすことによって、着用者上の適所に配置され得る。パンツは、限定されないが、再締着可能及び/又は再締着不可能な接合(例えば、縫合、溶接、接着剤、粘着性接合材、締着具等)を使用して、物品の部分を一緒に結合することを含む任意の好適な手技によって予備形成されてもよい。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置において予備成形することができる(例えば、側面締着、前腰部締着)。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「a」及び「an」は、「少なくとも1つ」を意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0022】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度はすべて、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0023】
すべての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。すべての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0024】
本明細書の全体を通して記載されるすべての最大数値限定は、それよりも小さいすべての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載されるすべての最小数値限定は、それよりも高いすべての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通して与えられるすべての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に入るより狭いすべての数値範囲を、かかる狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0025】
臭気制御組成物
本発明において効果的であり得る多くのタイプの臭気制御組成物が存在する。好適な臭気制御組成物のいくつかの例としては活性炭、着色活性炭、ゼオライト、シリカ、粘土(例えば、スメクタイト粘土)、アルミナ、マグネシア、チタニア、キチン、イオン交換樹脂、シクロデキストリン、テナックス(2,6−ジフェニルフェニレン酸化物)、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、活性炭は、おがくず、木材、木炭、泥炭、亜炭、ビチューメン石炭、ココナッツ殻などのような種々の供給源から誘導することができる。活性炭のいくつかの好適な形態及びその形成技術は、Parksの米国特許第5,693,385号、Economyらの同第5,834,114号、Economyらの同6,517,906号、McCraeらの同6,573,212号、並びにFalatらの米国特許出願公開第2002/0141961号、及びHuらの同2004/0166248号に記載されている。
【0026】
本明細書で使用するのに適した炭素材料は、当該分野で有機分子及び/又は空気浄化の目的のための吸収剤として周知の材料である。本明細書での使用に適した炭素は、CALGONタイプ「CPG」、タイプSGL、タイプ「CAL」及びタイプ「OL」などの商品名で多数の商業的供給元から入手可能である。しばしばこのような物質は「活性」炭素(activated carbon)又は「活性」炭(activated charcoal)と呼ばれる。典型的には、それは、表面積が大きい(200〜数千m
2/g)非常に微細で粉末状粒子の形態で入手可能である。「空気浄化」又は「活性」炭素のいずれも本発明の実施に使用できることを理解されたい。吸収性物品当たりに使用され得る活性炭の量は、約0.001グラム〜約10グラム(g)、約0.001g〜約5g、約0.01〜2g、約0.05g〜約2g、約0.1g〜約1g、又は約0.05g〜約2gである。活性炭は、例えば、以下の参考文献に記載されている:Glenn M.Roy、Technomic Publishing Co.,Inc.(1994)による食品及び医薬品産業における活性炭応用例。
【0027】
ゼオライト材料の使用及び製造は、文献でよく知られており、以下の参考文献に記載されている:Zeolite Synthesis、ACSシンポジウムシリーズ398、M.L.Occelli及びH.E Robson(1989)pages 2〜7;Zeolite Molecular Sieves,Structure,Chemistry and Use、D.W.Breck、John Wiley and Sons(1974)、245〜250頁、313〜314頁及び348〜352頁;Modern Applications of Molecular Sieve Zeolites、ミシガン州、アンアーバーのUniversity of Microfilms Internationalから入手可能なS.M.Kuznicki、U.of Utah(1980)のPh.D.論文、2〜8頁。
【0028】
ゼオライトは、Na、K、Mn、CaなどのIA族元素及びIIA族元素の結晶性アルミノシリケートであり、化学的に実験式:M
2/nO,Al
2O
3,ySiO
2,wH
2O(式中、yは2以上であり、nはカチオン価、及びwは、ゼオライトの空隙中の含水量である。)で表される。
【0029】
構造的には、ゼオライトは、酸素イオンの共有によって互いに結合した無限に広がるAlO
4及びSiO
4四面体の骨格に基づく、複合体結晶性無機ポリマーである。この骨格構造は、カチオン及び水分子によって占有されるチャネル又は相互接続された空隙を含む。
【0030】
ゼオライトの構造式は、M
x/n[(AlO
2)
x(SiO
2)
y].wH
2Oで表される構造の最小単位である結晶単位格子に基づいている。ここで、nはカチオンMの原子価であり、wは単位格子当たりの水分子の数であり、x及びyは単位格子当たりの総量であり、y/xは通常1〜5の値を有する。
【0031】
ゼオライトは、天然に由来するか、又は合成的に製造され得る。合成ゼオライトは本明細書での使用に好ましい。本明細書での使用に好適なゼオライトとしては、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトY、ゼオライトX、ゼオライトDAY、ゼオライトZSM−5、又はそれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのは、ゼオライトA及びゼオライトY又はそれらの混合物である。ゼオライトは疎水性であってもよい。これは、典型的には、xとyの比が少なくとも1、好ましくは1〜500、最も好ましくは1〜6となるように、SiO
2対AlO
2のモル比を増加させることによって達成される。吸収性物品は、40gm
−2〜90gm
−2、いくつかの実施形態では55gm
−2〜85gm
−2、他の実施形態では60gm
−2〜65gm
−2のゼオライトを含むことができる。
【0032】
本発明の臭気制御組成物は、シリカを含むことができる。シリカ、すなわち二酸化ケイ素SiO
