特許第6685422号(P6685422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6685422マルチワイヤ平板状ケーブルを有する端子アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6685422
(24)【登録日】2020年4月2日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】マルチワイヤ平板状ケーブルを有する端子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20200413BHJP
   H01R 9/11 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   H01R4/18 A
   H01R9/11
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-549354(P2018-549354)
(86)(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公表番号】特表2019-523519(P2019-523519A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】IB2017051639
(87)【国際公開番号】WO2017163187
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年10月4日
(31)【優先権主張番号】15/208,805
(32)【優先日】2016年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ウェイピン
(72)【発明者】
【氏名】近藤 弘紀
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−123513(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0158397(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0296044(US,A1)
【文献】 特開2013−149427(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10301227(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 9/03,9/11
H01R 12/61−12/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子アセンブリ(150)であって、
前記端子アセンブリ(150)は、
-複数のフラットワイヤ(140)と前記複数のフラットワイヤのための共通の被覆(160)とを有するマルチワイヤ平板状ケーブル(118)と、
-対応する前記複数のフラットワイヤ(140)の終端部に取り付けられる端子(142)と、備えており、
前記被覆(160)は、前記マルチワイヤ平板状ケーブル(118)の端部(158)における前記複数のフラットワイヤ(140)および周囲の被覆部分を、分離された被覆ワイヤ部分(166)へ制御された状態で分離するために、隣接するフラットワイヤ間に溝(168)を有し、
前記分離された被覆ワイヤ部分(166)は、前記フラットワイヤ(140)の長さ(182)にわたって延び、
前記フラットワイヤ(140)はそれぞれ、前記フラットワイヤの絶縁スリーブ(180)と、前記絶縁スリーブ(180)を越えて露出される終端部(184)と、を含む、
を備え
前記フラットワイヤ(140)の前記絶縁スリーブ(180)および前記終端部(184)はそれぞれ、前記終端部(184)が互いに非共平面になるようにねじれている、
端子アセンブリ(150)。
【請求項2】
前記フラットワイヤ(140)の前記終端部(184)は、折り畳まれて、2重層部分(220)を形成し、
前記2重層部分(220)は、圧着バレル(156)内に受容されて、前記端子(142)に圧着されている、
請求項1に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項3】
前記圧着バレル(156)は、開端(210)と、閉端(212)と、前記開端(210)と前記閉端(212)との間の側壁(214、216)とを含み、
前記2重層部分(220)は、圧着される前に、前記フラットワイヤ(140)の縁部(194、196)が前記開端(210)および前記閉端(212)の方を向き、前記フラットワイヤの平面(204、206)が前記側壁(214、216)の方を向くように、前記圧着バレル(156)内に受容される、
