(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のポリペプチド鎖及び前記第3のポリペプチド鎖の前記CH2‐CH3ドメインが、配列番号1の配列に対する少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、前記CH2‐CH3ドメインの連結から形成される前記Fcドメインが、変化したFcγR仲介エフェクタ機能を呈する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の三重特異性結合分子。
前記第1のポリペプチド鎖上の前記ヘテロ二量体促進ドメインがEコイルドメインであり、前記第2のポリペプチド鎖上の前記ヘテロ二量体促進ドメインがKコイルドメインであるか;又は
前記第1のポリペプチド鎖上の前記ヘテロ二量体促進ドメインがKコイルドメインであり、前記第2のポリペプチド鎖上の前記ヘテロ二量体促進ドメインがEコイルドメインである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の三重特異性結合分子。
(A)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記第1の癌抗原のエピトープ、前記第2の癌抗原のエピトープ及び前記エフェクタ細胞抗原のエピトープであるか;
(B)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記第1の癌抗原のエピトープ、前記エフェクタ細胞抗原のエピトープ及び前記第2の癌抗原のエピトープであるか;
(C)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記第2の癌抗原のエピトープ、前記第1の癌抗原のエピトープ及び前記エフェクタ細胞抗原のエピトープであるか;
(D)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記第2の癌抗原のエピトープ、前記エフェクタ細胞抗原のエピトープ及び前記第1の癌抗原のエピトープであるか;
(E)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記エフェクタ細胞抗原のエピトープ、前記第1の癌抗原のエピトープ及び前記第2の癌抗原のエピトープであるか;又は
(F)前記エピトープI、前記エピトープII及び前記エピトープIIIはそれぞれ、前記エフェクタ細胞抗原のエピトープ、前記第2の癌抗原のエピトープ及び前記第1の癌抗原のエピトープである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の三重特異性結合分子。
前記エフェクタ細胞抗原は:CD2、CD3、CD16、CD19、CD20、CD22、CD32B、CD64、B細胞受容体(BCR)、T細胞受容体(TCR)、又はNKG2D受容体である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の三重特異性結合分子。
前記第1の癌抗原及び第2の癌抗原は:結腸癌抗原19.9;胃癌ムチン;抗原4.2;糖タンパク質A33(gpA33);ADAM‐9;胃癌抗原AH6;ALCAM;悪性ヒトリンパ球抗原APO‐1;癌抗原B1;B7‐H3;β‐カテニン;血液型ALeb/Ley;バーキットリンパ腫抗原‐38.13;結腸腺癌抗原C14;卵巣癌抗原CA125;カルボキシペプチダーゼM;CD5;CD19;CD20;CD22;CD23;CD25;CD27;CD28;CD30;CD33;CD36;CD45;CD46;CD52;CD79a/CD79b;CD103;CD317;CDK4;癌胎児性抗原(CEA);CEACAM5;CEACAM6;CO17‐1A;CO‐43(血液型Leb);CO-514(血液型Lea);CTA‐1;CTLA4;サイトケラチン8;抗原D1.1;抗原D156‐22;DR5;E1シリーズ(血液型B);EGFR(上皮増殖因子受容体);エフリン受容体A2(EphA2);ErbB1;ErbB3;ErbB4;GAGE‐1;GAGE‐2;GD2/GD3/GM2;肺腺癌抗原F3;抗原FC10.2;G49;ガングリオシドGD2;ガングリオシドGD3;ガングリオシドGM2;ガングリオシドGM3;GD2;GD3;GICA19‐9;GM2;gp100;ヒト白血病T細胞抗原Gp37;メラノーマ抗原gp75;gpA33;HER2抗原(p185HER2);ヒト乳脂肪小球抗原(HMFG);ヒトパピローマウイルス‐E6/ヒトパピローマウイルス‐E7;高分子量メラノーマ抗原(HMW‐MAA);I抗原(分化抗原)I(Ma);インテグリンアルファ‐V‐ベータ‐6インテグリンβ6(ITGB6);インターロイキン‐13;受容体α2(IL13Rα2);JAM‐3;KID3;KID31;KS1/4汎癌腫抗原;ヒト肺癌抗原L6及びL20;LEA;LUCA‐2;M1:22:25:8;M18;M39;MAGE‐1;MAGE‐3;MART;MUC‐1;MUM‐1;Myl;N‐アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ;ネオ糖タンパク質;NS‐10;OFA‐1;OFA‐2;オンコスタチンM;p15;メラノーマ関連抗原p97;多型性上皮ムチン(PEM);多型性上皮ムチン抗原(PEMA);PIPA;前立腺特異的抗原(PSA);前立腺特異的膜抗原(PSMA);前立腺酸性リン酸塩;R24;ROR1;スフィンゴ脂質;SSEA‐1;SSEA‐3;SSEA‐4;sTn;T細胞受容体誘導ペプチド;T5A7;TAG‐72;TL5(血液型A);TNF‐α受容体;TNF‐β受容体;TNF‐γ受容体;TRA‐1‐85(血液型H);トランスフェリン受容体;腫瘍特異的移植抗原(TSTA);癌胎児性抗原‐アルファ‐フェトプロテイン(AFP);VEGF;VEGFR、VEP8;VEP9;VIM‐D5;並びにYヘプタン、Leyから独立して選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の三重特異性結合分子。
前記エピトープI、前記エピトープII又は前記エピトープIIIのうちの1つは癌抗原のエピトープであり、前記エピトープに免疫特異的に結合できる前記抗原結合ドメインは:
配列番号3及び8;配列番号13及び18;配列番号23及び31;配列番号25及び31;配列番号27及び31;配列番号29及び31;配列番号54及び58;配列番号62及び66;配列番号70及び74;配列番号78及び82;配列番号86及び90;配列番号94及び98;配列番号153及び158;配列番号163及び167;配列番号172及び177;配列番号181及び186;配列番号191及び192;配列番号193及び194;配列番号195及び196;配列番号197及び198;配列番号199及び200;配列番号201及び202;配列番号203及び204;配列番号205及び206;配列番号302及び303;配列番号304及び305;配列番号306及び307;配列番号308及び309;配列番号310及び311;配列番号312及び313;配列番号314及び315;若しくは配列番号321及び322の6つのCDRを含むか;又は
配列番号3の軽鎖可変ドメイン及び配列番号8の重鎖可変ドメイン;配列番号13の軽鎖可変ドメイン及び配列番号18の重鎖可変ドメイン;配列番号23の軽鎖可変ドメイン及び配列番号31の重鎖可変ドメイン;配列番号25の軽鎖可変ドメイン及び配列番号31の重鎖可変ドメイン;配列番号27の軽鎖可変ドメイン及び配列番号31の重鎖可変ドメイン;配列番号29の軽鎖可変ドメイン及び配列番号31の重鎖可変ドメイン;配列番号54の軽鎖可変ドメイン及び配列番号58の重鎖可変ドメイン;配列番号62の軽鎖可変ドメイン及び配列番号66の重鎖可変ドメイン;配列番号70の軽鎖可変ドメイン及び配列番号74の重鎖可変ドメイン;配列番号78の軽鎖可変ドメイン及び配列番号82の重鎖可変ドメイン;配列番号86の軽鎖可変ドメイン及び配列番号90の重鎖可変ドメイン;配列番号94の軽鎖可変ドメイン及び配列番号98の重鎖可変ドメイン;配列番号153の軽鎖可変ドメイン及び配列番号158の重鎖可変ドメイン;配列番号163の軽鎖可変ドメイン及び配列番号167の重鎖可変ドメイン;配列番号172の軽鎖可変ドメイン及び配列番号177の重鎖可変ドメイン;配列番号181の軽鎖可変ドメイン及び配列番号186の重鎖可変ドメイン;配列番号191の軽鎖可変ドメイン及び配列番号192の重鎖可変ドメイン;配列番号193の軽鎖可変ドメイン及び配列番号194の重鎖可変ドメイン;配列番号195の軽鎖可変ドメイン及び配列番号196の重鎖可変ドメイン;配列番号197の軽鎖可変ドメイン及び配列番号198の重鎖可変ドメイン;配列番号199の軽鎖可変ドメイン及び配列番号200の重鎖可変ドメイン;配列番号201の軽鎖可変ドメイン及び配列番号202の重鎖可変ドメイン;配列番号203の軽鎖可変ドメイン及び配列番号204の重鎖可変ドメイン;配列番号205の軽鎖可変ドメイン及び配列番号206の重鎖可変ドメイン;配列番号302の軽鎖可変ドメイン及び配列番号303の重鎖可変ドメイン;配列番号304の軽鎖可変ドメイン及び配列番号305の重鎖可変ドメイン;配列番号306の軽鎖可変ドメイン及び配列番号307の重鎖可変ドメイン;配列番号308の軽鎖可変ドメイン及び配列番号309の重鎖可変ドメイン;配列番号310の軽鎖可変ドメイン及び配列番号311の重鎖可変ドメイン;配列番号312の軽鎖可変ドメイン及び配列番号313の重鎖可変ドメイン;配列番号314の軽鎖可変ドメイン及び配列番号315の重鎖可変ドメイン;若しくは配列番号321の軽鎖可変ドメイン及び配列番号322の重鎖可変ドメインを含む、請求項18に記載の三重特異性結合分子。
前記癌は、以下の細胞:副腎腫瘍;AIDS関連癌;胞巣状軟部肉腫;星状細胞腫瘍;膀胱癌;骨癌;脳及び脊髄の癌;転移性脳腫瘍;乳癌;頸動脈球腫瘍;子宮頸癌;軟骨肉腫;脊索腫;嫌色素性腎細胞癌;明細胞癌;大腸癌;結腸直腸癌;皮膚の良性線維性組織球腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;上衣腫;ユーイング腫瘍;骨外性粘液型軟骨肉腫;骨性線維形成不全症;線維性骨異形成;胆嚢又は胆管癌;消化器癌;妊娠性絨毛性疾患;胚細胞腫瘍;頭頸部癌;肝細胞癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;腎癌;白血病;脂肪腫/良性脂肪腫;脂肪肉腫/悪性脂肪腫;肝癌;リンパ腫;肺癌;髄芽腫;黒色腫;髄膜腫;多発性内分泌腫瘍;多発性骨髄腫;骨髄異形成症候群;神経芽細胞腫;神経内分泌腫瘍;卵巣癌;膵臓癌;甲状腺乳頭癌;副甲状腺腫瘍;小児癌;末梢神経鞘腫瘍;褐色細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;後部ブドウ膜黒色腫;希少な血液学的障害;腎転移性癌;ラブドイド腫瘍;横紋筋肉腫;肉腫;皮膚癌;軟組織肉腫;扁平上皮癌;胃癌;滑膜肉腫;精巣癌;胸腺癌;胸腺腫;甲状腺転移癌;又は子宮癌の癌細胞の存在を特徴とする、請求項23に記載の三重特異性結合分子又は医薬組成物。
前記癌は:結腸直腸癌;肝細胞癌;神経膠腫;腎癌;乳癌;多発性骨髄腫;膀胱癌;神経芽細胞腫;肉腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺癌;卵巣癌;膵臓癌;直腸癌;急性骨髄性白血病(AML);慢性骨髄性白血病(CML);急性Bリンパ芽球性白血病(B‐ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);有毛細胞白血病(HCL);芽形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN);非ホジキンリンパ腫(NHL);マントル細胞白血病(MCL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);ホジキンリンパ腫;全身性肥満細胞症;又はバーキットリンパ腫である、請求項23又は24に記載の三重特異性結合分子又は医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明は三重特異性結合分子に関し、これは、3つの結合ドメインを有することにより、3つのエピトープに対する協調的結合を仲介できる、多重鎖ポリペプチド分子である。上記三重特異性結合分子は好ましくは、上記三重特異性結合分子を:(1)第1の癌抗原のエピトープ、(2)第2の癌抗原のエピトープ、及び(3)免疫系エフェクタ細胞の表面上で発現する分子のエピトープに免疫特異的に結合できるようにし、これによって、癌抗原を発現する細胞に対して免疫系エフェクタ細胞を局在化でき、これにより、上記癌細胞の殺滅を促進する、結合ドメインを有することを特徴とする。
【0064】
本発明の三重特異性結合分子は、上述の抗体、例えばDR5 mAb 1又はDR5 mAb 2のヒト化、キメラ又はイヌ化誘導体のエピトープ結合ドメインを含んでよい。
【0065】
I.一般的な技術及び一般的な定義
本発明の実践は、そうでないことが示されていない限り、当該技術の範囲内の分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学及び免疫学の従来技術を採用する。このような技術は:MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, Third Edition (Sambrook et al. Eds., 2001) Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY; OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS: METHODS AND APPLICATIONS (Methods in Molecular Biology), Herdewijn, P., Ed., Humana Press, Totowa, NJ; OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS (Gait, M.J., Ed., 1984); METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, Humana Press, Totowa, NJ; CELL BIOLOGY: A LABORATORY NOTEBOOK (Cellis, J.E., Ed., 1998) Academic Press, New York, NY; ANIMAL CELL CULTURE (Freshney, R.I., Ed., 1987); INTRODUCTION TO CELL AND TISSUE CULTURE (Mather, J.P. and Roberts, P.E., Eds., 1998) Plenum Press, New York, NY; CELL AND TISSUE CULTURE: LABORATORY PROCEDURES (Doyle, A. et al, Eds., 1993-8) John Wiley and Sons, Hoboken, NJ; METHODS IN ENZYMOLOGY (Academic Press, Inc.) New York, NY; WEIR' S HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY (Herzenberg, L.A. et al. Eds. 1997) Wiley-Blackwell Publishers, New York, NY; GENE TRANSFER VECTORS FOR MAMMALIAN CELLS (Miller, J.M. et al. Eds., 1987) Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY; CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (Ausubel, F.M. et al, Eds., 1987) Greene Pub. Associates, New York, NY; PCR: THE POLYMERASE CHAIN REACTION, (Mullis, K. et al, Eds., 1994) Birkhauser, Boston MA; CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY (Coligan, J.E. et al, eds., 1991) John Wiley and Sons, Hoboken, NJ; SHORT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (John Wiley and Sons, 1999) Hoboken, NJ; IMMUNOBIOLOGY 7 (Janeway, C.A. et al 2007) Garland Science, London, UK; Antibodies (P. Finch, 1997) Stride Publications, Devoran, UK; ANTIBODIES: A PRACTICAL APPROACH (D. Catty., ed., 1989) Oxford University Press, USA, New York NY); MONOCLONAL ANTIBODIES: A PRACTICAL APPROACH (Shepherd, P. et al Eds., 2000) Oxford University Press, USA, New York NY; USING ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL (Harlow, E. et al Eds., 1998) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; THE ANTIBODIES (Zanetti, M. et al Eds. 1995) Harwood Academic Publishers, London, UK); 及びDEVITA, HELLMAN, AND ROSENBERG'S CANCER: PRINCIPLES & PRACTICE OF ONCOLOGY, EIGHTH EDITION, DeVita, V. et al Eds. 2008, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA等の文献に十分に説明されている。
【0066】
II.本発明の好ましい三重特異性結合分子
A.結合能力
本発明の好ましい三重特異性結合分子は、3つの異なるエピトープに協調的かつ同時に結合できる。本発明の好ましい三重特異性結合分子は:
(I)第1の抗原上に存在する「エピトープI」に免疫特異的に結合できる「結合ドメインI」及び第2の抗原上に存在する「エピトープII」に免疫特異的に結合できる「結合ドメインII」。ここで上記結合ドメインI及び上記結合ドメインIIは共に「ダイアボディタイプ結合ドメイン」である;
(II)第3の抗原上に存在する「エピトープIII」に免疫特異的に結合できる「結合ドメインIII」;並びに
(III)2つのCH2‐CH3ドメインを互いに複合体化することによって形成される、Fcドメインを備え、
ここで、
(A)エピトープI、エピトープII又はエピトープIIIのうちの1つは、第1の「癌抗原」癌抗原であり;
(B)エピトープI、エピトープII又はエピトープIIIのうちの第2のものは第2の癌抗原であり;
(C)エピトープI、エピトープII又はエピトープIIIのうちの第3のものは免疫系エフェクタ細胞の表面上で発現する分子のエピトープ(「エフェクタ細胞抗原」)であり;
ここで、結合分子の結合ドメインI、II及びIIIは、免疫系エフェクタ細胞の協調的結合、並びに第1及び第2の癌抗原の両方を発現する細胞を仲介し、これによってこのような細胞を共局在化できる。
【0067】
ダイアボディエピトープ結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、CD30、CD37、CD40、及びCD74といったB細胞の表面決定子も対象としてよい(Moore, P.A. et al. (2011) “Application Of Dual Affinity Retargeting Molecules To Achieve Optimal Redirected T-Cell Killing Of B-Cell Lymphoma,” Blood 117(17):4542-4551; Cheson, B.D. et al. (2008) “Monoclonal Antibody Therapy For B-Cell Non-Hodgkin’s Lymphoma,” N. Engl. J. Med. 359(6):613-626; Castillo, J. et al. (2008) “Newer monoclonal antibodies for hematological malignancies,” Exp. Hematol. 36(7):755-768)。多数の研究において、エフェクタ細胞決定子、例えばFcγ受容体(FcγR)に結合するダイアボディもまた、エフェクタ細胞を活性化することが分かった(Holliger et al. (1996) “Specific Killing Of Lymphoma Cells By Cytotoxic T-Cells Mediated By A Bi-specific Diabody,” Protein Eng. 9:299-305; Holliger et al. (1999) “Carcinoembryonic Antigen (CEA)-Specific T-Cell Activation In Colon Carcinoma Induced By Anti-CD3 x Anti-CEA Bi-specific Diabodies And B7 x Anti-CEA Bi-specific Fusion Proteins,” Cancer Res. 59:2909-2916; 国際公開第2006/113665号;国際公開第2008/157379号;国際公開第2010/080538号;国際公開第2012/01868号;国際公開第2012/162068号)。通常、エフェクタ細胞活性化は、抗原結合抗体に対する、Fc‐FcγR相互作用を介したエフェクタ細胞の結合によってトリガされる。従ってこれに関して、ダイアボディ分子は、これらがFcドメインを備えるかどうかにかかわらず、(例えば当該技術分野において公知の、又は本明細書で例示された(例えばADCCアッセイ)、いずれのエフェクタ機能アッセイにおいてアッセイされるような)Ig様機能性を示し得る。腫瘍とエフェクタ細胞とを架橋させることにより、上記ダイアボディは、腫瘍細胞の近傍にエフェクタ細胞をもたらすだけでなく、効果的な腫瘍殺滅をもたらす(例えば Cao et al. (2003) “Bi-specific Antibody Conjugates In Therapeutics,” Adv. Drug. Deliv. Rev. 55:171-197を参照)。
【0068】
このような三重特異性結合分子が特に好ましいものの、本発明は更に、3つの結合特異性を有する分子の産生に十分な結合ドメインのいずれの組み合わせを備える三重特異性結合分子を、具体的に考察し、上記3つの結合特異性のうちの2つは癌抗原を指向する結合特異性であり、1つはエフェクタ細胞抗原を指向する結合特異性である。従って例えば本発明は:3つのFabタイプ結合ドメインを備える三重特異性結合分子;(例えば2つの異なる軽鎖と2つの異なる重鎖とを複合体化することによって形成される)1つの2価の二重特異性抗体ドメイン及び1つのFabタイプ結合ドメインを備える三重特異性結合分子;(例えば4つの異なる軽鎖と2つの異なる重鎖とを複合体化することによって形成される)2つの2価の二重特異性抗体ドメインを備えるものの、抗体ドメインのうちの一方は不活性となっている三重特異性結合分子等を考察する。
【0069】
用語「ポリペプチド」、「ポリペプチド鎖」、及び「ペプチド」は本明細書において相互交換可能に使用され、いずれの長さ特にアミノ酸残基3個、5個、10個、20個又は25個超の長さのアミノ酸のポリマーを指すが、そのうち2つの、より好ましくは全てのアミノ酸残基は、アミド(ペプチド)結合(‐NH‐C(O)‐)を介して連結している。しかしながら、ポリマーは直鎖又は分岐であってよく、修飾アミノ酸を含んでよく、非アミノ酸によって中断されていてよい。これらの用語はまた、自然に、又は例えばジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、若しくは標識化成分との複合体形成といった他のいずれの操作若しくは修飾の介入によって修飾された、アミノ酸ポリマーも包含する。またこの定義には、例えばアミノ酸の1つ又は複数の類似体(例えば非天然アミノ酸等を含む)及び当該技術分野で公知の他の修飾を含むポリペプチドも含まれる。本発明のポリペプチドは単鎖として、又は複合体化した複数の鎖として発生し得る。
【0070】
「ダイアボディタイプ結合ドメイン」は、ダイアボディ及び特にDART(登録商標)ダイアボディのエピトープ結合ドメインである。用語「ダイアボディ」及び「DART(登録商標)ダイアボディ」については上述されており、これらは、好ましくは共有結合的相互作用によって互いに複合体化して、同一の又は異なるエピトープを認識してよい少なくとも2つのエピトープ結合部位を形成する、少なくともとも2つのポリペプチド鎖を備える分子を指す。ダイアボディ又はDART(登録商標)ダイアボディのポリペプチド鎖のうちの2つはそれぞれ、免疫グロブリン軽鎖可変領域及び免疫グロブリン重鎖可変領域を備えるが、これらの領域は、相互作用してエピトープ結合部位を形成することはない(即ちこれらの領域は相互に「相補的(complementary)」ではない)。寧ろ、ダイアボディ又はDART(登録商標)ダイアボディの鎖のうちの一方(例えば第1のもの)の免疫グロブリン重鎖可変領域は、異なる(例えば第2の)ダイアボディ又はDART(登録商標)ダイアボディのポリペプチド鎖の免疫グロブリン軽鎖可変領域と相互作用して、エピトープ結合部位を形成する。同様に、ダイアボディ又はDART(登録商標)ダイアボディのポリペプチド鎖のうちの一方(例えば第1のもの)の免疫グロブリン軽鎖可変領域は、異なる(例えば第2の)ダイアボディ又はDART(登録商標)ダイアボディのポリペプチド鎖の免疫グロブリン重鎖可変領域と相互作用して、エピトープ結合部位を形成する。DART(登録商標)ダイアボディ分子は、特許文献69、70、71、72、73、74、75、52、51、50、48、49、及び非特許文献56、57、58に開示されている。
【0071】
結合ドメインIIIは好ましくは「非ダイアボディタイプ」結合ドメインであり、これは、結合ドメインIIIがダイアボディタイプ結合ドメインの構造を有しないことを示すことを意図したものである。好ましくは、結合ドメインIIIは、Fabタイプ結合ドメイン又はエフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインである、非ダイアボディタイプ結合ドメインである。従って、
図4A〜4Gに例示される一実施形態では、上記結合ドメインIIIはFabタイプ結合ドメインである。
図5A〜5Eは、結合ドメインIIIがエフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインである実施形態を例示している。本明細書において使用される場合、用語「Fabタイプ結合ドメイン」は、免疫グロブリン軽鎖のVLドメインと免疫グロブリン重鎖の相補的なVHドメインとの相互作用によって形成された、エピトープ結合ドメインを指す。Fabタイプ結合ドメインは、Fabタイプ結合ドメインを形成する2つのポリペプチド鎖が単一のエピトープ結合ドメインしか備えない一方で、ダイアボディタイプ結合ドメインを形成する2つのポリペプチド鎖が少なくとも2つのエピトープ結合ドメインを備えるという点で、ダイアボディタイプ結合ドメインとは異なる。従って本明細書において使用される場合、Fabタイプ結合ドメインは、ダイアボディタイプ結合ドメインとは区別される。結合ドメインがFabタイプ結合ドメイン又はダイアボディタイプ結合ドメインである場合、上記結合ドメインは、同一のポリペプチド鎖上に位置しても異なるポリペプチド鎖上に位置してもよいVLドメイン及びVHドメインからなる。上記VL及びVHドメインの選択は、上記ドメインがエピトープ結合ドメインを形成するように調整される。本明細書において使用される場合、用語「エフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメイン」は、T細胞受容体アルファ鎖の可変ドメインと、T細胞受容体ベータ鎖の可変ドメインとの相互作用によって形成される、エピトープ結合ドメインを指す。このような受容体は、MHCのコンテクストにおいて発現されるペプチドを認識し、従って細胞内エピトープを認識できる。
【0072】
よって、本発明の三重特異性結合分子は、2価抗体の二量体化から産生されるもの等の4価結合分子とは区別され、好ましくは4つではなく3つの結合ドメインを有する。以下において議論するように、本発明の三重特異性分子は、更なる結合ドメイン(アルブミン結合ドメイン、FcγR結合ドメイン等)を有してよい。このような追加の結合ドメインは、本発明の三重特異性結合分子の3つの結合ドメインのうちの1つとして考慮又は計数されることを意図したものではない。
【0073】
本明細書において使用される場合、ポリペプチド(例えばあるダイアボディポリペプチドを別のものに対して、免疫グロブリン軽鎖を免疫グロブリン重鎖に対して、あるCH2‐CH3ドメインを別のCH2‐CH3ドメインに対して等)に関する用語「連結(association)」又は「連結する(associating)」は、ポリペプチドの非共有結合を表すことを意図したものである。用語「複合体(complexes)」又は「複合体化する(complexing)」は、ポリペプチドの共有結合を表すことを意図したものである。
【0074】
本明細書において使用される場合、本発明の結合分子の結合ドメインは、その結合ドメインのうちの少なくとも2つ、好ましくはその結合ドメインのうちの全てが、それぞれの認識されたエピトープ又は結合リガンドに同時に結合できる場合、「協調的結合(coordinated binding)」を仲介する、と言い表される。このような結合は同時であってよい。しかしながら、本発明の一態様は、このような結合ドメインがその認識されたエピトープに結合する「オン」及び/又は「オフ」速度を修正するステップに関する。本明細書において使用される場合、結合の「オン速度(on rate)」は、このような結合ドメインがエピトープを認識して、認識されたエピトープへの結合を開始する際の親和性の尺度である。対照的に、結合の「オフ速度(off rate)」は結合ドメイン:エピトープ複合体の安定性の度合いの尺度である。結合の「オン」及び/又は「オフ」速度は、結合ドメインのCDRのアミノ酸配列を変化させることによって修正できる。以下において議論するように、いずれのCDR修飾とは独立して、本発明の分子の協調的結合の程度は、その結合ドメインの構成を、ある特定の結合ドメイン(即ちVLx/VHxドメイン)が結合ドメインIIIとして又は結合ドメインIIIに対する内部若しくは外部ダイアボディタイプ結合ドメイン(以下において詳細に議論する)として存在するように変化させることによって、変調できる。
【0075】
本発明の結合分子の結合ドメインのオン及びオフ速度は、当該技術分野において公知の方法によって、例えばBiacore(登録商標)分析によって、容易に測定できる(Jason-Moller, L. et al. (2006) "Overview Of Biacore Systems And Their Applications " Curr. Protoc. Protein Sci. Chapter 19:Unit 19.13; Swanson, S.J. (2005) "Characterization Of An Immune Response " Dev. Biol. (Basel). 122:95-101; Buijs, J. et al. (2005) "SPR-MS In Functional Proteomics," Brief Funct. Genomic Proteomic. 4(l):39-47; Karlsson, R. et al. (2004) "SPR For Molecular Interaction Analysis: A Review Of Emerging Application Areas," J. Mol. Recognit. 17(3): 151 -161 ; Van Regenmortel, M.H. (2003) "Improving The Quality Of BIACORE-Based Affinity Measurements ," Dev. Biol. (Basel) 112: 141-151; Malmqvist, M. (1999) "BIACORE: An Affinity Biosensor System For Characterization Of Biomolecular Interactions " Biochem. Soc. Trans. 27(2):335-340; Malmqvist, M. et al. (1997) "Biomolecular Interaction Analysis: Affinity Biosensor Technologies For Functional Analysis Of Proteins," Curr. Opin. Chem. Biol. l(3):378-383; Fivash, M. et al. (1998) "Biacore For Macromolecular Interaction," Curr. Opin. Biotechnol. 9(1):97-101; Malmborg, A.C. et al. (1995) "Biacore As A Tool In Antibody Engineering," J. Immunol. Methods. 183(1):7-13)。本発明の結合分子の結合ドメインのオン及びオフ速度は、このような結合ドメインをエンコードする核酸分子のランダム又は指向性突然変異誘発と、それに続く、回収した核酸分子の、このような変化した結合キネティクスを示す突然変異タンパク質をエンコードする能力に関する通常のスクリーニングとによって、容易に変化させることができる。
【0076】
本発明の三重特異性結合分子の結合ドメインは、エピトープに、「免疫特異的な」様式で結合する。本明細書において使用される場合、抗体、ダイアボディ又は他のエピトープ結合分子は、代替的なエピトープに比べて、より頻繁に、より迅速に、より長期間、及び/又はより高い親和性で当該エピトープと反応又は連結する場合、別の分子のある領域(即ちエピトープ)に「免疫特異的に」結合する、と言い表される。例えば、あるウイルスエピトープに免疫特異的に結合する抗体は、他のウイルスエピトープ又は非ウイルスエピトープに免疫特異的に結合するよりも、より高い親和性、結合活性で、より容易に、及び/又はより長い期間、当該ウイルスエピトープに結合する抗体である。この定義を読めば、例えば第1の標的に免疫特異的に結合する抗体(又は部分若しくはエピトープ)は、第2の標的に特異的又は優先的に結合してもしなくてもよいことも理解される。従って「特異的結合(specific binding)」は、排他的結合を必ずしも必要としない(ただし含むことはできる)。一般に、ただし必ずしもそうではないが、結合に関する言及は「特異的」結合を意味する。2つの分子は、これらの結合が、これら2つの分子それぞれのリガンドに受容体が結合する特異性を呈する場合に、「生理学的に特異的な(physiospecific)」様式で互いに結合できると言い表される。
【0077】
抗体の機能性は、2つの別個の異なる抗原 (若しくは同一の抗原の異なるエピトープ)に同時に結合できる多重特異性抗体ベースの分子を生成することにより、並びに/又は同一のエピトープ及び/若しくは抗原に関してより高い価(即ち3つ以上の結合部位)を有する抗体ベースの分子を生成することにより、増強できる。
【0078】
従って、本発明の好ましい結合分子は、その最も単純な実施形態において、少なくとも三重特異性である。重要なことに、このような分子は、抗原に結合できる少なくとも3つの「部位」:結合ドメインIIIから最も離れて位置している「外部」ダイアボディタイプ結合ドメイン、結合ドメインIIIに最も近接して位置している「内部」ダイアボディタイプ結合ドメイン、及び結合ドメインIII自体を有する。このようなドメインの位置はそれぞれ、部位A、部位B及び部位Cとして表される(
図4A〜4G、
図5A〜5E)。
【0079】
本発明の三重特異性結合分子は、3つの結合ドメインを備えることにより、3つの異なるエピトープに共有結合できる。上記分子の結合ドメインのうちの2つは、「癌抗原」のエピトープに結合でき、これにより上記分子は、2つの異なる癌抗原に結合できる。上記分子の第3の結合ドメインは、免疫系エフェクタ細胞の表面上で発現する分子(即ち「エフェクタ細胞抗原」)のエピトープに結合できる。従って本発明の三重特異性結合分子は、2つの癌抗原を発現する癌細胞、及びエフェクタ細胞抗原を発現する免疫系エフェクタ細胞に対する、協調的かつ同時の結合を仲介できる。本発明の三重特異性結合分子が認識するエピトープは、連続又は不連続(例えば立体配座)であってよい。
【0080】
本発明の三重特異結合分子の癌抗原結合ドメインが結合する第1及び第2の癌抗原は、癌細胞の表面に特徴的に存在するいずれの分子から選択してよい。本発明の一態様は、「低発現癌抗原」(即ち、癌細胞上において、単一特異性結合分子が効果的な癌治療を提供できるようにするためには低過ぎるレベルで発現し得る、癌抗原)を標的化する能力に関する。上述のような単一特異性結合分子とは対照的に、本発明の三重特異性結合分子は、1つではなく2つの癌抗原を標的化することにより、相乗的かつ協調的に増強された結合活性を示し、これは低い結合親和性を補償でき、従って低発現癌抗原を特徴とする癌でさえも標的化するために有利に使用できる。本発明の第2の態様は、「低特異性癌抗原」(即ち、癌細胞上で発現するのに加えて正常な細胞上で発現し得る、癌抗原)を標的化する能力に関する。本発明の三重特異性結合分子は、2つの癌抗原に対する相乗的かつ協調的に増強された結合活性により、低特異性癌抗原に対してさえも、比較的高い結合活性を示し、従ってこのような癌抗原を特徴とする癌の治療のための手段を提供する。よって本発明の三重特異性結合分子を使用して、標的癌抗原のうちの一方又は両方が、それ自体では上述のような治療を提供するにあたって効果的でない状況においてさえ、抗癌治療を与えることができる。
【0081】
例えば、CD32B(FcγRIIB受容体)は、単球、マクロファージ、B細胞、NK細胞、好中球、肥満細胞及び血小板を含む造血細胞上で幅広く発現する。IgG Fcドメインに結合すると、CD32Bは宿主免疫系を阻害することによって、進行中の免疫応答を抑制する。このような阻害は、宿主が炎症応答から回復するのを補助するにあたって望ましいものの、癌又は感染症疾患を罹患した宿主の免疫不全を悪化させる役割を果たす。CD32Bに結合してIgG Fc分子の結合をブロックする抗体は、上述のような阻害の防止に役立ち、従って、癌及び感染症疾患の治療における補助分子としての用途を有する(Veri, M.C. et al. (2007) “Monoclonal Antibodies Capable Of Discriminating The Human Inhibitory Fcgamma‐Receptor IIB (CD32B) From The Activating Fcgamma‐Receptor IIA (CD32A): Biochemical, Biological And Functional Characterization,” Immunology 121(3):392‐404)。残念なことに、CD32Bは、肝類洞内皮細胞(「LSE細胞」)上でも発現する(Shahani, T. et al. (2014) “Human Liver Sinusoidal Endothelial Cells But Not Hepatocytes Contain Factor VIII,” J. Thromb. Haemost. 12(1):36‐42; Geraud, C. et al. (2013) “Endothelial Transdifferentiation In Hepatocellular Carcinoma: Loss Of Stabilin‐2 Expression In Peri‐Tumourous Liver Correlates With Increased Survival,” Liver Int. 33(9):1428‐1440; Takabe, Y. et al. (2012) “Immunomagnetic Exclusion Of E‐Cadherin‐Positive Hepatoblasts In Fetal Mouse Liver Cell Cultures Impairs Morphogenesis And Gene Expression Of Sinusoidal Endothelial Cells,” J. Anat. 221(3):229‐239)。従って、CD32Bに結合する抗体は、LSE細胞を攻撃する。しかしながら、CD32Bと、LSE細胞上で発現しない抗原(即ち第1及び第2の癌抗原)、又は上記細胞が低レベルで発現する抗原(即ち1つ若しくは複数の低発現癌抗原)、又は癌細胞及び上記LSE細胞上において低い特異性で発現する抗原(即ち1つ若しくは複数の低特異性癌抗原)とに結合する、本発明の三重特異性結合分子を形成することによって、本発明は、CD32Bに仲介免疫系阻害を抑制するために使用される組成物及び方法を提供する。
【0082】
B.例示的な癌抗原結合ドメイン
好適な癌抗原の例としては:結腸癌、胃癌ムチンにおいて確認される19.9;4.2; A33(結腸直腸癌抗原;Almqvist, Y. 2006, Nucl Med Biol. Nov;33(8):991-998);ADAM‐9(米国公開特許第2006/0172350号;国際公開第06/084075号);胃癌において確認されるAH6;ALCAM(国際公開第03/093443号);APO‐1(悪性ヒトリンパ球抗原)(Trauth et al.(1989) “Monoclonal Antibody-Mediated Tumor Regression By Induction Of Apoptosis,” Science245:301-304);Bl(Egloff, A.M. et al. 2006, Cancer Res. 66(l):6-9);BAGE(Bodey, B. 2002 Expert Opin Biol Ther. 2(6):577-84);B7‐H3;ベータ‐カテニン(Prange W. et al. 2003 J Pathol. 201(2):250-9);結腸腺癌において確認される血液型ALe
b/ALe
y;結腸腺癌において確認されるバーキットリンパ腫抗原‐38.13、C14;CA125(卵巣癌抗原)(Bast, R.C. Jr. et al. 2005 Int J Gynecol Cancer 15 Suppl 3:274-81; Yu et al.(1991) “Coexpression Of Different Antigenic Markers On Moieties That Bear CA 125 Determinants,” Cancer Res.51(2):468-475);カルボキシペプチダーゼM(米国公開特許第2006/0166291号);CD5(Calin, G.A. et al. 2006 Semin Oncol. 33(2): 167-73);CD19(Ghetie et al. (1994) “Anti-CD19 Inhibits The Growth Of Human B-Cell Tumor Lines In Vitro And Of Daudi Cells In SCID Mice By Inducing Cell Cycle Arrest,” Blood 83:1329-1336; Troussard, X. et al. 1998 Hematol Cell Ther. 40(4): 139-48);CD20(Thomas, D.A. et al. 2006 Hematol Oncol Clin North Am. 20(5): 1125-36);CD22(Kreitman, R.J. 2006 AAPS J. 18;8(3):E532-51);CD23(Rosati, S. et al. 2005 Curr Top Microbiol Immunol. 5;294:91-107);CD25(Troussard, X. et al. 1998 Hematol Cell Ther. 40(4): 139-48);CD27(Bataille, R. 2006 Haematologica 91(9): 1234-40);CD28(Bataille, R. 2006 Haematologica 91(9): 1234-40);CD33(Sgouros et al.(1993) “Modeling And Dosimetry Of Monoclonal Antibody M195 (Anti-CD33) In Acute Myelogenous Leukemia,” J. Nucl. Med.34:422-430);CD36(Ge, Y. 2005 Lab Hematol. ll(l):31-7);CD40/CD154(Messmer, D. et al. 2005 Ann N Y Acad Sci. 1062:51-60);CD45(Jurcic, J.G. 2005 Curr Oncol Rep. 7(5):339-46);CD56(Bataille, R. 2006 Haematologica 91(9): 1234-40);CD46(米国特許第7,148,038号;国際公開第03/032814号);CD79a/CD79b(Troussard, X. et al. 1998 Hematol Cell Ther. 40(4): 139-48;Chu, P.G. et al. 2001 Appl Immunohistochem Mol Morphol. 9(2):97-106);CD103(Troussard, X. et al. 1998 Hematol Cell Ther. 40(4): 139-48);CDK4(Lee, Y.M. et al. 2006 Cell Cycle 5(18):2110-4);CEA(癌胎児性抗原)(Foon et al. (1995) “Immune Response To The Carcinoembryonic Antigen In Patients Treated With An Anti-Idiotype Antibody Vaccine,” J. Clin. Invest. 96(1):334-42);CEA(癌胎児性抗原;Mathelin, C. 2006 Gynecol Obstet Fertil. 34(7-8):638-46;Tellez-Avila, F.I. et al. 2005 Rev Invest Clin. 57(6):814-9);CO17-1A(Ragnhammar et al. (1993) “Effect Of Monoclonal Antibody 17-1A And GM-CSF In Patients With Advanced Colorectal Carcinoma - Long-Lasting, Complete Remissions Can Be Induced,” Int. J. Cancer53:751-758);CO‐43(血液型Le
b);腺癌において確認されるCO‐514(血液型Le
a);CTA‐1:CTLA‐4(Peggs, K.S. et al. 2006 Curr Opin Immunol. 18(2):206-13);サイトケラチン8(国際公開第03/024191号);Dl.l;D
156‐22;DR5(Abdulghani, J. et al. (2010) "TRAIL Receptor Signaling And Therapeutics," Expert Opin. Ther. Targets 14(10): 1091-1108; Andera, L. (2009) "Signaling Activated By The Death Receptors Of The TNFR Family," Biomed. Pap. Med. Fac. Univ. Palacky Olomouc Czech. Repub. 153(3): 173-180; Carlo-Stella, C. et al. (2007) "Targeting TRAIL Agonistic Receptors for Cancer Therapy," Clin, Cancer 13(8):2313-2317; Chaudhari, B.R. et al. (2006) "Following the TRAIL to Apoptosis," Immunologic Res. 35(3):249-262);膵臓癌において確認されるElシリーズ(血液型B);EGFR(表皮成長因子受容体;Adenis, A. et al. 2003 Bull Cancer. 90 Spec No:S228-32);エフリン受容体(及び特にEphA2(米国特許第7,569,672号;国際公開第06/084226号);Erb(ErbBl;ErbB3;ErbB4;Zhou, H. et al. 2002 Oncogene 21(57):8732-8740;Rimon, E. et al. 2004 Int J Oncol. 24(5): 1325-1338);GAGE(GAGE‐1;GAGE‐2;Akcakanat, A. et al. 2006 Int J Cancer. 118(1): 123-128);GD2/GD3/GM2(Livingston, P.O. et al. 2005 Cancer Immunol Immunother. 54(10): 1018-1025);肺腺癌において確認されるF3;胚性癌細胞及び胃腺癌において確認されるFC10.2;G49;ガングリオシドGD2(Saleh et al. (1993) “Generation Of A Human Anti-Idiotypic Antibody That Mimics The GD2 Antigen,” J.Immunol., 151, 3390-3398);ガングリオシドGD3(Shitara et al. (1993) “A Mouse/Human Chimeric Anti-(Ganglioside GD3) Antibody With Enhanced Antitumor Activities,” Cancer Immunol. Immunother. 36:373-380);ガングリオシドGM2(Livingston et al.(1994) “Improved Survival In Stage III Melanoma Patients With GM2 Antibodies: A Randomized Trial Of Adjuvant Vaccination With GM2 Ganglioside,” J. Clin. Oncol. 12:1036-1044);ガングリオシドGM3(Hoon et al. (1993) “Molecular Cloning Of A Human Monoclonal Antibody Reactive To Ganglioside GM3 Antigen On Human Cancers,” Cancer Res.53:5244-5250);G
D2;G
D3;GICA19‐9(Herlyn et al. (1982) "Monoclonal Antibody Detection Of A Circulating Tumor-Associated Antigen. I. Presence Of Antigen In Sera Of Patients With Colorectal, Gastric, And Pancreatic Carcinoma, " J. Clin. Immunol. 2:135-140);G
M2;gp100(Lotem, M. et al. 2006 J Immunother. 29(6): 616-27);gp37(ヒト白血病T細胞抗原)(Bhattacharya-Chatterjee et al. (1988) "Idiotype Vaccines Against Human T Cell Leukemia. II. Generation And Characterization Of A Monoclonal Idiotype Cascade (Abl, Ab2, and Ab3), " J. Immunol. 141 :1398-1403);gp75(黒色腫抗原)(Vijayasardahl et al. (1990) "The Melanoma Antigen Gp75 Is The Human Homologue Of The Mouse B (Brown) Locus Gene Product, " J. Exp. Med. 171(4): 1375-1380);gpA33;HER2抗原(p185
HER2)(Kumar, Pal S et al. 2006 Semin Oncol. 33(4):386-91);ヒトBリンパ腫抗原CD20(Reff et al. (1994) "Depletion Of B Cells In Vivo By A Chimeric Mouse Human Monoclonal Antibody To CD20, " Blood 83:435-445);ヒト乳脂肪小球抗原;ヒトパピローマウイルスE6/ヒトパピローマウイルスE7(DiMaio, D. et al. 2006 Adv Virus Res. 66: 125-59;HMW‐MAA(高分子量黒色腫抗原)(Natali et al. (1987) "Immunohistochemical Detection Of Antigen In Human Primary And Metastatic Melanomas By The Monoclonal Antibody 140.240 And Its Possible Prognostic Significance, " Cancer 59:55-63;Mittelman et al. (1990) "Active Specific Immunotherapy In Patients With Melanoma. A Clinical Trial With Mouse Antiidiotypic Monoclonal Antibodies Elicited With Syngeneic Anti-High-Molecular-Weight-Melanoma-Associated Antigen Monoclonal Antibodies, " J. Clin. Invest. 86:2136-2144);胃腺癌中に見つかるI(Ma)等のI抗原(分化抗原)(Feizi (1985) "Demonstration By Monoclonal Antibodies That Carbohydrate Structures Of Glycoproteins And Glycolipids Are Onco-Developmental Antigens, " Nature 314:53-57);インテグリンα‐V‐ベータ‐6(国際公開第03/087340号);JAM‐3(国際公開第06/084078号);KID3(国際公開第05/028498号);KID31(国際公開第06/076584号);KS1/4汎癌抗原(Perez et al. (1989) "Isolation And Characterization Of A cDNA Encoding The Ksl/4 Epithelial Carcinoma Marker, " J. Immunol. 142:3662-3667;Moller et al. (1991) "Bispecific-Monoclonal-Antibody-Directed Lysis Of Ovarian Carcinoma Cells By Activated Human T Lymphocytes, " Cancer Immunol. Immunother. 33(4):210-216;Ragupathi, G. 2005 Cancer Treat Res. 123: 157-80); L6及びL20(ヒト肺癌抗原)(Hellstrom et al. (1986) "Monoclonal Mouse Antibodies Raised Against Human Lung Carcinoma, " Cancer Res. 46:3917-3923);LEA;LUCA‐2(米国公開特許第2006/0172349号;国際公開第06/083852号);Ml:22:25:8;M18;M39;MAGE(MAGE‐1;MAGE‐3)(Bodey, B. 2002 Expert Opin Biol Ther. 2(6):577-84);MART(Kounalakis, N. et al. 2005 Curr Oncol Rep. 7(5):377-82);MUC‐1(Mathelin, C. 2006 Gynecol Obstet Fertil. 34(7-8):638-46);MUM‐1(Castelli, C. et al. 2000 J Cell Physiol. 182(3):323-31);N‐アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(Dennis, J.W. 1999 Biochim Biophys Acta. 6;1473(l):21-34);ネオ糖タンパク質;腺癌において確認されるNS‐10;OFA‐1;OFA‐2;オンコスタチンM(オンコスタチン受容体ベータ)(米国特許第7,572,896号;国際公開第06/084092号);pl5(Gil, J. et al. 2006 Nat Rev Mol Cell Biol. 7(9):667-77);p97(黒色腫関連抗原)(Estin et al. (1989) “Transfected Mouse Melanoma Lines That Express Various Levels Of Human Melanoma-Associated Antigen p97,” J. Natl. Cancer Instit.81(6):445-454);PEM(多型性上皮ムチン)(Hilkens et al. (1992) “Cell Membrane-Associated Mucins And Their Adhesion-Modulating Property,” Trends in Biochem. Sci. 17:359-363);PEMA(多型性上皮ムチン抗原);PIPA(米国特許第7,405,061号;国際公開第04/043239号);PSA(前立腺特異性抗原)(Henttu et al. (1989) “cDNA Coding For The Entire Human Prostate Specific Antigen Shows High Homologies To The Human Tissue Kallikrein Genes,” Biochem. Biophys. Res. Comm.10(2):903-910; Israeli et al.(1993) “Molecular Cloning Of A Complementary DNA Encoding A Prostate-Specific Membrane Antigen,” Cancer Res.53:227-230; Cracco, C.M. et al. 2005 Minerva Urol Nefrol. 57(4):301-11);PSMA(前立腺特異性膜抗原)(Ragupathi, G. 2005 Cancer Treat Res. 123: 157-180);前立腺酸性ホスファターゼ(Tailor et al. (1990) "Nucleotide Sequence Of Human Prostatic Acid Phosphatase Determined From A Full-Length cDNA Clone, " Nucl. Acids Res. 18(16):4928);黒色腫において確認されるR
24;ROR1(米国特許第5,843,749号);スフィンゴ脂質;SSEA‐1;SSEA‐3;SSEA‐4;sTn(Holmberg, L.A. 2001 Ex
pert Opin Biol Ther. 1(5):881-91);皮膚T細胞リンパ腫からのT細胞受容体由来ペプチド(Edelson (1998) "Cutaneous T-Cell Lymphoma: A Model For Selective Immunotherapy, " Cancer J Sci Am. 4:62-71を参照);骨髄細胞において確認されるT
5A
7;TAG‐72(Yokota et al. (1992) "Rapid Tumor Penetration Of A Single-Chain Fv And Comparison With Other Immunoglobulin Forms, " Cancer Res. 52:3402-3408);TL5(血液型A);TNF受容体(TNF‐α受容体、TNF‐β受容体;TNF‐γ受容体)(van Horssen, R. et al. 2006 Oncologist. 11(4):397-408;Gardnerova, M. et al. 2000 Curr Drug Targets. l(4):327-64);TRA‐1‐85(血液型H);トランスフェリン受容体(米国特許第7,572,895号;国際公開第05/121179号);DNA腫瘍ウイルスのT抗原及びRNA腫瘍ウイルスのエンベロープを含む抗原ウイルス誘発型腫瘍抗原や、結腸、膀胱腫瘍胎児抗原のCEAといった癌胎児抗原‐アルファ‐フェトプロテイン等の、胚性癌細胞において確認されるTSTA腫瘍特異性移植抗原(Hellstrom et al. (1985) "Monoclonal Antibodies To Cell Surface Antigens Shared By Chemically Induced Mouse Bladder Carcinomas, " Cancer. Res. 45 :2210-2188);VEGF受容体(O’Dwyer. P.J. 2006 Oncologist. 11(9):992-998);VEP8;VEP9;VIM‐D5;並びに胚性癌細胞において確認されるYヘプタン、Le
yが挙げられる。
【0083】
1.Campath‐1(CD52)結合ドメイン(アレムツズマブ)
ヒト化抗CD52抗体「アレムツズマブ」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号205)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
KASQNID KYLNWYQQKP GKAPKLLIY
N
TNNLQTGVPS RFSGSGSGTD FTFTISSLQP EDIATYYC
LQ HISRPRTFGQ
GTKVEIKR
【0084】
