【実施例】
【0017】
実施例に係る浮上搬送装置につき、
図1から
図6を参照して説明する。以下、
図3の画面手前側と
図4の画面左側を浮上搬送装置の正面側(上流側)とし、
図3の画面左右側を浮上搬送装置の左右側として説明する。
【0018】
図1に示されるように、浮上搬送装置1は、半導体ウェハや液晶ガラス、ディスプレイパネル等の厚みの薄い基板Pを、該基板Pの図示しない搬入口から搬送口まで搬送する装置であり、浮上搬送装置1が搬入口から搬送口まで連続するように複数連設されることで基板Pの搬送路10が構成されている。
【0019】
浮上搬送装置1は、床面から立設する筐体2と、筐体2に組み付けられる搬送手段である搬送ユニット3(
図2参照)と、複数の浮上ユニット4a,4b,…と、から主に構成されている。筐体2は、複数の杆材により構成される枠体21(支持台)と、枠体21の各面に取付けられる透過性のパネル体(図示せず)と、を備えており、パネル体により塵埃等が混入することが防止されている。また、パネル体が透過性を有することから、外部から筐体2内の状況を視認できる。
【0020】
図2に示されるように、枠体21には、左右に延びる2つの梁材23,24が搬送路10の搬送方向(前後方向)に離間して設けられており、梁材23,24の下面には、該梁材23,24同士に渡って延びる連結杆25,25,25が搬送路10の幅方向(左右方向)に離間して固着されている。
【0021】
図1に示されるように、浮上ユニット4a,4b,…は、搬送路10の幅方向に離間して2列に並設され、一列につき搬送路10の搬送方向に離間して複数(本実施例では4つ)配置されている。詳しくは、搬送路10の左側には、搬送路10の搬送方向に離間して複数配置される浮上ユニット4a,4a,…によりラインL1が構成され、搬送路10の右側には、搬送路10の搬送方向に離間して複数配置される浮上ユニット4b,4b,…によりラインL2が構成されており、これらラインL1,L2が搬送路10の幅方向に離間して並列されている。尚、この浮上ユニット4a,4b,…は、枠体21を構成する左右方向に延びる複数の杆材21a,21a,…の上方に固定されている(
図3及び
図4参照)。
【0022】
浮上ユニット4a,4bは、箱状を成し、上方に開口するスリット41,41,…を、該浮上ユニット4a,4bの上面の外縁に備えており、筐体2の下部に設けられ空気を収容する複数のチャンバー(図示略)から空気を取り入れ、スリット41,41,…を介して上方に空気を吹き出すようになっている。そして、このスリット41,41,…から吹き出される空気の流れ・圧力を利用して、後述する駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…により幅方向の両端部が支持された基板Pの中央側を浮上させるようになっている。
【0023】
尚、浮上ユニット4a,4bの空気の吹出口は、スリット41,41,…のような形状に限られず、円形の穴状等であってもよい。また、浮上ユニット4a,4bの空気の吹出口は、上面の外縁に設けられることに限られず、上方に向けて空気を吹き出すことができればよく、浮上ユニット4a,4bの上面の中央部に吹出口が設けられていてもよい。また、浮上ユニット4a,4bは、上記構造に限られず、羽根を有するファン等であってもよい。
【0024】
これら浮上ユニット4a,4b,…は、図示しない制御部にそれぞれ接続されており、該制御部により、ラインL1,L2毎に空気の吹き出しのON/OFF制御を行えるようになっている。
【0025】
図2に示されるように、枠体21内における左側(搬送路10の一方)に配置され、搬送路10の幅方向に移動可能な移動体5と、枠体21内における右側(搬送路10の他方)に固定配置される固定体6と、移動体5を搬送路10の幅方向に移動させる移動装置7と、から搬送ユニット3が主に構成されている。
【0026】
図2ないし
図4に示されるように、移動体5は、上面視略矩形状に組み立てられるベース部材51と、ベース部材51の長手方向に沿って複数立設する縦フレーム部材52,52,…と、基板Pを支持し、且つ該基板Pに対し搬送路10の下流側に向かう推進力を付与する推進機構53,53,…と、推進機構53,53,…の駆動ローラ55,55,…に動力を伝える駆動機構54と、を備えている。
【0027】
特に
図4に示されるように、ベース部材51は、浮上ユニット4a,4b,…を支持する杆材21a,21a,…よりも下方の位置に配置されている。縦フレーム部材52,52,…は、搬送路10の搬送方向に隣接する浮上ユニット4a,4b,…同士の間にそれぞれ対応するように配置されている。
【0028】
また、ベース部材51の下部には、第1ガイドローラ59a,59a,…と、第2ガイドローラ59b,59b,…と、が設けられている(特に