2は、様々な結晶形態及び非晶質の改変形態で存在し、そのいずれも本明細書での使用に適している。シリカは高い表面積を有する傾向があり、シリカは凝集形態であり得る。シリカは、少なくとも約90%、約95%、又は更に約99%の二酸化ケイ素を含むように、高度に精製された形態であり得る。シリカは100%のシリカ含有量を有するシリカゲルであってもよい。あるいは、シリカは、ケイ酸ナトリウムを含む金属ケイ酸塩などの他の供給源から提供されてもよい。吸収性物品は、好ましくは、純度100%に基づいて約40gm
−2〜約100gm
−2、場合によっては60gm
−2〜90gm
−2、他の場合には約60gm
−2〜約65gm
−2のシリカを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、臭気制御組成物は、分子ふるい材料(一般に、1〜5マイクロメートルのサイズ範囲内)のような粒子状であってもよい。微粒子の量は、約0.001g〜約5g、又はいくつかの実施形態では約0.05g〜約1gであってもよい。微粒子は、粒子状臭気制御組成物、結合剤、湿潤剤などを含有する水性スラリーの形態で物品に適用することができる。例示的な結合剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン(そのエチル化及び酸化誘導体を含む)及び種々のポリマーエマルジョンが挙げられる。スラリーは、印刷(スクリーン印刷を含む)、噴霧、接触コーティング、ブレード、飽和剤、コーティング、液滴スロー、ペイント及び発泡体用途などの様々な技術によって所望のパターンで適用することができる。欧州特許第392,528号は、粒子状臭気制御組成物を含有するスラリーを吸収性物品のウェブ材料に適用する方法を記載している。臭気制御組成物は、物品の繊維又は不織布基材構成要素に直接組み込まれてもよい。すなわち、臭気制御組成物は、基材、例えば、活性炭のような特定の臭気制御組成物が含浸された組織又は布の形態であってもよい。基材は、不織布又はセルロース系材料であってもよく、本明細書に記載された適切な物品構成要素のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、臭気制御組成物は、臭気制御組成物を含む不織布パウチ又はサシェであり得るパウチ又はサシェの形態であり得る。いくつかの実施形態では、臭気制御組成物はラミネート又はフィルムであってもよい。
【0034】
物品
おむつの形態にある本開示による例示的な吸収性物品20を
図1〜
図3に示す。
図1は、おむつの、観察者に向かって着用者に面する表面の平らに広げられた状態の平面図であり、構造の一部分を切り欠き、おむつの構造をより明瞭に示している。本開示は、多種多様なおむつ及び他の吸収性物品を製造するために使用され得るため、このおむつは例示目的のみで示される。
【0035】
吸収性物品は、液体透過性のトップシート24、液体不透過性のバックシート25、トップシート24とバックシート25との間に少なくとも部分的に配置される吸収性コア28、及びバリアレッグカフ34を備え得る。吸収性物品は、液体管理システム(「LMS」)50(
図2に図示)を更に備え得るが、これは、図示されている例では分配層54と捕捉層52とを備えており、これらのいずれについても以下で詳細に説明する。様々な形態では、捕捉層52は、代わりに、身体排出物を分配することができ、また、分配層54は、代わりに、身体排出物を捕捉することができるか、又はいずれの層も、身体排出物の分配及び/又は捕獲が可能である。また、LMS 50は、単一層又は2層又は3層以上として提供され得る。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性ガスケットカフ32又は33を含んでもよい。
【0036】
図面はまた、吸収性物品20の後縁部に向かって取り付けられ、かつ吸収性物品20の前方で、ランディングゾーン44と協働する、結合タブ42又はその他の機械的締結具を備える締結システムのような、テープ付きおむつの典型的な構成要素を示す。吸収性物品は、例えば、後側弾性腰部機構、及び前側弾性腰部機構など、図示されていないその他の典型的な要素を更に備え得る。
【0037】
吸収性物品20は、前側腰縁部10、前側腰縁部10と長手方向に対向する後側腰縁部12、第1側縁部3、及び第1側縁部3と横方向に対向する第2側縁部4を有し得る。前側腰縁部10は、着用されるときにユーザーの前方に向かって置かれるように意図された吸収性物品20の縁部であり、後側腰縁部12はその反対側の縁部である。着用者が吸収性物品20を着用すると、前側腰縁部10及び後側腰縁部は共同で腰部開口部を形成する。吸収性物品20は、
図1で例示されるように物品を平らに配置して着用者側表面から見た場合に、吸収性物品20の前側腰縁部10の横方向中点から後側腰縁部12の横方向中点まで延在して、吸収性物品20を、長手方向軸線80を中心に実質的に対称的な2つの半体に分割する長手方向軸線80を有し得る。吸収性物品は更に、第1側縁部3の長手方向中点から第2側縁部4の長手方向中点まで延在する横方向軸線90を有し得る。吸収性物品20の長さLは、長手方向軸線80に沿って、前側腰縁部10から後側腰縁部12まで測定され得る。吸収性物品20の股幅Wは、第1側縁部3から第2側縁部4へと横方向軸線90に沿って測定され得る。吸収性物品20は、前側腰部領域5、後側腰部領域6、及び股部領域7を備え得る。前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さの1/3を画定する。更に、前側及び後側部分も、横方向軸線90の両側で画定され得る。
【0038】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び物品のその他の構成要素は、様々な構成で、具体的には例えば糊剤結合又は熱エンボス加工によって組み立て得る。例示的なおむつの構成が、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号で概説されている。
【0039】
吸収性コア28は、すべて吸収性材料の重量を基準にして、75重量%〜100重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%(具体的には、上記に指定した範囲及びその中で又はそれによって形成された全範囲内の、すべての0.1重量%刻みが列挙される)を占める吸収性材料、及び吸収性材料を包囲するコアラップを含んでもよい。コアラップは、通常、コアの上面及び下面に対して、2つの材料、基材、又は不織布材料16及び16’(
図8参照)を備えてもよい。
【0040】
吸収性コア28は、
図1においては、4つのチャネル26、26’、及び27、27’として図示される、1つ又は複数のチャネルを備え得る。追加として、又は代替として、LMS 50は、
図1〜
図3のチャネル49、49’として表すように1つ又は複数のチャネルを含んでもよい。いくつかの形態では、LMS 50のチャネルは、吸収性コア28のチャネルと整列する、実質的に整列する、重なり合う、又は少なくとも部分的に重なり合うように、吸収性物品20内に配置されてもよい。以下、吸収性物品のこれら及び他の構成要素について、より詳細に考察する。
【0041】
トップシート
