(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1面に設けられた第1凸部であって、第1領域及び第2領域を含み、前記第1領域は、複数の第1ステップを含む第1階段部を有し、複数の第1ステップの1つは、第1ステップ高さ及び第1ステップ幅を有し、前記第2領域は、複数の第2ステップを含む第2階段部を有し、複数の第2ステップの1つは、前記第1ステップ高さ及び前記第1ステップ幅を有する前記第1凸部と、
前記第1面において前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第1凹部であって、前記第1凹部は、前記第1ステップ高さとは異なる第1凹部深さ、及び、前記第1ステップ幅とは異なる第1凹部幅の少なくともいずれかを有した前記第1凹部と、
を備え、
前記第1凹部は、曲面を含む、テンプレート。
第1面に設けられた第1凸部であって、第1領域及び第2領域を含み、前記第1領域は、複数の第1ステップを含む第1階段部を有し、複数の第1ステップの1つは、第1ステップ高さ及び第1ステップ幅を有し、前記第2領域は、複数の第2ステップを含む第2階段部を有し、複数の第2ステップの1つは、前記第1ステップ高さ及び前記第1ステップ幅を有する前記第1凸部と、
前記第1面において前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第1凹部であって、前記第1凹部は、前記第1ステップ高さとは異なる第1凹部深さ、及び、前記第1ステップ幅とは異なる第1凹部幅の少なくともいずれかを有した前記第1凹部と、
を備え、
前記第1凹部は、底部領域と、中間領域と、を含み、
前記底部領域は、前記第1領域と前記中間領域との間、及び、前記第2領域と前記中間領域との間に設けられ、
前記第1凸部を基準とした前記底部領域の深さは、前記第1凸部を基準とした前記中間領域の深さよりも深い、テンプレート。
第1面に設けられた第1凸部であって、第1領域及び第2領域を含み、前記第1領域は、複数の第1ステップを含む第1階段部を有し、複数の第1ステップの1つは、第1ステップ高さ及び第1ステップ幅を有し、前記第2領域は、複数の第2ステップを含む第2階段部を有し、複数の第2ステップの1つは、前記第1ステップ高さ及び前記第1ステップ幅を有する前記第1凸部と、
前記第1面において前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた第1凹部であって、前記第1凹部は、前記第1ステップ高さとは異なる第1凹部深さ、及び、前記第1ステップ幅とは異なる第1凹部幅の少なくともいずれかを有した前記第1凹部と、
第2凹部と、
第3凹部と、
を備え、
前記第1凸部は、第3領域及び第4領域をさらに含み、
前記第1領域と前記第4領域との間に前記第2領域があり、
前記第2領域と前記第4領域との間に前記第3領域があり、
前記第3領域は、前記第1面に設けられ、複数の第3ステップを含む第3階段部を有し、複数の第3ステップの1つは、前記第1ステップ高さ及び前記第1ステップ幅を有し、 前記第4領域は、前記第1面に設けられ、複数の第4ステップを含む第4階段部を有し、複数の第4ステップの1つは、前記第1ステップ高さ及び前記第1ステップ幅を有し、
前記第2凹部は、前記第1面において前記第3領域と前記第4領域との間に設けられ、前記第1ステップ高さとは異なる第2凹部深さ、及び、前記第1ステップ幅とは異なる第2凹部幅の少なくともいずれかを有し、
前記第3凹部は、前記第1面において前記第2領域と前記第3領域との間に設けられ、
前記第1領域と前記第2領域との間の距離は、前記第2領域と前記第3領域との間の距離よりも長い、テンプレート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)〜
図1(c)は、第1の実施形態に係るテンプレートを例示する模式図である。
図1(a)は、
図1(b)の矢印AAからみた平面図である。
図1(b)は、
図1(b)のA1−A2線断面図である。
図1(c)は、
図1(b)の一部を拡大した断面図である。
【0009】
図1(a)〜
図1(c)に示すように、本実施形態に係るテンプレート110は、第1面10fを有する。テンプレート110は、第1凸部11P及び第1凹部21を含む。第1凸部11P及び第1凹部21は、第1面10fに設けられる。
【0010】
第1面10fに対して実質的に垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。テンプレート110は、実質的にX−Y平面に沿って広がる板状である。
【0011】
第1凸部11Pは、複数の領域(例えば、第1領域11及び第2領域12など)を含む。この例では、第1凸部11Pは、格子状である。第1凸部11Pの複数の部分は、X軸方向に沿って延びる。第1凸部11Pの別の複数の部分は、Y軸方向に沿って延びる。
【0012】
例えば、テンプレート110を1つの位置でZ−X平面で切断したときに、第1凸部11Pの複数の部分が、X軸方向に沿って並ぶ。第1凸部11Pの複数の部分の1つが、第1領域11となる。第1凸部11Pの複数の部分の別の1つが、第2領域12となる。
