(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明において、本発明の様々な原理が完全に理解されるように、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらのすべての詳細が本発明の実施に必ずしも必要ではないことが、当業者には理解されよう。この場合、一般的な概念を不要に曖昧にすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及び処理に対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0019】
概説
ここで図面を参照し、最初に
図1を参照すると、この図は、本発明の1つの開示される実施形態により構成され動作する、電気的活動を評価し、生体被験者の心臓12に対してアブレーション手術を行うためのシステム10を描図したものである。このシステムは、患者の血管系を通じて、心臓12の心房・心室又は血管構造内に操作者16によって経皮的に挿入されるカテーテル14を備えている。通常、医師である操作者16は、カテーテルの遠位先端部18を、心臓壁、例えばアブレーション標的部位と接触させる。その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許番号第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに同一出願人による米国特許第6,892,091号に開示されている方法に従って、電気的活性化マップが準備され得る。システム10の要素を具現化する1つの市販の製品は、Biosense Webster,Inc.(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)より入手可能な、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。このシステムは、本明細書に記載される本発明の原理を具現化するように、当業者によって変更することができる。
【0020】
例えば電気的活性化マップの評価によって異常と判定されたエリアは、例えば心筋に高周波エネルギーを加える遠位先端部18の1つ以上の電極に、カテーテル内のワイヤを通じて高周波電流を流すことなどにより熱エネルギーを加えることによってアブレーションすることができる。エネルギーは組織に吸収され、組織を電気的興奮性が永久に失われる点(一般的には約50℃超)まで加熱する。成功すると、この手技により、心組織内に非伝導性の外傷部が形成され、それにより、不整脈を発生させる異常な電気経路が途絶される。本発明の原理を異なる心房・心室に適用することによって、多くの異なる心不整脈を診断し、治療することができる。
【0021】
カテーテル14は、通常、ハンドル20を備え、ハンドル20は、その上に好適な制御部を有し、制御部により操作者16は、アブレーションを行うために望むように、カテーテルの遠位端の方向転換、位置決め、及び方向決めを行うことが可能になる。操作者16を補助するため、カテーテル14の遠位部分には、コンソール24内に配置されたプロセッサ22に信号を供給する位置センサ(図示せず)が収容されている。プロセッサ22は、以下に記載するいくつかの処理機能を果たす。
【0022】
アブレーションエネルギー及び電気信号を、遠位先端部18に又は遠位先端部18の付近に配置される、1つ又は複数のアブレーション電極32を通じて、コンソール24に至るケーブル34を介し、心臓12へ又は心臓12から、伝えることができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24から、ケーブル34及び電極32を通して、心臓12へと伝えることができる。感知電極33は、同様にコンソール24にも接続され、アブレーション電極32の間に配設されて、ケーブル34への結線を有する。
【0023】
ワイヤ接続部35はコンソール24を、身体表面の電極30と、カテーテル14の位置及び向きを表す座標を測定するための位置決定サブシステムの他の構成要素と、に連結する。プロセッサ22又は他のプロセッサ(図示せず)は、位置決定サブシステムの要素であってよい。電極32及び身体表面電極30は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,536,218号(Govariら)に教示されるように、アブレーション部位での組織のインピーダンスを測定するために使用することができる。温度センサ(図示せず)、典型的には、熱電対又はサーミスタを、電極32の各々の上に、又は電極32の各々の付近に載置することができる。
【0024】
コンソール24には通常、1つ又は複数のアブレーション電力発生装置25が収容されている。カテーテル14は、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、及びレーザ生成光エネルギーなどの任意の周知のアブレーション技術を使用して心臓にアブレーションエネルギーを伝えるように適合させることができる。このような方法は、参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示されている。