ヒト化抗CD52抗体「アレムツズマブ」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号206)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQESGPG LVRPSQTLSL TCTVS
GFTFT DFYMNWVRQP PGRGLEWIG
F
IRDKAKGYTT EYNPSVKGRV TMLVDTSKNQ FSLRLSSVTA ADTAVYYCAR
EGHTAAPFDYWGQGSLVTVS S
【0085】
2.CD317(BMST2)結合ドメイン
CD317(骨髄間質細胞抗原2;BMSTとしても知られる)は、乳房、肺、腎臓、子宮内膜及び皮膚から単離された様々な癌細胞上で過剰発現する(Kawai, S. et al. (2008) “Interferon‐α enhances CD317 expression and the antitumor activity of anti‐CD317 monoclonal antibody in renal cell carcinoma xenograft models,” Cancer Science 99(12):2461‐2466; Cai, D. et al. (2009) “Up‐Regulation Of Bone Marrow Stromal Protein 2 (BST2) In Breast Cancer With Bone Metastasis,” BMC Cancer 9:102, pp. 1‐10; Wang, W. et al. (2009) HM1.24 (CD317) Is A Novel Target Against Lung Cancer For Immunotherapy Using Anti‐HM1.24 Antibody,” Cancer Immunology, Immunotherapy 58(6):967‐976; Wang, W. et al. (2009) “Chimeric And Humanized Anti‐HM1.24 Antibodies Mediate Antibody‐Dependent Cellular Cytotoxicity Against Lung Cancer Cells. Lung Cancer,” 63(1):23‐31; Sayeed, A. et al. (2013) “Aberrant Regulation Of The BST2 (Tetherin) Promoter Enhances Cell Proliferation And Apoptosis Evasion In High Grade Breast Cancer Cells,” PLoS ONE 8(6)e67191, pp. 1‐10; Yi, E.H. et al. (2013) “BST‐2 Is A Potential Activator Of Invasion And Migration In Tamoxifen‐Resistant Breast Cancer Cells,” Biochem. Biophys. Res. Commun. 435(4):685‐690; Staudinger, M. (2014) “The Novel Immunotoxin HM1.24‐ETA' Induces Apoptosis In Multiple Myeloma Cells,” Blood Cancer J. 13;4:e219, pp. 1‐11)。CD317に免疫特異的に結合する抗体は市販されている(Novus Biologicals LLC;BioLegend, Inc.;FERM BP‐5644及びFERM BP‐5646としての抗体HM1.24の重鎖及び軽鎖の寄託に言及した米国特許第8,834,876号も参照;米国特許第8,394,374号も参照)。抗CD317抗体「HM1.24」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号302)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIVMTQSHKF MSTSVGDRVS ITCK
KASQDV NTAVAWYQQK PGQSPKLLIY
SASNRYTGVP DRITGSGSGT DFTFTISSVQ AEDLALTTC
Q QHYSTPFTFG
SGTKLEIK
【0086】
抗CD317抗体「HM1.24」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号303)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGAE LARPGASVKL SCKASGYTFT
PYWMQWVKQR PGQGLEWIG
S
IFPGDGDTRY SQKFKGKATL TADKSSSTAY MQLSILAFED SAVYYCAR
GL
RRGGYYFDYW GQGTTLTVSS
【0087】
3.CEACAM5‐及びCEACAM6‐結合ドメイン
癌胎児性抗原関連細胞接着分子5(CEACAM5)及び6(CEACAM6)は、甲状腺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝細胞癌、胃癌、肺癌、頭頸部癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮体癌、乳癌、造血癌、白血病及び卵巣癌(国際公開第2011/034660号)、並びに特に、結腸直腸癌、胃腸癌、膵臓癌、非小細胞肺癌(NSCL)、乳癌、甲状腺癌、胃癌、卵巣癌及び子宮癌腫(Zheng, C. et al. (2011) “A Novel Anti‐CEACAM5 Monoclonal Antibody, CC4, Suppresses Colorectal Tumor Growth and Enhances NK Cells‐Mediated Tumor Immunity,” PLoS One 6(6):e21146, pp. 1‐11)を含む様々なタイプの癌に関連していることが分かっている。
【0088】
CEACAM5は、胃腸癌、結腸直腸癌及び膵臓癌の90%、非小細胞肺癌細胞の70%並びに乳癌の50%において過剰発現することが分かっている(Thompson, J.A. et al. (1991) “Carcinoembryonic Antigen Gene Family: Molecular Biology And Clinical Perspectives,” J. Clin. Lab. Anal. 5:344‐366)。
【0089】
過剰発現した癌胎児性抗原関連細胞接着分子6(CEACAM6)は、甲状腺髄様癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肝細胞癌、胃癌、肺癌、頭頸部癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮体癌、乳癌、造血癌、白血病及び卵巣癌を含む多様なヒト癌の侵襲及び転位において重要な役割を果たす(国際公開第2011/034660号;Deng, X. et al. (2014) “Expression Profiling Of CEACAM6 Associated With The Tumorigenesis And Progression In Gastric Adenocarcinoma,” Genet. Mol. Res. 13(3):7686‐7697; Cameron, S. et al. (2012) “Focal Overexpression Of CEACAM6 Contributes To Enhanced Tumourigenesis In Head And Neck Cancer Via Suppression Of Apoptosis,” Mol. Cancer 11:74, pp. 1‐11; Chapin, C. et al. (2012) “Distribution And Surfactant Association Of Carcinoembryonic Cell Adhesion Molecule 6 In Human Lung,” Amer. J. Physiol. Lung Cell. Mol. Physiol. 302(2):L216‐L25; Riley, C.J. et al. (2009) “Design And Activity Of A Murine And Humanized Anti‐CEACAM6 Single‐Chain Variable Fragment In The Treatment Of Pancreatic Cancer,” Cancer Res. 69(5):1933‐1940; Lewis‐Wambi, J.S. et al. (2008) “Overexpression Of CEACAM6 Promotes Migration And Invasion Of Oestrogen‐Deprived Breast Cancer Cells,” Eur. J. Cancer 44(12):1770‐1779; Blumenthal, R.D. et al. (2007) “Expression Patterns Of CEACAM5 And CEACAM6 In Primary And Metastatic Cancers,” BMC Cancer. 7:2, pp. 1‐15)。CEACAM5及びCEACAM6に免疫特異的に結合する抗体は市販されている(Santa Cruz Biotechnology, Inc., Novus Biologicals LLC;Abnova Corporation)。ヒト化抗CEACAM5/抗CEACAM6抗体16C3(欧州特許第2585476号)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号304)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
GASENIY GALNWYQRKP GKSPKLLIW
G
ASNLADGMPS RFSGSGSGRQ YTLTISSLQP EDVATYY
CQN VLSSPYTFGG
GTKLEIK
【0090】
ヒト化抗CEACAM5/抗CEACAM6抗体16C3(欧州特許第2585476号)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号305)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGPE VVRPGVSVKI SCKGS
GYTFT DYAMHWVKQS HAKSLEWIG
L
ISTYSGDTKY NQNFKGKATM TVDKSASTAY MELSSLRSED TAVYYCAR
GD
YSGSRYWFAYWGQGTLVTVS S
【0091】
ヒト化抗CEACAM5/CEACAM6抗体hMN15(国際公開第2011/034660号)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号306)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQLTQSPSS LSASVGDRVT MTC
SASSRVS YIHWYQQKPG KAPKRWIY
GT
STLASGVPAR FSGSGSGTDF TFTISSLQPE DIATYYC
QQW SYNPPTFGQG
TKVEIKR
【0092】
ヒト化抗CEACAM5/CEACAM6抗体hMN15(国際公開第2011/034660号)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号307)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL SCSSSG
FALT DYYMSWVRQA PGKGLEWLG
F
IANKANGHTT DYSPSVKGRF TISRDNSKNT LFLQMDSLRP EDTGVYFCAR
DMGIRWNFDVWGQGTPVTVS S
【0093】
4.DR5結合ドメイン
DR5は、本発明の好ましい癌抗原である。本発明の好ましい抗ヒトDR5結合分子は、マウス抗ヒトDR5モノクローナル抗体「DR5 mAb 1」及び/又は「DR5 mAb 2」のVL及び/又はVHドメインを有し、より好ましくは、上記抗ヒトDR5モノクローナル抗体のVLドメインのCDRのうちの1つ、2つ若しくは3つ全て及び/又はVHドメインのCDRのうちの1つ、2つ若しくは3つ全てを有する。あるいは、いずれの抗ヒトDR5モノクローナル抗体、特にドロジツマブ(本明細書では「DR5 mAb 3」と称する)、コナツムマブ(本明細書では「DR5 mAb 4」と称する)、チガツズマブ(本明細書では「DR5 mAb 5」と称する)、LBY135‐1(本明細書では「DR5 mAb 6」と称する)、LBY135‐2(本明細書では「DR5 mAb 7」と称する)及びKMTR2(本明細書では「DR5 mAb 8」と称する)を採用してよい。
【0094】
a.抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 1
DR5は、広範な癌(例えば結腸直腸癌、肝細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、乳癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、神経芽細胞腫、肉腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌及び直腸癌)の治療において潜在的に利用できる。ヒトDR5前駆体(NCBI配列NP_003833.4)のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号2):
MEQRGQNAPA ASGARKRHGP GPREARGARP GLRVPKTLVL VVAAVLLLVS
AESALITQQD LAPQQRVAPQ QKRSSPSEGL CPPGHHISED GRDCISCKYG
QDYSTHWNDL LFCLRCTRCD SGEVELSPCT TTRNTVCQCE EGTFREEDSP
EMCRKCRTGC PRGMVKVGDC TPWSDIECVH KESGTKHSGE APAVEETVTS
SPGTPASPCS LSGIIIGVTV AAVVLIVAVF VCKSLLWKKV LPYLKGICSG
GGGDPERVDR SSQRPGAEDN VLNEIVSILQ PTQVPEQEME VQEPAEPTGV
NMLSPGESEH LLEPAEAERS QRRRLLVPAN EGDPTETLRQ CFDDFADLVP
FDSWEPLMRK LGLMDNEIKV AKAEAAGHRD TLYTMLIKWV NKTGRDASVH
TLLDALETLG ERLAKQKIED HLLSSGKFMY LEGNADSAMS
【0095】
DR5 mAb 1 のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISC
RASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIF
LSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YC
QHSRDLPP
TFGGGTKLEI K
DR5 mAb 1のCDR
L1(配列番号4):RASKSVSSSGYSYMH
DR5 mAb 1のCDR
L2(配列番号5):LSSNLDS
DR5 mAb 1のCDR
L3(配列番号6):QHSRDLPPT
【0096】
DR5 mAb 1のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号7)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgc
a gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatcttt
c tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgt
cagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaa
【0097】
DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す)。C末端アミノ酸をアラニンで置換することにより、このVHドメインのサブクローニングを促進してよい:
EVKFLESGGG LVQPGGSLKL SCVAS
GFDFS RYWMSWVRQA PGKGLEWIG
E
INPDSNTINY TPSLKDKFII SRDNAKNTLY LQMTKVRSED TALYYCTR
RA
YYGNPAWFAY WGQGTLVTVSS
DR5 mAb 1のCDR
H1(配列番号9):GFDFSRYWMS
DR5 mAb 1のCDR
H2(配列番号10):EINPDSNTINYTPSLKD
DR5 mAb 1のCDR
H3(配列番号11):RAYYGNPAWFAY
【0098】
DR5 mAb 1のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号12)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gaggtgaagt ttctcgagtc tggaggtggc ctggtgcagc ctggaggatc
cctgaaactc tcctgtgtag cctca
ggatt cgattttagt agatactgga
tgagttgggt ccggcaggct ccagggaaag ggctagaatg gattgga
gaa
attaatccag atagcaatac gataaactat acgccatctc taaaggataa
attcatcatc tccagagaca acgccaaaaa tacgctgtat ctgcaaatga
ccaaagtgag atctgaggac acagcccttt attattgtac aaga
agggcc
tactatggta acccggcctg gtttgcttac tggggccaag ggactctggt
cactgtctct tcc
【0099】
b.抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 2
(1)マウス抗ヒト抗体DR5 mAb 2
DR5 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号13)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIVMTQSHKF MSTSVGDRVS ITC
KASQDVN TAVAWYQQKP GQSPKLLIY
W
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD YTLTIKSVQA EDLTLYYC
QQ HYITPWTFGG
GTKLEIK
DR5 mAb 2のCDR
L1(配列番号14):KASQDVNTAVA
DR5 mAb 2のCDR
L2(配列番号15):WASTRHT
DR5 mAb 2のCDR
L3(配列番号16):QQHYITPWT
【0100】
DR5 mAb 2のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号17)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gacattgtga tgacccagtc tcacaaattc atgtccactt cagtaggaga
cagggtcagc atcacctgc
a aggccagtca ggatgtgaat actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaactact gatttac
tgg
gcatccaccc ggcacactgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tatacactca ccatcaaaag tgtgcaggct gaagacctga
cactttatta ctgt
cagcaa cactatatca ctccgtggac gttcggtgga
ggcaccaagc tggaaatcaaa
【0101】
DR5 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号18)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
KVQLQQSGAE LVKPGASVKL SCKAS
GYTFT EYILHWVKQK SGQGLEWIG
W
FYPGNNNIKY NEKFKDKATL TADKSSSTVY MELSRLTSED SAVYFCAR
HE
QGPGYFDYWG QGTTLTVSS
DR5 mAb 2のCDR
H1(配列番号19):GYTFTEYILH
DR5 mAb 2のCDR
H2(配列番号20):WFYPGNNNIKYNEKFKD
DR5 mAb 2のCDR
H3(配列番号21):HEQGPGYFDY
【0102】
DR5 mAb 2のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号22)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
aaggtccagc tgcagcagtc tggagctgaa ctggtgaaac ccggggcatc
agtgaagctg tcctgcaagg cttct
gggta caccttcact gagtatattt
tacactgggt aaagcagaag tctggacagg gtcttgagtg gattggg
tgg
ttttatcctg gaaataataa tataaagtac aatgagaaat tcaaggacaa
ggccacactg actgcggaca aatcctccag cacagtctat atggaactta
gtagattgac atctgaagac tctgcggtct atttctgtgc aaga
cacgaa
caaggaccag gttactttga ctactggggc caaggcacca ctctcacagt
ctcctcc
【0103】
(2)ヒト化DR5 mAb 2(「hDR5 mAb 2」)
上述のマウス抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 2をヒト化することによって、ヒトレシピエントへの投与の際の抗原性を低減するための、抗ヒトDR5抗体のヒト化能力を実証した。上記ヒト化により、本明細書において「hDR5 mAb 2 VL‐2」、「hDR5 mAb 2 VL‐3」、「hDR5 mAb 2 VL‐4」及び「hDR5 mAb 2 VL‐5」と称される4つのヒト化VLドメイン、並びに本明細書において「hDR5 mAb 2 VH‐2」と称される1つのヒト化VHドメインが得られた。いずれの上記ヒト化VLドメインを上記ヒト化VHドメインとペアリングしてよい。従って、上記ヒト化VHドメインとペアリングされた上記ヒト化VLドメインのうちの1つを備えるいずれの抗体は、一般的に「hDR5 mAb 2」と呼ばれ、ヒト化VL/VHドメインの特定の組み合わせは、VLドメインを参照することによって呼称される。
【0104】
hDR5 mAb 2 VL‐2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号23)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSF LSASVGDRVT ITC
KASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
W
ASTRHTGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDVATYYC
QQ HYITPWTFGG
GTKLEIK
【0105】
hDR5 mAb 2 VL‐2は好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号24)によってエンコードされる:
gatattcaga tgacccagag tccctcattt ctgtccgcct ccgtcggtga
ccgcgtgact attacttgta aagcttctca ggatgtcaac accgccgtgg
cttggtacca gcagaagccc ggtaaagcac ctaagctgct gatctattgg
gccagcactc ggcacaccgg agtcccatct aggttctctg gcagtggatc
agggacagac tttaccctga caattagctc cctgcagccc gaggatgtgg
ctacttacta ttgtcagcag cactacatca ctccttggac cttcggcggg
ggcacaaaac tggaaatcaa a
【0106】
hDR5 mAb 2 VL‐3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号25)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSF LSASVGDRVT IT
CRASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
W
ASTRHTGVPD RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDVATYYCQQ
HYITPWTFGG
GTKLEIK
【0107】
hDR5 mAb 2 VL‐3は好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号26)によってエンコードされる:
gatattcaga tgacccagag tccctcattt ctgtccgcct ccgtcggtga
ccgcgtgact attacttgtc gggcttctca ggatgtcaac accgccgtgg
cttggtacca gcagaagccc ggtaaagcac ctaagctgct gatctattgg
gccagcactc ggcacaccgg agtcccagat aggttctctg gcagtggatc
agggacagac tttaccctga caattagctc cctgcagccc gaggatgtgg
ctacttacta ttgtcagcag cactacatca ctccttggac cttcggcggg
ggcacaaaac tggaaatcaa a
【0108】
hDR5 mAb 2 VL‐4のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号27)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSF LSASVGDRVT IT
CRASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
W ASTRHTGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDIATYYC
QQ HYITPWTFGG GTKLEIK
【0109】
hDR5 mAb 2 VL‐4は好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号28)によってエンコードされる:
gatattcaga tgacccagag tccctcattt ctgtccgcct ccgtcggtga
ccgcgtgact attacttgtc gggcttctca ggatgtcaac accgccgtgg
cttggtacca gcagaagccc ggtaaagcac ctaagctgct gatctattgg
gccagcactc ggcacaccgg agtcccatct aggttctctg gcagtggatc
agggacagac tttaccctga caattagctc cctgcagcca gaggatatcg
ctacatacta ttgtcagcag cactacatca ctccttggac cttcggcggg
ggcacaaaac tggaaatcaa a
【0110】
hDR5 mAb 2 VL‐5のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号29)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSF LSASVGDRVT ITC
RASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
W ASTRHTGVPD RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDIATYYC
QQ HYITPWTFGG GTKLEIK
【0111】
hDR5 mAb 2 VL‐5は好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号30)によってエンコードされる:
gatattcaga tgacccagag tccctcattt ctgtccgcct ccgtcggtga
ccgcgtgact attacttgtc gggcttctca ggatgtcaac accgccgtgg
cttggtacca gcagaagccc ggtaaagcac ctaagctgct gatctattgg
gccagcactc ggcacaccgg agtcccagat aggttctctg gcagtggatc
agggacagac tttaccctga caattagctc cctgcagccc gaggatatcg
ctacttacta ttgtcagcag cactacatca ctccttggac cttcggcggg
ggcacaaaac tggaaatcaa a
【0112】
hDR5 mAb 2 VH‐2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号31)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTF
T EYILHWVRQA PGQGLEWMG
W
FYPGNNNIKY NEKFKDRVTI TADKSTSTVY MELSSLRSED TAVYYCAR
HE
QGPGYFDYWG QGTLVTVSS
【0113】
hDR5 mAb 2 VH‐2は好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号32)によってエンコードされる:
caggtccagc tggtgcagag tggggcagag gtgaaaaagc caggggcatc
agtgaaagtg tcttgtaaag catcaggtta tacatttact gagtacatcc
tgcactgggt gcgacaggca ccaggacagg gactggaatg gatggggtgg
ttctaccctg gcaacaacaa cattaagtac aacgagaagt ttaaagaccg
ggtgaccatc acagcggata agtctaccag tacagtctat atggagctga
gctccctgag aagcgaagac accgccgtct actattgcgc tcgccacgaa
cagggtccag gttactttga ttattggggg cagggaactc tggtcacagt
cagctcc
【0114】
hDR5 mAb 2 VL‐3、hDR5 mAb 2 VL‐4及びhDR5 mAb VL‐5のVLドメインのCDR1は、アミノ酸配列:RASQDVNTAVA(配列番号
320)を有する。
【0115】
c.ドロジツマブ(「DR5 mAb 3」)
ドロジツマブ(「DR5 mAb 3」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号54)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
SELTQDPAVS VALGQTVRIT C
SGDSLRSYY ASWYQQKPG QAPVLVIY
GA
NNRPSGIPDR FSGSSSGNTA SLTITGAQAE DEADYYC
NSA DSSGNHVVFG
GGTKLTVLG
DR5 mAb 3のCDR
L1(配列番号55):SGDSLRSYYAS
DR5 mAb 3のCDR
L2(配列番号56):GANNRPS
DR5 mAb 3のCDR
L3(配列番号57):NSADSSGNHVV
【0116】
ドロジツマブ(「DR5 mAb 3」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号58)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVQSGGG VERPGGSLRL SCAAS
GFTFD DYAMSWVRQA PGKGLEWVSG
INWQGGSTGY ADSVKGRVTI SRDNAKNSLY LQMNSLRAED TAVYYCAK
IL
GAGRGWYFDY WGKGTTVTVS S
DR5 mAb 3のCDR
H1(配列番号59):GFTFDDYAMS
DR5 mAb 3のCDR
H2(配列番号60):INWQGGSTGYADSVKG
DR5 mAb 3のCDR
H3(配列番号61):ILGAGRGWYFDY
【0117】
d.コナツムマブ(「DR5 mAb 4」)
コナツムマブ(「DR5 mAb 4」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号62)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPGT LSLSPGERAT LSC
RASQGIS RSYLAWYQQK PGQAPSLLIY
GASSRATGIP DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYC
Q QFGSSPWTFG
QGTKVEIK
DR5 mAb 4のCDR
L1(配列番号63):RASQGISRSYLA
DR5 mAb 4のCDR
L2(配列番号64):GASSRAT
DR5 mAb 4のCDR
L3(配列番号65):QQFGSSPWT
【0118】
コナツムマブ(「DR5 mAb 4」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号66)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQESGPG LVKPSQTLSL TCTVS
GGSIS SGDYFWSWIR QLPGKGLEWI
G
HIHNSGTTY YNPSLKSRVT ISVDTSKKQF SLRLSSVTAA DTAVYYCAR
D
RGGDYYYGMD VWGQGTTVTV SS
DR5 mAb 4のCDR
H1(配列番号67):GGSISSGDYFWS
DR5 mAb 4のCDR
H2(配列番号68):HIHNSGTTYYNPSLKS
DR5 mAb 4のCDR
H3(配列番号69):DRGGDYYYGMDV
【0119】
e.チガツズマブ(「DR5 mAb 5」)
チガツズマブ(「DR5 mAb 5」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号70)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
KASQDVG TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
W
ASTRHTGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYC
QQ YSSYRTFGQG
TKVEIK
DR5 mAb 5のCDR
L1(配列番号71):KASQDVGTAVA
DR5 mAb 5のCDR
L2(配列番号72):WASTRHT
DR5 mAb 5のCDR
L3(配列番号73):QQYSSYRT
【0120】
チガツズマブ(「DR5 mAb 5」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号74)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAAS
GFTFS SYVMSWVRQA PGKGLEWVA
T
ISSGGSYTYY PDSVKGRFTI SRDNAKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCAR
RG
DSMITTDYWG QGTLVTVSS
DR5 mAb 5のCDR
H1(配列番号75):GFTFSSYVMS
DR5 mAb 5のCDR
H2(配列番号76):TISSGGSYTYYPDSVKG
DR5 mAb 5のCDR
H3(配列番号77):RGDSMITTDY
【0121】
f.LBY135‐1(「DR5 mAb 6」)
LBY135‐1(「DR5 mAb 6」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号78)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIAMTQSHKF MSTLVGDRVS ITCKAS
QDVN TAIAWYQQKP GQSPKLLIY
W
ASTRHTGVPD RFYGSGSGTD YTLTISSMEA EDAATYYC
QQ WSSNPLTFGA
GTKLELKRA
DR5 mAb 6のCDR
L1(配列番号79):QDVNTAIA
DR5 mAb 6のCDR
L2(配列番号80):WASTRHT
DR5 mAb 6のCDR
L3(配列番号81):QQWSSNPLT
【0122】
LBY135‐1(「DR5 mAb 6」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号82)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
KVQLQQSGAE LVKPGASVKL SCKAS
GYTFT DYTIHWVKQR SGQGLEWIG
W
FYPGGGYIKY NEKFKDRATL TADKSSNTVY MELSRLTSEG SAVYFCAR
HE
EGIYFDYWGQ GTTLTVSS
DR5 mAb 6のCDR
H1(配列番号83):GYTFTDYTIH
DR5 mAb 6のCDR
H2(配列番号84):WFYPGGGYIKYNEKFKD
DR5 mAb 6のCDR
H3(配列番号85):HEEGIYFDY
【0123】
g.LBY135‐2(「DR5 mAb 7」)
LBY135‐2(「DR5 mAb 7」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号86)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIVMTQSHKF MSTSVGDRVS ITC
KASQDVN TAIAWYQQKP GQSPKLLIY
W
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD YTLTISSVQA EDLALYYC
QQ HYTTPFTFGS
GTKL
DR5 mAb 7のCDR
L1(配列番号87):KASQDVNTAIA
DR5 mAb 7のCDR
L2(配列番号88):WASTRHT
DR5 mAb 7のCDR
L3(配列番号89):QQHYTTPFT
【0124】
LBY135‐2(「DR5 mAb 7」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号90)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
KVQLQQSGAE LVKPGASVKL SCKAS
GYTFT DYTIHWVKQR SGQGLEWIG
W
FYPGGGYIKY NEKFKDRATL TADKSSNTVY MELSRLTSED SAVYFCAR
HE
EGIYFDYWGQ GTTLTVSS
DR5 mAb 7のCDR
H1(配列番号91):GYTFTDYTIH
DR5 mAb 7のCDR
H2(配列番号92):WFYPGGGYIKYNEKFKD
DR5 mAb 7のCDR
H3(配列番号93):HEEGIYFDY
【0125】
h.KMTR2(「DR5 mAb 8」)
KMTR2(「DR5 mAb 8」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号94)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
RASQSVS SYLAWYQQKP GQAPRLLIY
D
ASNRATGIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYC
QQ RSNWPLTFGG
GTKVEIKR
DR5 mAb 8のCDR
L1(配列番号95):RASQSVSSYLA
DR5 mAb 8のCDR
L2(配列番号96):DASNRAT
DR5 mAb 8のCDR
L3(配列番号97):QQRSNWPLT
【0126】
KMTR2(「DR5 mAb 8」)のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号98)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE MKKPGASVKV SCKTS
GYTFT NYKINWVRQA PGQGLEWMG
W
MNPDTDSTGY PQKFQGRVTM TRNTSISTAY MELSSLRSED TAVYYCAR
SY
GSGSYYRDYY YGMDVWGQGT TVTVSS
DR5 mAb 8のCDR
H1(配列番号99):GYTFTNYKIN
DR5 mAb 8のCDR
H2(配列番号100):WMNPDTDSTGYPQKFQG
DR5 mAb 8のCDR
H3(配列番号101):SYGSGSYYRDYYYGMDV
【0127】
5.EphA2結合ドメイン
受容体チロシンキナーゼ、エフリンタイプA受容体2(EphA2)は、本発明の好ましい癌抗原である。EphA2は通常、成体の上皮組織の細胞間接触部位に発現するが、最近の研究により、EphA2が様々なタイプの上皮癌においても、転移性病変において観察される最も高いレベルのEphA2発現で過剰発現することが分かった。高発現レベルのEphA2は、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌及び黒色腫を含む、広範な癌及び多数の腫瘍細胞株において確認されている(Xu, J. et al. (2014) “High Epha2 Protein Expression In Renal Cell Carcinoma Is Associated With A Poor Disease Outcome,” Oncol. Lett. Aug 2014; 8(2): 687‐692; Miao, B. et al. (2014) “EphA2 is a Mediator of Vemurafenib Resistance and a Novel Therapeutic Target in Melanoma,” Cancer Discov. pii: CD‐14‐0295)。EphA2は単なる癌のマーカーとは思われないが、多数のヒト癌において持続的に過剰発現し、機能的に変化するようである(Chen, P. et al. (2014) “Epha2 Enhances The Proliferation And Invasion Ability Of Lncap Prostate Cancer Cells,” Oncol. Lett. 8(1):41‐46)。
【0128】
本発明は特に、癌抗原としてのEphA2の選択、及び本発明の三重特異性結合分子の癌抗原結合ドメインを提供するための抗EphA2抗体の使用について考える。例示的な抗EphA2抗体としては、「EphA2 mAb 1」、「EphA2 mAb 2」及び「EphA2 mAb 3」が挙げられる。
【0129】
a.EphA2 mAb 1
好ましい抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号153)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQTTSS LSASLGDRIT ISC
RASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKLLIY
Y
TSRLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTISNLEQ EDIATYFC
QQ GYTLYTFGGG
TKLEIK
EphA2 mAb 1のCDR
L1(配列番号154):RASQDISNYLN
EphA2 mAb 1のCDR
L2(配列番号155):YTSRLHS
EphA2 mAb 1のCDR
L3(配列番号156):QQGYTLYT
【0130】
EphA2 mAb 1のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号157)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga
cagaatcacc atcagttgc
a gggcaagtca ggacattagc aattatttaa
actggtatca gcagaaacca gatggaactg ttaaactcct gatctac
tac
acatcaagat tacactcagg agtcccatca aggttcagtg gcagtgggtc
tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa gaagatattg
ccacttactt ttgc
caacag ggttatacgc tgtacacgtt cggagggggg
accaagctgg aaataaaa
【0131】
EphA2 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号158)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLKESGPG LVAPSQSLSI TCTVS
GFSLS RYSVHWVRQP PGKGLEWLG
M
IWGGGSTDYN SALKSRLSIS KDNSKSQVFL KMNSLQTDDT AMYYCAR
KHG
NYYTMDYWGQ GTSVTVSS
EphA2 mAb 1のCDR
H1(配列番号159):GFSLSRYSVH
EphA2 mAb 1のCDR
H2(配列番号160):MIWGGGSTDYNSALKS
EphA2 mAb 1のCDR
H3(配列番号161):KHGNYYTMDY
【0132】
EphA2 mAb 1のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号162)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
caggtgcagc tgaaggagtc aggacctggc ctggtggcac cctcacagag
cctgtccatc acatgcactg tctct
gggtt ctcattatcc agatatagtg
tacactgggt tcgccagcct ccaggaaagg gtctggagtg gctggga
atg
atatggggtg gtggaagcac agactataat tcagctctca aatccagact
gagtatcagc aaggacaact ccaagagcca agttttctta aaaatgaaca
gtctgcaaac tgatgacaca gccatgtact actgtgccag a
aaacatggt
aactactata ctatggacta ctggggtcaa ggaacctcag tcaccgtctc
ctcc
【0133】
b.EphA2 mAb 2
第2の好ましい抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号163)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DVVMTQTPLS LPVSLGDQAS ISC
RSSQSLV HSSGNTYLHW YLQKPGQSPK
LLIY
KVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFC
SQSTHVP
TFGSGTKLEI K
EphA2 mAb 2のCDR
L1(配列番号164):RSSQSLVHSSGNTYLH
EphA2 mAb 2のCDR
L2(配列番号165):KVSNRFS
EphA2 mAb 2のCDR
L3(配列番号166):SQSTHVPT
【0134】
EphA2 mAb 2のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号318)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gatgttgtga tgacccaaac tccactctcc ctgcctgtca gtcttggaga
tcaagcctcc atctcttgc
a gatctagtca gagccttgta cacagtagtg
gaaacaccta tttacattgg tacctgcaga agccaggcca gtctccaaag
ctcctgatct ac
aaagtttc caaccgattt tctggggtcc cagacaggtt
cagtggcagt ggatcaggga cagatttcac actcaagatc agcagagtgg
aggctgagga tctgggagtt tatttctgc
t ctcaaagtac acatgttccc
acgttcggct cggggacaaa gttggaaata aaa
【0135】
EphA2 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号167)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QIQLVQSGPE LKKPGETVKI SCKAS
GFTFT NYGMNWVKQA PGKGLKWMG
W
INTYIGEPTY ADDFKGRFVF SLETSASTAY LQINNLKNED MATYFCAR
EL
GPYYFDYWGQ GTTLTVSS
EphA2 mAb 2のCDR
H1(配列番号168):GFTFTNYGMN
EphA2 mAb 2のCDR
H2(配列番号169):WINTYIGEPTYADDFKG
EphA2 mAb 2のCDR
H3(配列番号170):ELGPYYFDY
【0136】
EphA2 mAb 2のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号171)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
cagatccagt tggtgcagtc tggacctgag ctgaagaagc ctggagagac
agtcaagatc tcctgcaagg cttct
gggtt taccttcaca aactatggaa
tgaactgggt gaagcaggct ccaggaaagg gtttaaagtg gatgggc
tgg
ataaacacct atattggaga gccgacatat gctgatgact tcaagggacg
gtttgtcttc tctttggaaa cctctgccag cactgcctat ttgcagatca
acaacctcaa aaatgaggac atggccacat atttctgtgc aaga
gaactg
ggaccatact actttgacta ctggggccaa ggcaccactc tcacagtctc
ctcc
【0137】
c.EphA2 mAb 3
更に好ましい抗ヒト EphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号172)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIVLTQSHRS MSTSVGDRVN ITC
KASQDVT TAVAWYQQKP GQSPKLLIF
W
ASTRHAGVPD RFTGSGSGTD FTLTISSVQA GDLALYYC
QQ HYSTPYTFGG
GTKLEIK
EphA2 mAb 3のCDR
L1(配列番号173):KASQDVTTAVA
EphA2 mAb 3のCDR
L2(配列番号174):WASTRHA
EphA2 mAb 3のCDR
L3(配列番号175):QQHYSTPYT
【0138】
EphA2 mAb 3のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号176)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gacattgtgc tgacccagtc tcacagatcc atgtccacat cagtaggaga
cagggtcaac atcacctgc
a aggccagtca ggatgtgact actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaattact gattttc
tgg
gcatccaccc ggcacgctgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tttactctca ccatcagcag tgtgcaggct ggagacctgg
cactttatta ctgt
caacaa cattatagca caccgtacac attcggaggg
gggaccaagc tggaaataaa a
【0139】
EphA2 mAb 3のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号177)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG SVKPGGSLKL SCAAS
GFTFT DHYMYWVRQT PEKRLEWVA
T
ISDGGSFTSY PDSVKGRFTI SRDIAKNNLY LQMSSLKSED TAMYYCTR
DE
SDRPFPYWGQ GTLVTVSS
EphA2 mAb 3のCDR
H1(配列番号178):GFTFTDHYMY
EphA2 mAb 3のCDR
H2(配列番号179):TISDGGSFTSYPDSVKG
EphA2 mAb 3のCDR
H3(配列番号180):DESDRPFPY
【0140】
EphA2 mAb 3のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号319)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gaagtgcagc tggtggagtc tgggggaggc tcagtgaagc ctggagggtc
cctgaaactc tcctgtgcag cctct
ggatt cactttcact gaccattaca
tgtattgggt tcgccagact ccggaaaaga ggctggagtg ggtcgca
acc
attagtgatg gcggtagttt cacctcctat ccagacagtg tgaaggggcg
attcaccatc tccagagaca ttgccaagaa caacctgtac ctccaaatga
gcagtctgaa gtctgaggac acagccatgt attactgtac aaga
gatgag
agcgataggc cgtttcctta ctggggccaa gggactctgg tcactgtctc
ctcc
【0141】
6.gpA33結合ドメイン
gpA33もまた、本発明の好ましい癌抗原である。結腸直腸癌は、西洋における最も一般的な悪性腫瘍であり、癌による死亡の主要な原因である(Silverberg, E. et al. (1989) “Cancer Statistics, 1989,” CA Cancer J Clin. 39(1):3‐20)。結腸癌に関する潜在的に有用なある標的は、43kD膜貫通糖タンパク質A33(gpA33)であり、これは全ての結腸直腸癌の>95%において発現する(Heath, J.K. et al. (1997) “The Human A33 Antigen Is A Transmembrane Glycoprotein And A Novel Member Of The Immunoglobulin Superfamily,” Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 94(2):469‐474; Ritter, G. et al. (1997) “Characterization Of Posttranslational Modifications Of Human A33 Antigen, A Novel Palmitoylated Surface Glycoprotein Of Human Gastrointestinal Epithelium,” Biochem. Biophys. Res. Commun. 236(3):682‐686; Wong, N.A. et al. (2006) “EpCAM and gpA33 Are Markers Of Barrett's Metaplasia,” J. Clin. Pathol. 59(3):260‐263)。gpA33は初め、ヒト膵癌由来細胞株ASPC1に対するモノクローナルマウス抗体の上昇によって発見された。
【0142】
本発明は特に、癌抗原としてのgpA33の選択、及び本発明の三重特異性結合分子の癌抗原結合ドメインを提供するための抗gpA33抗体の使用について考える。例示的な抗gpA33抗体は「gpA33 mAb 1」である。
【0143】
好ましい抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITC
SARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIY
DT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYC
QQW SSYPLTFGQG
TKLEIK
gpA33 mAb 1のCDR
L1(配列番号182):SARSSISFMY
gpA33 mAb 1のCDR
L2(配列番号183):DTSNLAS
gpA33 mAb 1のCDR
L3(配列番号184):QQWSSYPLT
【0144】
gpA33 mAb 1のVLドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号185)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgc
t ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctac
gacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg c
cagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaag
【0145】
gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKAS
GYTFT GSWMNWVRQA PGQGLEWIG
R
IYPGDGETNY NGKFKDRVTI TADKSTSTAY MELSSLRSED TAVYYCAR
IY
GNNVYFDVWG QGTTVTVSS
gpA33 mAb 1のCDR
H1(配列番号187):GYTFTGSWMN
gpA33 mAb 1のCDR
H2(配列番号188):RIYPGDGETNYNGKFKD
gpA33 mAb 1のCDR
H3(配列番号189):IYGNNVYFDV
【0146】
gpA33 mAb 1のVHドメインは好ましくは、以下に示す配列を有するポリヌクレオチド(配列番号190)によってエンコードされる(CDRをエンコードするポリヌクレオチドは、下線部を付して示す):
caggtccagc tggtccagag cggggccgaa gtcaaaaaac ccggagcaag
cgtgaaggtc tcctgcaaag catca
ggcta tacatttaca ggcagctgga
tgaactgggt gaggcaggct ccaggacagg gactggagtg gatcggg
cgc
atctaccctg gagacggcga aactaactat aatggaaagt tcaaagaccg
agtgaccatc acagccgata agtctactag taccgcctac atggagctga
gctccctgcg gtctgaagat accgccgtct actattgcgc taga
atttac
ggaaacaatg tctattttga cgtgtggggg cagggaacaa ctgtgactgt
ctcctcc
【0147】
7.Her2結合ドメイン
本発明はまた特に、癌抗原としてのHer2の選択、及び本発明の三重特異性結合分子の癌抗原結合ドメインを提供するための抗Her2抗体の使用について考える。例示的な抗Her2抗体としては「Her2 mAb 1」及びトラスツズマブが挙げられる。
【0148】
a.Her2 mAb 1
抗Her2抗体「Her2 mAb 1」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号191)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
RASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
S
ASFLESGVPS RFSGSRSGTD FTLTISSLQP EDFATYYC
QQ HYTTPPTFGQ
GTKVEIKRT
【0149】
抗Her2抗体「Her2 mAb 1」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号192)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGPE LVKPGASLKL SCTAS
GFNIK DTYIHWVKQR PEQGLEWIG
R
IYPTNGYTRY DPKFQDKATI TADTSSNTAY LQVSRLTSED TAVYYCSR
WG
GDGFYAMDYW GQGASVTVSS
【0150】
b.トラスツズマブ
