(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反応性金属が、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)、カリウム(K)、リチウム(Li)、またはこれらのいずれかの組み合わせを更に含む、請求項1に記載のデバイス。
前記第1の金属カラーが、ブレイズまたは溶接によって、前記第2の金属カラーに接合され、および/または前記第2の金属カラーが、ブレイズまたは溶接によって、前記容器に接合される、請求項21に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の種々の実施形態が本明細書において示され、記載されているが、こうした実施形態が例としてのみ提供されることは当業者にとって明らかである。多数のバリエーション、変更および置換は、本発明から逸脱することなく当業者が行うことができる。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替が使用されてもよいことが理解されるべきである。本発明の異なる態様は、個々に、集合的にまたは互いに組み合わせて認識できることが理解されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「セル」は、一般に電気化学セルを指す。セルは、A||Bと示されるような、材料「A」の負極および材料「B」の正極を含むことができる。正極および負極は、電解質によって分離できる。セルはまた、ハウジング、1つ以上の集電体、および高温の電気的に隔離するシールを含むことができる。一部の場合には、セルは、約4インチ幅、約4インチ深さおよび約2.5インチ高さであることができる。一部の場合には、セルは、約8インチ幅、約8インチ深さおよび約2.5インチ高さであることができる。一部の例では、電気化学セルのいずれかの所与の寸法(例えば、高さ、幅または深さ)は、少なくとも約1、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、14、16、18または20インチであることができる。例において、セル(例えば各セル)は、約4インチ×4インチ×2.5インチの寸法を有することができる。別の例において、セル(例えば各セル)は、約8インチ×8インチ×2.5インチの寸法を有することができる。一部の場合において、セルは、少なくとも約70ワット時のエネルギー貯蔵容量を有していてもよい。一部の場合において、セルは、少なくとも約300ワット時のエネルギー貯蔵容量を有していてもよい。
【0024】
本明細書に使用される場合、用語「モジュール」とは、一般に、例えば1つのセルのセルハウジングを隣接セルのセルハウジングと機械的に接続することによって、並列に共に取り付けられたセルを指す(例えば、ほぼ水平なパッキング面において共に接続されるセル)。一部の場合に、セルは、セル本体の一部であるおよび/またはセル本体に接続される特徴要素を接合することによって、互いに接続される(例えば、セル本体の主要部分から突出するタブ)。モジュールは、並列に複数のセルを含むことができる。モジュールは、いずれかの数のセル、例えば少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上のセルを含むことができる。一部の場合において、モジュールは、少なくとも約4、9、12、または16セルを含む。一部の場合において、モジュールは、約700ワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約175ワットの電力を送達できる。一部の場合において、モジュールは、少なくとも約1080ワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約500ワットの電力を送達できる。一部の場合において、モジュールは、少なくとも約1080ワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約200ワット(約500ワット)の電力を送達できる。一部の場合において、モジュールは、シングルセルを含むことができる。
【0025】
本明細書に使用される場合、用語「パック」は、一般に、異なる電気接続を通して取り付けられる(例えば垂直に)モジュールを指す。パックは、いずれかの数のモジュール、例えば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上のモジュールを含むことができる。一部の場合において、パックは、少なくとも約3モジュールを含む。一部の場合において、パックは、少なくとも約2キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約0.4キロワット(例えば少なくとも約0.5キロワットまたは1.0キロワット)の電力を送達できる。一部の場合において、パックは、少なくとも約3キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約0.75キロワット(例えば少なくとも約1.5キロワット)の電力を送達できる。一部の場合において、パックは、少なくとも約6モジュールを含む。一部の場合において、パックは、約6キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約1.5キロワット(例えば約3キロワット)の電力を送達できる。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「コア」は、一般に、異なる電気的接続(例えば直列および/または並列)を通して取り付けられた複数のモジュールまたはパックを指す。コアは、いずれかの数のモジュールまたはパック、例えば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50またはそれ以上のパックを含むことができる。一部の場合において、コアはまた、制御された様式で電気エネルギーを効率良く貯蔵および回復できる機械的、電気的および熱的システムを含む。一部の場合において、コアは、少なくとも約12パックを含む。一部の場合において、コアは、少なくとも約25キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約6.25キロワットの電力を送達できる。一部の場合において、コアは、少なくとも約36パックを含む。一部の場合において、コアは、少なくとも約200キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約40、50、60、70、80、90または100キロワット以上の電力を送達できる。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「コアエンクロージャ」または「CE」は、一般に、異なる電気的接続(例えば直列および/または並列)を通して取り付けられた複数のコアを指す。CEは、いずれかの数のコア、例えば少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上のコアを含むことができる。一部の場合において、CEは、適切なバイパス電子回路と共に並列に接続されたコアを含有し、故にコアは切断されることができる一方で、他のコアがエネルギーを貯蔵および回復できるように継続される。一部の場合、CEは、少なくとも4コアを含む。一部の場合において、CEは、少なくとも約100キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または約25キロワットの電力を送達できる。一部の場合、CEは、4コアを含む。一部の場合において、CEは、約100キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または約25キロワットの電力を送達できる。一部の場合に、CEは、約400キロワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約80キロワット、例えば少なくともまたは約80、100、120、140、160、180または200キロワットまたはそれ以上の電力を送達できる。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「システム」は、一般に、異なる電気的接続(例えば直列および/または並列)を通して取り付けられた複数のコアまたはCEを指す。システムは、いずれかの数のコアまたはCE、例えば少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上のコアを含むことができる。一部の場合、システムは20CEを含む。一部の場合において、システムは、約2メガワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約400キロワット(例えば約500キロワットまたは約1000キロワット)の電力を送達できる。一部の場合、システムは5CEを含む。一部の場合に、システムは、約2メガワット時のエネルギーを貯蔵でき、および/または少なくとも約400キロワット、例えば少なくとも約400、500、600、700、800、900、1000キロワットまたはそれ以上の電力を送達できる。
【0029】
所与のエネルギー容量および電力容量を有する一群のセル(例えばコア、CE、システムなど)(例えば所与の量のエネルギーを貯蔵できるCEまたはシステム)は、所与(例えば定格)電力レベルの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%を送達するように構成されてもよい。例えば、1000kWシステムは、500kWにて操作できる場合があるが、500kWシステムは、1000kWで操作できない場合がある。一部の場合において、所与のエネルギー容量および電力容量を有するシステム(例えば所与の量のエネルギーを貯蔵できるCEまたはシステム)は、所与(例えば定格)電力レベルの約100%未満、約110%未満、約125%未満、約150%未満、約175%未満、約200%などを送達するように構成されてもよい。例えば、システムは、提供されている電力レベルにてそのエネルギー容量を消費するのにかかり得る時間よりも短い期間、その定格電力容量超過を提供する(例えば、その定格エネルギー容量の約1%未満、約10%未満または約50%未満に対応する期間にシステムの定格電力を超える電力を提供する)ように構成されてもよい。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「バッテリ」は、一般に、直列および/または並列に接続された1つ以上の電気化学セルを指す。バッテリは、いずれかの数の電気化学セル、モジュール、パック、コア、CEまたはシステムを含むことができる。バッテリは、少なくとも1つの充電/放電または放電/充電サイクル(「サイクル」)を行っていてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「直接金属間接合」または「直接金属間ジョイント」は、一般に、2つの金属表面が接触する電気接続を指す(例えばブレイズまたは溶接を形成することによって)。一部の例において、直接金属間ジョイントはワイヤを含んでいない。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「相互接続」は、一般に、直接金属間ジョイント以外のいずれかの電気接続を指す。相互接続は、電流を通すように設計されたワイヤまたはベントシート金属構成要素を含むことができる。相互接続は柔軟性(例えば可撓性)であってもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「ワイヤ」は、一般に、いずれかのコード、ストリップまたは細長い電線管を指す。ワイヤは可撓性であることができる。本明細書で使用される場合、編組金属ストリップはワイヤである。一部の場合において、バスバーはワイヤである。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「電子的」とは、一般に、電子が、2以上の構成要素間をほとんど抵抗なく、容易に流れることができる状況を指す。互いに電子的に連通状態にある構成要素は、互いに電気的に連通状態であることができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「垂直」とは、一般に、重力に対して平行である方向を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「充電カットオフ電圧」または「CCV」は、一般に、一定の電流モードにおいてサイクルされる場合に、バッテリに使用される電圧カットオフ限度のような、セルが完全または実質的に完全に充電される電圧を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「開回路電圧」または「OCV」は、一般に、いずれかの回路または外部負荷から切断される場合(すなわち、電流がセルを通って流れない場合)における、セル(例えば完全または部分的に充電された)の電圧を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「電圧」または「セル電圧」は、一般に、セルの電圧(例えば、充電状態または充電/放電条件において)を指す。一部の場合において、電圧またはセル電圧は、開回路電圧であってもよい。一部の場合において、電圧またはセル電圧は、充電中または放電中の電圧であることができる。
【0039】
本開示の電圧は、参照電圧、例えば接地(0ボルト(V))または電気化学セルの反対側の電極の電圧に対して考慮または表され得る。
【0040】
材料を記載するために本明細書で使用される場合、用語「安定性」は、一般に、熱力学的に安定であり、化学的に安定であり、熱化学的に安定であり、電気化学的に安定であり、またはこれらのいずれかの組み合わせである材料を指す。安定な材料は、化学的または電気化学的に還元されず、攻撃もされず、腐食もされ得ない。安定な、熱力学的に安定な、または化学的に安定な材料に関連して記載される開示のいずれかの態様は、少なくとも一部の構成において、熱力学的に安定、化学的に安定、熱化学的に安定、および/または電気化学的に安定な材料に等しく適用され得る。
【0041】
高温デバイスのためのシール
本開示の態様は、高温デバイスのためのシールを提供する。デバイスは、1つ以上の反応性材料を含有する/含む高温反応性材料デバイスであることができる。例えば、高温デバイスは、反応性材料を含有できる。一部の場合において、デバイスは、高温反応性金属デバイスであることができる。デバイスは、制限されないが、製造用および/または反応性材料、例えば反応性金属(例えばリチウムまたはナトリウム)および/または強力な化学的還元能を有する化学物質(例えば反応性化学物質)の取り扱い用、半導体製造用、原子炉(例えば核融合炉、溶融塩または金属、例えば溶融ナトリウムまたはリチウムまたは溶融ナトリウム含有合金またはリチウム含有合金、例えば冷却剤を使用する原子炉)用、非均質炉用、化学加工処理デバイス用、化学輸送デバイス用、化学貯蔵デバイス用またはバッテリ用(例えば液体金属バッテリ)用であることができる。例えば、一部のバッテリは、高温(例えば少なくとも約100℃または300℃)にて操作され、バッテリ内に十分含有される必要があり得る反応性金属蒸気(例えばリチウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム)を有する。一部の例において、こうした高温デバイスは、少なくとも約100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃またはそれ以上の温度にて加熱および/または維持される。こうした温度にて、デバイスの1つ以上の構成要素は、液体(または溶融)または気化状態であることができる。
【0042】
シールは、デバイス中に含有される反応性材料(例えば反応性金属または溶融塩)で接触するセラミック材料(例えば窒化アルミニウム(AlN))を含むことができる。セラミック材料は、反応性材料(例えば、反応性金属または溶融塩のようなデバイスにおいて含有される反応性材料)に化学的に耐性であることができる。セラミック材料は、デバイスが高温(例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、または少なくとも約900℃)で操作する場合に、反応性材料に対して化学的に耐性であることができる。
【0043】
シールは、金属カラーまたはスリーブ(例えばステンレススチール(SS)またはジルコニウムから製造される)を含むことができる。スリーブおよび/またはカラー設計は、熱膨張係数(CTE)適応性であることができる(例えばCTEの差(本明細書において「CTE不一致」も同様)に適応できる)。一部の場合、スリーブはカラーであることができる。一部の場合において、カラーは円錐であることができる。例えば、カラーは、円錐金属(例えばジルコニウム)カラーであることができる。カラーに関連して記載される開示のいかなる態様も、少なくとも一部の構成においてはスリーブに等しく適用でき、その逆も同様であることができる。
【0044】
シールは、セラミック材料と、金属カラー/スリーブおよびデバイスの少なくとも1つとの間に配設される活性金属ブレイズを含むことができる。活性金属ブレイズは、セラミック材料(例えばチタン(Ti)またはジルコニウム(Zr))を化学的に還元する金属種を含むことができる。
【0045】
一部の場合、シールは、電気伝導性フィードスルーを取り囲むことができ(デバイスのハウジングからフィードスルーを電気的で隔離できる)、熱電対または電圧センサを取り囲むことができる。例えば、セラミック材料は絶縁体であることができる。
【0046】
一部の例において、シールは、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、または少なくとも約900℃の温度にてデバイスの反応性材料に対して化学的に耐性であることができる場合がある。一部の例において、シールは、少なくとも約6ヶ月、1年、2年、5年、10年またはそれ以上、こうした温度にて反応性材料に対して化学的に耐性であることができる場合がある。一部の例において、デバイスは高温反応性金属デバイスであることができ、シールは、反応性基材を含むデバイスにおいて材料に対して化学的に耐性であることができる。例において、シールは、少なくとも約1年の間、少なくとも約350℃の温度にてリチウム蒸気に対して耐性であることができる。シールは、デバイス中に反応性材料(例えば反応性材料の蒸気)を保持することができる。例えば、シールは、デバイス中に反応性金属蒸気および/または溶融塩蒸気を保持できる。
【0047】
電気化学セル、デバイスおよびシステム
本開示は、電気化学エネルギー貯蔵デバイス(例えばバッテリ)およびシステムを提供する。電気化学エネルギー貯蔵デバイスは、一般に、ハウジング内にシールされる(例えば密封シールされる)、少なくとも1つの電気化学セル(本明細書では「セル」および「バッテリセル」も同様)を含む。セルは、負荷、例えば電子デバイス、別のエネルギー貯蔵デバイスまたは送電網に電気エネルギー(例えば電位下の電子)を送達するように構成できる。
【0048】
開示の電気化学セルは、負極、負極に隣接する電解質、および電解質に隣接する正極を含むことができる。負極は、電解質によって正極から分離できる。負極は、放電中にアノードであることができる。正極は、放電中にカソードであることができる。
【0049】
一部の例において、電気化学セルは、液体金属バッテリセルである。一部の例において、液体金属バッテリセルは、液体(例えば溶融)金属負極と、液体(例えば溶融)金属、半金属および/または非金属正極との間に配列された液体電解質を含むことができる。一部の例において、液体金属バッテリセルは、溶融アルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム)またはアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)負極、電解質、および溶融金属正極を有する。溶融金属正極は、例えばスズ、鉛、ビスマス、アンチモン、テルルおよびセレンの1つ以上を含むことができる。例えば、正極は、PbまたはPb−Sb合金を含むことができる。正極はまた、単独でまたは他の金属と組み合わせて1つ以上の遷移金属またはdブロック元素(例えば、Zn、Cd、Hg)、半金属または非金属、例えばZn−Sn合金またはCd−Sn合金を含むことができる。一部の例において、正極は、1つだけの安定な酸化状態(例えば、単一または単数の酸化状態)を有する金属または半金属を含むことができる。本明細書において金属または溶融金属正極、または正極のいずれかの記載は、金属、半金属の1つ以上および非金属を含む電極を指し得る。正極は、材料の列挙された例の1つ以上を含有してもよい。例において、溶融金属正極は、鉛およびアンチモンを含むことができる。一部の例において、溶融金属正極は、正極において合金化されたアルカリまたはアルカリ土類金属を含んでいてもよい。
【0050】
一部の例において、電気化学エネルギー貯蔵デバイスは、液体金属負極、液体金属正極、および液体塩電解質を含み、液体金属負極および液体金属正極を分離する。負極は、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、カルシウム、ナトリウム、またはこれらの組み合わせを含むことができる。正極は、元素周期表の遷移金属またはd−ブロック元素(例えば12族)、IIIA族、IVA族、VA族およびVIA族、例えば亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、プニコゲン(例えばヒ素、ビスマスおよびアンチモン)、カルコゲン(例えば、硫黄、テルルおよびセレニウム)またはこれらの組み合わせから選択される元素を含むことができる。一部の例において、正極は、元素周期表12族元素、例えば亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)および水銀(Hg)のうちの1つ以上を含む。一部の場合において、正極は、共晶を形成してもよく、または共晶ずれ混合物を形成し得る(例えば一部の場合にセルのより低い操作温度を可能にする)。一部の例において、正極は、約20:80、40:60、50:50、または80:20の第1正極種と第2電極種との比(モル%)にて、第1の正極種および第2の正極種を含む。一部の例において、正極は、約20:80、40:60、50:50、または80:20のSbとPbとの比(モル%)でSbおよびPbを含む。一部の例において、正極は、第2の正極種と混合した第1の正極種約20mol%〜80mol%を含む。一部の場合において、正極は、約20mol%〜80mol%のSb(例えばPbと混合)を含む。一部の場合において、正極は、約20mol%〜80mol%のPb(例えばSbと混合)を含む。一部の例において、正極は、Zn、Cd、Hgまたは他の金属、半金属または非金属と組み合わせたこうした材料(1または複数)、例えばZn−Sn合金、Cd−Sn合金、Zn−Pb合金、Zn−Sb合金またはBiを1つ以上含む。例において、正極は、15:85、50:50、75:25または85:15mol%のZn:Snを含むことができる。
【0051】
電解質は、塩(例えば溶融塩)、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属塩を含むことができる。アルカリまたはアルカリ土類金属塩は、活性アルカリまたはアルカリ土類金属、またはこれらの組み合わせのハロゲン化物、例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物であることができる。例において、電解質(例えばタイプ1またはタイプ2化学物質)は、塩化リチウムを含む。一部の例において、電解質は、フッ化ナトリウム(NaF)、塩化ナトリウム(NaCl)、臭化ナトリウム(NaBr)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、フッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、臭化カリウム(KBr)、ヨウ化カリウム(KI)、フッ化カルシウム(CaF
2)、塩化カルシウム(CaCl
2)、臭化カルシウム(CaBr
2)、ヨウ化カルシウム(CaI
2)、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。別の例において、電解質は、塩化マグネシウム(MgCl
2)を含む。代替として、活性アルカリ金属の塩は、例えば非塩化物ハロゲン化物、ビストリフルイミド(bistriflimide)、フルオロスルファノ−アミン、過塩素酸塩、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、またはこれらの組み合わせであることができる。一部の場合、電解質は、塩の混合物を含むことができる(例えば25:55:20mol%のLiF:LiCl:LiBr、50:37:14mol%のLiCl:LiF:LiBrなど)。電解質は、低(例えば最小の)電子コンダクタンスを示し得る(例えば電子短絡は、PbCl
2⇔PbCl
3の価数反応を介して電解質を通して生じることがあり、これが電子コンダクタンスを増大させる)。例えば、電解質は、約0.03%または0.3%以下の電子輸率(すなわち、電子の輸送による電気(電子およびイオン)電荷のパーセンテージ)を有することができる。
【0052】
一部の場合、電気化学エネルギー貯蔵デバイスの負極および正極は、エネルギー貯蔵デバイスの操作温度にて液体状態にある。液体状態で電極を維持するために、バッテリセルは、いずれかの好適な温度に加熱されてもよい。一部の例において、バッテリセルは、約100℃、約150℃、約200℃、約250℃、約300℃、約350℃、約400℃、約450℃、約500℃、約550℃、約600℃、約650℃、または約700℃の温度に加熱および/または維持される、バッテリセルは、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約450℃、少なくとも約500℃、少なくとも約550℃、少なくとも約600℃、少なくとも約650℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、または少なくとも約900℃の温度にて加熱および/または維持されてもよい。こうした場合において、負極、電解質および正極は、液体(または溶融)状態であることができる。一部の状況において、バッテリセルは、約200℃〜約600℃、約500℃〜約550℃、または約450℃〜約575℃に加熱される。
【0053】
一部の実施において、電気化学セルまたはエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも部分的または完全に自己加熱されてもよい。例えば、バッテリは、操作温度を維持するためにシステムに供給されるべき追加のエネルギーを必要とすることなく、セルが所与の操作温度(例えば液体構成要素の少なくとも1つの凍結点を超えるセル操作温度)に維持されるサイクリング操作の非効率性を通して十分な熱をシステムが発生できるのに十分な時間パーセンテージで、十分絶縁され、充電され、放電され、および/または十分なレートで調整され、および/またはサイクルされ得る。
【0054】
開示の電気化学セルは、充電された(またはエネルギー貯蔵)モードと放電されたモードとの間でサイクルするように適合され得る。一部の例において、電気化学セルは、完全に充電され、部分的に充電され、または部分的に放電され、もしくは完全に放電されることができる。
【0055】