図3及び
図4参照)。第1ガイドローラ59a,59a,…は、枠体21の梁材23,24の上面に沿って走行可能となっており、第2ガイドローラ59b,59b,…は、梁材23,24の両側面に沿って走行可能となっている。尚、実際には、第1ガイドローラ59a,59a,…と、第2ガイドローラ59b,59b,…とが
図2において見える位置に配置されるが、
図2では、第1ガイドローラ59a,59a,…及び第2ガイドローラ59b,59b,…の構成の図示を省略している。
【0029】
図2に示されるように、推進機構53,53,…は、縦フレーム部材52,52,…の上端部にそれぞれ設けられている。
図5に示されるように、推進機構53は、水平方向に延びる回動軸55aを中心に回動する駆動ローラ55と、駆動ローラ55の上方に離間して配置され水平方向に延びる回動軸57aを中心に回動する従動ローラ57と、を有する。
【0030】
図4に示されるように、推進機構53,53,…における駆動ローラ55,55,…は、その上端が浮上ユニット4a,4b,…の上面よりも所定高さ上方となるように配置されており、基板Pの左側の側端部を載置して支持する一方の支持部として機能するとともに、基板Pに推進力を付与する推進力付与部としても機能している。また、従動ローラ57,57,…は、基板Pが駆動ローラ55,55,…上を移動する際に該基板Pの跳ね上がり等を抑える。
【0031】
図2ないし
図5に示されるように、駆動機構54は、縦フレーム部材52,52,…に渡って前後方向に延びる駆動軸54aと、駆動軸54aにベルト54dを介して回転力を与える駆動モータ54b(駆動部)と、縦フレーム部材52,52,…に沿ってそれぞれ設けられる動力伝達軸54c,54c,…と、を備えている。この駆動軸54aは、浮上ユニット4a,4b,…を支持する杆材21a,21a,…よりも下方の位置に設けられている(
図4参照)。
【0032】
また、
図5に示されるように、各動力伝達軸54c,54c,…の上下両端、駆動軸54aにおける各動力伝達軸54c,54c,…の下端近傍、及び各駆動ローラ55,55,…の回動軸55a,55a,…の外側(左側)には、各軸の回動方向を変向させる回動変向機構58a〜58dがそれぞれ設けられている。
【0033】
詳しくは、
図5(a),(b)に示されるように、駆動モータ54bを駆動させると、ベルト54dを介してその回転力が駆動軸54aに伝わり、これにより駆動軸54aに設けられた回動変向機構58a,58a,…が回転する。そして、駆動軸54aに設けられた回動変向機構58a,58a,…の回転に伴って、動力伝達軸54c,54c,…の下端に設けられた回動変向機構58b,58b,…が回転し、動力伝達軸54c,54c,…が回転する。次いで、動力伝達軸54c,54c,…の上端に設けられた回動変向機構58c,58c,…の回転により回動軸55aに設けられた回動変向機構58d,58d,…が回転し、これにより駆動ローラ55,55,…が駆動される。
【0034】
図2及び
図3に示されるように、固定体6は、ベース部材61と、縦フレーム部材62,62,…と、駆動ローラ65,65,…を有する推進機構63,63,…と、推進機構63,63,…に動力を伝える駆動機構64と、を備えており、移動体5と略同一の構造である。この固定体6は、ベース部材61から下方に延出するフランジ部61a,61aにより枠体21の梁材23,24に固定されている。また、図示しないが、縦フレーム部材62,62,…は、枠体21の任意の箇所に対してボルト等により固定されている。
【0035】
推進機構63,63,…における駆動ローラ65,65,…は、基板Pの右側の側端部を載置して支持することができる他方の支持部として機能するとともに、基板Pに推進力を付与する推進力付与部としても機能している。
【0036】
また、縦フレーム部材62,62,…は、その上端部近傍が前後方向に延びる連結部材62aにより連結されており、この連結部材62aにおける各縦フレーム部材62,62,…の間の位置には、基板Pの右側の側端部の支持を補助する従動ローラである補助ローラ9,9,…がそれぞれ配設されている。この補助ローラ9,9,…により基板Pの支持の安定性が向上する。
【0037】
上述のように、基板Pは、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…により両端部が支持されるようになっているとともに、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…が駆動することにより搬送路10に沿って搬送される。また、基板Pが搬送路10に沿って搬送される際には、前述した浮上ユニット4a,4b,…から吹き出される空気により、基板Pの左右方向中央部の撓みが防止されるため、基板Pの変形等を抑制できる(