トップシート24は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。当業者には周知されるように、トップシート24は、バックシート25、コア28、及び/又は任意のその他の層に接合され得る。通常は、トップシート24とバックシート25とがいくつかの箇所(例えば、物品の外周部上、又はその付近)で直接互いに接合され、かつ他の箇所では、これらは、吸収性物品20の1つ又はそれ以上の他の要素と直接接合することにより、間接的に接合される。
【0042】
トップシート24は、着用者の皮膚に対して順応性があり、柔軟な感触であり、非刺激性であってよい。更に、トップシート24の少なくとも一部分は、液体透過性であり、液体がその厚さ方向を通して容易に浸透可能であり得る。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布又は不織布材料などの幅広い範囲の材料から製造することができる。トップシート24が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド繊維、カーディング繊維、湿式繊維、メルトブローン繊維、水流交絡繊維、又は当該技術分野で既知の処理を施されたもの、特にスパンボンドPP不織布であってもよい。
【0043】
典型的な吸収性物品のトップシートの坪量は、約5gsm〜約50gsm、約10〜約35gsm又は約12〜約30gsmであるが、他の坪量は、本開示の範囲内である。
【0044】
バックシート
バックシート25は、一般に、吸収性コア28の衣類側表面に隣接して位置決めされ、その内部に吸収され収容された身体排出物が、ベッドシーツや下着などの物品を汚すのを防ぐ、又は少なくとも妨げる、吸収性物品20の部分である。バックシート25は、一般に、液体(例えば尿、流動性BM)不透過性、又は少なくとも実質的に不透過性であるが、おむつが「呼吸」できるように蒸気透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm〜約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Richmond,VAを拠点とするTredegar Corporationによって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品20から逃れるのを可能にするが、同時に身体排出物がバックシート25をとおり抜けるのを防止する、又は少なくとも妨げる通気性材料を挙げることができる。通気性材料の例としては、織布ウェブ、不織布ウェブなどの材料、フィルムコーティングされた不織布ウェブなどの複合材料、微多孔性フィルム、及びモノリシックフィルムなどを挙げることができる。
【0045】
バックシート25は、当業者に既知の任意の取付方法によって、トップシート24、吸収性コア28、及び/又は吸収性物品20の任意の他の要素に接合することができる。好適な取付方法が、トップシート24を吸収性物品20の他の要素に接合するための方法に関して、上記で説明されている。
【0046】
吸収性コア
本明細書で使用するとき、用語「吸収性コア」は、最大の吸収能力を有して、吸収性材料を備える、吸収性物品の独立した構成要素を指す。吸収性コアは、吸収性材料を包み込むコアラップ又はコアバッグ(以下「コアラップ」)を備え得る。「吸収性コア」という用語は、LMS、又は、コアラップの一体部分ではないか、あるいはコアラップ内に配置されていない吸収性物品のいかなる他の構成要素も含まない。吸収性コアは、コアラップと、以下で定義される吸収性材料と、コアラップ内に封入される糊剤とを含んでもよく、本質的にそれらからなってもよく、又はそれらからなってもよい。更にパルプ又はエアフェルトもコアラップ内に存在し得、また、吸収性材料の一部分を形成し得る。コアラップの周辺部であり得る吸収性コアの周辺部は、例えば「T」字形、「Y」字形、「砂時計」形、又は「犬の骨」形など、任意の好適な形状を画定してもよい。概ね「犬の骨」又は「砂時計」形を有する吸収性コアの周辺部は、その幅に沿ってコアの中央又は「股部」領域に向かって先細になっていてもよい。このようにして、吸収性コアは、吸収性物品の股部領域内に置かれるように意図された吸収性コアの面積において、比較的狭い幅を有してもよい。
【0047】
本開示の吸収性コア28は、多量の超吸収性ポリマー(本明細書では「SAP」と略す)がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。SAP含有量は、コアラップ内に包含された吸収性材料の70重量%〜100重量%、又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、若しくは100重量%を示してもよい。本開示で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収することができる、種々の水膨潤性ポリマーを挙げることができる。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を見積もる目的で、吸収性材料とは見なされない。コア28中の吸収性材料の残部はエアフェルトであってもよい。
【0048】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維、及び合成繊維など、いくらかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。一般に、吸収性コアを作るのに使用される糊剤は吸収特性を有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、上述したように、コアラップに包含された吸収性材料の80重量%超、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、及び更には100重量%以下であってもよい。これにより、典型的には、例えば、40〜60%のSAP、及び大量のセルロース繊維又はエアフェルトを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。吸収性材料は、15重量%未満、又は10重量%未満の天然又は合成繊維を含むか、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満の天然及び/又は合成繊維を含んでもよく、あるいは更にはセルロース及び/又は天然及び/又は合成繊維を実質的に含まないか、又は含まなくてもよく、具体的には、指定した範囲内、及びその範囲内で又はその範囲によって形成される全範囲内の、すべての0.1%刻みが列挙される。吸収性材料は、エアフェルト(セルロース)繊維をほとんど又は全く含まなくてもよく、特に吸収性コアは、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又は更にはセルロース繊維を実質的に含まない、若しくは含まないでもよく、具体的には指定される範囲内の、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成されるすべての範囲の0.1%刻みのすべてが列挙される。