一部の実施において、電気化学エネルギー貯蔵デバイスの充電モードの間、外部電源(例えば発電機または送電網)から受容する電流は、金属正極中に金属原子を生じさせ、1つ以上の電子を放出し、正に帯電されたイオン(すなわちカチオン)として電解質に溶解し得る。同時に、同じ種のカチオンは、電解質を通して移動でき、負極にて電子を受け取ることができ、カチオンを中性金属に転移させることによって、負極の質量を増やす。正極からの活性金属種の除去および負極への活性金属の添加により、電気化学エネルギーを貯蔵する。一部の場合において、正極からの金属の除去および電解質へのそのカチオンの添加により、電気化学エネルギーを貯蔵できる。一部の場合において、電気化学エネルギーは、正極からの活性金属種の除去および負極へのその添加、ならびに正極からの1つ以上の金属(例えば異なる金属)の除去および電解質へのそれらの添加(例えばカチオン)の組み合わせを通して貯蔵できる。エネルギー放出モードの間、電気的負荷は、電極に連結され、負極において先に添加された金属種は、金属負極から放出でき、イオンとして電解質を通過させることができ、外部回路/負荷を通して電子の外部一致フローに付随するイオンの流れと共に、正極中の中性種として堆積できる(一部の場合には正極材料との合金)。一部の場合において、電解質に先に放出された正極材料の1つ以上のカチオンは、外部回路/負荷を通して電子の外部一致フローに付随するイオンの流れと共に、正極中の中性種として堆積できる(一部の場合には、正極材料との合金)。この電気化学的に促進された金属合金化反応は、電気的負荷に対して先に貯蔵された電気化学エネルギーを放出する。
【0056】
充電状態において、負極は負極材料を含むことができ、正極は正極材料を含むことができる。放電中(例えばバッテリが負荷に連結される場合)、負極材料は、1つ以上の電子および負極材料のカチオンを生じる。一部の実施において、カチオンは、電解質を通して正極材料に移動し、正極材料(例えば合金を形成するために)と反応する。一部の実施において、正金属種のイオン(例えば正極材料のカチオン)は、正極にて電子を受容し、正極にて金属として堆積する。充電中、一部の実施において、正極での合金は解離して負極材料のカチオンを生じ、これが電解質を通して負極に移動する。一部の実施において、正極での1つ以上の金属種は、解離して電解質中に負極材料のカチオンを生じる。一部の例において、イオンは、電解質を通してアノードからカソードに移動でき、または逆も同様であることができる。一部の場合において、イオンは1つのタイプの進入イオンが電解質から同じタイプのイオンを排出するプッシュ−ポップ様式にて電解質を通して移動できる。例えば、放電中、アルカリ金属アノードおよびアルカリ金属塩化物電解質は、アノードで形成されたアルカリ金属カチオンを電解質と相互作用させて、アルカリ金属カチオンを電解質からカソードに排出するプロセスによって、アルカリ金属カチオンをカソードに寄与できる。こうした場合にアノードで形成されたアルカリ金属カチオンは、電解質を通してカソードに必ずしも移動するわけではない。カチオンは、アノードと電解質との間の界面にて形成でき、カソードおよび電解質の界面にて受容できる。
【0057】
本開示は、タイプ1およびタイプ2セルを提供し、これらは活性構成要素の組成(例えば負極、電解質および正極)、およびセルの操作モード(例えば低電圧モード対高電圧モード)に基づいて変動でき、これらによって規定できる。セルは、操作のタイプ2モードにおいて使用するために構成される材料を含むことができる。セルは、操作のタイプ1モードにおいて使用するために構成される材料を含むことができる。一部の場合において、セルは、高電圧(タイプ2)操作モードおよび低電圧(タイプ1)操作モードの両方において操作できる。例えば、タイプ1モードにおいて使用するために通常構成される正極および負極材料を有するセルは、操作のタイプ2モードにて操作できる。セルは、操作のタイプ1とタイプ2モードとの間でサイクルできる。セルは、タイプ1モード下で最初に所与の電圧(例えば0.5V〜1V)へ充電(または放電)でき、続いてタイプ2モード下で、より高い電圧(例えば1.5Vから2.5V、または1.5Vから3V)へ充電(次いで放電)できる。一部の場合において、タイプ2モードで操作されるセルは、タイプ1モード下で操作されるセルの電圧を超え得る電極間電圧にて操作できる。一部の場合において、タイプ2セル化学物質は、タイプ1モード下で操作されるタイプ1セル化学物質の電圧を超え得る電極間の電圧で操作できる。タイプ2セルは、タイプ2モードにて操作できる。
【0058】
例のタイプ1セルにおいて、放電時、負極にて形成されるカチオンは、電解質に移動できる。同時に、電解質は、正極に同じ種のカチオン(例えば負極材料のカチオン)を提供でき、これはカチオンから中性に荷電された金属性種に還元でき、正極と合金化できる。放電状態において、負極は、負極材料(例えばLi、Na、K、Mg、Ca)が欠乏し得る(例えば部分的または完全に)。充電中、正極での合金は、解離して、負極材料のカチオン(例えばLi
+、Na
+、K
+、Mg
2+、Ca
2+)を生じ得るが、これが電解質に移動する。次いで電解質は、カチオン(例えば負極材料のカチオン)を負極に提供でき、ここでこのカチオンは、外部回路から1つ以上の電子を受容し、中性金属種に戻して変換され、これが負極を補充して充電状態のセルを提供する。タイプ1セルは、プッシュ−ポップ様式にて操作でき、ここでカチオンの電解質中への進入により、同じカチオンの電解質からの放出をもたらす。
【0059】
例のタイプ2セルにおいて、放電状態では、電解質は、負極材料のカチオン(例えばLi
+、Na
+、K
+、Mg
2+、Ca
2+)を含み、正極は、正極材料(例えばSb、Pb、Sn、Zn、Hg)を含む。充電中、電解質からの負極材料のカチオンは、1つ以上の電子(例えば負極の集電体から)を受容して、負極材料を含む負極を形成する。一部の例において、負極材料は液体であり、負極の集電体のフォーム(または多孔質)構造に湿潤する。一部の例において、負極の集電体は、フォーム(または多孔質)構造を含んでいなくてもよい。一部の例において、負極の集電体は、金属、例えばタングステン(例えばZnからの腐食を回避するために)、炭化タングステンまたはモリブデンの負極の集電体(Fe−Niフォームは含まない)を含んでいてもよい。同時に、正極からの正極材料は(例えば正極の集電体に)電子を放ち、正極材料のカチオン(例えばSb
3+、Pb
2+、Sn
2+、Zn
2+、Hg
2+)として電解質に溶解する。正極材料のカチオン濃度は、電解質中のカチオン材料の原子重量および拡散動力学に基づいて、電解質内で垂直近傍にて変動し得る(例えば正極材料上方の距離の関数として)。一部の例において、正極材料のカチオンは、正極付近の電解質中で濃縮される。
【0060】
一部の実施において、負極材料は、タイプ2モードにおいて操作できるセルのアセンブリ時において提供される必要はない場合がある。例えば、Li||Pbセルまたはこうしたセル(1または複数)を含むエネルギー貯蔵デバイスは、Li塩電解質およびPbまたはPb合金(例えばPb−Sb)正極のみを有する放電状態においてアセンブリできる(すなわちLi金属はアセンブリ中は必要でない場合がある)。
【0061】
本開示の電気化学セルは、タイプ1モードまたはタイプ2モードにおいて操作される場合に一部の例において記載されているが、他の操作モードも可能である。タイプ1モードおよびタイプ2モードは、例として提供され、本明細書に開示される電気化学セルの操作の種々のモードを制限することを意図しない。
【0062】
一部の場合において、電気化学セルは、液体金属負極(例えばNa、Li)および固体イオン伝導性(例えば、β’’−アルミナセラミック)電解質を利用する高温バッテリである。一部の例において、固体のイオン伝導性電解質は、約100℃を超えて、約150℃を超えて、約200℃を超えて、約250℃を超えて、約300℃を超えて、または約350℃を超えて操作する。電解質は、溶融カルコゲニド(例えば、S、Se、Te)および/または遷移金属ハロゲン化物(例えばNiCl
3、FeCl
3)を含む溶融塩を含んでいてもよい。電解質は、他の支持電解質化合物(例えばNaCl、NaF、NaBr、NaI)を含んでいてもよい。
【0063】
バッテリおよびハウジング
開示の電気化学セルは、種々の使用および操作に適してもよいハウジングを含むことができる。ハウジングは、1つのセルまたは複数のセルを含むことができる。ハウジングは、電極をスイッチに電気連結させるように構成でき、これは外部電源および電気的負荷に接続できる。セルハウジングは、例えば、スイッチおよび/または別のセルハウジングの第1のポールに電気連結される電気伝導性容器、およびスイッチおよび/または別のセルハウジングの第2のポールに電気連結される電気伝導性の容器の蓋を含んでいてもよい。セルは、容器のキャビティ内に配列できる。セルの電極の第1のもの(例えば正極)は、容器の末端壁と接触でき、電気連結できる。セルの電極の第2のもの(例えば負極)は、容器の蓋(本明細書では集合的に、「セル蓋アセンブリ」、「蓋アセンブリ」、または「キャップアセンブリ」と称される)において伝導性フィードスルーまたは伝導体(例えば負極電流リード)と接触でき、電気連結できる。電気絶縁シール(例えば結合セラミックリング)は、セルの負電位部分を容器の正の部分から電気的に隔離してもよい(例えば正極電流リードから負極電流リードを電気絶縁してもよい)。例において、負極電流リードおよび容器蓋(例えばセルキャップ)は、互いに電気的に隔離でき、ここで誘電体シーラント材料は、負極電流リードとセルキャップとの間に配置できる。代替として、ハウジングは、電気絶縁シース(例えばアルミナシース)または腐食耐性および電気伝導性シースまたはるつぼ(例えばグラファイトシースまたはるつぼ)を含む。一部の場合において、ハウジングおよび/または容器は、バッテリハウジングおよび/または容器であってもよい。
【0064】
セルは、本明細書に開示されたいずれかのセルおよびシール構成を有することができる。例えば、活性セル材料は、セル蓋において高温シールを用いてシールされたスチール/ステンレススチール容器内に保持できる。負極電流リードは、セル蓋を通過でき(誘電体高温シールによってセル蓋にシールされることができ)、電解質中に懸濁した多孔質負極集電体(例えば金属フォーム)と接続できる。一部の場合において、セルは、セルるつぼの内壁においてグラファイトシース、コーティング、るつぼ、表面処理および/またはライニング(またはこれらのいずれかの組み合わせ)を使用できる。他の場合において、セルは、セルるつぼの内壁においてグラファイトシース、コーティング、るつぼ、表面処理および/またはライニングを使用しなくてもよい。
【0065】
セルの操作中、セルの壁からの材料(例えばFe)は、高電圧電位(例えばタイプ2モード)下では反応して、電解質中に溶解性種としてイオン化し得る。故に、壁材料は、電解質に溶解でき、続いてセルの電気化学を妨害し得る。例えば、溶解した材料は負極に堆積することがあり、一部の場合においては、デンドライトとして成長して、電解質にわたってセルの1つ以上の壁にまたは正極に対して延びることがあり、これが短絡欠陥をもたらし得る。本開示は、固体(不活性)セル材料、例えばFeの溶解、および例えばデンドライトの形成およびセル短絡によるセル性能に対する潜在的に負の影響を抑制するまたはそうでなければ最小限にするのに役立つように種々の手法を提供する。一部の場合において、セルは、負極と、セルの壁との間の空間を増大させることで、デンドライト形成しての壁と内壁とを短絡する能力を抑制またはそうでなければ最小限にするのに役立つように設計できる。セルは、セルの1つ以上の壁に短絡するのを最小限にし、または防止するために、1つ以上のセルの壁と、負極、電解質および/または正極との間の電気絶縁性および化学的安定性のシースまたはコーティングを含むことができる。一部の場合において、セルは、非鉄容器または容器ライニング、例えば炭素含有材料(例えばグラファイト)または炭化物(例えばSiC、TiC)、または窒化物(例えばTiN、BN)、または化学的に安定な金属(例えばTi、Ni、B)から形成できる。容器または容器ライニング材料は、電気伝導性であってもよい。こうした非限定手法は、Feまたは他のセル壁材料との化学的相互作用および後続のセル性能に対する後続の負の影響を抑制するまたはそうでなければ最小限にするのに役立つように、別々にまたは組み合わせて使用できる。
【0066】
本明細書で使用される場合、バッテリは、複数の電気化学セルを含むことができる。セル(1または複数)は、ハウジングを含むことができる。個々のセルは、直列および/または並列に互いに電気連結できる。直列接続において、第1のセルの正極端子は、第2のセルの負極端子に接続される。並列接続において、第1のセルの正極端子は、第2のおよび/または追加のセル(1または複数)の正極端子に接続できる。同様に、セルモジュール、パック、コア、CEおよびシステムは、セルについて記載されるものと同じ様式で直列および/または並列で接続できる。
【0067】
ここで図を参照するが、同様の番号は全体を通して同様の部分を指す。図およびその中の特徴は必ずしも正確な縮尺で記載されていないことを理解する。
【0068】
図1を参照して、電気化学セル(A)は、アノードおよびカソードを含むユニットである。セルは、電解質を含んでいてもよく、本明細書で記載されるようなハウジングにおいてシールされてもよい。一部の場合において、電気化学セルは、バッテリ(すなわち、1つ以上の電気化学セルの編成)を形成するためにスタックできる(B)。セルは、並列、直列または並列および直列(C)の両方で配列できる。
【0069】
さらに、本明細書の他の場所でより詳細に記載されるように、セルは、群(例えばモジュール、パック、コア、CE、システムまたは1つ以上の電気化学セルを含むいずれかの他の群)で配列できる。一部の場合において、こうした群の電気化学セルは、所与の数のセルが群レベルで共に制御または調節可能であり得る(例えば、個々のセルの調節/制御と合わせてまたは代わりに)。
【0070】
開示の電気化学セル(例えばタイプ2モードで操作されるタイプ1セル、タイプ1モードで操作されるタイプ1セル、またはタイプ2セル)は、好適に多量のエネルギー(例えば実質的に多量のエネルギー)のインプットを貯蔵および/または受容できる(「取り込むことができる」)場合がある。一部の例において、セルは、約1ワット時(Wh)、約5Wh、25Wh、約50Wh、約100Wh、約250Wh、約500Wh、約1キロワット時(kWh)、約1.5kWh、約2kWh、約3kWh、約5kWh、約10kWh、約15kWh、約20kWh、約30kWh、約40kWh、または約50kWhを貯蔵および/または取り込みおよび/または放電できる。一部の例において、バッテリは、少なくとも約1Wh、少なくとも約5Wh、少なくとも約25Wh、少なくとも約50Wh、少なくとも約100Wh、少なくとも約250Wh、少なくとも約500Wh、少なくとも約1kWh、少なくとも約1.5kWh、少なくとも約2kWh、少なくとも約3kWh、少なくとも約5kWh、少なくとも約10kWh、少なくとも約15kWh、少なくとも約20kWh、少なくとも約30kWh、少なくとも約40kWh、または少なくとも約50kWhを貯蔵および/または取り込みおよび/または放電できる。電気化学セルおよび/またはバッテリにおいて貯蔵されたエネルギー量は、電気化学セルおよび/またはバッテリに取り込まれるエネルギー量未満であってもよい(例えば不効率性および欠損による)。セルは、本明細書の電流密度のいずれかにおいて操作する際にこうしたエネルギー貯蔵容量を有することができる。
【0071】
セルは、平方センチメートルあたり少なくとも約10ミリアンペア(mA/cm
2)、20mA/cm
2、30mA/cm
2、40mA/cm
2、50mA/cm
2、60mA/cm
2、70mA/cm
2、80mA/cm
2、90mA/cm
2、100mA/cm
2、200mA/cm
2、300mA/cm
2、400mA/cm
2、500mA/cm
2、600mA/cm
2、700mA/cm
2、800mA/cm
2、900mA/cm
2、1A/cm
2、2A/cm
2、3A/cm
2、4A/cm
2、5A/cm
2、または10A/cm
2の電流密度にて電流を提供でき、ここで電流密度は、電解質の有効断面積に基づいて決定され、断面積は、充電または放電プロセス中に電解質を通してイオンの正味のフロー方向に対して直交する。一部の例において、セルは、少なくとも約10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%などの直流(DC)効率にて操作できる。一部の例において、セルは、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、99.99%などの充電効率(例えば、クーロン電荷効率)にて操作できる。
【0072】
充電状態において、開示の電気化学セル(例えばタイプ2モードで操作されるタイプ1セル、タイプ1モードで操作されるタイプ1セル、またはタイプ2セル)は、少なくとも約0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、2.0V、2.1V、2.2V、2.3V、2.4V、2.5V、2.6V、2.7V、2.8V、2.9V、または3.0Vの電圧を有することができる(またはこれらの電圧で操作できる)。一部の場合において、セルは、少なくとも約0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、2.0V、2.1V、2.2V、2.3V、2.4V、2.5V、2.6V、2.7V、2.8V、2.9V、または3.0Vの開回路電圧(OCV)を有することができる。例において、セルは、約0.5Vを超える、約1Vを超える、約2Vを超える、または約3Vを超える開回路電圧を有する。一部の場合において、セルの充電カットオフ電圧(CCV)は、充電状態で約0.5V〜1.5V、1V〜3V、1.5V〜2.5V、1.5V〜3V、または2V〜3Vである。一部の場合において、セルの充電カットオフ電圧(CCV)は、少なくとも約0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、0.9V、1.0V、1.1V、1.2V、1.3V、1.4V、1.5V、1.6V、1.7V、1.8V、1.9V、2.0V、2.1V、2.2V、2.3V、2.4V、2.5V、2.6V、2.7V、2.8V、2.9Vまたは3.0Vである。一部の例において、セルの電圧(例えば操作電圧)は、充電状態において約0.5V〜1.5V、1V〜2V、1V〜2.5V、1.5V〜2.0V、1V〜3V、1.5V〜2.5V、1.5V〜3V、または2V〜3Vである。セルは、約10サイクル、20サイクル、30サイクル、40サイクル、50サイクル、100サイクル、200サイクル、300サイクル、400サイクル、500サイクル、600サイクル、700サイクル、800サイクル、900サイクル、1,000サイクル、2,000サイクル、3,000サイクル、4,000サイクル、5,000サイクル、10,000サイクル、20,000サイクル、50,000サイクル、100,000サイクル、または1,000,000またはそれ以上のサイクル(本明細書において「充電/放電サイクル」も同様)での操作時にこうした電圧(1または複数)(例えば電圧、OCVおよび/またはCCV)を提供できる。
【0073】
一部の場合において、サイクルの数に対する制限因子は、例えば、負極、電解質および/または正極の化学物質とは対照的なハウジングおよび/またはシールに依存し得る。サイクルの限度は、電気化学によるのではなく、セルの非活性構成要素、例えば容器またはシールの劣化によって決定され得る。セルは、容量の実質的な低下なしで操作できる。セルの操作寿命は、一部の場合において、容器、シールおよび/またはセルのキャップの寿命によって制限され得る。セルの操作温度での操作中、セルは、液体(例えば溶融)状態の負極、電解質および正極を有し得る。
【0074】
本開示の電気化学セルは、いずれかの好適な(例えば送電網における外乱に応答するのに好適な)値の応答時間を有することができる。一部の例において、応答時間は、約100ミリ秒(ms)、約50ms、約10ms、約1msなどである。一部の場合において、応答時間は、最大約100ミリ秒(ms)、最大約50ms、最大約10ms、最大約1msなどである。
【0075】
セル(例えばバッテリ)の編成またはアレイは、いずれかの好適な数のセル、例えば少なくとも約2、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約500、少なくとも約1000、少なくとも約5000、少なくとも約10000などを含むことができる。一部の例において、バッテリは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000、10,000、20,000、50,000、100,000、500,000、または1,000,000セルを含む。
【0076】
一部の実施において、1つ以上のタイプのセルは、本開示のエネルギー貯蔵システムに含まれることができる。例えば、エネルギー貯蔵デバイスは、タイプ2セルまたはタイプ1セルおよびタイプ2セルの組み合わせ(例えば50%タイプ1セルおよび50%タイプ2セル)を含むことができる。こうしたセルは、タイプ2モード下で操作できる。一部の場合において、セルの第1の部分は、タイプ1モードにおいて操作され得、セルの第2の部分は、タイプ2モードにて操作され得る。
【0077】
開示のバッテリは、送電網(すなわちグリッド規模のバッテリ)または他の負荷または使用のために、好適に多量のエネルギー(例えば実質的に多量のエネルギー)を貯蔵および/または取り込むことができる場合がある。一部の例において、バッテリは、約5キロワット時(kWh)、約25kWh、約50kWh、約100kWh、約500kWh、約1メガワット時(MWh)、約1.5MWh、約2MWh、約3MWh、約5MWh、約10MWh、約25MWh、約50MWh、または約100MWhを貯蔵および/または取り込みおよび/または放電できる。一部の例において、バッテリは、少なくとも約1kWh、少なくとも約5kWh、少なくとも約25kWh、少なくとも約50kWh、少なくとも約100kWh、少なくとも約500kWh、少なくとも約1MWh、少なくとも約1.5MWh、少なくとも約2MWh、少なくとも約3MWh、少なくとも約4MWh、少なくとも約5MWh、少なくとも約10MWh、少なくとも約25MWh、少なくとも約50MWh、または少なくとも約100MWhを貯蔵および/または取り込むことができる。
【0078】
一部の例において、セルおよびセルハウジングはスタック可能である。いずれかの好適な数のセルはスタックできる。セルは、並列、互いに重なり合ってまたは両方でスタックできる。一部の例において、少なくとも約3、6、10、50、100、または500セルがスタックされる。一部の場合において、100セルのスタックは、少なくとも50kWhのエネルギーを貯蔵および/または取り入れることができる。第1のセルスタック(例えば10セル)は、電気的に連通状態のセル数を増大させるためにセルの第2のスタック(例えば別の10セル)に電気接続できる(例えばこの例では20)。一部の例において、エネルギー貯蔵デバイスは、1〜10、11〜50、51〜100またはそれ以上の電気化学セルのスタックを含む。
【0079】
電気化学エネルギー貯蔵デバイスは、1つ以上の個々の電気化学セルを含むことができる。電気化学セルは、容器蓋(例えばセルキャップ)およびシール構成要素を含むことができる容器にハウジングできる。デバイスは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、1000、10,000、100,000または1,000,000セルを含むことができる。容器蓋は、例えば容器蓋から容器を電気的に隔離するための、シール(例えば環状誘電ガスケット)を利用してもよい。こうした構成要素は、電気絶縁材料、例えばガラス、酸化物セラミック、窒化物セラミック、カルコゲニドまたはこれらの組み合わせ(例えばセラミック、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化チタンを含む窒化物、炭化ケイ素、炭化チタンを含む炭化物、または酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは窒化リチウム、酸化ランタン、またはこれらのいずれかの組み合わせ)を含む他の酸化物から構成され得る。シールは、1つ以上の方法によって密封されてもよい。例えば、シールは、電気的隔離に加えてシールを提供するために、容器蓋と容器との間に相対的に高い圧縮力(例えば約1,000psiを超えるまたは約10,000psiを超える)に供され得る。あるいは、シールは、絶縁シーラント材料に関連セル構成要素を接合する溶接、ブレイズまたは他の化学的接着剤材料を通して結合されてもよい。
【0080】
図2は、電気伝導性ハウジング201および集電体203と電気的に連通した伝導体202を含むバッテリを図示する。
図2のバッテリは、エネルギー貯蔵デバイスのセルであることができる。伝導体は、ハウジングから電気的に隔離でき、ハウジング中のアパーチャを通してハウジングから突出でき、こうして第1のセルの伝導体は、第1および第2のセルがスタックされる場合に、第2のセルのハウジングと電気的に連通する。
【0081】
一部の場合において、セルは、負極集電体、負極、電解質、正極および正極集電体を含む。負極は、負極集電体の一部であることができる。代替として、負極は負極集電体から分離するが、そうでなければ負極集電体と電気的に連通した状態である。正極は、正極集電体の一部であることができる。代替として、正極は、正極集電体から分離できるが、そうでなければ正極集電体と電気的に連通した状態である。
【0082】
セルハウジングは、集電体と電気的に連通した電気伝導性容器および伝導体を含むことができる。伝導体は、容器中のアパーチャを通してハウジングから突出してもよく、容器から電気的に隔離されてもよい。第1のハウジングの伝導体は、第1および第2のハウジングがスタックされる場合に、第2のハウジングの容器と接触し得る。
【0083】
一部の例において伝導体がハウジングおよび/または容器から突き出すアパーチャの面積は、ハウジングおよび/または容器の面積に対して小さい。一部の場合において、アパーチャの面積と、ハウジングの面積との比は、約0.001、約0.005、約0.01、約0.05、約0.1、約0.15、約0.2、約0.3、約0.4、または約0.5である。一部の場合において、アパーチャの面積とハウジングの面積との比は、約0.001以下、約0.005以下、約0.01以下、約0.05以下、約0.1以下、約0.15以下、約0.2以下、または約0.3以下、約0.4以下、約0.5以下である。
【0084】
セルは、電気伝導性ハウジング、および集電体と電気的に連通した伝導体を含むことができる。伝導体は、ハウジング中のアパーチャを通してハウジングから突出してもよく、ハウジングから電気的に隔離されてもよい。アパーチャの面積とハウジングの面積との比は、約0.3、0.2、0.15、0.1、0.05、0.01、0.005、または0.001(例えば約0.1未満)であってもよい。
【0085】
セルハウジングは、集電体と電気的に連通した電気伝導性容器および伝導体を含むことができる。伝導体は、容器中のアパーチャを通して容器から突出でき、容器から電気的に隔離される。アパーチャの面積と容器の面積との比は、約0.3、0.2、0.15、0.1、0.05、0.01、0.005、または0.001(例えば約0.1未満)であってもよい。ハウジングは、約100Wh未満のエネルギー、約100Whのエネルギー、または約100Whを超えるエネルギーを貯蔵および/または取り込むことができるセルを封入できる。ハウジングは、少なくとも約25Whのエネルギーを貯蔵および/または取り込むことができるセルを封入できる。セルは、少なくとも約1Wh、5Wh、25Wh、50Wh、100Wh、500Wh、1kWh、1.5kWh、2kWh、3kWh、5kWh、10kWh、15kWh、20kWh、30kWh、40kWh、または50kWhのエネルギーを貯蔵および/または取り込むことができる。
【0086】
