特許第6685854号(P6685854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6685854
(24)【登録日】2020年4月3日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】現像器および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   G03G15/08 226
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-126275(P2016-126275)
(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公開番号】特開2018-4666(P2018-4666A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100133101
【弁理士】
【氏名又は名称】島崎 俊英
(72)【発明者】
【氏名】小田 幸良
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−149938(JP,A)
【文献】 特開平06−308824(JP,A)
【文献】 特開2008−089808(JP,A)
【文献】 特開昭58−040579(JP,A)
【文献】 特開平09−325659(JP,A)
【文献】 特開2007−305921(JP,A)
【文献】 米国特許第05878306(US,A)
【文献】 中国実用新案第202631959(CN,U)
【文献】 特開平08−025116(JP,A)
【文献】 実開昭59−153018(JP,U)
【文献】 特開2008−216310(JP,A)
【文献】 特開2014−174462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/00
G03G 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体に形成された潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に当接する規制部材と、
延伸する前記現像剤担持体の軸方向に配列された複数の固定部において固定部材で固定され、前記規制部材を挟持する第1の保持部材および第2の保持部材と、
を有し、
記第1の保持部材は、前記規制部材を撓ませる支点部を有し、
前記第1の保持部材は、前記方向と略直交する方向において、前記固定部のそれぞれと前記支点部との間に切込部が形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項2】
請求項1に記載の現像器において、
前記固定部は、前記像担持体に潜像が形成される領域と対応する前記規制部材の領域に配置されていることを特徴とする現像器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像器において、
前記切込部は、それぞれの前記固定部に対応させて形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の現像器において、
前記切込部は、前記固定部より前記支点部側に形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の現像器において、
前記切込部は、前記方向の長さが前記固定部材の頭部の前記方向の長さより長く形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の現像器において、
前記切込部は、前記方向と直交する方向の長さが前記第1の保持部材の板厚より長く形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の現像器において、
前記切込部は、前記固定部と前記支点部との間に貫通孔として形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の現像器において、
前記切込部は、前記支点部に切欠きとして形成されていることを特徴とする現像器。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の現像器において、
前記規制部材は、前記現像剤担持体の方向に渡って前記現像剤担持体に圧力を加えることを特徴とする現像器。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の現像器において、
