【実施例】
【0014】
実施例に係るメカニカルシールシステムにつき、
図1から
図3を参照して説明する。尚、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
【0015】
メカニカルシールシステム100(
図3参照)は、メカニカルシール1と冷却通路41を有する冷却システムとを備えて構成されている。メカニカルシール1は、火力発電所のボイラー給水ポンプやコンデンセートポンプなどの熱水ポンプおよび熱油ポンプ等の200℃を越えるような高温の被密封流体12を扱うポンプ等における軸封部のハウジング2(ケーシング)と該ハウジング2の軸嵌装孔10に嵌装される回転軸3の間をシールするためのものであり、メカニカルシール1はハウジング2と回転軸3間にカートリッジ型に装着される。尚、
図1において、左側が機外A側(大気側)、右側が機内M側である。
【0016】
ハウジング2の軸嵌装孔10には回転軸3が貫通して設けられている。ハウジング2の軸嵌装孔10の周りの機外A側の側面4にはシールカバー5(ケーシング)がボルト6等の固定手段により装着されており、該シールカバー5の内側と回転軸3の外側の空間にメカニカルシール1を構成する静止側密封要素である静止環(以下、「シールリング」という。)7および回転側密封要素である回転環(以下、「メイティングリング」という。)8が配置されるようになっている。回転軸3は、外周にスリーブ300が外嵌され、回転軸3にはスリーブ300が図示しないセットボルトにより固定されている。
【0017】
また、ハウジング2の軸嵌装孔10の機外A側寄りには拡径された形状のスタフィングボックス9が形成されており、該スタフィングボックス9内に後記する冷却ジャケット11が配置される。このように、メイティングリング8およびシールリング7はスタフィングボックス9の外、すなわち、機外A側に位置して設けられる。このため、冷却ジャケット11の容量を十分に大きくすることができ、また、メイティングリング8とシールリング7との摺動部が大気側に位置することになり、摺動発熱がこもることがない。
【0018】
メカニカルシール1は、シールリング7とメイティングリング8との摺動部Sの内周から外周方向へ向かって漏れようとする被密封流体12をシールするアウトサイド形に形成される。
【0019】
シールカバー5は回転軸3を包囲するように環状をしており、その内部には軸方向の孔が形成される。このシールカバー5の孔を形成する内周面には、
図2に示すように、機内M側から機外A側に向かって順に嵌合面5cと空間部(以下、「環状溝」という。)5gと絞り面5fとが形成されている。このうち、環状溝5gは嵌合面5cと絞り面5fとの間で嵌合面5cの外径より大径に形成されている。また、環状溝5gの内周にシールリング7とメイティングリング8の大部分が内在するように環状溝5gの軸方向の幅寸法を大きく形成する。更に、絞り面5fは、環状溝5gの軸方向の幅を大きくするために、シールカバー5の前面(機外A側寄り)の内周に形成される。また、シールカバー5の前面には、孔を囲んで位置決め部5tが設けられている。この位置決め部5tは外周に位置決め溝5bを設けるために軸方向端部が凸に形成されている。
【0020】
シールカバー5の嵌合面5cには、シールリング7の移動面7dが軸方向へ移動自在に嵌合している。シールリング7の移動面7dには、嵌合面5cとの間をシールするOリング用の第1シール溝7bが形成されている。そして、この第1シール溝7bには、Oリング13Aが取り付けられている。このOリング13Aの材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、H−NBR、EPDM、パーフロロエラストマなどである。
【0021】
更に、シールリング7は、第1シール溝7bと反対側の端面に摺動シール面7aが形成されている。また、シールリング7の外周側はフランジ7fを形成し、このフランジ7fには案内溝7gが形成されている。
【0022】
また、シールカバー5の環状溝5gの側面に設けられた嵌着穴5jに固定ピン14が圧入されて取り付けられている。案内溝7gはこの固定ピン14に対して移動自在に嵌合され、この固定ピン14によりシールリング7は軸方向へは移動するが、回転方向へは係止されている。
【0023】
また、このフランジ7fと対向するシールカバー5には、
図1に示すように、周方向へ複数個配置した穴状のばね座5hが設けられている。そして、周面に沿って等配に設けたコイルスプリング15がばね座5hに着座してシールリング7を弾発的に押圧している。
【0024】
シールリング7は、シールリング7の摺動シール面7aの軸方向の投影面積A1とシールリング7に対して軸方向の移動力として働くシール流体圧力(被密封流体圧力)を受ける軸方向の投影面積A2とのバランス比A2/A1が1以下に設定されたバランス形に形成され、シール流体圧による摺動部Sへの負荷を低減させる形式となっている。