【0013】
図1(c)に示すように、第1凸部11Pの複数の部分の側面は、階段状である。
【0014】
例えば、第1領域11は、第1階段部11stを有する。第1階段部11stは、複数の第1ステップ11spを含む。複数の第1ステップの1つ(それぞれ)は、第1ステップ高さ11h及び第1ステップ幅11wを有する。第1ステップ高さ11hは、複数の第1ステップの1つのZ軸方向に沿った高さ(長さ)である。第1ステップ幅11wは、例えば、複数の第1ステップ11spの1つのX軸方向に沿った幅(長さ)である。幅の方向は、高さの方向と交差する。
【0015】
第2領域12は、第2階段部12stを有する。第2階段部12stは、複数の第2ステップ12spを含む。複数の第2ステップ12spの1つ(それぞれ)は、上記の第1ステップ高さ11h及び第1ステップ幅11wを有する。第2領域12は、例えば、上記の幅の方向において、第1領域11と対向する。
【0016】
このように、例えば、第1面10fに設けられる複数の凸部のそれぞれは、階段部を有している。この階段部は、同じステップ高さ及び同じステップ幅を有する。テンプレート110を用いて、インプリントによるパターンが形成される。このときに、この階段部の形状が、被転写材(樹脂液膜)に転写される。
【0017】
一方、第1凹部21は、第1面10fにおいて、第1領域11と第2領域12との間に設けられる。
図1(b)に示すように、第1面10fに複数の凹部が設けられる。複数の凹部の1つが、第1凹部21となる。
【0018】
図1(a)に示すように、例えば、複数の凹部は、島状である。複数の凹部のそれぞれの周りに、第1凸部11Pが設けられる。
【0019】
図1(c)に示すように、第1凹部21は、第1凹部深さ21h及び第1凹部幅21wを有する。第1凹部深さ21hは、Z軸方向に沿った高さ(長さ)である。第1凹部幅21wは、例えば、第1凹部21のX軸方向に沿った幅(長さ)である。実施形態において、第1凹部深さ21hは、第1ステップ高さ11hとは異なる。例えば、第1凹部幅21wが、第1ステップ幅11wと異なる。
【0020】
このように、第1凹部21は、第1ステップ高さ11hとは異なる第1凹部深さ21h、及び、第1ステップ幅11wとは異なる第1凹部幅21wの少なくともいずれかを有する。第1凹部21は、階段部とは異なる形状を有する。
【0021】
テンプレート110を用いてインプリントによりパターンが形成される。この工程において、この第1凹部21に、気泡が形成される得る。例えば、上記のように、テンプレート110の階段部は、転写されるパターンを有する。一方、テンプレート110と被転写材(樹脂液膜)との間に気体が挟まれたときに、気体による気泡が第1凹部21に格納される。気体は、例えば、空気を含む。気体は、窒素またはヘリウムなどを含んでも良い。実施形態においては、気泡が階段部に形成されることが、抑制される。これにより、転写するための階段部により、所望のパターン形状が得られる。一方、第1凹部21は、パターン形状の異常の原因となる気泡が格納される場所として機能する。この状態の例については、後述する。
【0022】
実施形態によれば、例えば、気泡によるパターン形状異常が抑制できる。成形性の良好なテンプレートが提供できる。成形性の良好なテンプレートを用いることにより、良好なパターンの半導体装置の製造方法が提供できる。
【0023】
この例では、実施形態において、第1凹部深さ21hは、第1ステップ高さ11hよりも大きい。第1凹部幅21wは、第1ステップ幅11wよりも大きい。これにより、気泡が第1凹部21に安定して格納される。第1凹部21に気泡が格納された後において、第1凹部21内に設けられる樹脂層を十分に厚くできる。これにより、パターン形状がより安定化する。
【0024】
さらに、
図1(b)に示すように、テンプレート110の外縁10rに沿って、外縁凹部25が設けられる。例えば、テンプレート110を用いてインプリントによるパターンを形成する工程において、テンプレート110の外縁10rに、被転写材(樹脂液膜)が押し出される場合がある。押し出された被転写材(樹脂液膜)によりパターン不良が発生する場合があることがわかった。実施形態においては、外縁10rに沿って外縁凹部25を設けることで、押し出される被転写材(樹脂液膜)を外縁凹部25に格納することができる。例えば、押し出される被転写材(樹脂液膜)がテンプレート110よりも広く広がることが抑制できる。この状態の例については、後述する。
【0025】
実施形態によれば、例えば、押し出される被転写材の広がりを抑制できる。これにより、成形性の良好なテンプレートが提供できる。成形性の良好なテンプレートを用いることにより、良好なパターンの半導体装置の製造方法が提供できる。
【0026】
テンプレート110のX軸方向の長さLx(
図1(a)参照)は、例えば、10mm以上40mm以下などである。テンプレート110のY軸方向の長さLy(
図1(a)参照)は、例えば、10mm以上40mm以下などである。テンプレート110の厚さ(Z軸方向の長さLz、
