(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1対向面および第2対向面は、それぞれ前記第1主面と平行に形成され、前記第1対向面と前記第1主面との間の間隔は、前記第2対向面と第1主面との間隔よりも大きい請求項2又は3に記載の表示装置。
前記第1基板は、複数の第1検出電極と、前記第1基板上に設けられた中継配線と、を有し、前記第2基板は、前記第2基板を挟んで前記第1検出電極に対向する複数の第2検出電極と、前記第2検出電極に接続された複数の制御配線と、を有し、
前記接続部材は、前記中継配線と前記制御配線とを接続している請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置を模式的に示す斜視図である。
表示装置10の一例として、液晶表示装置について説明する。表示装置10は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ノートブックタイプPC、携帯型ゲーム機、ビデオカメラ、電子辞書、車載装置、或いはテレビ受像装置などの各種の電子機器に組み込んで使用することができる。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0009】
図1に示すように、表示装置10は、アクティブマトリクス型の表示パネル12と、表示パネル12を駆動する駆動ICチップ(駆動素子)14と、被検出物、例えば、指の接近あるいは接触を検知するタッチセンサ(タッチ検出装置)16と、タッチセンサ16を駆動する駆動ICチップ(駆動素子)18と、表示パネル12に接合された第1フレキシブル配線基板(FPC)20および第2フレキシブル配線基板(FPC)22と、を備えている。駆動ICチップ14は、表示パネル12に実装されている。駆動ICチップ18は、例えば、第2FPC22上に実装され、コネクタ24を介して第1FPC20および駆動ICチップ14に接続されている。なお、第1FPC20および第2FPC22は、共通の絶縁層および導電層を用いて、一体に形成されていてもよい、
【0010】
表示パネル12は、矩形平板状の第1基板(アレイ基板)SUB1と、第1基板SUB1に対向配置され矩形平板状の第2基板(対向基板)SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層LQと、を備えている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、例えば、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する絶縁基板(絶縁層)を用いて形成されている。第1基板SUB1と第2基板SUB2は、これらの間に所定のセルギャップを形成した状態でシール材SEによって貼り合わされている。液晶層LQは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間のセルギャップにおいてシール材SEによって囲まれた内側に保持されている。
【0011】
表示パネル12は、平面視(表示パネル12に垂直な方向から表示パネルを見た状態をいう。以下同様)でシール材SEの内側となる領域に、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域EDを備えている。本実施形態において、表示領域DAは、指等の接近およびタッチを検出するタッチ検出領域を兼ねている。また、非表示領域EDは、非検出領域を兼ねている。
表示パネル12は、表示領域DAにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。第1基板SUB1は、表示領域DAにおいて、第1方向Xに延出するソース線S、第1方向Xと直交する第2方向Yに延出するゲート線G、各画素PXにおいてゲート線Gおよびソース線Sと電気的に接続されたスイッチング素子SW、各画素PXにおいてスイッチング素子SWに接続された画素電極PEなどを備えている。コモン電位の共通電極CEは、第1基板SUB1または第2基板SUB2に備えられ、複数の画素電極PEと対向する。なお、ゲート線Gは第1方向Xに平行な直線状に形成されていなくても良いし、ソース線Sは第2方向Yに平行な直線状に形成されていなくても良い。すなわち、ゲート線G及びソース線Sは、屈曲していてもよいし、一部が分岐していても良い。