請求項2に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項4】
前記フラットワイヤ(140)の前記終端部(184)は、凹状に折り畳まれ、圧着バレル(156)内に受容される、
請求項1に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項5】
前記圧着バレル(156)は、開端(210)と、閉端(212)と、前記開端(210)と前記閉端(212)との間の側壁(214、216)とを含み、
前記フラットワイヤ(140)の前記終端部(184)は、上部平面(190)と、下部平面(192)と、前記上部平面(190)と前記下部平面(192)との間の両側に位置する第1の縁部(194)および第2の縁部(196)とを有し、
前記第1の縁部(194)および前記第2の縁部(196)は、折り畳まれて、前記フラットワイヤの頂部(200)に前記第1の縁部(194)および前記第2の縁部(196)が設けられて前記凹状を画定し、
前記終端部(184)は、圧着される前に、前記第1の縁部(194)および前記第2の縁部(196)が前記圧着バレル(156)の前記開端(210)の方を向くように、前記圧着バレル(156)内に受容される、
請求項4に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項6】
前記フラットワイヤ(140)の前記終端部(184)および対応する前記絶縁スリーブ(180)は、前記溝(168)間の前記被覆ワイヤ部分の幅(246)より小さい幅を有している、
請求項4に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項7】
前記マルチワイヤ平板状ケーブル(118)の前記被覆(160)は、頂面(170)および底面(172)を有し、
前記被覆(160)は、前記頂面(170)と前記底面(172)との間に画定される厚さ(176)を有し、かつ、前記溝(168)でより薄くなっている、
請求項1に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項8】
前記溝(168)は、前記被覆(160)の頂面(170)および底面(172)の両方に沿って設けられている、
請求項1に記載の端子アセンブリ(150)。
【請求項9】
前記端子(142)は、頂部(200)および底部(202)を含み、端子平面(208)が前記頂部(200)および前記底部(202)を通過し、
前記端子(142)は、前記端子平面(208)が前記終端部(184)でフラットワイヤ平面(222)に対して平行になるように、前記フラットワイヤ(140)の前記終端部(184)に圧着され、
前記端子(142)は、キャビティ壁(236)によって分離された個々のキャビティ(230)を有するコネクタハウジング(144)内に受容されて保持されるように構成され、
前記端子平面(208)はそれぞれ、互いに対して平行で、かつ前記複数のフラットワイヤの幅方向に関して横並びに隣接するように積層配置されている、請求項1に記載の端子アセンブリ(150)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、電池コネクタシステムに関する。電気自動車またはハイブリッド自動車用のものなどの電池モジュールは、典型的には、複数のセルを含み、これらのセルがともにまとめられて、電池モジュールを形成する。これらの電池モジュールは、ともに接続されて、電池パックを形成する。各セルは、ともに電気的に接続された正のセル端子および負のセル端子を含む。正のセル端子および負のセル端子は、バスバーを使用して接続される。いくつかのシステムは、電圧、温度などの電池セルの様子を監視するように設計される。そのようなシステムは、監視回路に接続されたセンサを提供する。しかし、各セルまたはバスバーと監視ユニットとの間にワイヤを設けると、電池モジュールの嵩が増す。
【背景技術】
【0002】
いくつかのシステムは、バスバーに接続されるワイヤの厚さを削減するためにフレキシブルフラットケーブル(可撓性フラットケーブル)を使用し、これにより組立てが容易になり、ワイヤの摩耗が避けられる。しかし、フレキシブルフラットケーブルのフラットワイヤは、電池モジュールの異なる区域に経路指定する必要があるため、そのようなフレキシブルフラットケーブルの終端は困難であることがある。フラットワイヤは、矩形の断面を有する銅導体である。加えて、フレキシブルフラットケーブルが監視システムに接続される中央コネクタにおいても、各フラットワイヤを異なる端子に終端してコネクタ内へ装入する必要がある。いくつかの従来のシステムは、フレキシブルフラットケーブルに穿孔してフラットワイヤに電気的に接続するピアス圧着端子を使用する。しかし、ピアス圧着端子は、従来の圧着と比較すると電気的接続の信頼性がそれほど高くない可能性がある。