【0049】
図4及び
図5の吸収性物品の例示的吸収性コア28を、
図6〜
図8に単独で示す。吸収性コア28は、前側部280と、後側部282と、前側部280と後側部282とを接合する2つの長手方向側部284、286とを備えてもよい。吸収性コア28はまた、概ね平坦な上側部、及び概ね平坦な下側部を更に備え得る。コア28の前側部280は、吸収性物品の前側腰縁部10に向けて配置されるように意図されるコア28の側部である。コア28は、
図1のように平面図で上から見て、吸収性物品の長手方向軸線80に実質的に対応する長手方向軸線80’を有してもよい。特定の物品では前側でより高い吸収性が求められることがあるので、吸収性材料は、後側に向かってよりも前側に向かってより多くの量が分配されてもよい。吸収性材料は、コアの任意の部分にわたって不均一の坪量又は均一の坪量を有し得る。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料16、16’によって形成されてもよく、それらは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。コアラップは、吸収性材料が吸収性コアラップから実質的に全く漏れ出さないように、その前側部280、後側部282、及び2つの長手方向側部284、286に沿って、少なくとも部分的に封止されてもよい。
図7に示されるように、第1の材料、基材、又は不織布16は、第2の材料、基材、又は不織布16’を少なくとも部分的に取り囲んで、コアラップを形成してもよい。第1の材料16は、第1及び第2の側縁部284及び286に近接した第2の材料16’の一部を取り囲むことができる。
【0050】
様々なコアの設計を有し、比較的大量のSAPを含むコアが、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)、及び国際公開第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0051】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する1つ以上の連続層であってもよい。あるいは、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプからなってもよい。第1の事例では、吸収性材料は、例えば、吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得られてもよい。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料適用パターンを有する2つ以上の吸収性層を組み合わせることによって得られてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)に開示されているように、吸収性粒状ポリマー材料の面積の全体にわたって実質的に連続的に分配されている。吸収性コア28は、第1の吸収性層と第2の吸収性層とを備えてもよい。第1の吸収性層は、第1の材料16と、100%以下のSAPであってよい吸収性材料の第1の層61と、を含んでよい。第2の吸収性層は、第2の材料16’と、やはり100%以下のSAPであってよい吸収性材料の第2の層62と、を含んでよい。吸収性コア28はまた、吸収性材料61、62の各層を、それぞれ対応する材料16又は16’に少なくとも部分的に結合する、繊維状の熱可塑性接着剤材料51を含んでよい。これは、
図7〜
図8に一例として図示されており、ここで第1及び第2のSAP層は、組み合わされる前に、対応する基板上の所望される吸収性材料の堆積区域と同じ幅を有する横ストライプ、即ち「ランド区域」として適用される。ストライプ(複数)は、コア80の長手方向軸線に沿って所定の側断面秤量を提供するように、異なる量の吸収性材料(SAP)を含んでもよい。第1の材料16及び第2の材料16’は、コアラップを形成してよい。
【0052】
繊維状の熱可塑性接着剤材料51は、ランド区域において吸収性材料61、62と少なくとも部分的に接触してよく、また接合区域において材料16、16’と少なくとも部分的に接触してよい。これによって、それ自体は長さ方向及び幅方向の寸法に比べると相対的に厚さが薄い、本質的に二次元の構造である熱可塑性接着剤材料51の繊維層に、本質的に三次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド区域において吸収性材料を被覆するためのキャビティを提供してもよく、それにより、100%以下のSAPであってもよいこの吸収性材料を不動化する。
【0053】
コアラップ
コアラップは、吸収性材料の周りに折り重ねられた単一の基材、材料、又は不織布で作られてもよく、あるいは互いに取り付けられた2つ(又はそれ以上)の基材、材料、又は不織布を備えてもよい。一般的な取り付け方法は、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。例えば
図2及び7に示すように、Cラップでは、一方の基板の長手方向縁部及び/又は横方向縁部を他方の基板に折り重ねてフラップを形成する。次に、これらのフラップは、一般的には糊剤接着によって、他方の基材の外表面に結合される。他の技術を使用してコアラップを形成してもよい。例えば、基材の長手方向及び/又は横断方向縁部が互いに結合され、次に吸収性コア28の下に折り重ねられ、その位置で結合されてもよい。
【0054】
コアラップは、吸収性材料がコアから実質的に全く漏れ出さないように、吸収性コアのすべての側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。「吸収性材料が実質的にない」とは、コアラップから逃げる吸収性材料が5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は約0重量%であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。封止は、コアラップの周辺部全体に沿って連続的である必要はなく、線上で離間された一連の封止点によって形成されるなど、その一部又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊剤接着及び/又は熱結合によって形成されてもよい。
【0055】
コアラップは更に、吸収性材料を風呂敷包み状に封入して、コアの前側部及び後側部、並びに一方の長手方向封止に沿って封止され得る単一の基板によって形成されてもよい。
【0056】
SAP堆積区域
吸収性材料堆積区域8は、吸収性コアの上面から見て分かるように、コアラップ内の吸収性材料60によって形成される層の周辺部によって画定されてよい。吸収性材料堆積区域8は、コアの中央、つまり「股部」領域に向かってその幅に沿ってテーパーを示す、様々な形状、特にいわゆる「犬の骨」又は「砂時計」形を有してもよい。このように、吸収性材料堆積区域8は、
図1に図示されるように、吸収性物品の股部領域内に配置されるように意図されたコアの区域で比較的狭い幅を有し得る。これにより、着用時の快適性をより高めることができる。また、吸収性材料堆積区域8は、概して、例えば、
図4〜