図3は、ハウジング301、ハウジングのアパーチャを通過して液体金属負極303と電気的に連通する電気伝導性フィードスルー(すなわち伝導体、例えば伝導体ロッド)302、液体金属正極305、および液体金属電極303、305の間の液体塩電解質304を含む電気化学セルまたはバッテリ300の断面側面図である。セルまたはバッテリ300は、本明細書の他の場所に開示されるように、低電圧モード(「タイプ1モード」)または高電圧モード(「タイプ2モード」)下で操作されるセル化学物質と共に使用するように構成できる。伝導体302は、ハウジング301(例えば電気絶縁シールを用いる)から電気的に隔離されてもよい。負極集電体307はスポンジのように振る舞うフォーム材料303を含み、負極液体金属をフォームに浸漬する。液体金属負極303は、溶融塩電解質304と接触する。液体塩電解質はまた、液体金属正極305と接触する。液体金属正極305は、側壁に沿っておよび/またはハウジングの底部末端壁に沿ってハウジング301と電気的に連通できる。
【0087】
ハウジングは、容器および容器蓋(例えばセルキャップ)を含んでいてもよい。容器および容器蓋は、機械的に接続されてもよい(例えば溶接されてもよい)。一部の場合において、機械的接続は化学的接続を含んでいてもよい。一部の場合において、容器蓋は、容器から電気的に隔離される。セル蓋は、こうした場合において、負極電流リードから電気的に隔離されてもよく、または隔離されなくてもよい。一部の場合において、容器蓋は、容器(例えばセル本体)に電気的に接続される。次いでセル蓋は、負極電流リードから電気的に隔離されてもよい。操作中(例えば溶融状態にある場合)、容器蓋および容器は、電子的に接続できる(例えば直接電気接続を通して、例えば溶接された蓋−セル本体間ジョイントを介して、または電解質および電極を通してイオン的に)。負極電流リードは、例えば電気絶縁密封シールの使用を介して、容器および/または容器蓋(例えばセルキャプ)から電気的に隔離されてもよい。一部の例において、電気絶縁バリア(例えばシール)は、負極電流リードと容器蓋との間に提供されてもよい。代替として、シールは、例えばガスケットの形態であることができ、容器蓋と容器との間に配置できる。一部の例において、電気化学セルまたはバッテリ300は、1つ以上のアパーチャを通過して、液体金属負極303と電気的に連通する2つ以上の伝導体を含んでいてもよい。一部の例において、セパレータ構造(図示せず)は、液体負極303と(液体)正極305との間の電解質304内に配列されてもよい。
【0088】
ハウジング301は、電気伝導性材料、例えばスチール、鉄、ステンレススチール、低炭素スチール、グラファイト、ニッケル、ニッケル系合金、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステン、または伝導性化合物、例えば窒化物(例えば炭化ケイ素または炭化チタン)、またはこれらの組み合わせ(例えば合金)から構成できる。
【0089】
ハウジング301は、ハウジング内部306を含むことができる。ハウジング内部306は、シース(例えばグラファイトシース)、コーティング、るつぼ(例えばグラファイトるつぼ)、表面処理、ライニングまたはいずれかのこれらの組み合わせ)を挙げることができるが、これらに限定されない。1つの例において、ハウジング内部306はシースである。別の例において、ハウジング内部306はるつぼである。さらに別の例において、ハウジング内部306はコーティングまたは表面処理である。ハウジング内部306は、熱伝導性、断熱性、電気伝導性、電気絶縁性、またはこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。一部の場合において、ハウジング内部306は、ハウジングを製造するために(例えばハウジングのステンレススチール材料を腐食から保護するために)提供されてもよい。一部の場合において、ハウジング内部は、液体金属正極に対して湿潤防止性であることができる。一部の場合において、ハウジング内部は、液体電解質に対して湿潤防止性であることができる。
【0090】
ハウジングは、別個の金属または化合物のライニング構成要素(例えばセル本体よりも薄いライニング構成要素)またはコーティング(例えば電気絶縁コーティング)、例えばグラファイトライニングを有するスチールハウジング、または窒化物コーティングまたはライニングを有するスチールハウジング(例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム)、チタンコーティングまたはライニング、または炭化物コーティングまたはライニング(例えば炭化ケイ素、炭化チタン)を含んでいてもよい。コーティングは、正極液体金属に対して湿潤防止性である表面を含む優先的な特性および機能を示すことができる。一部の例において、ライニング(例えばグラファイトライニング)は、セルハウジング内側に配置される前または配置された後に空気中で室温を超えて加熱することによって乾燥でき、または真空オーブン中で乾燥できる。ライニングを乾燥または加熱することにより、電解質、正極または負極をセルハウジングに付加する前に、ライニングから湿分を除去できる。
【0091】
ハウジング301は、断熱および/または電気絶縁シースまたはるつぼ306を含んでいてもよい。この構成において、負極303は、正極305に電気的に接続されることなく(すなわち短絡されることなく)、シースまたはるつぼによって規定されるハウジング301の側壁間に横方向に延び得る。あるいは負極303は、第1の負極端部303aと第2の負極端部303bとの間に横方向に延び得る。シースまたはるつぼ306が提供されない場合、負極303は、ハウジング301によって規定されるキャビティの直径(または他の特徴的な寸法、例えば距離Dとして
図3に例示される立体性容器の幅)未満である直径(または距離303aから303bまでの距離として
図3に例示される他の特徴的な寸法)を有していてもよい。
【0092】
るつぼは、るつぼとセルハウジングとの間に位置する伝導性液体金属または半固体金属合金の薄層によってセルハウジングと電子接触状態であるように製造できる(元素Pb、Sn、Sb、Bi、Ga、In、Te、またはそれらの組み合わせなど)。
【0093】
ハウジング内部(例えばシース、るつぼおよび/またはコーティング)306は、断熱、熱伝導性、および/または電気絶縁または電気伝導性材料、例えばグラファイト、炭化物(例えばSiC、TiC)、窒化物(例えばBN)、アルミナ、チタニア、シリカ、マグネシア、窒化ホウ素、または混合酸化物、例えば酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化リチウム、酸化マグネシウムなどで構成できる。例えば、
図3に示されるように、シース(または他の)ハウジング内部306は、第1のシース端部306aと第2のシース端部306bとの間の横方向に延びることができる環状断面幾何学形状を有する。シースは、ハウジングキャビティ301によって規定されるキャビティの側壁に対して接触して、加圧されるように、寸法が決められてもよい(306aから306bの距離として
図3に例示される)。代替として、ハウジング内部306は、容器の腐食を防止するためにおよび/または側壁をたどるカソード材料の湿潤を防止するために使用でき、電気伝導性材料、例えばスチール、ステンレススチール、タングステン、モリブデン、ニッケル、ニッケル系合金、グラファイト、チタン、または窒化チタンから構成されてもよい。例えば、シースは、非常に薄くてもよく、コーティングであってもよい。コーティングは、ちょうど壁の内側を覆うことができ、および/またはさらに容器の内側の底部を覆うことができる。一部の例において、シース(例えばグラファイトシース)は、セルハウジング内側に配置される前または配置された後に空気中で室温を超えて加熱することによって乾燥されてもよく、または真空オーブン中で乾燥されてもよい。ライニングを乾燥または加熱することにより、電解質、正極または負極をセルハウジングに付加する前に、ライニングから湿分を除去してもよい。
【0094】
シースの代わりに、セルは、セルハウジングライナーと称されるセルハウジングの側壁および底部内部表面をライニングする電気伝導性るつぼまたはコーティングを含んでいてもよく、正極とセルハウジングとが直接接触するのを防止する。セルハウジングライナーは、セルハウジングとセルハウジングライナーまたはシースとの間の正極の湿潤を防止でき、セルハウジングの底部表面において正極の直接接触を防止し得る。シースは、非常に薄くてもよく、コーティングであることができる。コーティングは、ちょうど壁の内側を覆うことができ、および/またはさらに容器の内側の底部を覆うことができる。シースは、ハウジング301と完全に適合しない場合があり、セルライニングとセルハウジングとの間の電流フローを妨害し得る。セルハウジングとセルライニングとの間の適切な電子伝導を確実にするために、低融点を有する金属の液体(例えばPb、Sn、Bi)は、シース/コーティングとセルハウジングとの間で強い電気接続を提供するために使用できる。この層により、セルの製作およびアセンブリが容易にできる。
【0095】
ハウジング301はまた、第1の(例えば負極)集電体またはリード307および第2の(例えば正極)集電体308を含むことができる。負極集電体307は、電気伝導性材料、例えばニッケル−鉄(Ni−Fe)フォーム、穿孔したスチールディスク、波形スチールシート、膨張金属メッシュのシートなどから構築されてもよい。負極集電体307は、第1の集電体端部307aと第2の集電体端部307bとの間で横方向に延びることができるプレートまたはフォームとして構成されてもよい。負極集電体307は、ハウジング301によって規定されるキャビティの直径よりも小さいまたは同様である集電体直径を有していてもよい。一部の場合において、負極集電体307は、負極303の直径(または303aから303bまでの距離として
図3に例示される他の特徴的な寸法)より小さいまたは同様の集電体直径(または307aから307bとして
図3に例示される他の特徴的な寸法)を有していてもよい。正極集電体308は、ハウジング301の一部として構成されてもよい;例えば、ハウジングの底部端部壁は、
図3に例示されるような正極集電体308として構成されてもよい。あるいは、集電体は、ハウジングから区別可能であってもよく、ハウジングに電気接続されてもよい。一部の場合において、正極集電体は、ハウジングに電気接続されなくてもよい。本開示は、負極および/または正極集電体構成のいずれかの特定構成に制限されない。
【0096】
負極303は、負極集電体(例えばフォーム)307内に含有できる。この構成において、電解質層は、フォーム307の底部、側部および/または頂部と接触する。フォームに含有される金属(すなわち負極材料)は、例えば液体金属負極のフォームへの吸収および保持によって、ハウジング301の側壁から離れて保持でき、故にセルを絶縁シース306を用いることなく実行できる。一部の場合において、グラファイトシースまたはグラファイトセルハウジングライナー(例えばグラファイトるつぼ)は、正極の側壁に沿った湿潤を防止するために使用されてもよく、セルの短絡を防止できる。
【0097】
電流は、表面に沿って電解質と接触する正極および/または負極液体金属電極にわたって実質的に均一に分配されてもよい(すなわち、表面にわたって流れる電流は、表面のいずれかの部分を通って流れる電流が平均電流密度から実質的に外れないように均一であってもよい)。一部の例において、表面の領域にわたって流れる電流の最大密度は、表面にわたって流れる電流の平均密度の約105%未満、または約115%以下、約125%以下、約150%以下、約175%以下、約200%以下、約250%以下、または約300%以下である。一部の例において、表面の領域にわたって流れる電流の最小密度は、表面にわたって流れる電流の平均密度の約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上である。
【0098】
図3の「上面図」および「底面図」によってそれぞれ示されるように、頂部または底部の方向から見ると、セルまたはバッテリ300の断面幾何学形状は、バッテリのための設計要件に基づく円形、楕円、正方形、長方形、多角形、曲面、対称性、非対称性またはいずれかの他の化合物形状であることができる。例において、セルまたはバッテリ300は、円形または正方形断面に関して軸対称である。セルまたはバッテリ300の構成要素(例えば
図3の構成要素)は、軸対称様式において、セルまたはバッテリ内に配列されてもよい。一部の場合において、1つ以上の構成要素は、非対称、例えば軸309の中心から外れて配列されてもよい。
【0099】
正極および負極材料の合わせた体積は、バッテリの体積の少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%であってもよい(例えば、輸送容器のようなバッテリの最外ハウジングによって規定される場合)。一部の場合において、アノードおよびカソード材料の合わせた体積は、セルの体積の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約75%である。正極および負極材料の合わせた体積は、正極または負極のそれぞれ成長もしくは膨張または収縮もしくは縮小により操作中に増大または低減(例えば高さにおいて)し得る。例において、放電中の負極(放電中のアノード)の体積は、負極材料の正極(放電中のカソード)への移動により低減する場合があり、ここで正極の体積は増大する(例えば合金化反応の結果として)。負極の体積低減は、正極の体積増大と等しくてもよく、または等しくなくてもよい。正極および負極材料は、互いに反応して、固体または半固体の相互反応化合物(本明細書においては「相互反応生成物」も同様)を形成し得、これは正極および/または負極材料の密度と同じ、これらの密度よりも低く、またはこれらの密度より高い密度を有していてもよい。電気化学セルまたはバッテリ300の材料の質量は一定であってもよいが、1、2またはそれ以上の相(例えば液体または固体)が存在してもよく、こうした相それぞれが特定材料組成物を含んでいてもよい(例えばアルカリ金属は、変動濃度にてセルの材料および相中に存在してもよい:液体金属負極は、高濃度のアルカリ金属を含有してもよく、液体金属正極は、アルカリ金属の合金を含有してもよく、アルカリ金属の濃度は、操作中に変動してもよい、液体金属の正極および負極の相互反応生成物は、固定または変動化学量論にてアルカリ金属を含有してもよい)。相および/または材料は異なる密度を有していてもよい。材料が電極の相および/または材料の間で移動する場合、合わせた電極体積の変化が生じ得る。
【0100】
一部の場合において、セルは、液体、半液体(または半固体)、または固体である1つ以上の合金化生成物を含むことができる。合金化生成物は、負極、正極および/または電解質と混和性(または一部の場合は溶解性)であることができる。合金化生成物は、セルの充電または放電中に電気化学プロセスから形成できる。
【0101】
合金化生成物は、負極、正極および/または電解質の元素成分を含むことができる。合金化生成物は、負極、正極または電解質とは異なる密度を有することができ、または同様もしくは実質的に同じ密度を有することができる。合金化生成物の位置は、負極、電解質および正極の密度と比べた合金化生成物の密度に応じ得る。合金化生成物は、負極、正極もしくは電解質、または負極と電解質との間または正極と電解質との間、またはこれらのいずれかの組み合わせの位置(例えば界面)に位置することができる。例において、合金化生成物は、正極と電解質との間の金属間にある(例えば
図4を参照)。一部の場合において、一部の電解質は、金属間と正極との間に浸み込み得る。他の例において、合金化生成物は、セル内の他の位置であることができ、化学物質、温度および/またはセルの充電状態に依存して、異なる化学量論/組成物の材料から形成できる。
【0102】
図4は、金属間層410を有する電気化学セルまたはバッテリ400の断面側面図である。金属間層410は、負極403および正極材料405から生じる材料の相互反応化合物を含むことができる。例えば、液体金属負極403は、アルカリまたはアルカリ土類金属(例えばNa、Li、K、Mg、またはCa)を含むことができ、液体金属正極405は、遷移金属、d−ブロック(例えば12族)、IIIA族、IVA族、VA族またはVIA族元素(例えば鉛および/またはアンチモンおよび/またはビスマス)の1つ以上を含むことができ、金属間層410は、相互反応化合物またはこれらの生成物(例えばアルカリプランバイド、アンチモニドまたはビスマシド、例えばNa
3Pb、Li
3Sb、K
3Sb、Mg
3Sb
2、Ca
3Sb
2、またはCa
3Bi
2)を含むことができる。金属間層410の上方界面410aは、電解質404と接触し、金属間層410の下方界面410bは、正極405と接触する。相互反応化合物は、液体金属正極(この構成において液体金属カソード)405と液体塩電解質404との間の界面にて放電中に形成され得る。相互反応化合物(または生成物)は、固体または半固体であることができる。例において、金属間層410は、液体金属カソード405と液体塩電解質404との間の界面にて形成できる。一部の場合において、金属間層410は、液体特性を示し得る(例えば金属間は半固体であってもよく、または金属間は、1以上の隣接相/材料よりも高い粘度または密度を有していてもよい)。
【0103】
セル400は、第1の集電体407および第2の集電体408を含む。第1の集電体407は、負極403と接触し、第2の集電体408は正極405と接触する。第1の集電体407は、電気伝導性フィードスルー402と接触する。セル400のハウジング401は、断熱および/または電気絶縁シース406を含むことができる。例において、液体金属負極403は、マグネシウム(Mg)を含み、液体金属正極405は、アンチモン(Sb)を含み、金属間層410はMgおよびSb(Mg
xSb、式中、「x」は0を超える数である)、例えばマグネシウムアンチモニド(Mg
3Sb
2)を含む。Mg||Sb化学物質を有するセルは、電解質内にマグネシウムイオン、ならびに他の塩(例えばMgCl
2、NaCl、KClまたはこれらの組み合わせ)を含有し得る。一部の場合において、放電状態では、セルは、負極においてMgが不足しており、正極はMg−Sbの合金を含む。こうした場合において、充電中、Mgは正極から供給され、正イオンとして電解質を通過し、Mgとして負極集電体上に堆積する。一部の例において、セルは、少なくとも約550℃、600℃、650℃、700℃、または750℃の操作温度を有し、一部の場合には約650℃〜約750℃の操作温度を有する。充電状態において、セルのすべてまたは実質的にすべての構成要素は、液体状態であることができる。代替化学物質が存在し、それらとしては、電解質(例えばCaF
2、KF、LiF、CaCl
2、KCl、LiCl、CaBr
2、KBr、LiBr、またはこれらの組み合わせ)中にハロゲン化カルシウム成分を含み、約500℃を超えて操作するCa−Mg||Bi、電解質(例えばCaF
2、KF、LiF、CaCl
2、KCl、LiCl、CaBr
2、KBr、LiBr、またはこれらの組み合わせ)中にハロゲン化カルシウム成分を含み、約500℃を超えて操作するCa−Mg||Sb−Pb、リチウムイオン含有ハロゲン化物電解質(例えばLiF、LiCl、LiBr、またはこれらの組み合わせ)を含み、約350℃〜約550℃で操作するLi||Pb−Sbセル、および電解質(例えば、NaCl、NaBr、NaI、LiCl、LiF、LiBr、LiI、KCl、KBr、KF、KI、CaCl
2、CaF
2、CaBr
2、CaI
2、またはこれらの組み合わせ)の一部としてハロゲン化ナトリウムを含み、約300℃を超えて操作するNa||Pbセルを含む。一部の場合において、放電反応の生成物は、金属間化合物(例えばMg||Sbセル化学物質についてMg
3Sb
2、Li||Pb−Sb化学物質についてLi
3Sb、Ca−Mg||Bi化学物質についてCa
3Bi
2、またはCa−Mg||Pb−Sb化学物質についてCa
3Sb
2)であってもよく、金属間層は、例えば方向xに沿って水平に成長および延びるおよび/または正極と電解質との間の界面にてy方向に沿って垂直に成長または延びることによって区別可能な固体相として成長させ得る。成長は、セルまたはバッテリ400の中心に位置する対称性409の軸に対して軸対称または非対称であってもよい。一部の場合において、金属間層は、操作のタイプ1モード下で観察されるが、操作のタイプ2モードでは観察されない。例えば、金属間層(例えば、
図4の金属間層)は、タイプ2セルの操作中に形成され得ない。
【0104】
セル蓋アセンブリおよび接着剤シール
セル蓋アセンブリは、接着剤シールを使用して、ガス気密および電気絶縁シールを得ることができる。
図5からわかるように、伝導性フィードスルー501は、ハウジングから電気的に隔離でき、このハウジングは、フィードスルーとハウジングとの間に配設された接着剤シーリング材料502によってシールできる。接着剤シーリング材料は、シールされるべきであるセル蓋アセンブリの構成要素に接着できるいずれかのシーラント材料を含むことができる。
【0105】
一部の場合において、接着剤誘電シールでシールされるセルに関して、1psi未満の圧力はガス気密シールを維持するのに十分であり得る。一部の場合において、圧力の少なくとも一部は、バッテリにおいて互いに重なり合ってスタックされた1つ以上の電気化学セルの重量によって供給できる。接着剤シール材料は、ガラスシールまたはブレイズされたセラミック、例えばCu−Agブレイズ合金を有するアルミナまたは他のセラミック−ブレイズの組み合わせを含むことができる。
【0106】
スタックされたバッテリ構成において、それはヘッドスペース(例えばセルチャンバーまたはキャビティ内側)を低減することが所望される場合があり、結果として相対的に多くのセル体積が、アノードおよびカソード材料を含むことができる(例えば、こうしてセルは、単位体積あたりの高いエネルギー貯蔵容量を有することができるようになる)。一部の例において、ヘッドスペースの高さ(例えばフィードスルーの頂部からアノードの頂部表面までで測定される場合)は、バッテリの高さでは小さい部分である(例えばフィードスルーの頂部からハウジングの底部表面までで測定される場合)。一部の例において、ヘッドスペースは、バッテリの高さの約5%、約10%、約15%、約20%、または約25%である。一部の例において、ヘッドスペースは、バッテリの高さの最大約5%、最大約10%、最大約15%、最大約20%、または最大約25%である。
【0107】
一部の例において、アノードおよびカソード材料の合わせた体積は、バッテリの体積の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約70%である(例えばバッテリの最外ハウジング、例えば輸送容器によって規定される場合)。一部の例において、アノードおよびカソード材料の合わせた体積は、バッテリの体積の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%である。
【0108】
一部の例において、電解質は、少なくとも約1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cmまたはそれ以上の厚さを有するセルに関して、少なくとも約0.01cm、0.05cm、0.1cm、0.5cm、0.8cm、1.0cm、1.3cm、1.5cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cmの厚さを有することができる(負極/電解質および正極/電解質界面の間の距離として測定される場合)。一部の例において、セルは、最大約3cmまたは4cmの厚さ、および最大約1cmまたは2cmの厚さを有する電解質を有する。
【0109】
一部の状況において、少しのまたは1つだけの伝導性フィードスルーの使用により、電極の不均一な電流分布をもたらすことができる(例えば負極において)。複数の伝導性フィードスルー(本明細書においては「伝導体」も同様)は、電極において電流をより均一に分配できる。一部の実施において、電気化学エネルギー貯蔵デバイスは、ハウジング、液体金属電極、液体金属電極と接触する集電体、および集電体と電気的に連通し、ハウジングのアパーチャを通してハウジングから突き出る複数の伝導体を含む。一部の例において、電流は、液体金属電極にわたって実質的に均一に分配される。
【0110】
一部の例において、液体金属電極は、表面(および/または界面)に沿って電解質と接触し、表面(および/または界面)にわたって流れる電流は均一である。表面(および/または界面)のいずれかの部分を通して流れる電流は、表面を通して平均電流から実質的に外れることはない。一部の例において、表面(および/または界面)の領域にわたって流れる電流の最大密度は、表面(および/または界面)にわたって流れる電流の平均密度の約105%未満、または約115%未満、約125%未満、約150%未満、約175%未満、約200%未満、約250%未満、または約300%未満である。一部の例において、表面(および/または界面)の領域にわたって流れる電流の最小密度は、表面(および/または界面)にわたって流れる電流の平均密度の約50%を超える、約60%を超える、約70%を超える、約80%を超える、約90%を超える、または約95%を超える。
【0111】
図6は、複数の伝導性フィードスルーを有するセルの例を示す。これらの構成において、集電体は、各セルについての共用蓋アセンブリに合わせることができる。こうしたセル蓋アセンブリは、いずれかのサイズを有するセルと共に使用されてもよい。電気化学貯蔵デバイスおよび/またはハウジングは、いずれかの数の伝導性フィードスルー(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上)を含むことができる。一部の場合において、伝導性フィードスルーは分離している(A)。一部の場合において、伝導性フィードスルーは、共通する上方部分(B)を共用する。
【0112】
シールの特徴および特性
シールは、反応性金属(例えば液体金属バッテリ)を含有する高温システムの重要な部分であることができる。本明細書において、シールを設計するのに好適な材料を選択するための方法、および反応性液体金属または液体金属蒸気および/または反応性溶融塩(1または複数)または反応性溶融塩蒸気を含有するシステム、例えば液体金属バッテリのために好適なシールを設計する方法が提供される(例えばこれらの材料の選択、熱特性、機械特性および電気特性の考慮に基づく)。シールはまた、エネルギー貯蔵以外の用途、例えば溶融または高圧Li蒸気を含む溶融反応器または液体ナトリウム、カリウムおよび/またはリチウムを含む他の用途に関して、反応性液体金属または反応性金属蒸気を含む容器に接続された電気的に隔離されたフィードスルーの一部として使用できる。安定なセラミックおよび電子伝導性材料の使用はまた、半導体材料の加工処理またはデバイス製作に使用されるような反応性ガスを用いる用途のために適切であることができる。
【0113】
シールは、電気絶縁およびガス気密(例えば密封)であることができる。シールは、システム/容器構成要素(例えばセル構成要素)の液体および蒸気相によって攻撃されない材料、例えば溶融ナトリウム(Na)、溶融カリウム(K)、溶融マグネシウム(Mg)、溶融カルシウム(Ca)、溶融リチウム(Li)、Na蒸気、K蒸気、Mg蒸気、Ca蒸気、Li蒸気、またはこれらのいずれかの組み合わせから製造できる。方法は、大部分の反応性金属蒸気と熱力学的に安定なものとして窒化アルミニウム(AlN)または窒化ケイ素(Si
3N
4)セラミックおよび活性合金ブレイズ(例えば、Fe、Ni、B、SiまたはZr合金系)を含むシールを同定し、こうして金属または金属蒸気によって適切に攻撃されないシールの設計を可能にする。
【0114】