【0012】
表示パネル12は、例えば、バックライト装置からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型である。なお、表示パネル12は、透過表示機能に加えて、外光や補助光といった表示面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型であっても良い。更に、表示パネル12は、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型であっても良い。
液晶表示パネル12は、表示モードとして、主として基板主面に略平行な横電界を利用する横電界モードに対応した構成を有していても良いし、主として基板主面に略垂直な縦電界を利用する縦電界モードに対応した構成を有していても良い。
【0013】
図2は、タッチセンサ16の電極構造の一例を模式的に示す表示パネルの平面図である。
図2に示すように、タッチセンサ16は、第1基板SUB1上に設けられた複数、例えば、33本の第1検出電極Tx1〜Txnと、絶縁層である第2基板SUB2の上面(第1基板SUB1と反対側の表面)に設けられた複数、例えば、63本の第2検出電極Rx1〜Rxnと、を備えている。図面の複雑化を避けるため、
図2では、電極の本数を削減して概略的に示している。第1検出電極Tx1〜Txnは、ストライプ状に形成され、それぞれ第1基板SUB1の長手方向(第1方向X)に沿って延びている。また、第1検出電極Tx1〜Txnは、長手方向と直交する幅方向(第2方向Y)に所定の間隔を置いて互いに平行に並んでいる。第1検出電極Tx1〜Txnは、表示領域(タッチ検出領域)DAのほぼ全面に対向して設けられている。また、本実施形態において、第1検出電極Tx1〜Txnは、表示パネル12の共通電極CEを兼ねている。第1検出電極Tx1〜Txn(共通電極CE)は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0014】
第2検出電極Rx1〜Rxnは、ストライプ状に形成され、それぞれ第2基板SUB2の幅方向(第2方向Y)、すなわち、第1検出電極Tx1〜Txnの延出方向と交差する方向に延びている。第2検出電極Rx1〜Rxnは、第2基板SUB2の長手方向に所定の間隔を置いて互いに平行に並んでいる。第2検出電極Rx1〜Rxnは、表示領域DAのほぼ全面に対向して設けられている。これにより、第2検出電極Rx1〜Rxは、表示領域DA内において、第1検出電極Tx1〜Txnと交差するように配置され、更に、第2基板SUB2を挟んで第1検出電極Tx1〜Txnに重ねて配置されている。
第2検出電極Rxは、導電性の透明材料によって形成されている。このような導電性の透明材料は、例えばITOやIZO等の酸化物材料である。酸化物材料は、少なくともインジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、及びチタンのいずれか一つを含んでいることが好ましい。導電性の透明材料は、特に酸化物材料に限定されるものではなく、導電性の有機材料、微細な導電性物質の分散体等で形成されていてもよい。また、第2検出電極Rxは、上述した透明材料に限らず、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)およびタングステン(W)からなる群から選ばれた1種以上の金属からなる金属層または合金層を含む導電膜で形成してもよい。この導電膜は、黒色化やメッシュ加工により、不可視化処理される。
なお、第1検出電極Txは、第1方向Xに限らず、第2方向Yに延在するように設けてもよい。この場合、第2検出電極Rxは、第1方向Xに延在するように設けられる。
【0015】
第1基板SUB1上には、配線として、前述したソース線Sおよびゲート線G等の配線の他、第1検出電極Txに接続された複数の第1制御配線CL1が設けられている。これらの配線は、表示領域DAから非表示領域EDに引き出され、駆動ICチップ14に接続されている。また、第1基板SUB1の非表示領域ED上に、配線として、複数の中継配線RWが設けられている。これらの中継配線RWは、第1基板SUB1の幅方向Yの一端側で、駆動ICチップ14の側方に設けられている。中継配線RWは、第1基板SUB1の短辺から第2基板SUB2の短辺近傍まで、第1方向Xに沿って延びている。
