(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6685744
(24)【登録日】2020年4月3日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】半導体基板を研磨する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20200413BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20200413BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
H01L21/304 622F
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-21674(P2016-21674)
(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公開番号】特開2017-63173(P2017-63173A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2019年1月25日
(31)【優先権主張番号】14/863,548
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】イ・グォ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・モズリー
【審査官】
中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−109534(JP,A)
【文献】
特開2005−191544(JP,A)
【文献】
特開2015−063687(JP,A)
【文献】
特開2008−068394(JP,A)
【文献】
特開2010−258418(JP,A)
【文献】
特開2014−195050(JP,A)
【文献】
特開2013−104023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を研磨する方法であって:
基板(ここで、この基板は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する)を提供すること;
初期成分として、
水;
0.01〜40重量%コロイダルシリカ砥粒;及び
ジルコニル化合物
を含み、かつ、酸化剤を含まないケミカルメカニカルポリッシング組成物(ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHは、≦6である)を提供すること;
研磨面を持つケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;
ケミカルメカニカルポリッシング組成物をケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面近くに分注すること;及び
ケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に0.69〜34.5kPaのダウンフォースで動的接触を作り出すこと(ここで、基板が研磨され;そして幾らかの露出二酸化ケイ素フィーチャーが基板から除去される)を含む方法。
【請求項2】
露出二酸化ケイ素フィーチャーが、オルトケイ酸テトラエチルから誘導される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ケミカルメカニカルポリッシング組成物が、腐食防止剤を含まない、請求項2記載の方法。
【請求項4】
ケミカルメカニカルポリッシング組成物が、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有しており;そして、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
ケミカルメカニカルポリッシング組成物が、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有しており;そして、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物が、初期成分として、
水;
0.1〜40重量%コロイダルシリカ砥粒;
ジルコニル化合物;及び
無機酸
からなる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
露出二酸化ケイ素フィーチャーが、オルトケイ酸テトラエチルから誘導される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
ケミカルメカニカルポリッシング組成物が、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有しており;そして、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ジルコニル化合物が、塩化ジルコニルであり、そして無機酸が、塩酸である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
露出二酸化ケイ素フィーチャーが、オルトケイ酸テトラエチルから誘導され;そしてケミカルメカニカルポリッシング組成物が、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有しており;そして、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドが、ポリマー中空コア微粒子を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッドを含む、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルメカニカルポリッシングの分野に関する。詳しくは、本発明は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する基板のケミカルメカニカルポリッシングのための方法であって:初期成分として、水、コロイダルシリカ砥粒及びジルコニル化合物を含有するケミカルメカニカルポリッシング組成物を提供すること(ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHは、≦6である);研磨面を持つケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシング組成物をケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面近くに分注すること;及びケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に動的接触を作り出すこと(ここで、この基板が研磨される)を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子デバイスの組立において、複数層の導電材料、半導体材料及び絶縁材料が、半導体ウェーハの表面に堆積されるか、又は表面から除去される。導電材料、半導体材料、及び絶縁材料の薄層は、幾つかの堆積技術により堆積することができる。現代の加工における一般的な堆積技術は、スパッタリングとしても知られている物理的気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、及び電気化学めっき法(ECP)を含む。