図3参照)。尚、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…は、両方が駆動するようになっていたが、一方が従動ローラにより構成されていてもよい。
【0038】
次いで、移動装置7について
図2から
図4を用いて説明する。
図2に示されるように、移動装置7は、左右方向に延びるレール部材71と、レール部材71に沿って移動可能な可動板材72と、から主に構成される電動スライダである。
図3に示されるように、レール部材71は、その下端がスペーサ部材8を介して枠体21の連結杆25,25,25上に渡って固定配置されている。
【0039】
図2と
図4に示されるように、レール部材71の前後方向中央部には、上方に開口する溝部71aが左右方向に亘って形成されている。また、可動板材72は、移動体5のベース部材51の下面に固定される平板状の固定部72aと、固定部72aの下面から下方に突出する突出部72bと、有し、突出部72bは、レール部材71の溝部71a内に挿入されるようになっている。
【0040】
また、レール部材71の内部には、突出部72bと螺合する台形ネジを利用した直動モータ(図示略)が配設されており、この直動モータの駆動により可動板材72が溝部71aに沿って搬送路10の幅方向に移動する。可動板材72は、移動体5のベース部材51の下面に固定されているため、可動板材72が搬送路10の幅方向に移動すると、移動体5も搬送路10の幅方向に移動する。つまり、移動装置7は、移動体5を搬送路10の幅方向に移動させるとともに、その移動を案内する案内部となっている。
【0041】
尚、本実施例では、移動装置7の駆動部に台形ネジを利用した直動モータを用いる構成で説明したが、例えば、ラック・ピニオン等を駆動部として用いてもよい。また、移動体5を搬送路10の幅方向に移動させる手段としては、上記移動装置7に限られず、例えば、油圧シリンダや搬送台車等であってもよい。
【0042】
また、
図4に示されるように、移動体5の縦フレーム部材52,52,…は、搬送路10の搬送方向に隣接する浮上ユニット4a,4b,…同士の間にそれぞれ対応するように配置されているとともに、移動体5のベース部材51及び駆動軸54aは、浮上ユニット4a,4b,…を支持する杆材21a,21a,…よりも下方の位置に設けられていることから、移動体5が第1位置から第2位置に移動する際には、縦フレーム部材52,52,…、ベース部材51及び駆動軸54aが浮上ユニット4a,4b,…に干渉しない。そのため、浮上搬送装置1は、移動体5を搬送路10の幅方向に移動させることにより、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…間の距離、即ち搬送路10の幅寸法を変更できる。
【0043】
次いで、搬送路10の幅寸法を変更する一例として、所定の横幅を有する基板Pの搬送形態から該基板Pよりも横幅の小さい基板P’の搬送形態への切り換えを、
図6を用いて説明する。基板Pの搬送形態から基板P’の搬送形態への切り換えは、移動体5を基板Pの搬送形態である第1位置(
図6において一点鎖線で示す位置)から基板P’の搬送形態である第2位置(
図6において実線で示す位置)に移動させることで行われる。
【0044】
幅方向に隣接する浮上ユニット4a,4bの間である第2位置に移動した移動体5の駆動ローラ55,55,…は、浮上ユニット4a,4b,…によりそれぞれ構成されるラインL1,L2間の長手方向に沿って配置されるようになっている。そのため、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…間の略中間位置にラインL2が配置される。これによれば、移動体5を第2位置に移動させた際においても、基板P’の中央部下方にラインL2の浮上ユニット4b,4b,…がバランスよく配置されることとなるため、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…間で支持及び搬送される基板P’の中央部をラインL2の浮上ユニット4b,4b,…からの空気の圧力により支持して、該基板P’の水平バランスを保つことができる。つまり、搬送路10の幅方向に複数列離間して配置される浮上ユニットのうち所定の浮上ユニットの間に沿って駆動ローラ55,55,…が配置されるように移動体5を幅方向で浮上ユニット単位毎に移動させているため、基板P,P’に対し幅方向において均等に浮上ユニットからの空気による圧力を作用させることができ、基板P,P’の姿勢が安定する。そのため、浮上搬送装置1は、横幅の異なる種々の基板であっても安定的に搬送路10上で搬送することができる。