一部の実施において、シールは、正に帯電されたセル本体(例えばセル缶(本明細書においては「容器」も同様)および蓋)から負極電流リード(例えばセルキャビティに延びる金属ロッド)を物理的に分離できる。シールは、これらのセル構成要素間の電気絶縁体として作用でき、活性セル構成要素(例えば液体金属電極、液体電解質、およびこれらの液体の蒸気)を密封隔離する。一部の場合に、シールは、外部構成要素がセルに進入するのを防止する(例えば湿分、酸素、窒素、およびセルの性能に負の影響を与え得る他の汚染物質)。一般的なシール仕様の一部の例を表1に列挙する。こうした仕様(例えば特性および/または測定基準)としては、密封性、電気絶縁、耐久性、クーロン効率(例えば充電効率またはラウンドトリップ効率)、DC−DC効率、放電時間、および容量減衰率を挙げることができるが、これらに限定されない。
【表1】
【0115】
シールは、ヘリウム(He)のリークレート(例えばHeで満たされた操作条件(例えば操作温度、操作圧力など)でのデバイスからのリークレート)によって定量される程度まで密封性であることができる。一部の例において、ヘリウム(He)のリークレートは、毎秒約1×10
−6気圧立方センチメートル(atm cc/s)未満、約5×10
−7atm cc/s未満、約1×10
−7atm cc/s未満、約5×10
−8atm cc/s未満、または約1×10
−8atm cc/s未満であることができる。一部の場合において、Heのリークレートは、システム(例えばセル、シール)を離れるHeの総リークレートに等しい。他の場合において、Heのリークレートは、1気圧のHe圧力がシールされた界面にわたって配置された場合に、シールされた界面にわたるHeの実際の圧力/濃度および測定されたHeリークレートの差から決定されるような、等価な総Heリークレートである。シールは電気絶縁性であることができる。例えば、シールにわたるインピーダンスは、少なくとも約50Ohm、少なくとも約100Ohm、少なくとも約500Ohm、少なくとも約1kOhm、少なくとも約1.5kOhm、少なくとも約2kOhm、少なくとも約3kOhm、少なくとも約5kOhm、少なくとも約10kOhm、少なくとも約100kOhm、少なくとも約1メガOhm((MOhm)、少なくとも約10MOhm、少なくとも約100MOhmまたは少なくとも約1,000MOhmであることができる。シールは耐久性であることができる。一部の例において、シールは、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約15年、少なくとも約20年またはそれ以上の間一体性を維持できる。シールは、操作条件下でこうした特性および/または測定基準を有することができる。
【0116】
一部の例において、シールを含むバッテリまたはデバイスは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%またはそれ以上のクーロン効率(例えば約200mA/cm
2または約220mA/cm
2の電流密度で測定される)を有することができる。一部の例において、シールを含むバッテリまたはデバイスは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%またはそれ以上のDC−DC効率(例えば約200mA/cm
2または約220mA/cm
2の電流密度で測定される)を有することができる。一部の例において、シールを含むバッテリまたはデバイスは、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間またはそれ以上の放電時間(例えば約200mA/cm
2または約220mA/cm
2の電流密度にて測定される)を有することができる。一部の例において、シールを含むバッテリまたはデバイスは、約4時間〜約6時間、約2時間〜約6時間、約4時間〜約8時間、または約1時間〜約10時間の放電時間(例えば約200mA/cm
2または約220mA/cm
2の電流密度で測定される)を有することができる。一部の例において、シールを含むバッテリまたはデバイスは、約10%/サイクル未満、約5%/サイクル未満、約1%/サイクル未満、約0.5%/サイクル未満、約0.1%/サイクル未満、約0.08%/サイクル未満、約0.06%/サイクル未満、約0.04%/サイクル未満、約0.02%/サイクル未満、約0.01%/サイクル未満、約0.005%/サイクル未満、約0.001%/サイクル未満、約0.0005%/サイクル未満、約0.0002%/サイクル未満、約0.0001%/サイクル未満、約0.00001%/サイクル未満の容量減衰率(例えば放電容量減衰率)を有することができる。容量減衰率は、「サイクルあたりの%」(例えば充電/放電サイクルあたりの%)単位の放電容量における変化(低下)の基準を提供できる。
【0117】
一部の場合において、シールにより、電気化学セルが、1つ以上の所与の操作条件(例えば操作温度、温度サイクリング、電圧、電流、内部雰囲気、内部圧力、振動など)を達成できる。操作条件の一部の例は、表2に記載される。こうした操作条件は、測定基準、例えば操作温度、アイドリング温度、温度サイクリング、電圧、電流、内部雰囲気、外部雰囲気、内部圧力、振動および寿命を挙げることができるが、これらに限定されない。
【表2】
【0118】
一部の例において、操作温度(例えば操作中のシールが直面する温度)は、少なくとも約100℃、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、またはそれ以上である。一部の例において、操作中のシールが直面する温度は、約440℃〜約550℃、約475℃〜約550℃、約350℃〜約600℃、または約250℃〜約650℃である。例において、約400℃〜約500℃、約450℃〜約550℃、約450℃〜約500℃、または約500℃〜約600℃の操作温度であり、あるいは約200℃またはそれ以上の操作温度(例えば200℃と同程度に低温で操作できるセル化学物質に好適)が達成できる。一部の場合において、シールが直面する温度は、電気化学セルの操作温度にほぼ等しいまたは高温のデバイスであってもよい(例えばエネルギー貯蔵デバイス)。一部の場合において、シールが直面する温度は、電気化学セルまたは高温デバイスの操作温度(例えば少なくとも約1℃、5℃、10℃、20℃、50℃、100℃、150℃、200℃などまたはそれら未満)とは異なり得る。例において、電気化学セルは、少なくとも約200℃の温度(例えばセルの操作温度)に維持される反応性材料を含み、シールの温度は、少なくとも約200℃(例えばセルの操作温度と同じまたはセルの操作温度とは異なる)である。一部の場合において、シールの操作温度は、電気化学セルまたは高温デバイスの操作温度より低いまたはこの温度より高いことができる。
【0119】
一部の例において、アイドリング温度(例えばデバイス(例えばバッテリ)がアイドリングの間、例えば製造時、輸送中、オフモードにおけるデバイス(例えばバッテリ))にシールが直面する温度など)は、約−25℃を超える、約−10℃を超える、約0℃を超える、約15℃を超える、約20℃を超える、約30℃を超える。一部の例において、アイドリング温度は、約30℃未満、約20℃未満、約15℃未満、約0℃未満、約−10℃未満、約−25℃未満またはそれ未満である。一部の例において、デバイスがアイドリング中にシールが直面する温度は、約−25℃〜約50℃である。
【0120】
一部の例において、温度サイクリング(例えばシールが直面し得る、デバイス(例えばバッテリ)の操作寿命の過程における低頻度であるが、大きな振幅の熱サイクル)は、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、少なくとも約500℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約800℃、または少なくとも約900℃の範囲にわたる。一部の例において、温度サイクリングは、約100℃未満、約200℃未満、約300℃未満、約400℃未満、約500℃未満、約600℃未満、約700℃未満、約800℃未満、約900℃未満の範囲にわたる。例において、温度サイクリングは、約−25℃〜約700℃である。シールは、少なくとも約1の熱サイクル、少なくとも約5の熱サイクル、少なくとも約10の熱サイクル、少なくとも約20の熱サイクル、少なくとも約40の熱サイクル、少なくとも約80の熱サイクル、少なくとも約100の熱サイクル、または少なくとも約1000の熱サイクルの後のこうした温度サイクリングに耐え得る(例えばすべての必要とされる仕様に適合し続ける)。一部の場合において、セルおよびシールは、年あたり少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上の回数で熱サイクルできる(例えば室温から操作温度までで行われる)。シールは、通常の操作温度範囲限度を超えるまたは限度未満の短期間の温度逸脱に耐えることができる。例えば、シールは、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、またはそれ以上の温度逸脱に耐えることができる。一部の場合において、こうした温度逸脱は700℃を超える場合はない。
【0121】
一部の例において、電圧(例えばシールにわたる電圧降下)は、少なくとも約0.1V、少なくとも約0.5ボルト(V)、少なくとも約1V、少なくとも約1.5V、少なくとも約2V、少なくとも約2.5V、少なくとも約3V、少なくとも約4V、少なくとも約5V、少なくとも約6V、少なくとも約7V、少なくとも約8V、少なくとも約9V、または少なくとも約10Vである。一部の例において、電圧は、約0.1V未満、約0.5V未満、約1V未満、約1.5V未満、約2V未満、約2.5V未満、約3V未満、約4V未満、約5V未満、約6V未満、約7V未満、約8V未満、約9V未満、約10V未満である。一部の例において、シールにわたる電圧降下は、約0V〜約3V、または約0V〜約10Vである。
【0122】
一部の例において、電流(シールと相互作用する材料と通って流れる電流)は、少なくとも約0アンペア(A)、少なくとも約5A、少なくとも約10A、少なくとも約25A、少なくとも約50A、少なくとも約100A、少なくとも約150A、少なくとも約200A、少なくとも約250A、少なくとも約300A、少なくとも約350A、少なくとも約400A、少なくとも約450Aまたは少なくとも約500Aである。一部の例において、電流は、約0A未満、約5A未満、約10A未満、約25A未満、約50A未満、約100A未満、約150A未満、約200A未満、約250A未満、約300A未満、約350A未満、約400A未満、約450A未満、約500A未満である。一部の例において、シールと相互作用する材料を通して流れる電流は、約0A〜約500Aである。
【0123】
一部の例において、内部雰囲気(例えばシールが曝されるデバイス(例えばバッテリ)内からの反応性材料、アルカリ金属または反応性アルカリ土類金属およびハロゲン化物塩の蒸気)は、少なくとも約1×10
−5torr、少なくとも約5×10
−5torr、少なくとも約1×10
−4torr、少なくとも約5×10
−4torr、少なくとも約1×10
−3torr、少なくとも約5×10
−3torr、少なくとも約1×10
−2torr、少なくとも約5×10
−2torr、少なくとも約1×10
−1torr、少なくとも約5×10
−1torr、または少なくとも約1torrの蒸気圧のアルカリ金属またはアルカリ土類金属およびハロゲン化物塩を含む。一部の例において、内部雰囲気は、約1×10
−5torr未満、約5×10
−5torr未満、約1×10
−4torr未満、約5×10
−4torr未満、約1×10
−3torr未満、約5×10
−3torr未満、約1×10
−2torr未満、約5×10
−2torr未満、約1×10
−1torr未満、約5×10
−1torr未満、または約1torr未満の蒸気圧のアルカリ金属またはアルカリ土類金属およびハロゲン化物塩を含む。一部の例において、シールが曝される内部雰囲気は、少なくとも約0.001torr(約0.133Pa)または少なくとも約0.01torr(約1.33Pa)の蒸気圧のアルカリ金属またはアルカリ土類金属およびハロゲン化物塩を含む。一部の例において、シールが曝される内部雰囲気は、約0.001torr(約0.133Pa)未満または約0.01torr(約1.33Pa)未満の蒸気圧のアルカリ金属またはアルカリ土類金属およびハロゲン化物塩を含む。
【0124】
セルおよびシールの外部表面は、雰囲気(例えばO
2、N
2、Ar、CO
2、H
2Oを含む周囲環境)に曝され得る。一部の例において、外部雰囲気(例えばデバイス(例えばバッテリ)の外部からのシールが曝される雰囲気、例えば周囲空気、高湿分など)は、少なくとも約0℃、少なくとも約50℃、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約450℃、少なくとも約500℃、少なくとも約550℃、少なくとも約600℃、少なくとも約700℃、少なくとも約750℃、少なくとも約800℃、少なくとも約850℃、または少なくとも約900℃の温度にある。一部の例において、外部雰囲気は、約0℃未満、約50℃未満、約100℃未満、約150℃未満、約200℃未満、約250℃未満、約300℃未満、約350℃未満、約400℃未満、約450℃未満、約500℃未満、約550℃未満、約600℃未満、約700℃未満、約750℃未満、約800℃未満、約850℃未満、または約900℃未満の温度にある。一部の例において、デバイスの外部からのシールが曝される雰囲気は、約0℃〜550℃、約350℃〜約600℃、または約250℃〜約650℃(例えば100%相対湿度に伴う)の温度にある。こうした温度は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または100%相対湿度を伴い得る。例えば、こうした温度は、100%相対湿度に伴い得る。
【0125】
一部の例において、内部圧力(例えばシールにわたる真空勾配または正圧)は、少なくとも約0atm、少なくとも約0.1atm、少なくとも約0.2atm、少なくとも約0.4atm、少なくとも約0.6atm、少なくとも約0.8atm、少なくとも約1atm、少なくとも約1.5atm、少なくとも約2atm、少なくとも約2.5atm、少なくとも約3atm、少なくとも約3.5atm、少なくとも約4atm、または少なくとも約5atmであることができる。一部の例において、内部圧力は、約0atm未満、約0.1atm未満、約0.2atm未満、約0.4atm未満、約0.6atm未満、約0.8atm未満、約1atm未満、約1.5atm未満、約2atm未満、約2.5atm未満、約3atm未満、約3.5atm未満、約4atm、または約5atm未満であることができる。一部の例において、シールにわたる真空勾配または正圧は約0.5atm〜約4.0atmである。
【0126】
シールは、振動(例えば製造、輸送、設置、操作および稀な事象、例えばシールが曝され得る降下または衝撃中に生じる振動)を取り扱うことができる。例において、シールは、(例えばセルまたはシステム用途に使用される場合)輸送と同様の振動負荷を取り扱うことができる。
【0127】
シールは、所与寿命(例えばフル操作におけるシールの予想寿命)を有し得る。一部の例において、シールの寿命は、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約15年、少なくとも約20年またはそれ以上である。シールは、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約90%の操作(利用)またはフル操作時にこうした寿命を有することができる。シールは、約75%未満、約50%未満、約40%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%、または約1%未満の欠陥レートでのこうした寿命を有することができる。例において、シールは、約1%未満の欠陥で20年の寿命、または約10%未満の欠陥で20年の寿命を有する。
【0128】
シールは、少なくとも約10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、または2,000サイクルのサイクル寿命(例えばその性能が劣化する前および/または電気化学セル/バッテリ/エネルギー貯蔵デバイスの容量が例えばその元々の容量の80%未満に降下する前にシールが支持可能なセルの完全な充電/放電サイクルの数)を有し得る。
【0129】
外部セル寸法は、システム設計および性能に影響し得る。例えば、シール高さは、セル頂部プレート(例えばセル容器蓋の頂部表面)上方の所与の距離に制限され得る。一部の場合において、シール高さは、セル頂部プレート上方約2インチ未満、セル頂部プレート上方約1インチ未満、セル頂部プレート上方約1/2インチ未満(例えばセル間の間隔はスタックセルチャンバー内の熱環境を変更し得るので)、セル頂部プレート上方約1/4未満、またはセル頂部プレート上方約1/8未満であることができる。一部の場合において、セル蓋のアパーチャを通るセルの外側から電流を伝導する伝導体(例えば負極電流リード)の抵抗は、十分低い。例えば、伝導体の抵抗は、所与のシステム効率(例えば約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%エネルギー効率)を達成するのに十分低い。一部の場合において、伝導体の直径または径方向の円周が低減することにより、ロバスト性の高いシールが伝導体の周りに形成できるが、伝導体の抵抗が増大する。こうした例において、伝導体の抵抗は、ロバストシールが形成されるのに十分な値まで低下または最小限にできる(例えばシール中の伝導体の抵抗は、ロバストシールが製造できる限り可能な程度に低くでき、伝導体はその周りにロバストシールを達成するのに十分小さいが、低い抵抗を達成するのに十分大きくできる)。抵抗は、約200ミリオーム(mOhm)未満、約100mOhm未満、約80mOhm未満、約50mOhm未満、約30mOhm未満、約10mOhm未満、約3mOhm未満、約1mOhm未満、約0.75mOhm未満、約0.5mOhm未満、約0.3mOhm未満、約0.1mOhm未満、約0.075mOhm未満、約0.05mOhm未満、約0.03mOhm、または約0.01mOhm未満であってもよい。
【0130】
材料(例えばセル蓋アセンブリ材料、接着剤シール材料(1または複数)などの化学的安定性)は、(例えばシステムが到達し得るすべての可能な温度の間、シールの耐久性を確実にするために)考慮できる。シールは、1つ以上の異なる雰囲気に曝され得る(セル内部(内部雰囲気)および開放空気(外部雰囲気)を含む)。例えば、シールは、湿分を含む通常の空気成分(ならびにセルの潜在的な腐食性活性材料)に曝され得る。一部の実施において、密封シールが提供される。密封シールされたバッテリまたはバッテリハウジングは、バッテリへの適切でない量の空気、酸素および/または水を防止できる。一部の場合において、密封シールされたセルまたはセルハウジングは、ガスまたは金属/塩蒸気(例えばヘリウム、アルゴン、負極蒸気、電解質蒸気)がセルから漏出するのを防止できる。
【0131】
シールは、1つ以上の仕様に適合でき、これらとしては:電気絶縁および密封性、存続期間の間に操作温度で機能する能力、熱サイクル能力、伝導体(例えば負極電流リード)の十分高い電気伝導率、セル本体から過剰に突出しない構成、活性構成要素の液体および蒸気に対して化学的に安定な内部表面、空気中で安定な外側表面、高い電位下でのアーク放電を回避する能力が挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
一部の実施において、電気化学セルは、少なくとも約200℃の操作温度で液体である液体金属(液体金属合金を含む)を含む電気伝導性ハウジングを含む。一部の場合において、操作温度は少なくとも約350℃である。一部の例において、電気化学セルは、少なくとも約50ワット時(Wh)のエネルギーを貯蔵できる。他の例において、電気化学セルは、少なくとも約270ワット時(Wh)のエネルギーを貯蔵できる。液体金属は、電気化学セルの充電および/または放電中の電荷を貯蔵/放出できる電気化学セルの一部として構成できる。電気化学セルは、液体金属と電気的に接触した伝導体を含むことができ、伝導体は、電気伝導性ハウジングのアパーチャを通して電気伝導性ハウジングから突出する。電気化学セルは、電気伝導性ハウジングに伝導体をシールするシールを含むことができる。
【0133】
シールは、いずれかの好適な低いヘリウムリークレートを提供できる。一部の場合において、シールは、約25℃において、毎秒約1×10
−10、約1×10
−9、約1×10
−8、約1×10
−7、約5×10
−7、約1×10
−6、約5×10
−6、約1×10
−5、または約5×10
−5気圧−立方センチメートル(atm−cc/s)のヘリウムリークレートを提供する。一部の例において、シールは、少なくとも約−25℃、少なくとも約0℃、少なくとも約25℃、少なくとも約50℃、少なくとも約200℃、少なくとも約350℃、少なくとも約450℃、少なくとも約550℃、または少なくとも約750℃の温度(例えばセルの操作温度またはシール温度)において、毎秒、約1×10
−10以下、約1×10
−9以下、約1×10
−8以下、約1×10
−7以下、約5×10
−7以下、約1×10
−6以下、約5×10
−6以下、約1×10
−5以下、約5×10
−5気圧−立方センチメートル(atm−cc/s)のヘリウムリークレートを提供する。シールは、例えば少なくとも約1ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約20年、またはそれ以上の期間、電気化学セルが操作されている場合(例えば定格容量)、こうしたヘリウムリークレートを提供できる。一部の場合において、シールは、電気化学セルが少なくとも約350充電/放電サイクル、少なくとも約500サイクル、少なくとも約1,000サイクル、少なくとも約3,000サイクル、少なくとも約10,000サイクル、少なくとも約50,000サイクル、少なくとも約75,000サイクル、または少なくとも約150,000サイクルにて操作されている場合にこうしたヘリウムリークレートを提供する。
【0134】
シールは、電気伝導性ハウジングから伝導体を電気的に隔離できる。電気隔離の程度は、シールにわたるインピーダンスを測定することによって定量できる。一部の場合において、シールにわたるインピーダンスは、いずれかの操作、休止、または貯蔵温度において、約0.1キロOhms(kOhm)、約1kOhm、約5kOhm、約10kOhm、約50kOhm、約100kOhm、約500kOhm、約1,000kOhm、約5,000kOhm、約10,000kOhm、約50,000kOhm、約100,000kOhm、または約1,000,000kOhmである。一部の場合において、シールにわたるインピーダンスは、いずれかの操作、休止、または貯蔵温度において、少なくとも約0.1kOhm、少なくとも約1kOhm、少なくとも約5kOhm、少なくとも約10kOhm、少なくとも約50kOhm、少なくとも約100kOhm、少なくとも約500kOhm、少なくとも約1,000kOhm、少なくとも約5,000kOhm、少なくとも約10,000kOhm、少なくとも約50,000kOhm、少なくとも約100,000kOhm、または少なくとも約1,000,000kOhmである。一部の場合において、シールにわたるインピーダンスは、いずれかの操作、休止、または貯蔵温度において、約0.1kOhm未満、約1kOhm未満、約5kOhm未満、約10kOhm未満、約50kOhm未満、約100kOhm未満、約500kOhm未満、約1,000kOhm未満、約5,000kOhm未満、約10,000kOhm未満、約50,000kOhm未満、約100,000kOhm未満、または約1,000,000kOhm未満である。シールは、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、またはそれ以上の期間、電気化学セルが操作されている場合(例えば定格容量)電気的隔離を提供できる。一部の場合において、シールは、電気化学セルが少なくとも約350充電/放電サイクル、少なくとも約500サイクル、少なくとも約1,000サイクル、少なくとも約3,000サイクル、少なくとも約10,000サイクル、少なくとも約50,000サイクル、少なくとも約75,000サイクル、または少なくとも約150,000サイクルにて操作されている場合に電気的隔離を提供できる。
【0135】
シールは、電気化学セルが、少なくとも約1年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約20年、少なくとも約50年、または少なくとも約100年の間操作されている場合に電気的隔離を提供できる。一部の場合において、シールは、電気化学セルが約350充電/放電サイクルの間操作されている場合に、電気的隔離を提供する。
【0136】
密封シールされたバッテリまたはバッテリハウジングは、バッテリへの適切でない量の空気、酸素、窒素および/または水を防止し得る(例えばバッテリはそのエネルギー貯蔵容量の少なくとも約80%を維持するような、ならびに/あるいは少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約5年、少なくとも約10年、または少なくとも約20年の間少なくとも約100mA/cm
2で充電および放電される場合に、サイクルあたり少なくとも約90%のラウンドトリップクーロン効率を維持するような量)。一部の例において、バッテリが、バッテリの内側圧力より、少なくとも約0気圧(atm)、0.1atm、0.2atm、0.3atm、0.4atm、0.5atm、0.6atm、0.7atm、0.8atm、0.9atmまたは0.99atm(またはそれら未満)高く、あるいはバッテリの内側の圧力より、少なくとも約0.1atm、0.2atm、0.5atm、1atm(またはそれら未満)低く、および約400℃〜約700℃の温度にて空気と接触する場合、バッテリへの酸素、窒素、および/または水蒸気移動レートは、毎時約0.25ミリリットル(mL)未満、毎時約0.21mL未満、または毎時約0.02mL未満である。一部の例において、バッテリが、バッテリ内側の圧力より約0.5atm、1atm、1.5atm、2atm、2.5atm、3atm、3.5atm、または4atm低い圧力および約400℃〜約700℃の温度にて空気と接触する場合に、金属蒸気、溶融塩蒸気、またはバッテリからの不活性ガスの移動のレートは、毎時約0.25mL未満、毎時約0.21mL未満、または毎時約0.02mL未満である。一部の例において、所与の期間(例えば1ヶ月間、6ヶ月間、1年間、2年間、5年間、10年間またはそれ以上)にわたってセルにリークする酸素、窒素、または水蒸気のモル数は、セル中の活性材料(例えば活性金属材料)のモル数の約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、または約0.5%未満である。
【0137】
反応性材料を含有するシールされた高温デバイスは、一部の場合において、内部圧力の増大に直面し得る(例えばデバイスの温度がデバイス内の1以上の材料の沸点を超えて増大する場合)。デバイスは、金属ハウジング(例えばステンレススチールセル本体)および共に接合される(例えばブレイズされるまたは溶接される)金属ハウジング蓋(例えばステンレススチールセル蓋)を含み得る。セル蓋は、高温シールを含み得る。デバイス内側の圧力構築時、デバイスは破裂し得る。一部の場合において、デバイスは破裂する場合があり、材料を放出する場合があり、結果として有害な事象であり得る。有害なレベルに到達する前に、圧力を緩和する構成要素をデバイスが含むことが望ましい場合がある。圧力緩和構成要素は、圧力は液体構成要素よりむしろガス状構成要素の逃避を介して放出されるようにデバイスのガス状ヘッドスペースにあることが望ましい場合もある。
【0138】