第1FPC20の一端部は、第1基板SUB1の短辺側の端縁上にACFを介して接合されている。第1FPC20は、第1基板SUB1上の配線を介して駆動ICチップ14に電気的に接続されている。第2FPC22の一端部は、第1基板SUB1の短辺側の端縁上にACFを介して接合されている。第2FPC22は、第1基板SUB1上の中継配線に電気的に接続されている。
【0016】
第2基板SUB2上に、配線として、複数の第2制御配線CL2が設けられている。第2制御配線CL2は、第2検出電極Rx1〜Rxnの長手方向の一端から延出し、第2基板SUB2の非表示領域EDを通って、第2基板SUB2の短辺(駆動ICチップ14側の短辺)の近傍まで延びている。本実施形態において、奇数列の第2検出電極Rx1、Rx3、〜Rxnについては、第2制御配線CL2は、
図2において、平面視で第2検出電極Rxの下端から延出し、下側縁側の非表示領域EDを通り、第2基板SUB2の短辺近傍まで引き回されている。偶数列の第2検出電極Rx2、Rx4、〜Rxn−1については、第2制御配線CL2は、
図2において、平面視で、第2検出電極Rxの上端から延出し、上側縁側の非表示領域EDを通り、更に、短辺側の非表示領域EDを通って引き回されている。
本実施形態によれば、前述した第1基板SUB1側の中継配線RWおよび第2FPC22は、第1基板SUB1の短辺において、短辺方向の中央から第1基板SUB1の一方の長辺側にずれた位置に設けられている。そのため、第2基板SUB2側の第2制御配線CL2の延出端部は、中継配線RWに合わせて、第2基板SUB2の短辺の一端側にずれて延在している。
【0017】
上記のように第2基板SUB2上に設けられた第2制御配線CL2は、接続部材50により第1基板SUB1上の中継配線RWに電気的に接続されている。この接続部材50について詳細に説明する。
図3は、表示パネル12の駆動ICチップ14側の短辺部を示す斜視図、
図4は、
図3の線A−Aに沿った表示パネルおよび接続部材の断面図、
図5は、接続部材の配線部側を示す斜視図、
図6は、
図5の線B−Bに沿った接続部材の断面図、
図6は、
図5の線C−Cに沿った接続部材の断面図である。
【0018】
図3ないし
図7に示すように、接続部材50は、例えば、ポリカーボネイト等の合成樹脂でモールドされた矩形ブロック形状の支持体(本体)52と、銅箔等の導電層により支持体52に形成された複数の配線部(配線)54と、を有している。支持体52は、押圧面を構成する平坦な第1主面(上面)52aと、この第1主面52aの反対側に位置し段差を有する第2主面(底面)52bと、を有している。第2主面52bは、第1基板SUB1に対向する平坦な第1対向面56aと、第2基板SUB2に対向する平坦な第2対向面56bと、これら第1対向面56aと第2対向面56bとの間に位置する段差部56cと、を有している。第1対向面56aは、第2主面52bの一方の長辺に沿って延びているとともに、第1主面52aと平行に対向している。同様に、第2対向面56bは、第2主面52bの他方の長辺に沿って延び、第1主面52aと平行に対向しているとともに、第1対向面56aよりも1段低く形成されている。すなわち、第1対向面56aと第1主面52aとの間隔(第1厚さT1)は、第2対向面56bと第1主面52aとの間隔(第2厚さT2)よりも厚く形成されている。本実施形態では、支持体52において、第1対向面56a側の第1厚さT1は、約0.3〜1.1mm、望ましくは、約0.3〜0.4mmに形成され、第2対向側の第2厚さT2は、約0.2〜1.0mm、望ましくは、約0.2〜0.3mmに形成されている。第1厚さT1と第2厚さT2との差、すなわち、段差部の高さは、第2基板SUB2の板厚にほぼ相当している。
【0019】
段差部56cは、1段あるいは複数段の段差を有している。本実施形態では、段差部56cは、例えば、2段の階段状に形成されている。また、
図5および
図6に示すように、支持体52は、第2主面52bに形成された複数の連通溝60を有している。各連通溝60は、支持体52の幅方向(第1方向X)に延在し、第1対向面56aの段差部近傍部分から段差部56cを通り、第2対向面56bの段差部近傍部分まで延びている。各連通溝60の深さは、第1対向面56a、段差部56c、および第2対向面56bよりも深く形成され、また、各連通溝60の底面は、第1主面52aとほぼ平行に延在している。複数の連通溝60は、支持体52の長手方向(第2方向Y)に所定のピッチで並んで設けられている。
【0020】