前記規制部材は、前記現像剤担持体の表面に現像剤層を形成する現像ブレードであることを特徴とする現像器。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の現像器を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤規制部材を有する現像器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、感光体の表面を露光して静電潜像を形成し、その静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させてトナー像を現像する現像器を備え、静電潜像にトナーを供給する現像ローラの軸方向に渡って接触し、現像ローラ上のトナーの量を規制する現像ブレードを設け、その現像ブレードを2枚のホルダーで挟み、複数個所をネジで固定するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−89808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、現像ブレードのネジの固定部の剛性が他の部分より増加し、ネジの固定部と他の部分との剛性の差により現像ブレードの軸方向で不均一な撓みが形成され、この不均一な撓みにより現像ローラのトナーの規制力にバラツキが生じ、トナー画像に濃淡が発生して画像品位を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、トナー画像の濃淡を抑制し、画像品位を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、像担持体と、前記像担持体に形成された潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接する規制部材と、延伸する前記現像剤担持体の軸方向に配列された複数の固定部において固定部材で固定され、前記規制部材を挟持する第1の保持部材および第2の保持部材と、を有し、前記第1の保持部材は、前記規制部材を撓ませる支点部を有し、前記第1の保持部材は、前記方向と略直交する方向において、前記固定部のそれぞれと前記支点部との間に切込部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、トナー画像の濃淡を抑制し、画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施例における現像ブレードの構成を示す斜視図
図2】第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図
図3】第1の実施例における現像器の構成を示す概略側断面図
図4】第1の実施例における現像器の外観斜視図
図5】第1の実施例における現像器の構成を示す断面図
図6】第1の実施例における現像ローラおよび現像ブレードの構成を示す断面図
図7】第1の実施例におけるホルダーの構成を示す斜視図
図8】第1の実施例における現像ブレードの斜視図
図9】比較例におけるホルダーの斜視図
図10】第2の実施例における現像ブレードの構成を示す斜視図
図11】第2の実施例におけるホルダーの構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による現像器および画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側断面図である。
図2において、画像形成装置100は、例えば電子写真方式のプリンタであり、現像剤としてのトナーで印刷媒体に画像を形成するものである。画像形成装置100は、給紙カセット20と、媒体繰出し部21と、搬送路22と、現像器23と、転写ベルトユニット24と、定着部25と、排紙スタッカ26とを有している。
【0010】
給紙カセット20は、印刷媒体を積層して収容するものである。
媒体繰出し部21は、給紙カセット20に収容された印刷媒体を給紙ローラおよび分離ローラで1枚ずつ分離して繰り出すものである。
【0011】
搬送路22は、媒体繰出し部21で繰り出された印刷媒体を搬送する経路であり、媒体搬送ローラ221、222、223、224を有するものである。この搬送路22は、給紙カセット20と排紙スタッカ26とを結び、略S字状に配設されたものである。また、搬送路22には、印刷媒体の厚さを検知する検知部27が配設されている。
【0012】
現像器23は、現像剤像としてのトナー像を形成するものであり、搬送路22で搬送された印刷媒体に転写するトナー像を形成する。この現像器23は、転写ベルトユニット24に沿って扱うトナーの色ごとに4つ並べて配設されている。例えば、イエロー色のトナー、マゼンタ色のトナー、シアン色のトナー、およびブラック色のトナーを扱う4つの現像器であり、扱うトナーを除き同一の構成を有する現像器23である。なお、現像器23の詳細は後述する。
【0013】
転写ベルトユニット24は、転写ベルト241を挟んで現像器23と対向配置され、媒体搬送ローラ222で搬送された印刷媒体を静電効果により転写ベルト241に付着させて搬送するとともに、現像器23で形成されたトナー像を転写電圧が印加された転写ローラ242により印刷媒体に転写するものである。
【0014】
定着部25は、転写ベルトユニット24で印刷媒体に転写されたトナー像を熱と圧力で定着させるものである。
排紙スタッカ26は、媒体搬送ローラ223、224で搬送され、装置外へ排出された印刷媒体を積層するものである。
【0015】
図3は第1の実施例における現像器の構成を示す概略側断面図、図4は第1の実施例における現像器の外観斜視図である。
図3および図4において、現像器23は、感光体ドラム1と、帯電ローラ2と、光源3と、トナーカートリッジ5と、現像ローラ6と、現像ブレード7と、トナー供給ローラ8と、クリーニングブレード9と、フレーム10とを有している。
【0016】