一部の実施において、シールは、臨界圧力を超えておよび/または臨界温度を超えて、圧力緩和構成要素として作用するように設計されてもよい(例えばデバイス内側に構築され得る圧力をシールを通して放出できるデバイスの最も弱い部分であるように設計されてもよい)。1つ以上のシールが、デバイスに提供されてもよい(例えば伝導体の周りのシール、専用圧力緩和シール、圧力緩和も提供する伝導体の周りのシール)。一部の場合において、デバイスおよび/またはシールが金属−セラミック間シールされた界面を創出するために使用されるブレイズ材料の融点を超えて加熱される場合に、シールは圧力を放出する。一部の場合において、シール中のセラミック−金属間ジョイントの強度および/または幾何学形状は、デバイスハウジングおよび/または蓋の金属間ジョイントの前(および/またはシールの金属間ジョイントの前)に欠陥を生じる(例えばリークする)ように設計される。例えば、シール中の1つ以上のセラミック−金属間ブレイズは、デバイスハウジングおよび/または蓋の金属間溶接よりも弱くできる。一部の例において、デバイス内側の臨界圧力は、約1atm、2atm、3atm、4atm、5atm、10atm、20atm、50atm、または100atmを超え得る。一部の例において、(例えばデバイスおよび/またはシールの)臨界温度は、約300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃、1300℃、または1400℃を超え得る。
【0139】
一部の実施において、セルはアノードおよびカソードを含む。セルは、少なくとも約10Whのエネルギーを貯蔵でき、密封または非密封シールされることができる。アノードおよびカソードの少なくとも1つは、液体金属であることができる。
【0140】
一部の実施において、セルの群は、少なくとも約10kWhのエネルギーを貯蔵でき、セルのそれぞれは密封または非密封シールされる。セルが密封シールされない場合、バッテリ(例えば直列または並列のいくつかのセル)は密封シールできる。
【0141】
一部の実施において、セルハウジングは、集電体と電気的に連通した電気伝導性容器、容器アパーチャ、および伝導体を含む。伝導体は、容器アパーチャを通過させてもよく、電気伝導性容器から電気的に隔離できる。ハウジングは、少なくとも10Whのエネルギーを貯蔵できるセルを密封シールできる場合がある。
【0142】
シール材料、化学的適合性および熱膨張係数
シールは、いずれかの好適な材料で製造できる(例えばシールが密封シールおよび電気的隔離を形成するように)。一部の場合において、シールは、セラミック材料およびブレイズ材料から製造される。セラミック材料およびブレイズ材料は、互いにおよび/またはハウジング材料に一致する熱膨張係数(CTE)を有することができ、こうして電気化学セルが、バッテリの操作および/またはスタートアップ中に好適なシールを維持するようになる。セラミック材料は、ブレイズ材料およびセル頂部(例えばセル蓋アセンブリの蓋またはキャップまたはいずれかの構成要素)もしくは本体またはこれらの組み合わせの熱膨張係数と一致する熱膨張係数を有することができる。
【0143】
一部の場合において、セラミック材料、ブレイズ材料およびセル頂部または本体の熱膨張係数は、完全に同じように一致しないが、ブレイズ操作および操作中の後続熱サイクル中の応力を最小限にするのに十分近い。一部の場合において、セラミックのCTEは、℃あたりのメートルあたり少なくとも約3ミクロン(μm/m/℃)、少なくとも約4μm/m/℃、少なくとも約5μm/m/℃、少なくとも約6μm/m/℃、少なくとも約7μm/m/℃、少なくとも約8μm/m/℃、少なくとも約9μm/m/℃、少なくとも約10μm/m/℃、少なくとも約11μm/m/℃、少なくとも約12μm/m/℃、少なくとも約13μm/m/℃、または少なくとも約14μm/m/℃である。一部の場合において、セラミックのCTEは、約3μm/m/℃未満、約4μm/m/℃未満、約5μm/m/℃未満、約6μm/m/℃未満、約7μm/m/℃未満、約8μm/m/℃未満、約9μm/m/℃未満、約10μm/m/℃未満、約11μm/m/℃未満、約12μm/m/℃未満、約13μm/m/℃、または約14μm/m/℃未満である。一部の場合において、金属カラーまたはスリーブのCTEは、少なくとも約5μm/m/℃、少なくとも約6μm/m/℃、少なくとも約7μm/m/℃、少なくとも約8μm/m/℃、少なくとも約9μm/m/℃、少なくとも約10μm/m/℃、少なくとも約11μm/m/℃、少なくとも約12μm/m/℃、少なくとも約13μm/m/℃、または少なくとも約14μm/m/℃である。一部の場合において、金属カラーまたはスリーブのCTEは、約5μm/m/℃未満、約6μm/m/℃未満、約7μm/m/℃未満、約8μm/m/℃未満、約9μm/m/℃未満、約10μm/m/℃未満、約11μm/m/℃未満、約12μm/m/℃未満、約13μm/m/℃、または約14μm/m/℃未満である。一部の場合において、セラミック材料は、少なくとも約50%のAlNを含み、約5μm/m/℃未満のCTEを有する。一部の場合において、金属カラーまたはスリーブはZrを含み、約7μm/m/℃または約7μm/m/℃未満のCTEを有する。一部の場合において、(例えばセラミック材料、ブレイズ材料およびセル頂部または本体のいずれか2つの間の)熱膨張係数の最大差は、℃あたりのメートルあたり約0.1ミクロン(μm/m/℃)未満、約0.5μm/m/℃未満、約1μm/m/℃未満、約2μm/m/℃未満、約3μm/m/℃未満、約5μm/m/℃未満、約7μm/m/℃未満、約10μm/m/℃、または約15μm/m/℃未満であることができる。
【0144】
一部の場合において、シールは、金属カラー(例えば薄い金属カラー)またはスリーブを含む。カラーまたはスリーブは、セラミックにブレイズでき(例えばブレイズ材料を介して)、セル蓋および/またはセル蓋を通して、セルキャビティに突出する負極電流リードに接合できる。シールは、セラミックとセル蓋および/または負極電流リードとの間のCTEミスマッチを緩和する特徴要素を含むことができる。
【0145】
一部の実施において、電気化学セルは、少なくとも約200℃の操作温度で液体である液体金属を含む電気伝導性ハウジングを含む。一部の場合において、操作温度は少なくとも約350℃である。一部の例において、電気化学セルは、少なくとも約50ワット時のエネルギーを貯蔵できる。液体金属(液体金属合金を含む)は、電気化学セルの充電/放電中の電荷を貯蔵/放出するように構成できる。電気化学セルは、液体金属と電気的に接触した伝導体を含むことができ、伝導体は、電気伝導性ハウジングのアパーチャを通して電気伝導性ハウジングから突出する。電気化学セルは、電気伝導性ハウジングに伝導体をシールするシールを含むことができる。
【0146】
一部の場合において、シールは、セラミック材料およびブレイズ材料を含む。一部の場合において、セラミック材料は、反応性材料(例えば反応性液体金属または反応性液体金属蒸気)と熱力学的に安定である(例えば化学的に反応しない)。一部の場合において、セラミック材料は、溶融塩に対して熱力学的に安定であり、溶融塩によって攻撃されず、溶融塩に溶解しない。セラミック材料の例としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ベリリウム(Be
3N
2)、窒化ホウ素(BN)、窒化カルシウム(Ca
3N
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化セリウム(Ce
2O
3)、酸化エルビウム(Er
2O
3)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化スカンジウム(Sc
2O
3)、酸化イッテルビウム(Yb
2O
3)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、イットリア部分安定化ジルコニア(YPSZ)、炭化ホウ素(B
4C)、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、二ホウ化チタン(TiB
2)、カルコゲニド、石英、ガラスまたはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
一部の場合、ブレイズ材料は、反応性材料への低溶解性を有する少なくとも1つのブレイス成分を含み、ここで反応性材料は低溶解性を有し、デバイスの操作温度にて反応性材料と反応せず(例えば反応性材料と金属間合金を形成しない)、および/またはデバイスの操作温度を超えて溶融する。反応性材料は反応性金属であることができる。一部の例において、ブレイズ材料は、反応性金属に対して低い溶解性を有する少なくとも1つのブレイズ成分を含む。一部の例において、反応性金属は、ブレイズ成分に対して低い溶解性を有する。一部の例において、ブレイズ成分は、デバイスの操作温度にて反応性金属と金属間合金を形成しない。一部の例において、ブレイズ成分は、デバイスの操作温度を超えて溶融する。ブレイズ成分材料の例としては、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、銅(Cu)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、ルビジウム(Rb)、スカンジウム(Sc)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、リン(P)、ホウ素(B)、炭素(C)、ケイ素(Si)、またはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一部の例において、セラミック材料は、窒化アルミニウム(AlN)を含み、ブレイズ材料はチタン(Ti)を含む。一部の例において、ブレイズ材料は、2つ以上の材料(例えばつの3材料)の混合物を含む。材料は、いずれかの割合で提供されてもよい。例えば、ブレイズは、約30:30:40または40:40:20の比(例えば重量%、原子%、mol%または体積%)にて3つの材料を含むことができる。一部の例において、ブレイズ材料は、Ti−Ni−Zrの混合物を含む。一部の例において、ブレイズは、少なくとも約20、30または40重量%のチタン、少なくとも約20、30重量%または40重量%のニッケル、および少なくとも約20、30または40重量%のジルコニウムを含む。一部の例において、ブレイズは、約20、30または40重量%未満のチタン、約20、30重量%または40重量%未満のニッケル、および約20、30または40重量%未満のジルコニウムを含む。一部の例において、ブレイズは、約18%のTi、約60%のZr、約22%のNi(例えば、重量%、原子%、mol%または体積%基準にて)を含む。一部の例において、ブレイズは、約7%のTi、約67%のZr、約26%のNi(例えば、重量%、原子%、mol%または体積%基準にて)を含む。一部の例において、ブレイズは、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95またはそれ以上の重量%、原子%、mol%または体積%またはそれら未満のチタン、ニッケルまたはジルコニウム(または本明細書においていずれの他のブレイズ材料)を含むことができる。一部の例において、他の好適なブレイズ材料(1または複数)は、化学的安定性を改善し、溶融温度を変化させ、または機械的特性を変化させる(例えばブレイズのCTEを変化させ、ブレイズの延性を変化させるなど)ためにブレイズに添加できる。
【0148】
一部の例において、セラミック材料は、主要なセラミック材料(例えばAlN)および熱力学的にも安定である二次セラミック材料、例えばY
2O
3、La
2O
3および/または本明細書に記載されるいずれかの他のセラミック材料(例えばAlN、Be
3N
2、BN、Ca
3N
2、Si
3N
4、Al
2O
3、BeO、CaO、Ce
2O
3、Er
2O
3、MgO、Nd
2O
3、Sm
2O
3、Sc
2O
3、Yb
2O
3、ZrO
2、YPSZ、B
4C、SiC、TiC、ZrC、TiB
2、カルコゲニド、石英、ガラスまたはこれらのいずれかの組み合わせ)を含む。一部の例において、主要セラミック材料(例えば、AlNセラミック)は、重量で、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、または少なくとも約20%の二次セラミック材料(または二次材料の組み合わせ)を含む。一部の例において、二次セラミック材料は、セラミックの焼結温度を低下させることでグレインサイズを低減することによって、主要セラミック材料のグレイン間にガラス状相を形成して蛇行性クラック成長経路を促進することによって、またはセラミックの強靭化のために他の強化機構(1または複数)によってセラミックの強度を増大させるのに役立つ。一部の例において、セラミックは、セルの内容物(例えば反応性金属および溶融塩)と熱力学的に安定な主要セラミック材料(例えば約50、60、70、80、90、95またはそれ以上を超える重量%)、および十分低量(例えば重量、原子、モルまたは体積基準で、約20%未満、または約15%未満)で、熱力学的に安定ではない(例えばセルの内容物に対して安定ではない、および/またはセルの外側の雰囲気に対して安定でない)二次セラミック材料(例えばMgO)を含む。二次セラミック材料は、主要なセラミック材料のバルク全体を通して分散する粒子として存在してもよい(例えば、二次セラミック粒子の大部分が他の二次セラミック粒子と直接接触しないような様式で)。一部の場合、二次セラミック材料粒子は、応力の局所領域を確立することによって全体のセラミック材料を強化し、クラックチップ偏向およびクラックチップピンニングを促進する。一部の場合、二次セラミック材料は、主要セラミック材料に添加し、全体のセラミック材料のCTEを調整して、金属カラーまたはスリーブまたはセル蓋のCTEとより厳密に一致させてもよい。反応性金属(1または複数)および/または溶融塩(1または複数)および/または空気に曝される場合、表面の二次セラミック粒子は攻撃され得るが、主要セラミック材料のバルク全体を通して分散される二次セラミック粒子は攻撃され得ず、故に、セラミック材料を、反応性金属(1または複数)および/または溶融塩(1または複数)に曝される場合に、化学的に安定にすることができる。
【0149】
一部の例において、こうしたセラミックは、主要なセラミック材料(例えばY
2O
3)および少なくとも約2%、少なくとも約4%、少なくとも約6%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、または少なくとも約15%の二次セラミック材料(例えば、AlN、Be
3N
2、BN、Ca
3N
2、Si
3N
4、Al
2O
3、BeO、CaO、Ce
2O
3、Er
2O
3、La
2O
3、MgO、Nd
2O
3、Sm
2O
3、Sc
2O
3、Yb
2O
3、ZrO
2、YPSZ、B
4C、SiC、TiC、ZrC、TiB
2、カルコゲニド、石英、ガラスまたはこれらのいずれかの組み合わせ)を含む。一部の例において、セラミックは、主に主要セラミック材料(例えばY
2O
3)を、重量で、約2%未満、約4%未満、約6%未満、約8%未満、約10%未満、約12%未満、または約15%未満の二次セラミック材料(または二次セラミック材料の組み合わせ)と共に含む。一部の例において、主要なセラミック材料はY
2O
3である。一部の例において、二次セラミック材料はMgOである。例において、セラミックは、主にY
2O
3と、約12.5重量%のMgO粒子と共に含む。一部の場合において、Y
2O
3および例えば約12.5重量%MgOを含むセラミックは、セルおよび/またはシステムの操作温度において、スチールまたはステンレススチール合金(例えば430ステンレススチール)のCTEに厳密に一致する(例えば約10%以下以内)CTEを有し得る。
【0150】
故に主要なセラミック材料および二次材料の例としては、開示のいずれかのセラミック材料、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ベリリウム(Be
3N
2)、窒化ホウ素(BN)、窒化カルシウム(Ca
3N
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化セリウム(Ce
2O
3)、酸化エルビウム(Er
2O
3)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd
2O
3)、酸化サマリウム(Sm
2O
3)、酸化スカンジウム(Sc
2O
3)、酸化イッテルビウム(Yb
2O
3)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、イットリア部分安定化ジルコニア(YPSZ)、炭化ホウ素(B
4C)、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(TiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、二ホウ化チタン(TiB
2)、カルコゲニド、石英、ガラスまたはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0151】
ブレイズは、不活性ブレイズまたは活性ブレイズであることができる。不活性ブレイズは、セラミック材料を溶融および湿潤でき、またはそこに堆積された金属化層を有するセラミック材料を湿潤できる。銅および銀は、不活性ブレイズの例である。活性ブレイズは、セラミックと反応できる(例えばセラミックの金属構成要素を化学的に還元する(例えばAlはAlNに還元される))。一部の場合において、活性ブレイズは、セラミック材料と反応する活性金属種、例えばチタン(Ti)またはジルコニウム(Zr)を有する金属合金を含むことができる(例えばAlN+Ti→Al+TiNまたはAlN+Zr→Al+ZrN)。活性ブレイズはさらに、1つ以上の不活性構成要素(例えばNi)を含むことができる。不活性構成要素(1または複数)は、例えばブレイズの融点を低下させることができ、および/またはブレイズの化学的安定性を改善できる。一部の場合において、活性金属ブレイズはセラミック上でビーズになりおよび/またはセラミックを湿潤しない。
【0152】
シールは、電気化学セルを密封シールできる。一部の場合において、シールは、電気化学セルと接触する雰囲気に対して不活性である。電気化学セルと接触する雰囲気は、酸素(O
2)、窒素(N
2)、水(H
2O)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。一部の場合において、セラミック材料および/またはブレイズ材料は、電気化学セルと接触する雰囲気に対して抵抗性を提供するようにコーティングされる。例えば、コーティングは、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0153】
シールは、金属蒸気および溶融塩に対して少なくとも部分的に不活性であることができる。一部の場合において、金属蒸気は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。セラミック材料および/またはブレイズ材料は、金属蒸気および金属塩に対して抵抗性を提供するようにコーティングできる。例えば、コーティングは、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化エルビウム(Er
2O
3)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、炭化ケイ素(SiC)、またはこれらのいずれかの組み合わせであることができる。
【0154】
一部の場合において、セラミック材料およびブレイズ材料の熱膨張係数は、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体の熱膨張係数と一致する(例えば約1%以内で、約5%以内で、約10%以内で、約15%以内で、約20%以内で、または約30%以内で)。一部の場合において、密封ジョイントは、ブレイズが、セラミックおよび/またはシールの他の構成要素またはサブアセンブリ(例えば金属スリーブ)のCTEと比較して同様のCTEを有していない場合に形成できる。
【0155】
シールは、電気伝導性ハウジング、セル(ハウジング)蓋、および/または伝導体と溶接またはブレイズできる。一部の場合において、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体は、400−シリーズステンレススチール、300−シリーズステンレススチール、ニッケル、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0156】
図7は、種々のタイプのスチールおよび絶縁セラミックに関する℃あたりの百万部あたりの部(ppm)単位でのCTEを示す。430ステンレススチール705のCTEは、250℃〜800℃において、約10ppm/℃〜約12ppm/℃でほぼ線形の範囲であることができる。ニッケル−コバルト鉄合金710のCTEは、250℃〜800℃において、約5ppm/℃〜約10ppm/℃の非線形の範囲であることができる。窒化アルミニウムセラミック715のCTEは、250℃〜800℃において、約4.5ppm/℃にて相対的に一定であることができる。
【0157】
図8は、種々のタイプのスリーブまたはカラー材料(例えばスチール)、ブレイズ材料および絶縁セラミックに関する℃あたりの部(p)単位でのCTEを示す。スリーブまたはカラー材料は、例えば304ステンレススチール805、430ステンレススチール810、410ステンレススチール815、およびニッケル−コバルト鉄合金820を含むことができる。ブレイズ材料としては、例えばニッケル−100 825、モリブデン(Mo)830およびタングステン(W)835を挙げることができる。セラミック材料としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)840、酸化アルミニウム(Al
2O
3)845、グレイン配向に平行な方向における窒化ホウ素(BN)850、グレイン配向に垂直な方向における窒化ホウ素(BN)855、酸化イットリウム(Y
2O
3)860およびイットリア部分安定化ジルコニア(YPSZ)865を挙げることができる。
【0158】
シールのCTEは、いずれかの好適な許容誤差までハウジングおよび/または伝導体のCTEと一致させることができる。一部の場合において、シールは、電気伝導性ハウジングから伝導体を電気的に隔離し、ここでシールのCTEは、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%異なり、および/またはこれら未満である。一部の例において、シールは、伝導体を電気伝導性ハウジングから電気的に隔離し、ここでシールのCTEは、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、または約30%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満で異なるおよび/またはCTEよりこれら未満である。
【0159】
シールのCTEは、操作温度においておよび/またはセルのスタートアップ中(例えば非溶融金属電極から出発)、伝導性ハウジングまたは伝導体に一致させることができる。一部の場合において、シールのCTEは、電気化学セルが操作される温度において、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満で異なる。一部の例において、シールのCTEは、約−10℃から操作温度との間のすべての温度において、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満で異なる。
【0160】
シールを含む材料(例えばセラミック絶縁体、ブレイズ合金、およびスリーブ/カラー)は、セルの内側および/または外部環境と化学的に適合する(例えば接触して安定である)ように選択できる。
【0161】
図9は、一連の温度における種々の材料に関する生成ギブズ自由エネルギー(ΔG
r)を示し、負の数は熱力学的により安定である905である。例としては、窒化リチウム(Li
3N)910、窒化アルミニウム(AlN)915および窒化チタン(TiN)920のΔG
r曲線が挙げられる。異なる絶縁セラミック材料の熱力学的評価は、窒化アルミニウム(電気絶縁セラミック)が、リチウムの存在下で安定であることができる(例えばAlNのNモルあたりのΔG
rは、Li
3Nよりも負であるので)ことを示すことができる。また、TiNのNのモルあたりのΔG
rは、Li
3Nよりも負であり、AlNよりもさらに負である。故に、チタン−合金ブレイズは、AlNを化学的に還元でき、TiNを形成でき(例えば反応AlN+Ti→TiN+Alによって)、したがってチタン−合金ブレイズと十分結合できる。反応性材料(例えば反応性金属)、セラミックおよびブレイズ材料は、反応性金属−、セラミック−およびブレイズ−窒化物化合物の安定性(例えば規格化生成ギブズ自由エネルギー(ΔG
r,n)、例えば各化合物の式の窒化物原子の数によって規格化された窒化物化合物の生成ギブズ自由エネルギー)が順位付けされて存在するように選択できる。窒化物化合物が順位付けされた例において、反応性金属窒化物(例えばLi
3N)のΔG
r,nは、ブレイズ窒化物(例えばTiN)のΔG
r,nよりも負の値が小さいセラミック窒化物(例えばAlN)のΔG
r,nよりも負の値が小さい(すなわちより正である)。この様式で材料を順位付けすることにより、順位付けされた化合物が劣化する駆動力を低減または排除され得る。一部の場合において、ブレイズ材料はまた、反応性材料(例えば反応性金属または溶融塩)中の低い相互溶解性を示しおよび/または反応性材料と反応しない(例えば反応性金属と金属間化合物を形成しない)材料を含む。材料のこうした選択により、反応性材料(例えば反応性金属)、セラミック、およびブレイズ材料の熱力学的安定性を確実にできる。追加の材料は、一部の場合において、こうした順位付けに基づいて添加できる。例えば、構成要素(例えばセラミック)は、より好適な順位付け特徴により2以上の構成要素によって置き換えることができる。
【0162】
ニッケル−コバルト鉄合金、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、および430ステンレススチール(430SS)は、例えばニッケル−コバルト鉄合金および430SSのリチウムおよび金属構成要素(例えばFe、Ni、Cr、Co)がLiと金属間化合物を形成せず、それらそれぞれのLiへの(又はとの)溶解性が、相対的に低い(例えば約1mol%未満)ことを示す状態図によって示されるように、溶融リチウム(Li)の存在下において安定であることができる。チタン−合金ブレイズは、鉄合金、例えばニッケル−コバルト鉄合金および/または430SSに結合できる。一部の場合において、AlN、チタン−合金、およびニッケル−コバルト鉄合金/430SSはすべて、高温にて空気の存在下で安定である。故に、1つの例において、本明細書に記載されるシールを選択する方法は、AlNを含む絶縁セラミックを含むシール、Ti合金を含むブレイズ、1つ以上のニッケル−コバルト鉄合金430SSおよびジルコニウムを含むスリーブまたはカラーが、好適なシール材料セットを形成することを示す。
【0163】
図32は、高温デバイスのためのシールを形成する材料を選択するための方法3200の例である。デバイスは反応性材料を含むことができる。方法は、順位付けされた生成自由エネルギーの選択プロセスを含むことができる。こうした選択プロセスは、長期間の安定性を有するシールへの道を提供できる。こうしたシールは、熱力学的に安定な材料(例えば安定セラミック、安定(活性)ブレイズ材料、セラミックを低減できるブレイズ)を含むことができる。この方法は、材料それぞれの生成ギブズ自由エネルギー(ΔG
r)に基づいて一組の材料を順位付けする工程を含むことができる(3205)。一部の場合において、ギブズ自由エネルギー比較において比較される材料(すなわち一組の材料)は、1つ以上のシール材料と関連する化合物(例えば一組のシール材料と関連する化合物、例えばセラミック材料およびブレイズ材料と関連する化合物、例えば活性ブレイズ材料)および/または含有されるべき反応性材料と関連する化合物を含む。関連化合物は、それらのΔG