【0003】
材料層が連続的に堆積及び除去されるにつれ、ウェーハの最上部表面は非平面になる。後続の半導体加工(例えば、メタライゼーション)はウェーハが平坦面を有することを要求するため、ウェーハを平坦化する必要がある。平坦化は、粗面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチ及び汚染された層又は材料のような、望ましくない表面トポグラフィー及び表面欠陥を除去するのに有用である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション、即ち、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハのような基板を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハはキャリアアセンブリに取り付けられ、CMP装置内で研磨パッドと接触して配置される。このキャリアアセンブリは、ウェーハに制御可能な圧力を提供して、ウェーハを研磨パッドに押しつける。このパッドは、外部駆動力によりウェーハに対して移動(例えば、回転)させる。それと同時に、研磨組成物(「スラリー」)又は他の研磨溶液が、ウェーハと研磨パッドとの間に提供される。よって、ウェーハ表面は、パッド表面及びスラリーの化学的及び機械的作用によって研磨及び平坦化される。
【0005】
金属フィーチャーを研磨する組成物及び方法は、Puppeらにより開示されている。具体的には、米国特許出願公開番号20030157804号において、Puppeらは、30重量%カチオン修飾シリカゾル(そのカチオン修飾SiO
2粒子は、12〜300nmの平均粒径を有する)2.5〜75体積%、及び少なくとも1種の酸化剤 0.5〜22重量%を含有する、pH2.5〜6の組成物を開示している。
【0006】
それにもかかわらず、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する基板のケミカルメカニカルポリッシングの改善法が継続して要望されている。
【0007】
本発明は、基板を研磨する方法であって:基板(ここで、この基板は、二酸化ケイ素フィーチャーを有する)を提供すること;初期成分として、水、0.01〜40重量%コロイダルシリカ砥粒、ジルコニル化合物及び0重量%酸化剤を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物(ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHは、≦6である)を提供すること;研磨面を持つケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシング組成物をケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面近くに分注すること;及びケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に0.69〜34.5kPaのダウンフォースで動的接触を作り出すこと(ここで、基板が研磨され;そして少量の露出二酸化ケイ素フィーチャーが基板から除去される)を含む方法を提供する。
【0008】
本発明は、基板を研磨する方法であって:基板(ここで、この基板は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する)を提供すること;初期成分として、水、0.01〜40重量%コロイダルシリカ砥粒、ジルコニル化合物及び0重量%酸化剤よりなるケミカルメカニカルポリッシング組成物(ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHは、≦6である)を提供すること;研磨面を持つケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシング組成物をケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面近くに分注すること;及びケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に0.69〜34.5kPaのダウンフォースで動的接触を作り出すこと(ここで、基板が研磨され;そして少量の露出二酸化ケイ素フィーチャーが基板から除去される)を含む方法を提供する。
【0009】
詳細な説明
本発明の基板を研磨する方法は、ジルコニル化合物と組合せて酸化ケイ素砥粒を含有するケミカルメカニカルポリッシング組成物を使用するが、ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、驚くべきことに、ジルコニル化合物を含まないこと以外は同一の組成物により示される二酸化ケイ素除去速度よりも、著しく(好ましくは、>500%)高い除去速度を有している。
【0010】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法は、基板(ここで、この基板は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する)を提供すること;初期成分として、水、0.01〜40重量%(更に好ましくは0.1〜25重量%、更になお好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは3〜7重量%)コロイダルシリカ砥粒、ジルコニル化合物(好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニル、硝酸ジルコニル及び酢酸ジルコニルよりなる群から選択され;更に好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニルであり;最も好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、塩化ジルコニルである)及び0重量%酸化剤を含むケミカルメカニカルポリッシング組成物(ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHは、≦6である)を提供すること;研磨面を持つケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供すること;ケミカルメカニカルポリッシング組成物をケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面近くに分注すること;及びケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に0.69〜34.5kPaのダウンフォースで動的接触を作り出すこと(ここで、基板が研磨され;そして少量の露出二酸化ケイ素フィーチャーが基板から除去される)を含む。