像担持体としての感光体ドラム1は、潜像としての静電潜像が形成されるものである。この感光体ドラム1は、フレーム10に回転可能に支持され、表面に電荷を蓄えるとともに、露光によって表面の電荷を除去することができるものである。この感光体ドラム1は、図中矢印B1が示す回転方向に所定の回転速度で回転可能になっている。
【0017】
帯電部材としての帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面に所定の圧力で接触するように配置され、所定電圧を印加して感光体ドラム1の表面を一様に帯電させるものである。
露光手段としての光源3は、感光体ドラム1の上方に配置され、感光体ドラム1の表面に光を選択的に照射して露光し、静電潜像を形成するものである。
【0018】
トナーカートリッジ5は、現像器23に対して着脱可能に構成され、内部にトナー4を収容するものである。
【0019】
現像剤担持体としての現像ローラ6は、感光体ドラム1に所定の圧力で接触し、感光ドラム1の表面に形成された静電潜像に、トナー供給ローラ8から供給されたトナー4を搬送して現像するものである。この現像ローラ6は、図中矢印B2が示す回転方向に回転する。
【0020】
規制部材としての現像ブレード7は、現像ローラ6に当接し、現像ローラ6に圧力を加えるものである。この現像ブレード7は、トナー供給ローラ8から現像ローラ6に供給されたトナーを一定の厚さに規制し、現像ローラ6の表面にトナー層を形成する。
【0021】
現像剤供給手段としてのトナー供給ローラ8は、トナーカートリッジ5から供給されたトナーを現像ローラ6に供給するものである。
【0022】
クリーニングブレード9は、弾性体で構成され、そのエッジ部が感光体ドラム1の表面に所定の圧力で接触する配置されたものである。このクリーニングブレード9は、感光体ドラム1表面に残留した転写残トナーを掻き取るものである。
【0023】
また、転写ベルト241を挟んで感光体ドラム1に対向して転写ローラ242が配置されている。転写ベルト241および転写ローラ242には高圧電源により電圧が印加され、感光体ドラム1上のトナー4を印刷媒体Pに転写してトナー像を形成する。
【0024】
次に、現像ブレードの構成を図1図5図6、および図7に基づいて説明する。
図1は第1の実施例における現像ブレードの構成を示す斜視図である。なお、図1(a)は現像ブレード7の全体斜視図、図1(b)はネジ部(図1(a)の破線部)の拡大図である。
【0025】
また、図5は第1の実施例における現像器の構成を示す断面図、図6は第1の実施例における現像ローラおよび現像ブレードの構成を示す断面図、図7は第1の実施例におけるホルダーの構成を示す斜視図である。なお、図7(a)は第1ホルダー30の全体斜視図、図7(b)は固定部(図7(a)の破線部)の拡大図である。
【0026】
図1において、現像ブレード7は、図5および図6に示す現像ローラ6の回転軸方向(以下、「軸方向」という。)に延伸するように形成された板状のものである。現像ブレード7は、2枚の板状の保持部材としての第1ホルダー(第1の保持部材)30と、第2ホルダー(第2の保持部材)31とにより挟まれ、図中矢印Cが示す第1ホルダー30および第2ホルダー31の延伸方向(現像ローラ6の軸方向)に配列された複数の固定部においてネジ32で固定され保持されている。
【0027】
なお、第1ホルダー30が図5に示す現像ローラ6の回転方向(矢印B2が示す回転方向)における上流側に配置され、第2ホルダー31が現像ローラ6の回転方向(矢印B2が示す回転方向)における下流側に配置されている。また、第1ホルダー30および第2ホルダー31は、図5に示す現像器23のフレーム10に固定され、支持されている。
【0028】
第1ホルダー30は、現像ブレード7を撓ませる支点部33を有している。この支点部33は、現像ブレード7が図5および図6に示す現像ローラ6に接触し、現像ローラ6の軸方向と直交する方向に撓んだときに支点となる第1ホルダー30の延伸方向に伸びる部位である。
【0029】
また、第2ホルダー31は、現像ブレード7と第1ホルダー30を支持し、固定するものである。
【0030】
図1および図7に示すように、ネジ32による固定部としてのネジ孔37は、現像ブレード7の延伸方向の印刷範囲の領域内に複数(本実施例では、5か所)配置され、ネジ32は第1ホルダー30、現像ブレード7、第2ホルダー31を貫通して第1ホルダー30と第2ホルダー31で現像ブレード7を固定している。
【0031】
ここで、印刷範囲の領域内とは、図3に示す感光体ドラム1に静電潜像が形成される軸方向の範囲の領域に対応する現像ブレード7の延伸方向の領域内をいう。
また、第1ホルダー30には、現像ブレード7の延伸方向に伸びる孔34が形成されている。
【0032】
切込部としての孔34は、それぞれのネジ32による固定部に対応させて現像ブレード7の延伸方向と略直交する方向における第1ホルダー30のネジ32と支点部33との間に、即ちネジ32の頭部35に対して支点部33側になるように配置され、形成された貫通孔である。
【0033】
また、孔34は、ネジ32が貫通するネジ孔37に対応する位置を中心として現像ブレード7の延伸方向において対称となるように形成されている。
【0034】
孔34は、現像ブレード7の延伸方向において、長さL1がネジ32の頭部35の長さ(直径)L2より長く形成されている。また、孔34は、現像ブレード7の延伸方向と直交する方向において、長さL3が第1ホルダー30の板厚より長くなるように形成されている。