rに従って順位付けされてもよい(例えば反応性材料Liと関連するLi
3N、活性ブレイズ材料Tiと関連する化合物としてのTiN)。一部の場合において、化合物は共通元素を含む(例えばLi
3N、AlNおよびTiNの窒素)を含む。こうした場合において、順位付けは、各材料(例えば関連化合物)の増大するまたは低減する規格化生成ギブズ自由エネルギー(ΔG
r,n、ここでΔG
r,nは、化合物の式において共通元素の化学量論原子数によって除したΔG
rに等しく、例えばLi
3NについてΔG
r=ΔG
r,n/1、およびCa
3N
2についてΔG
r=ΔG
r,n/2、ここで窒素は共通元素と考えられる)の増減に基づくことができる。共通元素は、反応性材料(例えばLi
3N)と共に化合物を形成できる。共通元素は、例えば窒素、酸素または硫黄(例えば化合物は窒化物、酸化物または硫化物)であることができる。先に記載されるように、共通元素を含む反応(1または複数)は、選択された順位付けされた材料間の結合に役立ち得る(例えばAlN+Ti→TiN+Al)。
【0164】
方法はさらに、順位付けされた材料のサブセットを選択する工程を含むことができる(3210)(例えば選択された材料が順位付けされたままであるように)。次に、工程3215において、方法は、選択された順位付けされた材料に基づいて一組のシール材料(例えばセラミック材料および活性ブレイズ材料)を選択する工程を含むことができる。これは、選択された順位付けされた材料が、シールに提供されおよび/または反応性材料(例えばLi)に曝される場合に劣化する駆動力を排除できる。シール材料の選択された組は、セラミック材料および活性ブレイズ材料を含むことができる。一組のシール材料を選択する工程は、反応性材料と関連する化合物よりも負であるΔG
r,nを有する関連化合物と共に1つ以上のシール材料(例えば第1のセラミックおよび次いでブレイズ)を選択することを含むことができる。選択(例えば選択の第1の工程)は、電気絶縁性であり、反応性材料(例えばLi
3N)と関連する化合物よりも負であるΔG
r,nを有するセラミック材料(例えばAlN)の選択を含んでいてもよい。選択(例えば選択の第2の工程)は、セラミック材料と等しいまたはセラミック材料よりも負であるΔG
r,nを有する関連化合物(例えばTiN)を有する活性ブレイズ材料(例えばTi−合金)の選択を含んでいてもよい。例において、高温デバイスに含有される反応性材料は、リチウム(Li)を含む。この例において、選択された順位付けされた材料は、順に、窒化リチウム(Li
3N)、窒化アルミニウム(AlN)および窒化チタン(TiN)であることができ;選択されたセラミック材料は、窒化アルミニウム(AlN)を含むことができ、選択された活性ブレイズ材料はチタン(Ti)を含むことができる。一部の場合において、活性ブレイズ材料はまた、反応性金属との安定性に基づいて選択される(例えば安定な活性ブレイズ材料は、反応性材料に対する低い(例えば<1%、<0.1%)相互溶解性を有してもよく、および/または活性ブレイズ材料および反応性材料は、互いの存在下で安定であってもよく、および/または金属間化合物を形成しなくてもよい)。一部の場合において、選択されたAlNセラミックおよびTi活性ブレイズ材料は、Liに対して熱力学的に安定である。一部の例において、シールは、反応性材料の存在下で熱力学的に安定なセラミック材料、反応性材料と化学的に安定な活性ブレイズ材料を含んでいてもよく、ここで活性ブレイズ材料は、セラミック材料と化学的に反応し(例えばTi+AlN→TiN+Al)、その反応の化合物生成物(例えばTiN)は反応性材料の存在下で安定である。
【0165】
方法3200はさらに、シールに接合するためのスリーブまたはカラーを選択する工程(3220)および/またはスリーブまたはカラーに接合するためのデバイスの容器を選択する工程(3220)を含むことができる。本明細書において他の場所でより詳細に記載されるように、スリーブまたはカラーは、シールおよび/またはデバイスの1つ以上の他の材料と化学的に適合性である材料を含むことができ、容器は、スリーブまたはカラーおよび/またはデバイスまたはシールの1つ以上の他の材料と化学的に適合性である材料を含むことができる。一部の場合において、選択された順位付けされた材料の1つ以上のペアは、CTE一致できる。方法3200の工程は、異なる順序で行われてもよく、または1つ以上の工程は省略されてもよい。さらに、方法3200は、一部の場合には、追加または異なる工程(1または複数)を含んでいてもよい。
【0166】
CTE不一致を補うことができる構造特徴要素
熱膨張係数(CTE)は、シールを設計する場合に考慮されてもよい。種々の材料間における熱膨張係数不一致(CTE不一致)は、初期製作加熱および高温シールのブレイズプロセス中において主要な懸案事項ではない場合がある(例えば構成要素は結合されない場合があり、これにより界面のスライドが可能であるため)。一部の例において、冷却中(例えばブレイズが溶融し、結合し、固化した後)、材料は、異なる割合で収縮できる(例えば絶縁体および金属スリーブは大きな応力に曝され得る)。故に、1つ以上の転移ピースが添加されてもよい。転移ピースは、絶縁体およびセル頂部の中間のCTE値を有していてもよく、および/またはバネ様設計特徴要素を有することができる(例えばニッケル−コバルト鉄合金または430SSまたはジルコニウムスリーブ)。一部の場合において、転移ピースは絶縁体に比べて薄い(例えば転移ピースは、絶縁体の厚さの約50%未満、または約10%未満の厚さを有することができる)。一部の場合において、ブレイズ材料は、意図された溶接ジョイントから分離される(例えば遠ざけられる)。一部の場合において、シールは、化学的に安定な材料セット(例えば窒化アルミニウムセラミック、チタン−合金ブレイズ、およびニッケル−コバルト鉄合金または430ステンレススチールスリーブ)を含み、CTE一致でき、またはCTEの差に適応できる設計を有することができる。
【0167】
一部の場合において、シールは、CTEに厳密に一致されるおよび/またはハウジングおよび/または伝導体のCTEに一致する材料を含まない。CTEの不一致は、シールが、密封シールされおよび/または好適な電気絶縁を形成する(例えばバッテリの操作温度において)ように、構造上の特徴要素および/または幾何学形状によって、および/または続く1つ以上のバテッリのスタートアップ(例えば液体金属電極の溶融)によって補うことができる。
【0168】
一部の実施において、電気化学セルは、少なくとも約200℃の操作温度で液体である液体金属を含む電気伝導性ハウジングを含む。一部の場合において、操作温度は少なくとも約350℃である。一部の例において、電気化学セルは、少なくとも約50ワット時のエネルギーを貯蔵できる。液体金属は、電気化学セルの充電/放電中の電荷を貯蔵/放出するように構成できる。電気化学セルは、液体金属と電気的に接触した伝導体を含むことができ、伝導体は、電気伝導性ハウジングのアパーチャを通して電気伝導性ハウジングから突出する。電気化学セルは、電気伝導性ハウジングに伝導体をシールするシールを含むことができる。一部の場合において、シールは、伝導体を電気伝導性ハウジングから電気的に隔離し、ここでシールを含む材料のCTEは、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体と同じではない。シールは、電気化学セルは密封シールされるような形状(すなわち好適な幾何学形状)を有することができる。
【0169】
シール、伝導性ハウジングおよび/または伝導体の材料は、いずれかの量のCTE不一致を有することができる。一部の場合において、シール材料(またはこれらの一部)のCTEは、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約125%、約150%、約300%、約400%、約500%、約600%、または約700%で異なる。一部の場合において、シール(またはこれらの一部)のCTEは、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、または少なくとも約700%で異なる。一部の場合において、第1のシール材料(例えば金属カラー)のCTEは、第2のシール材料(例えば電気的に隔離したセラミック)のCTEとは約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満、約100%未満、約125%未満、約150%未満、約300%未満、約400%未満、約500%未満、約600%、または約700%未満で異なる。一部の場合において、第1のシール材料(例えば金属カラー)のCTEは、第2のシール材料(例えば電気的に隔離したセラミック)のCTEとは約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、または少なくとも約700%で異なる。
【0170】
シールのCTEは、操作温度および/またはセルのスタートアップ中(例えば非溶融金属電極から出発)、伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEに対して不一致であることができる(例えば意図的にまたは故意に不一致にさせることができる)。一部の場合において、シールのCTEは、電気化学セルが操作される温度において、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは少なくとも約10%で異なる。一部の例において、シールのCTEは、約−10℃から操作温度のいずれかまたはすべての温度(例えば、少なくとも約200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、または500℃)において、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体のCTEとは少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、75%、100%、125%、150%、または300%で異なる。
【0171】
一部の場合において、シールの幾何学形状は、可撓性金属構成要素に結合したセラミック材料を含む。可撓性金属構成要素は、電気伝導性ハウジングおよび/または伝導体に対して接合(例えば溶接またはブレイズ)できる。
【0172】
図10は、CTEの不一致に関して補うことができる特徴要素の例を示す;例は、CTE不一致に適応できるいずれかの構成でフィン、カットまたはベンドを含む(例えば空間柔軟性によって)。例えば、ベンドは、正弦波(水平1005または垂直1010のいずれか)、楕円または環状1015、シャープなベンド1020などであることができる。特徴要素は、セルおよび/または集電体の頂部の上方、下方またはそれらと同一線上の点において取り付けできる。特徴要素は、セルハウジングおよび/または伝導性フィードスルーに接合でき、それらの一部であることができ、および/またはそれらから切り取ることができる。特徴要素は、コーティングされることができる(例えばセルの内部または外部環境に対する化学的安定性を改善するために)。配向、厚さおよび/または形状は、振動および機械的力からの欠陥に対する安定性および抵抗性を増大するように最適化できる。
【0173】
低CTE不一致のための材料選択
一部の場合において、シールの1つ以上の電気伝導性構成要素は、電気絶縁セラミックと一致するまたは約1%、2%、5%、10%または20%以内であるCTEを有する電気伝導性セラミック(例えば炭化タングステン)を含む。電気伝導性(CTE一致した)セラミックは、絶縁セラミック構成要素および金属カラーの両方に接合できる。接合プロセスは、ブレイジング、拡散結合および/または溶接を含んでいてもよい。伝導性セラミックは、例えば炭化タングステン(WC)、炭化チタン(TiC)、および/または他の炭化物を含んでいてもよい。伝導性セラミックは、伝導性セラミックに対するブレイズの直接湿潤が可能である金属(例えばCoまたはNi)の一部(例えば重量、原子、モルまたは体積組成の観点で約2%〜10%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%または少なくとも約10%)と焼結されてもよい。
【0174】
一部の場合において、シールの電気伝導性構成要素は、低CTE(例えば約1ppm/℃未満、約2ppm/℃未満、約3ppm/℃未満、約4ppm/℃未満、約5ppm/℃未満、約6ppm/℃未満、約7ppm/℃未満、約8ppm/℃未満、約9ppm/℃未満、約10ppm/℃未満、または約15ppm/℃未満)、低ヤング率(例えば約0.1GPa未満、約0.5GPa未満、約1GPa未満、約10GPa未満、約50GPa未満、約100GPa未満、約150GPa未満、約200GPa未満、または約500GPa未満)、高延性(例えば降伏強度の約100%を超える、約200%を超える、約300%を超える、約400%を超える、または約500%を超える最終強度)またはこれらのいずれかの組み合わせを有する金属を含む。一部の場合において、最終強度は、十分な延性を有するように材料の降伏強度の約50%を超える、約100%を超える、または約200%を超えることができる。一部の場合において、電気伝導性構成要素は、電気伝導性セラミックを含まない。低CTE、低ヤング率および/または高延性構成要素の特徴は、セラミックの応力集中を低くでき、欠陥の可能性を低減できる。これらの仕様を満たす金属(内部および外部セル環境に対する腐食耐性に加えて)としては、例えばジルコニウム(Zr)、高ジルコニウム含有量合金、タングステン(W)、チタン(Ti)、またはモリブデン(Mo)を挙げることができる。
【0175】
一部の実施において、シールは、セラミック、1つ以上のブレイズ材料および1つ以上の金属カラーを含む。例えば、2つの金属カラーは、セラミックに接合されてもよく、セラミックの両側の1つに接合されてもよい。こうした金属カラーそれぞれはさらに、追加の金属カラー(1または複数)に接合されてもよい。故に、化合物金属カラーは、2つ以上の金属カラーを含むものが創出され得る。一部の例において、化合物金属カラーは、少なくとも2つの金属カラーを含み、これらのうち少なくとも1つの金属カラーは、セラミックに好適に接合される材料を含み(1つのタイプのブレイズを用いる)、少なくとも1つの金属カラーは、シールまたはセルの別の構成要素に好適に接合される材料を含む(例えば別のタイプのブレイズを用いる)。2つの金属カラーはまた、接合されてもよい(例えばさらに別のタイプのブレイズを用いる)。一部の例において、シールの金属カラーを互いにおよび/またはセルの他の部分に接合するために使用されるブレイズの少なくとも一部(例えばすべて)は、同じタイプであってもよい。他の例において、ブレイズのすべては、異なるタイプであってもよい。さらに、1つ以上の金属カラーは、ブレイズではなく溶接されてもよく、または溶接およびブレイズされてもよい。シールは、1つ以上の化合物金属カラーを含んでいてもよい。一部の例において、シールは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、40またはそれ以上の個々の金属カラーを含む。例において、シールは、2つの化合物金属カラーを形成する4つの個々の金属カラーを含む。一部の例において、個々の金属カラーの少なくとも一部は、同じ材料を含んでいてもよい。例えば、同じ材料を含む金属カラーは、金属カラーを同様の材料(例えば同様のセルハウジングまたは伝導体材料)と接合するために使用されてもよい。
【0176】
一部の場合において、シールは、セラミック、ブレイズ材料、第1の(例えば薄い)金属カラー、および/または第2の金属カラーを含む。第1の金属カラーは、セラミックに対してブレイズされてもよく、第2の金属カラーは第1の金属カラーにブレイズされてもよい。一部の場合において、第1の金属カラーは、低CTE材料、例えばジルコニウム(Zr)またはタングステン(W)であり、第2の金属カラーは、鉄合金、例えばスチール、ステンレススチールまたは400シリーズステンレススチール(例えば430ステンレススチール)である。一部の例において、第1の金属カラーは、約10マイクロメートル(μmまたはミクロン)厚さ、約20μm厚さ未満、約50μm厚さ未満、約100μm厚さ未満、約150μm厚さ未満、約250μm厚さ未満、約500μm厚さ未満、約1,000μm厚さ未満、約1,500μm厚さ未満、または約2,000μm厚さ未満である。
【0177】
一部の場合において、シールは、セラミック、ブレイズ、第1の金属カラー、第2の金属カラー、および第3の金属カラーを含む。第1の金属カラーは、セラミックの1つの部分に接合されてもよく、第2の金属カラーは第1の金属カラーに接合されてもよい。第3の金属カラーは、第1の金属カラーおよび第3の金属カラーが、電子絶縁セラミック材料によって分離されるように、セラミックの異なる部分に接合されてもよい。第1の金属カラーとセラミックとの間および第3の金属カラーとセラミックとの間のジョイントの両方が密封性であってもよい。一部の場合において、シールはさらに、第3の金属カラーに接合する第4の金属カラーを含む(例えば第1の金属カラーはセラミックの1つの部分に接合され、第2の金属カラーは第1の金属カラーに接合され、第3の金属カラーはセラミックの別の部分に接合され、第4の金属カラーは第3の金属カラーに接合される)。第1の金属カラーを第2の金属カラーを接合するために使用されるブレイズ材料は、本明細書に記載されるブレイズ組成物のいずれかを含んでいてもよく、または同様であってもよい。第1の金属カラーまたは第2の金属カラーは、セル蓋に接合されてもよい(例えば本明細書に記載されるブレイズ組成物のいずれかと同様のブレイズ組成物を用いてまたは溶接される)。第3の金属カラーは、第4の金属カラーにまたは負極電流リードに直接接合されてもよい(例えば開示のブレイズ組成物のいずれかを用いてブレイズされる)。
【0178】
図23は、1つのセラミック構成要素(例えばAlN)2305を含むシール2300の例である。セラミック構成要素はワッシャーであってもよい。セラミック構成要素は電気絶縁性であってもよい。セラミック構成要素2305は、第1の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2315を介して第1の金属カラー(例えばZr)2310と接合される。第1の金属カラー2310は、第1の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2325を介して第2の金属カラー(例えば430SS)2320と接合される。第2の金属カラー2320は、第2の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2335を介して、セル蓋(例えば430SS)2330に接合される。シールはさらに、第2の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2345を介してセラミック構成要素2305に接合される第3の金属カラー(例えばZr)2340を含む。第3の金属カラー2340は、第3の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2355を介して伝導体(例えば負極電流リード)2350と接合される。シール2300は、1つ以上のギャップ(例えば空気ギャップ)2360を含んでいてもよい。
【0179】
一部の場合において、第1の、第2の、第3の、および/または第4の金属カラーは、本明細書において他の場所でより詳細に記載される接合された材料のCTEの不一致を緩和するために構造上の特徴要素を含む。こうした構成は、単純な溶接(例えばTIG溶接またはレーザー溶接)またはブレイジングによって、1つ以上の金属カラー(例えば第1の金属カラー、または第3の金属カラー)に対するセラミックの機械的にロバストな接合、およびセル蓋または電流伝導性ロッド(本明細書においては「伝導体」も同様)に対する1つ以上の金属カラー(例えば第2の金属カラー、または第3のもしくは第4の金属カラー)の接合を可能にしてもよい。
【0180】
ブレイズされたセラミックシール
ブレイズされたセラミックシールは、反応性材料(例えば液体金属を有する電気化学セル)を含むシステムまたは容器を密封シールおよび/または電気的にシールするために使用されてもよい。
図11は、ブレイズされたセラミックシールを有する電気化学セルを示す。セルハウジング1105は、空のヘッドスペース1110、溶融負極(例えば放電中のアノード)1115、溶融正極(例えば放電中のカソード)1120およびその間に配設される溶融電解質1125を有することができる。液体金属アノードは、ハウジングを通過し、負極端子として作用する伝導性フィードスルー1130と接触できる。伝導性フィードスルーは、シール1135によってハウジングから電気的に隔離できる。液体金属カソードは、正極端子として作用できるハウジングと接触できる。
【0181】
一部の場合において、ブレイズされたセラミックシールは、サブアセンブリを含む。サブアセンブリは、1つ以上(例えば2つ)の可撓性のバネ様構成要素(本明細書においては金属スリーブと称される)に結合した絶縁セラミックを含むことができる。サブアセンブリが製作された後、スリーブは、他のセル構成要素、例えばセル蓋および/または負極電流リードにブレイズできるまたは溶接できる。あるいは、ジョイントのすべては、ブレイジングによって完全なキャップアセンブリに創出できる(例えば許容誤差限界が十分厳しい場合)。ブレイズ材料と材料が曝される雰囲気との間の化学的適合性ならびに高温操作および熱サイクリング中の熱ロバスト性は、サブアセンブリの設計中に評価できる。一部の例において、セラミック材料は、窒化アルミニウム(AlN)または窒化ケイ素(Si
3N
4)であり、ブレイズは、チタン合金、チタンドープされたニッケル合金、ジルコニウム合金またはジルコニウムドープされたニッケル合金である。
【0182】
図12は、セルの内部1205および外部1210環境に対して熱力学的に安定な材料でブレイズされたセラミックシールの概略図を示す。こうした材料はコーティングを必要としない場合がある。種々の材料は、1つ以上の幾何学形状または構造上の特徴要素1215(例えば可撓性金属ベンド、フィンまたはフォールド)で適応できる不一致CTEを有することができる。CTE適応特徴要素1215は、一方の端部においてセルハウジング1220(例えば400−シリーズステンレススチール)に溶接でき、他方の端部においてセラミック材料1235の第1の金属化表面1230にブレイズできる1225。セラミック材料1235は、本明細書に記載されるように、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)または酸化イットリウム(Y
2O
3)であることができる。セラミック材料は、ブレイズ1245によって集電体(伝導性フィードスルー)1240にブレイズできる。ブレイズ1245は、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)またはジルコニウム(Zr)を含むことができる。ブレイズ1245は、セラミック1250の第2の金属化合物表面と接触できる(例えばチタンまたは窒化チタン)。互いに隣接して配置される材料のいくつかの層は不一致を緩和できるCTE勾配をもたらすことができる。
【0183】
図13は、セラミックおよび/またはブレイズ材料が内部1205および外部1210環境に対して熱力学的に不安定であるシールを示す。一部の例において、コーティングが、シールまたはエンクロージャ構成要素の外側1305および/または内側1310に適用できる。
【0184】
図14、
図15、
図16および
図17は、ブレイズされたセラミックシールのさらなる例を示す。一部の場合において、シールは、大きな距離でハウジング上方に延びる。
図14は、セル上のシールの例を示し、これは有利なことには、コーティングを必要とせず、CTE不一致適応特徴要素を必要とせず、および/または操作、製作または輸送の間の振動および機械的力に対して増大した構造上の安定性を提供できる。この例において、ハウジング1405は集電体1410からシールできる。この配列は、セルの外側1420からセルの内側1415を密封シールできる。シールの構成要素は、垂直に配列でき、第1のブレイズ1425、セラミック1435、セラミックの第1の金属化表面1430、第2のブレイズ1440、およびセラミックの第2の金属化表面1445を含むことができる。
【0185】
図15は、操作、製造および輸送中の振動および機械的力に対して構造上の安定性を提供できるシール1520を示す。この例において、CTE適応特徴要素1505は、ハウジング1510と集電体1515との間に配設される。シール1520は、セラミックおよびセラミックの金属化表面と接触する2つのブレイズを含むことができる。一部の場合において、シールは、内側1525および/または外側1530にコーティングされる。一部の場合において、コーティング(1または複数)は、酸化イットリウム(Y
2O
3)を含むことができる。
【0186】
図16は、二次機械的負荷保持構成要素1605を有するシール1610を示す。負荷保持構成要素は、一部の場合において電気絶縁性である。一部の例において、負荷保持構成要素は密封シールを形成しない。シール1610(例えばセラミック、セラミックの金属化表面と接触する2つのブレイズなどを含む)は、集電体1620からセルハウジング1615を密封シールできる。
【0187】
図17は、二次バックアップシール1705(例えば主要シール1710に欠陥がある場合)の例を示す。二次シールはまた、主要シールに欠陥がある場合に主要シール上に落ちるおよび/またはそのシールにわたって結合できる。一部の場合において、二次シールは、主要シールの欠陥の場合に溶融し、流動性になるガラスを含む。溶融二次シールは、欠陥を生じた主要シールに注ぎ落すことができ、リークをブロックできる。一部の場合において、シール1705および/またはシール1710は、軸対称であることができる(例えばセル蓋のアパーチャを通して垂直軸の周りのドーナツ形状)。
【0188】
図18は、シール構成またはサブアセンブリ(例えば酸化イットリウム(Y
2O
3)コーティングおよび鉄系ブレイズまたはチタン系ブレイズを有するアルミナまたはジルコニアシール)の別の例を示す。シールはカラー1805を含むことができる。カラーは、機械的支持体を提供できる。カラーは、ロッドに溶接されたフェライトステンレススチールを含むことができる。シール構成は、伝導体1810を含むことができる。伝導体は、フェライトステンレススチール(例えば約12のCTEを有する)から製造できる。伝導体は、1つ以上の反応性材料に対して耐性(例えば液体リチウムに対して耐性)であることができる。伝導体は、相転移により機械的特性または形態を変化させる可能性は低い。伝導体は、304ステンレススチールよりも約40%高い電気伝導率を有することができる。シールはブレイズ1815を含むことができる。ブレイズは、セラミックワッシャー1820の上方および下方に配設できる。ブレイズは鉄系であることができる。ブレイズは、約12のCTEを有することができ、高温に耐えることができる(例えば850℃以上)。セラミックワッシャー1820は、アルミナ(例えば約7のCTEを有する)、またはジルコニア(例えば約11のCTEを有する四角形)で製造できる。ジルコニアワッシャーの低CTE不一致は、クラッキングなく、より高いブレイジング温度が可能になり得る。セルハウジング1825は、フェライトスチールから製造でき、セラミックを通した機械的支持体をカラーに提供できる(例えばセラミックワッシャー)。シール構成は、コーティング(例えばスプレーコーティング)1830(例えば酸化イットリウム(Y
2O
3)を含む)を含むことができる。コーティングは、セルハウジング(例えば蓋)に提供できる。コーティングは、反応性材料(例えばリチウム(Li)蒸気)に対して抵抗性であり、安価でありおよび/またはセラミック適合性を緩和できる。
【0189】