【0011】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供される基板は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する。更に好ましくは、提供される基板は、露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する半導体基板である。最も好ましくは、提供される基板は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)から誘導される露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する半導体基板である。
【0012】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物に含まれる水は、偶発的不純物を制限するために脱イオン水及び蒸留水の少なくとも1種である。
【0013】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物に含まれるコロイダルシリカ砥粒は、動的光散乱法により測定するとき平均粒径≦100nm(好ましくは、5〜100nm;更に好ましくは、10〜60nm;最も好ましくは、20〜60nm)を有する。好ましくは、このケミカルメカニカルポリッシング組成物に含まれるコロイダルシリカ砥粒は、ジルコニル化合物の非存在下で水中で測定すると、ケミカルメカニカルポリッシング組成物のpHで負の固有表面電荷を有する。好ましくは、このケミカルメカニカルポリッシング組成物に含まれるコロイダルシリカは、二酸化ケイ素系であり、そしてアルミニウムを含まない。好ましくは、このケミカルメカニカルポリッシング組成物に含まれるコロイダルシリカは、ケイ酸アルミニウムではない。
【0014】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.01〜40重量%(更に好ましくは0.1〜25重量%、更になお好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは3〜7重量%)コロイダルシリカ砥粒を含有する。
【0015】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(parts per hundred abrasive)(PPHA)(好ましくは、0.25〜2 PPHA;更に好ましくは、0.5〜1.5 PPHA;最も好ましくは、0.75〜1.1 PPHA)ジルコニル化合物を含有するが、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニル、硝酸ジルコニル及び酢酸ジルコニルよりなる群から選択される。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(PPHA)(好ましくは、0.25〜2 PPHA;更に好ましくは、0.5〜1.5 PPHA;最も好ましくは、0.75〜1.1 PPHA)ジルコニル化合物を含有するが、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニルである。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(PPHA)(好ましくは、0.25〜2 PPHA;更に好ましくは、0.5〜1.5 PPHA;最も好ましくは、0.75〜1.1 PPHA)ジルコニル化合物を含有するが、ここで、このジルコニル化合物は、塩化ジルコニルである。
【0016】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.1〜5重量%(固体に基づく)ジルコニル化合物を含有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.5〜2重量%(固体に基づく)ジルコニル化合物を含有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、0.75〜1.1重量%(固体に基づく)ジルコニル化合物を含有する。
【0017】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、水;0.01〜40重量%(更に好ましくは0.1〜25重量%、更になお好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは3〜7重量%)コロイダルシリカ砥粒;及び0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(PPHA)ジルコニル化合物(好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニル、硝酸ジルコニル及び酢酸ジルコニルよりなる群から選択され;更に好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニルであり;最も好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、塩化ジルコニルである)を含有するが、ここで、このコロイダルシリカ砥粒とこのジルコニル化合物とが、水中で相互作用することにより、コロイダルシリカ砥粒上の負の固有表面電荷を正の表面電荷に変換する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、水;0.01〜40重量%(更に好ましくは0.1〜25重量%、更になお好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは3〜7重量%)コロイダルシリカ砥粒;及び0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(PPHA)ジルコニル化合物(好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニル、硝酸ジルコニル及び酢酸ジルコニルよりなる群から選択され;更に好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニルであり;最も好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、塩化ジルコニルである)を含有するが、ここで、このコロイダルシリカ砥粒とこのジルコニル化合物とが、水中で相互作用することにより、コロイダルシリカ砥粒上の負の固有表面電荷を正の表面電荷に変換し;ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧25mVのゼータ電位を有し;そしてここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≦6のpHを有する。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、初期成分として、水;0.01〜40重量%(更に好ましくは0.1〜25重量%、更になお好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは3〜7重量%)コロイダルシリカ砥粒;及び0.1〜5重量部(砥粒100に対する重量)(PPHA)ジルコニル化合物(好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニル、硝酸ジルコニル及び酢酸ジルコニルよりなる群から選択され;更に好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、ハロゲン化ジルコニルであり;最も好ましくは、ここで、このジルコニル化合物は、塩化ジルコニルである)を含有するが、ここで、このコロイダルシリカ砥粒とこのジルコニル化合物とが、水中で相互作用することにより、コロイダルシリカ砥粒上の負の固有表面電荷を正の表面電荷に変換し;ここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≧30mVのゼータ電位を有し;そしてここで、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≦5のpHを有する。