図6に示すとおり、矩形であってもよく、また、「T」、「Y」「砂時計」又は「犬の骨」形状など他の堆積区域は、本開示の範囲内である。
【0057】
吸収性コア内のチャネル
吸収性材料の堆積区域8は、少なくとも1つのチャネル26を備えてもよく、吸収性物品80の長手方向(すなわち、長手方向ベクトル要素を有する)に少なくとも部分的に配向されている。他のチャネルは、横方向配向されてもよく(即ち、横方向ベクトル要素を有する)、又は他の任意の方向に少なくとも部分的に配向されてもよい。以下、「チャネル」が複数形で用いられる場合は、「少なくとも1つのチャネル」を意味する。チャネルは、円形、楕円形、又は様々な他の閉多角形の形状であってもよい。チャネルは、様々な方法で形成されてもよい。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にSAPを実質的に含まない、又は全く含まなくてもよい、吸収性材料堆積区域8内のゾーンによって形成され得る。それに加えて又はそれに代わって、チャネルはまた、吸収性材料堆積区域8を通して、コアラップの上側部をコアラップの下側部に連続的に又は不連続的に結合することによって形成されてよい。チャネルは、連続的であっても断続的であってもよい。液体管理システム50、又は吸収性物品の別の層もまたチャネルを備えてもよく、それらは、より詳細に後述するように、吸収性コアのチャネルに対応してもしなくてもよい。
【0058】
吸収性コア28は、2つ以上のチャネル、例えば、少なくとも3つ、少なくとも4つなどのチャネルを含むことができる。短いチャネルも、
図1の一対のチャネル27、27’によって表されるとおり、吸収性物品20の前部に向かって、例えば、コアの後側腰部領域6又は前側腰部領域5内に存在し得る。チャネルは、対称に配置されるか、ないしは別の方法で長手方向軸線80又は横方向軸線90に対して配置された、1つ又は複数のチャネルの対を備え得る。
【0059】
チャネルの少なくともいくつか、又はそのすべてが恒久的なチャネルであってもよく、これはつまり、乾燥状態及び湿潤状態の両方でその完全性が少なくとも部分的に維持されることを意味する。恒久的なチャネルは、例えば、チャネルの壁内で基材を吸収性材料と接着する助けとなる、接着剤材料の繊維層又は構造用糊剤など、1つ以上の接着剤材料を提供することによって得られてもよい。恒久的なチャネルはまた、チャネル全体を通して、コアラップの上側部及び下側部(例えば、第1の基材16及び第2の基材16’)、並びに/又はトップシート24及びバックシート25を互いに結合することによって形成されてよい。一般的に、チャネルを介してコアラップの両側部又はトップシート及びバックシートを結合するのに接着剤が使用されてもよいが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合することが可能である。コアラップ、又はトップシート24及びバックシート25は、チャネルに沿って連続的に結合されるか、又は断続的に結合されてよい。吸収性物品が完全に流体で満たされたときチャネルは有利には、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通して目に見える状態を維持するか、又は目に見える状態となってもよい。これは、膨潤しないようにチャネルにSAPを実質的に含有させないか、また湿潤時に閉じることがないようにチャネルを十分に大きくすることによって得られてもよい。更に、チャネル全体を通してコアラップをそれ自体に結合させるか、又はトップシートをバックシートに結合させることが、有利なことがある。
【0060】
チャネルのない吸収性コア及び/又はLMSもまた、本開示の範囲内である。これらのコアは、エアフェルトフリーコア、SAP/パルプコア、パルプコア、又は当業者に公知の他のコアを含むことができる。
【0061】
バリアレッグカフ
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ34を備え得る。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品の内面から上方に延びて、着用者の胴体と脚部との接合部付近で液体及びその他の身体排出物の収容性を改善し得るように、吸収性物品に結合された一片の材料によって形成され得る。バリアレッグカフ34は、トップシート24及び/又はバックシート25に直接又は間接的に接合された近位縁部64と、着用者の皮膚と接触して着用者の皮膚と封止部を形成するように意図された自由末端縁部66と、によって範囲を定められている。バリアレッグカフ34は、長手方向軸線80の両側で吸収性物品の前側腰縁部10と後側腰縁部12との間を少なくとも部分的に延び、かつ少なくとも股部領域7内に存在する。バリアレッグカフ34は、糊剤結合、融着、又はその他の好適な結合プロセスの組み合わせにより製造され得る結合部65によって、近位縁部64で吸収性物品のシャーシと接合され得る。近位縁部64での結合部65は、連続的であっても断続的であってもよい。レッグカフ34の隆起区間に最も近い結合部65が、レッグカフ34の立ち上がり区間の近位縁部64の範囲を定める。
【0062】
バリアレッグカフ34は、トップシート24若しくはバックシート25と一体であるか、又は、吸収性物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフ34の材料は、おむつの全長を通して延び得るが、これらの区間においてバリアレッグカフ材料がトップシート24と同一平面上のままであるように、物品の前側腰縁部10及び後側腰縁部12に向かってトップシート24に「タック結合」され得る。
【0063】
それぞれのバリアレッグカフ34は、この自由末端縁部66に近接して、フィルム35の1つ、2つ、又は3つ以上の弾性ストランド又はストリップを含み得るが、それにより、より良い封止をすることが可能となる。
【0064】
吸収性物品は、バリアレッグカフ34に加えて、ガスケットカフ32を備えていてよく、このガスケットカフ32は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート25に接合されており、かつバリアレッグカフ34に対して外側に配置される。ガスケットカフ32は、着用者の大腿の周りにより優れた封止をもたらすことができる。各ガスケットレッグカフは、1つ又はそれ以上の弾性ストリング又は弾性要素を、吸収性物品のシャーシ内の脚部開口部の区域内のトップシート24とバックシート25との間に含み得る。バリアレッグ及び/又はガスケットカフのすべて又は一部分は、ローション又はスキンケア組成物で処理してもよい。バリアレッグカフは、米国特許出願公開第2012/0277713号に記載されるものを含む、数多くの異なる構成で作製され得る。
【0065】
前側耳部及び後側耳部
ある形態では、吸収性物品は、前部耳部46及び後部耳部40を含んでよい。耳部は、サイドパネルとして、トップシート24及び/又はバックシート25から形成されるなど、シャーシの一体部分であってもよい。あるいは、