ブレイズ界面の長さ(例えば水平範囲)は、ブレイズされている最も薄い構成要素の厚さの約3〜6倍であることができる。厚さとブレイズ界面長さとの比が低過ぎる場合(例えば約3未満)、シール領域は、機械的に弱すぎる場合があるので、ブレイズされたジョイントを共に保持できない。比が高過ぎる場合(例えば約6を超える)、CTE不一致によるスリーブに対する応力により、スリーブが破断し、セラミックから離れる場合がある。一部の場合において、ブレイズ界面は、高温でジョイントを形成し、製作後に室温まで冷却することによって誘導されたスリーブ、ブレイズおよびセラミックのCTE不一致によって誘導される応力を吸収する。
【0190】
図19は、金属スリーブの厚さの約3〜6倍に等しいブレイズ長さを有するサブアセンブリの例を示す。金属スリーブ(例えばニッケル−コバルト鉄合金、ジルコニウム合金)は、約0.01インチ、約0.0080インチ、約0.0060インチ、約0.0030インチ、または約0.0015インチの厚さを有することができる。サブアセンブリは、ブレイズ1905、1つ以上の(例えばニッケル−コバルト鉄合金またはステンレススチール)スリーブ(例えば1910および1915)および絶縁体1920を含むことができる。
【0191】
図20は、CTE不一致に適応できるサブアセンブリの形状の例を示す。サブアセンブリ(すなわちシール)は、スリーブ(例えばニッケル−コバルト鉄合金スリーブ)2005および絶縁体(例えばセラミック)2010を有することができる。圧縮力は、示された矢印2015の方向に作用し得る。セラミック材料は、高い圧縮レベルに耐えることができる。一部の場合において、シール設計は、信頼性のあるシールを提供するためにセラミックのこの特徴を利用できる。圧縮シールを製造するために、シールの外側材料は、シールの内側材料よりも高いCTE値を有することができる。加工処理および製作の間、サブアセンブリは加熱されることができ、材料を膨張させる。ブレイズの融点に到達した後、ブレイズジョイントが形成でき、冷却時においてはより高いCTE材料が、内側材料よりも高い割合で収縮でき、圧縮シールを創出する。高温ブレイジング操作および後続の冷却により、スリーブ(例えばニッケル−コバルト鉄合金またはステンレススチールスリーブ)は、中心の絶縁体の収縮が少ないので、圧縮力をシールされた結合界面に適用できる(例えばニッケル−コバルト鉄合金またはステンレススチール/絶縁体界面)。
図20の例は、シーリングジョイントを形成するためにTi−合金ブレイズを利用し、冷却中に形成された圧縮力2015を利用して、スリーブ2005(例えばニッケル−コバルト鉄合金スリーブ)を絶縁体(例えばセラミック)2010に押し付けるので、安定なロバスト性のシールを提供する。
図20のシールは、周方向シールの例である。
【0192】
図21は、複数のセラミック構成要素を含むシール2100の例である。セラミック構成要素はワッシャーであってもよい。セラミック構成要素は電気絶縁性であってもよい。シールは、セルハウジング(例えばセル蓋)2125から伝導体(例えば負極電流リード)2120を電気的に隔離できる(例えば密封シールによって)。
図21のシールは、積み重ねたシール設計の例である。このシール設計において、3つの別個のセラミック構成要素(例えばAlN)2105a、2105bおよび2105cは、互いに重なり合って垂直に位置付けられる。セラミック構成要素(例えば絶縁体)は、1つ以上の金属スリーブまたはカラー2110、2115および2130(例えば可撓性ジョイントを形成するジルコニウム金属、ジルコニウム合金、またはニッケル−コバルト鉄合金)の間に配設される。一部の場合において、カラー2130は使用されなくてもよく、カラー2115はセルハウジング2125に直接接合されてもよい。セラミック2105bは、シーリングを提供してもよい。セラミック構成要素2105aおよび2105cは、応力および/またはシールのための支持体を提供してもよい。セラミック構成要素2105aおよび2105cはシーリングを提供してもよく、または提供しなくてもよい。一部の状況において、セラミック構成要素2105aおよび2105cは破断してもよい(例えば破断して離れ落ちてもよい)。こうした状況において、中心(この場合は中央)セラミック構成要素によって提供されるシーリングは、影響され得ない。
【0193】
セラミック構成要素2105bは、第1の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2135を介して第1の金属カラー(例えばZr)2115に接合される。第1の金属カラー2115はさらに、第4の金属−セラミック間ジョイント2170を介してセラミック構成要素2105aに接合されてもよい。一部の場合において、第1の金属−セラミック間ジョイント2135および第4の金属−セラミック間ジョイント2170は、同じタイプのジョイントである(例えば同じブレイズ材料を含む)。第1の金属カラー2115は、第1の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2140を介して第2の金属カラー(例えば430SS)2130に接合される。第2の金属カラー2130は、第2の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2145を介して、セル蓋(例えば430SS)2125に接合される。シールはさらに、第2の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2150を介してセラミック構成要素2105bに接合される第3の金属カラー(例えばZr)2110を含む。第3の金属カラー2110はさらに、第3の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2165を介してセラミック構成要素2105cに接合されてもよい。一部の場合において、第2の金属−セラミック間ジョイント(例えばブレイズ)2150および第3の金属−セラミック間ジョイント2165は、同じタイプのジョイントである(例えば同じブレイズ材料を含む)。第3の金属カラー2110は、第3の金属間ジョイント(例えば溶接、ブレイズ)2155を介して伝導体(例えば負極電流リード)2120と接合される。シール2100は、1つ以上のギャップ(例えば空気ギャップ)2160を含んでいてもよい。
【0194】
一部の場合において、シーリングは、積み重ねた様式においてセラミック(例えば
図21の界面/ジョイント2150および2135に沿って)の平行面の両側に接合された金属カラー(例えば
図21において金属カラー2110および2115)に接合された中心セラミック(例えば
図21の中央セラミック2105b)によって提供される。2つの追加のセラミック構成要素(例えば
図21において頂部セラミック2105aおよび底部セラミック2105c)は、設計に含まれ、中心セラミック(例えば
図21のブレイジング界面/ジョイント2170および2165に沿って)に結合された面と反対の各金属カラーの面に接合される。3つのセラミック構成要素を有する積み重ねた構成は、金属カラーの両側において対称なブレイズ長さを創出し得る。金属カラーの両側における対称なブレイズ長さを含むブレイズジョイントは、金属カラーの対称的な力を創出し得る。これは、ブレイズジョイントの強度全体を向上し得る(例えば応力集中を最小限にし、張力下で金属、圧縮下セラミック構成要素を配置することによって)。一部の場合において、平坦な金属表面に結合される平坦なセラミック表面を含むジョイントは、面シールであると考えられる。
【0195】
異なる適用が異なるシール設計から有益となり得る。周方向(例えば円錐)シール設計(例えば
図20を参照)は、単一セラミック構成要素を有するロバスト性シール設計を提供し得る。セラミック上の角度のある周方向表面により、容易なアセンブリが可能となり得る(例えばこうした部分は、許容誤差が厳密な固定器具を必要とすることなく、またはブレイジングの前に注意深いアセンブリを必要とせずに適切な構成になり得る)。周方向設計は、一部の場合において、ブレイジング温度から冷却した後にセラミック上の金属によって働く主要な力が半径方向に対称性の圧縮力であり得るので(例えば張力よりも圧縮において一般に強いセラミックのため)、金属カラーとセラミックとの間のより大きなCTE不一致に耐えることができる。積み重ねたシール設計(例えばただ1つのセラミックを用いるスタックされた設計の特別な場合と考慮され得る
図21または
図23を参照のこと)は、周方向シールによって必要とされ得るような、外側直径を機械加工する代わりに、および/または特定の円錐角度(例えば垂直配向に対して約5、10、15、20、25、30、35、40、50、または75度、これらの角度未満または少なくともこれらの角度の円錐角度)に対してセラミックの側部を機械加工する代わりに、セラミックの頂部および底部において平坦な平行表面のより単純な機械加工に基づいて低コストの構成要素が可能となり得る。スタックされた設計はまた、(例えばシーリング界面が設計高さに対して垂直であるので)より低いシール高さを有する設計が可能となり得る。開示のシール(例えば
図20、
図21、および
図23のシール)は、シールに対する応力を平衡化するのに役立つように軸に対して対称であり得る。一部の構成において、積み重ねた構成は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20またはそれ以上のセラミック構成要素を含んでいてもよい。セラミック構成要素の数は、所与のシール構成において力を平衡化するように構成されてもよい。一部の場合において、セラミック構成要素は、中心(例えば中央)セラミック構成要素の2つの側に対称に分配されてもよい。一部の場合において、セラミック構成要素は、中心(例えば中央)セラミック構成要素の2つの側において非対称に分配されてもよい。一部の場合において、セラミック構成要素は、シーリングを提供する1つ以上のセラミック構成要素(例えば2つの側において)の周りにいずれかの構成において分配されてもよい。さらに、セラミック構成要素および/または金属カラーの厚さは、所与のシール構成において力を平衡化するために選択されてもよい。例えば、セラミックに接合されたまたは結合された金属カラー(例えば第1の金属カラーまたは第3の金属カラー)は、第1の厚さを有していてもよく、他の金属カラーにのみ接合または結合する金属カラー(例えば化合物金属カラーにおいて)は、第2の厚さを有していてもよく、伝導体、セルハウジング蓋および/またはハウジングの他の部分に接合または結合される金属カラーは、第3の厚さを有していてもよい(例えば第3の厚さは、金属カラーがまたセラミックに直接接合される場合には第1の厚さに等しくてもよい)。
【0196】
ブレイジングは、スリーブまたは可撓性ジョイント(例えば
図21に示されるような平衡化シール)の両側においてまたはジョイント(例えば
図23に示されるような非平衡化シール)の一方の側にだけ提供できる。各金属スリーブの両側のブレイジングは、シーリング界面が直面する力を平衡化できる。平衡化シール設計の利点は、システムの冷却中に存在し、セラミックに適用される力を制限し、トルクを最小限にできることであり得る。こうした構成は、張力下にスリーブ(例えばニッケル−コバルト鉄合金スリーブ)および圧縮下にセラミックを配置できる。例において、シールの平衡化は、応力(例えば製作後冷却プロセス中に発生する応力)をセラミックの張力強度よりも小さくできる。別の例において、シールの平衡化は、歪(例えば製作後の冷却プロセスの中に発生する歪)を、セラミックの歪強度(例えばセラミックが破断前に耐えることができる最大歪)よりも小さくできる。セラミックは所与の強度を有していてもよい。一部の例において、セラミック材料、例えばAlN、BN、Al
2O
3、La
2O
3、Y
2O
3、MgO、SiC、TiCまたはSi
3N
4の強度値(例えば張力強度、最終強度、降伏強度)は、約10メガパスカル(MPa)、50MPa、100MPa、150MPa、200MPa、250MPa、300MPa、350MPa、400MPa、450MPa、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、900MPa、1,000MPa、1,500MPa、2,000MPa、3,000MPa、または5,000MPaより大きくできる。
【0197】
図22は、CTEの不一致により、シールのための製作後の冷却プロセス中に発生する応力および歪を予測するコンピュータによるモデルからの結果の画像を提供することによってシールにおける力の例を示す(可塑変形を組み込むことはない)。モデルは、850℃において接触界面においてセラミックおよび金属構成要素を共に接合すること、および25℃にシステムを冷却することを含むプロセスに関して線形弾性モデルを用いて得られたセラミックおよび金属構成要素を共に接合することを含むプロセスのために線形弾性モデルを用いて得られるミーゼスの応力分布(例えば応力誘導された機械的欠陥の可能性についての洞察を与える、立体的三次元で適用される力に基づく計算された応力分布、例えば計算されたミーゼス応力が材料の強度を超える場合に、材料は機能しなくなると予測される)。
図22の左側の例の画像において、シールは、1つだけのセラミック絶縁体を含む(例えば
図23に示されるように)。
図22の右側の例の画像において、シールは、3つのセラミック絶縁体を含む(例えば
図21に示されるように)。これらの例に示されるように、
図22の左側の単一セラミックシールは、
図22の右側の3つのセラミックシールよりも大きなミーゼス応力および/または歪に供され得る。
図22のシェードは、ミーゼス応力の異なるレベルを表し、応力が増大する方向の矢印2205によって示されるように、白色は0応力であり、黒色は規模で最大応力である。
【0198】
サブアセンブリが冷却される間に、応力が構築され得、シールがセル頂部アセンブリの構成要素の残りと接合される場合に、即時の欠陥または欠陥を導く。(例えば
図7および
図8において温度の関数としてCTEの急な変化によって示されるように)ニッケル−コバルト鉄合金は約425℃にて相転移を生じ得るので、それはその温度未満でアニーリングされない限り、より高い応力レベルを維持できる。一部の場合において、ニッケル−コバルト鉄合金のアニーリングは、850℃にて30分のソークによって完了され、サブアセンブリにおいて高い応力を最終的に得ることができる。高温ブレイズ材料は、それらがデバイス(例えば液体金属バッテリ)の操作温度にて長期間生じ得る形状または特性の変化を導く相転移の後でグレイン成長を行わないので、430ステンレススチールスリーブを使用してもよい。
【0199】
図24は、セル頂部2405、サブアセンブリ2410および伝導体2415を有するセルキャップアセンブリの分解図を示す。セル頂部は、いずれかの好適な幾何学形状を有することができる(例えばそれがセル本体と相互作用し、特徴要素、例えばガス管理(必要に応じて)および溶接されるべきサブアセンブリのためのホールを可能にする限り)。例えば、セル頂部は、伝導体/サブアセンブリのための第1のアパーチャおよびガス管理接続のための第2のアパーチャ)を含むことができる。各アパーチャは、開示のシールを用いてシールされてもよい。一部の場合において、伝導体は、低いCTEを有する(例えば結果としてこの部分はセラミックを短絡せずまたはクラックを生じず、欠陥を生じない)。
【0200】
図25、
図26および
図27は、シールの種々の特徴要素の例を示す。
図25のシールは、腐食耐性金属、例えばモリブデン、タングステン、630SSまたは430SS2505(例えば約4ppm/℃未満、または約10ppm/℃未満の低CTEを有する)およびセラミック2510(例えば窒化アルミニウム(AlN))を利用する。シールは、(例えば金属2505とセラミック2510との間の)低減されたまたは最小限の応力構築を可能とするために、CTE一致構成要素2515(例えば約5.5ppm/℃にて)を含む。CTE一致構成要素2515は、例えばモリブデン、またはタングステンおよび/またはモリブデンの合金を含むことができる。こうした材料の例は、実施例1に提供される。シールは、機械的負荷のためにロバスト設計を有し、電気ブリッジング短絡に対して抵抗性である。シールは、低プロファイル設計2520(例えば約0.25インチ)を有し、(例えばレーザーによってまたはサブアセンブリの間に)商業的に拡張可能な様式2525において溶接またはブレイズされることができる。
【0201】
図26において、シール部分は、シールがセル蓋の表面を超えて延長しないように、セルに沈ませる。シールはガス管理ポートおよびモリブデンの代わりにニッケル−コバルト鉄合金を含むことができる。反転金属カラー2605は、デブリの捕捉を低減または排除できる。一部の場合において、内側直径ブレイズ(例えばニッケル−コバルト鉄合金と窒化アルミニウム(AlN)との間)2610は結果として所望でない量の応力をもたらし得る。
【0202】
図27に示されるセルは、真空ブレイジングプロセスによってシールできる。シールは、セル頂部より下方に約3/8インチ進入でき、セル頂部の上方に約0.05インチ延びる。セルは、
図26のセルと比較する場合に、構造上の容量を増大できる。設計は、ブレイジングの後に、中心ピンの添加を可能にでき、アセンブリ中のさらなる制御および柔軟性を可能にする。一部の場合において、金属ピース間のより小さいギャップは、セラミック2705の湿潤によって短絡を導き得る。
【0203】
一部の実施において、シール、サブアセンブリ、伝導体および/またはハウジングは、構造上の特徴要素(例えば合わせ特徴要素)を含んでいてもよく、または本明細書においてシーリング配列の固定接続を促進するために、構造上の部材、例えばフランジ、フック、レッジ、インターロック特徴要素、溶接可能なタブ、ブレイズ可能なタブ、スナップフィット、スクリューフィット、スクリュー、ナット、ボルトおよび/または他の構造上の部材と組み合わせてもよい。一部の場合において、こうした合わせ特徴要素は、溶接、ブレイジング、コーティング、金属化構造、CTE不一致のための構造上の特徴要素などと合わせて使用され得る。さらに、シール、サブアセンブリ、伝導体および/またはハウジングは、セルとセル群との間の相互接続を促進するために構造状の特徴要素を含み得る。一部の場合において、こうした特徴要素は、相互接続の結果としてシール上に作用する応力および力を低減または最小限にすることを対象とし得る。さらに、本明細書のシールは、種々の相互接続特徴要素(例えば電流移動プレート)と合わせて使用するために構成されてもよい。シールの構成は、こうした場合に、例えば材料の考慮(例えばシールの材料適合性および相互接続)、所望のシステム抵抗性(例えば所与の抵抗を有するシールの選択影響)、空間および操作条件の考慮(例えば所与の相互接続配列および/または操作条件によって強いられた空間制約と適合性であるシールの選択影響)などを含み得る。
【0204】
相互接続
ワイヤまたはワイヤレス(例えば直接金属間)相互接続は、個々の電気化学セル間および/または電気化学セル群間(例えばモジュール、パック、コア、CE、システム、または1つ以上の電気化学セルを含むいずれかの他の群)で形成されてもよい。一部の場合において、セルの群は、1つ以上のセル相互接続を介して接合されてもよい。一部の場合において、セルの群は、群レベルの相互接続を介して接合されてもよい。群レベルの相互接続はさらに、群の1つ以上の個々のセルとの1つ以上の相互接続を含んでいてもよい。相互接続は、構造上および/または電気的であってもよい。セルおよび/またはセルの群は、水平にまたは垂直にアセンブリ(またはスタック)されてもよい。こうしたアセンブリセルおよび/またはセルの群は、直列または並列構造において配列されてもよい。さらに、セルの群は、種々のフレームによって支持されてもよい。フレームは、構造上の支持体を提供してもよく、および/または相互接続の形成に関与または役立ってもよい(例えばセルの群におけるフレームは対になってもよく、または接続されてもよい)。
【0205】
一部の実施において、相互接続は、システム(例えばバッテリ)の抵抗(例えば内部抵抗)を低減するように構成されてもよい。低システム抵抗を有するバッテリ(例えばこうしてバッテリがエネルギーを効率良く貯蔵でき、電力を送達できるようになる)は、一部の場合において所望され得る。システム抵抗は、電気化学セル間、電気化学セル内、および電気化学セルの群間のような電流フロー経路に沿って複数の抵抗の合わせた影響によって決定できる。一部の場合において、電気化学セルまたはこれらの群は、相互接続を用いて接続される。一部の例において、相互接続はワイヤである。しかし、最も短い可能性としての電気接続は、一般に、最も低いシステム抵抗を導き得る。故に、本開示は、(例えばブレイジングによって)互いにセルの直接接続を記載しており、一部の場合には電気化学セルを接続するためのワイヤの使用を低減または削減する。
【0206】
一部の実施において、バッテリは、直列に接続された複数の電気化学セルを含み、ここでバッテリは、少なくとも約10kWhのエネルギーを貯蔵でき、バッテリは、少なくとも約250℃の操作温度を有し、電気化学セルのそれぞれは、少なくとも1つの液体金属電極を有する。バッテリはいずれかの好適なサイズであることができる。一部の場合において、バッテリは、少なくとも約10キロワット時のエネルギーを貯蔵できる。一部の場合において、バッテリは、少なくとも約30キロワット時のエネルギーを貯蔵できる。一部の場合において、バッテリは、少なくとも約100キロワット時のエネルギーを貯蔵できる。
【0207】
バッテリの内部抵抗は、いずれかの好適に低い抵抗性であることができる。一部の場合において、バッテリの内部抵抗(例えば操作温度における)は、約2.5
*n
*Rであり、式中、「n」はバッテリの直列接続モジュールの数であり、「R」(本明細書において「R
モジュール」とも称される)は、個々のモジュールまたは並列接続されたモジュールそれぞれの抵抗である。一部の例において、Rの逆数は、例えば以下で与えられるような、所与のモジュールの各電気化学セルの抵抗の逆数の合計である、
【数1】
【0208】
式中、「m」は1つのモジュールにおけるセルの数である。各モジュールは、並列構成において複数の電気化学セルを含むことができる。隣接モジュールの電気化学セルは、直列構成において配列できる(例えばモジュールにおける個々のセルは、隣接モジュールにおける対応する個々のセルと直列に接続でき、例えば第1のモジュールの個々のセルが第1のモジュールの上方に位置する第2のモジュールの個々のセルと直列に接続される構成において接続できる)。一部の場合において、バッテリの内部抵抗(例えば操作温度における)は、約2
*n
*R、約1.5
*n
*R、約1.25
*n
*R、または約1.05
*n
*Rである。一部の場合において、バッテリの内部抵抗(例えば操作温度における)は、約2.5
*n
*R未満、約2
*n
*R未満、約1.5
*n
*R未満、約1.25
*n
*R未満、または約1.05
*n
*R未満である。一部の場合において、総システム抵抗(例えば操作温度における)は、相互接続、バスバー、接続界面における表面接触抵抗などの抵抗寄与により約1.0
*n
*Rを超える。バッテリは、直列および並列に接続された電気化学セルを含むことができる。直列(すなわちn)に接続される電気化学セルモジュール(または並列接続モジュール)の数は、いずれかの好適な数であることができる。一部の例において、nは、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも20、少なくとも32、少なくとも48、少なくとも54、少なくとも64、少なくとも108、少なくとも128、少なくとも216、または少なくとも256である。例において、nは、3(例えばパックを含むバッテリに関して)、6(例えばパックを含むバッテリに関して)、または216(例えばコアを含むバッテリに関して)である。
【0209】
個々の電気化学セルおよび/または電気化学セルの群間のワイヤまたはワイヤレス(例えば直接金属間)相互接続は、所与の内部抵抗を有することができる。一部の場合において、電気化学セルは、ワイヤで相互接続されない。一部の例において、直列接続(例えばワイヤレスセル間接続または電流移動プレート接続)は、250℃を超える操作温度において、約0.05ミリohm(mOhm)、約0.1mOhm、0.5mOhm、約1mOhm、約2mOhm、約5mOhm、約10mOhm、約50mOhm、約100mOhm、または約500mOhmの内部抵抗を有する接続を用いて創出される。一部の例において、直列接続は、約250℃を超える操作温度において、約0.05mOhm未満、約0.1mOhm未満、約0.5mOhm未満、約1mOhm未満、約2mOhm未満、約5mOhm未満、約10mOhm未満、約50mOhm未満、約100mOhm、または約500mOhmの内部抵抗を有する接続を用いて創出される。一部の例において、抵抗は、第1の電気化学セルの伝導体と、第2のセルの電気伝導性ハウジングとの間の直接電気接続によって測定される。一部の場合において、1つ以上のバスバーおよび/または相互接続は、セルのいずれかの2つの群間の接続を創出するために使用できる。一部の例において、こうした接続は、約0.01mOhm、約0.05mOhm、約0.1mOhm、約0.2mOhm、約0.5mOhm、約1mOhm、約5mOhm、約10mOhm、約50mOhm、または約100mOhmの内部抵抗を有する。一部の例において、こうした接続は、約0.01mOhm未満、約0.05mOhm未満、約0.1mOhm未満、約0.2mOhm未満、約0.5mOhm未満、約1mOhm未満、約5mOhm未満、約10mOhm未満、約50mOhm未満、または約100mOhm未満の内部抵抗を有する。一部の例において、抵抗は、以下の式に従ってバスバー(または相互接続)を通して電流が流れる間に、バスバー(および/または相互接続)にわたる電圧降下によって測定される:R
バスバー=V/I、式中「R
バスバー」は、バスバー(および/または相互接続)の抵抗であり、「V」はバスバー(および/または相互接続)にわたる測定された電圧降下であり、「I」はバスバー(および/または相互接続)を通って流れる電流である。セル間接続の内部抵抗に関連して記載される開示のいずれかの態様は、少なくとも一部の構成においてセルの群間の接続に等しく適用してもよく、逆も同様である。さらに、直列接続の内部抵抗に関連して記載される開示のあらゆる態様は、少なくとも一部の構成において並列接続に等しく適用してもよく、逆も同様である。
【0210】
一部の実施において、電気化学エネルギー貯蔵システムは、第2の電気化学セルに隣接する少なくとも第1の電気化学セルを含む。第1のおよび第2の電気化学セルのそれぞれは、負極集電体、負極、電解質、正極および正極集電体を含むことができる。負極、電解質および正極の少なくとも1つは、第1のまたは第2の電気化学セルの操作温度にて液体状態にあることができる。第1の電気化学セルの正極集電体は、第2の電気化学セルの負極集電体に直接金属間接合(例えばブレイズまたは溶接)できる。一部の例において、負極集電体は負極電流リードを含む。
【0211】
一部の場合において、第1のおよび第2の電気化学セルはワイヤによって接続されない。一部の場合において、電気化学エネルギー貯蔵システムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれ以上の電気化学セル毎に1または少数の相互接続を含む。一部の場合において、電気化学エネルギー貯蔵システム(例えばバッテリ)は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100、150、200、またはさらなる電気化学セル毎に1つの相互接続を含む。
【0212】
図28は、3つのモジュール2805を含むセルパック2800の例を示す。モジュールのそれぞれは、並列に接続2810された12個のセル2830を含む。モジュールは、フレーム2820の頂部構成要素を含むセルパックフレーミング(本明細書においては「フレーム」も同様)2815と共に適切に保持される。セルは、別のセル(例えばその上のセル)のハウジングと直接接触した1つのセルの負極電流端子2825で互いに重なり合って直接スタックされる。セルの頂部層の負極電流端子は、真上の別のセルのハウジングを有しておらず、その代わりに負極バスバー2835に接触できる(例えばブレイズできる)。