支持体52の第2主面52b上に、それぞれ導電層からなる複数の配線部54が形成されている。各配線部54は、第2主面52bの一方の長辺から他方の長辺まで、支持体52の幅方向(第1方向X)に沿って延在している。複数の配線部54は、支持体52の長手方向(第2方向Y)に所定のピッチで並んで設けられている。
各配線部54は、第1対向面56a上に設けられた第1接合部54aと、第2対向面56b上に設けられた第2接合部54bと、第1接合部54aと第2接合部54bとを連結しているとともに連通溝60内に設けられた連結部54cと、を一体に有している。連結部54cを連通溝60内に設けることにより、連結部54cは、段差部56cの表面上に露出することなく、段差部56cの表面から第1主面52a側に離間して位置している。すなわち、各配線部54の連結部54cは、支持体52内に埋め込まれた状態で設けられ、第2主面52bに露出していない。
【0021】
上記のように構成された接続部材50は、
図3および
図4に示すように、表示パネル12の第2基板SUB2の短辺側エッジ部に重ねて配置され、第1対向面56aが第1基板SUB1に対向し、第2対向面56bが第2基板SUB2に対向し、段差部56cが第2基板SUB2のエッジ部に対向している。第1対向面56a上に設けられた各配線部54の第1接合部54aは、例えば、異方性導電膜(ACF)を介して第1基板SUB1の中継配線RWに接合されている。第2対向面56b上に設けられた各配線部54の第2接合部54bは、例えば、ACFを介して第2基板SUB1の制御配線CL2に接合されている。段差部56cは、第2基板SUB2のエッジ部に当接あるいは係合し、接続部材50を第1および第2基板SUB1、SUB2に対して位置決めしている。この際、各配線部54の連結部54cは、連通溝60内に設けられているため、第2基板SUB2のエッジ部に接触することなく、エッジ部から離間して位置している。これにより、制御配線CL2の各々は、配線部54を介して、対応する中継配線RWに電気的に接続され、更に、第2FPC22を介して駆動ICチップ18に接続される。
【0022】
上記のように構成された液晶表示装置10によれば、例えば、1フレーム期間において、時分割で、表示期間、タッチ検出期間を交互に繰り返して実行する。表示期間において、駆動ICチップ14は、表示信号を表示画素に順次出力する。また、タッチ検出期間において、タッチセンサ16は、例えば、ミューチュアル方式でタッチ検出を行う。タッチ検出期間において、駆動ICチップ14は、タッチセンサ16の第1検出電極Tx1〜Txnに駆動パルス信号を順次供給する。駆動ICチップ18は、タッチセンサ16の第2検出電極Rx1〜Rxnから検出信号を受信し、この検出信号に基づいて、タッチおよびタッチの座標位置を検知する。すなわち、タッチ検出期間において、表示パネル12の表示面に操作者の指が接近あるいはタッチすると、タッチ位置を中心として、第1検出電極Txと第2検出電極Rxとの間の容量が変動し、駆動ICチップ18は、第2検出電極Rx1〜Rxnからこの容量変動を含んだ検出信号を受信する。これにより、駆動ICチップ18は、受信した検出信号に基づいて、タッチおよびタッチ座標位置を検出する。
なお、タッチセンサ16は、ミューチュアル方式に限らず、セルフ検出方式にてタッチ検出を行う構成としてもよい。セルフ検出方式では、タッチ検出期間において、駆動ICチップ14から第1検出電極Tx1〜Txnおよび第2検出電極Rx〜Rxnに駆動パルス信号を印加し、第1検出電極と第2検出電極との間の信号変動を検出することにより、タッチ検出を行う。
【0023】
次に、上記のように構成された液晶表示装置10の製造工程について説明する。
図8は、製造工程の一例を概略的に示すフローチャートである。
図8に示すように、製造工程においては、複数の電極、配線、スイッチング素子等が形成された第1基板SUB1を作成し(ST1)、同時に、あるいは、その後、電極、カラーフィルタ等が設けられた第2基板SUB2を作成する(ST2)。第2基板SUB2をシール材SEにより第1基板SUB1に貼り合わせた後(ST3)、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に液晶を封入する(ST4)。なお、液晶は、予め、一方の基板、例えば、第1基板上に点下した後、第1基板と第2基板とを貼り合わせる工程としてもよい。
【0024】