【0025】
シールリング7は、特殊転換法(カーボン表面を部分的にSiC化し、表面強度を補強し、SiCの耐摩耗性とカーボンの自己潤滑性の両方を兼ね備えるようにすること)によるSiCから製作されている。また、ダイヤモンドコーティングしたSiCにより製作されてもよい。
【0026】
また、
図3に示すように、シールカバー5には、外周面から環状溝5g内に貫通するように、シールカバー5の真上に位置する部分にクエンチング孔16Aが設けられている。そしてこのクエンチング孔16Aからクエンチング流体V(冷却液)が供給可能となっており、真下に位置する部分に設けられたクエンチング孔16Bからクエンチング流体Vが排出可能となっている。なお、被密封流体12とクエンチング流体Vとを実質的に同じ液体としてもよい。
【0027】
クエンチング孔16Aから供給されたクエンチング流体Vは、環状溝5gに斜めに連通する連通路17を介してシールリング7とメイティングリング8との摺動部Sの外周側のクエンチ室40(冷却室)に注入される。クエンチ室40は環状溝5g、クエンチシール23、メイティングリング8、シールリング7、シールカバー5により画成されている。クエンチ室40に供給されたクエンチング流体Vは、環状溝5g内を循環してから真下のクエンチング孔16Bを介して排出される。その際、摺動部Sの摺動時の発熱を冷却すると共に、シールリング7およびメイティングリング8に付着している不純物を清浄にする。
【0028】
メカニカルシールシステム100(
図3参照)が組み込まれたボイラー給水ポンプ等の機器は通常運転では、機内M側(被密封流体12側)が高圧となっており、メカニカルシール1の摺動部Sにおけるクエンチ室40の反対側から被密封流体12により密封膜が形成されており、この密封膜により摺動部Sの潤滑性が高められているとともに、クエンチ室40側からのクエンチング流体Vの流入が防止されている。
【0029】
一方、
図1に示されるように、カラー20は、内周に嵌着周面20cと第2シール溝20bが設けられている。この嵌着周面20cが回転軸3の外周面3aと嵌着すると共に、第2シール溝20bに装着されたOリング13Cにより両部品の嵌着面間をシールする。また、カラー20に螺合したセットスクリュー21の先端部がスリーブ300の外周面3aに止められてカラー20はスリーブ300を介して回転軸3に固定されている。
【0030】
また、カラー20におけるメイティングリング8の内側にある外周は結合面20dとして機能している。更に、結合面20dより外周側に設けた環状の段付面には保持面20sが設けられ、カラー20の保持面20sに設けた嵌着穴20jにドライブピン22が圧入されて取り付けられている。
【0031】
また、メイティングリング8の一端には、
図2に示すように、摺動シール面8aが形成されている。この摺動シール面8aは、シールリング7の摺動シール面7aと密接しながら摺動できるように形成されている。更に、メイティングリング8の外周には、密封面8dが設けられている。更に、メイティングリング8の内周面8cにシール用の段付面8bが形成されており、この段付面8bにOリング13Bが取り付けられてメイティングリング8の内周面8cとカラー20の結合面20dとの嵌着面間をシールしている。
【0032】
また、メイティングリング8の機外A側の端の接合面8eには、ピン用凹部8gを形成する。このピン用凹部8gにカラー20の嵌着穴にねじ込まれたドライブピン22を挿入し、メイティングリング8とカラー20とが周方向へ相対移動しないように係止させる。そして、ドライブピン22によりカラー20の回転力がメイティングリング8に伝達される。このように、メイティングリング8およびカラー20等からなる回転側は機外A側雰囲気中で回転するように配置されている。このため、回転側が大気により強制空冷される。更に、被密封流体12と接する回転側の部分は、メイティングリング8とカラー20の被密封流体12側の端面のみであるので、被密封流体12との接触面積が少なく、被密封流体12から伝達される熱量が少ない。
【0033】
また、メイティングリング8は、特殊転換法によるSiC、または他の製法によるSiCや超硬合金などのセラミックスなどの材質から製作される。また、ダイヤモンドコーティングしたSiCにより製作されてもよい。
【0034】
回転軸3の直径が100mm以下の範囲においては、メイティングリング8とシールリング7との摺動部Sの幅を1.5mm以下とし、バランス比A2/A1を0.7以下に設定するのがよい。また、回転軸3の直径が100mmを越え200mm以下の範囲においては、メイティングリング8とシールリング7との摺動部Sの幅を2.0mm以下とし、バランス比A2/A1を0.7以下に設定するのがよい。このため、液圧作用面積が最小限に抑えられ、流体圧力による押付力が最小限となるので発熱も最小限に抑えられた低発熱設計となっている。更に、回転軸3の直径が上記の何れの場合でも、シールリング7の内周と回転軸3の外周面3aとの隙間を2.5mm以上とするのが望ましい。このように、シールリング7の内周と回転軸3の外周面3aとの隙間を大きくとり、シール流体が流動するようにすることで、摺動発熱による摺動部S近傍の蓄熱を防止し、温度上昇を最小限に抑えることができる。