加えて、そのような端子を共通のハウジング内へ装入するのは困難である。さらに、そのようなアセンブリは、端子間の分離距離が十分に大きくないため、自動車業界などのいくつかの業界で設定されている高電圧沿面距離要件を満たさない可能性がある。通常のフレキシブルフラットケーブルを使用するとき、フラットワイヤを分離して個々のフラットワイヤを形成し、端子を分離し、したがって沿面距離を増大させることは困難である。たとえば、フレキシブルフラットケーブルの切断または断裂の結果、フラットワイヤの一部分が露出することがあり、短絡または他の問題を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
低コストのフレキシブルフラットケーブルを使用してフラットワイヤを端子に終端する電池モジュールが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題への解決策は、複数のフラットワイヤと、複数のフラットワイヤのための共通の被覆(jacket)とを有するマルチワイヤ平板状ケーブルを含む本明細書に開示する端子アセンブリによって提供される。被覆は、マルチワイヤ平板状ケーブルの端部におけるフラットワイヤおよび周囲の被覆部分を、分離された被覆ワイヤ部分へ制御された状態で分離するために、隣接するフラットワイヤ間に溝を有し、分離された被覆ワイヤ部分は、フラットワイヤの長さにわたって延び、フラットワイヤはそれぞれ、フラットワイヤの絶縁スリーブおよび終端部を含む。フラットワイヤの終端部は、絶縁スリーブを越えて露出される。対応するフラットワイヤの終端部に、端子が取り付けられる。
【0005】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的な実施形態によって形成された電池システムの上面斜視図である。
図2】例示的な実施形態によって形成された電池システムの電池セルの上面斜視図である。
図3】例示的な実施形態によって形成された電池システムのバスバーの上面斜視図である。
図4】電池システムのキャリアアセンブリの一部分の上面斜視図である。
図5】例示的な実施形態によって形成された電池システム向けのマルチワイヤ平板状ケーブルの一部分の上面図である。
図6図5に示すケーブルの断面図である。
図7】分離されたワイヤが端子に終端されていることを示す、例示的な実施形態によるマルチワイヤ平板状ケーブルの端部の上面図である。
図8】端子の開いている圧着バレル内へ装入する準備ができたケーブルの被覆ワイヤ部分の上面斜視図である。
図9】端子アセンブリがコネクタ内へ装入されたことを示す、電池システムのコネクタアセンブリの背面斜視図である。
図10】例示的な実施形態によって形成された端子、およびその端子内へ終端されている対応する被覆ワイヤ部分の上面斜視図である。
図11】例示的な実施形態による端子および対応する被覆ワイヤ部分の上面斜視図である。
図12】コネクタ内へ装入された複数の端子の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、例示的な実施形態によって形成された電池システム100の上面斜視図である。電池システム100は、1つまたは複数の電池モジュール102と、電池モジュール102に取り付けられたキャリアアセンブリ110とを含む。電池モジュール102は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車などの車両内の電池システムなどの電池システム100の一部として使用される電池パックとしてともに積層することができる。代替実施形態では、電池システム100は、他の適用分野でも使用することができる。
【0008】
各電池モジュール102は、角形電池セルなどの複数の電池セル104を含む。電池セル104は、横並びに積層構成で配置されて、電池モジュール102を形成する。任意選択で、電池モジュール102は、電池セル104を保持するケースまたは他のハウジングを含むことができる。電池セル104の頂部の上には、電池カバーを設けることができる。電池カバーは、各電池セル104を覆うことができる。
【0009】
各電池モジュール102は、正の電池端子106および負の電池端子108を含む。電池端子106、108は、外部電源ケーブルに結合するように構成され、または別法として、別の電池モジュール102の電池端子にバス接続することができる。任意選択で、電池端子106、108は、クイック接続タイプのコネクタを使用して接続することができる。
【0010】