【0035】
現像ブレード7は、SUS301/SUS304に代表される厚さ0.05mm〜0.15mmの薄板のステンレス材であり、図5および図6に示す現像ローラ6と接触する接触部36は、先端部が現像ローラ6の表面から離れる方向に折り曲げられた形状となっている。
【0036】
第1ホルダー30および第2ホルダー31は、EGC−QS1に代表されるメッキ鋼板、またはSUS301/SUS304に代表されるステンレス材である。
【0037】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置の印刷動作の概要を図2に基づいて説明する。
【0038】
給紙カセット20から給紙された印刷媒体は、媒体搬送ローラ221〜224により搬送路22を搬送され、検知部27で厚さが検知される。印刷媒体には、転写ベルトユニット24の転写ベルト241上に現像器23により形成されたトナー像が転写ローラ242により転写される。
【0039】
トナー像が転写された印刷媒体は、定着部25へ搬送され、定着部25において熱と圧力でトナー像が定着され、排紙スタッカ26へ搬送される。
【0040】
次に、現像器の動作を図3に基づいて説明する。
トナーカートリッジ5から現像器23内に供給されたトナー4は、トナー供給ローラ8により回転する現像ローラ6に供給される。回転する現像ローラ6に供給されたトナーは、現像ブレード7により一定の厚さに規制された後、感光体ドラム1上に形成された静電潜像に搬送され、静電潜像をトナー像として現像する。現像されたトナー4は、転写ローラ242によって印刷媒体Pに電気的に転写される。
【0041】
一方、印刷媒体Pに転写されず、感光体ドラム1の表面に残った残留トナーは、クリーニングブレード9によって掻き取られる。掻き取られたトナーは、廃トナー搬送スパイラルによって廃トナー回収部へと搬送される。
【0042】
クリーニングブレード9によりクリーニングされた感光体ドラム1の表面において、静電潜像が形成された部分と、その他の部分との電気的な電位差を均一にするため、除電装置の光により感光体ドラム1の表面をすべて除電し、帯電ローラ2により感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる。
【0043】
次に、現像ブレードの作用を図6図8に基づいて説明する。
現像ブレード7は、第1ホルダー30と、第2ホルダー31とに挟まれてネジ32で固定され、第1ホルダー30および第2ホルダー31で保持された状態で現像器23に取り付けられている。現像ブレード7の接触部36は、現像ローラ6の軸方向(延伸方向)に渡って現像ローラ6と略均一の押圧力で当接し、現像ローラ6に圧力を加えている。
【0044】
現像ブレード7は、現像ローラ6と当接することにより、第1ホルダー30の支点部33から接触部36までは撓んだ状態になっている。
現像ブレード7の接触部36は、現像ローラ6に接触することにより、現像ローラ6上のトナーを所定量、かつ現像ローラ6の軸方向において均一になるように規制している。
【0045】
現像ブレード7が撓んだ状態となっているため、第1ホルダー30の支点部33には、現像ブレード7が現像ローラ6に当接することによる圧力が加わり、微小であるが第1ホルダー30の支点部33にも撓みが生じる。
【0046】
ネジ32による固定の影響により、図7に示す第1ホルダー30のネジ孔37の近傍では、第1ホルダー30および第2ホルダー31と、現像ブレード7とが一体となり、剛性が高くなる。
【0047】
これにより、第1ホルダー30の支点部33の撓みが、延伸方向(現像ローラ6の軸方向)において、図7に示す第1ホルダー30のネジ孔37の近傍と、その他の部分とで異なり、ネジ孔37の近傍の方が、その他の部分より小さくなる。
【0048】
図9に示す比較例のホルダー38のように、図7に示す孔34が形成されていない場合、ネジ32による固定の影響により、延伸方向(現像ローラ6の軸方向)において、ホルダー38の支点部33の撓み量にバラツキが発生し、現像ブレード7の撓み量にもバラツキが生じてしまう。
【0049】
そのため、現像ローラ6の軸方向において現像ローラ6上のトナーを規制する規制力にバラツキが生じることによるトナー濃度のバラツキが生じ、用紙上に転写されるトナー画像に現像ローラ6の軸方向と直交する方向に延びる縦帯が発生し、画像品位を低下させてしまう。
【0050】
ここで、図7に示す本実施例のように、第1ホルダー30のネジ孔37の支点部33側に孔34を形成した場合、現像ブレード7は現像ローラ6に当接することにより撓み、また第1ホルダー30の支点部33にも撓みが生じるが、孔34により、ネジ32による固定の影響が伝わり難いため、孔34を形成しない場合と比較し、第1ホルダー30の支点部33での撓みが延伸方向(現像ローラ6の軸方向)で小さくなる。
【0051】
また、支点部33を支点として撓んでいる現像ブレード7の延伸方向(現像ローラ6の軸方向)の撓みのバラツキも小さくできる。
したがって、現像ブレード7の延伸方向(現像ローラ6の軸方向)において現像ローラ6に均一の押圧力で接触させることができる。
【0052】
また、ネジ32は、第1ホルダー30および第2ホルダー31で現像ブレード7を保持できるため、孔34を形成しない場合と同様にネジ32による締結力は維持することができる。