図1(b)参照)は、例えば、0.05mm以上10mm以下などである。これらの値は例である。
【0027】
複数の凹部の1つ(例えば、第1凹部21)のX軸方向の長さ(第1凹部幅21w)は、例えば、0.05mm以上10mm以下などである。第1凹部21のY軸方向の長さは、例えば、0.05mm以上10mm以下などである。第1凹部深さ21hは、例えば、10nm以上2000nm以下である。
【0028】
第1ステップ高さ11hは、例えば、10nm以上500nm以下である。第1ステップ幅11wは、例えば、10nm以上2000nm以下である。
【0029】
実施形態に係るテンプレート110には、例えば石英が用いられている。テンプレート110は、例えば、透光性を有する。テンプレート110において、光に対する透過性が高い。
【0030】
以下、テンプレート110を用いた半導体装置の製造方法の例について説明する。
図2(a)、
図2(b)、
図3(a)及び
図3(b)は、第1の実施形態に係るテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。以下に説明する図において、図を見やすくするために、複数の階段の一部が省略されて図示される場合もある。
この例では、テンプレート110の形状が、積層体に転写される。
【0031】
図2(a)に示すように、基板40s(例えばシリコン基板など)の上に、積層体40が設けられている。積層体40は、複数の第1層41及び複数の第2層42を含む。複数の第1層41及び複数の第2層42は、基板40sの上に交互に設けられる。第1層41は、例えば、シリコン酸化膜である。第2層42は、シリコン窒化膜である。このように、第1層41の材料は、第2層42の材料とは異なる。
【0032】
このような積層体40の上に、被転写材(樹脂液膜30)を塗布する。塗布の方法は、任意である。塗布においては、例えば、スピンコートまたはインクジェットディスペンスなどが行われる。樹脂液膜30は、例えばレジストである。
【0033】
この後、テンプレート110の第1面10fを樹脂液膜30に接触させる。例えば、第1凸部11Pが樹脂液膜30に接触する。例えば、第1領域11及び第2領域12を樹脂液膜30に接触させる。このとき、第1凹部21の少なくとも一部と樹脂液膜30とが離れた状態が形成される。この離れた状態は、気泡30vにより形成される。このように、第1凹部21に、気泡30vが格納される。これにより、気泡30vは、他の部分には実質的に形成されない。例えば、気泡30vが、階段部の第1領域11及び第2領域12に形成されることが抑制できる。
【0034】
この状態で、樹脂液膜30を固体化させる。例えば、樹脂液膜30が光硬化性を有する場合は、光(例えば紫外線)が照射される。例えば、樹脂液膜30が熱硬化性を有する場合は、加熱が行われる。これにより、樹脂液膜30から樹脂層30Lが得られる。樹脂層30Lは、テンプレート110と対向する表面30Lfを有する。表面30Lfは、第1凸部11P(第1領域11及び第2領域12など)の形状を反映した形状を有する。
【0035】
このように、テンプレート110の第1面10fの少なくとも一部の形状が、樹脂層30Lの表面30Lfに転写される。例えば、第1領域11及び第2領域12などの階段部の形状が、樹脂層30Lに転写される。一方、第1凹部21の形状は、樹脂層30Lに必ずしも転写されない。これは、気泡30vによる。換言すると、気泡30vが第1凹部21に集められることにより、第1領域11及び第2領域12などの階段部の形状が、樹脂層30Lに良好に転写される。
【0036】
図2(b)に示すように、樹脂層30Lから、テンプレート110の第1面10fを離す。上記のように、気泡30vが第1凹部21に集められることにより、第1領域11及び第2領域12などの階段部の形状が、樹脂層30Lに良好に転写される。一方、第1凹部21に対応する部分には、気泡30vに対応する凹部が形成される。この凹部の底面と積層体40の上面との間には、十分な厚さの樹脂層30Lが存在できる。例えば、第1凹部深さ21hを適切に設定する。これにより、この状態が形成できる。
【0037】
図3(a)に示すように、樹脂層30Lをマスクとして用いて、積層体40を加工する。例えば、RIE(Reactive Ion Etching)などのエッチングが行われる。例えば、樹脂層30Lに形成された階段形状が、積層体40に転写される。
【0038】
図3(b)に示すように、樹脂層30Lを除去する。
【0039】
この後、例えば、積層体40のうちの第1凹部21に対応する領域に、メモリセル(図示しない)となる部分を形成する。第1層41及び第2層42の一方を除去し、他方を残す。このとき、メモリセルとなる部分により、残った他方が支持されても良い。除去されて形成された空間に導電材料(例えばタングステンなど)が導入される。この導電材料により、積層された複数の導電層が形成できる。さらに、例えば、階段形状の部分において、複数の導電層のそれぞれに、Z軸方向に延びる接続部(例えばビア電極)を形成する。複数の導電層は、半導体記憶装置(例えば3次元メモリ)のワード線などとして機能する。
【0040】