キャリアアセンブリ110は、複数のバスバー130(図3に示す)を保持する1つまたは複数のキャリアハウジング112を含む。バスバー130は、電池モジュール102(たとえば、電圧)の監視および/または電池モジュール102に付随する機能の制御を行う電池コントローラ(図示せず)に電気的に接続される。キャリアアセンブリ110は、バスバー130および/またはサーミスタ(図示せず)に電気的に接続されたコネクタアセンブリ114を保持する。
【0011】
コネクタアセンブリ114は、コネクタ116と、コネクタ116内に保持されている対応する端子に終端されたマルチワイヤ平板状ケーブル118とを含む。コネクタアセンブリ114は、電池コントローラへの直接接続または電池コントローラに付随するワイヤハーネスへの接続などによって、電池コントローラに電気的に接続することができる。たとえば、電池コントローラまたはワイヤハーネスは、コネクタ116と嵌合するように構成される嵌合コンタクトを有する嵌合コネクタを含むことができる。コネクタアセンブリ114は、バスバー130に電気的に接続することができ、付随する電池セル104間のバスバー130の両端間の電圧を測定することによって、電池モジュール102の対応する電池セル104の電圧を監視することができる。たとえば、ケーブル118の複数のフラットワイヤを、対応するバスバー130に電気的に接続することができる。
【0012】
図2は、例示的な実施形態によって形成された電池セル104のうちの1つの上面斜視図である。電池セル104は、頂部122および側壁124を有するセルハウジング120を含む。図示の実施形態では、セルハウジング120は、4つの側壁124を有する箱の形状である。
【0013】
電池セル104は、正のセル端子126および負のセル端子128を含む。図示の実施形態では、端子126、128は、対応するバスバー130(図3に示す)への電気的接続のための接続インターフェースを画定する上面を有するフラットパッドを含む。
【0014】
図3は、例示的な実施形態によって形成されたバスバー130のうちの1つの上面斜視図である。バスバー130は、隣接する電池セル104(図1に示す)のセル端子126または128(図2に示す)を電気的に接続するために使用される。
【0015】
バスバー130は、正極板132および負極板134を含む。正極板132は、1つの電池セル104の対応する正のセル端子126に終端するように構成され、負極板134は、隣接する電池セル104の対応する負のセル端子128に終端するように構成される。
【0016】
バスバー130は、負極板134から延びる電圧センサ136を含む。図示の実施形態では、電圧センサ136は、コネクタアセンブリ114(図1に示す)などの電圧感知システムのフラットワイヤ140を受容するように構成された圧着バレルを構成する。圧着は、正確で確実な感知のために、フラットワイヤ140との確実な接続を提供する。代替実施形態では、コネクタアセンブリ114の対応する構成要素に接続するために、圧接コンタクト、ばねコンタクト、ピン、ソケット、ポークインワイヤ接続、溶接パッドなど、他のタイプのコンタクトを設けることもできる。他の代替実施形態では、電圧感知ワイヤは、溶接、はんだ付け、導電接着剤の使用などによって、バスバー130に取り付けることができる。任意選択で、電圧センサ136は、バスバー130に打ち抜き加工して形成することができる。
代替実施形態では、電圧センサ136は、別個の構成要素とすることができ、バスバー130にはんだ付け、溶接、締め付け、または他の方法で固定することなどによって、バスバー130に結合することができる。
【0017】
図4は、コネクタアセンブリ114の一部分を示す、キャリアアセンブリ110の一部分の上面斜視図である。コネクタアセンブリ114は、電圧センサ136(図3に示す)に接続し、電池セル104(図2に示す)の電圧を監視するために使用される。コネクタアセンブリ114は、マルチワイヤ平板状ケーブル118の端部に設けられたコネクタ116を含む。ケーブル118は、複数のフラットワイヤ140を含み、これらのフラットワイヤ140は、一方の端部などで対応する電圧センサ136に接続され、他方の端部などで対応する端子142に接続される。フラットワイヤ140は、矩形の断面を有する金属導体である。
【0018】
コネクタ116は、端子142を保持するハウジング144を含む。ハウジング144は、前面146と後面148との間に延びる。前面146は、嵌合コネクタと嵌合するように構成されたコネクタ116の嵌合端を画定する。ハウジング144は、嵌合コネクタを受容するように構成されたキャビティまたはチャンバを画定することができる。端子142は、嵌合コネクタの対応する嵌合コンタクトと嵌合するように、キャビティまたはチャンバ内で露出させることができる。他の様々な実施形態では、ハウジング144は、端子142を分離する複数の個々のキャビティを含むことができる。端子142は、後面148を通ってハウジング144内へ装入することができる。