ヒト化抗Her2抗体「トラスツズマブ」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号193)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
RASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
S
ASFLYSGVPS RFSGSRSGTD FTLTISSLQP EDFATYYC
QQ HYTTPPTFGQ
GTKVEIKR
【0151】
ヒト化抗Her2抗体「トラスツズマブ」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号194)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAA
SGFNIK DTYIHWVRQA PGKGLEWVA
R
IYPTNGYTRY ADSVKGRFTI SADTSKNTAY LQMNSLRAED TAVYYCSR
WG
GDGFYAMDYW GQGTLVTVSS
【0152】
8.B7‐H3結合ドメイン
ヒトB7‐H3は、神経芽腫細胞上での発現に加えて、多様な他の癌細胞(例えば胃、卵巣及び非小細胞肺癌)上で発現することも知られている。B7‐H3タンパク質発現は腫瘍細胞株において免疫組織学的に検出されている(Chapoval, A. et al. (2001) “B7‐H3: A Costimulatory Molecule For T Cell Activation and IFN‐γ Production,” Nature Immunol. 2:269-274; Saatian, B. et al. (2004) “Expression Of Genes For B7‐H3 And Other T Cell Ligands By Nasal Epithelial Cells During Differentiation And Activation,” Amer. J. Physiol. Lung Cell. Mol. Physiol. 287:L217-L225; Castriconi et al. (2004) “Identification Of 4Ig‐B7‐H3 As A Neuroblastoma‐Associated Molecule That Exerts A Protective Role From An NK Cell‐Mediated Lysis,” Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 101(34):12640‐12645); Sun, M. et al. (2002) “Characterization of Mouse and Human B7‐H3 Genes,” J. Immunol. 168:6294‐6297)。mRNA発現は、心臓、腎臓、精巣、肺、肝臓、膵臓、前立腺、大腸、骨芽細胞で発見されている(Collins, M. et al. (2005) “The B7 Family Of Immune‐Regulatory Ligands,” Genome Biol. 6:223.1‐223.7)。タンパク質レベルにおいて、B7‐H3はヒト肝臓、肺、膀胱、精巣、前立腺、乳房、胎盤、リンパ器官に見られる(Hofmeyer, K. et al. (2008) “The Contrasting Role Of B7‐H3,” Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 105(30):10277‐10278)。
【0153】
本発明はまた特に、癌抗原としてのB7‐H3の選択、及び本発明の三重特異性結合分子の癌抗原結合ドメインを提供するための抗B7‐H3抗体の使用について考える。例示的な抗B7‐H3抗体としては「B7‐H3 mAb 1」、「B7‐H3 mAb 2」及び「B7‐H3 mAb 3」が挙げられる。
【0154】
a.B7‐H3 mAb 1
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 1」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号195)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIAMTQSQKF MSTSVGDRVS VTC
KASQNVD TNVAWYQQKP GQSPKALIY
S
ASYRYSGVPD RFTGSGSGTD FTLTINNVQS EDLAEYFC
QQ YNNYPFTFGS
GTKLEIK
【0155】
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 1」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号196)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DVQLVESGGG LVQPGGSRKL SCAAS
GFTFS SFGMHWVRQA PEKGLEWVA
Y
ISSDSSAIYY ADTVKGRFTI SRDNPKNTLF LQMTSLRSED TAMYYCGR
GR
ENIYYGSRLD YWGQGTTLTV SS
【0156】
b.B7‐H3 mAb 2
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 2」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号197)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQTTSS LSASLGDRVT ISC
RASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKLLIY
Y
TSRLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTIDNLEQ EDIATYFC
QQ GNTLPPTFGG
GTKLEIK
【0157】
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 2」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号198)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGAE LARPGASVKL SCKAS
GYTFT SYWMQWVKQR PGQGLEWIG
T
IYPGDGDTRY TQKFKGKATL TADKSSSTAY MQLSSLASED SAVYYCAR
RG
IPRLWYFDVW GAGTTVTVSS
【0158】
c.B7‐H3 mAb 3
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 3」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号199)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPAS LSVSVGETVT ITC
RASESIY SYLAWYQQKQ GKSPQLLVY
N
TKTLPEGVPS RFSGSGSGTQ FSLKINSLQP EDFGRYYC
QH HYGTPPWTFG
GGTNLEIK
【0159】
抗B7‐H3抗体「B7‐H3 mAb 3」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号200)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQQVESGGD LVKPGGSLKL SCAAS
GFTFS SYGMSWVRQT PDKRLEWVA
T
INSGGSNTYY PDSLKGRFTI SRDNAKNTLY LQMRSLKSED TAMYYCAR
HD
GGAMDYWGQG TSVTVSS
【0160】
9.EGF受容体結合ドメイン(セツキシマブ)
キメラ抗EGFR抗体「セツキシマブ」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号201)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DILLTQSPVI LSVSPGERVS FSC
RASQSIG TNIHWYQQRT NGSPRLLIK
Y
ASESISGIPS RFSGSGSGTD FTLSINSVES EDIADYYC
QQ NNNWPTTFGA
GTKLELKR
【0161】
キメラ抗EGFR抗体「セツキシマブ」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号202)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLKQSGPG LVQPSQSLSI TCTVS
GFSLT NYGVHWVRQS PGKGLEWLG
V
IWSGGNTDYN TPFTSRLSIN KDNSKSQVFF KMNSLQSNDT AIYYCAR
ALT
YYDYEFAYWG QGTLVTVSA
【0162】
パニツムマブ(例えばベクティビックス(登録商標)、Amgen)は、本発明に従って使用できる、代替的なEGF受容体結合抗体である。
【0163】
10.VEGF結合ドメイン(ベバシツマブ)
ヒト化抗VEGF抗体「ベバシツマブ」のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号203)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
SASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIY
F
TSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYC
QQ YSTVPWTFGQ
GTKVEIKR
【0164】
ヒト化抗VEGF抗体「ベバシツマブ」のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号204)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAAS
GYTFT NYGMNWVRQA PGKGLEWVG
W
INTYTGEPTY AADFKRRFTF SLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCA
KYP
HYYGSSHWYF DVWGQGTLVT VSS
【0165】
11.5T4結合ドメイン
癌胎児性タンパク質5T4は、腎臓癌、結腸癌、前立腺癌、肺癌を含む多くの癌腫の細胞膜上、及び急性リンパ芽球性白血病において発現する、腫瘍関連タンパク質である(Boghaert, E.R. et al. (2008) “The Oncofetal Protein, 5T4, Is A Suitable Target For Antibody‐Guided Anti‐Cancer Chemotherapy With Calicheamicin,” Int. J. Oncol. 32(1):221‐234; Eisen, T. et al. (2014) “Naptumomab Estafenatox: Targeted Immunotherapy with a Novel Immunotoxin,” Curr. Oncol. Rep. 16:370, pp. 1‐6を参照)。例示的な抗5T4抗体(「5T4 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号308)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
RASQGIS NYLAWFQQKP GKAPKSLIY
R
ANRLQSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDVATYYC
LQ YDDFPWTFGQ
GTKLEIK
【0166】
上記例示的な抗5T4抗体の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号309)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKAS
GYTFT SFWMHWVRQA PGQGLEWMG
R
IDPNRGGTEY NEKAKSRVTM TADKSTSTAY MELSSLRSED TAVYYCAG
GN
PYYPMDYWGQ GTTVTVSS
【0167】
第2の例示的な抗5T4抗体(「5T4 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号310)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DVLMTQTPLS LPVSLGDQAS ISC
RSSQSIV YSNGNTYLEW YLQKPGQSPK
LLIY
KVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YYC
FQGSHVP
FTFGSGTKLE IK
【0168】
上記第2の例示的な抗5T4抗体の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号311)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQPGAE LVKPGASVKM SCKAS
GYTFT SYWITWVKQR PGQGLEWIG
D
IYPGSGRANY NEKFKSKATL TVDTSSSTAY MQLSSLTSED SAVYNCAR
YG
PLFTTVVDPN SYAMDYWGQG TSVTVSS
【0169】
12.IL13Rα2結合ドメイン
インターロイキン‐13受容体α2(IL13Rα2)は、グリア芽腫、結腸直腸癌、子宮頸癌、膵臓癌、多発性黒色腫、骨肉腫、白血病、リンパ腫、前立腺癌及び肺癌を含む多様な癌において過剰発現する(国際公開第2008/146911号)、Brown, C.E. et al. (2013) “Glioma IL13Rα2 Is Associated With Mesenchymal Signature Gene Expression And Poor Patient Prognosis,” PLoS One. 18;8(10):e77769; Barderas, R. et al. (2012) “High Expression Of IL‐13 Receptor Α2 In Colorectal Cancer Is Associated With Invasion, Liver Metastasis, And Poor Prognosis,” Cancer Res. 72(11):2780‐2790; Kasaian, M.T. et al. (2011) “IL‐13 Antibodies Influence IL‐13 Clearance In Humans By Modulating Scavenger Activity Of IL‐13Rα2,” J. Immunol. 187(1):561‐569; Bozinov, O. et al. (2010) “Decreasing Expression Of The Interleukin‐13 Receptor IL‐13Ralpha2 In Treated Recurrent Malignant Gliomas,” Neurol. Med. Chir. (Tokyo) 50(8):617‐621; Fujisawa, T. et al. (2009) “A novel role of interleukin‐13 receptor alpha2 in pancreatic cancer invasion and metastasis,” Cancer Res. 69(22):8678‐8685)。IL13Rα2に免疫特異的に結合する抗体は市販されている(Abnova Corporation, Biorbyt, LifeSpan BioSciences, United States Biologicals;国際公開第2008/146911号も参照)。例示的な抗IL13Rα2抗体(「hu08」、国際公開第2014/072888号)の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号
321)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITC
KASQDVG TAVAWYQQKP GKAPKLLIY
S
ASYRSTGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYC
QH HYSAPWTFGG
GTKVEIK
【0170】
上記例示的な抗IL13Rα2抗体(「hu08」、国際公開第2014/072888号)の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号
322)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAAS
GFTFS RNGMSWVRQA PGKGLEWVA
T
VSSGGSYIYY ADSVKGRFTI SRDNAKNSLY LQMNSLRAED TAVYYCAR
QG
TTALATRFFD VWGQGTLVTV SS
【0171】
13.インテグリンベータ6結合ドメイン
インテグリンβ6(ITGB6)は、上皮細胞の表面のみに発現するインテグリンのサブタイプであり、細胞外マトリクス(ECM)タンパク質の受容体である。ITGB6発現は、(結腸癌、前立腺癌、腎臓癌等の)腫瘍組織に特異的に発現する(Liang, B. et al. (2014) “Integrinβ6‐targeted Immunoliposomes Mediate Tumor Specific Drug Delivery and Enhance Therapeutic Efficacy in Colon Carcinoma,” Clin. Cancer Res. Dec 30. pii: clincanres.1194.2014)。ITGB6に免疫特異的に結合するモノクローナル抗体は市販されている(例えば MAB2075Z clone R6G9,EMD Millipore; Weinacker, A. et al. (1994) “Role Of The Integrin Alpha V Beta 6 In Cell Attachment To Fibronectin. Heterologous Expression Of Intact And Secreted Forms Of The Receptor,” J. Biol. Chem. 269:6940‐6948も参照)。抗ITGB6モノクローナル抗体3G9及び8G6並びにその変異体は、国際公開第03/100033号及び国際公開第2007/008712号に開示されている。
【0172】
例示的なヒト化抗ITGB6抗体(抗体3G9由来、国際公開第2007/008712号)の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号312)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
SASSSVS SSYLYWYQQK PGQAPRLLIY
STSNLASGIP ARFSGSGSGT GFTLTISSLE PEDFAVYYC
H QWSTYPPTFG
GGTKVEIK
【0173】
上記例示的なヒト化抗ITGB6抗体(抗体3G9由来、国際公開第2007/008712号)の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号313)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAAS
GFTFS RYWMSWVRQA PGKGLEWVA
S
ISSGGRMYYP FTVKGRFTIS RDNAKNSLYL QMNSLRAEDT AVYYCAR
GSI
YDGYYVFPYW GQGTLVTVSS
【0174】
例示的な抗ITGB6抗体(抗体8G6由来、国際公開第2007/008712号)の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号314)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
RASQSVS TSSYSYMYWY QQKPGQAPRL
LIY
YASNLES GIPARFSGSG SGTDFTLTIS SLEPEDFAVY YC
QHNWEIPF
TFGGGTKVEI K
【0175】
上記例示的な抗ITGB6抗体(抗体8G6由来、国際公開第2007/008712号)の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号315)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKAS
GYTFTDYAMHWVRQAPGQGLEWMG
VISTYY
GNTNYNQKFKGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCAR
GGLRRGDRPSLQ
YAMDYWGQGTLVTVSS
【0176】
14.更なる抗癌抗原結合ドメイン
本発明に従って使用できる更なる抗癌抗原抗体としては、以下の市販の抗体が挙げられる: CD30に結合するブレンツキシマブ(例えばAdcetris(登録商標));CD33に結合するゲムツズマブ(例えばMylotarg(登録商標)、Wyeth);及びCTLA‐4に結合するイピリムマブ(例えばYervoy(登録商標))。
【0177】
C.例示的なエフェクタ細胞結合ドメイン
免疫系エフェクタ細胞に結合できる抗体を用いて、本発明の三重特異性結合分子のエフェクタ細胞結合ドメインを提供できる。特に好適なのは、CD2、CD3、CD16、CD19、CD20、CD22、CD32B、CD64、B細胞受容体(BCR)、T細胞受容体(TCR)及びNKG2D受容体に結合する抗体である。
【0178】
1.CD2結合ドメイン
CD2は、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞の表面上に確認される細胞接着分子である。CD2は、恐らくNK細胞ナノチューブ形成のプロモータとして、NK細胞の細胞毒性を増強させる(Mace, E.M. et al. (2014) “Cell Biological Steps And Checkpoints In Accessing NK Cell Cytotoxicity,” Immunol. Cell. Biol. 92(3):245‐255; Comerci, C.J. et al. (2012) “CD2 Promotes Human Natural Killer Cell Membrane Nanotube Formation,” PLoS One 7(10):e47664:1‐12)。抗CD2抗体(Lo‐CD2a;ATCC受入番号:11423)のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号102)(CDR残基は下線を付して示す):
DVVLTQTPPT LLATIGQSVS ISC
RSSQSLL HSSGNTYLNW LLQRTGQSPQ
PLIY
LVSKLE SGVPNRFSGS GSGTDFTLKI SGVEAEDLGV YYC
MQFTHYP
YTFGAGTKLE LK
【0179】
抗CD2抗体(Lo‐CD2a;ATCC受入番号:11423)のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号103)(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLQQSGPE LQRPGASVKL SCKASGYIFT
EYYMYWVKQR PKQGLELVG
R
IDPEDGSIDY VEKFKKKATL TADTSSNTAY MQLSSLTSED TATYFCAR
GK
FNYRFAYWGQ GTLVTVSS
【0180】
2.CD3結合ドメイン
ある好ましい実施形態では、本発明の三重特異性結合分子が結合する第2のエピトープは、CD3のエピトープである。CD3は、4つの別個の鎖からなるT細胞共受容体である(Wucherpfennig, K.W. et al. (2010) “Structural Biology Of The T‐Cell Receptor: Insights Into Receptor Assembly, Ligand Recognition, And Initiation Of Signaling,” Cold Spring Harb. Perspect. Biol. 2(4):a005140; pages 1‐14)。哺乳類では、上記複合体CD3γ鎖、CD3δ鎖及び2つのCD3ε鎖を含有する。これらの鎖は、T細胞受容体(TCR)として公知である分子と連結して、Tリンパ球の活性化信号を生成する。CD3が存在しない場合、TCRは適切に集合せず、劣化する(Thomas, S. et al. (2010) “Molecular Immunology Lessons From Therapeutic T‐Cell Receptor Gene Transfer,” Immunology 129(2):170-177)。CD3は、全ての成熟T細胞の膜に結合し、実質的に他の細胞タイプには結合しない(Janeway, C.A. et al. (2005) In: Immunobiology: The Immune System In Health And Disease,” 6th ed. Garland Science Publishing, NY, pp. 214‐ 216; Sun, Z. J. et al. (2001) “Mechanisms Contributing To T Cell Receptor Signaling And Assembly Revealed By The Solution Structure Of An Ectodomain Fragment Of The CD3ε:γ Heterodimer,” Cell 105(7):913‐923; Kuhns, M.S. et al. (2006) “Deconstructing The Form And Function Of The TCR/CD3 Complex,” Immunity. 2006 Feb;24(2):133‐139を参照)。
【0181】
以下で議論するように、本発明を説明するために、二重特異性抗ヒトCD3x抗ヒトDR5結合分子を産生した。このような構成のために使用される抗ヒトCD3抗体を、本明細書では「CD3 mAb 2」と称する。CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TC
RSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
G
GTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC
ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG
CD3 mAb 2のCDR
L1(配列番号105):RSSTGAVTTSNYAN
CD3 mAb 2のCDR
L2(配列番号106):GTNKRAP
CD3 mAb 2のCDR
L3(配列番号107):ALWYSNLWV
【0182】
CD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号108)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFTFS
TYAMNWVRQA PGKGLEWVG
R
IRSKYNNYAT YYADSVKDRF TISRDDSKNS LYLQMNSLKT EDTAVYYCVR
HGNFGNSYVS WFAYWGQGTL VTVSS
CD3 mAb 2のCDR
H1(配列番号109):TYAMN
CD3 mAb 2のCDR
H2(配列番号110):RIRSKYNNYATYYADSVK
D
CD3 mAb 2のCDR
H3(配列番号111):HGNFGNSYVSWFAY
【0183】
上記CD3構成のうちのいくつかにおいて、CD3 mAb 2に関して変異型VHドメインを採用した。上記変異型VHドメインは、D65G置換を有し、従って以下に示すアミノ酸配列(配列番号112)を有する(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFTFS
TYAMNWVRQA PGKGLEWVG
R
IRSKYNNYAT YYADSVKGRF TISRDDSKNS LYLQMNSLKT EDTAVYYCVR
HGNFGNSYVS WFAYWGQGTL VTVSS
【0184】
上記置換により、CDR
H2がアミノ酸配列(配列番号113)RIRSKYNNYATYYADSVK
Gを有するようになる。置換された位置(D65G)は二重線を付して示す。
【0185】
ここで使用される第2の抗CD3抗体は、抗体ムロモナブ‐CD3「OKT3」(Xu et al. (2000) “In Vitro Characterization Of Five Humanized OKT3 Effector Function Variant Antibodies,” Cell. Immunol. 200:16‐26); Norman, D.J. (1995) “Mechanisms Of Action And Overview Of OKT3,” Ther. Drug Monit. 17(6):615‐620; Canafax, D.M. et al. (1987) “Monoclonal Antilymphocyte Antibody (OKT3) Treatment Of Acute Renal Allograft Rejection,” Pharmacotherapy 7(4):121‐124; Swinnen, L.J. et al. (1993) “OKT3 Monoclonal Antibodies Induce Interleukin‐6 And Interleukin‐10: A Possible Cause Of Lymphoproliferative Disorders Associated With Transplantation,” Curr. Opin. Nephrol. Hypertens. 2(4):670‐678)である。OKT3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号114)を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QIVLTQSPAI MSASPGEKVT MTC
SASSSVS YMNWYQQKSG TSPKRWIY
DT
SKLASGVPAH FRGSGSGTSY SLTISGMEAE DAATYYC
QQW SSNPFTFGSG
TKLEINR
【0186】
OKT3(配列番号115)のVHドメインのアミノ酸配列を以下に示す(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGAE LARPGASVKM SCKASGYTFT
RYTMHWVKQR PGQGLEWIG
Y
INPSRGYTNY NQKFKDKATL TTDKSSSTAY MQLSSLTSED SAVYYCAR
YY
DDHYCLDYWG QGTTLTVSS
【0187】
3.CD16結合ドメイン
CD16は、FcγRIIIA受容体である。CD16は、好中球、好酸球、ナチュラルキラー(NK)細胞、及び凝集しているがモノマーではないヒトIgGに結合する組織マクロファージによって発現される(Peltz, G.A. et al. (1989) “Human Fc Gamma RIII: Cloning, Expression, And Identification Of The Chromosomal Locus Of Two Fc Receptors For IgG,” Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 86(3):1013‐1017; Bachanova, V. et al. (2014) “NK Cells In Therapy Of Cancer,” Crit. Rev. Oncog. 19(1‐2):133‐141; Miller, J.S. (2013) “Therapeutic Applications: Natural Killer Cells In The Clinic,” Hematology Am. Soc. Hematol. Educ. Program. 2013:247‐253; Youinou, P. et al. (2002) “Pathogenic Effects Of Anti‐Fc Gamma Receptor IIIB (CD16) On Polymorphonuclear Neutrophils In Non‐Organ‐Specific Autoimmune Diseases,” Autoimmun Rev. 1(1‐2):13‐19; Peipp, M. et al. (2002) “Bi‐specific Antibodies Targeting Cancer Cells,” Biochem. Soc. Trans. 30(4):507‐511)。
【0188】
抗CD16抗体3G8の可変軽鎖ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号116)(CDR残基は下線を付して示す):
DTVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISC
KASQSVD FDGDSFMNWY QQKPGQPPKL
LIY
TTSNLES GIPARFSASG SGTDFTLNIH PVEEEDTATY YC
QQSNEDPY
TFGGGTKLEI K
【0189】
抗CD16抗体3G8の可変重鎖ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号117)(CDR残基は下線を付して示す):
QVTLKESGPG ILQPSQTLSL TCSFSGFSLR
TSGMGVGWIR QPSGKGLEWL
A
HIWWDDDKR YNPALKSRLT ISKDTSSNQV FLKIASVDTA DTATYYCAQ
I
NPAWFAYWGQ GTLVTVSA
【0190】
抗CD16抗体A9の可変軽鎖ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号118)(CDR残基は下線を付して示す):
DIQAVVTQES ALTTSPGETV TLTC
RSNTGT VTTSNYANWV QEKPDHLFTG
LIG
HTNNRAP GVPARFSGSL IGDKAALTIT GAQTEDEAIY FC
ALWYNNHW
VFGGGTKLTVL
【0191】
抗CD16抗体A9の可変重鎖ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号119)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGAE LVRPGTSVKI SCKASGYTFT
NYWLGWVKQR PGHGLEWIG
D
IYPGGGYTNY NEKFKGKATV TADTSSRTAY VQVRSLTSED SAVYFCAR
SA
SWYFDVWGAR TTVTVSS
【0192】
4.CD19結合ドメイン
CD19抗原は、免疫グロブリンIgスーパーファミリーに属するI型膜貫通糖タンパク質である。CD19は、濾胞性樹状細胞及びB細胞上で発現する。これは、B細胞発現全体を通して発現するものの、未成熟B細胞に比べて成熟B細胞では3倍高い発現を示す、pan B細胞マーカーと考えられる(Raufi A. et al. (2013) “Targeting CD19 In B‐Cell Lymphoma: Emerging Role Of SAR3419,” Cancer Manag. Res. 5:225‐233)。多くのCD19 抗体が説明されている(例えばMD1342, MEDI‐551等)( Mei, H.E. et al. (2012) “Rationale Of Anti‐CD19 Immunotherapy: An Option To Target Autoreactive Plasma Cells In Autoimmunity,” Arthritis Res. Ther. 14(Suppl 5):S1:1‐16)。抗CD19結合分子「ブリナツモマブ」が、欧州特許第2186527号に開示されている。
【0193】
好ましい抗CD19抗体(HD37)のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号120)(CDR残基は下線を付して示す):
DILITQSPKS MSMSVGERVT LTC
KASENVV TYVSWYQQKP EQSPKLLIY
G
ASNRYTGVPD RFTGSGSATD FTLTISSVQA EDLADYHC
GQ GYSYPYTFGG
GTKLEIKR
【0194】
抗CD19抗体HD37のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号121)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQSGAE LVRPGSSVKI SCKAS
GYAFS SYWMNWVKQR PGQGLEWIG
Q
IWPGDGDTNY NGKFKGKATL TADESSSTAY MQLSSLASED SAVYFCAR
RE
TTTVGRYYYA MDYWGQGTSV TVSS
【0195】
5.CD20結合ドメイン
CD20は、成熟B細胞上及びB細胞非ホジキンリンパ腫において発現するものの、初期B細胞前駆体又は後期成熟形質細胞上では発現しない、B細胞特異性分化抗原である(Maloney, D.G. (2012) “Anti‐CD20 Antibody Therapy for B‐Cell Lymphomas,” N. Engl. J. Med. 366:2008‐2016)。リツキシマブは、例示的な抗ヒトCD20抗体である。キメラ抗CD20抗体(リツキシマブ)のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号122)(CDR残基は下線を付して示す):
QIVLSQSPAI LSASPGEKVT MTC
RASSSVS YIHWFQQKPG SSPKPWIY
AT
SNLASGVPVR FSGSGSGTSY SLTISRVEAE DAATYYC
QQW TSNPPTFGGG
TKLEIKR
【0196】
抗CD20抗体(リツキシマブ)のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号123)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQPGAE LVKPGASVKM SCKAS
GYTFT SYNMHWVKQT PGRGLEWIG
A
IYPGNGDTSY NQKFKGKATL TADKSSSTAY MQLSSLTSED SAVYYCAR
ST
YYGGDWYFNVWGAGTTVTVS A
【0197】
本発明に従って使用できる代替的な抗CD20抗体としては、以下の市販の抗体が挙げられる:イブリツモマブ(例えばZevalin(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals,Inc.);オファツムマブ(例えばArzerra(登録商標)、SmithKlineGlaxo);及びトシツモマブ(例えばBexxar(登録商標)、GlaxoSmithKline)。
【0198】
6.CD22結合ドメイン
CD22は、成熟B細胞の表面において確認され、またある程度の未成熟B細胞においても程度は低いものの確認される、糖結合性膜貫通タンパク質である(国際公開第2011/032633号; Poe, J.C. et al. (2012) “CD22 And Siglec‐G In B Cell Function And Tolerance,” Trends Immunol. 33(8):413‐420; Chen, W.C. et al. (2012) “Targeting B Lymphoma With Nanoparticles Bearing Glycan Ligands Of CD22,” Leuk. Lymphoma 53(2):208‐210; Walker, J.A. (2008) “CD22: An Inhibitory Enigma,” Immunology 123(3):314‐325; Coleman, M. et al. (2003) “Epratuzumab: Targeting B‐Cell Malignancies Through CD22,” Clin. Cancer Res. 9(10 Pt 2):3991S‐3994S)。
【0199】
抗CD22抗体(エプラツズマブ)のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号124)(CDR残基は下線を付して示す):
DIQLTQSPSS LSASVGDRVT MSC
KSSQSVL YSANHKNYLAWYQQKPGKAP
KLLIY
WASTR ESGVPSRFSG SGSGTDFTFT ISSLQPEDIA TYYC
HQYLSS
WTFGGGTKVQ IKR
【0200】
抗CD22抗体(エプラツズマブ)のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号125)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKAS
GYTFT SYWLHWVRQA PGQGLEWIG
Y
INPRNDYTEY NQNFKDKATI TADESTNTAY MELSSLRSED TAFYFCAR
RD
ITTFYWGQGT TVTVSS
【0201】
7.CD32B結合ドメイン
ヒトCD32Bに結合する抗体のVLドメインに関する好ましい配列は、CD32B mAb 1(配列番号126)である(CDR残基は下線を付して示す):
DIQMTQSPSS LLAALGERVS LTC
RASQEIS GYLSWLQQKP DGTIKRLIY
A
ASTLDSGVPK RFSGSESGSD YSLTISSLES EDFADYYC
LQ YFSYPLTFGA
GTKLELK
【0202】
ヒトCD32Bに結合する抗体のVHドメインに関する好ましい配列は、以下の通りである(配列番号127)(CDR残基は下線を付して示す):
EVKLEESGGG LVQPGGSMKL SCEAS
GFTFS DAWMDWVRQS PEKGLEWVA
E
IRNKAKNHAT YYAESVIGRF TISRDDSKSS VYLQMNSLRA EDTGIYYCGA
LGLDYWGQGT TLTVSS
【0203】
8.CD64結合ドメイン
CD64はFcγRI受容体であり、単球/マクロファージ、樹状細胞及び活性化された顆粒球上に発現する。上記発現は、IFN‐γ刺激によって上方制御できる。CD64は、IgG免疫複合体に結合する。CD64は、抗原捕捉、IgG/抗原複合体の食作用、及び抗体依存性細胞傷害性において作用する(国際公開第2006/002438号)。
【0204】
ヒトCD64に結合する抗体のVLドメインに関する好ましい配列は、CD64 mAb 1(配列番号128)である(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
RASQSVS SYLAWYQQKP GQAPRLLIY
D
ASSRATGIPA RFGGSGSGGT DFTLTISSLE PEDFAVYYC
Q LRSNWPPYTF
GQGTKLEIK
【0205】
ヒトCD64に結合する抗体のVHドメインに関する好ましい配列は、以下の通りである(配列番号129)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL SCAASGFIFS
GYGMHWVRQA PGKGLEWVT
V
IWYDGSNKYY ADSVKGRFTI SRDNSKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCAR
DT
GDRFFDYWGQ GTLVTVSS
【0206】
9.BCR/CD79結合ドメイン
BCRは膜免疫グロブリンで構成され、これはCD79のα及びβサブユニット(それぞれ「CD79a」及び「CD79b」)と非共有結合的に連結してBCR複合体を形成する。CD79a及びCD79bは、シグナル伝達に必要な、保存された免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(「ITAM」)を含むシグナル伝達サブユニットである(Dylke, J. et al. (2007) “Role Of The Extracellular And Transmembrane Domain Of Ig‐Alpha/Beta In Assembly Of The B Cell Antigen Receptor (BCR),” Immunol. Lett. 112(1):47‐57; Cambier, J.C. (1995) “New Nomenclature For The Reth Motif (or ARH1/TAM/ARAM/YXXL),” Immunol. Today 16:110)。多価抗原によるBCR複合体の凝集は、CD79a及びCD79b ITAMのトランスリン酸化並びに受容体関連キナーゼの活性化によって開始される(DeFranco, A.L. (1997) “The Complexity Of Signaling Pathways Activated By The BCR,” Curr. Opin. Immunol. 9:296‐308; Kurosaki, T. (1997) “Molecular Mechanisms In B Cell Antigen Receptor Signaling,” Curr. Opin. Immunol. 9:309‐318; Kim, K.M. et al. (1993) “Signalling Function Of The B‐Cell Antigen Receptors,” Immun. Rev. 132:125‐146)。リン酸化されたITAMは、PI
3K、PLC‐γ、及びRas/MAPK経路のメンバーといった更なるエフェクタを補充する。これらのシグナル伝達イベントは、B細胞増殖と、後続のTヘルパー(「T
h」)細胞との相互作用のためにB細胞を準備するために必要な活性化マーカー(MHCII及びCD86等)の発現の増大との両方の要因となる。
【0207】
ヒトB細胞受容体(CD79)に結合する抗体のVLドメインに関する好ましい配列は、CD79 mAb 1(配列番号130)である(CDR残基は下線を付して示す):
DVVMTQTPLT LSVNIGQPAS ISC
KSSQSLL DTDGKTYLNW LLQRPQGSPN
RLIY
LVSKLD SGVPDRFTGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGI YYC
WQGTHFP
LTFGAGTKLE LK
【0208】
ヒトB細胞受容体(CD79)に結合する抗体のVHドメインに関する好ましい配列は、以下の通りである(配列番号131)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLQQPGAE LVRPGASVKL SCKA
SGYTFT SYWMNWVKQR PGQGLEWIG
M
VDPSDSETHY NQMFKDKATL TVDKSSSTAY MQLSSLTSED SAVYYCARAM
GYWGQGTSVT VSS
【0209】
10.T細胞受容体結合ドメイン
代替実施形態では、本発明の三重特異性結合分子が結合する第2のエピトープは、T細胞受容体(TCR)のエピトープである。T細胞受容体は、CD4+又はCD8+T細胞によって自然に発現され、これらの細胞が、抗原提示細胞のクラスI又はクラスIIMHCタンパク質が結合して提示する抗原ペプチドを認識できるようにする。aTCRによるpMHC(ペプチド-MHC)複合体の認識により、サイトカインの産生及び抗原提示細胞の溶解につながる細胞免疫応答の伝播が開始される(例えばArmstrong, K.M. et al. (2008) “Conformational Changes And Flexibility In T‐Cell Receptor Recognition Of Peptide-MHC Complexes,” Biochem. J. 415(Pt 2):183-196; Willemsen, R. (2008) “Selection Of Human Antibody Fragments Directed Against Tumor T‐Cell Epitopes For Adoptive T‐Cell Therapy,” Cytometry A. 73(11):1093‐1099; Beier, K.C. et al. (2007) “Master Switches Of T‐Cell Activation And Differentiation,” Eur. Respir. J. 29:804‐812; Mallone, R. et al. (2005) “Targeting T Lymphocytes For Immune Monitoring And Intervention In Autoimmune Diabetes,” Am. J. Ther. 12(6):534-550を参照)。CD3は、TCRに結合する受容体である(Thomas, S. et al. (2010) “Molecular Immunology Lessons From Therapeutic T‐Cell Receptor Gene Transfer,” Immunology 129(2):170‐177; Guy, C.S. et al. (2009) “Organization Of Proximal Signal Initiation At The TCR:CD3 Complex,” Immunol. Rev. 232(1):7‐21; St. Clair, E.W. (Epub 2009 Oct 12) “Novel Targeted Therapies For Autoimmunity,” Curr. Opin. Immunol. 21(6):648‐657; Baeuerle, P.A. et al. (Epub 2009 Jun 9) “Bi‐specific T‐Cell Engaging Antibodies For Cancer Therapy,” Cancer Res. 69(12):4941‐4944; Smith‐Garvin, J.E. et al. (2009) “T Cell Activation,” Annu. Rev. Immunol. 27:591‐619; Renders, L. et al. (2003) “Engineered CD3 Antibodies For Immunosuppression,” Clin. Exp. Immunol. 133(3):307‐309)。
【0210】
T細胞受容体に特異的に結合する抗体としては、抗TCR抗体BMA031が挙げられる(欧州特許第0403156号; Kurrle, R. et al. (1989) “BMA 031 - A TCR‐Specific Monoclonal Antibody For Clinical Application,” Transplant Proc. 21(1 Pt 1):1017‐1019; Nashan, B. et al. (1987) “Fine Specificity Of A Panel Of Antibodies Against The TCR/CD3 Complex,” Transplant Proc. 19(5):4270‐4272; Shearman, C.W. et al. (1991) “Construction, Expression, And Biologic Activity Of Murine/Human Chimeric Antibodies With Specificity For The Human α/β T Cell,” J. Immunol. 146(3):928‐935; Shearman, C.W. et al. (1991) “Construction, Expression And Characterization of Humanized Antibodies Directed Against The Human α/β T Cell Receptor,” J. Immunol. 147(12):4366‐4373)。
【0211】
抗TCR抗体BMA031のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号132)(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
SATSSVS YMHWYQQKPG KAPKRWIY
DT
SKLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLQPE DFATYYC
QQW SSNPLTFGQG
TKLEIK
【0212】
抗TCR抗体BMA031のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号133)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYKFT
SYVMHWVRQA PGQGLEWIG
Y
INPYNDVTKY NEKFKGRVTI TADKSTSTAY LQMNSLRSED TAVHYCAR
GS
YYDYDGFVYW GQGTLVTVSS
【0213】
11.NKG2D受容体結合ドメイン
代替実施形態では、本発明の三重特異性結合分子が結合する第2のエピトープは、NKG2D受容体のエピトープである。NKG2D受容体は、全てのヒト(及び他の哺乳類)のナチュラルキラー細胞上(Bauer, S. et al. (1999) “Activation Of NK Cells And T Cells By NKG2D, A Receptor For Stress‐Inducible MICA,” Science 285(5428):727‐729; Jamieson, A.M. et al. (2002) “The Role Of The NKG2D ImmunoRreceptor In Immune Cell Activation And Natural Killing,” Immunity 17(1):19‐29)並びに全てのCD8
+T細胞上(Groh, V. et al. (2001) “Costimulation Of CD8αβ T Cells By NKG2D Via Engagement By MIC Induced On Virus‐Infected Cells,” Nat. Immunol. 2(3):255‐260; Jamieson, A.M. et al. (2002) “The Role Of The NKG2D Immunoreceptor In Immune Cell Activation And Natural Killing,” Immunity 17(1):19‐29)で発現する。このような結合リガンド、及び特に正常な細胞上で発現しないものとしては、組織適合性60(H60)分子、レチノイン酸初期誘導性遺伝子‐1(RAE‐1)の産物、及びマウスUL16結合タンパク質様転写物1(MULT1)が挙げられる(Raulet D.H. (2003) “Roles Of The NKG2D Immunoreceptor And Its Ligands,” Nature Rev. Immunol. 3:781‐790; Coudert, J.D. et al. (2005) “Altered NKG2D Function In NK Cells Induced By Chronic Exposure To Altered NKG2D Ligand‐Expressing Tumor Cells,” Blood 106:1711‐1717)。NKG2D受容体に特異的に結合する抗体としては、KYK‐2.0が挙げられる(Kwong, KY et al. (2008) “Generation, Affinity Maturation, And Characterization Of A Human Anti‐Human NKG2D Monoclonal Antibody With Dual Antagonistic And Agonistic Activity,” J. Mol. Biol. 384:1143‐1156; 及びPCT/US09/54911)。
【0214】
抗NKG2D抗体KYK‐1.0のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号134)(CDR残基は下線を付して示す):
QPVLTQPSSV SVAPGETARI PC
GGDDIETK SVHWYQQKPG QAPVLVIY
DD
DDRPSGIPER FFGSNSGNTA TLSISRVEAG DEADYYC
QVW DDNNDEWVFG
GGTQLTVL
【0215】
抗NKG2D抗体KYK‐1.0のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号135)(CDR残基は下線を付して示す):
EVQLVESGGG VVQPGGSLRL SCAASGFTFS
SYGMHWVRQA PGKGLEWVA
F
IRYDGSNKYY ADSVKGRFTI SRDNSKNTKY LQMNSLRAED TAVYYCAK
DR
FGYYLDYWGQ GTLVTVSS
【0216】
抗NKG2D抗体KYK‐2.0のVLドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号136)(CDR残基は下線を付して示す):
QSALTQPASV SGSPGQSITI SC
SGSSSNIG NNAVNWYQQL PGKAPKLLIY
YDDLLPSGVS DRFSGSKSGT SAFLAISGLQ SEDEADYYC
AAWDDSLNGPV
FGGGTKLTVL
【0217】
抗NKG2D抗体KYK‐2.0のVHドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号137)(CDR残基は下線を付して示す):
QVQLVESGGG LVKPGGSLRL SCAASGFTFS
SYGMHWVRQA PGKGLEWVA
F
IRYDGSNKYY ADSVKGRFTI SRDNSKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCAK
DR
GLGDGTYFDYWGQGTTVTVS S
【0218】
D.好ましい本発明の三重特異性結合分子
1.好ましいFcドメイン
2つの重鎖のCH2及びCH3ドメインは、相互作用してFcドメインを形成し、これは細胞Fc受容体(FcγR)によって認識されるドメインである。本明細書において使用される場合、用語「Fcドメイン(Fc domain)」は、IgG重鎖のC末端領域を定義するために使用される。例示的なヒトIgG1のCH2‐CH3ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号1):
|CH2→
APELLGGPS VFLFPPKPKD TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT
231 240 250 260 270 280
←CH2│CH3→
KPREEQYNST YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA K GQPREPQVY
290 300 310 320 330 340
TLPPSREEMT KNQVSLTCLV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD SDGSFFLYSK
350 360 370 380 390 400
←CH3|
LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNHYTQK SLSLSPGK
410 420 430 440
【0219】
本明細書全体を通して、IgG重鎖の番号付与は、Kabat et al.,
Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5
th Ed. Public Health Service, NH1, MD (1991)中のもののようなEUインデックスの番号付与であり、上記文献は参照により、本出願に明示的に援用される。「Kabat中のもののようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の番号付与を表す。免疫グロブリンの成熟重鎖及び軽鎖の可変領域からのアミノ酸は、鎖中のアミノ酸の位置によって表される。Kabatは、抗体に関する多数のアミノ酸配列を記載し、各サブグループに関するアミノ酸コンセンサス配列を識別し、また各アミノ酸に残基番号を割り当てている。Kabatの番号付与スキームは、保存されたアミノ酸を参照して、問題となる抗体を、Kabat中のコンセンサス配列のうちの1つと整列させることによって、Kabatの概要に含まれていない抗体にまで拡張可能である。残基番号を割り当てるための上記方法は、当該技術分野において標準的なものとなっており、キメラ又はヒト化変異体を含む異なる抗体中の同等の位置のアミノ酸を容易に識別する。例えば、ヒト抗体軽鎖の50位のアミノ酸は、マウス抗体軽鎖の50位のアミノ酸と同等の位置を占有する。
【0220】
境界がわずかに変化する場合があるものの、ヒトIgG FcドメインのCH2ドメインは通常、Kabatの番号付与システムに従うと、ヒトIgGのアミノ酸231〜アミノ酸341まで延在する。ヒトIgGのCH3ドメインは通常、Kabatの番号付与システムに従うと、ヒトIgGのアミノ酸342〜447まで延在する。「ヒンジ領域(hinge region)」又は「ヒンジドメイン(hinge domain)」は一般に、ヒトIgG1のGlu216〜Pro230まで伸長するものとして定義される。
【0221】