図4は、第1の実施形態に係るテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図4は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図4では、テンプレート110の外縁10rの状態を例示している。
図4に示すように、テンプレート110では、外縁10rに沿って外縁凹部25が設けられている。このため、樹脂液膜30が、第1凸部11Pの第1領域11及び第2領域12などと接触したときに、外縁10r部分において樹脂液膜30が外縁凹部25に入る。このため、押し出される被転写材(樹脂液膜30)がテンプレート110よりも広く広がることが抑制できる。
【0041】
図5は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを例示する模式的断面図である。
図5に示すように、テンプレート111においても、第1凸部11P及び第1凹部21が設けられる。この例では、第1凹部21は、曲面を含む。
【0042】
図6は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図6は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図6に示すように、テンプレート111の第1領域11及び第2領域12が、樹脂液膜30と接触する。テンプレート111と樹脂液膜30との間に気泡30vが形成された場合、気泡30vは、第1凹部21に集まる。階段部においては、気泡30vが実質的に形成されない。このように、この例においても、第1領域11及び第2領域12を樹脂液膜30に接触させたときに、第1凹部21の少なくとも一部と樹脂液膜30とが離れた状態となる。この状態で、樹脂液膜30を固体化させる。テンプレート111においても、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法が提供できる。
【0043】
図7は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを例示する模式的断面図である。
図7に示すように、テンプレート112においても、第1凸部11P及び第1凹部21が設けられる。この例では、第1凹部21に、複数の小さいステップが設けられている。第1凹部21は、第1ステップ高さ11hとは異なる第1凹部深さ21hを有している。第1凹部21は、第1ステップ幅11wとは異なる第1凹部幅21wを有している。例えば、テンプレート110においては、転写のための階段部(第1階段部11st及び第2階段部12stなど)ではない階段部が設けられている。
【0044】
図8は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図8は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図8に示すように、テンプレート112の第1領域11及び第2領域12が、樹脂液膜30と接触する。テンプレート112と樹脂液膜30との間に気泡30vが形成された場合、気泡30vは、第1凹部21に集まる。階段部においては、気泡30vが実質的に形成されない。テンプレート112においても、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法が提供できる。
【0045】
図9は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを例示する模式的断面図である。
図9に示すように、テンプレート113においても、第1面10fに、第1凸部11P及び第1凹部21が設けられる。この例では、第1凹部21は、底部領域21A及び中間領域21Bを含む。底部領域21Aは、第1領域11と中間領域21Bとの間、及び、第2領域12と中間領域21Bとの間に設けられる。第1凸部11Pを基準とした底部領域21Aの深さは、第1凸部11Pを基準とした中間領域21Bの深さよりも深い。例えば、底部領域21Aは、中間領域21Bの周りを囲むように連続しても良い。底部領域21Aは、中間領域21Bにより複数の部分に分割されていても良い。
【0046】
図10は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図10は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図10に示すように、テンプレート113の第1領域11及び第2領域12が、樹脂液膜30と接触する。テンプレート113と樹脂液膜30との間に気泡30vが形成された場合、気泡30vは、第1凹部21の部分に集まる。例えば、階段部と接触した樹脂液膜30は、底部領域21A内に入る。気泡30vは、例えば、中間領域21Bと樹脂液膜30との間に集まる。階段部においては、気泡30vが実質的に形成されない。このように、この例においても、第1領域11及び第2領域12を樹脂液膜30に接触させたときに、第1凹部21の少なくとも一部と樹脂液膜30とが離れた状態となる。この状態で、樹脂液膜30を固体化させ、樹脂層30Lが得られる。テンプレート113を樹脂層30Lから離す。