【0025】
1つの実施形態において、この位置決めサブシステムは、磁場生成コイル28を使用して、既定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルにおけるこれらの磁場を感知することによって、カテーテル14の位置及び向きを判定する、磁気位置追跡の仕組みを含む。位置決めサブシステムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,756,576号、及び上記の米国特許第7,536,218号に記載されている。
【0026】
上述したように、カテーテル14は、コンソール24に結合され、これにより操作者16が、カテーテル14の機能を観察及び調節できるようになっている。コンソール24は、プロセッサ、好ましくは適当な信号処理回路を有するコンピュータを含む。プロセッサは、モニタ29を駆動するように結合されている。信号処理回路は、通常、カテーテル14からの信号を、受信、増幅、フィルタリング、及びデジタル化するが、そのような信号には、カテーテル14の遠位側に設置された、電気、温度、及び接触力センサのようなセンサ、及び複数の場所感知電極(図示せず)により生成される信号が含まれる。デジタル化された信号は、コンソール24及び位置決めシステムによって受信かつ使用され、カテーテル14の位置及び向きを計算し、電極からの電気信号を分析する。
【0027】
電気解剖学的マップを生成するために、プロセッサ22は通常、電気解剖学的マップ生成器、画像登録プログラム、及び画像又はデータ分析プログラムを備え、且つモニタ29上にグラフィカル情報を提示するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェイスをも備える。
【0028】
光モジュール40は、遠位先端部18から標的組織に送信するために、限定するものではないが典型的にはレーザ、白熱灯、アーク灯、又は発光ダイオード(LED)からの光放射をもたらす。以下で説明するように、このモジュールは、標的組織から戻り遠位端部で捕捉された光放射を受信し、プロセッサ22と協働して分析する。
【0029】
簡略化のため図には示されていないが、通常、システム10には、他の要素も含まれる。例えば、システム10は、心電図(ECG)モニタを含み得るが、このECGモニタは、ECG同期信号をコンソール24に提供するために、1つ又は複数の身体表面電極から信号を受信するように結合される。また、上に述べたように、システム10は通常、基準位置センサをも含むが、基準位置センサは、患者の身体の外側に取り付けられた体外貼付式基準パッチ上か、あるいは、心臓12に挿入され心臓12に対して固定位置に維持された体内配置式カテーテル上のいずれかに配される。カテーテル14にアブレーション部位を冷却するための液体を通して循環させるための従来のポンプ及びラインが設けられている。システム10は、画像データを、外部の、MRIユニット等のような撮像様式ユニットから受信してよい。またシステム10は、画像プロセッサを含み、画像プロセッサはプロセッサ22に統合されてもよく、又はプロセッサ22により起動されて、画像を生成し表示する。
【0030】
ここで
図2を参照するが、同図は本発明の実施形態によるカテーテルキャップ100の概略斜視図である。キャップ100は、任意の温度センサ48と先端部の中央空洞76の内側の灌注流体との間に所望の断熱をもたらすため、約0.4mm厚の側壁74を備えている。灌注流体は、アパーチャ46を通じて空洞76を流出する。
【0031】
ここで
図3を参照するが、
図3は、本発明の別の実施形態による、カテーテル用のキャップ113の遠位端部の等角図である。この実施形態において、6つの開口部114が遠位端部115に配置されている。以下で説明するように、開口部114は、カテーテル14を通じてキャップ113の中へと長手方向に延び光ファイバ要素の終端に、窓を構成している。他の実施形態において、キャップ113は、センサ、例えば温度又は圧覚センサを収容するために、他の窓(図示せず)を設けられてもよい。
【0032】
ここで
図4を参照するが、
図4は、本発明の実施形態による、キャップ100(
図2)の内部を示す概略側面図である。3つの貫通長手ボア102と3つのブラインド長手ボア72が側壁74に形成されている。3組のボア72、102、106は、キャップ100の長手軸の周りに対称的に分散されてもよい。しかしながら、ボアは、必ずしも軸の周りに対称的に分散されない。光センサ48が、エポキシなどの好適な接着剤を充填された中空管78に取り付けられ、側壁74の長手ボア72内に嵌め込まれる。管78は、ポリイミドなどの好適なプラスチック材料を含むことがあり、エポキシなどの好適な接着剤によって適所に保持され得る。この構成により、センサ48の配列が設けられ、場合によっては更なる製造の容易性及び耐久性が得られる。
【0033】