【0213】
一部の構成において、モジュールに製造された並列接続2810は、セル材料のための複数のポケットを用いて単一ピース(または構成要素)を用いて創出できる。このピースは、セル間の直接電気接続を可能にするスタンプ加工された構成要素であることができる。一部の例において、スタンプ加工されたポケット付き電気伝導性ハウジングは、セル間のバリアを創出しない。一部の場合において、ポケット付き電気伝導性ハウジングは互いにポケットをシールする。この電気伝導性ハウジングは、個々の電気伝導性セルハウジングよりも製造およびアセンブリが容易であることができる。一部の構成において、モジュールにおいて製造される並列接続2810は、モジュール中のセルのハウジングの直接接続によって創出できる。
【0214】
垂直にスタックされる場合、電気化学セルは上方にスタックされたセルの重量を保持する。セルは、この重量を支持するように構成できる。一部の場合において、セル間スペーサー640は、セルの層間に配置される。これらのスペーサーは、上方のセルの重量を分散できおよび/または負極電流端子に適用される重量の一部を緩和できる。一部の場合において、負極電流端子は、ハウジングからシールで電気的に隔離される。このシールは、電気化学セルの最も弱い構造上の構成要素であり得るので、スペーサーがシールに適用される力の量を低減できる。
【0215】
一部の実施において、液体金属バッテリは、複数の電気化学セルを含み、それぞれは集電体と電気的に連通した電気伝導性ハウジングおよび伝導体を含む。電気伝導性ハウジングは、セルの操作温度において液体状態にある負極、電解質および正極を含むことができる。伝導体は、電気伝導性ハウジングのアパーチャを通して電気伝導性ハウジングから突出でき、電気伝導性ハウジングからシールにより電気的に隔離できる。複数の電気化学セルは、第2のセルの電気伝導性ハウジングと電気接触する第1のセルの伝導体と直列にスタックできる。液体金属バッテリはまた、電気化学セル間に配設される複数の非ガス状スペーサーを含むことができる。一部の場合において、電気化学セルは垂直にスタックされる。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、36、40、48、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、216、250、256、300、350、400、450、500、750、1000、1500、2000またはこれ以上の電気化学セルは直列でスタックできる。一部の場合において、バッテリはさらに、直列にスタックされた複数の電気化学セルのそれぞれに並列に接続された少なくとも1つの追加の電気化学セルを含む。例えば、垂直にスタックされたセルのそれぞれは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、750、1000、1500、2000またはそれ以上の追加の電気化学セルと並列に接続できる。一部の場合において、電気伝導性ハウジングは、電流伝導経路の一部である。
【0216】
非ガス状スペーサー(本明細書においては「スペーサー」も同様)は固体材料であることができる。一部の場合において、スペーサーはセラミック材料を含む。セラミック材料の非限定例としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、イットリア部分安定化ジルコニア(YPSZ)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、カルコゲニド、酸化エルビウム(Er
2O
3)、二酸化ケイ素(SiO
2)、石英、ガラス、またはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。一部の場合において、スペーサーは電気絶縁性である。
【0217】
スペーサーは、いずれかの好適な厚さを有することができる。一部の場合において、スペーサーの厚さは、伝導体が電気伝導性ハウジングから突出する距離にほぼ等しい(例えばスペーサーの厚さは、伝導体が電気伝導性ハウジングから突出する距離の約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%または約0.5%以内であることができる)。
【0218】
大部分の力(例えばセルの上方に垂直にスタックされた電気化学セルの重量)は、一般にシールよりもスペーサーおよび/またはハウジングにより保持される。非ガス状スペーサーおよび/または電気伝導性ハウジングは、いずれかの好適な高いパーセンテージの適用される力を支持できる。一部の場合において、約70%、約80%、約90%、約95%、または約95%の力が、非ガス状スペーサーおよび/または電気伝導性ハウジングに適用される。一部の場合において、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約95%の力は、非ガス状スペーサーおよび/または電気伝導性ハウジングに適用される。
【0219】
電気伝導性ハウジングおよび/またはシールに適用されたいずれかの適切な量の力が存在できる。一部の例において、シールに適用される応力は、シールが支持できる力よりも大きくはない。一部の場合において、シールに適用される力は、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約100、約120、約150、または約200ニュートンである。一部の場合において、シールに適用される力は、約10ニュートン未満、約15ニュートン未満、約20ニュートン未満、約25ニュートン未満、約30ニュートン未満、約35ニュートン未満、約40ニュートン未満、約45ニュートン未満、約50ニュートン未満、約60ニュートン未満、約70ニュートン未満、約80ニュートン未満、約100ニュートン未満、約120ニュートン未満、約150ニュートン未満、または約200ニュートン未満である。一部の場合において、ハウジングに適用される力は、約100ニュートン、約500ニュートン、約1000ニュートン、約5000ニュートン、または約10000ニュートンである。一部の場合において、ハウジングに適用される力は、少なくとも約100ニュートン、少なくとも約500ニュートン、少なくとも約1000ニュートン、少なくとも約5000ニュートン、または少なくとも約10000ニュートンである。
【0220】
電気伝導性ハウジングおよび/またはシールに適用されたいずれかの適切な量の圧力が存在できる。一部の例において、シールに適用される圧力は、シールが支持できる圧力以下である。一部の場合において、シールに適用される圧力は、平方インチあたり約1、約10、約50、約100、約200、約300、または約500ポンドである(psi)。一部の場合において、シールに適用される圧力は、平方インチあたりの約1未満、約10未満、約50未満、約100未満、約200未満、約300未満、または約500ポンド(psi)未満である。一部の場合において、ハウジングに適用される圧力は、平方インチあたりの約500、約1000、約2000、約2500、約3000、約5000、または約10000ポンド(psi)である。一部の場合において、ハウジングに適用される圧力は、平方インチあたり少なくとも約500、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約2500、少なくとも約3000、少なくとも約5000、または少なくとも約10000ポンド(psi)である。
【0221】
セル間接続は、許容誤差および最適な伝導性経路に基づいて種々の方法で構成できる。1つの構成において、1つのセルにおける負極電流リードの頂部面は、その上方のセルの底部に直接金属間接合(例えばブレイズ、溶接)できる(例えば
図29を参照)。他の構成は、内側ロッドおよび外側固定器具(
図30)の熱膨張係数(CTE)の内側ロッドおよび外側固定器具(例えば
図30を参照)の熱膨張係数(CTE)の差によって向上される、例えば代替直接金属間接合(例えば代替ブレイズ接合)構成、例えば外側直径ブレイズを含むことができる。
【0222】
一部の場合において、
図29に示されるように、第1のセル2910の伝導体2905は、第2のセル2925の電気伝導性ハウジング2920にブレイズされる2915。ブレイズ材料は、いずれかの好適な材料であることができる。ブレイズ材料の一部の非限定例は、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、リン(P)、ホウ素(B)、炭素(C)、ケイ素(Si)、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む材料が挙げられる。セルは、集電体および伝導体2905に接続されたカソード2930、電解質2935およびアノード2940を含むことができる。伝導体は、セル蓋2950を通して供給できる。一部の場合において、セルは、一部の空のヘッドスペース2945を有する。
【0223】
一部の実施において、伝導体2905は、セル蓋2950においてシール2960を通してフィードできる。伝導体(例えば負極電流リード)2905は剛性であってもよい。シール2960は剛性でなくてもよい。追加のセルがアセンブリの間に添加されるので、増大した重量は、頂部セル2925のハウジング2920によって底部セル2910の伝導体2905に対して働き得る(例えば位置2915において)。一部の例において、セル2910と2925との垂直間隔は、シール2960(伝導体2905およびアノード2940と共に)が圧縮力の結果としてセル2910に対して下方に移動する場合に低下し得る。モジュールが互いに電気的に隔離することを確実にするために、スペーサー(例えばセラミック)2955は、それらの上方のセルを支持するセルの表面にわたって配置できる。この構成において、セルハウジングは、システムのための主要構造支持体として使用できる。セラミックスペーサー2955は、シール2960の頂部セル2925(およびアセンブル中に添加されるいずれかの追加のセル)の重量を支持する必要性を緩和できる。一部の構成において、初期に、スペーサー2955の頂部と頂部セル2925のハウジング2920の底部との間のギャップがあってもよく(例えばスペーサーの厚さは、伝導体が電気伝導性ハウジングから初期に突出する距離よりわずかに小さくできる)、スペーサー(例えばセラミック)は、追加のセル(1または複数)が添加される(例えば底部セル2910のハウジングの頂部と頂部セル2925のハウジングの底部との間の間隔が低減する)ときに、アセンブリ中に圧縮状態に置かれることができる。結果として、アノードとカソードとの間の変位(本明細書においては「アノード−カソード変位」も同様)(例えばセル2910におけるアノード2940とカソード2930との間のアセンブリ後の最終変位)は、一部の場合において、非ガス状スペーサーによって決定できる。一部の構成において、スペーサーは、すぐに圧縮状態に置かれることができる(例えばスペーサーの厚さは、伝導体が電気伝導性ハウジングから初期に突出するよりもわずかに大きい場合)。
【0224】
一部の場合において、熱膨張係数(CTE)の差は、2つのセルを接続するために使用できる。
図30に示されるように、第1のセル3005の伝導体が第2のセル3010の電気伝導性ハウジングの埋め込まれた部分にあり、伝導体3015の熱膨張係数(CTE)は、電気伝導性ハウジング3020のCTEより大きい。
【0225】
伝導体のCTEは、電気伝導性ハウジングのCTEよりも大きいいずれかの量であることができる。一部の場合において、伝導体のCTEは、電気伝導性ハウジングのCTEより約2%、約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%大きい。一部の場合において、伝導体のCTEは、電気伝導性ハウジングのCTEよりも少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%大きい。
【0226】
直列で垂直にスタックされたセルは、直接または硬質電気接続を通して取り付けられることができ、こうして2950から2940までの高さおよび/またはアノード−カソード変位(ACD)は、2955の寸法許容誤差によって決定できる。一部の例において、2950から2940までの高さは、少なくとも約3ミリメートル(mm)、少なくとも約5mm、少なくとも約7mm、少なくとも約10mm、少なくとも約15mmなどであることができる。一部の例において、ACDは約3mm、約5mm、約7mm、約10mm、約15mmまたはそれ以上であることができる。
図29は、こうした接続が構成され得る方法の例である。
【0227】
直列で垂直にスタックされたセルは、セル接続あたりの抵抗が、例えば約100mOhm未満(または本明細書において他の場所で記載される別の内部抵抗値)に低減されるように、直接(例えば金属間)電気接続を用いて接続できる。
図29は、こうした接続が構成され得る方法の例である。
図29はまた、CTE不一致シール接続の例を提供する。
【0228】
一部の実施において、セルは、負極電流リードまたは底部セルの伝導体および頂部セルのセル本体(例えば電気伝導性ハウジング)に接続(例えば溶接)できる電流移動プレートによって垂直に接合できる。負極電流リードは、シールを通して底部セルのハウジングから突出できる。例えば、複数のセルは、セルモジュールまたは部分セルモジュールに並列に接続でき、次いで他のセルモジュールまたは部分セルモジュールを用いて、垂直の積み重ねを介して直列に接続できる。垂直の積み重ねは、1つのセルからセル本体またはその上方のセルのセル本体上の特徴要素への電流移動プレートを接続することによって実施できる(例えばセルパックの基礎を形成する)。電流移動プレートは、伝導性材料、例えば本明細書に記載されるいずれかの伝導性材料から形成できる。電流は、溶接できるまたはそうでなければ別の表面(例えばセル本体または隣接セルのセル本体の特徴要素)と直接金属間接合できる1つ以上の表面(例えば平坦表面)を含むことができる。電流移動プレートは、負極電流リードを含むセル表面の周囲に向かって負極電流リードから延びることができる。こうした構成により、電気接続は、セル間またはセルアセンブリにおいて狭い空間においてより好都合に行われることができるようになる(例えばセルの垂直の積み重ね中のより好都合なアクセス)。
【0229】
電流移動プレートは、溶接/接合プロセスおよび/または加熱中および/または冷却中の熱膨張差ならびに/あるいはセルおよび/またはパックが互いに重なり合って垂直にスタックされる場合に生じる応力によって生じ得るシール(例えば負極電流リードの周りのシール)に対する応力を低減するために歪緩和機能と組み合わせてもよく、またはこの機能を含んでいてもよい。一部の場合において、シールに対する応力は、電気絶縁性非ガス状(例えばセラミック)スペーサーを含むことによって低減され得る。非ガス状スペーサーは、電流移動プレートおよび/または電流移動プレートにスタックされるセルからの重量を支持でき、ハウジング(例えばセルキャップ)に重量を向け、それによってシールを通して伝送される適用重量部分を低減する。一部の場合において、歪緩和機能は、電流移動プレートに柔軟性を与えるためにスパイラルパターン(例えば単一スパイラルアームまたは複数のスパイラルアーム)または電流移動プレートの他の特徴要素を含んでいてもよく、セルが互いに重なり合ってスタックされる場合にシールが直面するまたはCTE不一致により加熱中に直面する応力を低減してもよい。スパイラルパターンは、1つ以上のスパイラルアームを含んでいてもよい。スパイラルアームは、例えば約0.5mm厚さ、約1mm厚さ、約2mm厚さまたは約4mm厚さであってもよい。スパイラルアームは、直径が約1cm、約2cm、約3cmまたは約4cmまたはそれ以上である円形または楕円外部形状を有するスパイラルを創出し得る。一部の場合において、電流移動プレートは、歪緩和特徴要素が必要でないように十分柔軟性であってもよい。
【0230】
セルパックは、コア、CEまたはシステムを製造するために種々の構成において直列および並列に取り付けることができる。電気化学セルの種々の群の数および配列は、所望のシステム電圧およびエネルギー貯蔵容量を創出するように選択できる。パック、コア、CE、またはシステムは、次いでセルの充電および放電から創出されるエネルギーを用いて自己加熱できるシステムを創出するために高温断熱において共に封入できる。例えば
図31は、パックが構成できる方法の例であり、所与の面におけるセルパックは並列3105に互いに接続される一方で、互いの上に直接接続されたパックは直列3110に接続されること示す。
【0231】
パック自体は、バスバーを通して互いに垂直および水平に接続できる(例えば一般にブレイズまたは溶接のような直接接続であることができるパック内のセル間接続とは異なる)。一部の場合において、バスバーは、可撓性であり、または可撓性セクションを含む(例えば加熱および操作全体を通してシステムの非等温膨張に適応するため)。
【0232】
バスバーは、並列ストリングでセルと電気的接続を製造するために使用できる(例えばセルの並列ストリング、パックの並列ストリングなど)。一部の例において、バスバーは、セルまたはセルモジュールのすべてにおいて同じ端子と電気的に接続されることによって並列ストリング構成に一組のセルまたはセルモジュールを構成するために使用できる(例えばセルまたはセルモジュールのすべての負極端子またはセルまたはセルモジュールのすべての正極端子)。例えば正極バスバーおよび/または負極バスバーが使用されてもよい。正極バスバーは、ハウジングに接続でき、可撓性である必要があってもよくまたは必要でなくてもよい。一部の場合において、正極バスバーは使用され得ない。負極バスバーは、1つ以上のセル本体(例えばパック中の個々のセルのセル本体)における(上の)特徴要素に接合でき、強力な電気接続を提供する。一部の場合において、負極バスバーは、伝導性フィードスルー(例えば負極電流リード)に取る付けることができ、これらは熱膨張のためにある程度の柔軟性を必要とする場合がある。例えば、相対的に剛性のバスバーコアとフィードスルーとの間の可撓性接続は、フィードスルーとバスバーとの間の柔軟性特徴要素を用いて達成されてもよい。柔軟性特徴要素は、所望のパターンの平坦なバスバーから材料を切断するおよび/または除去することによって創出され得るスパイラルパターン(例えば単一スパイラルアームまたは複数のスパイラルアーム)を含んでいてもよい。スパイラルパターンは、1つ以上のスパイラルアームを含んでいてもよい。スパイラルアームは、例えば約0.5mm厚さ、約1mm厚さ、約2mm厚さまたは約4mm厚さであってもよい。スパイラルアームは、直径が約1cm、約2cm、約3cmまたは約4cmまたはそれ以上である円形または楕円外部形状を有するスパイラルを創出し得る。一部の場合において、バスバーは、柔軟性特徴要素が必要でないように十分柔軟性であってもよい。
【0233】
1つ以上の相互接続は、一方のパックのバスバーを別のセルパックのバスバーに接続するために使用でき、それによって並列または直列でセルパックを配置する。一部の場合において、一方のセルパックの負極バスバーは、柔軟性相互接続構成要素(本明細書のいては「相互接続」も同様)を用いて別のセルパックの正極バスバーに接続される。一部の場合において、相互接続は編組金属または金属合金であってもよい。一部の場合において、相互接続は、シート金属から製造され、約1/32インチ厚さ、約1/16インチ厚さ、約1/8インチ厚さ、または約1/4インチ厚さベンドシートの形態をとってもよい。一部の場合において、相互接続は、バスバーと同じ伝導性材料を含んでいてもよい。一部の場合において、正極バスバーおよび相互接続は同じ構成要素である。
【0234】
バスバーおよび/または相互接続構成要素は、伝導性材料を含むことができる。例えば、バスバーおよび/または相互接続構成要素は、ステンレススチール、ニッケル、銅、アルミニウム−銅系合金、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる(これらから製造できる)。
【0235】
パックはさらに、他の相互接続(例えばパックが追加のパックと相互接続できる)を含んでいてもよく、または形成してもよく、それらとしては追加の相互接続、追加のバスバーおよび/または追加の接続界面が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施において、バスバーはパックレベルの電気的接続/相互接続を提供するために使用されてもよい(例えばバスバーだけがパックレベルの電気的接続/相互接続のために使用されてもよい)。
【0236】
セルが互いの頂部に垂直にスタックされる構成において、セルスタックの頂部にあるバスバー(例えばセルパックスタック)は、負極バスバーだけを含むことができる(例えばスタックの正極端子は、スタックの底部セルにあることができる)。
【0237】
断熱および/またはフレームは、コア(および/または開示のいずれかのシステム)が冷却可能となる、絶縁が除去可能となる、個々のパックもしくはパックのセットが切断されコアから除去可能となり、単一パックが切断、除去もしくは交換が可能になる、またはこれらのいずれかの組み合わせであるように設計されてもよい。次いでコアは、再アセンブリでき、操作温度まで加熱して、操作を再開できる。
【0238】
個々のセルまたは所与の群のセルに対して本明細書に記載される種々の相互接続構成は、少なくとも一部の構成において他の群のセル(またはこれらの一部)に等しく適用してもよい。1つの例において、相互接続、例えばセルブレイズ正極および負極集電体、熱膨張係数の差によって向上したブレイズ、セル本体またはセル本体の特徴要素の接続(例えば接合)などは、セルの群、例えばモジュール、パックなどに適用(または適合)されてもよい。別の例において、相互接続、例えばセルおよび/またはモジュール中のスタンプ加工されたポケット付き電気伝導性ハウジングは、セルの群、例えばモジュール、パックなどに適用(または適合)されてもよい。さらに別の例において、相互接続、例えばパックなどの間のバスバー/相互接続は、一部の場合に、セルの群、例えばコアなどに適用(または適合)されてもよい。さらに、応力緩和構成(例えばセル間の電流移動プレート、スペーサー、スパイラル緩和または柔軟性特徴要素/パターンなど)および電気的/構造上の特徴要素(例えば端部キャップなど)は、一部の場合において、本明細書のセルのいずれかの群に適用(または適合)されてもよい。種々の相互接続構成は、群のレベルまたは個々のセルに適用されてもよい。故に、例において、セル間に使用されるスペーサーは、パック間のスペーサーとして使用するために構成されてもよく、セル間の電流移動プレートは、モジュール間の使用のために構成されてもよく、モジュール内のセル本体を接続するためにセル本体の特徴要素を含む相互接続界面は、隣接パックなどの上の外側セルのセル本体を接続するために構成されてもよい。さらに、直列接続を形成することに関連して記載される相互接続は、一部の場合において、並列接続を形成するために適合されてもよく、逆も同様である。
【0239】
本開示のデバイス、システムおよび方法は、他のデバイス、システムおよび/または方法、例えば米国特許第3,663,295号(「STORAGE BATTERY ELECTROLYTE」)、米国特許第3,775,181号(「LITHIUM STORAGE CELLS WITH A FUSED ELECTROLYTE」)、米国特許第8,268,471号(「HIGH−AMPERAGE ENERGY STORAGE DEVICE WITH LIQUID METAL NEGATIVE ELECTRODE AND METHODS」)、米国特許公開第2011/0014503号(「ALKALINE EARTH METAL ION BATTERY」)、米国特許公開第2011/0014505号(「LIQUID ELECTRODE BATTERY」)、米国特許公開第2012/0104990号(「ALKALI METAL ION BATTERY WITH BIMETALLIC ELECTRODE」)、および米国特許公開第2014/0099522号(「LOW−TEMPERATURE LIQUID METAL BATTERIES FOR GRID−SCALED STORAGE」)に記載されるバッテリおよびバッテリ構成要素と組み合わせてもよく、またはこれらにより変更されてもよく、これらそれぞれは全体として本明細書において参照により組み込まれる。
【0240】
開示のエネルギー貯蔵デバイスは、グリッドスケール設定またはスタンドアロン設定に使用されてもよい。開示のエネルギー貯蔵デバイスは、一部の場合において、車両、例えばスクーター、オートバイ、車、トラック、電車、ヘリコプター、飛行機、および他の機械的デバイス、例えばロボットに電力を与えるために使用できる。
【0241】
当業者は、バッテリハウジング構成要素は、上記で提供される例以外の材料から構成されてもよいことを認識する。1つ以上の電気伝導性バッテリハウジング構成要素は、例えばスチール以外の金属および/または1つ以上の電気伝導性複合体から構成されてもよい。別の例において、1つ以上の電気絶縁構成要素は、上述のガラス、雲母およびバーミキュライト以外の誘電体から構成されてもよい。故に本発明は、いかなるの特定のバッテリハウジング材料にも限定されない。
【0242】
カソードに関連して記載される開示のいずれかの態様は、少なくとも一部の構成においてアノードに等しく適用できる。同様に、1つ以上のバッテリ電極および/または電解質は、代替構成において液体でなくてもよい。例において、電解質はポリマーまたはゲルであることができる。さらなる例において、少なくとも1つのバッテリ電極は、固体またはゲルであることができる。さらに、一部の例において、電極および/または電解質は金属を含んでいてなくてもよい。開示の態様は、液体金属バッテリに限定されることなく、種々のエネルギー貯蔵/変換デバイスに適用可能である。
【0243】
[実施例]
[実施例1]構成材料
タングステン(W)およびモリブデン(Mo)の合金、例えば表3に列挙されるものは、開示のシールに使用できる。合金は、電気絶縁セラミック(例えば窒化アルミニウム)にブレイズされる構成要素(例えばWまたはMo)として使用できる。一部の場合において、タングステンおよび/またはモリブデン合金は、セラミックと一致された熱膨張係数(CTE)を有し(例えばセラミックのCTEの約1%内、約5%内、または約10%内)、酸化に対して抵抗性であり、および/または攻撃、合金化および/または負極の金属蒸気(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム蒸気)または溶融塩からの腐食に対して抵抗性である。
【表3】
【0244】
本明細書で使用された技術用語は、特定の実施形態を記載する目的のために使用され、本発明の範囲を制限することを意図しないことが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の単数形態は、文脈において明確に示されない限り、複数の参照を含むことに留意すべきである。加えて、特に規定しない限り、本明細書に使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0245】
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、記載されているが、こうした実施形態が例としてのみ提供されることは当業者にとって明らかである。ここで多数のバリエーション、変更および置換は、本発明から逸脱することなく当業者にとって生じる。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替が本発明を実施する際に使用されてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲およびこれらの均等物の範囲内にある方法および構造はこれらに含まれることを意図する。