【0035】
絞り面5fと密封面8dとの間の間隙Cを遮断するクエンチシール23(シール部材)は、PTFE材料より
図1に示すように形成される。すなわち、このクエンチシール23は、リング状に形成されて断面略L字状の内周側の垂直部に取付部23bを形成すると共に、外周側の略水平部にシール部23aを形成する。取付部23bをメイティングリング8の接合面8eとカラー20の保持面20sとの各面間に圧着する。
【0036】
図1に示すように、シールカバー5とカラー20は、カラー20にボルト26を介して取り付けられたセットプレート25の凸部27をシールカバー5の位置決め溝5bに嵌め込んで位置決めと同時に組み立てられる。そして、メイティングリング8が位置決めされたらセットスクリュー21を回転軸3へ螺合して止め、カラー20を回転軸3に固定する。尚、セットプレート25は、
図1に示すような断面形状に形成されており、カラー20の周面に3等配に配置されて取付けられる。このセットプレート25は組立後に取り外される。
【0037】
図3に示されるように、他方、ハウジング2の軸嵌装孔10の機内M側寄りに形成されたスタフィングボックス9内には、ハウジング2内周と回転軸3外周との間にリング状の冷却ジャケット11が設けられている。該冷却ジャケット11は、スタフィングボックス9の円周方向位置の真下に設けられたクエンチング流体Vを供給する冷却水給水路28および真上に設けられたクエンチング流体Vを排出する冷却水排水路29と連通する冷却水収容空間30を中央部に有し、両側外周にそれぞれOリング31,31を装着するOリング溝32,32が設けられている。Oリング31の厚みはOリング溝32の深さよりも大きく設定されている。また、冷却ジャケット11の冷却水収容空間30の回転軸外周側寄りの内部に複数のフィン33が設けられ、伝熱面積が大きくなっており、冷却ジャケット11の軸方向の長さが最小化されている。クエンチング流体Vにより冷却された冷却ジャケット11は、回転軸3との隙間に存在する被密封流体12を自身との熱交換により冷却するようになっている。
【0038】
図3に示されるように、ポンプPによりリザーバ50から供給されたクエンチング流体Vは、詳細は後記する冷却通路41を通して、メカニカルシール1の摺動部Sの外周側のクエンチ室40と、冷却ジャケット11とに、それぞれ供給されるようになっている。また、リザーバ50間のクエンチング流体Vを図示しない搬送ポンプ等を設け移動させるようにしてもよい。尚、リザーバ50の個数は3つではなく1つとしてもよい。
【0039】
詳しくは、冷却通路41は、前記スタフィングボックス9の円周方向位置の真上と真下に設けられた冷却水給水路28と冷却水排水路29と、クエンチング孔16Aと、冷却水排水路29から分岐してクエンチ室40に連通するクエンチング孔16Aに連通する接続路(冷却室通路)42と、冷却水排水路29から分岐してリザーバ50へとクエンチング流体Vを排出する排出路43と、クエンチング孔16Bと、クエンチング孔16A及びクエンチング孔16Bにそれぞれ連通する連通路17と、から主に構成されている。すなわち、冷却通路41は、リザーバ50と冷却ジャケット11とクエンチ室40とを繋ぐ流路である。
【0040】
続いてクエンチング流体Vの流れを説明する。スタフィングボックス9の円周方向位置の真下に設けられた冷却水給水路28にポンプPによりリザーバ50から送り込まれたクエンチング流体Vは、冷却水収容空間30を周方向に流れて冷却ジャケット11を冷却し、冷却水排水路29に流れ込む。
【0041】
冷却水排水路29に流れ込んだクエンチング流体Vは、クエンチ室40に繋がるクエンチング孔16Aに連通する接続路42と、冷却水排水路29から分岐してリザーバ50へとクエンチング流体Vを排出する排出路43と、に分岐される。接続路42及び排出路43はパイプにより形成されている。
【0042】
クエンチング孔16Aに連通する接続路42に流れ込んだクエンチング流体Vは、クエンチ室40を周方向に流れてシールリング7とメイティングリング8との摺動部Sを外周側から冷却し、クエンチング孔16Bからリザーバ50へと排出され、冷却水排水路29から分岐する排出路43から排出されたクエンチング流体Vとリザーバ50で合流する。尚、このようにリザーバ50を1つとしたことで構造が単純化されている。リザーバ50ではクエンチング流体Vから熱が排熱され、再度、ポンプPにより冷却通路41に供給される。
【0043】