各貫通長手ボア102は、壁74の表面の開口部114内で終端しており、透明窓116が開口部に配置されている。光ファイバ118は各貫通ボア内に挿入される。いくつかの実施形態において、温度センサ48は壁部74に設置されなくてもよく、光ファイバ118のみが壁に組み込まれる。そのような実施形態は、以下に記載する方法によって、組織とキャップとの接触、及び/又はキャップに近接する組織の特性の判定を可能にする。
【0034】
窓116は、キャップ100の外表面の外側にある流体が、光ファイバを収容するボアの中に侵入するのを防ぐシールとして作用する。窓116は、開口部114に光学的に透明な接着剤又はエポキシを充填することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、窓の材料は、窓を通る光を拡散させるために散乱剤を充填されてもよい。
【0035】
あるいは、窓は、光学品質の平坦材料又はレンズ材料から形成されてもよく、及び接着剤で開口部に固定されてもよい。
【0036】
一実施形態において、各光ファイバ118又は各光ファイバ128は、典型的には約175μmの直径を有する単一の光ファイバである。別の実施形態において、各光ファイバ118又は各光ファイバ128は、実質的に同様の光ファイバの束を含み、その束は典型的には、同様に約175μmの束直径を有する。光ファイバを束として実現することにより、カテーテル14のより近位側の領域(
図1)に対して、キャップ100の柔軟性が向上する。
【0037】
キャップ100が、カテーテルのより近位区域に、キャップにかかる力を測定する目的でそのたわみを測定するバネで接続される場合、光ファイバによる可撓性が増加するということは、所定の力に対してバネのたわみの変化はほどんと又は全くないことを意味するので、キャップのこのような可撓性の増加は有利である。キャップ100をカテーテルのより近位側の領域に接合させるために使用され得るバネについて、参照によって本明細書にその開示内容が組み込まれる米国特許出願公開第2011/0130648号(Beecklerら)に記載されている。
【0038】
光モジュール40(
図1)は、キャップ100に近接する組織を照射する目的で、関連する窓116、128のいずれかから光放射を送信するために、光ファイバ118及び128のいずれか一方に光放射を供給できるように構成されている。同時に、光モジュール40は、照射された組織から戻る光放射を、窓のいずれか又はすべてを介して取得することができる。
【0039】
窓116、124、及びそれらに関連付けられる光ファイバにより、本発明の実施形態では、光放射された組織の特性、並びに組織に対するキャップ100の近接性、又はキャップの領域を判定するために、光放射を用いる種々様々な方法を採用することが可能となる。例として、3つのこのような方法が、以下に記載されているが、当業者であれば、他の方法にも、そしてそのようなすべての方法が本発明の範囲に含まれることにも気づくであろう。
【0040】
第1の方法は、窓116、124のいずれか一方の、したがってカテーテルの組織との接触を検出する。既知の強度の光放射が、光窓から抜け出すように各光ファイバを通じて送信される。キャップ100が組織と接触していない間、典型的にはキャップが心臓12(
図1)の血液中にある間に、窓に戻る光放射の強度が測定される。光モジュール40は、これらの強度を光放射の基準値として使用してもよい。
【0041】
所定のいずれかの窓に関して、モジュールによって測定された、窓の参照値からの値の変化は、窓が組織と接触しているということを示すと考えられ得る。
【0042】
第2の方法は、光放射によって照射される組織の特性を測定する。ここで
図6を参照するが、
図6は、本発明の実施形態による、キャップ100(
図2)の窓に入射/窓から出射する光が取る経路を概略的に示している。
【0043】
図5に示されるように、6つのすべての窓116、124に対して、所定の窓からの光放射がその窓に戻る6つの経路150と、所定の窓からの光放射が異なる窓に戻る15の経路160とを含む、全部で21の異なる経路が存在する。所定の経路又は経路の群に対する光放射の変化は、経路内又は経路の群内の組織の特性に依存し、そのため、すべての経路における変化を測定することにより、キャップ100に近接する組織の特性に関する情報が得られる。
【0044】
例えば、すべての経路における変化が、窓116、124の各々からの光放射を時分割多重化の方式で連続的に送信し、戻ってきた光放射を測定することにより測定されてもよい。そのようなシーケンスにおける第1の窓からの第1の送信は、5つの経路160に加えて第1の窓への帰路150の値を与える。第2の窓からの第2の送信は、新たな4つの経路160に加えて第2の窓への帰路150の値を与える。第3の窓からの第3の送信は、新たな3つの経路160に加えて第3の窓への帰路150の値を与える。第4の窓からの第4の送信は、新たな2つの経路160に加えて第4の窓への帰路150の値を与える。第5の窓からの第5の送信は、第6の窓への新たな1つの経路160と、第5の窓への帰路150の値を与える。第6の窓からの第6の及び最終の送信は、第6の窓を通じた1つの帰路150をもたらす。
【0045】
光モジュール40(