【0019】
コネクタアセンブリ114は、端子アセンブリ150を含む。端子アセンブリ150は、マルチワイヤフラットケーブル118および端子142の両方を含む。端子アセンブリ150は、電圧センサ136と嵌合するために、フラットワイヤ140の反対側の端部に設けられた他の端子を含むことができる。端子142は、嵌合コネクタの対応する嵌合端子と嵌合するように構成された嵌合端152を有する。図示の実施形態では、端子142は、嵌合端152にソケットを有するメス端子であるが、嵌合端152には、ピンを有するオスコンタクトまたは他のタイプのコンタクトなど、他のタイプのコンタクトを設けることもできる。
【0020】
図5は、例示的な実施形態によるマルチワイヤ平板状ケーブル118の端部158の上面図である。図6は、ケーブル118の断面図である。ケーブル118は、複数のフラットワイヤ140と、複数のフラットワイヤ140のための共通の被覆160とを有する。ケーブル118は、フラットまたは平板状である。ケーブル118は可撓性である。ケーブル118は、積層配置で配置されたフラットワイヤ140を有し、フラットワイヤ140は横並びになっている。各フラットワイヤ140は、ケーブル118のリボン部分162(図5)内に共通の被覆160によって一体としてともに接続される。
【0021】
ケーブル118の端部158は、ケーブル118の分離領域164(図5)の長さにわたって互いから分離されたフラットワイヤ140を有することができる(外側のフラットワイヤ140だけが分離されているところを示すが、分離領域164ではフラットワイヤ140のいくつかまたはすべてを互いから分離することができる)。たとえば、分離された部分は、フラットワイヤ140の別個の部分に断裂または切断することができる。分離された部分は、フラットワイヤ140が被覆160の材料によって取り囲まれるため、ケーブル118の被覆ワイヤ部分166と呼ぶことができる。被覆ワイヤ部分166は、ケーブル118のリボン部分162の前方へ延び、フラットワイヤ140は、そのまま一体としてともに結合されている。
被覆ワイヤ部分166は、端子142(図4に示す)への終端および/またはコネクタ116(図4に示す)内への独立した装入などのために、互いに対して独立して可動である。
【0022】
例示的な実施形態では、被覆ワイヤ部分166は、被覆160内の溝168において、隣接する被覆ワイヤ部分166から分離される。溝168は、隣接するフラットワイヤ140間で中心に位置合わせすることができる。溝168は、溝168間の2等分線などに沿って溝168の点で強制的に分離するために、V字状とすることができる。溝168は、フラットワイヤ140間の境界を画定し、溝168に沿って強制的に分離する。溝がなければ、1つのフラットワイヤ140から別のフラットワイヤ140の方へ断裂または切断が延び、一部のフラットワイヤ140は被覆材料がより多くなり、他のフラットワイヤ140は被覆材料がより少なくなる可能性がある。制御された分離がなければ、断裂または切断によってフラットワイヤ140のいくつかの部分が露出される可能性がある。
【0023】
被覆160は絶縁性であり、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、熱可塑性エラストマ、ゴムなどの誘電体材料から形成される。被覆160は、頂面170と、頂面170とは反対側の底面172とを有する。頂面170および底面172は、概ね平面である。ケーブル118のケーブル平面174(図6)が、頂面170と底面172との間に画定される。被覆160は、頂面170と底面172との間に厚さ176(図6)を有する。厚さ176は、溝168で削減することができる。たとえば、厚さ176は、溝168で約30%、約50%、またはそれ以上削減することができる。任意選択で、溝168は、頂面170および底面172の両方に設けることができるが、代替実施形態では、頂面170または底面172のみに溝168を設けることもできる。
例示的な実施形態では、溝168は、ケーブル118を横切って互いに位置合わせすることができる。厚さ176は、ケーブル118の長さおよび幅178(図5)と比較すると比較的小さい。幅178は、フラットワイヤ140の数およびフラットワイヤ140間の間隔によって決まり、フラットワイヤ140のピッチ(たとえば、フラットワイヤ140間の水平中心線間隔)および個々のフラットワイヤ140の幅、ならびにフラットワイヤ140間の被覆材料の量に基づいている。例示的な実施形態では、フラットワイヤ140は、2.54mmのピッチを有することができるが、代替実施形態では、フラットワイヤ140は、他のピッチを有することができる。