続いて、第1基板SUB1の非表示領域に駆動ICチップ14を熱圧着により実装し(ST5)、更に、第1FPC20の一端を第1基板SUB1に接合する(ST6)。次いで、接続部材50を第1基板SUB1および第2基板SUB2の所定位置に配置し、熱圧着により、各配線部54の第1接合部54aおよび第2接合部54bを中継配線RWおよび第2制御配線CL2にそれぞれ接合する。以上の工程により、液晶表示装置10が製造される。
【0025】
上記熱圧着工程では、例えば、
図9に示すように、接続部材50を第2基板SUB2のエッジ部に設置し、接続部材50の第1接合部54aと第1基板SUB1との間にACFを挟み、かつ、接続部材50の第2接合部54bと第2基板SUB2との間にACFを挟んだ状態で、圧着ヘッド80により接続部材50の第1主面(押圧面)52a全体を基板側へ押圧かつ加熱する。これにより、各配線部54の第1接合部54aおよび第2接合部54bを同時に第1基板SUB1および第2基板SUB2に熱圧着する。すなわち、1回の圧着工程により、第1接合部54aおよび第2接合部54bの両方を同時に熱圧着することができる。
【0026】
一方、前述した従来技術のように、FPCにより配線間を接続する場合、FPCは反発力が大きいため、短い距離を段差に沿って屈曲させることが難しい。また、FPCの一端部は例えば異方性導電膜(ACF)を介して第2基板に熱圧着され、同様に、FPCの他端部はACFを介して第1基板に熱圧着される。そのため、少なくとも2回の熱圧着作業が必要となり、接続工程が煩雑となる。更に、第2基板のエッジによりFPCの配線が損傷される可能性がある。また、配線間の接続に銀ペーストを用いる場合、銀ペーストは狭ピッチで複数並べることが困難であることから、接続する配線の数が限られる。また、銀ペーストはショートするため、配線の接続端子からガラス基板のエッジまでの間に他の配線を配置することが困難となる。
【0027】
これに対して、上記のように構成された本実施形態に係る液晶表示装置10によれば、接続部材50により、第1基板SUB1上の中継配線RWと第2基板SUB2上の制御配線CL2とを容易にかつ確実に接続することができる。接続部材50の各配線部54は、接合部を除いて支持体52の内部に設けられ、支持体52の第2主面52bに露出していない。そのため、接続部材の配線部54が第2基板SUB2のエッジ部に接触することがなく、エッジ部による配線の損傷、断線等を防止することができる。同時に、支持体の段差部を第2基板SUB2のエッジ部に当接あるいは係合させることにより、第1および第2基板SUB1、SUB2に対して、接続部材50を所定の位置に位置決めすることができる。
接続部材の第1対向面および第2対向面に配線の接合部を設けた構成であるため、第2基板SUB2のエッジから離れた位置でも配線の接合部を基板側の配線に圧着することが可能となる。この場合、第2基板SUB2のエッジ部と配線圧着部との間の領域を自由に使うことができる。
【0028】
更に、成型部品である接続部材50の形状を活用し、平坦な押圧面52a全体を圧着ヘッドで押すことで、配線部54の第1接合部および第2接合部を第1基板および第2基板に同時に一度で圧着することができる。これにより、圧着工程の回数を削減し、製造工程の簡素化および短縮化を図ることが可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、配線間を容易にかつ確実に接続可能な表示装置を得ることができる。
【0029】
なお、上述した第1の実施形態において、表示パネルの外形状および内形状は、矩形状に限定されることなく、外形あるいは内径のいずれか一方あるいは両方を平面視多角形状や円形、楕円形、およびこれらを組み合わせた形状等の他の形状としてもよい。表示装置の構成部材の材料は、上述した例に限らず、種々選択可能である。また、表示パネルは、透過型あるいは反射透過型の液晶パネルに限らず、有機ELパネル等の他の表示パネルを用いることも可能である。
【0030】
次に、変形例に係る表示装置の接続部材について説明する。以下に説明する変形例において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第1変形例)
図10は、第1変形例に係る表示装置の配線接続部を示す断面図である。第1変形例によれば、接続部材50の段差部56cは、一段の段差に形成されている。すなわち、段差部56cは、第1対向面56aおよび第2対向面56bに対して垂直に延びた壁面を有している。