図1に示すように、耳部(46、40)は、糊剤接着、熱エンボス加工、及び/又は圧着により取り付けられる、別体の要素であってよい。タブ42をランディングゾーン44に容易に取り付け、テープ付きおむつを着用者の腰部周りの定位置に保つために、後側耳部40は伸縮可能であり得る。後側耳部40はまた、弾性のある耳部によって吸収性物品の側部が伸縮し得るため、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、続いて吸収性物品が排出物で充填されてからかなりの時間が経過した後も着用期間全体を通してこのフィットを維持することによって、より快適で、体に巻き付くようなフィット感を付与するように、弾性又は伸張性であってもよい。
【0066】
液体管理システム(LMS)
LMS 50の1つの機能は、流体を迅速に捕捉し、それを吸収性コア28に効率的な方式で分配することである。LMS 50は、一体の層を形成しても、あるいは、互いに取り付けられ得る不連続の層のままでもよい、1つ又はそれ以上の層を備え得る。LMS 50は、2つの層、つまり、吸収性コアとトップシートとの間に配置される分配層54及び捕捉層52を備え得るが、本開示はこうした構成に限定されない。
【0067】
SAPは流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るため、LMS 50はSAPを含み得る。他の形態では、LMSは、SAPを実質的に含まなくてもよい(例えば、80%、85%、90%、95%、又は99%非含有である)か、又は完全に含まなくてもよい。LMSはまた、例えば、連続気泡発泡体、エアレイド繊維、又はカーディング樹脂結合不織布材料など、様々な他の好適なタイプの材料のうちの1つ以上を含んでもよい。LMSの好適な例が、例えば、国際公開第2000/59430号(Daley)、同第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、及び国際公開第02/067809号(Graef)に記載されている。
【0068】
分配層
LMS 50は分配層54を備え得る。分配層54は、例えば、少なくとも50重量%以上の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮されても、撚り合わされて、若しくはカールされてもよく、又は捲縮される、撚り合わされる、及びカールされることを含むこれらの組み合わせであってもよい。このタイプの材料が、米国特許出願公開第2008/0312622 A1号(Hundorf)に開示されている。
【0069】
図4〜
図5の吸収性物品の例LMS 50は、
図9〜
図10に切り離して示し、
図10は、
図9の10−10線周囲で切り取ったLMS 50の断面図である。LMS 50は、前側部281と、後側部283と、前側部281及び後側部283を接合する2つの長手方向側部285、287とを備えてもよい。LMS 50はまた、表面区域を有する概して平面である上面及び表面区域を有する概して平面である底面を備え得る。LMSの前側281は、吸収性物品の前側腰縁部10に向けて配置されるように意図されるLMSの側部である。LMS 50は、
図1においてのように平面図で上部から見て、吸収性物品の長手方向軸線80に実質的に対応する長手方向軸線80’’を有してもよい。図示した形態では、LMS 50は、チャネル49、49’を画定するために協働する分配層54及び捕捉層52を含む。他の形態では、LMS 50の一部の層は、LMS 50の少なくとも1つの層が連続であり、LMS 50の別の層は不連続であるように、チャネルを画定し得る。
【0070】
捕捉層
LMS 50は、代替的又は追加的に捕捉層52を備え得る。捕捉層52は、例えば、分配層54とトップシート24との間に配設されてもよい。捕捉層52は、スパンボンド、メルトブローン、及び更なるスパンボンド層、あるいはカーディング化学結合不織布を含む、SMS又はSMMS材料などの不織布材料であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。捕捉層52は、エアレイド若しくは湿式レイドセルロース繊維、架橋セルロース繊維、又は合成繊維、あるいはそれらのブレンドを含んでもよい。捕捉層52は、合成繊維(空隙を増加させるため、固体状態形成法などによって処理されてもよい)のロールストックウェブ、又は嵩高材料を形成するために互いに結合された、合成繊維とセルロース繊維との組み合わせを含んでもよい。あるいは、捕捉層52は、吸収性連続気泡発泡体を含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。
【0071】
液体管理システム内のチャネル
吸収性物品20のLMS 50は、一般に、吸収性物品を着用者の解剖学的構造により良く適合させて、それにより動作の自由度が増加して間隙が減少することを実現するチャネルを含んでもよい。LMS 50の1つ又は複数のチャネルは、上述のように吸収性コア28内の様々なチャネルに合わせて動作するように構成されていてもよい。更に、LMS 50内のチャネルは、更に、吸収性物品内で、尿、BM、又は他の身体排出物を保持して分配させるためのボイド空間の増加を提供して、それによって漏出及び皮膚の接触を低減させ得る。LMS 50内のチャネルは、特に、テクスチャ、色、及び/又はパターンの物理的相違によって強調表示されるときに内部の実用的な表示を更に提供して、着用者上での吸収性物品の正確な位置合わせを容易にさせ得る。このため、かかる物理的な違いは、例えば、視覚的及び/又は触覚的に顕著であってもよい。
【0072】
吸収性コア28内のチャネルと同様に、LMS 50内のチャネルも、層内における任意の領域であってもよく、又は、2つ以上の層から延在していてもよく、上記「チャネル」の定義に記載のとおり、周囲材料よりも、実質的に低い坪量又は厚さを有する。LMS 50内のチャネルはまた、制御された屈曲を可能にするように張力を低減させ、LMS 50を吸収性コア28に近接させて維持する役割を果たしてもよい。このため、LMS 50内にチャネルが存在することによって(これは、下にある吸収性コア28内の任意のチャネルと整列されていても、されていなくてもよい)、概して、ヒンジとして機能することができ、より柔軟な複合構造が可能になる。例えば、いくつかの場合には、LMS 50のチャネルにより、LMS 50が、制御された屈曲配置にある吸収性コア28に向かって移動することが可能になり、それによってLMS 50と吸収性コア28との間の分離が制限される。加えて、LMS 50内のチャネルは、流体又は他の身体排出物を、吸収性物品20の1つの領域から吸収性物品20の別の領域へと経路指定するのを支援してもよい。かかる経路指定により、吸収性物品20を通した流体の全体的な分配が望ましくは改善され、物品の快適性、耐久性、又は寿命の向上につながり得る。
【0073】
多層LMSでは、チャネルはLMS 50の1つ又は複数の層に存在してもよく、3つすべての基準面で寸法が変化してもよい。LMS 50内の所与のチャネル幅は、長手方向(即ち、吸収性物品の長手方向軸線に実質的に平行な方向)において変動してもよい。チャネルはまた、吸収性物品の横方向軸線又は横方向分離要素の前方では、横方向軸線又は横方向分離要素の後方とは異なる幅、長さ、及び/又は容積を有してもよい。LMS 50のチャネルは、吸収性コア28に関する上記のチャネルに類似している幅、長さ、形状、量及びパターンの範囲を有してもよい。