【0024】
分離領域164では、絶縁スリーブ180(図5)がフラットワイヤ140を取り囲む。絶縁スリーブ180は、フラットワイヤ140を取り囲む被覆の分離された部分である。絶縁スリーブ180は、フラットワイヤ140の長さ182にわたって、分離領域164の後方にあるリボン部分162まで延びる。フラットワイヤ140の終端部184は、端子142への終端のために、絶縁スリーブ180を越えてまたはその前方へ露出される。
【0025】
フラットワイヤ140は、上部平面190と、下部平面192と、平面190、192間の両側に位置する第1の縁部194および第2の縁部196とを有する。絶縁スリーブ180は、フラットワイヤ140のどの部分も露出されないことを確実にするように、平面190、192および縁部194、196を取り囲む。そのような露出は、短絡またはアークの発生を招く可能性がある。
【0026】
図7は、例示的な実施形態によるマルチワイヤ平板状ケーブル118の端部158の上面図である。図7は、分離されたワイヤ140が端子142に終端することを示している。図示の実施形態では、端子142は、ソケットを有するメス端子であるが、代替実施形態では、他のタイプの端子を使用することもできる。被覆ワイヤ部分166は、ケーブル118のリボン部分162の前方に示されている。被覆ワイヤ部分166は、端子142内への被覆ワイヤ部分166の装入および/またはコネクタ116(図4に示す)内への圧着された端子142の装入などのために、互いに対して独立して可動である。被覆ワイヤ部分166は、端子142内への装入および/またはコネクタ116内への圧着された端子142の装入のために、捩じりまたは他の方法で操作することができる。
【0027】
端子142は、嵌合端152と、嵌合端152とは反対側の終端部154とを含む。例示的な実施形態では、端子142は、ワイヤ140の終端部184にFクリンプで圧着するように構成された圧着バレル156を終端部154に含み、張力緩和などのために絶縁スリーブ180にFクリンプで圧着することができる。圧着バレル156は、終端部184を受容するように設計された開いているバレルであり、機械または工具によってワイヤ140および絶縁スリーブ180に圧着することができる。Fクリンプは、無はんだの電気圧着接続である。
【0028】
図8は、端子142の開いている圧着バレル156内へ装入する準備ができた被覆ワイヤ部分166のうちの1つの上面斜視図である。端子142は、頂部200および底部202を有し、頂部200と底部202との間に側面204、206が延びる。端子142は、端子の長手方向軸または嵌合軸に沿って延びかつ頂部200および底部202を通過する端子平面208(たとえば、側面204、206に対して平行)を有する。端子142は、端子平面208を特定の向きにして(たとえば、端子142を受容するキャビティのサイズおよび/もしくは形状に基づいて、ならびに/または嵌合端子との適切な嵌合のために)、コネクタ116内へ装入しなければならない。
【0029】
圧着バレル156は、開端210と、閉端212と、開端210と閉端212との間の第1の側壁214および第2の側壁216とを含む。任意選択で、側壁214、216は、閉端212から互いに離れて外方に傾斜させることができる。図示の実施形態では、開端210は、端子142の頂部200にありまたは端子142の頂部200の方を向き、閉端212は、端子142の底部202にありまたは端子142の底部202の方を向いている。圧着バレル156の側壁214、216は、Fクリンプ圧着動作中に、ワイヤの終端部184を覆って折り畳まれて押圧される。
【0030】
例示的な実施形態では、フラットワイヤ140の終端部158は、折り畳まれて、2重層部分220を形成し、2重層部分220は、圧着バレル156内に受容されるように構成される。2重層部分220は、圧着バレル156内に受容されるワイヤ140の金属材料の量を2倍にし、Fクリンプ圧着動作中により良好な圧着を形成することができる。例示的な実施形態では、2重層部分220は、Fクリンプで圧着される前に、フラットワイヤ140の縁部194、196がそれぞれ開端210および閉端212の方を向き、平面190または192が側壁214、216の方を向くように、圧着バレル156内に受容される。
たとえば、折り畳まれたとき、上部平面190は、側壁214、216の両方に面することができ、下部平面192は、折り畳まれて下部平面192自体に面する。別法として、折り畳まれたとき、下部平面192は、側壁214、216の両方に面することができ、上部平面190は、折り畳まれて上部平面190自体に面する。