このような接続部材50は、所定位置に設置する際、段差部56cを第2基板SUB2の端面に突き当てることにより、接続部材50を基板に対して容易に位置合わせ(アライメント)することができる。特に、基板に対するシーター方向(回転方向)のアライメントが自然になされた状態となり、配線接続時の作業工程を短縮することが可能となる。なお、接続部材50の位置合わせは、光学的なアライメント方法を併用して行ってもよい。
【0031】
(第2変形例)
図11は、第2変形例に係る表示装置の配線接続部を示す断面図である。第2変形例によれば、接続部材50の第1対向面56aおよび第2対向面56bの少なくとも一方は、
基板側に凸となるように湾曲した湾曲面あるいは曲面で構成されている。
段差を持って配置された第1基板SUB1および第2基板SUB2に対して接続部材50を同時に圧着する場合、一方の接合部に押圧力が集中し、他方の接合部に押圧力が作用しないことがあり得る。この場合、他方の接合部を基板上の配線に確実に接合することが困難となる。
これに対して、第2変形例によれば、配線部54の第1接合部54aおよび第2接合部54bが設けられている支持体52の第1対向面56aおよび第2対向面56bを基板側に凸の曲面で構成しているため、基板に先に接した接合部54aあるいは54bが潰れ、基板に後で接した接合部54aあるいは54bにも十分な押圧力を加えることができる。これにより、第1接合部54aおよび第2接合部54bの両方を確実に熱圧着することができ、圧着の信頼性を向上することができる
【0032】
(第3変形例)
図12は、第3変形例に係る表示装置の配線接続部を示す断面図である。第3変形例によれば、接続部材50は、支持体52の第1主面52aに形成された切欠き(あるいは溝)62を有している。切欠き62は、例えば、V字状の断面形状を有し、支持体52の長手方向の全長に亘って設けられている。また、切欠き62は、例えば、支持体52の幅方向のほぼ中央部に設けられている。
前述したように、接続部材50に設けられた配線部54の第1接合部54aおよび第2接合部54bを第1基板SUB1および第2基板SUB2に同時に熱圧着した場合、圧着工程完了後、接続部材50の支持体52を介して2箇所の圧着部間に張力が働く可能性が考えられる。そこで、本変形例のように、接続部材50の第1主面(押圧面)52aに切欠き62を設けることにより、圧着部間に作用する張力あるいは圧縮力を緩和することができる。これにより、圧着部の剥離を防止し、圧着の信頼性向上を図ることができる。
なお、切欠き60の形状は、V字形状に限らず、円弧状等、他の種々の形状を選択可能である。また、切欠き60の深さおよび長さは、適宜、設定可能である。
【0033】
(第4変形例)
図13は、第4変形例に係る表示装置の表示パネルの一部を示す平面図である。図に示すように、第4変形例によれば、タッチ検出用の駆動ICチップおよび第2FPCが省略され、第1FPC20のみが第1基板SUB1の端縁に接合され、配線を介して駆動ICチップ14に接続されている。そして、駆動ICチップ14は、タッチ検出用の駆動ICを内蔵している。また、第1基板SUB1上に設けられた中継配線RWの一端は、駆動ICチップ14あるいは第1FPC20に接続されている。中継配線RWの他端は、接続部材50により、第2基板SUB2上の制御配線CL2に接続されている。
このように、第4変形例によれば、独立したタッチ検出用の駆動ICチップおよび第2FPCを省略することができ、表示装置の構成の簡略化を図ることができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0035】
本発明の実施形態あるいは変形例として上述した各構成を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての構成及び製造工程も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。また、上述した実施形態あるいは変形例によりもたらされる他の作用効果について本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
上述した実施形態および変形例においては、接続部材は、第1基板上の中継配線と第2基板上の制御配線とを接続する構成としているが、接続する配線は、中継配線および制御配線に限定されることなく、他の種々の配線の接続に適用してもよい。