【実施例】
【0018】
以下に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
<実施例1>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.5gと、酵母エキス「アロマイルド」(興人ライフサイエンス株式会社製)(イノシン酸ナトリウム含量10.24重量%、グアニル酸ナトリウム含量9.80重量%)0.5gを水1gに添加、撹拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。オートクレーブにて105℃、60分加熱し、得られた水溶液を、水を添加してシナモンが0.1重量%となるよう調整した水溶液を実施例1のサンプルとし、下記の評価試験に供した。
【0020】
<実施例2>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.5gと、酵母エキス「ハイチオンエキスYH−15」(興人ライフサイエンス株式会社製)(グルタチオン含量15.3重量%)0.5gを水1gに添加、撹拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。オートクレーブにて105℃、60分加熱し、得られた水溶液を、水を添加してシナモンが0.1重量%となるよう調整した水溶液を実施例2のサンプルとし、下記の評価試験に供した。
【0021】
<実施例3>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.5gと、酵母エキス「バーテックスIG20」(富士食品工業株式会社製)(イノシン酸ナトリウム含量10.25重量%、グアニル酸ナトリウム含量9.86重量%)0.5gを水1gに添加、撹拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。オートクレーブにて105℃、60分加熱し、得られた水溶液を、水を添加してシナモンが0.1重量%となるよう調整した水溶液を実施例3のサンプルとし、下記の評価試験に供した。
【0022】
<実施例4>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.4gと、酵母エキス「アロマイルド」(興人ライフサイエンス株式会社製)(イノシン酸ナトリウム含量10.24重量%、グアニル酸ナトリウム含量9.80 重量%)0.1gと、酵母エキス「ハイチオンエキスYH−15」(興人ライフサイエンス株式会社製)(グルタチオン含量15.3重量%)0.1gを水1.4gに添加、攪拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。オートクレーブにて105℃、60分加熱し、得られた水溶液を、水を添加してシナモンが0.1重量%となるよう調整した水溶液を実施例4のサンプルとし、下記の評価試験に供した。
【0023】
<実施例5>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.4gと、酵母エキス「ハイチオンエキスYH−15」(興人ライフサイエンス株式会社製)(グルタチオン含量15.3重量%)0.2gを水1.4gに添加、攪拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。実施例4と同様に加熱し、調整した水溶液を実施例5のサンプルとした。
【0024】
<実施例6>
粉末シナモン(ヤスマ株式会社製)0.4gと、酵母エキス「アロマイルド」(興人ライフサイエンス株式会社製)(イノシン酸ナトリウム含量10.24重量%、グアニル酸ナトリウム含量9.80 重量%)0.2gを水1.4gに添加、攪拌して混合し、ガラスバイアルに封入した。実施例4と同様に加熱し、調整した水溶液を実施例6のサンプルとした。
【0025】
<比較例1>
実施例1において、シナモンを添加しないこと以外は、実施例1と同様に加熱し、得られた水溶液に非加熱のシナモンを0.5g添加し、水を加えてシナモンが0.1重量%となるよう調整し、比較例1のサンプルとした。
【0026】
<比較例2>
実施例2において、シナモンを添加しないこと以外は、実施例2と同様に加熱し、得られた水溶液に非加熱のシナモンを0.5g添加し、水を加えてシナモンが0.1重量%となるよう調整し、比較例2のサンプルとした。
【0027】
<比較例3>
実施例3において、シナモンを添加しないこと以外は、実施例3と同様に加熱し、得られた水溶液に非加熱のシナモンを0.5g添加し、水を加えてシナモンが0.1重量%となるよう調整し、比較例3のサンプルとした。
【0028】
<評価試験>
実施例1〜6と比較例1〜3のサンプルを、におい・VOC分析器のフラッシュGCノーズHeraclesII(アルファ・モス・ジャパン社製)に供した。2種類のカラムを用いて、それぞれクロマトグラムを得た。
<分析条件>
カラム:DB−5、DB−WAX
キャリアガス:水素
サンプル量:5mL(20mL ヘッドスペースバイアル)
インキュベーション:60℃、10分間
ヘッドスペース注入量:1mL
【0029】
実施例1と比較例1のサンプルについて、カラムとしてDB−5を用いて得られたクロマトグラムを
図1に、DB−WAXを用いたものを
図2に示す。
図1、
図2いずれにおいても、比較例1に対し、実施例1のピークは明らかに高く、揮発性成分が多く検出されている。つまり、シナモンと酵母エキス「アロマイルド」を混合して加熱した実施例1の方が、加熱後にシナモンを添加した比較例1と比べて、におい成分が増加し、香りが増強されているといえる。
【0030】
実施例2と比較例2のサンプルについて、 カラムとしてDB−5を用いて得られたクロマトグラムを
図3に、DB−WAXを用いたものを
図4に示す。
比較例2に対し、実施例2のピークは明らかに高く、揮発性成分が多く検出されている。つまり、シナモンと酵母エキス「YH−15」を混合して加熱した実施例2の方が、加熱後にシナモンを添加した比較例2と比べて、におい成分が増加し、香りが増強されているといえる。
【0031】
実施例3と比較例3のサンプルについて、 カラムとしてDB−5を用いて得られたクロマトグラムを
図5に、DB−WAXを用いたものを
図6に示す。
比較例3に対し、実施例3のピークは明らかに高く、揮発性成分が多く検出されている。つまり、シナモンと酵母エキス「バーテックスIG20」を混合して加熱した実施例3の方が、加熱後にシナモンを添加した比較例3と比べて、におい成分が増加し、香りが増強されているといえる。
以上、
図1〜
図6から、シナモンに酵母エキスを添加し加熱することで、シナモンの香りが増強されることが示された。
【0032】
実施例4、実施例5、実施例6のサンプルについて、 カラムとしてDB−5を用いて得られたクロマトグラムを
図7に、DB−WAXを用いたものを
図8に示す。
図8においては、ピークによって、実施例4、実施例5、実施例6の高さの順位が異なるものの、概ね実施例6に比べて実施例4、実施例5が高いという結果が得られた。
図7においては、ほとんどのピークにおいて実施例6に比べて実施例4、実施例5が高いという結果が得られた。
このデータから、5´−リボヌクレオチド含有酵母エキス、グルタチオン含有酵母エキスともに、シナモン香を増強する機能があるが、グルタチオン含有酵母エキスの方がシナモンの香りを増強する効果が高いことが示唆された。