【0031】
2重層部分220は、終端部184において、フラットワイヤ140の中心平面に沿って画定されたフラットワイヤ140のフラットワイヤ平面222が、端子平面208に対して平行に向けられるように、圧着バレル156内に受容される。たとえば、平面208、222はどちらも、垂直に向けられ、これはケーブル平面174(図5に示す)とは異なることがある。たとえば、フラットワイヤ平面222は、ケーブル平面174に対して約90°とすることができるが、フラットワイヤ平面222は、ケーブル平面174に対して45°などの他の角度とすることができる。さらには、ケーブル平面174に対して0°、したがってケーブル平面174に対して平行にすることもできる。被覆ワイヤ部分166は、フラットワイヤ平面222をケーブル平面174に対して非平行に向けるようにねじることができる。
【0032】
図9は、コネクタアセンブリ114の背面斜視図である。図9は、端子アセンブリ150がコネクタ116内へ装入された状態を示している。コネクタ116のハウジング144は、キャビティ壁232によって画定される個々のキャビティ230を後面148に含む。例示的な実施形態では、キャビティ壁232は、キャビティ側壁234およびキャビティ端壁236を含む。キャビティ側壁234は、隣接するキャビティ230間に位置する。キャビティ端壁236は、キャビティ230の頂部および底部に位置する。例示的な実施形態では、キャビティ側壁234は、キャビティ端壁236より長くすることができる。より短いキャビティ端壁236を有することで、コネクタ116の全体的な幅を削減することができる。キャビティ端壁236の長さは、キャビティ230の間隔またはピッチ、したがって嵌合コネクタと嵌合するように端子142が保持される間隔またはピッチに相関させることができる。
たとえば、端子142間のピッチは、2.54mmの中心線間隔とすることができるが、代替実施形態では、より狭いまたはより広い他のピッチも可能であり、特定の適用分野に依存する。
【0033】
端子142(図8に示す)およびケーブル118の被覆ワイヤ部分166は、個々のキャビティ230内へ装入され、キャビティ壁232によって分離される。キャビティ壁232は、隣接するキャビティ230内へ挿入される隣接する端子142間の沿面距離を増大させ、それによりアークの発生および/または短絡のリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、キャビティ側壁234間のキャビティの幅240は、被覆ワイヤ部分166の絶縁スリーブ180の幅242より狭くすることができる。したがって、被覆ワイヤ部分166は、幅方向または水平方向において、キャビティ230内に嵌らない。しかし、キャビティ端壁236間のキャビティの幅244は、絶縁スリーブ180の幅242より広くして、絶縁スリーブ180をキャビティ230内で垂直に向けることを可能にすることができる。
他の様々な実施形態では、絶縁スリーブ180の幅242は、キャビティ側壁234の幅240より広くすることができ、それにはキャビティ230内で約45°の角度でまたは隅から隅へ傾斜させるなど、絶縁スリーブ180をキャビティ230内で横方向に向けることを必要とするが、絶縁スリーブ180は、キャビティ230内への挿入を容易にするために、任意の角度で向けることもできる。
【0034】
いくつかの実施形態では、組立て中、端子142は、特定の向きでキャビティ230内へ装入される。たとえば、頂部200(図8に示す)は、キャビティ上端壁236の方を向くことができ、底部202(図8に示す)は、キャビティ下端壁236の方を向くことができる。側面204、206(図8に示す)は、キャビティ側壁234の方を向くことができる。端子平面208(図8に示す)は、垂直に向けることができる。ワイヤ140が圧着バレル156(図8に示す)内に垂直に装入される実施形態では、キャビティ230内で端子142をそのように向けると、ワイヤ140および付随する絶縁スリーブ180は垂直に向けられる。被覆ワイヤ部分166がハウジング144の後面148から出ると、被覆ワイヤ部分166は、リボン部分162のケーブル平面174と位置合わせされるようにねじれ始める。任意選択で、フラットワイヤ140および絶縁スリーブ180は、約90°ねじることができる。
他の実施形態では、フラットワイヤ140および絶縁スリーブ180は、約45°などの異なる角度だけねじることができる。フラットワイヤ140は、終端部184および対応する絶縁スリーブ180において、終端部184のフラットワイヤ平面222が、リボン部分162内など絶縁スリーブ180の後方で、フラットワイヤ140のフラットワイヤ平面222に対して非平行に傾斜するように捩じられる。
【0035】