多型は、抗体定常領域内の多数の異なる位置(例えばKabatに記載されているようなEUインデックスによる番号付与で270位、272位、312位、315位、356位及び358位を含むがこれらに限定されないFc位置)において観察されており、従って、本発明の配列と従来技術の配列との間に僅かな差異が存在し得る。ヒト免疫グロブリンの多型形態は、十分に特性決定されている。現在、18個のGmアロタイプが公知である:G1m(1,2,3,17)又はG1m(a,x,f,z)、G2m(23)又はG2m(n)、G3m(5,6,10,11,13,14,15,16,21,24,26,27,28)又はG3m(b1,c3,b3,b0,b3,b4,s,t,g1,c5,u,v,g5)(Lefranc, et al., The human IgG subclasses: molecular analysis of structure, function and regulation. Pergamon, Oxford, pp. 43‐78 (1990); Lefranc, G. et al., 1979, Hum. Genet.: 50, 199‐211)。特に、本発明の抗体が、いずれの免疫グロブリン遺伝子のいずれのアロタイプ、アイソアロタイプ又はハプロタイプを組み込むことができ、本明細書中で提供される配列のアロタイプ、アイソアロタイプ又はハプロタイプに限定されないと考えられる。
【0222】
活性化信号及び阻害信号は、Fc受容体(FcγR)FcドメインへのFc受容体(FcγR)の結紮に続いて、Fc受容体(FcγR)を通して伝達される。これらの全く異なる機能は、異なる受容体アイソフォーム間の構造的差異に起因する。免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)又は免疫受容体チロシン系阻害モチーフ(ITIM)と呼ばれる細胞質シグナリングドメイン内の2つの別個のドメインは、異なる応答の原因となる。これらの構造に対する異なる細胞質酵素の補充は、FcγR仲介細胞応答の結果を決定づける。ITAM含有FcγR複合体は、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIIAを含み、その一方でITIM含有複合体はFcγRIIBしか含まない。ヒト好中球は、FcγRIIA遺伝子を発現する。免疫複合体又は特異性抗体架橋によるFcγRIIAのクラスタリングは、ITAMを、ITAMリン酸化を促進する受容体関連キナーゼと凝集させる役割を果たす。ITAMリン酸化は、Sykキナーゼのドッキング部位として役立ち、その活性化は、下流基質(例えばPI
3K)の活性化をもたらす。細胞活性化は、炎症促進性メディエータの放出につながる。FcγRIIB遺伝子は、Bリンパ球上で発現し、その細胞外ドメインはFcγRIIAと96%同一であり、またIgG複合体に、区別できない様式で結合する。FcγRIIBの細胞質ドメイン中のITIMの存在は、FcγRの上述の阻害型サブクラスを定義する。最近、この阻害の分子的基礎が確率された。活性化FcγRと共同結紮すると、FcγRIIB中のITIMはリン酸化され、ポリリン酸イノシトール5’‐ホスファターゼ(SHIP)のSH2ドメインを誘引し、これは、ITAM含有FcγR仲介チロシンキナーゼ活性化の結果として放出されたホスホイノシトールを加水分解し、その結果、細胞内Ca
++の流入を防止する。従って、FcγRIIBの架橋は、FcγR結紮に対する活性化応答を弱め、細胞応答性を阻害する。このようにして、B細胞活性化、B細胞増殖及び抗体分泌が中断される。
【0223】
本発明の結合分子のFcドメインは、完全Fcドメイン(例えば完全IgG Fcドメイン)であってよく、又は完全Fcドメインの断片でしかなくてもよい。本発明の二重特異性1価FcダイアボディのFcドメインは、1つ又は複数のFc受容体(例えば1つ又は複数のFcγR)に結合できる能力を有してよく、より好ましくは、上記Fcドメインは、(野生型Fcドメインが示す結合に比べて)FcγRIA(CD64)、FcγRIIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16a)若しくはFcγRIIIB(CD16b)への結合の変化を引き起こし、又は上記Fcドメインの、1つ若しくは複数の阻害性受容体に結合する能力を有意に低減する。よって、本発明のFcドメイン含有ダイアボディのFcドメインは、完全FcドメインのCH2ドメインのうちのある程度若しくは全体及び/若しくはCH3ドメインのうちのある程度若しくは全体を含んでよく、又は(例えば完全FcドメインのCH2若しくはCH3ドメインに対する1つ若しくは複数の挿入及び/若しくは1つ若しくは複数の欠失を含んでよい)変異型CH2及び/若しくは変異型CH3配列を備えてよい。このようなFcドメインは、非Fcポリペプチド部分を備えてよく、又は自然に発生しない完全Fcドメインの部分を備えてよく、又はCH2及び/若しくはCH3ドメインの自然に発生しない配向を備えてよい(例えば2つのCH2ドメイン若しくは2つのCH3ドメイン、若しくはN末端からC末端への方向において、CH3ドメインと、これが連結したCH2ドメイン、等)。
【0224】
変化したエフェクタ機能として表されるFcドメイン修飾には当該技術分野において公知であり、活性化型受容体に対する結合を増大させる修飾(例えばFcγRIIA(CD16A))、及び阻害型受容体に対する結合を低下させる修飾(例えばFcγRIIB(CD32B))が含まれる(例えばStavenhagen, J.B. et al. (2007) “Fc Optimization Of Therapeutic Antibodies Enhances Their Ability To Kill Tumor Cells In Vitro And Controls Tumor Expansion In Vivo Via Low-Affinity Activating Fcgamma Receptors,” Cancer Res. 57(18):8882-8890を参照)。
【0225】
特に、本発明のFcドメイン含有ダイアボディのポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインに関して、(野生型Fcドメイン(配列番号1)が示す結合と比べて)FcγRIA(CD64)、FcγRIIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16a)又はFcγRIIIB(CD16b)への結合が低下した(又は結合を実質的に示さない)ことが好ましい。このような変化した結合を仲介できるFc変異及び突然変異形態については上述されている。ある好ましい実施形態では、このようなダイアボディの第1及び/又は第3のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインは、置換:L234A、L235A、F243L、R292P、Y300L、V305I及びP396Lのうちのいずれの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つを含む。CD32Bに対する結合が低下し、及び/又はCD16Aに対する結合が増大した、ヒトIgG1 Fcドメインの例示的な変異体は、F243L、R292P、Y300L、V305I又はP296L置換を含有する。これらのアミノ酸置換は、いずれの組み合わせでヒトIgG1 Fcドメインに存在してよい。一実施形態では、上記ヒトIgG1 Fcドメイン変異体は、F243L、R292P及びY300L置換を含有する。別の実施形態では、上記ヒトIgG1 Fcドメイン変異体は、F243L、R292P、Y300L、V305I及びP296L置換を含有する。一実施形態では、このようなダイアボディの第1及び/又は第3のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインは、置換:L234A、L235A、N297G、N297Qのうちのいずれの1つ、2つ又は3つを含む。別の実施形態では、ヒトIgG1 Fcドメイン変異体は、N297Q置換、L234A及びL235A置換、又はD265A置換を含有する。というのは、これらの突然変異がFcR結合を消失させるためである。あるいは、(野生型IgGIFcドメイン(配列番号1)が示す結合と比べて)本来的にFcγRIIIA(CD16a)への結合が低下している(若しくは結合を実質的に示さない)、及び/又はエフェクタ機能が低下している(若しくはエフェクタ機能を実質的に示さない)CH2‐CH3ドメインを利用する。ある具体的実施形態では、本発明のFcドメイン含有ダイアボディは、IgG2 Fcドメイン又はIgG4 Fcドメインを備える。IgG4 Fcドメインを利用する場合、本発明はまた、鎖交換の発生を低減するための、非特許文献18に記載されているようなEUインデックスによって番号付与されたS228P等の、安定化突然変異の導入を包含する(Lu et al., (2008) “The Effect Of A Point Mutation On The Stability Of Igg4 As Monitored By Analytical Ultracentrifugation,” J Pharmaceutical Sciences 97:960‐969)当該技術分野で公知の他の安定化突然変異を、IgG4 Fcドメインに導入してもよい(Peters, P et al., (2012) “Engineering an Improved IgG4 Molecule with Reduced Disulfide Bond Heterogeneity and Increased Fab Domain Thermal Stability,” J. Biol. Chem., 287:24525‐24533;;国際公開第2008/145142号)。N297A、L234A、L235A及びD265A置換はエフェクタ機能を消失させるため、エフェクタ機能が望まれる状況においては、これらの置換を採用しないことが好ましい。
【0226】
このようなポリペプチド鎖のCH2及び/又はCH3ドメインは配列が同一である必要はなく、有利には、これら2つのポリペプチド間の複合体化を促進するために修飾される。例えば、CH2又はCH3ドメインにアミノ酸置換(好ましくは「ノブ(knob)」を形成する嵩高な側鎖基、例えばトリプトファンを含むアミノ酸による置換)を導入して、立体障害により、同様に突然変異させたドメインとの相互作用を防止し、上記変化させたドメインを、相補的な又は適応した突然変異(例えばグリシンによる置換)を施されたドメイン、即ち「ホール(hole)」とペアにすることができる。このような一連の突然変異は、三重特異性結合分子のポリペプチドのうちのいずれの2つに施すことができる。ホモ二量体化を抑えてヘテロ二量体化を促進するためのタンパク質加工の方法は、特に免疫グロブリン様分子の加工に関して当該技術分野で公知であり、本明細書に包含される(例えばRidgway et al. (1996) “‘Knobs-Into-Holes’ Engineering Of Antibody CH3 Domains For Heavy Chain Heterodimerization,” Protein Engr. 9:617-621; Atwell et al. (1997) “Stable Heterodimers From Remodeling The Domain Interface Of A Homodimer Using A Phage Display Library,” J. Mol. Biol. 270: 26-35;及びXie et al. (2005) “A New Format Of Bispecific Antibody: Highly Efficient Heterodimerization, Expression And Tumor Cell Lysis,” J. Immunol. Methods 296:95-101を参照(これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に援用される))。好ましくは、「ノブ」は第1のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメイン内に加工され、「ホール」は他のCH2‐CH3含有ポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインに加工される。このようにして、「ノブ」は、第1のポリペプチド鎖がそのCH2及び/又はCH3ドメインによってホモ二量体化するのを防止する役に立つ。CH2‐CH3「ホール担持」ポリペプチド鎖は、CH2‐CH3「ノブ担持」ポリペプチド鎖とヘテロ二量体化し、またそれ自体とホモ二量体化する。好ましいノブは、天然IgG Fcドメインを修飾して修飾基T366Wを含有させることによって生成される。好ましいホールは、天然IgG Fcドメインを修飾して修飾基T366S、L368A及びY407Vを含有させることによって生成される。最終的な三重特異性結合分子から「ホール担持」ポリペプチド鎖ホモ二量体を精製するのを補助するために、「ホール担持」FcドメインのCH2及びCH3ドメインのタンパク質A結合部位を、435位におけるアミノ酸置換(H435R)によって突然変異させることが好ましい。従って「ホール担持」Fcドメインホモ二量体はタンパク質Aに結合せず、その一方で、所望の三重特異性結合分子は、第1のポリペプチド鎖上のタンパク質A結合部位を介してタンパク質Aに結合する能力を有したままとなる。
【0227】
本発明のFcドメイン含有ダイアボディの第1のポリペプチド鎖のCH2及びCH3ドメインに関する好ましい配列は、「ノブ担持」配列(配列番号52):
APE
AAGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD
GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA
PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSL
WC
LVK GFYPSDIAVE
WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE
ALHN
HYTQKS LSLSPGK
を有する。
【0228】
2つのポリペプチド鎖を有する本発明のFcドメイン含有ダイアボディの第2のポリペプチド鎖(又は3つのポリペプチド鎖を有するFcドメイン含有ダイアボディの第3のポリペプチド鎖)のCH2及びCH3ドメインに関する好ましい配列は、「ホール担持」配列(配列番号53):
APE
AAGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD
GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA
PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSL
SC
AVK GFYPSDIAVE
WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFL
VSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE
ALHN
RYTQKS LSLSPGK
を有する。
【0229】
上述のように、配列番号52及び配列番号53のCH2‐CH3ドメインは、アラニンによる234位の置換及びアラニンによる235位の置換を含み、従って、(野生型Fcドメイン(配列番号1)が示す結合と比べて)FcγRIA(CD64)、FcγRIIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16a)又はFcγRIIIB(CD16b)への結合が低下した(又は結合を実質的に示さない)Fcドメインを形成する。
【0230】
第1のポリペプチド鎖が、配列番号52のもの等の「ノブ担持」CH2‐CH3配列を有することが好ましい。しかしながら、理解されるように、第1のポリペプチド鎖中に「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(例えば配列番号53)を採用でき、この場合「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(例えば配列番号52)は、2つのポリペプチド鎖を有する本発明のFcドメイン含有ダイアボディの第2のポリペプチド鎖(又は3つのポリペプチド鎖を有するFcドメイン含有ダイアボディの第3のポリペプチド鎖)中に採用される。
【0231】
1.好ましい第1のポリペプチド鎖
本発明の好ましい結合分子の第1のポリペプチド鎖は、エピトープIに結合できる可変軽鎖ドメイン(VL
I)、エピトープIIに結合できる可変重鎖ドメイン(VH
II)、ヘテロ二量体促進ドメイン及びCH2‐CH3ドメインを備える。
【0232】
第1のポリペプチドの可変軽鎖及び可変重鎖ドメインは、異なるエピトープに向かって配向されているため、これらは、エピトープI又はエピトープIIに結合できる結合ドメインを形成するために一体に連結できない。第1のポリペプチドの可変軽鎖及び可変重鎖ドメインは、これらのドメインの連結を実質的に防止するために、十分に短い介在リンカーペプチドによって互いから分離されている。「リンカー1」と呼ばれる例示的なリンカーは、配列(配列番号33):GGGSGGGGを有する。
【0233】
第1のポリペプチドの可変重鎖ドメイン、及び上記ポリペプチドのヘテロ二量体促進ドメインは好ましくは、1、2、3、又は4つ以上のシステイン残基を含有する介在リンカーペプチドによって、互いから分離されている。好ましいシステイン含有スペーサペプチド(「リンカー2」)は、配列番号34:GGCGGGの配列を有する。
【0234】
CH2‐CH3ドメインを本発明の分子のポリペプチド鎖に連結するために採用できるリンカーとしては:ASTKG(配列番号47)、DKTHTCPPCP(配列番号48)、LEPKSS(配列番号49)及びAPSSSPME(配列番号50)、APSSS(配列番号152)並びにGGG又はGCGが挙げられる。クローニングを容易にするために、GGG又はGCGの代わりに配列番号49を用いてよい。更に、代替的なリンカー(LEPKSSDKTHTCPPCP;配列番号51)を形成するために、配列番号49の直後に配列番号47を続けてよい。
【0235】
第1のポリペプチドのヘテロ二量体促進ドメイン及び第2のポリペプチドのヘテロ二量体促進ドメインは、協調的に選択される。これらのドメインは互いに異なっており、第1及び第2のポリペプチド鎖の連結を促進するために互いに連結するよう設計される。例えば上記ヘテロ二量体促進ドメインのうちの一方は、pH7において負電荷を有するように加工され、その一方で上記2つのポリペプチド鎖のうちのもう一方は、pH7において正電荷を有するように加工される。このような荷電ドメインの存在は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間の連結を促進し、従ってヘテロ二量体化を促進する。第1及び第2のポリペプチド鎖に対して採用されるドメインが、これらの鎖の間のヘテロ二量体を促進できるように異なっている限り、どの鎖にどのヘテロ二量体促進ドメインが提供されるかは重要ではない。
【0236】
ヘテロ二量体促進ドメインは、IgG CL及びCH1ドメインであってよく、又はヒトIgGのヒンジドメインに由来するアミノ酸配列GVEPKSC(配列番号35)若しくはVEPKSC(配列番号36)であってよく、またCLドメインの代わりに、ヒトカッパ軽鎖のC末端6アミノ酸、GFNRGEC(配列番号37)又はFNRGEC(配列番号38)を採用してよい。
【0237】
しかしながらより好ましくは、上述のようなダイアボディのヘテロ二量体促進ドメインは、少なくとも6つ、少なくとも7つ又は少なくとも8つの帯電アミノ酸残基を含む、反対の極の1つ、2つ、3つ又は4つのタンデム反復コイルドメインから形成される(Apostolovic, B. et al. (2008) “pH‐Sensitivity of the E3/K3 Heterodimeric Coiled Coil,” Biomacromolecules 9:3173-3180; Arndt, K.M. et al. (2001) “Helix‐stabilized Fv (hsFv) Antibody Fragments: Substituting the Constant Domains of a Fab Fragment for a Heterodimeric Coiled‐coil Domain,” J. Molec. Biol. 312:221‐228; Arndt, K.M. et al. (2002) “Comparison of In Vivo Selection and Rational Design of Heterodimeric Coiled Coils,” Structure 10:1235‐1248; Boucher, C. et al. (2010) “Protein Detection By Western Blot Via Coiled-Coil Interactions,” Analytical Biochemistry 399:138‐140; Cachia, P.J. et al. (2004) “Synthetic Peptide Vaccine Development: Measurement Of Polyclonal Antibody Affinity And Cross‐Reactivity Using A New Peptide Capture And Release System For Surface Plasmon Resonance Spectroscopy,” J. Mol. Recognit. 17:540‐557; De Crescenzo, G.D. et al. (2003) “Real‐Time Monitoring of the Interactions of Two‐Stranded de novo Designed Coiled‐Coils: Effect of Chain Length on the Kinetic and Thermodynamic Constants of Binding,” Biochemistry 42:1754‐1763; Fernandez‐Rodriquez, J. et al. (2012) “Induced Heterodimerization And Purification Of Two Target Proteins By A Synthetic Coiled‐Coil Tag,” Protein Science 21:511‐519; Ghosh, T.S. et al. (2009) “End‐To‐End And End‐To‐Middle Interhelical Interactions: New Classes Of Interacting Helix Pairs In Protein Structures,” Acta Crystallographica D65:1032‐1041; Grigoryan, G. et al. (2008) “Structural Specificity In Coiled‐Coil Interactions,” Curr. Opin. Struc. Biol. 18:477‐483; Litowski, J.R. et al. (2002) “Designing Heterodimeric Two‐Stranded α‐Helical Coiled‐Coils: The Effects Of Hydrophobicity And α‐Helical Propensity On Protein Folding, Stability, And Specificity,” J. Biol. Chem. 277:37272‐37279; Steinkruger, J.D. et al. (2012) “The d′‐‐d‐‐d′ Vertical Triad is Less Discriminating Than the a′‐‐a‐‐a′ Vertical Triad in the Antiparallel Coiled‐coil Dimer Motif,” J. Amer. Chem. Soc. 134(5): 2626-2633; Straussman, R. et al. (2007) “Kinking the Coiled Coil - Negatively Charged Residues at the Coiled‐coil Interface,” J. Molec. Biol. 366:1232‐1242; Tripet, B. et al. (2002) “Kinetic Analysis of the Interactions between Troponin C and the C‐terminal Troponin I Regulatory Region and Validation of a New Peptide Delivery/Capture System used for Surface Plasmon Resonance,” J. Molec. Biol. 323:345-362; Woolfson, D.N. (2005) “The Design Of Coiled‐Coil Structures And Assemblies,” Adv. Prot. Chem. 70:79‐112; Zeng, Y. et al. (2008) “A Ligand‐Pseudoreceptor System Based On de novo Designed Peptides For The Generation Of Adenoviral Vectors With Altered Tropism,” J. Gene Med. 10:355‐367)。
【0238】
このような反復コイルドメインは、完全な反復であってよく、又は置換を有してよい。例えば、第1のポリペプチド鎖のヘテロ二量体促進ドメインは、8つの負帯電アミノ酸残基のシーケンスを含んでよく、第2のポリペプチド鎖のヘテロ二量体促進ドメインは、8つの負帯電アミノ酸残基のシーケンスを含んでよい。反対の極のコイルを他方のポリペプチド鎖に対して使用する場合、第1又は第2のポリペプチド鎖にどのコイルを設けるかは重要ではない。正帯電アミノ酸は、リジン、アルギニン、ヒスチジン等であってよく、及び/又は負帯電アミノ酸は、グルタミン酸、アスパラギン酸等であってよい。正帯電アミノ酸は好ましくはリジンであり、及び/又は負帯電アミノ酸は好ましくはグルタミン酸である。(このようなドメインはホモ二量体化を阻害し、これによってヘテロ二量体化を促進するため)単一のヘテロ二量体促進ドメインしか採用できないが、本発明のダイアボディの第1及び第2のポリペプチド鎖両方が、ヘテロ二量体促進ドメインを含有することが好ましい。
【0239】
ある好ましい実施形態では、ヘテロ二量体促進ドメインのうちの一方は、4つのタンデム「Eコイル」螺旋形ドメイン(配列番号39:
EVAAL
EK‐
EVAAL
EK‐
EVAAL
EK‐
EVAAL
EK)を備え、そのグルタミン酸残基はpH7において負電荷を形成し、その一方で、ヘテロ二量体促進ドメインのうちのもう一方は、4つのタンデム「Kコイル」ドメイン(配列番号40:
KVAAL
KE‐
KVAAL
KE‐
KVAAL
KE‐
KVAAL
KE)を備え、そのリジン残基はpH7において正電荷を形成する。このような帯電ドメインの存在は、第1及び第2のポリペプチド間の連結を促進し、ヘテロ二量体化を助長する。特に好ましいのは、配列番号39の4つのタンデム「Eコイル」螺旋形ドメインのうちの1つが、システイン残基
EVAA
CEK‐
EVAAL
EK‐
EVAAL
EK‐
EVAAL
EK(配列番号41)を含有するように修飾された、ヘテロ二量体促進ドメインである。同様に、特に好ましいのは、配列番号40の4つのタンデム「Kコイル」螺旋形ドメインのうちの1つが、システイン残基
KVAA
CKE‐
KVAAL
KE‐
KVAAL
KE‐
KVAAL
KE(配列番号42)を含有するように修飾された、ヘテロ二量体促進ドメインである。
【0240】
国際公開第2012/018687号に開示されているように、ダイアボディのインビボ薬物動態特性を改善するために、ダイアボディを、ダイアボディの末端のうちの1つ又は複数に血清結合タンパク質のポリペプチド部分を含有するように修飾してよい。最も好ましくは、このような血清結合タンパク質のポリペプチド部分は、ダイアボディのC末端に配置されることになる。アルブミンは、血漿中に最も豊富なタンパク質であり、ヒトにおいて19日の半減期を有する。アルブミンは複数の小さな分子結合部位を有し、これによりアルブミンは他のタンパク質に非共有結合して血清半減期を延長できる。連鎖球菌株G148のタンパク質Gのアルブミン結合ドメイン3(ABD3)は、安定した3重螺旋束を形成する46個のアミノ酸残基からなり、広範なアルブミン結合特異性を有する(Johansson, M.U. et al. (2002) “Structure, Specificity, And Mode Of Interaction For Bacterial Albumin-Binding Modules,” J. Biol. Chem. 277(10):8114‐8120)。従って、ダイアボディのインビボ薬物動態特性を改善するための、血清結合タンパク質の特に好ましいポリペプチド部分は、連鎖球菌タンパク質Gからのアルブミン結合ドメイン(ABD)、及びより好ましくは、連鎖球菌株G148のタンパク質Gのアルブミン結合ドメイン3(ABD3)(配列番号43):LAEAKVLANR ELDKYGVSDY YKNLIDNAKS AEGVKALIDE ILAALPである。
【0241】
国際公開第2012/162068号(参照により本出願に援用される)に開示されているように、配列番号43の「脱免疫化(deimmunized)」変異体は、MHCクラスII結合を減衰させる又は除去する能力を有する。組み合わせ突然変異の結果に基づき、以下の置換の組み合わせが、上述のような脱免疫化アルブミン‐結合ドメインを形成するための好ましい置換であると考えられる:66S/70S+71A;66S/70S+79A;64A/65A/71A+66S;64A/65A/71A+66D;64A/65A/71A+66E;64A/65A/79A+66S;64A/65A/79A+66D;64A/65A/79A+66E。修飾L64A、I65A及びD79A又は修飾N66S、T70S及びD79Aを有する変異型ABD。アミノ酸配列:
LAEAKVLANR ELDKYGVSDY YKN
A64A65NNAKT VEGVKALI
A79E ILAALP(配列番号44)、
又はアミノ酸配列:
LAEAKVLANR ELDKYGVSDY YKNLI
S66NAK
S70 VEGVKALI
A79E ILAALP(配列番号45)
を有する変異型脱免疫化ABDは、上述のような脱免疫化アルブミン‐結合ドメインが、MHCクラスII結合の減衰を提供しながら、実質的に野生型の結合を呈するため、特に好ましい。従って、アルブミン結合ドメインを有する上述のようなダイアボディの第1のポリペプチド鎖は、好ましくは上記ポリペプチド鎖のEコイル(又はKコイル)ドメインのC末端に位置決めされることによって、上記Eコイル(又はKコイル)ドメインと上記アルブミン結合ドメイン(これは好ましくは脱免疫化アルブミン結合ドメインである)との間に介在する、第3のリンカー(リンカー3)を含有する。上記リンカー3に関して好ましい配列は、配列番号46:GGGSである。
【0242】
従って要約すると、本発明の好ましい三重特異性結合分子の好ましい第1のポリペプチド鎖は、以下のドメイン及びリンカーを備える:(VL
Iドメイン)‐(リンカー1)‐(VH
IIドメイン)‐(リンカー2)‐(Eコイルヘテロ二量体促進ドメイン)‐(リンカー3)‐(ノブ担持CH2‐CH3ドメイン)。
【0243】
3.代替的な第1のポリペプチド鎖
一実施形態では、上述のドメインの配向は、N末端からC末端への方向である。しかしながら本発明はその変形例も考察し、ここでは第1のポリペプチド鎖のドメインの配向は:NH
2‐(ノブ担持CH3‐CH2ドメイン)‐(VL
Iドメイン)‐(リンカー1)‐(VH
IIドメイン)‐(リンカー2)‐(Eコイルヘテロ二量体促進ドメイン)となる。好ましくは、上記CH2‐CH3ドメインへのN末端にシステイン含有ドメインが存在する。例示的なペプチドの配列は(配列番号48):DKTHTCPPCPである。この実施形態において好ましくは、CH3ドメインは、アミノ酸配列(配列番号152):APSSS、及びより好ましくはアミノ酸配列(配列番号50)APSSSPMEを有するもの等の介在ペプチドリンカー(リンカー4)によって、VL
Iドメインから分離されている。
【0244】
4.好ましい第2のポリペプチド鎖
上述のような好ましい三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖は、N末端からC末端への方向に、エピトープIIに結合できる可変軽鎖ドメイン(VL
II)、エピトープIに結合できる可変重鎖ドメイン(VH
I)、及びヘテロ二量体促進ドメインを備える。
【0245】
第2のポリペプチドの可変軽鎖及び可変重鎖ドメインは、異なるエピトープに向かって配向されているため、これらは、エピトープI又はエピトープIIに結合できる結合ドメインを形成するために一体に連結できない。第2のポリペプチドの可変軽鎖及び可変重鎖ドメインは、これらのドメインの連結を実質的に防止するために、十分に短い介在リンカーペプチドによって互いから分離されている。配列(配列番号33):GGGSGGGGを有する「リンカー1」が、この目的のための例示的なリンカーである。
【0246】
第1のポリペプチド鎖の場合と同様に、第2のポリペプチドの可変重鎖ドメイン、及び上記ポリペプチドのヘテロ二量体促進ドメインは好ましくは、1、2、3、又は4つ以上のシステイン残基を含有する介在リンカーペプチドによって、互いから分離されている。(「リンカー2」)は、配列番号34:GGCGGGを有する「リンカー2」が、この目的のための例示的なリンカーである。このようなシステイン残基は、第1のポリペプチドの重鎖ドメインと、上記ポリペプチドのヘテロ二量体促進ドメインとを分離する、システイン含有スペーサペプチド中のシステイン残基と、ジスルフィド結合を形成できる。従って、本発明の結合分子の第1及び第2のポリペプチドは、互いに対して共有結合する。
【0247】
上述のように、第2のポリペプチド鎖のヘテロ二量体促進ドメインは、第1のポリペプチド鎖のヘテロ二量体促進ドメインと協調するように選択される。従って好ましい実施形態では、第1のポリペプチド鎖のヘテロ二量体促進ドメインは「Kコイル」ドメイン(配列番号40)又は「Eコイル」ドメイン(配列番号39)である。第1のポリペプチド鎖においてシステイン含有Eコイル(配列番号41)が採用される場合、好ましくは第2のポリペプチド鎖においてシステイン含有Kコイル(配列番号42)が採用される。反対に、第1のポリペプチド鎖においてシステイン含有Kコイル(配列番号42)が採用される場合、好ましくは第2のポリペプチド鎖においてシステイン含有Eコイル(配列番号41)が採用される。第1のポリペプチド鎖は好ましくは「Eコイル」ドメインを有するため、第2のポリペプチド鎖は好ましくは「Kコイル」ドメインを含有する。
【0248】
第1及び第2のポリペプチド鎖はダイアボディのポリペプチド鎖であるため、これらは一体に連結して、エピトープIを認識してこれに免疫特異的に結合するドメインI結合ドメイン(VL
A/VH
A)、及びエピトープIIを認識してこれに免疫特異的に結合するドメインII結合ドメイン(VL
B/VH
B)を形成できる。
【0249】
従って要約すると、本発明の好ましい結合分子の好ましい第2のポリペプチド鎖は、以下のドメイン及びリンカーを備える:(VL
IIドメイン)‐(リンカー1)‐(VH
Iドメイン)‐(リンカー2)‐(Kコイルヘテロ二量体促進ドメイン)。
【0250】
5.好ましい第3のポリペプチド鎖
本発明の好ましい結合分子の第3のポリペプチド鎖は、N末端からC末端への方向に、結合ドメイン、任意のCH1‐ヒンジドメイン、及びCH2‐CH3ドメインを備えるポリペプチドである。本発明の好ましい結合分子の第3のポリペプチド鎖の結合ドメインは、エピトープIIIに結合できる可変重鎖ドメイン(VH
III)であってよく、この場合、(以下において議論される)本発明の好ましい結合分子の第4のポリペプチド鎖は、エピトープIIIに結合できる可変軽鎖ドメイン(VL
III)を備えるポリペプチドであり、これにより上記結合ドメインが、エピトープIIIを有する抗原に免疫特異的に結合できる。あるいは、本発明の好ましい結合分子の第3のポリペプチド鎖の結合ドメインは、エフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインを備えてよく、この場合、(以下において議論される)本発明の好ましい結合分子の第4のポリペプチド鎖は、相補的なT細胞受容体タイプ結合ドメインを備えるポリペプチドであり、これにより、2つのポリペプチド鎖の相互作用が、エフェクタ細胞の表面上に存在する分子に生理学的に特異的に結合できる結合ドメインを形成する。第3のポリペプチド鎖は、自然に発生する抗体から単離できる。あるいは第3のポリペプチド鎖は、組み換えによって構成してよい。例示的なCH1ドメインは、アミノ酸配列(配列番号207):
ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV
HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKKV
を有するヒトIgG1 CH1ドメインである。
【0251】
配列番号207のヒトIgG1 CH1ドメインの変異体は、以下の通りである(配列番号208):
ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV
HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKRV
【0252】
例示的なヒンジドメインは、アミノ酸配列(配列番号209):EPKSCDKTHTCPPCPを有するヒトIgG1ヒンジドメインである。認識されるように、上記例示的なヒンジドメインは、鎖間共有結合に関与し得る複数のシステイン残基を備える(Elkabetz et al. (2005) “Cysteines In CHI Underlie Retention Of Unassembled Ig Heavy Chains,”J. Biol. Chem. 280: 14402-14412)。
【0253】
野生型CH2‐CH3ドメインを採用してよいが、上述のように、第1のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインとのヘテロ二量体化を促進する修飾されたCH2‐CH3ドメインを採用することが好ましい。
【0254】
従って好ましくは、第3のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインは、第1のポリペプチドにおいて採用される「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)に対してアミノ酸配列が相補的である「ホール担持」CH2‐CH3ドメインである。上述のように、「ホール担持」CH2‐CH3ドメインは好ましくは、タンパク質A結合部位を除去するための、位置435(H435R)における置換を含むべきである。第3のポリペプチドに関するH435R置換を有する「ホール担持」CH2‐CH3ドメインは、配列番号53である。
【0255】
認識されるように、「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(例えば配列番号52)を第3のポリペプチド鎖において採用してよく、この場合、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(例えば配列番号53)が、第1のポリペプチド鎖において採用されることになる。
【0256】
本発明の好ましい三重特異性結合分子の第3(及び第4)のポリペプチド鎖がそれぞれ、エフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインのポリペプチド鎖を備える実施形態では、このようなエフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインを産生するための方法は公知である(例えば米国公開特許第2012/0294874A1号)。
【0257】
従って要約すると、本発明の好ましい結合分子の第3のポリペプチド鎖は、以下のドメイン及びリンカーを備える:(VH
IIIドメイン)‐(任意のヒンジドメイン)‐(「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン)、又は(T細胞受容体タイプ結合ドメイン;その第1又は第2のポリペプチド)‐(任意のヒンジドメイン)‐(「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン)。
【0258】
6.好ましい第4のポリペプチド鎖
本発明の好ましい三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖は、エフェクタ細胞受容体タイプ結合ドメインのポリペプチド(ここで第3及び第4のポリペプチドは、エフェクタ細胞の表面上に見られる受容体のためのリガンドを形成する)、又はより好ましくは、エピトープIIIに免疫特異的に結合する、若しくは第3のポリペプチド鎖の結合ドメインに対して相補的な、上述の抗体の軽鎖である。
【0259】
従って、第3及び第4のポリペプチドがFabタイプ結合ドメインを形成する場合、このような第4のポリペプチド鎖は、N末端からC末端への方向に、エピトープIIIに結合できる可変軽鎖ドメイン(VL
III)、並びに第3のポリペプチド鎖との共有結合を促進するためのドメイン、又は結合ドメイン、及び第3のポリペプチド鎖との共有結合を促進するための上述のようなドメインを備える。このようなドメインは、CLドメイン、又は(配列番号38)FNRGECといったそのシステイン含有部分、又は((配列番号34)GGCGGGを有する)リンカー2等のリンカーであってよい。このようなリンカー2とジスルフィド結合を形成する例示的なシステイン含有ペプチドは、アミノ酸配列VEPKSC(配列番号36)又はヒンジドメインを備える。
【0260】
第4のポリペプチド鎖は、自然に発生する抗体から単離できる。あるいは第3のポリペプチド鎖は、組み換えによって構成してよい。好ましいCLドメインは、アミノ酸配列(配列番号210):
RTVAAPSVFI FPPSDEQLKS GTASVVCLLN NFYPREAKVQ WKVDNALQSG
NSQESVTEQD SKDSTYSLSS TLTLSKADYE KHKVYACEVT HQGLSSPVTK
SFNRGEC
を有するヒトIgG1 CLカッパドメインである。
【0261】
あるいは、例示的なCLドメインは、アミノ酸配列(配列番号211):
QPKAAPSVTL FPPSSEELQA NKATLVCLIS DFYPGAVTVA WKADSSPVKA
GVETTPSKQS NNKYAASSYL SLTPEQWKSH RSYSCQVTHE GSTVEKTVAP
TECS
を有するヒトIgG1 CLラムダ2ドメインである。
【0262】
理解されるように、第4のポリペプチド鎖のCLドメイン又は他のシステイン含有ドメインは、システイン残基を備える。上記システイン残基は、第3のポリペプチド鎖のCH1含有ドメインと共有結合でき、それによって本発明の結合分子の第3及び第4のポリペプチド鎖を互いに対して共有結合的に複合体化できる。よって第3及び第4のポリペプチド鎖は、互いに対して共有結合する。
【0263】
更に、第1のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインのシステイン残基は、第3のポリペプチド鎖のCH2‐CH3ドメインのシステイン残基とジスルフィド結合を形成できる。よって第1及び第3のポリペプチド鎖は、互いに対して共有結合する。
【0264】
従来の免疫機能では、抗体‐抗原複合体と免疫系の細胞との相互作用は、抗体依存性細胞毒性、肥満細胞脱顆粒及び食作用等のエフェクタ機能から、リンパ球増殖及び抗体分泌を制御するもの等の免疫調節性信号にまで及ぶ、広範な応答をもたらす。これらの相互作用は全て、抗体又は免疫複合体のFcドメインの、造血細胞上の特殊化された細胞表面受容体への結合によって開始される。抗体及び免疫複合体によってトリガされる細胞応答の多様性は、3つのFc受容体:FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)の構造不均質性によって得られる。FcγRI(CD64)、FcγRIIA(CD32A)及びFcγRIII(CD16)は活性化(即ち免疫系増強)受容体であり;FcγRIIB(CD32B)は阻害性(即ち免疫系減衰)受容体である。例示的なIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号1)は既上に提示されている。
【0265】
Fcドメインの修飾は通常、表現型の変化、例えば血清半減期の変化、安定性の変化、細胞酵素に対する感受性の変化又はエフェクタ機能の変化につながる。本発明の抗体をエフェクタ機能に関して修飾して、例えば癌の治療における抗体の有効性を増強することが望ましい場合がある。例えば、作用機序が、標的抗原を担持する細胞の殺滅ではなく遮断又は拮抗作用を伴う抗体の場合といった、特定の場合においては、エフェクタ機能の低減又は削減が望ましい。エフェクタ機能の上昇は、FcγRが低いレベルで発現する腫瘍及び外来細胞、例えばFcγRIIBのレベルが低い腫瘍特異性B細胞(例えば非ホジキンリンパ腫、CLL及びバーキットリンパ腫)といった、望ましくない細胞を対象とする場合に一般に望ましい。上記実施形態では、エフェクタ機能活性が与えられた又は変更された本発明の分子は、エフェクタ機能活性の効率の増強が望ましい疾患、障害又は感染の治療及び/又は予防のために有用である。
【0266】
特定の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、野生型Fcドメイン(配列番号1)のアミノ酸の配列に対する1つ又は複数の修飾(例えば置換、欠失又は挿入)を有するFcドメインを備え、上記修飾は、上記Fcドメインの、従って本発明の分子の、1つ又は複数のFcγR受容体に対する親和性及び結合活性を低下させる。他の実施形態では、本発明の分子は、野生型Fcドメインのアミノ酸に対する1つ又は複数の修飾を有するFcドメインを備え、上記修飾は、上記Fcドメインの、従って本発明の分子の、1つ又は複数のFcγR受容体に対する親和性及び結合活性を上昇させる。他の実施形態では、上記分子は変異型Fcドメインを含み、ここで上記変異型は、Fcドメインを含まない、又は野生型Fcドメインを含む分子に対して、ADCC活性の上昇、及び/又はFcγRIIAへの結合の増大を与える、又は仲介する。代替実施形態では、上記分子は変異型Fcドメインを含み、ここで上記変異型は、ドメインを含まない、又は野生型Fcドメインを含む分子に対して、ADCC活性(若しくは他のエフェクタ機能)の低下、及び/又はFcγRIIBへの結合の増大を与える、又は仲介する。いくつかの実施形態では、本発明は、変異型Fcドメインを含む三重特異性結合分子を包含し、上記変異型Fcドメインは、野生型Fcドメインを含む同等の分子と比べて、いずれのFcγRに対する検出可能な結合を示さない。他の実施形態では、本発明は、変異型Fcドメインを含む三重特異性結合分子を包含し、上記変異型Fcドメインは、単一のFcγR、好ましくはFcγRIIA、FcγRIIB、又はFcγRIIIAのうちの1つにしか結合しない。このような上昇した親和性及び/又は結合活性は好ましくは、当該細胞内において(修飾されたFcドメインを有しない)親分子の結合活性が検出できない場合に低いレベルのFcγRを発現する細胞における、又は30000〜20000分子/細胞の密度、20000〜10000分子/細胞の密度、10000〜5000分子/細胞の密度、5000〜1000分子/細胞の密度、1000〜200分子/細胞の密度、若しくは200分子/細胞以下(ただし少なくとも10、50、100若しくは150分子/細胞)の密度で非FcγR受容体標的抗原を発現する細胞において、検出可能なFcγRへの結合又はFcγR関連活性の程度をインビトロで測定することによって評価される。
【0267】
本発明の三重特異性結合分子は、活性化及び/又は阻害性Fcγ受容体に対する親和性が変化し得る。一実施形態では、上記三重特異性結合分子は、野生型Fcドメインを有する同等の分子と比べて、FcγRIIBに対する親和性が上昇し、かつFcγRIIIA及び/又はFcγRIIAに対する親和性が低下した、変異型Fcドメインを含む。別の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、野生型Fcドメインを有する同等の分子と比べて、FcγRIIBに対する親和性が低下し、かつFcγRIIIA及び/又はFcγRIIAに対する親和性が上昇した、変異型Fcドメインを含む。更に別の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、野生型Fcドメインを有する同等の分子と比べて、FcγRIIBに対する親和性が低下し、かつFcγRIIIA及び/又はFcγRIIAに対する親和性が低下した、変異型Fcドメインを含む。また更に別の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、野生型Fcドメインを有する同等の分子と比べて、FcγRIIBに対する親和性が変化せず、かつFcγRIIIA及び/又はFcγRIIAに対する親和性が低下(又は上昇)した、変異型Fcドメインを含む。
【0268】
特定の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、免疫グロブリンが増強されたエフェクタ機能、例えば抗体依存性細胞仲介細胞毒性を有するように、FcγRIIIA及び/又はFcγRIIAに対する親和性が変化した変異型Fcドメインを含む。エフェクタ細胞機能の非限定的な例としては、抗体依存性細胞仲介細胞毒性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用、食作用、オプソニン作用、オプソニン食作用、細胞結合、ロゼット形成、C1q結合、及び相補性決定細胞仲介細胞毒性が挙げられる。
【0269】
ある好ましい実施形態では、親和性又はエフェクタ機能の変化は、野生型Fcドメインを含む同等の分子に対して少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、又は少なくとも100倍である。本発明の他の実施形態では、変異型Fcドメインは、野生型Fcドメインを含む分子に対して少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%、200%、225%、又は250%高い親和性で、1つ又は複数のFcRに免疫特異的に結合する。このような測定は、インビボ又はインビトロアッセイとすることができ、好ましい実施形態では、ELISA又は表面プラズモン共鳴アッセイ等のインビトロアッセイである。
【0270】
様々な実施形態において、本発明の三重特異性結合分子は、変異型Fcドメインを含み、上記変異型は、FcγR受容体の少なくとも1つの活性を刺激するか、又はFcγR受容体の少なくとも1つの活性に拮抗する。好ましい実施形態では、上記分子は、FcγRIIBの1つ又は複数の活性、例えば、B細胞受容体‐仲介型シグナリング、B細胞の活性化、B細胞増殖、抗体産生、B細胞の細胞内カルシウム流入、細胞周期進行、FcεRIシグナリングのFcγRIIB‐仲介型阻害、FcγRIIBのリン酸化、SHIP動員、SHIPリン酸化及びShcとの連結、又はFcγRIIBシグナル伝達経路中の1つ若しくは複数の下流分子の活性(例えばMAPキナーゼ、JNK、p38若しくはAkt)に拮抗する変異体を含む。別の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、FcεRIの1つ又は複数の活性、例えば肥満細胞活性化、カルシウム可動化、脱顆粒、サイトカイン産生又はセロトニン放出を刺激する変異体を含む。
【0271】
特定の実施形態では、上記分子は、2つ以上のIgGアイソタイプ(例えばIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4)からのFcドメイン含有領域を含む。上記様々なIgGアイソタイプは、例えばFlesch, and Neppert (1999) J. Clin. Lab. Anal. 14: 141-156; Chappel et al. (1993) J. Biol. Chem. 33:25124-25131; Chappel et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 88:9036-9040; 又はBruggemann et al. (1987) J. Exp. Med 166: 1351-1361に記載されているような、そのヒンジ及び/又はドメインのアミノ酸配列の違いにより、血清半減期、補体結合、FcγR結合親和性及びエフェクタ機能活性(例えばADCC、CDC等)を含む様々な物理的及び機能的特性を呈する。このタイプの変異型Fcドメインを、単独で、又はアミノ酸修飾と組み合わせて使用して、Fc仲介型エフェクタ機能及び/又は結合活性に影響を及ぼすことができる。組み合わせにおいて、アミノ酸修飾及びIgGヒンジ/Fcドメインは、同様の機能性(例えばFcγRIIAに対する親和性の上昇)を示すことができ、また相加的に、又はより好ましくは相乗的に作用して、野生型Fcドメインを含む本発明の分子と比べて、本発明の分子のエフェクタ機能性を修飾できる。他の実施形態では、アミノ酸修飾及びIgG Fcドメインは反対の機能性(例えばそれぞれFcγRIIAに対する親和性の上昇及び低下)を示すことができ、また、同一のアイソタイプの、Fcドメインを含まない又は野生型Fcドメインを含む本発明の分子と比べて、本発明の分子の特異的機能性を選択的に調節又は低下させるよう作用できる。
【0272】
好ましい具体的実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、変異型Fcドメインを含み、上記変異型Fcドメインは、野生型Fcドメインに対する少なくとも1つのアミノ酸修飾を含み、これにより、上記変異体Fcドメインが、Sondermann et al. (2000) Nature 406:267-73に開示されているもののようなFc‐FcR相互作用の結晶学的及び構造的分析に基づいて、FcγRと直接接触する位置において置換を有しない場合に上記分子のFcRに対する親和性が変化する。FcγRと直接接触するFcドメイン内の位置の例は、アミノ酸残基234‐239(ヒンジ領域)、アミノ酸残基265‐269(B/Cループ)、アミノ酸残基297‐299(C’/Eループ)及びアミノ酸残基327‐332(F/Gループ)である。いくつかの実施形態では、本発明の分子は、構造的及び結晶学的分析に基づいてFcγRと直接接触しない、例えばFc‐FcγR結合部位内にない、少なくとも1つの残基の修飾を含む、変異型Fcドメインを含む。
【0273】
変異型Fcドメインは当該技術分野において公知であり、例えばNK依存性又はマクロファージ依存性アッセイにおいて機能的にアッセイされるような、Fcドメイン(若しくはその一部)を備える本発明の分子が呈するエフェクタ機能を付与又は改変するために、いずれの公知のFc変異体を本発明において使用してよい。例えば、変化したエフェクタ機能として識別されるFcドメイン変異体は、抗体工学技術の分野において開示されており、開示されているいずれの好適な変異体を、本発明の分子において使用してよい。
【0274】
特定の実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、1つ又は複数の部位において1つ又は複数のアミノ酸修飾を有する変異型Fcドメインを含み、上記1つ又は複数の修飾は、変異型Fcドメインの、阻害型FcγR(FcγRIIB等)に対する親和性に対する活性化FcγR(FcγRIIA又はFcγRIIIA等)に対する親和性の比率を、(野生型Fcドメインに対して)変化させる:
【数1】
【0275】
(野生型Fcドメインに対して)Fc変異体の親和性の比率が1を超える変異型Fcドメインを有する本発明の三重特異性結合分子が特に好ましい。このような分子は、例えば癌又は感染症といった、FcγRが仲介するエフェクタ細胞機能(例えばADCC)の効率の増強が望まれる疾患、障害、若しくは感染の治療的若しくは予防的処置、又はその症状の寛解を提供するにあたって特定の用途を有する。対照的に、親和性の比率が1未満であるFc変異体は、エフェクタ細胞機能の効率の低下を仲介する。表1は、例示的な単一、二重、三重、四重及び五重突然変異を、その親和性の比率が1を超えるか1未満であるかによって列挙している。
【0277】
ある具体的な実施形態では、変異型Fcドメインにおいて、235、240、241、243、244、247、262、263、269、298、328、又は330位のうちのいずれかにおけるいずれかのアミノ酸修飾(例えば置換)、及び好ましくは以下の残基のうちの1つ又は複数:A240、I240、L241、L243、H244、N298、I328又はV330。異なる具体的な実施形態では、変異型Fcドメインにおいて、268、269、270、272、276、278、283、285、286、289、292、293、301、303、305、307、309、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、416、419、430、434、435、437、438又は439位のうちのいずれかにおけるいずれかのアミノ酸修飾(例えば置換)、好ましくは以下の残基のうちの1つ又は複数:H280、Q280、Y280、G290、S290、T290、Y290、N294、K295、P296、D298、N298、P298、V298、I300又はL300。
【0278】
ある好ましい実施形態では、変化した親和性でFcγRに結合する変異型Fcドメインにおいて、255、256、258、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、300、301、303、305、307、309、312、320、322、326、329、330、332、331、333、334、335、337、338、339、340、359、360、373、376、416、419、430、434、435、437、438又は439位のうちのいずれかにおけるいずれかのアミノ酸修飾(例えば置換)。好ましくは、上記変異型Fcドメインは、以下の残基のうちのいずれか1つを有する:A256、N268、Q272、D286、Q286、S286、A290、S290、A298、M301、A312、E320、M320、Q320、R320、E322、A326、D326、E326、N326、S326、K330、T339、A333、A334、E334、H334、L334、M334、Q334、V334、K335、Q335、A359、A360又はA430。
【0279】
異なる実施形態では、低下した親和性で(そのFcドメインを介して)FcγRに結合する変異型Fcドメインにおいて、252、254、265、268、269、270、278、289、292、293、294、295、296、298、300、301、303、322、324、327、329、333、335、338、340、373、376、382、388、389、414、416、419、434、435、437、438、又は439位のうちのいずれかにおけるいずれかのアミノ酸修飾(例えば置換)。
【0280】
異なる実施形態では、増強された親和性で(そのFcドメインを介して)FcγRに結合する変異型Fcドメインにおいて、280、283、285、286、290、294、295、298、300、301、305、307、309、312、315、331、333、334、337、340、360、378、398、又は430位のうちのいずれかにおけるいずれかのアミノ酸修飾(例えば置換)。異なる実施形態では、増強された親和性でFcγRIIAに結合する変異型Fcドメインにおいて、以下の残基のうちのいずれか1つ:A255、A256、A258、A267、A268、N268、A272、Q272、A276、A280、A283、A285、A286、D286、Q286、S286、A290、S290、M301、E320、M320、Q320、R320、E322、A326、D326、E326、S326、K330、A331、Q335、A337又はA430。
【0281】
好ましい変異体は、228、230、231、232、233、234、235、239、240、241、243、244、245、247、262、263、264、265、266、271、273、275、281、284、291、296、297、298、299、302、304、305、313、323、325、326、328、330又は332位のうちのいずれかにおける1つ又は複数の修飾を含む。
【0282】
特に好ましい変異体は、群A〜AIから選択された1つ又は複数の修飾を含む:
【0284】
更に特に好ましい変異体は、群1〜105から選択された1つ又は複数の修飾を含む:
【0286】
一実施形態では、本発明の多価DR5結合分子は、Fcドメインにおいて少なくとも1つの修飾を有する変異型Fcドメインを含む。特定の実施形態では、上記変異型Fcドメインは、L235V、F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396Lからなる群から選択される少なくとも1つの置換を含み、ここで上記番号付与は、非特許文献18におけるEUインデックスの番号付与である。
【0287】
ある具体的実施形態では、変異型Fcドメインは以下を含む:
(A)F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396Lからなる群から選択される、少なくとも1つの置換;
(B)(1)F243L及びP396L;
(2)F243L及びR292P;並びに
(3)R292P及びV305I;
からなる群から選択される、少なくとも2つの置換;
(C)(1)F243L、R292P及びY300L;
(2)F243L、R292P及びV305I;
(3)F243L、R292P及びP396L;並びに
(4)R292P、V305I及びP396L;
からなる群から選択される、少なくとも3つの置換;
(D)(1)F243L、R292P、Y300L及びP396L;並びに
(2)F243L、R292P、V305I及びP396L;
からなる群から選択される、少なくとも4つの置換;又は
(E)(1)F243L、R292P、Y300L、V305I及びP396L;並びに
(2)L235V、F243L、R292P、Y300L及びP396L
からなる群から選択される、少なくとも5つの置換。
【0288】
別の具体的実施形態では、変異型Fcドメインは、以下の置換を含む:
(A)F243L、R292P、及びY300L;
(B)L235V、F243L、R292P、Y300L、及びP396L;又は
(C)F243L、R292P、Y300L、V305I、及びP396L。
【0289】