【0053】
このように、本実施例では、現像ブレード7を保持する第1ホルダー30のネジ孔37の支点部33側に孔34を形成したことにより、第1ホルダー30のネジ固定部で撓みが発生したとしても、支点部33に発生する撓みを軽減し、その撓みによる現像ブレード7への影響を軽減することができ、現像ローラ6の軸方向において現像ローラ6上のトナーを規制する規制力にバラツキが生じることを抑制することができる。
【0054】
したがって、用紙上に転写されるトナー画像に現像ローラ6の軸方向と直交する方向に発生する縦帯を抑制することができ、画像品位を向上させることができる。
【0055】
なお、孔34は、ネジ32の影響を受けないようにするため、現像ブレード7の延伸方向において、長さがネジ32の頭部35の長さ(直径)より長く、また現像ブレード7の延伸方向と直交する方向において、長さが第1ホルダー30の板厚より長くなるように形成されている。また、孔34の現像ブレード7の延伸方向と直交する方向の長さは、加工性の面からも第1ホルダー30の板厚以上の長さにすることが好ましい。
【0056】
以上説明したように、第1の実施例では、現像ブレードを保持するホルダーのネジ孔の近傍である支点部側に孔を形成したことにより、トナー画像に発生する縦帯を抑制することができ、画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
【0057】
また、現像ブレードを保持するホルダーに孔を形成するだけのため、低コストで画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0058】
第2の実施例の構成は、現像ブレードの構成が第1の実施例の構成と異なっている。その第2の実施例の構成を図10および図11に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図10は第2の実施例における現像ブレードの構成を示す斜視図であり、図10(a)は現像ブレード7の全体斜視図、図10(b)はネジ部(図10(a)の破線部)の拡大図である。また、図11は第1の実施例におけるホルダーの構成を示す斜視図であり、図11(a)は第1ホルダー301の全体斜視図、図11(b)は段差部341(図11(a)の破線部)の拡大図である。
【0060】
図10および図11において、現像ブレード7は、現像ローラ6の軸方向に延伸するように形成された板状のものである。現像ブレード7は、2枚の板状の保持部材としての第1ホルダー(第1の保持部材)301と、第2ホルダー(第2の保持部材)31とにより挟まれ、図中矢印Cが示す延伸方向(現像ローラ6の軸方向)に配列された複数の固定部においてネジ32で固定され保持されている。
【0061】
なお、第1ホルダー301が図5に示す現像ローラ6の回転方向(矢印B2が示す回転方向)における上流側に配置され、第2ホルダー31が現像ローラ6の回転方向(矢印B2が示す回転方向)における下流側に配置されている。また、第1ホルダー301および第2ホルダー31は、図5に示す現像器23のフレーム10に固定され、支持されている。
【0062】
第1ホルダー301は、現像ブレード7を撓ませる支点部331を有している。この支点部331は、現像ブレード7が図5および図6に示す現像ローラ6に接触し、現像ローラ6の軸方向と直交する方向に撓んだときに支点となる第1ホルダー301の延伸方向に伸びる部位である。
【0063】
また、第2ホルダー31は、現像ブレード7と第1ホルダー301を支持し、固定するものである。
【0064】
ネジ32による固定部としてのネジ孔37は、現像ブレード7の延伸方向の印刷範囲の領域内に複数(本実施例では、5か所)配置され、ネジ32は第1ホルダー301、現像ブレード7、第2ホルダー31を貫通して第1ホルダー301と第2ホルダー31で現像ブレード7を固定している。
【0065】
また、第1ホルダー30の支点部331には、現像ブレード7の延伸方向に伸び、かつ現像ブレード7の延伸方向と直交する方向において支点部331からネジ32に近づく方向に切り欠いた段差部341が形成されている。
【0066】
切込部としての段差部341は、それぞれのネジ32による固定部に対応させて現像ブレード7の延伸方向と略直交する方向において、第1ホルダー30のネジ32が貫通するネジ孔37と対応させて支点部331に配置され、またネジ32に対応する位置を中心として現像ブレード7の延伸方向において対称となるように形成された切欠部である。
【0067】
段差部341は、現像ブレード7の延伸方向において、長さL11がネジ32の頭部35の長さL2より長く形成されている。また、段差部341は、現像ブレード7の延伸方向と直交する方向において、支点部331から切り欠いた長さL31が第1ホルダー301の板厚より長くなるように形成されている。
【0068】
上述した構成の作用について説明する。
なお、画像形成装置および現像器の動作は第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
現像ブレードの作用を図10および図11に基づいて図6を参照しながら説明する。なお、図6に示す第1ホルダー30は第1ホルダー301と読み替えるものとする。
【0069】