【0047】
このようなテンプレート113を用いた場合、樹脂層30Lの表面30Lfには、気泡30vに対応する凹状部分が形成される。この凹状部分の周りに、底部領域21Aに対応する凸状領域が形成される。
【0048】
例えば、この凹状部分の底面と積層体40との間における樹脂層30Lの厚さは過度に薄くなる場合がある。このとき、この凹状部分に、別の樹脂液(レジスト)を後から部分的に塗布しても良い。このとき、後から部分的に塗布された樹脂液は、底部領域21Aに対応する凸状領域により、せき止められる。樹脂液が階段部分に広がることが抑制できる。
【0049】
テンプレート113においても、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法が提供できる。
【0050】
図11(a)〜
図11(c)は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを例示する模式図である。
図11(a)は、
図11(b)の矢印AAからみた平面図である。
図11(b)は、
図11(b)のA1−A2線断面図である。
図11(c)は、
図11(b)の一部を拡大した断面図である。
【0051】
これらの図に示すように、本実施形態に係る別のテンプレート120は、第1凸部11P及び第1凹部21に加えて、第2凹部22及び第3凹部23をさらに含む。そして、第1凸部11Pは、第3領域13及び第4領域14をさらに含む。
【0052】
例えば、第1領域11と第4領域14との間に第2領域12がある。第2領域12と第4領域14との間に第3領域13がある。
【0053】
第3領域13も、第1面10fに設けられる。第3領域13は、第3階段部13stを有する。第3階段部13stは、複数の第3ステップ13spを含む。複数の第3ステップ13spの1つ(それぞれ)は、第1ステップ高さ11h及び第1ステップ幅11wを有する。
【0054】
第4領域14も、第1面10fに設けられる。第4領域14は、第4階段部14stを有する。第4階段部14stは、複数の第4ステップ14spを含む。複数の第4ステップ14spの1つ(それぞれ)は、第1ステップ高さ11h及び第1ステップ幅11wを有する。
【0055】
第2凹部22は、第1面10fにおいて第3領域13と第4領域14との間に設けられる。第2凹部22は、第1ステップ高さ11hとは異なる第2凹部深さ22h、及び、第1ステップ幅11wとは異なる第2凹部幅22wの少なくともいずれかを有する。
【0056】
第3凹部23は、第1面10fにおいて第2領域12と第3領域13との間に設けられる。第3凹部23は、第3凹部深さ23h及び第3凹部幅23wを有する。この例では、第3凹部深さ23hは、第1ステップ高さ11hとは異なる。第3凹部幅23wは、第1ステップ幅11wとは異なる。
【0057】
第1領域11と第2領域12との間の距離L1は、第2領域12と第3領域13との間の距離L3よりも長い。第3領域13と第4領域14との間の距離L2は、第2領域12と第3領域13との間の距離L3よりも長い。
【0058】
第1凹部21は、例えば、1つの機能部(例えばメモリ部)に対応する。第2凹部22は、例えば、別の1つの機能部(例えばメモリ部)に対応する。第1領域11及び第2領域12は、例えば、1つの機能部の配線接続領域に対応する。第3領域13及び第4領域14は、例えば、別の1つの機能部の配線接続領域に対応する。第3凹部23は、例えば、2つの機能部を分断するパターンである。第3凹部23を用いて転写されたパターンは、チップを分割するためのダイシングラインパターンに対応する。第3凹部23は、例えば2つの機能部のカーフ部に対応する。例えば、カーフ部において分断することで、2つの機能部が分断される。
【0059】
この例では、第2領域12の第3凹部23側にも、階段部(第2階段部12st、傾斜部)が設けられている。第3領域13の第3凹部23側にも、階段部(第3階段部13st、傾斜部)が設けられている。傾斜部が設けられることで、例えば、テンプレート120を樹脂層30Lから離すことが容易になる。
【0060】
この例において、第3凹部23は、第1ステップ高さ11hとは異なる第3凹部深さ23h、及び、第1ステップ幅11wとは異なる第3凹部幅23wの少なくともいずれかを有しても良い。
【0061】
図12は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図12は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図12に示すように、テンプレート120の第1領域11及び第2領域12が、樹脂液膜30と接触する。テンプレート120と樹脂液膜30との間に気泡30vが形成された場合、気泡30vは、第1凹部21、第2凹部22及び第3凹部23に集まる。階段部においては、気泡30vが実質的に形成されない。テンプレート120においても、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法が提供できる。