【0074】
LMS 50内の1つ以上のチャネルは、吸収性コア28内のチャネルと少なくとも部分的に重なり合うか、又は完全に重なり合ってもよく、重なり合った領域では、より深い凹部が形成される。LMS 50が2つ以上の層を含む形態では、吸収性コア28に最も近い層はチャネルを含み得る。トップシート24、捕捉層52、分配層54、又は他の層など、構造内の1つ以上の層は、この領域における吸収性コア28の要素に結合されて、組み合わされたチャネルの深さを増大させてもよい。ある形態では、LMS 50の捕捉層52内のチャネル及び吸収性コア28内のチャネルは、チャネルが完全に重なり合うように一致する。別の形態では、LMS及び貯蔵層内のチャネルに重なり合う領域は有していない。他の形態は、部分的に重なり合うような介入範囲を包含する2つの層内のチャネル間に垂直の重なりを有する。
【0075】
再び
図1〜
図5を参照すると、図示した実施例のLMS 50が、2つのチャネル49、49’を画定していることが分かる。チャネル49、49’は、吸収性物品80の長手方向に少なくとも部分的に配向されている(即ち、長手方向ベクトル要素を有している)。LMS内の他のチャネルは、少なくとも一部横方向又は任意の他の方向に配向されてもよく(すなわち、側部ベクトル要素を有する)、LMS 50内のチャネルは、連続していても、断続していてもよい。LMS内のいくつかのチャネルは、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、又は他の任意の好適な形状であってもよい。チャネルは、様々な方法で形成されてもよい。例えば、チャネルは、捕捉材料又は分配材料を実質的に含まないか、又は含まなくてもよいLMS 50内のゾーンによって形成されていてもよい。
【0076】
LMS 50のチャネルは、長手方向に延在する2つのチャネル49、49’により
図1に示すように、吸収性物品の横方向軸線90と同じ長手方向の平面に少なくとも存在し得る。チャネルはまた、股部領域7から延在してもよく、又は吸収性物品の前側腰部領域5及び/若しくは後側腰部領域6に存在してもよい。
図1では、チャネル49、49’は、概して、チャネル26、26’と一致し、チャネル26、26’は、吸収性物品20の前側腰縁部10に向かって長手方向により長い長さを有する。
【0077】
LMS 50は、少なくとも1つ又は2つ以上のチャネルのような任意の適切な数のチャネルを画定することができる。例えば、LMS 50の後側腰部領域6又前側腰部領域5に、より短いチャネルがまた存在してもよい。LMS 50のチャネルは対称的に配置された一対以上のチャネルを含んでもよいか、又は別の方法で、長手方向軸線80及び/又は横方向軸線90又は他の横軸線に対して配置されてもよい。チャネルは、実質的に長手方向又は実質的に横方向に延在してもよい。
【0078】
LMS 50内のチャネルの少なくとも一部又はすべては恒久的なチャネルであってもよく、つまり、それらの一体性は、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に維持される。恒久的なチャネルは、例えば、チャネルの壁内で基材を吸収性材料と接着する助けとなる、接着剤材料の繊維層又は構造用糊剤など、1つ以上の接着剤材料を提供することによって得られてもよい。また、耐久性チャネルは、LMS 50のチャネルを介して、トップシート24がバックシート25と一緒に結合することによって形成されてもよい。一般的に、チャネルを通してトップシート24及びバックシート25を結合するのに接着剤が使用されてもよいが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスを介して結合することが可能である。トップシート24及びバックシート25は、チャネルの一部又は全部に沿って、又はチャネルの一部又は全部内で連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。
【0079】
図1を参照すると、ある形態では、LMS 50は、少なくとも2つのチャネルを含んでもよい(例49、49’)。これらのチャネルは、不織布材料若しくは架橋セルロース繊維を含まないか、又は実質的に含まなくてもよく(例えば、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満)、長手方向に少なくとも部分的に配向されてもよく、かつ/又は横方向に少なくとも部分的に配向されてもよい。
【0080】
図1〜
図10に示す吸収性コア28のチャネル26、26’の部分及びLMS 50のチャネル49、49’は、概して、位置合わせされるが、本開示はそのように限定するものではない。実際には、理解されるように、LMS 50及び/又は吸収性コア28におけるチャネルの特定の配置は変動してもよい。
【0081】
パンツ
吸収性物品に関する代替的構成は、中央シャーシ構造体が、そのパンツの前側腰縁部及び後側腰縁部まで延在せず、それら前側腰縁部及び後側腰縁部を形成しない吸収性パンツのための構成である。むしろ、伸縮性のベルト構造体が、着用者の腰部を完全に取り囲み、そのパンツ全体の周りの腰部縁部、及びサイドパネル/臀部パネルを形成する。中央シャーシは、その端部が、ベルト構造体の腰部縁部の若干下方の、前側腰部領域及び後側腰部領域内の場所に配置された状態で、通常はベルト構造体の内側で、そのベルト構造体に接合される。この弾性ベルトは、通常、比較的(長手方向に)幅広であり、横方向に弾性的に伸縮性を有する。この弾性ベルトは、着用者の腰部を完全に取り囲むことにより、比較的多大な分量の着用者の皮膚が覆われる。この構成は、往々にして、「ベルト」又は「バルーン」構成として知られるものである(以降では、「ベルト」構成)。
【0082】
より詳細には、吸収性物品は、液体透過性トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを更に含む、前側領域、後側領域、及びそれらの間に配置された股部領域を有してもよい。次いで、物品は、股部領域を占める中央シャーシと、中央シャーシの周りに配置されたベルト構造体とを備えることができ、ベルト構造体は、バックシートを前側領域と後側領域においてその外側に重ね合わせ、ベルト構造体は、シャーシから外向きに横方向及び縦方向に重なり合って延びる。ベルト構造体は、外側不織布と内側不織布とを含み、それらの間に弾性ストランドを有することができる。ベルト構造体は、前側腰縁部及び前側左右側縁部を有する前側ベルト部分と、後側腰縁部及び後側左右側縁部を有する後側ベルト部分とを更に有することができ、それぞれの前側及び後側の左側縁部とそれぞれの前側及び後側の右側縁部とが接合されて腰部開口部及び左右の脚開口部を形成する。
【0083】
任意のパンツ構成は、臭気制御組成物及びその配置と共に、本明細書に記載される物品構成要素のいずれか、例えば、本明細書に記載のトップシート、バックシート、コア、バリアカフ、及び/又は液体管理システム層を有し得る。パンツ構成の更なる説明及び実施形態は、米国特許出願第62/210635号で見出され得る。
【0084】
臭気制御組成物の配置