現像ブレード7は、第1ホルダー301と、第2ホルダー31とに挟まれてネジ32で固定され、第1ホルダー301および第2ホルダー31で保持された状態で現像器23(図6参照)に取り付けられている。現像ブレード7の接触部36は、現像ローラ6(図6参照)の軸方向において現像ローラ6と略均一の押圧力で当接している。
【0070】
現像ブレード7は、現像ローラ6と当接することにより、第1ホルダー301の支点部331から接触部36までは撓んだ状態になっている。
【0071】
現像ブレード7の接触部36は、図6に示すように現像ローラ6に接触することにより、現像ローラ6上のトナーを所定量、かつ現像ローラ6の軸方向において均一になるように規制している。
【0072】
現像ブレード7が撓んだ状態となっているため、第1ホルダー301の支点部331には、現像ブレード7が現像ローラ6に当接することによる圧力が加わり、微小であるが第1ホルダー301の支点部331にも撓みが生じる。
【0073】
ネジ32による固定の影響により、図11に示す第1ホルダー301のネジ孔37の近傍では、第1ホルダー301および第2ホルダー31と、現像ブレード7とが一体となり、剛性が高くなる。
【0074】
これにより、第1ホルダー301の支点部331の撓みが、延伸方向(現像ローラ6の軸方向)において、図11に示す第1ホルダー301のネジ孔37の近傍と、その他の部分とで異なり、ネジ孔37の近傍の方が、その他の部分より小さくなる。
【0075】
本実施例では、現像ブレード7の延伸方向と略直交する方向において、第1ホルダー301のネジ孔37に対応するように支点部331に段差部341を形成しているため、現像ブレード7は現像ローラ6に当接することにより撓み、また第1ホルダー30の支点部33にも撓みが生じるが、段差部341により、ネジ32による固定の影響が伝わり難いため、段差部341を形成しない場合と比較し、第1ホルダー301の支点部331での撓みが延伸方向(現像ローラ6の軸方向)で小さくなる。
【0076】
また、支点部331を支点として撓んでいる現像ブレード7の延伸方向(現像ローラ6の軸方向)の撓みのバラツキも小さくできる。
したがって、現像ブレード7の延伸方向(現像ローラ6の軸方向)において現像ローラ6に均一の押圧力で接触させることができる。
【0077】
また、ネジ32は、第1ホルダー301および第2ホルダー31で現像ブレード7を保持できるため、段差部341を形成しない場合と同様にネジ32による締結力は維持することができる。
【0078】
このように、本実施例では、現像ブレード7を保持する第1ホルダー301のネジ孔37に対応するように支点部331に段差部341を形成したことにより、第1ホルダー301のネジ固定部で撓みが発生したとしても、支点部331に発生する撓みを軽減し、その撓みによる現像ブレード7への影響を軽減することができ、現像ローラ6の軸方向において現像ローラ6上のトナーを規制する規制力にバラツキが生じることを抑制することができる。
【0079】
したがって、用紙上に転写されるトナー画像に現像ローラ6の軸方向と直交する方向に発生する縦帯を抑制することができ、画像品位を向上させることができる。
【0080】
なお、段差部341は、ネジ32の影響を受けないようにするため、現像ブレード7の延伸方向において、長さがネジ32の頭部35の長さより長く、また現像ブレード7の延伸方向と直交する方向において、長さが第1ホルダー301の板厚より長くなるように形成されている。また、段差部341の現像ブレード7の延伸方向と直交する方向の長さは、加工性の面からも第1ホルダー301の板厚以上の長さにすることが好ましい。
【0081】
以上説明したように、第2の実施例では、現像ブレードを保持するホルダーのネジ孔に対応する支点部に段差部を形成したことにより、トナー画像に発生する縦帯を抑制することができ、画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
【0082】
また、現像ブレードを保持するホルダーに段差部を形成するだけのため、低コストで画像品位を向上させることができるという効果が得られる。
なお、第1に実施例および第2の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、現像器を有する複写機、ファクシミリ装置、または複合機(MFP)等としても良い。
【0083】
また、トナーと磁性体を含むキャリアを混合させた現像剤を用い、現像ローラをマグネットローラとした現像器を用いた場合も、現像ローラ上に形成されたキャリアの電磁穂を現像ブレードに接触させて現像ローラ上のトナー層の形成を行っているため、第1に実施例および第2の実施例と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0084】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 光源
5 トナーカートリッジ
6 現像ローラ
7 現像ブレード
8 トナー供給ローラ
9 クリーニングブレード
10 フレーム
20 給紙カセット
21 媒体繰出し部
22 搬送路
23 現像器
24 転写ベルトユニット
25 定着部
26 排紙スタッカ
30、301 第1ホルダー
31 第2ホルダー
32 ネジ
33、331 支点部
34 孔
341 段差部
37 ネジ孔
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11