他の実施形態では、本発明は:Jefferis, B.J. et al. (2002) Interaction Sites On Human IgG-Fc For FcgammaR: Current Models," Immunol. Lett. 82:57-65; Presta, L.G. et al. (2002) "Engineering Therapeutic Antibodies For Improved Function " Biochem. Soc. Trans. 30:487-90; Idusogie, E.E. et al. (2001) "Engineered Antibodies With Increased Activity To Recruit Complement," J. Immunol. 166:2571-75; Shields, R.L. et al. (2001) "High Resolution Mapping Of The Binding Site On Human IgGl For Fc Gamma RI, Fc Gamma RII, Fc Gamma RIII, And FcRn And Design Of IgGl Variants With Improved Binding To The Fc gamma R " J. Biol. Chem. 276:6591-6604; Idusogie, E.E. et al. (2000) "Mapping Of The Clq Binding Site On Rituxan, A Chimeric Antibody With A Human IgG Fc," J. Immunol. 164:4178-84; Reddy, M.P. et al. (2000) "Elimination Of Fc Receptor-Dependent Effector Functions Of A Modified IgG4 Monoclonal Antibody To Human CD4 " J. Immunol. 164: 1925-1933; Xu, D. et al. (2000) "In Vitro Characterization of Five Humanized OKT3 Effector Function Variant Antibodies " Cell. Immunol. 200: 16-26; Armour, K.L. et al. (1999) "Recombinant human IgG Molecules Lacking Fcgamma Receptor I Binding And Monocyte Triggering Activities " Eur. J. Immunol. 29:2613-24; Jefferis, R. et al. (1996) "Modulation Of Fc(Gamma)R And Human Complement Activation By IgG3-Core Oligosaccharide Interactions " Immunol. Lett. 54: 101-04; Lund, J. et al. (1996) "Multiple Interactions Of IgG With Its Core Oligosaccharide Can Modulate Recognition By Complement And Human Fc Gamma Receptor I And Influence The Synthesis Of Its Oligosaccharide Chains " J. Immunol. 157:4963-4969; Hutchins et al. (1995) "Improved Biodistribution, Tumor Targeting, And Reduced Immunogenicity In Mice With A Gamma 4 Variant Of Campath-IH," Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 92: 11980-84; Jefferis, R. et al. (1995) "Recognition Sites On Human IgG For Fc Gamma Receptors: The Role Of Glycosylation," Immunol. Lett. 44: 111-17; Lund, J. et al. (1995) "Oligosaccharide-Protein Interactions In IgG Can Modulate Recognition By Fc Gamma Receptors " FASEB J. 9: 115-19; Alegre, M . et al. (1994) "A Non-Activating "Humanized" Anti-CD3 Monoclonal Antibody Retains Immunosuppressive Properties In Vivo," Transplantation 57: 1537-1543; Lund et al. (1992) "Multiple Binding Sites On The CH2 Domain Of IgG For Mouse Fc Gamma RII," Mol. Immunol. 29:53-59; Lund et al. (1991) "Human Fc Gamma RI And Fc Gamma RII Interact With Distinct But Overlapping Sites On Human IgG," J. Immunol. 147:2657-2662; Duncan, A.R. et al. (1988) "Localization Of The Binding Site For The Human High-Affinity Fc Receptor On IgG," Nature 332:563-564;米国特許第5,624,821号;米国特許第5,885,573号;米国特許第6,194,551号;米国特許第7,276,586号;及び米国特許第7,317,091号;並びに国際公開第00/42072号及び国際公開第99/58572号に開示されているもの等の、公知のいずれのFc変異体の使用を包含する。
【0290】
いくつかの実施形態では、本発明の分子は更に、1つ又は複数のグリコシル化部位を備えてよく、これにより、1つ又は複数の炭水化物部分は上記分子に共有結合によって付着する。好ましくは、Fcドメインに1つ若しくは複数のグリコシル化部位及び/又は1つ若しくは複数の修飾を有する、本発明の分子は、親抗体と比べて、増強された抗体仲介性エフェクタ機能、例えば増強されたADCC活性を与える、又は有する。いくつかの実施形態では、本発明は更に、抗体の炭水化物部分と直接的又は間接的に相互作用することが分かっている、241、243、244、245、245、249、256、258、260、262、264、265、296、299、及び301位のアミノ酸を含むがこれらに限定されないアミノ酸の1つ又は複数の修飾を含む、分子を含む。抗体の炭水化物部分と直接的又は間接的に相互作用するアミノ酸は当該技術分野において公知であり、例えばJefferis et al. (1995) Immunology Letters, 44: 111-7(この文献は参照によりその全体が本出願に援用される)を参照されたい。
【0291】
別の実施形態では、本発明は、好ましくは当該分子の機能性、例えば標的分子又はFcγRへの結合活性を変化させることなく、1つ又は複数のグリコシル化部位を、当該分子の1つ又は複数の部位に導入することによって修飾された、分子を包含する。グリコシル化部位は、本発明の分子の可変及び/又は定常領域に導入してよい。本明細書において使用される場合、「グリコシル化部位(glycosylation site)」は、オリゴ糖(即ち一体に連結した2つ以上の単糖を含有する炭水化物)が特異的に共有結合によって付着する、抗体中のいずれの具体的なアミノ酸配列を含む。オリゴ糖側鎖は典型的には、N結合又はO結合を介して抗体のバックボーンに連結する。N結合グリコシル化は、アスパラギン残基の側鎖へのオリゴ糖部分の付着を表す。O結合グリコシル化は、例えばセリン、トレオニンといったヒドロキシアミノ酸へのオリゴ糖部分の付着を表す。本発明の分子は、N結合及びO結合グリコシル化部位を含む、1つ又は複数のグリコシル化部位を備えてよい。当該技術分野において公知のN結合又はO結合グリコシル化のためのいずれのグリコシル化部位を、本発明に従って使用してよい。本発明の方法に従って使用できる例示的なN結合グリコシル化部位は、アミノ酸配列:Asn‐X‐Thr/Serであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってよく、Thr/Serはトレオニン又はセリンを示す。このような1つ又は複数の部位は、本発明が関与する技術分野において公知の方法を用いて、本発明の分子に導入してよい(例えばIN VITRO MUTAGENESIS, RECOMBINANT DNA: A SHORT COURSE, J. D. Watson, et al. W.H. Freeman and Company, New York, 1983, chapter 8, pp. 106-116(その全体は参照によって本出願に援用される)を参照のこと)。グリコシル化部位を本発明の分子に導入するための例示的な方法は:分子のアミノ酸配列を修飾するか若しくは突然変異させて、所望のAsn‐X‐Thr/Ser配列を得るステップを含んでよい。
【0292】
いくつかの実施形態では、本発明は、グリコシル化部位を追加又は欠失することによって、本発明の分子の炭水化物含量を改変する方法を包含する。抗体(及び抗体ドメインを含む分子)の炭水化物含量を改変する方法は、当該技術分野において公知であり、本発明に包含される。例えば米国特許第6,218,149号;欧州特許第0359096B1号;米国特許出願第2002/0028486号;国際公開第03/035835号;米国特許出願第2003/0115614号;米国特許第6,218,149号;米国特許第6,472,511号(これらの全体は参照によって本出願に援用される)を参照されたい。他の実施形態では、本発明は、当該分子の1つ又は複数の内因性炭水化物部分を欠失することによって、本発明の分子の炭水化物含量を改変する方法を包含する。ある具体的実施形態では、本発明は、297位に隣接する位置を修飾することによって、抗体のFcドメインのグリコシル化部位をシフトするステップを包含する。ある具体的実施形態では、本発明は296位を修飾することによって、297位ではなく296位をグリコシル化するステップを包含する。
【0293】
エフェクタ機能はまた、Fcドメインに1つ又は複数のシステイン残基を導入することによって、この領域における鎖間ジスルフィド結合を可能とし、その結果として吸収能力が改善され得る、並びに/又は補体仲介型細胞殺滅及びADCCが増大し得るホモ二量体抗体を生成することにより、修飾できる(Caron, P.C. et al. (1992) "Engineered Humanized Dimeric Forms Of IgG Are More Effective Antibodies J. Exp. Med. 176: 1191-1195; Shopes, B. (1992) "A Genetically Engineered Human IgG Mutant With Enhanced Cytolytic Activity," J. Immunol. 148(9):2918-2922)。抗腫瘍活性が増強されたホモ二量体抗体はまた、Wolff, E.A. et al. (1993) "Monoclonal Antibody Homodimers: Enhanced Antitumor Activity In Nude Mice," Cancer Research 53:2560-2565に記載されているようなヘテロ二機能性クロスリンカーを用いて調製できる。あるいは、二重Fcドメインを有し、それによって補体溶解及びADCC能力が増強され得る抗体を加工できる(Stevenson, G.T. et al. (1989) "A Chimeric Antibody With Dual Fc Domains (bisFabFc) Prepared By Manipulations At The IgG Hinge " Anti-Cancer Drug Design 3:219-230)。
【0294】
III.例示的な三重特異性結合分子
F.gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1
4つのポリペプチド鎖からなる例示的な三重特異性結合分子を構成した。上記三重特異性結合分子は、gpA33 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにDR5 mAb 1のVL及びVHドメインを備え、従って「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号212):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0295】
配列番号212では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0296】
配列番号212をエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号213:
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaaggg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
である。
【0297】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号214):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KASGYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIGRIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCARIYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSGGC GGGKVAALKE
KVAALKEKVA ALKEKVAALK E
【0298】
配列番号214では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜243は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基244〜271はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0299】
配列番号214をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号215):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtc cagctggtcc agagcggggc cgaagtcaaa aaacccggag
caagcgtgaa ggtctcctgc aaagcatcag gctatacatt tacaggcagc
tggatgaact gggtgaggca ggctccagga cagggactgg agtggatcgg
gcgcatctac cctggagacg gcgaaactaa ctataatgga aagttcaaag
accgagtgac catcacagcc gataagtcta ctagtaccgc ctacatggag
ctgagctccc tgcggtctga agataccgcc gtctactatt gcgctagaat
ttacggaaac aatgtctatt ttgacgtgtg ggggcaggga acaactgtga
ctgtctcctc cggaggatgt ggcggtggaa aagtggccgc actgaaggag
aaagttgctg ctttgaaaga gaaggtcgcc gcacttaagg aaaaggtcgc
agccctgaaa gag
【0300】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号216):
EVKFLESGGG LVQPGGSLKL SCVASGFDFS RYWMSWVRQA PGKGLEWIGE
INPDSNTINY TPSLKDKFII SRDNAKNTLY LQMTKVRSED TALYYCTRRA
YYGNPAWFAY WGQGTLVTVS SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV
KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ
TYICNVNHKP SNTKVDKRVE PKSCDKTHTC PPCPAPEAAG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPAPIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSRE EMTKNQVSLS CAVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL VSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNRY TQKSLSLSPG
K
【0301】
配列番号216では、アミノ酸残基1〜121は、DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)に対応し、残基122〜219は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基220〜234は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基235〜451は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0302】
配列番号216をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号217):
gaggtgaagt ttctcgagtc tggaggtggc ctggtgcagc ctggaggatc
cctgaaactc tcctgtgtag cctcaggatt cgattttagt agatactgga
tgagttgggt ccggcaggct ccagggaaag ggctagaatg gattggagaa
attaatccag atagcaatac gataaactat acgccatctc taaaggataa
attcatcatc tccagagaca acgccaaaaa tacgctgtat ctgcaaatga
ccaaagtgag atctgaggac acagcccttt attattgtac aagaagggcc
tactatggta acccggcctg gtttgcttac tggggccaag ggactctggt
cactgtctct tccgcctcca ccaagggccc atcggtcttc cccctggcac
cctcctccaa gagcacctct gggggcacag cggccctggg ctgcctggtc
aaggactact tccccgaacc ggtgacggtg tcgtggaact caggcgccct
gaccagcggc gtgcacacct tcccggctgt cctacagtcc tcaggactct
actccctcag cagcgtggtg accgtgccct ccagcagctt gggcacccag
acctacatct gcaacgtgaa tcacaagccc agcaacacca aggtggacaa
gagagttgag cccaaatctt gtgacaaaac tcacacatgc ccaccgtgcc
cagcacctga agccgcgggg ggaccgtcag tcttcctctt ccccccaaaa
cccaaggaca ccctcatgat ctcccggacc cctgaggtca catgcgtggt
ggtggacgtg agccacgaag accctgaggt caagttcaac tggtacgtgg
acggcgtgga ggtgcataat gccaagacaa agccgcggga ggagcagtac
aacagcacgt accgtgtggt cagcgtcctc accgtcctgc accaggactg
gctgaatggc aaggagtaca agtgcaaggt ctccaacaaa gccctcccag
cccccatcga gaaaaccatc tccaaagcca aagggcagcc ccgagaacca
caggtgtaca ccctgccccc atcccgggag gagatgacca agaaccaggt
cagcctgagt tgcgcagtca aaggcttcta tcccagcgac atcgccgtgg
agtgggagag caatgggcag ccggagaaca actacaagac cacgcctccc
gtgctggact ccgacggctc cttcttcctc gtcagcaagc tcaccgtgga
caagagcagg tggcagcagg ggaacgtctt ctcatgctcc gtgatgcatg
aggctctgca caaccgctac acgcagaaga gcctctccct gtctccgggt
aaa
【0303】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号218):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISCRASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIFLSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YCQHSRDLPP
TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC
【0304】
配列番号218では、アミノ酸残基1〜111は、DR5 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対応し、残基112〜218は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0305】
配列番号218をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号219):
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgca gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatctttc tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgtcagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaacgtacgg tggctgcacc
atcggtcttc atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg
cctctgttgt gtgcctgctg aataacttct atcccagaga ggccaaagta
cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg ggtaactccc aggagagtgt
cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc agcaccctga
cgctgagcaa agcagactac gagaaacaca aagtctacgc ctgcgaagtc
acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga
gtgt
【0306】
G.gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2
4つのポリペプチド鎖からなる第2の例示的な三重特異性結合分子を構成した。上記三重特異性結合分子は、gpA33 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにDR5 mAb 2のVL及びVHドメインを備え、従って「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号220):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0307】
配列番号220では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0308】
配列番号220をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号221):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaaggg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
【0309】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号222):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KASGYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIGRIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCARIYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSGGC GGGKVAALKE
KVAALKEKVA ALKEKVAALK E
【0310】
配列番号222では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜243は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基244〜271はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0311】
配列番号222をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号223):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtc cagctggtcc agagcggggc cgaagtcaaa aaacccggag
caagcgtgaa ggtctcctgc aaagcatcag gctatacatt tacaggcagc
tggatgaact gggtgaggca ggctccagga cagggactgg agtggatcgg
gcgcatctac cctggagacg gcgaaactaa ctataatgga aagttcaaag
accgagtgac catcacagcc gataagtcta ctagtaccgc ctacatggag
ctgagctccc tgcggtctga agataccgcc gtctactatt gcgctagaat
ttacggaaac aatgtctatt ttgacgtgtg ggggcaggga acaactgtga
ctgtctcctc cggaggatgt ggcggtggaa aagtggccgc actgaaggag
aaagttgctg ctttgaaaga gaaggtcgcc gcacttaagg aaaaggtcgc
agccctgaaa gag
【0312】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号224):
KVQLQQSGAE LVKPGASVKL SCKASGYTFT EYILHWVKQK SGQGLEWIGW
FYPGNNNIKY NEKFKDKATL TADKSSSTVY MELSRLTSED SAVYFCARHE
QGPGYFDYWG QGTTLTVSSA STKGPSVFPL APSSKSTSGG TAALGCLVKD
YFPEPVTVSW NSGALTSGVH TFPAVLQSSG LYSLSSVVTV PSSSLGTQTY
ICNVNHKPSN TKVDKRVEPK SCDKTHTCPP CPAPEAAGGP SVFLFPPKPK
DTLMISRTPE VTCVVVDVSH EDPEVKFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQYNS
TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKAL PAPIEKTISK AKGQPREPQV
YTLPPSREEM TKNQVSLSCA VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
DSDGSFFLVS KLTVDKSRWQ QGNVFSCSVM HEALHNRYTQ KSLSLSPGK
【0313】
配列番号224では、アミノ酸残基1〜119は、DR5 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号18)に対応し、残基120〜217は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基218〜232は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基233〜449は「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0314】
配列番号224をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号225):
aaggtccagc tgcagcagtc tggagctgaa ctggtgaaac ccggggcatc
agtgaagctg tcctgcaagg cttctgggta caccttcact gagtatattt
tacactgggt aaagcagaag tctggacagg gtcttgagtg gattgggtgg
ttttatcctg gaaataataa tataaagtac aatgagaaat tcaaggacaa
ggccacactg actgcggaca aatcctccag cacagtctat atggaactta
gtagattgac atctgaagac tctgcggtct atttctgtgc aagacacgaa
caaggaccag gttactttga ctactggggc caaggcacca ctctcacagt
ctcctccgcc tccaccaagg gcccatcggt cttccccctg gcaccctcct
ccaagagcac ctctgggggc acagcggccc tgggctgcct ggtcaaggac
tacttccccg aaccggtgac ggtgtcgtgg aactcaggcg ccctgaccag
cggcgtgcac accttcccgg ctgtcctaca gtcctcagga ctctactccc
tcagcagcgt ggtgaccgtg ccctccagca gcttgggcac ccagacctac
atctgcaacg tgaatcacaa gcccagcaac accaaggtgg acaagagagt
tgagcccaaa tcttgtgaca aaactcacac atgcccaccg tgcccagcac
ctgaagccgc ggggggaccg tcagtcttcc tcttcccccc aaaacccaag
gacaccctca tgatctcccg gacccctgag gtcacatgcg tggtggtgga
cgtgagccac gaagaccctg aggtcaagtt caactggtac gtggacggcg
tggaggtgca taatgccaag acaaagccgc gggaggagca gtacaacagc
acgtaccgtg tggtcagcgt cctcaccgtc ctgcaccagg actggctgaa
tggcaaggag tacaagtgca aggtctccaa caaagccctc ccagccccca
tcgagaaaac catctccaaa gccaaagggc agccccgaga accacaggtg
tacaccctgc ccccatcccg ggaggagatg accaagaacc aggtcagcct
gagttgcgca gtcaaaggct tctatcccag cgacatcgcc gtggagtggg
agagcaatgg gcagccggag aacaactaca agaccacgcc tcccgtgctg
gactccgacg gctccttctt cctcgtcagc aagctcaccg tggacaagag
caggtggcag caggggaacg tcttctcatg ctccgtgatg catgaggctc
tgcacaaccg ctacacgcag aagagcctct ccctgtctcc gggtaaa
【0315】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号226):
DIVMTQSHKF MSTSVGDRVS ITCKASQDVN TAVAWYQQKP GQSPKLLIYW
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD YTLTIKSVQA EDLTLYYCQQ HYITPWTFGG
GTKLEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV
DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG
LSSPVTKSFN RGEC
【0316】
配列番号226では、アミノ酸残基1〜107は、DR5 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号13)に対応し、残基108〜214は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0317】
配列番号226をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号227):
gacattgtga tgacccagtc tcacaaattc atgtccactt cagtaggaga
cagggtcagc atcacctgca aggccagtca ggatgtgaat actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaactact gatttactgg
gcatccaccc ggcacactgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tatacactca ccatcaaaag tgtgcaggct gaagacctga
cactttatta ctgtcagcaa cactatatca ctccgtggac gttcggtgga
ggcaccaagc tggaaatcaa acgtacggtg gctgcaccat cggtcttcat
cttcccgcca tctgatgagc agttgaaatc tggaactgcc tctgttgtgt
gcctgctgaa taacttctat cccagagagg ccaaagtaca gtggaaggtg
gataacgccc tccaatcggg taactcccag gagagtgtca cagagcagga
cagcaaggac agcacctaca gcctcagcag caccctgacg ctgagcaaag
cagactacga gaaacacaaa gtctacgcct gcgaagtcac ccatcagggc
ctgagctcgc ccgtcacaaa gagcttcaac aggggagagt gt
【0318】
H.EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1
4つのポリペプチド鎖からなる、更なる例示的な三重特異性結合分子を構成した。上記三重特異性結合分子は、EphA2 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにDR5 mAb 1のVL及びVHドメインを備え、従って「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号228):
DIQMTQTTSS LSASLGDRIT ISCRASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKLLIYY
TSRLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTISNLEQ EDIATYFCQQ GYTLYTFGGG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0319】
配列番号228では、アミノ酸残基1〜106は、EphA2 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号153)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0320】
配列番号228をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号229):
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga
cagaatcacc atcagttgca gggcaagtca ggacattagc aattatttaa
actggtatca gcagaaacca gatggaactg ttaaactcct gatctactac
acatcaagat tacactcagg agtcccatca aggttcagtg gcagtgggtc
tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa gaagatattg
ccacttactt ttgccaacag ggttatacgc tgtacacgtt cggagggggg
accaagctgg aaataaaagg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaa
【0321】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号230):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLKESGPGLV APSQSLSITC TVSGFSLSRY
SVHWVRQPPG KGLEWLGMIW GGGSTDYNSA LKSRLSISKD NSKSQVFLKM
NSLQTDDTAM YYCARKHGNY YTMDYWGQGT SVTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0322】
配列番号230では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号158)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0323】
配列番号230をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号231):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtg cagctgaagg agtcaggacc tggcctggtg gcaccctcac
agagcctgtc catcacatgc actgtctctg ggttctcatt atccagatat
agtgtacact gggttcgcca gcctccagga aagggtctgg agtggctggg
aatgatatgg ggtggtggaa gcacagacta taattcagct ctcaaatcca
gactgagtat cagcaaggac aactccaaga gccaagtttt cttaaaaatg
aacagtctgc aaactgatga cacagccatg tactactgtg ccagaaaaca
tggtaactac tatactatgg actactgggg tcaaggaacc tcagtcaccg
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0324】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号232):
EVKFLESGGG LVQPGGSLKL SCVASGFDFS RYWMSWVRQA PGKGLEWIGE
INPDSNTINY TPSLKDKFII SRDNAKNTLY LQMTKVRSED TALYYCTRRA
YYGNPAWFAY WGQGTLVTVS SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV
KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ
TYICNVNHKP SNTKVDKRVE PKSCDKTHTC PPCPAPEAAG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPAPIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSRE EMTKNQVSLS CAVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL VSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNRY TQKSLSLSPG
K
【0325】
配列番号232では、アミノ酸残基1〜121は、DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)に対応し、残基122〜219は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基220〜234は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基235〜451は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0326】
配列番号232をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号233):
gaggtgaagt ttctcgagtc tggaggtggc ctggtgcagc ctggaggatc
cctgaaactc tcctgtgtag cctcaggatt cgattttagt agatactgga
tgagttgggt ccggcaggct ccagggaaag ggctagaatg gattggagaa
attaatccag atagcaatac gataaactat acgccatctc taaaggataa
attcatcatc tccagagaca acgccaaaaa tacgctgtat ctgcaaatga
ccaaagtgag atctgaggac acagcccttt attattgtac aagaagggcc
tactatggta acccggcctg gtttgcttac tggggccaag ggactctggt
cactgtctct tccgcctcca ccaagggccc atcggtcttc cccctggcac
cctcctccaa gagcacctct gggggcacag cggccctggg ctgcctggtc
aaggactact tccccgaacc ggtgacggtg tcgtggaact caggcgccct
gaccagcggc gtgcacacct tcccggctgt cctacagtcc tcaggactct
actccctcag cagcgtggtg accgtgccct ccagcagctt gggcacccag
acctacatct gcaacgtgaa tcacaagccc agcaacacca aggtggacaa
gagagttgag cccaaatctt gtgacaaaac tcacacatgc ccaccgtgcc
cagcacctga agccgcgggg ggaccgtcag tcttcctctt ccccccaaaa
cccaaggaca ccctcatgat ctcccggacc cctgaggtca catgcgtggt
ggtggacgtg agccacgaag accctgaggt caagttcaac tggtacgtgg
acggcgtgga ggtgcataat gccaagacaa agccgcggga ggagcagtac
aacagcacgt accgtgtggt cagcgtcctc accgtcctgc accaggactg
gctgaatggc aaggagtaca agtgcaaggt ctccaacaaa gccctcccag
cccccatcga gaaaaccatc tccaaagcca aagggcagcc ccgagaacca
caggtgtaca ccctgccccc atcccgggag gagatgacca agaaccaggt
cagcctgagt tgcgcagtca aaggcttcta tcccagcgac atcgccgtgg
agtgggagag caatgggcag ccggagaaca actacaagac cacgcctccc
gtgctggact ccgacggctc cttcttcctc gtcagcaagc tcaccgtgga
caagagcagg tggcagcagg ggaacgtctt ctcatgctcc gtgatgcatg
aggctctgca caaccgctac acgcagaaga gcctctccct gtctccgggt
aaa
【0327】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号234):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISCRASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIFLSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YCQHSRDLPP
TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC
【0328】
配列番号234では、アミノ酸残基1〜111は、DR5 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対応し、残基112〜218は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0329】
配列番号234をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号235):
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgca gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatctttc tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgtcagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaacgtacgg tggctgcacc
atcggtcttc atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg
cctctgttgt gtgcctgctg aataacttct atcccagaga ggccaaagta
cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg ggtaactccc aggagagtgt
cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc agcaccctga
cgctgagcaa agcagactac gagaaacaca aagtctacgc ctgcgaagtc
acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga
gtgt
【0330】
I.EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1
4つのポリペプチド鎖からなる、更なる例示的な三重特異性結合分子を構成した。上記三重特異性結合分子は、EphA2 mAb 2のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにDR5 mAb 1のVL及びVHドメインを備え、従って「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号236):
DVVMTQTPLS LPVSLGDQAS ISCRSSQSLV HSSGNTYLHW YLQKPGQSPK
LLIYKVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFCSQSTHVP
TFGSGTKLEI KGGGSGGGGE VQLVESGGGL VQPGGSLRLS CAASGFTFST
YAMNWVRQAP GKGLEWVGRI RSKYNNYATY YADSVKGRFT ISRDDSKNSL
YLQMNSLKTE DTAVYYCVRH GNFGNSYVSW FAYWGQGTLV TVSSGGCGGG
EVAALEKEVA ALEKEVAALE KEVAALEKGG GDKTHTCPPC PAPEAAGGPS
VFLFPPKPKD TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT
KPREEQYNST YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA
KGQPREPQVY TLPPSREEMT KNQVSLWCLV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN
NYKTTPPVLD SDGSFFLYSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNHYTQK
SLSLSPGK
【0331】
配列番号236では、アミノ酸残基1〜111は、EphA2 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号163)に対応し、残基112〜119は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基120〜244は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基245〜250は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基251〜278は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基279〜281はリンカーGGGであり、残基282〜291はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基292〜508は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0332】
配列番号236をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号237):
gatgttgtga tgacccaaac tccactctcc ctgcctgtca gtcttggaga
tcaagcctcc atctcttgca gatctagtca gagccttgta cacagtagtg
gaaacaccta tttacattgg tacctgcaga agccaggcca gtctccaaag
ctcctgatct acaaagtttc caaccgattt tctggggtcc cagacaggtt
cagtggcagt ggatcaggga cagatttcac actcaagatc agcagagtgg
aggctgagga tctgggagtt tatttctgct ctcaaagtac acatgttccc
acgttcggct cggggacaaa gttggaaata aaaggtggag gatccggcgg
cggaggcgag gtgcagctgg tggagtctgg gggaggcttg gtccagcctg
gagggtccct gagactctcc tgtgcagcct ctggattcac cttcagcaca
tacgctatga attgggtccg ccaggctcca gggaaggggc tggagtgggt
tggaaggatc aggtccaagt acaacaatta tgcaacctac tatgccgact
ctgtgaaggg tagattcacc atctcaagag atgattcaaa gaactcactg
tatctgcaaa tgaacagcct gaaaaccgag gacacggccg tgtattactg
tgtgagacac ggtaacttcg gcaattctta cgtgtcttgg tttgcttatt
ggggacaggg gacactggtg actgtgtctt ccggaggatg tggcggtgga
gaagtggccg cactggagaa agaggttgct gctttggaga aggaggtcgc
tgcacttgaa aaggaggtcg cagccctgga gaaaggcggc ggggacaaaa
ctcacacatg cccaccgtgc ccagcacctg aagccgcggg gggaccgtca
gtcttcctct tccccccaaa acccaaggac accctcatga tctcccggac
ccctgaggtc acatgcgtgg tggtggacgt gagccacgaa gaccctgagg
tcaagttcaa ctggtacgtg gacggcgtgg aggtgcataa tgccaagaca
aagccgcggg aggagcagta caacagcacg taccgtgtgg tcagcgtcct
caccgtcctg caccaggact ggctgaatgg caaggagtac aagtgcaagg
tctccaacaa agccctccca gcccccatcg agaaaaccat ctccaaagcc
aaagggcagc cccgagaacc acaggtgtac accctgcccc catcccggga
ggagatgacc aagaaccagg tcagcctgtg gtgcctggtc aaaggcttct
atcccagcga catcgccgtg gagtgggaga gcaatgggca gccggagaac
aactacaaga ccacgcctcc cgtgctggac tccgacggct ccttcttcct
ctacagcaag ctcaccgtgg acaagagcag gtggcagcag gggaacgtct
tctcatgctc cgtgatgcat gaggctctgc acaaccacta cacgcagaag
agcctctccc tgtctccggg taaa
【0333】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号238):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQI QLVQSGPELK KPGETVKISC KASGFTFTNY
GMNWVKQAPG KGLKWMGWIN TYIGEPTYAD DFKGRFVFSL ETSASTAYLQ
INNLKNEDMA TYFCARELGP YYFDYWGQGT TLTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0334】
配列番号238では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号167)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0335】
配列番号238をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号239):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacagatc cagttggtgc agtctggacc tgagctgaag aagcctggag
agacagtcaa gatctcctgc aaggcttctg ggtttacctt cacaaactat
ggaatgaact gggtgaagca ggctccagga aagggtttaa agtggatggg
ctggataaac acctatattg gagagccgac atatgctgat gacttcaagg
gacggtttgt cttctctttg gaaacctctg ccagcactgc ctatttgcag
atcaacaacc tcaaaaatga ggacatggcc acatatttct gtgcaagaga
actgggacca tactactttg actactgggg ccaaggcacc actctcacag
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0336】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号240):
EVKFLESGGG LVQPGGSLKL SCVASGFDFS RYWMSWVRQA PGKGLEWIGE
INPDSNTINY TPSLKDKFII SRDNAKNTLY LQMTKVRSED TALYYCTRRA
YYGNPAWFAY WGQGTLVTVS SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV
KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ
TYICNVNHKP SNTKVDKRVE PKSCDKTHTC PPCPAPEAAG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPAPIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSRE EMTKNQVSLS CAVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL VSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNRY TQKSLSLSPG
K
【0337】
配列番号240では、アミノ酸残基1〜121は、DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)に対応し、残基122〜219は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基220〜234は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基235〜451は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0338】
配列番号240をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号241):
gaggtgaagt ttctcgagtc tggaggtggc ctggtgcagc ctggaggatc
cctgaaactc tcctgtgtag cctcaggatt cgattttagt agatactgga
tgagttgggt ccggcaggct ccagggaaag ggctagaatg gattggagaa
attaatccag atagcaatac gataaactat acgccatctc taaaggataa
attcatcatc tccagagaca acgccaaaaa tacgctgtat ctgcaaatga
ccaaagtgag atctgaggac acagcccttt attattgtac aagaagggcc
tactatggta acccggcctg gtttgcttac tggggccaag ggactctggt
cactgtctct tccgcctcca ccaagggccc atcggtcttc cccctggcac
cctcctccaa gagcacctct gggggcacag cggccctggg ctgcctggtc
aaggactact tccccgaacc ggtgacggtg tcgtggaact caggcgccct
gaccagcggc gtgcacacct tcccggctgt cctacagtcc tcaggactct
actccctcag cagcgtggtg accgtgccct ccagcagctt gggcacccag
acctacatct gcaacgtgaa tcacaagccc agcaacacca aggtggacaa
gagagttgag cccaaatctt gtgacaaaac tcacacatgc ccaccgtgcc
cagcacctga agccgcgggg ggaccgtcag tcttcctctt ccccccaaaa
cccaaggaca ccctcatgat ctcccggacc cctgaggtca catgcgtggt
ggtggacgtg agccacgaag accctgaggt caagttcaac tggtacgtgg
acggcgtgga ggtgcataat gccaagacaa agccgcggga ggagcagtac
aacagcacgt accgtgtggt cagcgtcctc accgtcctgc accaggactg
gctgaatggc aaggagtaca agtgcaaggt ctccaacaaa gccctcccag
cccccatcga gaaaaccatc tccaaagcca aagggcagcc ccgagaacca
caggtgtaca ccctgccccc atcccgggag gagatgacca agaaccaggt
cagcctgagt tgcgcagtca aaggcttcta tcccagcgac atcgccgtgg
agtgggagag caatgggcag ccggagaaca actacaagac cacgcctccc
gtgctggact ccgacggctc cttcttcctc gtcagcaagc tcaccgtgga
caagagcagg tggcagcagg ggaacgtctt ctcatgctcc gtgatgcatg