本発明の臭気制御組成物を配置することにより、物品の外側からの視界から隠すことができる。これは、臭気制御組成物が暗い色、例えば、活性炭の粒子である場合に特に有利である。このように、本発明の臭気制御組成物は、構成要素の不透明度及び/又は厚さに依存して、臭気制御組成物が目に見えず、依然として有効であり得る、物品の構成要素同士の間に配置され得る。例えば、臭気制御組成物は、コアラップと液体管理システムとの間に配置されてもよい。例えば、臭気制御組成物は、分配層とコアラップとの間に配置されてもよい。場合によっては、臭気制御組成物は、捕捉層とコアラップとの間、捕捉層と分配層との間、2つの捕捉層の間、又は捕捉層とトップシートとの間に配置することができる。視認性の欠如に加えて、液体管理システム及びコアラップ内又はそれらの間の配置の1つの利点は、そのような配置が、糊剤及び/又はコア材料との相互作用を制限することができ、一般に、臭気制御組成物の他の構成要素の機能との相互作用を制限することができる。多くの場合、開放型物品を上から見たとき(通常の光で物品のトップシート側を見る観察者)、又は通常の光で物品のバックシート側から見たときに臭気制御組成物が目に見えないことが望ましい場合がある。場合によっては、臭気制御組成物は、臭気制御組成物が見えないような場所に配置されてもよい。臭気制御組成物は、一般に、物品構成要素の少なくとも2つ又は3つの層が物品のトップシートに向かってその上に配設されるように配設することができる。臭気制御組成物とトップシートとの間には、1つ、2つ、又は3つの層が存在し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、臭気制御組成物は、活性炭であってもよく、コアに直接的に、例えばコアラップの内部に、又はSAPに混合されてもよい。これにより、臭気制御組成物がコアラップの内部に閉じ込められて固定されるので、臭気制御組成物を所定の位置に確実に固定する。また、物品を外側から見た場合、すなわち、トップシート側又はバックシート側のいずれかから見ると、活性炭が見えないという安心感ももたらす。
【0086】
一般に、本明細書に記載された物品構成要素の多くは、表面及び表面区域を各面に有する平面であってもよく、一方の面が物品のトップシート側に向けられ、他方の面が物品のバックシート側に向けられる。そのような物品構成要素は、例えば、トップシート、捕捉層(複数可)、分配層(複数可)、液体管理システム、バックシート、コア、又はコアラップを含み得る。コアラップの場合、コアラップは、トップシートに向かって配向された最外表面である表面を有してもよく、コアラップはまた、バックシートに向かって配向された最外表面である表面を有することができ、また吸収性コアに向かって配向された内面を有する。コアラップ表面区域は、トップシートに向かって配向され、液体管理システムに隣接していてもよい。
【0087】
場合によっては、隣接する物品構成要素は、類似又は実質的に類似の表面区域を有することができるが、場合によっては、隣接する物品構成要素が類似又は実質的に類似の表面区域を有さなくてもよい。例えば、場合によっては、分配層表面区域は、隣接するコアラップ表面区域より小さくてもよい。場合によっては、捕捉層表面区域又は分配層表面区域は、トップシートに向かって配向されたコアラップ表面区域のサイズの約40%、50%、60%、70%、80%又は90%であってもよい。場合によっては、捕捉層又は分配層の長さは、コアラップ表面の長さの約40%、50%、60%、70%、80%又は90%であってもよい。
【0088】
場合によっては、臭気制御組成物は、表面区域の最大約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にわたって配置することができる。場合によっては、臭気制御組成物は、コアラップ表面区域の最大約80%にわたって配置することができる。しかしながら、場合によっては、臭気制御組成物は、コアラップ表面区域のわずか約1%〜約5%、コアラップ表面区域の約1%〜約10%、約1%〜約20%、約2%〜約10%、約5%〜約10%、約5%〜約15%、又は約5%〜約20%を配置することができる。
【0089】
臭気制御組成物は、隣接する構成要素の表面区域と重なる構成要素の表面区域の部分に配置することができる。例えば、粒状活性炭は、トップシートに向かって配向されているコアラップ表面区域の約50%に散布することができる。隣接する物品構成要素は、コアラップよりも小さい表面区域を有し得る分配層であってもよい。したがって、粒状活性炭は、分配層の表面区域に接触するコアラップの表面区域にのみ散布されてもよい。いずれにしても、臭気制御組成物をいくつかの層の下又は少なくとも十分に不透明な構成要素層の下に置くことによって、臭気制御組成物は物品のトップシート側から見えなくなる。臭気制御組成物を適所に保持するのを助けるために接着剤を使用してもよく、又はいくつかの実施形態では接着剤を使用しなくてもよい。
【0090】
臭気制御組成物は、組成物が臭気制御組成物として機能することを可能にする任意の方法で物品構成要素上に配置され得る。好適な形態としては、微粒子、粉末、繊維、紙、不織布、又はスラリーを挙げることができるが、これらに限定されない。場合によっては、臭気制御組成物は、担体、コーティング、又はインクのような添加材料に含まれていてもよい。臭気制御組成物は、物品の繊維又は不織布基材構成要素に直接組み込まれてもよい。臭気制御組成物は、パウチ又はサシェの内部に含まれてもよく、ラミネート又はフィルムの形態であってもよい。
【0091】
1つの特定の実施形態では、吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、その間に吸収性コアを含み、コアはコアラップを含む。物品は、捕捉層及び分配層を含む液体管理システムを備え、分配層は、トップシートに向かって配向されたコアラップ表面に隣接している。臭気制御組成物である、粒状活性炭は、トップシートに向かって配向されたコアラップ表面の上に配置される。活性炭は約2cm
2のコアラップ表面を覆い、それぞれ1cm
2の面積の2つのパイルに配置される。分配層の長さは、隣接するコアラップの長さの約50%であり、粒状活性炭は、コアラップが分配層によって重なり合っている場合にのみコアラップ上に配置される。
【0092】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0093】
相互参照される又は関連する特許又は出願等の、本願に引用されるすべての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本願に援用される。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、又はその文献が単独で、あるいは任意のその他の参照文献との任意の組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示することを認めるものでもない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0094】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正が、添付の特許請求の範囲に網羅されるものとする。