【0062】
図13は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを例示する模式的断面図である。
図13では、第1凹部21は省略されている。第1凹部21の形状は、第2凹部22の形状と同じである。
図13に示すように、凹部(第1凹部21、第2凹部22及び第3凹部23など)は、曲面を含む。
【0063】
この例では、第3凹部23の深さは、第2凹部22(及び第1凹部21)の深さよりも深い。
【0064】
図14は、第1の実施形態に係る別のテンプレートを用いた半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図14は、
図2(a)に対応する工程を例示している。
図14に示すように、テンプレート121の第1領域11及び第2領域12が、樹脂液膜30と接触する。テンプレート121と樹脂液膜30との間に気泡30vが形成された場合、気泡30vは、第1凹部21、第2凹部22及び第3凹部23に集まる。階段部においては、気泡30vが実質的に形成されない。テンプレート121においても、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法が提供できる。
【0065】
(第2の実施形態)
本実施形態は、パターン形成方法に関する。パターン形成方法は、半導体装置の製造方法を含んでも良い。
【0066】
この方法においては、例えば、基板40sの上に交互に設けられた複数の第1層41及び複数の第2層42を含む積層体40の上に樹脂液膜30を形成する。例えば、
図2(a)に関して説明した処理を行う。
【0067】
この方法では、第1の実施形態に係るテンプレート(例えばテンプレート110)の第1面10fの第1領域11及び第2領域12を樹脂液膜30に接触させ第1凹部21の少なくとも一部と樹脂液膜30とが離れた状態で樹脂液膜30を固体化させて樹脂層30Lを形成する。樹脂層30Lは、第1領域11及び第2領域12の形状に対応する表面30Lfを有する。この後、樹脂層30Lから第1面10fを離す。例えば、
図2(a)及び
図2(b)に関して説明した処理を行う。
【0068】
この方法では、樹脂層30Lをマスクとして積層体40を加工する。例えば、
図3(a)に関して説明した処理を行う。
【0069】
本実施形態によれば、成形性の良好なパターン形成方法(例えば半導体装置の製造方法)が提供できる。
【0070】
例えば、気体環境(例えば大気圧環境)などで階段パターンを有するテンプレートを用いたインプリントを行う際、階段テンプレートの凹部分に気体がトラップされる場合がある。この気体(バブル)により、レジスト欠陥が発生する。バブルによる欠陥の周辺において、レジスト不足が生じる。レジスト不足により、後工程のエッチングにおいて、被加工膜に欠陥が生じる。
【0071】
一方、テンプレートの外縁において、レジスト押し出し物が発生することもある。これにより、テンプレート周りの所定の領域が使用できなくなる。この領域の幅は、例えば1μm以上1mm以下である。
【0072】
実施形態においては、階段インプリントの際に、凹部により、階段部分とは異なる領域でバブルをトラップする。これにより、レジスト欠陥が抑制できる。実施形態においては、テンプレートの外縁の凹部を設けることで、この凹部で押し出し物をトラップする。これにより、テンプレートの周りに押し出し物が広がることが抑制される。
【0073】
実施形態は、例えば、半導体記憶装置(例えば3次元メモリ)の配線接続部の形成に応用できる。
【0074】
実施形態によれば、例えば、減圧環境ではなく、気体環境(例えば大気圧環境など)の環境においても、バブルを抑制できる。これにより、インプリント工程において、例えば、高いスループットが得られる。常圧環境でのインプリントが可能であるため、製造装置が簡単になる。
【0075】
実施形態によれば、成形性の良好なテンプレート及び半導体装置の製造方法を提供できる。
【0076】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0077】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、テンプレートに含まれる凸部及び凹部、並びに、半導体装置に含まれる基板、積層体及び層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0078】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0079】
その他、本発明の実施の形態として上述したテンプレート及び半導体装置の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのテンプレート及び半導体装置の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0080】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。