【0045】
また、前述のように、移動体5が第1位置から第2位置に移動する際には、縦フレーム部材52,52,…、ベース部材51及び駆動軸54aが浮上ユニット4a,4b,…及び杆材21a,21a,…に干渉しないため、移動体5を上下方向に動かすことなく搬送路10の幅方向に水平移動させることができる。これによれば、基板P,P’に対する駆動ローラ55,55,…の高さ位置を一定に保つことができるとともに、移動体5を移動させる移動装置7の構造及び制御を簡素化でき、且つ移動体5の移動時間を短縮できる。
【0046】
また、基板P,P’は、搬送路10の搬送方向に沿って設けられる複数の駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…により基板P,P’の両側端の支持と搬送方向への搬送を同時に行うことができるため、基板P,P’を支持する機構と、基板P,P’を搬送する機構と、を別々に用意しなくて済み、搬送ユニット3の構造を簡素化できる。
【0047】
また、駆動ローラ55,55,…は、搬送路10の搬送方向に沿って離間して配置されており、搬送路10の搬送方向に隣接する浮上ユニット4a,4a,…同士の間を通過可能となっているため、駆動ローラ55,55,…の高さを低く設定できる。すなわち、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…の上面の高さ位置を浮上ユニット4a,4b,…の上面に近づけることができ、空気の吹出し圧力が高い浮上ユニット4a,4b,…を使用しなくて済み、浮上ユニット4a,4b,…の大きさや製造コストを小さくできる。
【0048】
また、移動体5側の複数の駆動ローラ55,55,…は、ベース部材51により浮上ユニット4a,4b,…よりも下方の位置で搬送方向に連結されているため、複数の駆動ローラ55,55,…を搬送路10の幅方向に一体的に移動できる。これによれば、複数の駆動ローラ55,55,…が搬送路10の搬送方向に相対的に位置ズレすることを防止でき、移動体5を搬送路10の幅方向に移動させても、駆動ローラ55,55,…と駆動ローラ65,65,…との間隔を搬送路10の搬送方向に沿って均一にできるとともに、駆動ローラ55,55,…を移動させる機構(移動装置7)を各駆動ローラ55,55,…に設けなくて済み、搬送ユニット3の構造及び制御を簡素化できる。
【0049】
また、複数の浮上ユニット4a,4b,…及び移動体5は、それぞれ枠体21に組み付けられているとともに、枠体21には、搬送路10の幅方向に延びる梁材23,24が設けられており、移動体5が搬送路10の幅方向に移動する際には、移動体5に設けられた第1ガイドローラ59a,59a,…及び第2ガイドローラ59b,59b,…が梁材23,24の上面及び側面を走行する。言い換えれば、梁材23,24は、移動体5の搬送路10の幅方向の移動を案内する案内部となっている。また、前述のように、移動装置7は、移動体5の搬送路10の幅方向に移動を案内する案内部となっているため、移動体5を枠体21に固着される複数の浮上ユニット4a,4b,…に接触することなく確実に移動させることができる。
【0050】
また、前述のように、搬送方向に延びる駆動軸54aの駆動により動力伝達軸54c,54c,…を介して駆動ローラ55,55,…が回転駆動するようになっているため、複数の駆動ローラ55,55,…の回転速度を略均一にすることができる。
【0051】
また、浮上ユニット4a,4b,…は、図示しない制御部により、ラインL1,L2毎に空気の吹き出しのON/OFF制御を行えるようになっているため、基板P’の両側端を支持する駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…の間に配設されるラインL2の浮上ユニット4b,4b,…のみを動作させ、それ以外のラインL1の浮上ユニット4a,4a,…を停止させることができる。そのため、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…の間以外に配置されるラインL1の浮上ユニット4a,4a,…から吹き出される空気により、搬送路10中の基板P’が影響を受けることがなく、基板P’の水平バランスを保ちやすい。また、浮上用の空気の利用効率を良くできる。
【0052】
尚、本実施例では、移動体5のみを幅方向で浮上ユニット単位毎に移動させて搬送路10の幅寸法を変更する形態について説明したが、これに限られず、固定体6に代えて、移動体5と略同一構成の第2移動体を幅方向に移動可能とし、移動体5と第2移動体により搬送路10の両側から幅寸法を変更できるようにしてもよい。