aggctctgca caaccgctac acgcagaaga gcctctccct gtctccgggt
aaa
【0339】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号242):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISCRASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIFLSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YCQHSRDLPP
TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC
【0340】
配列番号242では、アミノ酸残基1〜111は、DR5 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対応し、残基112〜218は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0341】
配列番号242をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号243):
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgca gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatctttc tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgtcagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaacgtacgg tggctgcacc
atcggtcttc atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg
cctctgttgt gtgcctgctg aataacttct atcccagaga ggccaaagta
cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg ggtaactccc aggagagtgt
cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc agcaccctga
cgctgagcaa agcagactac gagaaacaca aagtctacgc ctgcgaagtc
acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga
gtgt
【0342】
J.EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1
4つのポリペプチド鎖からなる、更なる例示的な三重特異性結合分子を構成した。上記三重特異性結合分子は、EphA2 mAb 3のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにDR5 mAb 1のVL及びVHドメインを備え、従って「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号244):
DIVLTQSHRS MSTSVGDRVN ITCKASQDVT TAVAWYQQKP GQSPKLLIFW
ASTRHAGVPD RFTGSGSGTD FTLTISSVQA GDLALYYCQQ HYSTPYTFGG
GTKLEIKGGG SGGGGEVQLV ESGGGLVQPG GSLRLSCAAS GFTFSTYAMN
WVRQAPGKGL EWVGRIRSKY NNYATYYADS VKGRFTISRD DSKNSLYLQM
NSLKTEDTAV YYCVRHGNFG NSYVSWFAYW GQGTLVTVSS GGCGGGEVAA
LEKEVAALEK EVAALEKEVA ALEKGGGDKT HTCPPCPAPE AAGGPSVFLF
PPKPKDTLMI SRTPEVTCVV VDVSHEDPEV KFNWYVDGVE VHNAKTKPRE
EQYNSTYRVV SVLTVLHQDW LNGKEYKCKV SNKALPAPIE KTISKAKGQP
REPQVYTLPP SREEMTKNQV SLWCLVKGFY PSDIAVEWES NGQPENNYKT
TPPVLDSDGS FFLYSKLTVD KSRWQQGNVF SCSVMHEALH NHYTQKSLSL
SPGK
【0343】
配列番号244では、アミノ酸残基1〜107は、EphA2 mAb 3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号172)に対応し、残基108〜115は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基116〜240は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基241〜246は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基247〜274は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基275〜277はリンカーGGGであり、残基278〜287はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基288〜504は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0344】
配列番号244をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号245):
gacattgtgc tgacccagtc tcacagatcc atgtccacat cagtaggaga
cagggtcaac atcacctgca aggccagtca ggatgtgact actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaattact gattttctgg
gcatccaccc ggcacgctgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tttactctca ccatcagcag tgtgcaggct ggagacctgg
cactttatta ctgtcaacaa cattatagca caccgtacac attcggaggg
gggaccaagc tggaaataaa aggtggagga tccggcggcg gaggcgaggt
gcagctggtg gagtctgggg gaggcttggt ccagcctgga gggtccctga
gactctcctg tgcagcctct ggattcacct tcagcacata cgctatgaat
tgggtccgcc aggctccagg gaaggggctg gagtgggttg gaaggatcag
gtccaagtac aacaattatg caacctacta tgccgactct gtgaagggta
gattcaccat ctcaagagat gattcaaaga actcactgta tctgcaaatg
aacagcctga aaaccgagga cacggccgtg tattactgtg tgagacacgg
taacttcggc aattcttacg tgtcttggtt tgcttattgg ggacagggga
cactggtgac tgtgtcttcc ggaggatgtg gcggtggaga agtggccgca
ctggagaaag aggttgctgc tttggagaag gaggtcgctg cacttgaaaa
ggaggtcgca gccctggaga aaggcggcgg ggacaaaact cacacatgcc
caccgtgccc agcacctgaa gccgcggggg gaccgtcagt cttcctcttc
cccccaaaac ccaaggacac cctcatgatc tcccggaccc ctgaggtcac
atgcgtggtg gtggacgtga gccacgaaga ccctgaggtc aagttcaact
ggtacgtgga cggcgtggag gtgcataatg ccaagacaaa gccgcgggag
gagcagtaca acagcacgta ccgtgtggtc agcgtcctca ccgtcctgca
ccaggactgg ctgaatggca aggagtacaa gtgcaaggtc tccaacaaag
ccctcccagc ccccatcgag aaaaccatct ccaaagccaa agggcagccc
cgagaaccac aggtgtacac cctgccccca tcccgggagg agatgaccaa
gaaccaggtc agcctgtggt gcctggtcaa aggcttctat cccagcgaca
tcgccgtgga gtgggagagc aatgggcagc cggagaacaa ctacaagacc
acgcctcccg tgctggactc cgacggctcc ttcttcctct acagcaagct
caccgtggac aagagcaggt ggcagcaggg gaacgtcttc tcatgctccg
tgatgcatga ggctctgcac aaccactaca cgcagaagag cctctccctg
tctccgggta aa
【0345】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号246):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGEV QLVESGGGSV KPGGSLKLSC AASGFTFTDH
YMYWVRQTPE KRLEWVATIS DGGSFTSYPD SVKGRFTISR DIAKNNLYLQ
MSSLKSEDTA MYYCTRDESD RPFPYWGQGT LVTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0346】
配列番号246では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 3のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号177)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0347】
配列番号246をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号247):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggagaagtg cagctggtgg agtctggggg aggctcagtg aagcctggag
ggtccctgaa actctcctgt gcagcctctg gattcacttt cactgaccat
tacatgtatt gggttcgcca gactccggaa aagaggctgg agtgggtcgc
aaccattagt gatggcggta gtttcacctc ctatccagac agtgtgaagg
ggcgattcac catctccaga gacattgcca agaacaacct gtacctccaa
atgagcagtc tgaagtctga ggacacagcc atgtattact gtacaagaga
tgagagcgat aggccgtttc cttactgggg ccaagggact ctggtcactg
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0348】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号248):
EVKFLESGGG LVQPGGSLKL SCVASGFDFS RYWMSWVRQA PGKGLEWIGE
INPDSNTINY TPSLKDKFII SRDNAKNTLY LQMTKVRSED TALYYCTRRA
YYGNPAWFAY WGQGTLVTVS SASTKGPSVF PLAPSSKSTS GGTAALGCLV
KDYFPEPVTV SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTQ
TYICNVNHKP SNTKVDKRVE PKSCDKTHTC PPCPAPEAAG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREEQY
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPAPIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSRE EMTKNQVSLS CAVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL VSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNRY TQKSLSLSPG
K
【0349】
配列番号248では、アミノ酸残基1〜121は、DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)に対応し、残基122〜219は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基220〜234は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基235〜451は、「ホール担持」CH2〜CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0350】
配列番号248をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号249):
gaggtgaagt ttctcgagtc tggaggtggc ctggtgcagc ctggaggatc
cctgaaactc tcctgtgtag cctcaggatt cgattttagt agatactgga
tgagttgggt ccggcaggct ccagggaaag ggctagaatg gattggagaa
attaatccag atagcaatac gataaactat acgccatctc taaaggataa
attcatcatc tccagagaca acgccaaaaa tacgctgtat ctgcaaatga
ccaaagtgag atctgaggac acagcccttt attattgtac aagaagggcc
tactatggta acccggcctg gtttgcttac tggggccaag ggactctggt
cactgtctct tccgcctcca ccaagggccc atcggtcttc cccctggcac
cctcctccaa gagcacctct gggggcacag cggccctggg ctgcctggtc
aaggactact tccccgaacc ggtgacggtg tcgtggaact caggcgccct
gaccagcggc gtgcacacct tcccggctgt cctacagtcc tcaggactct
actccctcag cagcgtggtg accgtgccct ccagcagctt gggcacccag
acctacatct gcaacgtgaa tcacaagccc agcaacacca aggtggacaa
gagagttgag cccaaatctt gtgacaaaac tcacacatgc ccaccgtgcc
cagcacctga agccgcgggg ggaccgtcag tcttcctctt ccccccaaaa
cccaaggaca ccctcatgat ctcccggacc cctgaggtca catgcgtggt
ggtggacgtg agccacgaag accctgaggt caagttcaac tggtacgtgg
acggcgtgga ggtgcataat gccaagacaa agccgcggga ggagcagtac
aacagcacgt accgtgtggt cagcgtcctc accgtcctgc accaggactg
gctgaatggc aaggagtaca agtgcaaggt ctccaacaaa gccctcccag
cccccatcga gaaaaccatc tccaaagcca aagggcagcc ccgagaacca
caggtgtaca ccctgccccc atcccgggag gagatgacca agaaccaggt
cagcctgagt tgcgcagtca aaggcttcta tcccagcgac atcgccgtgg
agtgggagag caatgggcag ccggagaaca actacaagac cacgcctccc
gtgctggact ccgacggctc cttcttcctc gtcagcaagc tcaccgtgga
caagagcagg tggcagcagg ggaacgtctt ctcatgctcc gtgatgcatg
aggctctgca caaccgctac acgcagaaga gcctctccct gtctccgggt
aaa
【0351】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号250):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISCRASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIFLSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YCQHSRDLPP
TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC
【0352】
配列番号250では、アミノ酸残基1〜111は、DR5 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対応し、残基112〜218は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0353】
配列番号250をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号251):
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgca gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatctttc tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgtcagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaacgtacgg tggctgcacc
atcggtcttc atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg
cctctgttgt gtgcctgctg aataacttct atcccagaga ggccaaagta
cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg ggtaactccc aggagagtgt
cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc agcaccctga
cgctgagcaa agcagactac gagaaacaca aagtctacgc ctgcgaagtc
acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga
gtgt
【0354】
上述の例示的な三重特異性結合分子は、各結合ドメインに関して3つの軽鎖(VL)CDR及び3つの重鎖(VH)CDRを備えるが、本発明は:
(1)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインのCDRのうちの少なくとも1つ;
(2)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインのCDRのうちの少なくとも2つ;
(3)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインの3つのCDR;
(4)いずれの上述の結合ドメインのVHドメインのCDRのうちの少なくとも1つ;
(5)いずれの上述の結合ドメインのVHドメインのCDRのうちの少なくとも2つ;
(6)いずれの上述の結合ドメインのVHドメインの3つのCDR;
(7)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインのCDRのうちの少なくとも1つ、及び当該結合ドメインのVHドメインのCDRのうちの少なくとも1つ;
(8)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインのCDRのうちの少なくとも2つ、及び当該結合ドメインのVHドメインのCDRのうちの少なくとも2つ;
(9)いずれの上述の結合ドメインのVLドメインの3つのCDR、及び当該結合ドメインのVHドメインの3つのCDR;
(10)いずれの上述の結合ドメインのVLドメイン;
(11)いずれの上述の結合ドメインのVHドメイン;又は
(12)いずれの上述の結合ドメインのVL及びVHドメイン
を有する三重特異性結合分子も含むことが理解されるだろう。
【0355】
K.gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1
gpA33 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにEphA2 mAb 1のVL及びVHドメインを備える、4つのポリペプチド鎖からなる三重特異性結合分子を構成した。従って上記三重特異性結合分子は「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号252):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0356】
配列番号252では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0357】
配列番号252をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号253):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaaggg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
【0358】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号254):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KASGYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIGRIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCARIYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSGGC GGGKVAALKE
KVAALKEKVA ALKEKVAALK E
【0359】
配列番号254では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜243は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基244〜271はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0360】
配列番号254をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号255):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtc cagctggtcc agagcggggc cgaagtcaaa aaacccggag
caagcgtgaa ggtctcctgc aaagcatcag gctatacatt tacaggcagc
tggatgaact gggtgaggca ggctccagga cagggactgg agtggatcgg
gcgcatctac cctggagacg gcgaaactaa ctataatgga aagttcaaag
accgagtgac catcacagcc gataagtcta ctagtaccgc ctacatggag
ctgagctccc tgcggtctga agataccgcc gtctactatt gcgctagaat
ttacggaaac aatgtctatt ttgacgtgtg ggggcaggga acaactgtga
ctgtctcctc cggaggatgt ggcggtggaa aagtggccgc actgaaggag
aaagttgctg ctttgaaaga gaaggtcgcc gcacttaagg aaaaggtcgc
agccctgaaa gag
【0361】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号256):
QVQLKESGPG LVAPSQSLSI TCTVSGFSLS RYSVHWVRQP PGKGLEWLGM
IWGGGSTDYN SALKSRLSIS KDNSKSQVFL KMNSLQTDDT AMYYCARKHG
NYYTMDYWGQ GTSVTVSSAS TKGPSVFPLA PSSKSTSGGT AALGCLVKDY
FPEPVTVSWN SGALTSGVHT FPAVLQSSGL YSLSSVVTVP SSSLGTQTYI
CNVNHKPSNT KVDKRVEPKS CDKTHTCPPC PAPEAAGGPS VFLFPPKPKD
TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT KPREEQYNST
YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA KGQPREPQVY
TLPPSREEMT KNQVSLSCAV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD
SDGSFFLVSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNRYTQK SLSLSPGK
【0362】
配列番号256では、アミノ酸残基1〜118は、EphA2 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号158)に対応し、残基119〜216は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基217〜231は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基232〜448は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0363】
配列番号256をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号257):
caggtgcagc tgaaggagtc aggacctggc ctggtggcac cctcacagag
cctgtccatc acatgcactg tctctgggtt ctcattatcc agatatagtg
tacactgggt tcgccagcct ccaggaaagg gtctggagtg gctgggaatg
atatggggtg gtggaagcac agactataat tcagctctca aatccagact
gagtatcagc aaggacaact ccaagagcca agttttctta aaaatgaaca
gtctgcaaac tgatgacaca gccatgtact actgtgccag aaaacatggt
aactactata ctatggacta ctggggtcaa ggaacctcag tcaccgtctc
ctccgcctcc accaagggcc catcggtctt ccccctggca ccctcctcca
agagcacctc tgggggcaca gcggccctgg gctgcctggt caaggactac
ttccccgaac cggtgacggt gtcgtggaac tcaggcgccc tgaccagcgg
cgtgcacacc ttcccggctg tcctacagtc ctcaggactc tactccctca
gcagcgtggt gaccgtgccc tccagcagct tgggcaccca gacctacatc
tgcaacgtga atcacaagcc cagcaacacc aaggtggaca agagagttga
gcccaaatct tgtgacaaaa ctcacacatg cccaccgtgc ccagcacctg
aagccgcggg gggaccgtca gtcttcctct tccccccaaa acccaaggac
accctcatga tctcccggac ccctgaggtc acatgcgtgg tggtggacgt
gagccacgaa gaccctgagg tcaagttcaa ctggtacgtg gacggcgtgg
aggtgcataa tgccaagaca aagccgcggg aggagcagta caacagcacg
taccgtgtgg tcagcgtcct caccgtcctg caccaggact ggctgaatgg
caaggagtac aagtgcaagg tctccaacaa agccctccca gcccccatcg
agaaaaccat ctccaaagcc aaagggcagc cccgagaacc acaggtgtac
accctgcccc catcccggga ggagatgacc aagaaccagg tcagcctgag
ttgcgcagtc aaaggcttct atcccagcga catcgccgtg gagtgggaga
gcaatgggca gccggagaac aactacaaga ccacgcctcc cgtgctggac
tccgacggct ccttcttcct cgtcagcaag ctcaccgtgg acaagagcag
gtggcagcag gggaacgtct tctcatgctc cgtgatgcat gaggctctgc
acaaccgcta cacgcagaag agcctctccc tgtctccggg taaa
【0364】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号258):
DIQMTQTTSS LSASLGDRIT ISCRASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKLLIYY
TSRLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTISNLEQ EDIATYFCQQ GYTLYTFGGG
TKLEIKRTVA APSVFIFPPS DEQLKSGTAS VVCLLNNFYP REAKVQWKVD
NALQSGNSQE SVTEQDSKDS TYSLSSTLTL SKADYEKHKV YACEVTHQGL
SSPVTKSFNR GEC
【0365】
配列番号258では、アミノ酸残基1〜106は、EphA2 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号153)に対応し、残基107〜213は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0366】
配列番号258をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号259):
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga
cagaatcacc atcagttgca gggcaagtca ggacattagc aattatttaa
actggtatca gcagaaacca gatggaactg ttaaactcct gatctactac
acatcaagat tacactcagg agtcccatca aggttcagtg gcagtgggtc
tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa gaagatattg
ccacttactt ttgccaacag ggttatacgc tgtacacgtt cggagggggg
accaagctgg aaataaaacg tacggtggct gcaccatcgg tcttcatctt
cccgccatct gatgagcagt tgaaatctgg aactgcctct gttgtgtgcc
tgctgaataa cttctatccc agagaggcca aagtacagtg gaaggtggat
aacgccctcc aatcgggtaa ctcccaggag agtgtcacag agcaggacag
caaggacagc acctacagcc tcagcagcac cctgacgctg agcaaagcag
actacgagaa acacaaagtc tacgcctgcg aagtcaccca tcagggcctg
agctcgcccg tcacaaagag cttcaacagg ggagagtgt
【0367】
L.gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2
gpA33 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにEphA2 mAb 2のVL及びVHドメインを備える、4つのポリペプチド鎖からなる三重特異性結合分子を構成した。従って上記三重特異性結合分子は、「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号260):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0368】
配列番号260では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0369】
配列番号260をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号261):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaaggg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
【0370】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号262):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KASGYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIGRIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCARIYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSGGC GGGKVAALKE
KVAALKEKVA ALKEKVAALK E
【0371】
配列番号262では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜243は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基244〜271はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0372】
配列番号262をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号263):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtc cagctggtcc agagcggggc cgaagtcaaa aaacccggag
caagcgtgaa ggtctcctgc aaagcatcag gctatacatt tacaggcagc
tggatgaact gggtgaggca ggctccagga cagggactgg agtggatcgg
gcgcatctac cctggagacg gcgaaactaa ctataatgga aagttcaaag
accgagtgac catcacagcc gataagtcta ctagtaccgc ctacatggag
ctgagctccc tgcggtctga agataccgcc gtctactatt gcgctagaat
ttacggaaac aatgtctatt ttgacgtgtg ggggcaggga acaactgtga
ctgtctcctc cggaggatgt ggcggtggaa aagtggccgc actgaaggag
aaagttgctg ctttgaaaga gaaggtcgcc gcacttaagg aaaaggtcgc
agccctgaaa gag
【0373】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号264):
QIQLVQSGPE LKKPGETVKI SCKASGFTFT NYGMNWVKQA PGKGLKWMGW
INTYIGEPTY ADDFKGRFVF SLETSASTAY LQINNLKNED MATYFCAREL
GPYYFDYWGQ GTTLTVSSAS TKGPSVFPLA PSSKSTSGGT AALGCLVKDY
FPEPVTVSWN SGALTSGVHT FPAVLQSSGL YSLSSVVTVP SSSLGTQTYI
CNVNHKPSNT KVDKRVEPKS CDKTHTCPPC PAPEAAGGPS VFLFPPKPKD
TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT KPREEQYNST
YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA KGQPREPQVY
TLPPSREEMT KNQVSLSCAV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD
SDGSFFLVSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNRYTQK SLSLSPGK
【0374】
配列番号264では、アミノ酸残基1〜118は、EphA2 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号167)に対応し、残基119〜216は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基217〜231は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基232〜448は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0375】
配列番号264をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号265):
cagatccagt tggtgcagtc tggacctgag ctgaagaagc ctggagagac
agtcaagatc tcctgcaagg cttctgggtt taccttcaca aactatggaa
tgaactgggt gaagcaggct ccaggaaagg gtttaaagtg gatgggctgg
ataaacacct atattggaga gccgacatat gctgatgact tcaagggacg
gtttgtcttc tctttggaaa cctctgccag cactgcctat ttgcagatca
acaacctcaa aaatgaggac atggccacat atttctgtgc aagagaactg
ggaccatact actttgacta ctggggccaa ggcaccactc tcacagtctc
ctccgcctcc accaagggcc catcggtctt ccccctggca ccctcctcca
agagcacctc tgggggcaca gcggccctgg gctgcctggt caaggactac
ttccccgaac cggtgacggt gtcgtggaac tcaggcgccc tgaccagcgg
cgtgcacacc ttcccggctg tcctacagtc ctcaggactc tactccctca
gcagcgtggt gaccgtgccc tccagcagct tgggcaccca gacctacatc
tgcaacgtga atcacaagcc cagcaacacc aaggtggaca agagagttga
gcccaaatct tgtgacaaaa ctcacacatg cccaccgtgc ccagcacctg
aagccgcggg gggaccgtca gtcttcctct tccccccaaa acccaaggac
accctcatga tctcccggac ccctgaggtc acatgcgtgg tggtggacgt
gagccacgaa gaccctgagg tcaagttcaa ctggtacgtg gacggcgtgg
aggtgcataa tgccaagaca aagccgcggg aggagcagta caacagcacg
taccgtgtgg tcagcgtcct caccgtcctg caccaggact ggctgaatgg
caaggagtac aagtgcaagg tctccaacaa agccctccca gcccccatcg
agaaaaccat ctccaaagcc aaagggcagc cccgagaacc acaggtgtac
accctgcccc catcccggga ggagatgacc aagaaccagg tcagcctgag
ttgcgcagtc aaaggcttct atcccagcga catcgccgtg gagtgggaga
gcaatgggca gccggagaac aactacaaga ccacgcctcc cgtgctggac
tccgacggct ccttcttcct cgtcagcaag ctcaccgtgg acaagagcag
gtggcagcag gggaacgtct tctcatgctc cgtgatgcat gaggctctgc
acaaccgcta cacgcagaag agcctctccc tgtctccggg taaa
【0376】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2 の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号266):
DVVMTQTPLS LPVSLGDQAS ISCRSSQSLV HSSGNTYLHW YLQKPGQSPK
LLIYKVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFCSQSTHVP
TFGSGTKLEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV
THQGLSSPVT KSFNRGEC
【0377】
配列番号266では、アミノ酸残基1〜111は、EphA2 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号163)に対応し、残基112〜218は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0378】
配列番号266をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号267):
gatgttgtga tgacccaaac tccactctcc ctgcctgtca gtcttggaga
tcaagcctcc atctcttgca gatctagtca gagccttgta cacagtagtg
gaaacaccta tttacattgg tacctgcaga agccaggcca gtctccaaag
ctcctgatct acaaagtttc caaccgattt tctggggtcc cagacaggtt
cagtggcagt ggatcaggga cagatttcac actcaagatc agcagagtgg
aggctgagga tctgggagtt tatttctgct ctcaaagtac acatgttccc
acgttcggct cggggacaaa gttggaaata aaacgtacgg tggctgcacc
atcggtcttc atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg
cctctgttgt gtgcctgctg aataacttct atcccagaga ggccaaagta
cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg ggtaactccc aggagagtgt
cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc agcaccctga
cgctgagcaa agcagactac gagaaacaca aagtctacgc ctgcgaagtc
acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga
gtgt
【0379】
M.gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3
gpA33 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2 のVL及びVHドメイン、並びにEphA2 mAb 3のVL及びVHドメインを備える、4つのポリペプチド鎖からなる三重特異性結合分子を構成した。従って上記三重特異性結合分子は「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号268):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0380】
配列番号268では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0381】
配列番号268をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号269):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaaggg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
【0382】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号270):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KASGYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIGRIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCARIYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSGGC GGGKVAALKE
KVAALKEKVA ALKEKVAALK E
【0383】
配列番号270では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜243は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基244〜271はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0384】
配列番号270をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号271):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtc cagctggtcc agagcggggc cgaagtcaaa aaacccggag
caagcgtgaa ggtctcctgc aaagcatcag gctatacatt tacaggcagc
tggatgaact gggtgaggca ggctccagga cagggactgg agtggatcgg
gcgcatctac cctggagacg gcgaaactaa ctataatgga aagttcaaag
accgagtgac catcacagcc gataagtcta ctagtaccgc ctacatggag
ctgagctccc tgcggtctga agataccgcc gtctactatt gcgctagaat
ttacggaaac aatgtctatt ttgacgtgtg ggggcaggga acaactgtga
ctgtctcctc cggaggatgt ggcggtggaa aagtggccgc actgaaggag
aaagttgctg ctttgaaaga gaaggtcgcc gcacttaagg aaaaggtcgc
agccctgaaa gag
【0385】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号272):
EVQLVESGGG SVKPGGSLKL SCAASGFTFT DHYMYWVRQT PEKRLEWVAT
ISDGGSFTSY PDSVKGRFTI SRDIAKNNLY LQMSSLKSED TAMYYCTRDE
SDRPFPYWGQ GTLVTVSSAS TKGPSVFPLA PSSKSTSGGT AALGCLVKDY
FPEPVTVSWN SGALTSGVHT FPAVLQSSGL YSLSSVVTVP SSSLGTQTYI
CNVNHKPSNT KVDKRVEPKS CDKTHTCPPC PAPEAAGGPS VFLFPPKPKD
TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT KPREEQYNST
YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA KGQPREPQVY
TLPPSREEMT KNQVSLSCAV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD
SDGSFFLVSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNRYTQK SLSLSPGK
【0386】
配列番号272では、アミノ酸残基1〜118は、EphA2 mAb 3のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号177)に対応し、残基119〜216は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基217〜231は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基232〜448は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0387】
配列番号272をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号273):
gaagtgcagc tggtggagtc tgggggaggc tcagtgaagc ctggagggtc
cctgaaactc tcctgtgcag cctctggatt cactttcact gaccattaca
tgtattgggt tcgccagact ccggaaaaga ggctggagtg ggtcgcaacc
attagtgatg gcggtagttt cacctcctat ccagacagtg tgaaggggcg
attcaccatc tccagagaca ttgccaagaa caacctgtac ctccaaatga
gcagtctgaa gtctgaggac acagccatgt attactgtac aagagatgag
agcgataggc cgtttcctta ctggggccaa gggactctgg tcactgtctc
ctccgcctcc accaagggcc catcggtctt ccccctggca ccctcctcca
agagcacctc tgggggcaca gcggccctgg gctgcctggt caaggactac
ttccccgaac cggtgacggt gtcgtggaac tcaggcgccc tgaccagcgg
cgtgcacacc ttcccggctg tcctacagtc ctcaggactc tactccctca
gcagcgtggt gaccgtgccc tccagcagct tgggcaccca gacctacatc
tgcaacgtga atcacaagcc cagcaacacc aaggtggaca agagagttga
gcccaaatct tgtgacaaaa ctcacacatg cccaccgtgc ccagcacctg
aagccgcggg gggaccgtca gtcttcctct tccccccaaa acccaaggac
accctcatga tctcccggac ccctgaggtc acatgcgtgg tggtggacgt
gagccacgaa gaccctgagg tcaagttcaa ctggtacgtg gacggcgtgg
aggtgcataa tgccaagaca aagccgcggg aggagcagta caacagcacg
taccgtgtgg tcagcgtcct caccgtcctg caccaggact ggctgaatgg
caaggagtac aagtgcaagg tctccaacaa agccctccca gcccccatcg
agaaaaccat ctccaaagcc aaagggcagc cccgagaacc acaggtgtac
accctgcccc catcccggga ggagatgacc aagaaccagg tcagcctgag
ttgcgcagtc aaaggcttct atcccagcga catcgccgtg gagtgggaga
gcaatgggca gccggagaac aactacaaga ccacgcctcc cgtgctggac
tccgacggct ccttcttcct cgtcagcaag ctcaccgtgg acaagagcag
gtggcagcag gggaacgtct tctcatgctc cgtgatgcat gaggctctgc
acaaccgcta cacgcagaag agcctctccc tgtctccggg taaa
【0388】
gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号274):
DIVLTQSHRS MSTSVGDRVN ITCKASQDVT TAVAWYQQKP GQSPKLLIFW
ASTRHAGVPD RFTGSGSGTD FTLTISSVQA GDLALYYCQQ HYSTPYTFGG
GTKLEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV
DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG
LSSPVTKSFN RGEC
【0389】
配列番号274では、アミノ酸残基1〜107は、EphA2 mAb 3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号172)に対応し、残基108〜214は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0390】
配列番号274をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号275):
gacattgtgc tgacccagtc tcacagatcc atgtccacat cagtaggaga
cagggtcaac atcacctgca aggccagtca ggatgtgact actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaattact gattttctgg
gcatccaccc ggcacgctgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tttactctca ccatcagcag tgtgcaggct ggagacctgg
cactttatta ctgtcaacaa cattatagca caccgtacac attcggaggg
gggaccaagc tggaaataaa acgtacggtg gctgcaccat cggtcttcat
cttcccgcca tctgatgagc agttgaaatc tggaactgcc tctgttgtgt
gcctgctgaa taacttctat cccagagagg ccaaagtaca gtggaaggtg
gataacgccc tccaatcggg taactcccag gagagtgtca cagagcagga
cagcaaggac agcacctaca gcctcagcag caccctgacg ctgagcaaag
cagactacga gaaacacaaa gtctacgcct gcgaagtcac ccatcagggc
ctgagctcgc ccgtcacaaa gagcttcaac aggggagagt gt
【0391】
N.EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1
代替的なEphA2/CD3/gpA33三重特異性結合分子を構成した。上記分子は4つのポリペプチド鎖からなり、EphA2 mAb 1のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにgpA33 mAb 1のVL及びVHドメインを備える。上記分子は「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号276):
DIQMTQTTSS LSASLGDRIT ISCRASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKLLIYY
TSRLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTISNLEQ EDIATYFCQQ GYTLYTFGGG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFSTYAMNW
VRQAPGKGLE WVGRIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVRHGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSG GCGGGEVAAL
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEKGGGDKTH TCPPCPAPEA AGGPSVFLFP
PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVK FNWYVDGVEV HNAKTKPREE
QYNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKALPAPIEK TISKAKGQPR
EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LWCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT
PPVLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS
PGK
【0392】
配列番号276では、アミノ酸残基1〜106は、EphA2 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号153)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜245は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基246〜273は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基274〜276はリンカーGGGであり、残基277〜286はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基287〜503は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0393】
配列番号276をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号277):
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga
cagaatcacc atcagttgca gggcaagtca ggacattagc aattatttaa
actggtatca gcagaaacca gatggaactg ttaaactcct gatctactac
acatcaagat tacactcagg agtcccatca aggttcagtg gcagtgggtc
tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa gaagatattg
ccacttactt ttgccaacag ggttatacgc tgtacacgtt cggagggggg
accaagctgg aaataaaagg tggaggatcc ggcggcggag gcgaggtgca
gctggtggag tctgggggag gcttggtcca gcctggaggg tccctgagac
tctcctgtgc agcctctgga ttcaccttca gcacatacgc tatgaattgg
gtccgccagg ctccagggaa ggggctggag tgggttggaa ggatcaggtc
caagtacaac aattatgcaa cctactatgc cgactctgtg aagggtagat