図10は、例示的な実施形態によって形成された端子300および端子300に終端されている対応する被覆ワイヤ部分166の上面斜視図である。端子300は、嵌合端302および終端部304を含む。嵌合端302は、端子142(図8に示す)の嵌合端152と同一のものとすることができる。終端部304は、ベース306と、ベース306から延びる溶接タブ308とを含む。代替実施形態では、ベース306は、溶接タブ308を画定することができる。図示の実施形態では、溶接タブ308は、ベース306に対して約90°曲がっているが、溶接タブ308は、任意の角度とすることができる。様々な実施形態では、溶接タブ308が垂直に向けられているとき、ベース306は水平に向けることができる。溶接タブ308が端子300の側面に沿って延びるとき、ベース306は、端子300の底部に設けることができる。代替実施形態では、他の向きも可能である。
【0036】
フラットワイヤ140を溶接タブ308に溶接することによって、フラットワイヤ140を溶接タブ308に終端することができる。たとえば、フラットワイヤ140を溶接タブ308に抵抗溶接することができる。他の様々な実施形態では、フラットワイヤ140は、溶接タブ308に超音波溶接、レーザ溶接、または他の方法で恒久的に機械および電気溶接することができる。
【0037】
上述したように、端子300は、コネクタ116(図9に示す)内へ特定の向きで装入されるように構成することができる。たとえば、端子300の端子平面310は、垂直に向けることができる。溶接タブ308は、被覆ワイヤ部分166のフラットワイヤ平面312をコネクタ116に対して特定の向きに向けるように、端子平面310に対して特定の向きを有することができる。たとえば、溶接タブ308は、端子平面310に対して平行に向けることができる。代替実施形態では、溶接タブ308は、端子平面310に対して約45°または約0°すなわち平行などの他の向きを有することができる。
【0038】
図11は、例示的な実施形態による端子142および対応する被覆ワイヤ部分166の上面斜視図である。図12は、コネクタ116のハウジング144内へ装入された複数の端子142の上面斜視図である。
【0039】
被覆ワイヤ部分166は、圧着バレル156内に受容される。任意選択で、端子平面208は、フラットワイヤ平面222(図11)および/またはケーブル平面174(図12)に概ね直交することができる。例示的な実施形態では、フラットワイヤ140の縁部194、196は、上向きに折り畳まれて、凹状を画定する。縁部194、196はどちらも、フラットワイヤ140の頂部に設けられる。第1の平面190は、内方に折り畳まれて内方を向き、第2の平面192は、U字状またはV字状で外方を向いている。代替実施形態では、フラットワイヤ140は、W字状などの他の形状を有することもできる。終端部184は、Fクリンプで圧着される前に、縁部194、196が圧着バレル156の開端210の方を向くように、圧着バレル156内に受容される。
【0040】
絶縁スリーブ180は、フラットワイヤ140とともに折り畳まれ、圧着バレル156内に少なくとも部分的に受容される。絶縁スリーブ180は、絶縁スリーブ180が再びリボン部分162へ遷移するとき、ねじれが戻り、平坦になる。折り畳まれた領域では、終端部184におけるフラットワイヤ140および対応する絶縁スリーブ180の幅は、溝168間の被覆部分の幅246より小さい。被覆ワイヤ部分166を狭くすることによって、フラットワイヤ140および絶縁スリーブ180は、コネクタ116の狭いキャビティキャビティ230内に嵌ることが可能になる。キャビティ壁232は、アークの発生のリスクを低減するためになど、端子140とフラットワイヤ140の終端部184とを分離して、隣接するキャビティ内へ挿入されている隣接する端子間の沿面距離を維持する。
【0041】
上記の説明は、限定ではなく例示を意図することを理解されたい。たとえば、前述の実施形態(および/またはそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの修正を加えることができる。本明細書に記載する様々な構成要素の寸法、材料タイプ、向き、ならびに様々な構成要素の数および位置は、特定の実施形態のパラメータを定義することを意図するものであり、何ら限定的ではなく、単に例示的な実施形態である。特許請求の範囲の精神および範囲内の多くの他の実施形態および修正形態は、上記の説明を検討すれば当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が与えられる均等物の完全な範囲とともに、決定されるべきである。
図1
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