このように、メカニカルシール1の外周側のクエンチ室40にクエンチング流体Vが供給されているため、機内M側が定常運転時よりも減圧された状態となっても、シールリング7の摺動シール面7aとメイティングリング8の摺動シール面8a間にクエンチング流体Vによる密封膜が形成されるため密封性に優れる。また、クエンチ室40及び冷却ジャケット11を同じ流体によって冷却しているためメカニカルシールシステム100の構造を単純化できる。更に、冷却通路41は、冷却ジャケット11の下流側で、クエンチ室40及びリザーバ50に分岐接続されているため、クエンチ室40に供給するクエンチング流体Vの流量は、冷却ジャケット11に供給するクエンチング流体Vの流量に依存せずに供給できる。
【0044】
また、メカニカルシール1の外周側のクエンチ室40にクエンチング流体Vが供給されているため機内M側が定常運転時よりも減圧された状態となっても、シールリング7の摺動シール面7aとメイティングリング8の摺動シール面8a間にクエンチング流体Vによる密封膜が形成されることから、摺動部Sの待機部で水分が蒸発して結晶化する虞がなく、メカニカルシール1の作動性の低下を防止することができる。
【0045】
また、冷却通路41は冷却ジャケット11の下流側で、リザーバ50とクエンチ室40とに分岐接続されていることから冷却ジャケット11に大流量のクエンチング流体Vを供給できる。そのため、クエンチング流体Vは冷却ジャケット11による昇温は少なく、すなわち、メカニカルシール1の摺動部Sに辿り着く前のクエンチング流体Vは温度が低く、この温度が低いクエンチング流体によりメカニカルシール1を冷却できるとともに、冷却ジャケット11により大流量のクエンチング流体Vを用いて被密封流体12を確実に冷却できる。
【0046】
また、クエンチ室40に接続される接続路42には調整弁である流量調整手段44が設けられており、クエンチ室40に供給するクエンチング流体Vの流量を冷却ジャケット11に供給する流量に依存せずに調整することができる。そのため、メカニカルシール1の温度の微調整を行いやすく、かつ、冷却ジャケット11に供給するクエンチング流体Vの流量調整への制約が少ない。
【0047】
また、リザーバ50に接続される排出路43にも調整弁である流量調整手段45が設けられており、クエンチング流体Vの流量をクエンチ室40に供給するクエンチング流体Vの流量を調整した際にもリザーバ50へ排出する流量を調整することができ、かつ冷却ジャケット11内のクエンチング流体Vの圧力を調整することもできる。
【0048】
また、シールリング7あるいはメイティングリング8の少なくとも一方の部材を特殊転換法によるSiCとして潤滑性と耐摩耗性を持たせておくことにより、長期間の運転での摺動部Sの状態の変化を防止している。
【0049】
上述したように、被密封流体12とクエンチング流体Vとは実質的に同じ液体であるため、クエンチング流体Vが被密封流体12に混入しても影響が少ないのみならず、メカニカルシール1の内外周に同種の液体が存在しているため密封膜を構成する成分が変化することなくシール性を良好に保つことができる。尚、被密封流体12とクエンチング流体Vとを実質的に異なる液体としてもよいことは言うまでもない。
【0050】
また、メカニカルシール1は、回転軸3とともに回転する一つのメイティングリング8と、シールカバー5に固定された一つのシールリング7から構成される所謂シングルメカニカルシールであり、クエンチ室40にはメイティングリング8と接触し外部へのクエンチング流体Vの漏れを防止するクエンチシール23が配置され、クエンチ室40には冷却通路41が分岐接続されている。この分岐接続された構成であるため、クエンチ室40に流れこむ流量が減らされて、クエンチ室40に過度な圧力を生じさせないようにすることが可能となり、メカニカルシール1に比較して耐圧シール性に劣るクエンチシール23でも大気側へのクエンチング流体Vの漏洩を防止できる。
【0051】
また、スタフィングボックス9内に冷却ジャケット11を設け、回転軸3外周と冷却ジャケット11内周との隙間を極小に絞り、この隙間に介在するシール流体の体積を極小にすることで、冷却ジャケット11による冷却効果を最大化することができる。更に、冷却ジャケット11はスタフィングボックス9に対して着脱自在となっているため、清掃が容易である。
【0052】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0053】
前記実施例においてはリザーバ50ではクエンチング流体Vから熱が排熱される構成を明記していないが、例えば、リザーバ50またはリザーバ50の近傍に、排出されて貯留されたクエンチング流体Vを冷やす熱交換器等を設置してもよいし、自然に外気により排熱される態様としてもよい。
【0054】
また、冷却通路41を通ってリザーバ50に回収されたクエンチング流体Vは廃棄し、再利用しない態様としてもよい。