【0018】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、酸化剤を含まない(即ち、0重量%酸化剤を含有する)。
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、このケミカルメカニカルポリッシング組成物は、腐食防止剤を含まない。
【0019】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、≦6のpHを有する。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、3〜5のpHを有する。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、滴定剤(好ましくは、無機酸)を加えることにより3〜5に調整されたpHを有する。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、塩酸(HCl)を加えることにより3〜5に調整されたpHを有する。
【0020】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、当該分野で公知の任意の適切な研磨パッドであってよい。当業者であれば、本発明の方法において使用するのに適したケミカルメカニカルポリッシングパッドの選び方を知っているだろう。更に好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、織物及び不織の研磨パッドから選択される。更になお好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリウレタン研磨層を含む。最も好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子
を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッド
を含む。好ましくは、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、研磨面上に少なくとも1本の溝を有する。
【0021】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨面上のケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面又はその近くに分注される。
【0022】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、動的接触は、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドと基板との接触面に、研磨される基板の表面に対して垂直な0.69〜34.5kPaのダウンフォースで作り出される。
【0023】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有するが、ここで、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子
を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッド
を含む。
【0024】
好ましくは、基板が露出二酸化ケイ素フィーチャーを有する、本発明の基板を研磨する方法において、提供されるケミカルメカニカルポリッシング組成物は、300mm研磨機でプラテン速度93回転/分、キャリア速度87回転/分、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、公称ダウンフォース20.68kPaで、≧1,000Å/分の二酸化ケイ素除去速度を有するが、ここで、提供されるケミカルメカニカルポリッシングパッドは、ポリマー中空コア微粒子
を含有するポリウレタン研磨層及びポリウレタン含浸不織サブパッド
を含む。
【0025】
本発明の幾つかの実施態様は、以下の実施例に今から詳細に説明される。
【0026】
[比較実施例ZC1〜ZC2及び実施例Z1〜Z9]
比較実施例ZC1〜ZC2及び実施例Z1〜Z9のケミカルメカニカルポリッシング組成物は、表1にリストされる量の成分を合わせて残りを脱イオン水とし、塩酸により表1にリストされる最終pHまで組成物のpHを調整することによって調製した。次にこのケミカルメカニカルポリッシング組成物のゼータ電位は、Malvern製のZetasizerを用いて測定した。測定ゼータ電位は、表1に提供される。
【表1】
【0027】
比較実施例C1〜C3及び実施例1〜10のケミカルメカニカルポリッシング組成物は、表2にリストされる量の成分を合わせて残りを脱イオン水とし、塩酸により表2にリストされる最終pHまで組成物のpHを調整することによって調製した。
【表2】
【0028】
二酸化ケイ素除去速度研磨試験は、比較実施例C1〜C3及び実施例1〜10により調製されたケミカルメカニカルポリッシング組成物を用いて、それぞれ比較実施例PC1〜PC3及び実施例P1〜P10で実施された。研磨除去速度実験は、Applied Materials 200mm Mirra(登録商標)研磨機に取り付けた200mmブランケットウェーハで実施された。全ての研磨実験は、ダウンフォース 20.7kPa(3psi)、ケミカルメカニカルポリッシング組成物流量200mL/分、テーブル回転速度93rpm及びキャリア回転速度87rpmで、IC1000(商標)ポリウレタン研磨パッド(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から販売されている)を用いて実施した。研磨パッドをコンディショニングするために、Saesol(登録商標)AM02BSL8031-C1ダイヤモンドパッドコンディショナー(Saesol Diamond Ind. Co. Ltd.から販売されている)を使用した。この研磨パッドは、ダウンフォース 9lbs(4.08kg)を用いてコンディショナーで30分間ならし運転した。研磨パッドは、ダウンフォース 7lbs(3.18kg)を用いて10分間、研磨の前に実験施設内で更にコンディショニングした。研磨パッドは、ダウンフォース 7lbs(3.18kg)で、研磨パッドの中心から1.7〜9.2インチを10スイープ/分で研磨中にその場で更にコンディショニングした。除去速度は、3mm端を除いて49点渦巻状走査を利用するKLA-Tencor FX200計測ツールを用いて、研磨の前後の膜厚を測定することにより求めた。除去速度実験の結果は、表3に提供される。
【表3】