tcaccatctc aagagatgat tcaaagaact cactgtatct gcaaatgaac
agcctgaaaa ccgaggacac ggccgtgtat tactgtgtga gacacggtaa
cttcggcaat tcttacgtgt cttggtttgc ttattgggga caggggacac
tggtgactgt gtcttccgga ggatgtggcg gtggagaagt ggccgcactg
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaag gcggcgggga caaaactcac acatgcccac
cgtgcccagc acctgaagcc gcggggggac cgtcagtctt cctcttcccc
ccaaaaccca aggacaccct catgatctcc cggacccctg aggtcacatg
cgtggtggtg gacgtgagcc acgaagaccc tgaggtcaag ttcaactggt
acgtggacgg cgtggaggtg cataatgcca agacaaagcc gcgggaggag
cagtacaaca gcacgtaccg tgtggtcagc gtcctcaccg tcctgcacca
ggactggctg aatggcaagg agtacaagtg caaggtctcc aacaaagccc
tcccagcccc catcgagaaa accatctcca aagccaaagg gcagccccga
gaaccacagg tgtacaccct gcccccatcc cgggaggaga tgaccaagaa
ccaggtcagc ctgtggtgcc tggtcaaagg cttctatccc agcgacatcg
ccgtggagtg ggagagcaat gggcagccgg agaacaacta caagaccacg
cctcccgtgc tggactccga cggctccttc ttcctctaca gcaagctcac
cgtggacaag agcaggtggc agcaggggaa cgtcttctca tgctccgtga
tgcatgaggc tctgcacaac cactacacgc agaagagcct ctccctgtct
ccgggtaaa
【0394】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号278):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLKESGPGLV APSQSLSITC TVSGFSLSRY
SVHWVRQPPG KGLEWLGMIW GGGSTDYNSA LKSRLSISKD NSKSQVFLKM
NSLQTDDTAM YYCARKHGNY YTMDYWGQGT SVTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0395】
配列番号278では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号158)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0396】
配列番号278をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号279):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacaggtg cagctgaagg agtcaggacc tggcctggtg gcaccctcac
agagcctgtc catcacatgc actgtctctg ggttctcatt atccagatat
agtgtacact gggttcgcca gcctccagga aagggtctgg agtggctggg
aatgatatgg ggtggtggaa gcacagacta taattcagct ctcaaatcca
gactgagtat cagcaaggac aactccaaga gccaagtttt cttaaaaatg
aacagtctgc aaactgatga cacagccatg tactactgtg ccagaaaaca
tggtaactac tatactatgg actactgggg tcaaggaacc tcagtcaccg
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0397】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号280):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT GSWMNWVRQA PGQGLEWIGR
IYPGDGETNY NGKFKDRVTI TADKSTSTAY MELSSLRSED TAVYYCARIY
GNNVYFDVWG QGTTVTVSSA STKGPSVFPL APSSKSTSGG TAALGCLVKD
YFPEPVTVSW NSGALTSGVH TFPAVLQSSG LYSLSSVVTV PSSSLGTQTY
ICNVNHKPSN TKVDKRVEPK SCDKTHTCPP CPAPEAAGGP SVFLFPPKPK
DTLMISRTPE VTCVVVDVSH EDPEVKFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQYNS
TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKAL PAPIEKTISK AKGQPREPQV
YTLPPSREEM TKNQVSLSCA VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
DSDGSFFLVS KLTVDKSRWQ QGNVFSCSVM HEALHNRYTQ KSLSLSPGK
【0398】
配列番号280では、アミノ酸残基1〜119は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基120〜217は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基218〜232は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基233〜449は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0399】
配列番号280をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号281):
caggtccagc tggtccagag cggggccgaa gtcaaaaaac ccggagcaag
cgtgaaggtc tcctgcaaag catcaggcta tacatttaca ggcagctgga
tgaactgggt gaggcaggct ccaggacagg gactggagtg gatcgggcgc
atctaccctg gagacggcga aactaactat aatggaaagt tcaaagaccg
agtgaccatc acagccgata agtctactag taccgcctac atggagctga
gctccctgcg gtctgaagat accgccgtct actattgcgc tagaatttac
ggaaacaatg tctattttga cgtgtggggg cagggaacaa ctgtgactgt
ctcctccgcc tccaccaagg gcccatcggt cttccccctg gcaccctcct
ccaagagcac ctctgggggc acagcggccc tgggctgcct ggtcaaggac
tacttccccg aaccggtgac ggtgtcgtgg aactcaggcg ccctgaccag
cggcgtgcac accttcccgg ctgtcctaca gtcctcagga ctctactccc
tcagcagcgt ggtgaccgtg ccctccagca gcttgggcac ccagacctac
atctgcaacg tgaatcacaa gcccagcaac accaaggtgg acaagagagt
tgagcccaaa tcttgtgaca aaactcacac atgcccaccg tgcccagcac
ctgaagccgc ggggggaccg tcagtcttcc tcttcccccc aaaacccaag
gacaccctca tgatctcccg gacccctgag gtcacatgcg tggtggtgga
cgtgagccac gaagaccctg aggtcaagtt caactggtac gtggacggcg
tggaggtgca taatgccaag acaaagccgc gggaggagca gtacaacagc
acgtaccgtg tggtcagcgt cctcaccgtc ctgcaccagg actggctgaa
tggcaaggag tacaagtgca aggtctccaa caaagccctc ccagccccca
tcgagaaaac catctccaaa gccaaagggc agccccgaga accacaggtg
tacaccctgc ccccatcccg ggaggagatg accaagaacc aggtcagcct
gagttgcgca gtcaaaggct tctatcccag cgacatcgcc gtggagtggg
agagcaatgg gcagccggag aacaactaca agaccacgcc tcccgtgctg
gactccgacg gctccttctt cctcgtcagc aagctcaccg tggacaagag
caggtggcag caggggaacg tcttctcatg ctccgtgatg catgaggctc
tgcacaaccg ctacacgcag aagagcctct ccctgtctcc gggtaaa
【0400】
EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号282):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKRTVA APSVFIFPPS DEQLKSGTAS VVCLLNNFYP REAKVQWKVD
NALQSGNSQE SVTEQDSKDS TYSLSSTLTL SKADYEKHKV YACEVTHQGL
SSPVTKSFNR GEC
【0401】
配列番号282では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜213は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0402】
配列番号282をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号283):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaagcg tacggtggct gcaccatcgg tcttcatctt
cccgccatct gatgagcagt tgaaatctgg aactgcctct gttgtgtgcc
tgctgaataa cttctatccc agagaggcca aagtacagtg gaaggtggat
aacgccctcc aatcgggtaa ctcccaggag agtgtcacag agcaggacag
caaggacagc acctacagcc tcagcagcac cctgacgctg agcaaagcag
actacgagaa acacaaagtc tacgcctgcg aagtcaccca tcagggcctg
agctcgcccg tcacaaagag cttcaacagg ggagagtgt
【0403】
O.EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1
第2の代替的なEphA2/CD3/gpA33三重特異性結合分子を構成した。上記分子は4つのポリペプチド鎖からなり、EphA2 mAb 2のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにgpA33 mAb 1のVL及びVHドメインを備える。上記分子は「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号284):
DVVMTQTPLS LPVSLGDQAS ISCRSSQSLV HSSGNTYLHW YLQKPGQSPK
LLIYKVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFCSQSTHVP
TFGSGTKLEI KGGGSGGGGE VQLVESGGGL VQPGGSLRLS CAASGFTFST
YAMNWVRQAP GKGLEWVGRI RSKYNNYATY YADSVKGRFT ISRDDSKNSL
YLQMNSLKTE DTAVYYCVRH GNFGNSYVSW FAYWGQGTLV TVSSGGCGGG
EVAALEKEVA ALEKEVAALE KEVAALEKGG GDKTHTCPPC PAPEAAGGPS
VFLFPPKPKD TLMISRTPEV TCVVVDVSHE DPEVKFNWYV DGVEVHNAKT
KPREEQYNST YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKALP APIEKTISKA
KGQPREPQVY TLPPSREEMT KNQVSLWCLV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN
NYKTTPPVLD SDGSFFLYSK LTVDKSRWQQ GNVFSCSVMH EALHNHYTQK
SLSLSPGK
【0404】
配列番号284では、アミノ酸残基1〜111は、EphA2 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号163)に対応し、残基112〜119は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基120〜244は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基245〜250は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基251〜278は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基279〜281はリンカーGGGであり、残基282〜291はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基292〜508は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0405】
配列番号284をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号285):
gatgttgtga tgacccaaac tccactctcc ctgcctgtca gtcttggaga
tcaagcctcc atctcttgca gatctagtca gagccttgta cacagtagtg
gaaacaccta tttacattgg tacctgcaga agccaggcca gtctccaaag
ctcctgatct acaaagtttc caaccgattt tctggggtcc cagacaggtt
cagtggcagt ggatcaggga cagatttcac actcaagatc agcagagtgg
aggctgagga tctgggagtt tatttctgct ctcaaagtac acatgttccc
acgttcggct cggggacaaa gttggaaata aaaggtggag gatccggcgg
cggaggcgag gtgcagctgg tggagtctgg gggaggcttg gtccagcctg
gagggtccct gagactctcc tgtgcagcct ctggattcac cttcagcaca
tacgctatga attgggtccg ccaggctcca gggaaggggc tggagtgggt
tggaaggatc aggtccaagt acaacaatta tgcaacctac tatgccgact
ctgtgaaggg tagattcacc atctcaagag atgattcaaa gaactcactg
tatctgcaaa tgaacagcct gaaaaccgag gacacggccg tgtattactg
tgtgagacac ggtaacttcg gcaattctta cgtgtcttgg tttgcttatt
ggggacaggg gacactggtg actgtgtctt ccggaggatg tggcggtgga
gaagtggccg cactggagaa agaggttgct gctttggaga aggaggtcgc
tgcacttgaa aaggaggtcg cagccctgga gaaaggcggc ggggacaaaa
ctcacacatg cccaccgtgc ccagcacctg aagccgcggg gggaccgtca
gtcttcctct tccccccaaa acccaaggac accctcatga tctcccggac
ccctgaggtc acatgcgtgg tggtggacgt gagccacgaa gaccctgagg
tcaagttcaa ctggtacgtg gacggcgtgg aggtgcataa tgccaagaca
aagccgcggg aggagcagta caacagcacg taccgtgtgg tcagcgtcct
caccgtcctg caccaggact ggctgaatgg caaggagtac aagtgcaagg
tctccaacaa agccctccca gcccccatcg agaaaaccat ctccaaagcc
aaagggcagc cccgagaacc acaggtgtac accctgcccc catcccggga
ggagatgacc aagaaccagg tcagcctgtg gtgcctggtc aaaggcttct
atcccagcga catcgccgtg gagtgggaga gcaatgggca gccggagaac
aactacaaga ccacgcctcc cgtgctggac tccgacggct ccttcttcct
ctacagcaag ctcaccgtgg acaagagcag gtggcagcag gggaacgtct
tctcatgctc cgtgatgcat gaggctctgc acaaccacta cacgcagaag
agcctctccc tgtctccggg taaa
【0406】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号286):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQI QLVQSGPELK KPGETVKISC KASGFTFTNY
GMNWVKQAPG KGLKWMGWIN TYIGEPTYAD DFKGRFVFSL ETSASTAYLQ
INNLKNEDMA TYFCARELGP YYFDYWGQGT TLTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0407】
配列番号286では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号167)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0408】
配列番号286をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号287):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggacagatc cagttggtgc agtctggacc tgagctgaag aagcctggag
agacagtcaa gatctcctgc aaggcttctg ggtttacctt cacaaactat
ggaatgaact gggtgaagca ggctccagga aagggtttaa agtggatggg
ctggataaac acctatattg gagagccgac atatgctgat gacttcaagg
gacggtttgt cttctctttg gaaacctctg ccagcactgc ctatttgcag
atcaacaacc tcaaaaatga ggacatggcc acatatttct gtgcaagaga
actgggacca tactactttg actactgggg ccaaggcacc actctcacag
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0409】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号288):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT GSWMNWVRQA PGQGLEWIGR
IYPGDGETNY NGKFKDRVTI TADKSTSTAY MELSSLRSED TAVYYCARIY
GNNVYFDVWG QGTTVTVSSA STKGPSVFPL APSSKSTSGG TAALGCLVKD
YFPEPVTVSW NSGALTSGVH TFPAVLQSSG LYSLSSVVTV PSSSLGTQTY
ICNVNHKPSN TKVDKRVEPK SCDKTHTCPP CPAPEAAGGP SVFLFPPKPK
DTLMISRTPE VTCVVVDVSH EDPEVKFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQYNS
TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKAL PAPIEKTISK AKGQPREPQV
YTLPPSREEM TKNQVSLSCA VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
DSDGSFFLVS KLTVDKSRWQ QGNVFSCSVM HEALHNRYTQ KSLSLSPGK
【0410】
配列番号288では、アミノ酸残基1〜119は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基120〜217は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基218〜232は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基233〜449は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0411】
配列番号288をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号289):
caggtccagc tggtccagag cggggccgaa gtcaaaaaac ccggagcaag
cgtgaaggtc tcctgcaaag catcaggcta tacatttaca ggcagctgga
tgaactgggt gaggcaggct ccaggacagg gactggagtg gatcgggcgc
atctaccctg gagacggcga aactaactat aatggaaagt tcaaagaccg
agtgaccatc acagccgata agtctactag taccgcctac atggagctga
gctccctgcg gtctgaagat accgccgtct actattgcgc tagaatttac
ggaaacaatg tctattttga cgtgtggggg cagggaacaa ctgtgactgt
ctcctccgcc tccaccaagg gcccatcggt cttccccctg gcaccctcct
ccaagagcac ctctgggggc acagcggccc tgggctgcct ggtcaaggac
tacttccccg aaccggtgac ggtgtcgtgg aactcaggcg ccctgaccag
cggcgtgcac accttcccgg ctgtcctaca gtcctcagga ctctactccc
tcagcagcgt ggtgaccgtg ccctccagca gcttgggcac ccagacctac
atctgcaacg tgaatcacaa gcccagcaac accaaggtgg acaagagagt
tgagcccaaa tcttgtgaca aaactcacac atgcccaccg tgcccagcac
ctgaagccgc ggggggaccg tcagtcttcc tcttcccccc aaaacccaag
gacaccctca tgatctcccg gacccctgag gtcacatgcg tggtggtgga
cgtgagccac gaagaccctg aggtcaagtt caactggtac gtggacggcg
tggaggtgca taatgccaag acaaagccgc gggaggagca gtacaacagc
acgtaccgtg tggtcagcgt cctcaccgtc ctgcaccagg actggctgaa
tggcaaggag tacaagtgca aggtctccaa caaagccctc ccagccccca
tcgagaaaac catctccaaa gccaaagggc agccccgaga accacaggtg
tacaccctgc ccccatcccg ggaggagatg accaagaacc aggtcagcct
gagttgcgca gtcaaaggct tctatcccag cgacatcgcc gtggagtggg
agagcaatgg gcagccggag aacaactaca agaccacgcc tcccgtgctg
gactccgacg gctccttctt cctcgtcagc aagctcaccg tggacaagag
caggtggcag caggggaacg tcttctcatg ctccgtgatg catgaggctc
tgcacaaccg ctacacgcag aagagcctct ccctgtctcc gggtaaa
【0412】
EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号290):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKRTVA APSVFIFPPS DEQLKSGTAS VVCLLNNFYP REAKVQWKVD
NALQSGNSQE SVTEQDSKDS TYSLSSTLTL SKADYEKHKV YACEVTHQGL
SSPVTKSFNR GEC
【0413】
配列番号290では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜213は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0414】
配列番号290をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号291):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaagcg tacggtggct gcaccatcgg tcttcatctt
cccgccatct gatgagcagt tgaaatctgg aactgcctct gttgtgtgcc
tgctgaataa cttctatccc agagaggcca aagtacagtg gaaggtggat
aacgccctcc aatcgggtaa ctcccaggag agtgtcacag agcaggacag
caaggacagc acctacagcc tcagcagcac cctgacgctg agcaaagcag
actacgagaa acacaaagtc tacgcctgcg aagtcaccca tcagggcctg
agctcgcccg tcacaaagag cttcaacagg ggagagtgt
【0415】
P.EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1
第3の代替的なEphA2/CD3/gpA33三重特異性結合分子を構成した。上記分子は4つのポリペプチド鎖からなり、EphA2 mAb 3のVL及びVHドメイン、抗体CD3 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにgpA33 mAb 1のVL及びVHドメインを備える。上記分子は「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」と称した。この三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号292):
DIVLTQSHRS MSTSVGDRVN ITCKASQDVT TAVAWYQQKP GQSPKLLIFW
ASTRHAGVPD RFTGSGSGTD FTLTISSVQA GDLALYYCQQ HYSTPYTFGG
GTKLEIKGGG SGGGGEVQLV ESGGGLVQPG GSLRLSCAAS GFTFSTYAMN
WVRQAPGKGL EWVGRIRSKY NNYATYYADS VKGRFTISRD DSKNSLYLQM
NSLKTEDTAV YYCVRHGNFG NSYVSWFAYW GQGTLVTVSS GGCGGGEVAA
LEKEVAALEK EVAALEKEVA ALEKGGGDKT HTCPPCPAPE AAGGPSVFLF
PPKPKDTLMI SRTPEVTCVV VDVSHEDPEV KFNWYVDGVE VHNAKTKPRE
EQYNSTYRVV SVLTVLHQDW LNGKEYKCKV SNKALPAPIE KTISKAKGQP
REPQVYTLPP SREEMTKNQV SLWCLVKGFY PSDIAVEWES NGQPENNYKT
TPPVLDSDGS FFLYSKLTVD KSRWQQGNVF SCSVMHEALH NHYTQKSLSL
SPGK
【0416】
配列番号292では、アミノ酸残基1〜107は、EphA2 mAb 3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号172)に対応し、残基108〜115は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基116〜240は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基241〜246は、GGCGGGリンカー(配列番号34)に対応し、残基247〜274は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応し、残基275〜277はリンカーGGGであり、残基278〜287はリンカーDKTHTCPPCP(配列番号48)であり、残基288〜504は「ノブ担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号52)である。
【0417】
配列番号292をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号293):
gacattgtgc tgacccagtc tcacagatcc atgtccacat cagtaggaga
cagggtcaac atcacctgca aggccagtca ggatgtgact actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaattact gattttctgg
gcatccaccc ggcacgctgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tttactctca ccatcagcag tgtgcaggct ggagacctgg
cactttatta ctgtcaacaa cattatagca caccgtacac attcggaggg
gggaccaagc tggaaataaa aggtggagga tccggcggcg gaggcgaggt
gcagctggtg gagtctgggg gaggcttggt ccagcctgga gggtccctga
gactctcctg tgcagcctct ggattcacct tcagcacata cgctatgaat
tgggtccgcc aggctccagg gaaggggctg gagtgggttg gaaggatcag
gtccaagtac aacaattatg caacctacta tgccgactct gtgaagggta
gattcaccat ctcaagagat gattcaaaga actcactgta tctgcaaatg
aacagcctga aaaccgagga cacggccgtg tattactgtg tgagacacgg
taacttcggc aattcttacg tgtcttggtt tgcttattgg ggacagggga
cactggtgac tgtgtcttcc ggaggatgtg gcggtggaga agtggccgca
ctggagaaag aggttgctgc tttggagaag gaggtcgctg cacttgaaaa
ggaggtcgca gccctggaga aaggcggcgg ggacaaaact cacacatgcc
caccgtgccc agcacctgaa gccgcggggg gaccgtcagt cttcctcttc
cccccaaaac ccaaggacac cctcatgatc tcccggaccc ctgaggtcac
atgcgtggtg gtggacgtga gccacgaaga ccctgaggtc aagttcaact
ggtacgtgga cggcgtggag gtgcataatg ccaagacaaa gccgcgggag
gagcagtaca acagcacgta ccgtgtggtc agcgtcctca ccgtcctgca
ccaggactgg ctgaatggca aggagtacaa gtgcaaggtc tccaacaaag
ccctcccagc ccccatcgag aaaaccatct ccaaagccaa agggcagccc
cgagaaccac aggtgtacac cctgccccca tcccgggagg agatgaccaa
gaaccaggtc agcctgtggt gcctggtcaa aggcttctat cccagcgaca
tcgccgtgga gtgggagagc aatgggcagc cggagaacaa ctacaagacc
acgcctcccg tgctggactc cgacggctcc ttcttcctct acagcaagct
caccgtggac aagagcaggt ggcagcaggg gaacgtcttc tcatgctccg
tgatgcatga ggctctgcac aaccactaca cgcagaagag cctctccctg
tctccgggta aa
【0418】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号294):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGEV QLVESGGGSV KPGGSLKLSC AASGFTFTDH
YMYWVRQTPE KRLEWVATIS DGGSFTSYPD SVKGRFTISR DIAKNNLYLQ
MSSLKSEDTA MYYCTRDESD RPFPYWGQGT LVTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0419】
配列番号294では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 3のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、EphA2 mAb 3のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号177)に対応し、残基237〜242は、リンカーGGCGGG(配列番号34)に対応し、残基243〜270はKコイルドメイン(配列番号40)である。
【0420】
配列番号294をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号295):
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggagg
tggagaagtg cagctggtgg agtctggggg aggctcagtg aagcctggag
ggtccctgaa actctcctgt gcagcctctg gattcacttt cactgaccat
tacatgtatt gggttcgcca gactccggaa aagaggctgg agtgggtcgc
aaccattagt gatggcggta gtttcacctc ctatccagac agtgtgaagg
ggcgattcac catctccaga gacattgcca agaacaacct gtacctccaa
atgagcagtc tgaagtctga ggacacagcc atgtattact gtacaagaga
tgagagcgat aggccgtttc cttactgggg ccaagggact ctggtcactg
tctcctccgg aggatgtggc ggtggaaaag tggccgcact gaaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
【0421】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第3のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号296):
QVQLVQSGAE VKKPGASVKV SCKASGYTFT GSWMNWVRQA PGQGLEWIGR
IYPGDGETNY NGKFKDRVTI TADKSTSTAY MELSSLRSED TAVYYCARIY
GNNVYFDVWG QGTTVTVSSA STKGPSVFPL APSSKSTSGG TAALGCLVKD
YFPEPVTVSW NSGALTSGVH TFPAVLQSSG LYSLSSVVTV PSSSLGTQTY
ICNVNHKPSN TKVDKRVEPK SCDKTHTCPP CPAPEAAGGP SVFLFPPKPK
DTLMISRTPE VTCVVVDVSH EDPEVKFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQYNS
TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKAL PAPIEKTISK AKGQPREPQV
YTLPPSREEM TKNQVSLSCA VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
DSDGSFFLVS KLTVDKSRWQ QGNVFSCSVM HEALHNRYTQ KSLSLSPGK
【0422】
配列番号296では、アミノ酸残基1〜119は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基120〜217は、修飾CH1ドメイン(配列番号208)に対応し、残基218〜232は、リンカー(配列番号209)に対応し、残基233〜449は、「ホール担持」CH2‐CH3ドメイン(配列番号53)に対応する。
【0423】
配列番号296をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号297):
caggtccagc tggtccagag cggggccgaa gtcaaaaaac ccggagcaag
cgtgaaggtc tcctgcaaag catcaggcta tacatttaca ggcagctgga
tgaactgggt gaggcaggct ccaggacagg gactggagtg gatcgggcgc
atctaccctg gagacggcga aactaactat aatggaaagt tcaaagaccg
agtgaccatc acagccgata agtctactag taccgcctac atggagctga
gctccctgcg gtctgaagat accgccgtct actattgcgc tagaatttac
ggaaacaatg tctattttga cgtgtggggg cagggaacaa ctgtgactgt
ctcctccgcc tccaccaagg gcccatcggt cttccccctg gcaccctcct
ccaagagcac ctctgggggc acagcggccc tgggctgcct ggtcaaggac
tacttccccg aaccggtgac ggtgtcgtgg aactcaggcg ccctgaccag
cggcgtgcac accttcccgg ctgtcctaca gtcctcagga ctctactccc
tcagcagcgt ggtgaccgtg ccctccagca gcttgggcac ccagacctac
atctgcaacg tgaatcacaa gcccagcaac accaaggtgg acaagagagt
tgagcccaaa tcttgtgaca aaactcacac atgcccaccg tgcccagcac
ctgaagccgc ggggggaccg tcagtcttcc tcttcccccc aaaacccaag
gacaccctca tgatctcccg gacccctgag gtcacatgcg tggtggtgga
cgtgagccac gaagaccctg aggtcaagtt caactggtac gtggacggcg
tggaggtgca taatgccaag acaaagccgc gggaggagca gtacaacagc
acgtaccgtg tggtcagcgt cctcaccgtc ctgcaccagg actggctgaa
tggcaaggag tacaagtgca aggtctccaa caaagccctc ccagccccca
tcgagaaaac catctccaaa gccaaagggc agccccgaga accacaggtg
tacaccctgc ccccatcccg ggaggagatg accaagaacc aggtcagcct
gagttgcgca gtcaaaggct tctatcccag cgacatcgcc gtggagtggg
agagcaatgg gcagccggag aacaactaca agaccacgcc tcccgtgctg
gactccgacg gctccttctt cctcgtcagc aagctcaccg tggacaagag
caggtggcag caggggaacg tcttctcatg ctccgtgatg catgaggctc
tgcacaaccg ctacacgcag aagagcctct ccctgtctcc gggtaaa
【0424】
EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1の第4のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号298):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITCSARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIYDT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYCQQW SSYPLTFGQG
TKLEIKRTVA APSVFIFPPS DEQLKSGTAS VVCLLNNFYP REAKVQWKVD
NALQSGNSQE SVTEQDSKDS TYSLSSTLTL SKADYEKHKV YACEVTHQGL
SSPVTKSFNR GEC
【0425】
配列番号298では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号181)に対応し、残基107〜213は、CL Kappaドメイン(配列番号210)に対応する。
【0426】
配列番号298をエンコードするポリヌクレオチドは、以下の通りである(配列番号299):
gacattcagc tgactcagtc cccctctttt ctgtccgcat ccgtcggaga
tcgagtgact attacttgct ctgctaggtc ctcaatcagc ttcatgtact
ggtatcagca gaagcccggc aaagcaccta agctgctgat ctacgacaca
agcaacctgg cctccggggt gccatctcgg ttctctggca gtgggtcagg
aactgagttt accctgacaa ttagctccct ggaggctgaa gatgccgcta
cctactattg ccagcagtgg agcagctatc ctctgacctt cggacagggg
actaaactgg aaatcaagcg tacggtggct gcaccatcgg tcttcatctt
cccgccatct gatgagcagt tgaaatctgg aactgcctct gttgtgtgcc
tgctgaataa cttctatccc agagaggcca aagtacagtg gaaggtggat
aacgccctcc aatcgggtaa ctcccaggag agtgtcacag agcaggacag
caaggacagc acctacagcc tcagcagcac cctgacgctg agcaaagcag
actacgagaa acacaaagtc tacgcctgcg aagtcaccca tcagggcctg
agctcgcccg tcacaaagag cttcaacagg ggagagtgt
【0427】
IV.基準抗体及びダイアボディ
本発明の三重特異性結合分子の特性決定を支援するために、以下の基準ダイアボディを構成した。
【0428】
Q.DR5 mAb 1xCD3 mAb 2ダイアボディ
抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 1のVL及びVHドメイン並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを有する、2つのポリペプチド鎖からなる例示的な二重特異性ダイアボディを構成した。上記ダイアボディは「DR5 mAb 1xCD3 mAb 2ダイアボディ」と称した。このダイアボディの第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号140):
DIVLTQSPAS LAVSLGQRAT ISCRASKSVS SSGYSYMHWY QQKPGQPPKV
LIFLSSNLDS GVPARFSGSG SGTDFTLNIH PVEDGDAATY YCQHSRDLPP
TFGGGTKLEI KGGGSGGGGE VQLVESGGGL VQPGGSLRLS CAASGFTFST
YAMNWVRQAP GKGLEWVGRI RSKYNNYATY YADSVKGRFT ISRDDSKNSL
YLQMNSLKTE DTAVYYCVRH GNFGNSYVSW FAYWGQGTLV TVSSASTKGE
VAACEKEVAA LEKEVAALEK EVAALEK
【0429】
配列番号140では、アミノ酸残基1〜111は、DR5 mAb 1のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号3)に対応し、残基112〜119は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基120〜244は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基245〜249は、ASTKGリンカー(配列番号47)残基250〜277は、システイン含有Eコイルドメイン(配列番号41)に対応する。配列番号140をエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号141:
gacattgtgc tgacacagtc tcctgcttcc ttagctgtat ctctcgggca
gagggccacc atctcatgca gggccagcaa aagtgtcagt tcctctggct
atagttatat gcactggtac caacagaaac caggacagcc acccaaagtc
ctcatctttc tttcatccaa cctagattct ggggtccctg ccaggttcag
tggcagtggg tctgggacag acttcaccct caacatccat cctgtggagg
atggggatgc tgcaacctat tactgtcagc acagtaggga tcttcctccg
acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaaggaggcg gatccggcgg
cggaggcgag gtgcagctgg tggagtctgg gggaggcttg gtccagcctg
gagggtccct gagactctcc tgtgcagcct ctggattcac cttcagcaca
tacgctatga attgggtccg ccaggctcca gggaaggggc tggagtgggt
tggaaggatc aggtccaagt acaacaatta tgcaacctac tatgccgact
ctgtgaaggg tagattcacc atctcaagag atgattcaaa gaactcactg
tatctgcaaa tgaacagcct gaaaaccgag gacacggccg tgtattactg
tgtgagacac ggtaacttcg gcaattctta cgtgtcttgg tttgcttatt
ggggacaggg gacactggtg actgtgtctt ccgcctccac caagggcgaa
gtggccgcat gtgagaaaga ggttgctgct ttggagaagg aggtcgctgc
acttgaaaag gaggtcgcag ccctggagaa a
である。
【0430】
上記DR5 mAb 1xCD3 mAb 2ダイアボディの第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号142):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGEV KFLESGGGLV QPGGSLKLSC VASGFDFSRY
WMSWVRQAPG KGLEWIGEIN PDSNTINYTP SLKDKFIISR DNAKNTLYLQ
MTKVRSEDTA LYYCTRRAYY GNPAWFAYWG QGTLVTVSAA STKGKVAACK
EKVAALKEKV AALKEKVAAL KE
【0431】
配列番号142では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜239は、(配列番号8のC末端セリン残基をアラニン残基で置換した以外は)DR5 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号8)に対応し、残基240〜244は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基245〜272は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。配列番号142をエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号143:
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga ggtggtggat ccggcggcgg
aggcgaggtg aagtttctcg agtctggagg tggcctggtg cagcctggag
gatccctgaa actctcctgt gtagcctcag gattcgattt tagtagatac
tggatgagtt gggtccggca ggctccaggg aaagggctag aatggattgg
agaaattaat ccagatagca atacgataaa ctatacgcca tctctaaagg
ataaattcat catctccaga gacaacgcca aaaatacgct gtatctgcaa
atgaccaaag tgagatctga ggacacagcc ctttattatt gtacaagaag
ggcctactat ggtaacccgg cctggtttgc ttactggggc caagggactc
tggtcactgt ctctgcagcc tccaccaagg gcaaagtggc cgcatgtaag
gagaaagttg ctgctttgaa agagaaggtc gccgcactta aggaaaaggt
cgcagccctg aaagag
である。
【0432】
R.DR5 mAb 2xCD3 mAb 2ダイアボディ
抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 2のVL及びVHドメイン、並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを有する、2つのポリペプチド鎖からなる例示的な二重特異性ダイアボディを構成した。上記ダイアボディは「DR5 mAb 2xCD3 mAb 2ダイアボディ」と称した。このダイアボディの、第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである:(配列番号144)
DIVMTQSHKF MSTSVGDRVS ITCKASQDVN TAVAWYQQKP GQSPKLLIYW
ASTRHTGVPD RFTGSGSGTD YTLTIKSVQA EDLTLYYCQQ HYITPWTFGG
GTKLEIKGGG SGGGGEVQLV ESGGGLVQPG GSLRLSCAAS GFTFSTYAMN
WVRQAPGKGL EWVGRIRSKY NNYATYYADS VKGRFTISRD DSKNSLYLQM
NSLKTEDTAV YYCVRHGNFG NSYVSWFAYW GQGTLVTVSS ASTKGEVAAC
EKEVAALEKE VAALEKEVAA LEK
【0433】
配列番号144では、アミノ酸残基1〜107は、DR5 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号13)に対応し、残基108〜115は、介在スペーサペプチド(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基116〜240は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基241〜245は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基246〜273は、システイン含有Eコイルドメイン(配列番号41)に対応する。配列番号144をエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号145:
gacattgtga tgacccagtc tcacaaattc atgtccactt cagtaggaga
cagggtcagc atcacctgca aggccagtca ggatgtgaat actgctgtag
cctggtatca acaaaaacca gggcaatctc ctaaactact gatttactgg
gcatccaccc ggcacactgg agtccctgat cgcttcacag gcagtggatc
tgggacagat tatacactca ccatcaaaag tgtgcaggct gaagacctga
cactttatta ctgtcagcaa cactatatca ctccgtggac gttcggtgga
ggcaccaagc tggaaatcaa aggaggcgga tccggcggcg gaggcgaggt
gcagctggtg gagtctgggg gaggcttggt ccagcctgga gggtccctga
gactctcctg tgcagcctct ggattcacct tcagcacata cgctatgaat
tgggtccgcc aggctccagg gaaggggctg gagtgggttg gaaggatcag
gtccaagtac aacaattatg caacctacta tgccgactct gtgaagggta
gattcaccat ctcaagagat gattcaaaga actcactgta tctgcaaatg
aacagcctga aaaccgagga cacggccgtg tattactgtg tgagacacgg
taacttcggc aattcttacg tgtcttggtt tgcttattgg ggacagggga
cactggtgac tgtgtcttcc gcctccacca agggcgaagt ggccgcatgt
gagaaagagg ttgctgcttt ggagaaggag gtcgctgcac ttgaaaagga
ggtcgcagcc ctggagaaa
である。
【0434】
DR5 mAb 2xCD3 mAb 2ダイアボディの第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、以下の通りである(配列番号146):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TCRSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
GGTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGKV QLQQSGAELV KPGASVKLSC KASGYTFTEY
ILHWVKQKSG QGLEWIGWFY PGNNNIKYNE KFKDKATLTA DKSSSTVYME
LSRLTSEDSA VYFCARHEQG PGYFDYWGQG TTLTVSSAST KGKVAACKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
【0435】
配列番号146では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメインのアミノ酸配列(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、DR5 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号18)に対応し、残基238〜242は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基243〜270は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。配列番号146をエンコードするポリヌクレオチドは、配列番号147:
caggctgtgg tgactcagga gccttcactg accgtgtccc caggcggaac
tgtgaccctg acatgcagat ccagcacagg cgcagtgacc acatctaact
acgccaattg ggtgcagcag aagccaggac aggcaccaag gggcctgatc
gggggtacaa acaaaagggc tccctggacc cctgcacggt tttctggaag
tctgctgggc ggaaaggccg ctctgactat taccggggca caggccgagg
acgaagccga ttactattgt gctctgtggt atagcaatct gtgggtgttc
gggggtggca caaaactgac tgtgctggga gggggtggat ccggcggcgg
aggcaaggtc cagctgcagc agtctggagc tgaactggtg aaacccgggg
catcagtgaa gctgtcctgc aaggcttctg ggtacacctt cactgagtat
attttacact gggtaaagca gaagtctgga cagggtcttg agtggattgg
gtggttttat cctggaaata ataatataaa gtacaatgag aaattcaagg
acaaggccac actgactgcg gacaaatcct ccagcacagt ctatatggaa
cttagtagat tgacatctga agactctgcg gtctatttct gtgcaagaca
cgaacaagga ccaggttact ttgactactg gggccaaggc accactctca
cagtctcctc cgcctccacc aagggcaaag tggccgcatg taaggagaaa
gttgctgctt tgaaagagaa ggtcgccgca cttaaggaaa aggtcgcagc
cctgaaagag
である。
【0436】
S.DR5 mAb 3xCD3 mAb 2ダイアボディ
抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 3のVL及びVHドメイン、並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを有する、2つのポリペプチド鎖からなる例示的な二重特異性ダイアボディを構成した。上記ダイアボディの第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号148)(CDR残基は下線を付して示す):
SELTQDPAVS VALGQTVRIT C
SGDSLRSYY ASWYQQKPGQ APVLVIY
GAN
NRPSGIPDRF SGSSSGNTAS LTITGAQAED EADYYC
NSAD SSGNHVVFGG
GTKLTVLGGG GSGGGGEVQL VESGGGLVQP GGSLRLSCAA SGFTFS
TYAM
NWVRQAPGKG LEWVG
RIRSK YNNYATYYAD SVKGRFTISR DDSKNSLYLQ
MNSLKTEDTA VYYCVR
HGNF GNSYVSWFAYWGQGTLVTVS SASTKGEVAA
CEKEVAALEK EVAALEKEVA ALEK
を有していた。
【0437】