【0053】
また、前記実施例では、駆動ローラ55,55,…を支持する縦フレーム部材52,52,…が搬送路10の搬送方向に離間する浮上ユニット4a,4b,…の側方を通過して搬送路10の幅方向に水平に移動する形態について説明したが、これに限られず、駆動ローラ55,55,…の位置を搬送路10の幅方向に変更できるものであればよい。例えば、浮上ユニット4a,4b,…の下方または上方を通過して搬送路10の幅方向に移動するようなものであってもよい。
【0054】
また、前記実施例では、浮上ユニット4a,4b,…が搬送路10の搬送方向に離間して複数並設され、搬送路10の幅方向に離間して2列に並列されている形態を例示して説明したが、これに限られず、例えば、浮上ユニットは、搬送路全体に渡って設けられる1つの浮上ユニットであってもよい。この場合、浮上ユニットの吹出口は、基板の水平バランスの観点から少なくとも搬送路10の幅方向に複数列設けられることが好ましい。
【0055】
また、浮上ユニットは、搬送路10の搬送方向に複数連結される浮上ユニットが搬送路10の幅方向に離間して複数並設されていてもよいし、搬送路10の幅方向に複数連結される浮上ユニットが搬送路10の搬送方向に離間して複数並設されていてもよい。
【0056】
また、前記実施例では、基板Pの両側端を支持する支持部を駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…とし、この駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…により、基板P,P’に対して搬送方向への推進力を付与する形態について説明したが、これに限られず、支持部は、基板P,P’の両側端を支持する機能のみ備えていればよい。具体的には、支持部を従動ローラ等で構成し、推進力を付与する推進力付与部を搬送方向に向けて基板P,P’を押すプッシャ等で構成してもよい。
【0057】
また、駆動ローラ55,55,…及び駆動ローラ65,65,…に代えて、ベルトコンベヤや搬送台車等を利用してもよい。つまり、支持部は、搬送路10の搬送方向に沿って複数設けられるものではなく、搬送路10の搬送方向に連続していてもよい。
【0058】
また、駆動ローラ55,55,…は、搬送路10の幅方向に一体的に移動できることに限られず、例えば、駆動ローラ55,55,…は、搬送路10の幅方向に個別に移動できるようになっていてもよい。この場合、駆動ローラ55,55,…を支持する縦フレーム部材52,52,…にそれぞれ移動装置を設ければよい。また、駆動ローラ55,55,…は、それぞれが駆動モータを備え、各々で独立して回動できるようになっていてもよい。
【0059】
また、前記実施例では、梁材23,24と移動装置7とが、移動体5の搬送路10の幅方向の移動を案内する案内部となっていたが、これに限られず、例えば、梁材23,24または移動装置7の一方のみを案内部として機能させてもよいし、その他案内部をさらに追加してもよい。
【0060】
また、回動変向機構58a〜58dは、動力伝達軸54c,54c,…と駆動ローラ55,55,…との間及び駆動軸54aと動力伝達軸54c,54c,…との間で動力を伝達できるものであればよく、例えば、かさ歯車、ウォームギヤ、ベルト、チェーン、磁石等の回動方向を変換する機構を用いてもよい。尚、回動変向機構58a〜58dとして磁石を用いた場合には、駆動ローラ55,55,…を駆動させるための動力の伝達を非接触で構成することもでき、動力伝達軸54c,54c,…と駆動ローラ55,55,…の間及び駆動軸54aと駆動軸54aと動力伝達軸54c,54c,…との間での接触による粉塵等が発生せず、筐体2内部の搬送路10上を清浄な状態に保つことができる。また、駆動ローラ55,55,…を駆動させた時に発生する動作音を抑えることができる。
【0061】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0062】
例えば、前記実施例では、枠体21に対して搬送ユニット3(搬送手段)及び浮上ユニット4a,4b,…が組み付けられ一体となっている形態について説明したが、これに限られず、搬送手段及び浮上ユニットは、別々の支持台に支持されていてもよい。例えば、例えば、駆動ローラ55,55,…が壁面から水平方向に進退可能な移動体に取付けられていてもよい。
【0063】
また、前記実施例では、枠体21の両側面及び上面に透過性のパネル体22,22,…が取付けられていたが、これに限られず、パネル体22,22,…は特段設けられていなくともよい。この場合、塵埃等が搬送路10上に混入することを抑制するために、浮上搬送装置をクリーンルーム内に設置することが好ましい。