図1)は、ファイバの第1の部分を光送信ファイバとして、またファイバの第2の部分を光受信ファイバとして有効化する。選択された光送信ファイバを通過し、標的組織から反射され、選択された光受信ファイバを介して戻る光路を生成するように、光モジュール40は光送信ファイバを光受信ファイバと選択的に結び付ける。ファイバの第1の部分と第2の部分は、光送信ファイバと光受信ファイバを適切に選定することによって、それぞれの距離で離間されているので、光モジュール40は、光送信ファイバと光受信ファイバとの要素間の間隔に応じた所望の深さで標的組織を調べることが可能である。光モジュール40はプロセッサ22(
図1)と協働して、すべての経路の変化を測定し得ると共に、較正処理を用いて、それらの変化から各経路内の組織の光学特性を導き出し得る。このような特性は、経路内の、組織のアブレーションの全体的なレベル、又は壊死組織の量及び/若しくは種類を含んでもよい。
【0046】
光路内の光は、例えば675nmの波長をなす単色光であってもよい。それに代わって、光はより広範なスペクトルを有してもよい。
【0047】
ここで
図6を参照するが、
図6は、本発明の実施形態による、カテーテルの遠位端部の概略図である。光ファイバ要素(O、A〜H)の9つの末端部が示されている。弦OA〜OHが、要素OをA〜Hにそれぞれ接続している。添付の表は、末端部の対応する要素間距離を示している。
図7は、要素Oを基準とした光路を網羅的に示しているが、実際には、すべての位置が光ファイバ要素専用のものである必要はない。現行の実施形態において、3つの位置(要素H、B、及びE)が温度センサに割り当てられており、それによって、選択されるべき残された光路はより少なくなっている。
【0048】
動作
引き続き
図6を参照するが、カテーテルは、要素、例えば要素Oを光受信器−送信機の対の一方の部材として、そして別の要素、例えばA〜Hをもう一方の部材として構成することによって、システム10(
図1)と協働して動作される。選択された受信器−送信機の対は、それぞれの深さにてアブレーション部位を調べるのに最適である。例えば、浅い深さでの問い合わせには0.5mmの要素間距離が最適となる。より深い約2mm〜3mmの深さには約2mmの要素間距離が最適となる。選択された要素間距離は、一方の要素、例えば要素Oを不動に保持し、他の要素を順に分析することによって、あるいは所定の計画に従って対形成を変更することによって変化され得る。いずれにせよ、アブレーションが進行するとき、各対によって測定された反射率が分析される。最大の要素間距離を用いて受信された信号が安定化する(又はピークに達する)と、その高さでは組織内で更なる変化は生じていないと結論され得る。光学的な問い合わせ深さは約2mm〜3mmであるが、損傷部位の全深さは、最大の問い合わせ深さにおける変化の大きさに基づいて推定され得る。それに代わって、複数の要素を光送信機としてそれぞれの波長で動作させることにより、複数の受信器−送信機の対が同時に動作されてもよい。
【0049】
結果
ここで
図7を参照すると、本発明の実施形態による、カテーテル内の光受信器と送信機との対の要素間距離を、光強度の変化が観測される経過時間に関連付けるプロットである。この種の医療手技において、アブレーションの深さは経過時間と共に増加する。特定の距離における問い合わせ深さと経過時間との相互関係が示されており、逓増する受信器−送信機対距離における光反射は、逓増するアブレーション深さを検知するのに有用である。
【0050】
ここで
図8を参照すると、本発明の実施形態による、光放射の強度を変化させる効果を示す一連のプロットである。反射光の強度が所定の割合を越えて変化しなくなる時点を定めることによって、終点が決定され得る。代替的に、終点は、反射光の終点162、162、164、166の強度のピークを識別することによって決定されてもよい。
【0051】
代替的に、終点は、光ファイバ要素を経る経路を通じて2種類の波長で光を送信し、それら2種類の波長における反射光の比率を算出することによって決定されてもよい。終点は、その比率が所定の割合を越えて変化しなくなる時点を定めることによって決定され得る。
【0052】
反射率データの分析は、ある点(本明細書では「開始点」と呼ばれる)を識別することを含み得る。問い合わせ深さが増加するとき、開始点は、反射率の変化度の変動が所定の百分率を超えて生じる時点を表す。そのような開始点はそれぞれ、種々の問い合わせ深さに対応している。第1の開始点は、浅い問い合わせの深さで生じており、その後の事例は、より深い問い合わせの深さで生じている。
【0053】
最も下のプロットは、最大の分離距離を用いて得られたものであり、明瞭なピークを示しているが、点162、164、166、168で示されるように、より小さい分離距離は結果として、アブレーションが終点に達した後の平坦化又はプラトーを生じている。
【0054】
当業者には明らかとなることであるが、本発明は、本明細書で具体的に図示及び説明された内容に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、以上で述べた様々な特徴の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形及び改変をも含むものである。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) 機器であって、
患者の体内で組織に近接させて挿入されるように構成された遠位部分を有し、ルーメンを具備する挿入管であって、前記挿入管は、
エネルギーを前記組織に送出するための電気導体と、
前記挿入管の前記遠位部分に取り付けられ、前記電気導体に電気的に結合された導電性キャップと、
前記挿入管内に収容され、前記遠位部分に終端を有する複数の光ファイバであって、光放射を前記組織に伝達するための光送信ファイバとして構成可能であり、また前記組織からの反射光放射を伝達するための光受信ファイバとして構成可能であり、前記挿入管の前記遠位部分において前記光ファイバの前記終端は、互いからそれぞれの距離で離間されている、光ファイバと、を備える、挿入管と、
前記光送信ファイバを前記光受信ファイバに、それらの間の前記それぞれの距離に応じて選択的に結び付けることによって、所定の深さで前記組織に問い合わせるように構成された光モジュールであって、前記電気導体がエネルギーを前記組織に送出している間、選択された光送信ファイバを通過し、前記組織から反射され、選択された光受信ファイバを経て反射光として前記光モジュールに戻る、光路に沿って光を発するように動作する、光モジュールと、
前記反射光を分析するために前記光モジュールにリンクされたプロセッサと、を備える、機器。
(2) 前記光モジュールは、前記光路内で放出されている前記光の強度を変化させるように動作する、実施態様1に記載の機器。
(3) 前記光路内の放出光は単色性である、実施態様1に記載の機器。
(4) 前記光路内の放出光は675nmの波長を有する、実施態様3に記載の機器。
(5) 前記選択的に結び付けられた光送信ファイバと光受信ファイバは0.5mm〜2mmの間隔で離間されている、実施態様1に記載の機器。
【0056】
(6) 前記反射光を分析することは、前記反射光が所定の割合を超えて強度を変化させなくなる時点を判定することを含む、実施態様1に記載の機器。
(7) 前記反射光を分析することは、前記復帰光の強度におけるピークの時点を識別することを含む、実施態様1に記載の機器。
(8) 前記反射光を分析することは、反射光強度の変化度の変動が所定の百分率を超えて生じる時点を、それぞれの深さの問い合わせにて判定することを含む、実施態様1に記載の機器。
(9) 前記反射光を分析することは、2つの波長の比を計算し、前記比が所定の割合を超えて変化しなくなる時点を判定することを含む、実施態様1に記載の機器。
(10) 方法であって、
プローブ内に光送信ファイバとして、また光受信ファイバとしてとして収容された光ファイバを構成する工程であって、前記光ファイバの終端は、互いからそれぞれの距離で離間される、工程と、
前記プローブを患者の身体の中に挿入する工程と、
前記プローブのアブレータを通じて前記身体内の組織にエネルギーを送出する間に、前記光送信ファイバのうちの1本を前記光受信ファイバのうちの1本に、それらの間の前記それぞれの距離に応じて選択的に結び付けることによって、所定の深さで前記組織に問い合わせする工程と、
前記組織から反射されるように前記1本の光送信ファイバを通じて発光体から延び、前記組織から前記1本の光受信ファイバを通じて受信器へと反射光として持続する光路を確立する工程と、
前記発光体から前記光路に沿って光を送信する工程と、
前記1本の光受信ファイバを経て前記受信器に到達する前記反射光を分析する工程と、を含む、方法。
【0057】
(11) 光を送信する工程は、前記送信される光の強度を変化させることを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記発光体は単色光を発する、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記発光体は、675nmの波長を有する光を発する、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記選択的に結び付けられた光送信ファイバと光受信ファイバは0.5mm〜2mmの間隔で離間されている、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記光ファイバの複数の受信器−送信機の対をそれぞれの波長で同時に動作させる工程を含む、実施態様10に記載の方法。
【0058】
(16) 前記反射光を分析する工程は、前記反射光が所定の割合を超えて強度を変化させなくなる時点を判定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(17) 前記反射光を分析する工程は、前記反射光の強度におけるピークの時点を識別することを含む、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記反射光を分析する工程は、反射光強度の変化度の変動が所定の百分率を超えて生じる時点を、それぞれの深さの問い合わせにて判定することを含む、実施態様10に記載の方法。
(19) 前記反射光を分析する工程は、2つの波長の比を計算し、前記比が所定の割合を超えて変化しなくなる時点を判定することを含む、実施態様10に記載の方法。