配列番号148では、アミノ酸残基1〜108は、DR5 mAb 3のVLドメイン(配列番号54)に対応し、残基109〜116は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基117〜241は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基242〜246は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基247〜275は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。
【0438】
上記ダイアボディの第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号149)(CDR残基は下線を付して示す):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TC
RSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
G
GTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC
ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGEV QLVQSGGGVE RPGGSLRLSC AAS
GFTFDDY
AMSWVRQAPG KGLEWVSG
IN WQGGSTGYAD SVKGRVTISR DNAKNSLYLQ
MNSLRAEDTA VYYCAK
ILGA GRGWYFDYWG KGTTVTVSSA STKGKVAACK
EKVAALKEKV AALKEKVAAL KE
を有していた。
【0439】
配列番号149では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメイン(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜239は、DR5 mAb 3のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号58)に対応し、残基240〜244は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基245〜272は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。
【0440】
T.DR5 mAb 4xCD3 mAb 2ダイアボディ
抗ヒトDR5抗体DR5 mAb 4のVL及びVHドメイン、並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを有する、2つのポリペプチド鎖からなる例示的な二重特異性ダイアボディを構成した。上記ダイアボディの第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号150)(CDR残基は下線を付して示す):
EIVLTQSPGT LSLSPGERAT LSC
RASQGIS RSYLAWYQQK PGQAPSLLIY
GASSRATGIP DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYC
Q QFGSSPWTFG
QGTKVEIKGG GSGGGGEVQL VESGGGLVQP GGSLRLSCAA SGFTFS
TYAM
NWVRQAPGKG LEWVG
RIRSK YNNYATYYAD SVKGRFTISR DDSKNSLYLQ
MNSLKTEDTA VYYCVR
HGNF GNSYVSWFAY WGQGTLVTVS SASTKGEVAA
CEKEVAALEK EVAALEKEVA ALEK
を有していた。
【0441】
配列番号150では、アミノ酸残基1〜108は、DR5 mAb 4のVLドメイン(配列番号62)に対応し、残基109〜116は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基117〜241は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基242〜246は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基247〜275は、システイン含有Eコイルドメイン(配列番号41)に対応する。
【0442】
上記ダイアボディの第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号151)(CDR残基は下線を付して示す):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TC
RSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
G
GTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC
ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLQESGPGLV KPSQTLSLTC TVS
GGSISSG
DYFWSWIRQL PGKGLEWIG
H IHNSGTTYYN PSLKSRVTIS VDTSKKQFSL
RLSSVTAADT AVYYCAR
DRG GDYYYGMDVW GQGTTVTVSS ASTKGKVAAC
KEKVAALKEK VAALKEKVAA LKE
を有していた。
【0443】
配列番号151では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメイン(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜240は、DR5 mAb 4のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号66)に対応し、残基241〜245は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基246〜273は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。
【0444】
U.基準gpA33xCD3 mAb 2ダイアボディ
本発明の二重特異性三重特異性結合分子を更に例示するために、gpA33 mAb 1及びCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを用いて、2つのポリペプチド鎖からなるダイアボディを構成した。上記ダイアボディの第1のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号316)(CDR残基は下線を付して示す):
DIQLTQSPSF LSASVGDRVT ITC
SARSSIS FMYWYQQKPG KAPKLLIY
DT
SNLASGVPSR FSGSGSGTEF TLTISSLEAE DAATYYC
QQW SSYPLTFGQG
TKLEIKGGGS GGGGEVQLVE SGGGLVQPGG SLRLSCAASG FTFS
TYAMNW
VRQAPGKGLE WVG
RIRSKYN NYATYYADSV KGRFTISRDD SKNSLYLQMN
SLKTEDTAVY YCVR
HGNFGN SYVSWFAYWG QGTLVTVSSA STKGEVAACE
KEVAALEKEV AALEKEVAAL EK
を有していた。
【0445】
配列番号316では、アミノ酸残基1〜106は、gpA33 mAb 1のVLドメイン(配列番号181)に対応し、残基107〜114は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基115〜239は、D65G置換を有するCD3 mAb 2のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号112)に対応し、残基240〜244は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基245〜272は、システイン含有Eコイルドメイン(配列番号41)に対応する。
【0446】
上記ダイアボディの第2のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、配列(配列番号317)(CDR残基は下線を付して示す):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TC
RSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
G
GTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC
ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGQV QLVQSGAEVK KPGASVKVSC KAS
GYTFTGS
WMNWVRQAPG QGLEWIG
RIY PGDGETNYNG KFKDRVTITA DKSTSTAYME
LSSLRSEDTA VYYCAR
IYGN NVYFDVWGQG TTVTVSSAST KGKVAACKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
を有していた。
【0447】
配列番号317では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメイン(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜237は、gpA33 mAb 1のVHドメインのアミノ酸配列(配列番号186)に対応し、残基238〜242は、ASTKGリンカー(配列番号47)に対応し、残基243〜270は、システイン含有Kコイルドメイン(配列番号42)に対応する。
【0448】
V.基準抗フルオレセイン抗体
抗フルオレセイン抗体4‐4‐20(Gruber, M. et al. (1994) “Efficient Tumor Cell Lysis Mediated By A Bi‐specific Single Chain Antibody Expressed In Escherichia coli,” J. Immunol. 152(11):5368‐5374; Bedzyk, W.D. et al. (1989) “Comparison Of Variable Region Primary Structures Within An Anti‐Fluorescein Idiotype Family,” J. Biol. Chem. 264(3): 1565‐1569)を、対照ダイアボディとして使用した。上記抗フルオレセイン抗体4‐4‐20の可変軽鎖及び可変重鎖ドメインのアミノ酸配列は、以下の通りである:
【0449】
上記抗フルオレセイン抗体4‐4‐20の可変軽鎖ドメインのアミノ酸配列(配列番号138)(CDR残基には下線を付す):
DVVMTQTPFS LPVSLGDQAS ISC
RSSQSLV HSNGNTYLRW YLQKPGQSPK
VLIY
KVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFC
SQSTHVP
WTFGGGTKLE IK
【0450】
上記抗フルオレセイン抗体4‐4‐20の可変重鎖ドメインのアミノ酸配列(配列番号139)(CDR残基には下線を付す):
EVKLDETGGG LVQPGRPMKL SCVA
SGFTFS DYWMNWVRQS PEKGLEWVA
Q
IRNKPYNYET YYSDSVKGRF TISRDDSKSS VYLQMNNLRV EDMGIYYCTG
SYYGMDYWGQ GTSVTVSS
【0451】
V.製造方法
本発明の三重特異性結合分子は、当該技術分野において公知の方法によって、例えば合成又は組み換えにより、DR5に対して免疫特異的な抗体のポリヌクレオチド及び/又は配列、所望の癌抗原、並びに所望のエフェクタ細胞から生成できる。このようなペプチドアゴニスト、アンタゴニスト及びモジュレータを製造する1つの方法は、ポリペプチドの化学合成と、これに続く、天然立体配座、即ち正しいジスルフィド結合を得るために適切な酸化条件下での処理とを伴う。これは、当業者に公知の方法論を用いて達成できる(例えばKelley, R. F. et al. (1990) In: Genetic Engineering Principles and Methods, Setlow, J.K. Ed., Plenum Press, N.Y., vol. 12, pp 1‐19; Stewart, J.M et al. (1984) Solid Phase Peptide Synthesis, Pierce Chemical Co., Rockford, ILを参照;米国特許第4,105,603号;米国特許第3,972,859号;米国特許第3,842,067号;及び米国特許第3,862,925号も参照)。
【0452】
本発明のポリペプチドは、固相ペプチド合成を用いて便利に調製できる(Merrifield, B. (1986) “Solid Phase Synthesis,” Science 232(4748):341‐347; Houghten, R.A. (1985) “General Method For The Rapid Solid‐Phase Synthesis Of Large Numbers Of Peptides: Specificity Of Antigen‐Antibody Interaction At The Level Of Individual Amino Acids,” Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 82(15): 5131‐5135; Ganesan, A. (2006) “Solid‐Phase Synthesis In The Twenty‐First Century,” Mini Rev. Med. Chem. 6(1):3‐10)。
【0453】
更に別の代替例では、所望の抗DR5抗体、抗癌抗原抗体又は抗エフェクタ細胞抗体のCDRのうちの1つ又は複数を有する好適な抗体を、特定のヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するよう加工された市販のマウスを用いて得ることができる。ヒト化又はヒト抗体の生成のために、より望ましい(例えば完全なヒト抗体)又はよりロバストな免疫応答を生成するよう設計された遺伝子組み換え動物も使用してよい。このような技術の例は、XENOMOUSE(商標)(Abgenix,Inc.,フレモント、CA)並びにHUMAb‐Mouse(登録商標)及びTC MOUSE(商標)(いずれもMedarex,Inc.,プリンストン、NJ)である。
【0454】
ある代替案では、当該技術分野において公知の方法を用いて、抗体を組み換えによって作製し、発現させてよい。抗体は、まず宿主動物から作製された抗体を単離し、遺伝子配列を取得し、上記遺伝子配列を使用して宿主細胞(例えばCHO細胞)内で抗体を組み換え発現させることによって作製できる。採用できる別の方法は、植物(例えばタバコ)又はトランスジェニックミルク中で抗体配列を発現させることである。植物又はミルク中で抗体を組み換え発現させるための好適な方法は、開示されている(例えばPeeters et al. (2001) "Production Of Antibodies And Antibody Fragments In Plants," Vaccine 19:2756; Lonberg, N. et al. (1995) "Human Antibodies From Transgenic Mice," Int. Rev. Immunol 13:65-93; and Pollock et a/.(1999) "Transgenic Milk As A Method For The Production Of Recombinant Antibodies," J. Immunol Methods 231 : 147-157を参照)。例えばキメラ、ヒト化、単鎖等の抗体の誘導体を作製するための好適な方法は、当該技術分野において公知である。別の代替案では、抗体はファージディスプレイ技術によって、組み換えによって作製できる(例えば米国特許第5,565,332号;米国特許第5,580,717号;米国特許第5,733,743号;米国特許第6,265,150号;及びWinter, G. et al. (1994) "Making Antibodies By Phage Display Technology," Annu. Rev. Immunol. 12.433-455を参照)。
【0455】
関心対象の抗体又はタンパク質は、エドマン分解による配列決定に供してよく、これは当業者には公知である。質量分析又はエドマン分解から生成されるペプチド情報を用いて、関心対象のタンパク質をクローニングするために使用されるプローブ又はプライマを設計できる。
【0456】
関心対象のタンパク質クローニングの代替的な方法は、1つ又は複数のCDRを有する関心対象の抗体又はタンパク質を発現する細胞に関して、精製したDR5及び/又は所望の癌抗原及び/又は所望のエフェクタ細胞の表面上で発現する分子(若しくはいずれのこのような分子の部分)を用いて「パンニング(pannning)」することにより、DR5又は上記所望の癌抗原又はエフェクタ細胞分子に結合できるようにすることによるものである。「パンニング」手順は、DR5を発現する組織又は細胞からcDNAライブラリを取得し、上記cDNAを第2の細胞タイプにおいて過剰発現させ、上述のような分子(例えば新規の抗DR5抗体に関するパンニングの場合にはDR5 mAb 1又はDR5 mAb 2等)に結合できる公知の抗体の存在又は不在下での、DR5への特異的結合に関して、第2の細胞タイプのトランスフェクト細胞をスクリーニングすることによって、実施してよい。「パンニング」による、細胞表面タンパク質に関する哺乳類遺伝子コーディングのクローニングにおいて使用される方法の詳細な説明は、従来技術中に見ることができる(例えばAruffo, A. et al. (1987) "Molecular Cloning Of A CD28 cDNA By A High-Efficiency COS Cell Expression System " Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 84:8573-8577 and Stephan, J. et al. (1999) "Selective Cloning Of Cell Surface Proteins Involved In Organ Development: Epithelial Glycoprotein Is Involved In Normal Epithelial Differentiation " Endocrinol. 140:5841-5854を参照)。
【0457】
関心対象のポリヌクレオチドを含有するベクターは:電気穿孔;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE‐デキストラン又は他の物質を使用したトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;及び感染(例えばベクターがワクシニアウイルス等の感染性因子である場合)を含む多数の適切な手段のうちのいずれによって、宿主細胞に導入できる。ベクター又はポリヌクレオチドの導入の選択は、宿主細胞の特徴に左右される場合が多い。
【0458】
関心対象の抗体、ポリペプチド、又はタンパク質をエンコードする遺伝子を単離する目的で、異種DNAを過剰発現できるいずれの宿主細胞を使用できる。好適な哺乳類宿主細胞の非限定的な例としては、COS、HeLa及びCHO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、宿主細胞は、対応する関心対象の内因性抗体又はタンパク質(これらが宿主細胞中に存在する場合)より5倍高い、より好ましくは10倍高い、より好ましくは20倍高い、より好ましくは50倍高い、より好ましくは、100倍高いレベルのcDNAを発現する。DR5への特異的結合に関する宿主細胞のスクリーニングは好ましくは、イムノアッセイ又はFACSによって実行される。関心対象の抗体又はタンパク質を過剰発現する細胞を識別できる。
【0459】
本発明は、本発明の抗体のアミノ酸配列を備えるポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドは、当該技術分野において公知の手順で産生できる。上記ポリペプチドは、抗体のタンパク質分解若しくは他の分解によって、上述のような組み換え法(即ち単一若しくは融合ポリペプチド)によって、又は化学的合成によって産生できる。上記抗体のポリペプチド、特にアミノ酸最高約50個分の比較的短いポリペプチドは、化学的合成によって便利に作製される。化学的合成方法は当該技術分野において公知であり、市販されている。例えば抗DR5ポリペプチドは、固相法を採用した自動ポリペプチド合成器によって産生してよい。
【0460】
本発明は、いずれの上述のような抗体(又は上記抗体の、場合によってDR5、癌抗原若しくはエフェクタ細胞に結合するいずれのポリペプチド断片)、並びに上記分子のアゴニスト、アンタゴニスト及びモジュレータ(上記分子の特性に有意な影響を及ぼさない、機能的に同等の抗体及び融合ポリペプチド、並びに活性が増強した又は低下した変異体を含む)に対する、いずれの修飾を含んでよい。ポリペプチドの修飾は、当該技術分野において慣用的に実践されており、本明細書で詳細に説明する必要はない。修飾されたポリペプチドの例としては、アミノ酸残基の保存的置換を有するポリペプチド、機能的活性を大きく劣化するように変化させない1つ若しくは複数の欠失若しくは追加、又は化学的類似体の使用が挙げられる。互いを保存的に置換できるアミノ酸残基としては:グリシン/アラニン;セリン/トレオニン;バリン/イソロイシン/ロイシン;アスパラギン/グルタミン;アスパラギン酸/グルタミン酸;リジン/アルギニン;及びフェニルアラニン/チロシンが挙げられるが、これらに限定されない。これらのポリペプチドとしては、グリコシル化及び非グリコシル化ポリペプチド、並びに例えば異なる複数の糖によるグリコシル化、アセチル化及びリン酸化といった、その他の変換後修飾を有するポリペプチドも挙げられる。好ましくは、アミノ酸置換は保存的であり、即ち置換されたアミノ酸は、オリジナルのアミノ酸と同様の化学的特性を有する。このような保存的置換は当該技術分野において公知であり、その例は上述されている。アミノ酸修飾は、1つ又は複数のアミノ酸を変化させるか又は修飾することから、可変ドメイン等の領域の完全な再設計にまで及んでよい。可変ドメインの変化は、結合親和性及び/又は特異性を変化させる。他の修飾方法としては、酵素的手段、酸化的置換及びキレート化を含むがこれらに限定されない、当該技術分野において公知の連結技術の使用が挙げられる。修飾は例えば、イムノアッセイのための標識の付与、例えばラジオイムノアッセイのための放射性部分の付与等のために使用できる。修飾されたポリペプチドは、当該技術分野において確立された手順を用いて作製され、また当該技術分野において公知の標準的なアッセイを用いてスクリーニングできる。
【0461】
本発明はまた、本発明のポリペプチドの1つ又は複数を備える融合タンパク質も包含する。一実施形態では、軽鎖、重鎖又は軽鎖及び重鎖の両方を備える、融合ポリペプチドが提供される。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、異種免疫グロブリン定常領域を含有する。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、公的に寄託されたハイブリドーマから産生された抗体の軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を含有する。本発明の目的のために、抗体融合タンパク質は、(場合によって)DR5、癌抗原又はエフェクタ細胞、及びネイティブ分子内では上記抗体融合タンパク質が付着しない別のアミノ酸配列、例えば別の領域からの異種配列又は同種配列に特異的に結合する、1つ又は複数のポリペプチドドメインを含有する。
【0462】
VI.本発明の三重特異性結合分子の使用
本発明の三重特異性結合分子は、癌に対する一般的な治療を提供する。このような分子で治療できる癌としては、以下の細胞:副腎腫瘍;AIDS関連癌;胞巣状軟部肉腫;星状細胞腫瘍;膀胱癌;骨癌;脳及び脊髄の癌;転移性脳腫瘍;乳癌;頸動脈球腫瘍;子宮頸癌;軟骨肉腫;脊索腫;嫌色素性腎細胞癌;明細胞癌;大腸癌;結腸直腸癌;皮膚の良性線維性組織球腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;上衣腫;ユーイング腫瘍;骨外性粘液型軟骨肉腫;骨性線維形成不全症;線維性骨異形成;胆嚢又は胆管癌;消化器癌;妊娠性絨毛性疾患;胚細胞腫瘍;頭頸部癌;肝細胞癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;腎癌;白血病;脂肪腫/良性脂肪腫;脂肪肉腫/悪性脂肪腫;肝癌;リンパ腫;肺癌;髄芽腫;黒色腫;髄膜腫;多発性内分泌腫瘍;多発性骨髄腫;骨髄異形成症候群;神経芽細胞腫;神経内分泌腫瘍;卵巣癌;膵臓癌;甲状腺乳頭癌;副甲状腺腫瘍;小児癌;末梢神経鞘腫瘍;褐色細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;後部ブドウ膜黒色腫;希少な血液学的障害;腎転移性癌;ラブドイド腫瘍;横紋筋肉腫;肉腫;皮膚癌;軟組織肉腫;扁平上皮癌;胃癌;滑膜肉腫;精巣癌;胸腺癌;胸腺腫;甲状腺転移癌;及び子宮癌からなる群から選択される癌細胞の存在を特徴とする癌が挙げられる。本発明の三重特異性結合分子は、結腸直腸癌、肝細胞癌、神経膠腫、腎臓癌、乳癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、神経芽細胞腫;肉腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌及び直腸癌の治療に使用できる。
【0463】
本発明の三重特異性結合分子は、標的腫瘍の細胞の特徴となる癌抗原を指向する抗体によって提供される癌治療を、上記腫瘍細胞の表面に配列されたDR5分子に更に結合することによって増強する。本発明の有用性は特に、癌抗原の密度が低い状況、又は抗癌抗原抗体の結合キネティクスが、臨床的に十分な治療応答を促進するには準最適である(若しくは不十分である)場合に見られる。これらの場合において、本発明の分子の、癌抗原及び腫瘍細胞のDR5の両方に結合する能力は、臨床的に十分な治療応答を促進するために十分な、(結合活性によって)増強された結合を提供する。更に、免疫系エフェクタ細胞の表面上の分子に結合できる結合ドメインも有することにより、
本発明の三重特異性結合分子は、腫瘍細胞に対して上記免疫系細胞を共局在化でき、これによって、標的転換殺滅により、腫瘍細胞に対する細胞毒性応答を促進できる。
【0464】
表2に示すように、癌抗原結合ドメインの特定の組み合わせを有する本発明の三重特異性結合分子は、特定の癌の治療において好ましい有用性を有する。
【0466】
治療におけるその有用性に加えて、本発明の三重特異性結合分子は、検出可能な標識を付与でき、癌の診断又は腫瘍及び腫瘍細胞の撮像において使用できる。
【0467】
本発明の組成物は、医薬組成物の製造に使用できるバルク薬剤組成物(例えば不純又は非滅菌組成物)、及び単位剤形の調製に使用できる医薬組成物(即ち被験体又は患者への投与に好適な組成物)を含む。これらの組成物は、予防的又は治療的有効量の本発明の三重特異性結合分子、又はこのような作用剤と薬学的に許容可能なキャリアとの組み合わせを含む。好ましくは、本発明の組成物は、予防的又は治療的有効量の本発明の三重特異性結合分子のうちの1つ又は複数と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む。本発明は特に、三重特異性結合分子が:
(1)DR5 mAb 1抗体;
(2)DR5 mAb 2抗体;
(3)DR5 mAb 3抗体;
(4)DR5 mAb 4抗体;
(5)DR5 mAb 5抗体;
(6)DR5 mAb 6抗体;
(7)DR5 mAb 7抗体;又は
(8)DR5 mAb 8抗体
(又はいずれのこれらの抗体のヒト化誘導体)を有する、上記医薬組成物を包含する。
【0468】
本発明は更に、三重特異性結合分子が以下のような癌抗原ドメインを有する、上述のような医薬組成物を特に包含する:
(A)EphA2のエピトープに結合する;特に上記三重特異性結合分子は、EphA2 mAb 1、EphA2 mAb 2若しくはEphA2 mAb 3、若しくはそのヒト化若しくはキメラ変異体の癌抗原結合ドメインを有する;又は
(B)gpA33のエピトープに結合する;特に上記三重特異性結合分子は、gpA33 mAb 1、若しくはそのヒト化若しくはキメラ変異体の癌抗原結合ドメインを有する;又は
(C)Her2のエピトープに結合する;特に上記三重特異性結合分子は、Her2 mAb 1若しくはトラスツズマブ、若しくはそのヒト化若しくはキメラ変異体の癌抗原結合ドメインを有する;又は
(D)B7‐H3のエピトープに結合する;特に上記三重特異性結合分子は、B7‐H3 mAb 1、B7‐H3 mAb 2若しくはB7‐H3 mAb 3、若しくはそのヒト化若しくはキメラ変異体の癌抗原結合ドメインを有する。
【0469】
本発明は更に、上記三重特異性結合分子が、CD2、CD3、CD17、CD20、CD22、CD32B、CD64、BCR/CD79、T細胞受容体又はNKG2D受容体に結合するエフェクタ細胞結合ドメインを有する、上述のような医薬組成物を特に包含する。本発明は更に、上記三重特異性結合分子が、抗体:Lo‐CD2a、CD3 mAb 2、OKT3、3G8、A9、HD37、リツキシマブ、エプラツズマブ、CD32B mAb 1、CD64 mAb 1、CD79 mAb 1、BMA031、KYK‐1.0、又はKYK‐2.0に結合するエフェクタ細胞結合ドメインを有する、上述のような医薬組成物を特に包含する。
【0470】
具体的には、本発明は三重特異性結合分子、上記結合分子を含む医薬組成物、及び上記三重特異性結合分子の使用を考えるものであり、ここで:
(1)DR5結合ドメインは、いずれの抗DR5抗体のDR5結合ドメインであり;
(2)癌結合ドメインは、本明細書で開示された癌抗原のうちのいずれであり;
(3)エフェクタ細胞結合ドメインは、CD2、CD3、CD17、CD20、CD22、CD32B、CD64、BCR/CD79、T細胞受容体又はNKG2D受容体のうちのいずれに結合する。
【0471】
更に具体的には、本発明は三重特異性結合分子、上記結合分子を含む医薬組成物、及び上記三重特異性結合分子の使用を考えるものであり、ここで:
(1)DR5結合ドメインは、いずれの抗DR5抗体のDR5結合ドメインであり;
(2)癌結合ドメインは:EphA1、gpA33、Her2又はB7‐H3のうちのいずれであり;
(3)エフェクタ細胞結合ドメインは、CD2、CD3、CD17、CD20、CD22、CD32B、CD64、BCR/CD79、T細胞受容体又はNKG2D受容体のうちのいずれに結合する。
【0472】
本発明は特に、各上記三重特異性結合分子、並びに上記結合分子を含む医薬組成物、及び上記三重特異性結合分子の使用を考えるものであり、ここで:
(1)DR5結合ドメインは:DR5 mAb 1抗体、DR5 mAb 2抗体、DR5 mAb 3抗体、DR5 mAb 4抗体、DR5 mAb 5抗体、DR5 mAb 6抗体、DR5 mAb 7抗体、又はDR5 mAb 8抗体のうちのいずれのDR5結合ドメインであり;
(2)癌抗原結合ドメインは:EphA2 mAb 1、EphA2 mAb 2、EphA2 mAb 3、gpA33 mAb 1、Her2 mAb 1、トラスツズマブ、B7‐H3 mAb 1、B7‐H3 mAb 2、又はB7‐H3 mAb 3のうちのいずれの結合ドメインであり;
(3)エフェクタ細胞結合ドメインは:Lo‐CD2a、CD3 mAb 2、OKT3、3G8、A9、HD37、リツキシマブ、エプラツズマブ、CD32B mAb 1、CD64 mAb 1、CD79 mAb 1、BMA031、KYK‐1.0、又はKYK‐2.0のうちのいずれの結合ドメインである。
8個の抗DR5結合ドメイン抗体、9個の抗癌抗原結合ドメイン抗体及び14個の抗エフェクタ細胞結合ドメイン抗体が挙げられているため、上述のような具体的考察は、これらの結合ドメインの、(8x9x14=)1008通りの組み合わせ全てを包含する。
【0473】
本発明はまた、特定の癌抗原に対して特異的である第2の治療用抗体(例えば腫瘍特異性モノクローナル抗体)、及び薬学的に許容可能なキャリアを更に含む、上記医薬組成物も包含する。
【0474】
ある具体的実施形態では、用語「薬学的に許容可能な(pharmaceutically acceptable)」は、動物、より詳細にはヒトにおける使用に関して、連邦規制当局若しくは州政府によって承認されている、又は米国薬局方若しくは他の一般に認められた薬局方に記載されていることを意味する。用語「キャリア(carrier)」は、希釈剤、アジュバント(例えばフロイントアジュバント(完全及び不完全))、賦形剤、又は治療薬の投与に用いられるビヒクルを指す。これらの薬学的キャリアは、水及び石油、動物油、植物油若しくは合成油を含む油(例えば落花生油、大豆油、鉱物油、胡麻油等)等の、無菌液体とすることができる。医薬組成物を静脈投与する場合、水が好ましいキャリアである。特に注射用溶液のための液体キャリアとして、食塩水、並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液も採用できる。好適な薬学的賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等が挙げられる。必要な場合は、上記組成物は、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤を含有することもできる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、乳液、錠剤、ピル、カプセル、粉体、徐放性製剤等の形態を取ることができる。
【0475】
一般に、本発明の組成物の成分は、例えば活性作用剤の量を示すアンプル又はサシェ等の気密性コンテナ中の凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として、別個に、又は単位剤形にまとめて混合された状態で供給される。組成物を点滴によって投与する場合、組成物は、滅菌された薬学的グレードの水又は食塩水を内包する点滴ボトルを用いて吐出できる。組成物を注射によって投与する場合、投与前に成分を混合できるように、注射用無菌水又は食塩水のアンプルを提供できる。
【0476】
本発明の組成物は、中性又は塩形態として処方できる。薬学的に許容可能な塩としては:塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等由来の陰イオンを有して形成されるもの、及びナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2‐メチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等由来の陽イオンを有して形成されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0477】
本発明はまた、本発明の三重特異性結合分子(及びより好ましくは、既に議論又は例示された三重特異性結合分子のうちのいずれ)で充填された1つ又は複数のコンテナを備える、医薬パック又はキットも提供する。更に、疾患の治療に有用な1つ又は複数の他の予防剤又は治療剤も、上記医薬パック又はキットに含めることができる。本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分のうちの1つ又は複数で充填された1つ又は複数のコンテナを備える、医薬パック又はキットも提供する。任意に、このような1つ又は複数のコンテナは、医薬製品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形式の通知と関連するものとすることができ、上記通知は、ヒトへの投与のための製造、使用又は販売の機関による承認を反映したものである。
【0478】
本発明は、上述の方法において使用できるキットを提供する。キットは、本発明の三重特異性結合分子のいずれを含むことができる。このキットは更に、癌の治療に有用な1つ若しくは複数の他の予防剤及び/若しくは治療剤を、1つ若しくは複数のコンテナ内に含むことができ;並びに/又はこのキットは更に、癌に関連する1つ若しくは複数の癌抗原に結合する1つ若しくは複数の細胞毒性抗体を含むことができる。特定の実施形態では、他の予防剤又は治療剤は、化学療法剤である。他の実施形態では、予防剤又は治療剤は生物学的治療剤又はホルモン療法剤である。
【0479】
VIII.投与方法
本発明の組成物は、有効量の本発明の融合タンパク質若しくはコンジュゲート分子又は本発明の融合タンパク質若しくはコンジュゲート分子を含む医薬組成物を被験体に投与することによる、疾患、障害又は感染症に関連する1つ又は複数の症状の治療、予防及び改善のために提供できる。好ましい態様では、上記組成物は実質的に精製される(即ち上記組成物の効果を制限する、又は望ましくない副作用を生成する物質を実質的に含まない)。ある具体的実施形態では、被験体は動物、好ましくは非霊長類(例えばウシ属、ウマ科、ネコ科、イヌ科、齧歯類等)又は霊長類(例えばカニクイザル等のサル、ヒト等)といった哺乳類である。ある好ましい実施形態では、被験体はヒトである。
【0480】
例えば抗体又は融合タンパク質を発現できるリポソーム、微粒子マイクロカプセル、組み換え細胞内へのカプセル化;受容体媒介性エンドサイトーシス(例えばWu et al. (1987) “Receptor‐Mediated In Vitro Gene Transformation By A Soluble DNA Carrier System,” J. Biol. Chem. 262:4429‐4432を参照);レトロウイルス又は他のベクターの一部としての核酸の構築等、様々な送達系が公知であり、本発明の組成物の投与に使用できる。
【0481】
本発明の分子を投与する方法としては:非経口投与(例えば皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内及び皮下);硬膜外;並びに粘膜(例えば鼻腔内及び経口経路)が挙げられるがこれらに限定されない。ある具体的実施形態では、本発明の三重特異性結合分子は、筋肉内、静脈内又は皮下投与される。組成物は、いずれの便利な経路によって、例えば点滴又はボーラス注射によって、上皮又は粘膜皮膚層(例えば口腔粘膜、直腸及び腸粘膜等)を通した吸収によって投与してよく、他の生物学的活性作用剤と共に投与してよい。投与は全身性又は局所性とすることができる。更に、例えば吸入器又は噴霧器の使用及びエアロゾル化剤を用いた処方により、肺投与を採用することもできる。例えば米国特許第6,019,968号;米国特許第5,985,320号;米国特許第5,985,309号;米国特許第5,934,272号;米国特許第5,874,064号;米国特許第5,855,913号;米国特許第5,290,540号;米国特許第4,880,078号;国際公開第92/19244号;国際公開第97/32572号;国際公開第97/44013号;国際公開第98/31346号;国際公開第99/66903を参照(これらはそれぞれ、参照により本出願に援用される)。
【0482】
本発明はまた、本発明の三重特異性結合分子を、この分子の量を示すアンプル又はサシェ等の気密性コンテナ内に包装することも提供する。一実施形態では、上記分子は、気密性コンテナ内の滅菌凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として供給され、例えば水又は食塩水を用いて、被験体への投与に適切な濃度へと再構成できる。好ましくは、本発明の三重特異性結合分子は、少なくとも5μg、より好ましくは少なくとも10μg、少なくとも15μg、少なくとも25μg、少なくとも50μg、少なくとも100μg又は少なくとも200μgの単位剤形で、気密性コンテナ内の滅菌凍結乾燥粉末として供給される。
【0483】
凍結乾燥された本発明の配列最適化CD123×CD3二重特異性ダイアボディは、その元々のコンテナ内において2〜8℃で保管するべきであり、またこの分子は、再構成後12時間以内、好ましくは6時間以内、5時間以内、3時間以内又は1時間以内に投与するべきである。ある代替実施形態では、本発明の配列最適化CD123×CD3二重特異性ダイアボディは、この分子、融合タンパク質又はコンジュゲート分子の量及び濃度を示す気密性コンテナ内に、液体形態で供給される。好ましくは、本発明の配列最適化CD123×CD3二重特異性ダイアボディの液体形態は、少なくとも1μg/ml、より好ましくは少なくとも2.5μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも50μg/ml又は少なくとも100μg/mlの濃度でこの分子が存在する気密性コンテナ内に供給される。
【0484】
障害に関連する1つ又は複数の症状の治療、予防及び改善に効果的な本発明の組成物の量は、標準的な臨床技術によって決定できる。処方において採用するべき正確な用量は、投与経路及び状態の重篤度にも左右され、施術者の判断及び各患者の状況に従って決定するべきである。効果的な用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得られた用量‐応答曲線から外挿できる。
【0485】
本発明が包含する三重特異性結合分子単価ダイアボディに関して、患者に投与される用量は好ましくは、レシピエント被験者の体重(kg)に基づいて決定される。投与される用量は典型的には、少なくとも約0.3ng/kg/日〜約0.9ng/kg/日、少なくとも約1ng/kg/日〜約3ng/kg/日、少なくとも約3ng/kg/日〜約9ng/kg/日、少なくとも約10ng/kg/日〜約30ng/kg/日、少なくとも約30ng/kg/日〜約90ng/kg/日、少なくとも約100ng/kg/日〜約300ng/kg/日、少なくとも約200ng/kg/日〜約600ng/kg/日、少なくとも約300ng/kg/日〜約900ng/kg/日、少なくとも約400ng/kg/日〜約800ng/kg/日、少なくとも約500ng/kg/日〜約1000ng/kg/日、少なくとも約600ng/kg/日〜約1000ng/kg/日、少なくとも約700ng/kg/日〜約1000ng/kg/日、少なくとも約800ng/kg/日〜約1000ng/kg/日、少なくとも約900ng/kg/日〜約1000ng/kg/日、又は少なくとも約1,000ng/kg/日である。
【0486】
別の実施形態では、患者は、上述のような予防的又は治療的有効量の本発明の三重特異性結合分子の1回又は複数回の用量を含む治療レジメンを投与され、この治療レジメンは、2日、3日、4日、5日、6日又は7日に亘って投与される。特定の実施形態では、治療レジメンは、予防的又は治療的有効量の本発明の三重特異性結合分子の用量を断続的に投与する(例えば所定の週の1日目、2日目、3日目及び4日目に投与し、同一の週の5日目、6日目及び7日目には、予防的又は治療的有効量の本発明が包含する三重特異性結合分子の用量を投与しない)ことを含む。
【0487】
特に包含されるのは、上で議論されたDR5結合ドメイン、癌抗原結合ドメイン及びエフェクタ細胞結合ドメインの具体的な組み合わせのいずれを含む、上述のような三重特異性結合分子の、同一週の5日目、6日目及び7日目における投与である。典型的には、1、2、3、4、5つ又はそれを超える治療のコースが存在する。各コースは、同一のレジメン又は異なるレジメンであってよい。
【0488】
別の実施形態では、投与される用量は、上記三重特異性結合分子の1日の予防的又は治療的有効量に到達するまで、1つ又は複数のレジメンの最初の1/4、最初の半分又は最初の2/3若しくは3/4に亘って(例えば4コース治療の第1、第2又は第3のレジメンに亘って)漸増する。表3は、典型的な治療コースに関する、上述の異なる投薬レジメンの5つの例を提供する。
【0490】
本発明の三重特異性結合分子の投与の用量及び頻度は、例えば脂質化等の改質によって分子の取り込み及び組織貫通を増強することによって低減又は偏向できる。
【0491】
患者に投与される本発明の三重特異性結合分子の投薬量は、単一作用剤による治療としての使用のために計算してよい。あるいは、上記分子は他の治療用組成物と併用され、患者に投与される投薬量は、上記分子を単一作用剤による治療として使用する場合よりも小さくなる。
【0492】
本発明の医薬組成物は、治療が必要な領域に局所的に投与してよく、これは、以下に限定されるものではないが、例えば局所的点滴によって、注射によって、又はインプラントを用いて達成してよく、上記インプラントは多孔性、非多孔性又はゼラチン材料性であり、シラスティック膜等の膜又は繊維を含む。好ましくは、本発明の分子を投与する際、この分子が吸収されない材料を使用するよう注意しなければならない。
【0493】
本発明の組成物は、小嚢、特にリポソーム中で送達できる(Langer (1990) “New Methods Of Drug Delivery,” Science249:1527-1533); Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp.353-365(1989); Lopez-Berestein,同上、pp.317-327参照)。
【0494】
本発明の組成物は、放出制御系又は徐放系中で送達できる。1つ又は複数の本発明の三重特異性結合分子を含む徐放性処方を製造するために、当業者に公知のいずれの技術を使用できる。例えば:米国特許第4,526,938号;国際公開第91/05548号;国際公開第96/20698号;Ning et al.(1996) “Intratumoral Radioimmunotheraphy Of A Human Colon Cancer Xenograft Using A Sustained-Release Gel,” Radiotherapy & Oncology39:179-189;Song et al.(1995) “Antibody Mediated Lung Targeting Of Long-Circulating Emulsions,” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372-397;Cleek et al.(1997) “Biodegradable Polymeric Carriers For A bFGF Antibody For Cardiovascular Application,” Pro. Int’l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:853-854;及びLam et al. (1997) “Microencapsulation Of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody For Local Delivery,” Proc. Int’l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:759-760を参照(これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に援用される)。一実施形態では、放出制御系においてポンプを使用してよい(Langer, supra; Sefton,(1987)“Implantable Pumps,” CRC Crit. Rev. Biomed. Eng. 14:201-240;Buchwald et al.(1980)“Long-Term, Continuous Intravenous Heparin Administration By An Implantable Infusion Pump In Ambulatory Patients With Recurrent Venous Thrombosis,” Surgery 88:507-516;及びSaudek et al.(1989)“A Preliminary Trial Of The Programmable Implantable Medication System For Insulin Delivery,” N. Engl. J. Med.321:574-579参照)。別の実施形態では、分子の放出制御を達成するためにポリマー材料を使用できる(例えばMedical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Florida (1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984);Levy et al.(1985)“Inhibition Of Calcification Of Bioprosthetic Heart Valves By Local Controlled-Release Diphosphonate,” Science228:190-192;During et al.(1989)“Controlled Release Of Dopamine From A Polymeric Brain Implant: In Vivo Characterization,” Ann. Neurol. 25:351-356;Howard et al.(1989)“Intracerebral Drug Delivery In Rats With Lesion-Induced Memory Deficits,” J. Neurosurg. 7(1):105-112);米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;国際公開第99/15154号;及び国際公開第99/20253号参照)。徐放性処方において使用されるポリマーの例としては、ポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン‐コ‐酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物類、ポリ(N‐ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド類(PLA)、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)類(PLGA)及びポリオルトエステル類が挙げられるが、これらに限定されない。放出制御系は、治療標的(例えば肺)の近傍に配置でき、従って全身用量の一部しか必要としない(例えばGoodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol.2, pp.115-138(1984)参照)。放出制御インプラントとして有用なポリマー組成物は、Dunn et al.に従って使用できる(米国特許第5,945,155号参照)。この特定の方法は、ポリマー系からの生物活性材料のインサイチュ放出制御の治療効果に基づく。埋入は一般に、治療的処置を必要とする患者の身体内のいずれの部位において実施できる。非ポリマー徐放系を使用でき、この場合、被験体の身体内の非ポリマーインプラントを、薬剤送達系として使用する。身体内への埋入後、インプラントの有機溶媒が組成物から周辺の組織液中へと放散、分散又は浸出し、非ポリマー材料は徐々に凝集又は沈殿して、固体の微小細孔性マトリクスを形成する(米国特許第5,888,533号参照)。
【0495】
放出制御系については、Langer(1990,“New Methods Of Drug Delivery,” Science249:1527-1533)による報告中で議論されている。1つ又は複数の本発明の治療剤を含む徐放性処方を製造するために、当業者に公知のいずれの技術を使用できる。例えば:米国特許第4,526,938号;国際公開第91/05548号及び第96/20698号;Ning et al.(1996)“Intratumoral Radioimmunotheraphy Of A Human Colon Cancer Xenograft Using A Sustained-Release Gel,” Radiotherapy & Oncology39:179-189;Song et al.(1995)“Antibody Mediated Lung Targeting Of Long-Circulating Emulsions,” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology50:372-397;Cleek et al.(1997)“Biodegradable Polymeric Carriers For A bFGF Antibody For Cardiovascular Application,” Pro. Int’l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:853-854;並びにLam et al.(1997)“Microencapsulation Of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody For Local Delivery,” Proc. Int’l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:759-760参照(これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される)。
【0496】
本発明の組成物が、本発明の三重特異性結合分子をエンコードする核酸である場合、この核酸は、この核酸がエンコードする三重特異性結合分子の発現を促進するために、この核酸を適切な核酸発現ベクターの一部として構築して、例えばレトロウイルスベクターの使用によって(米国特許第4,980,286号参照)、又は直接注射によって、又は微粒子衝撃(例えば遺伝子銃;Biolistic、Dupont)の使用によって、又は脂質若しくは細胞表面受容体若しくは遺伝子導入剤を用いてコーティングすることによって、又は細胞核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドと連鎖させて上記核酸を投与すること(例えばJoliot et al.(1991)“Antennapedia Homeobox Peptide Regulates Neural Morphogenesis,” Proc. Natl. Acad. Sci.(U.S.A.)88:1864-1868を参照)等によって、上記核酸を投与することにより、インビボ投与できる。あるいは核酸を細胞内に導入して、相同遺伝子組み換えによる発現のためのホスト細胞DNA内に組み込むことができる。
【0497】
治療的又は予防的有効量の本発明の三重特異性結合分子を用いた被験体の治療は、単回治療を含むことができ、又は好ましくは一連の複数回の治療を含むことができる。ある好ましい例では、被験体は、上述のようなダイアボディを用いて、約1〜10週間、好ましくは2〜8週間、より好ましくは約3〜7週間、更に好ましくは約4、5又は6週間に亘って週1回処置される。本発明の医薬組成物は、1日1回、1日2回又は1日3回投与できる。あるいはこの医薬組成物は、1週間に1回、1週間に2回、2週間に1回、1ヶ月に1回、6週間に1回、2ヶ月に1回、1年に2回又は1年に1回投与できる。治療に使用される上記分子の有効な用量設定は、特定の治療の期間に亘って増減させてよいことも理解されるだろう。
【実施例】
【0498】
ここまで本発明を概説してきたが、以下の実施例を参照することにより、本発明は更に容易に理解されるだろう。これらの実施例は例示として提供されており、そうでないことが明記されていない限り本発明を制限することを意図したものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対して多数の修正を実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0499】
W.実施例1:抗ヒトDR5モノクローナル抗体DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2の特性決定
ヒトDR5に免疫特異的に結合できるものとして2つのモノクローナル抗体を単離し、呼称「DR5 mAb 1」及び「DR5 mAb 2」を与えた。上述のように、これらの抗体のCDRは異なっていることが分かった。抗体が異なるDR5エピトープに結合するかどうかを決定するために、ヒトDR5‐Fc融合タンパク質を調製し、不動化された表面にコーティングした。DR5 mAb 1(1μg/mL)をビオチン化し、対照IgG又はDR5 mAb 2(10μg/mL)を用いてインキュベートし、IgG又はDR5 mAb 2抗体の、(ヒトDR5‐Fc融合タンパク質との)結合に関してDR5 mAb 1と競合する能力を、不動化されたビオチン化抗体の量を測定することによって評価した。更に、IgG又はDR5 mAb 1抗体の、結合に関してビオチン化DR5 mAb 2と競合する能力を評価した。この実験の結果を表4に示す。
【0500】
【表7】
【0501】
この実験の結果は、過剰量の非ビオチン化抗体が存在する場合であっても、ビオチン化抗体がDR5タンパク質に結合できることを示す。従ってこの結果は、DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2がDR5の異なるエピトープに結合することを示す。
【0502】
DR5 mAb 1及びDR mAb 2抗体の更なる特性決定のために、DR5 mAb 1及びDR mAb 2抗体の、DR5とTRAILリガンドとの間の結合をブロックする能力を評価した。従って、ビオチン化DR5 mAb 1、ビオチン化DR5 mAb 2又はビオチン化DR5‐Fc融合タンパク質(それぞれ2μg/mL)を、緩衝液又はヒスチジンタグ付与TRAIL(20μg/mL)の存在下で、不動化されたDR5‐Fc融合タンパク質(1μg/mL)を用いて別個にインキュベートした。不動化されたビオチン化抗体の量を評価した。この実験の結果を表5に示す。
【0503】
【表8】
【0504】
その結果は、不動化されたDR5‐Fcに結合するDR5 mAb 1又はDR5 mAb 2の量が、ヒスチジンタグ付与TRAILの存在によって影響されないことを示し、従ってDR5 mAb 1及びDR5 mAb 2のいずれも、DR5のTRAILリガンド結合部位をブロックしないことを示す。更に、いずれの抗体も、ヒスチジンタグ付与TRAILリガンドに結合できなかった。
【0505】
X.実施例2:抗ヒトDR5モノクローナル抗体DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2の種特異性
抗ヒトDR5モノクローナル抗体DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2の種特異性を評価するために、上記抗体の、ヒトDR5に結合する能力を、上記抗体の、カニクイザル(Macaca fascicularis)DR5に結合する能力と比較した。この実験の結果を表6に示す。その結果は、これらの抗体がいずれもカニクイザルDR5に結合できるものの、それぞれヒトDR5に対してより高い結合親和性を示すことを示す。
【0506】
図7に示すように、Biacore分析を用いて結合キネティクスを調査した。二重特異性DR5xCD3ダイアボディを、His‐タグ付与DR5を用いてインキュベートし、Biacore分析によって結合キネティクスを決定した。採用したダイアボディは、DR5 mAb 1xCD3 mAb 2(
図7、パネルA及びE)、DR5 mAb 2xCD3 mAb 2(
図7、パネルB及びF)、DR5 mAb 3xCD3 mAb 2(
図7、パネルC及びG)、並びにDR5 mAb 4xCD3 mAb 2(
図7、パネルD及びH)であった。
図7、パネルA〜Dは、ヒトDR5に関する結果を示す。
図7、パネルE〜Hは、カニクイザルDR5に関する結果を示す。算出されたka、kd及びKDを表6に示す。
【0507】
【表9】
【0508】
その結果は、DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2が、基準抗体DR5 mAb 3及びDR5 mAb 4に対して変化した結合キネティクスを示すことを実証している。
【0509】
Y.実施例3:DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2の予想外の優越性
本発明DR5結合分子DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2の、細胞毒性を仲介する能力を、基準抗DR5抗体:DR5 mAb 3及びDR5 mAb 4の能力と比較した。このような比較を実施するために、これらの抗体のVL及びVHドメイン並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメインを含有する二重特異性DR5xCD3ダイアボディを調製した。調製したダイアボディは:DR5 mAb 1xCD3 mAb 2;DR5 mAb 2xCD3 mAb 2;DR5 mAb 3xCD3 mAb 2;及びDR5 mAb 4xCD3 mAb 2であった。
【0510】
抗フルオレセイン抗体4‐4‐20のVL及びVHドメイン(それぞれ配列番号138及び139)並びにCD3 mAb 2のVL及びVHドメイン(それぞれ配列番号102及び108)を含有する、採用した対照ダイアボディは、抗フルオレセインx抗CD3対照ダイアボディ「4‐4‐20xCD3 mAb 2」と称した。上記ダイアボディは、2つのポリペプチド鎖からなっていた。上記ダイアボディの第1のポリペプチド鎖は、アミノ酸配列(配列番号300)(CDRは下線を付して示す):
DVVMTQTPFS LPVSLGDQAS ISC
RSSQSLV HSNGNTYLRW YLQKPGQSPK
VLIY
KVSNRF SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YFC
SQSTHVP
WTFGGGTKLE IKGGGSGGGG EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFTFN
TYAMNWVRQA PGKGLEWVA
R IRSKYNNYAT YYADSVKDRF TISRDDSKNS
LYLQMNSLKT EDTAVYYCVR
HGNFGNSYVS WFAYWGQGTL VTVSSGGCGG
GEVAALEKEV AALEKEVAAL EKEVAALEK
を有した。
【0511】
配列番号300では、アミノ酸残基1〜112は、抗フルオレセイン抗体4‐4‐20のVLドメイン(配列番号138)に対応し、残基113〜120は、介在スペーサペプチドGGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基121〜245は、CD3 mAb 2のVHドメイン(配列番号108)に対応し、残基246〜251は、システイン含有スペーサペプチド(GGCGGG)(配列番号34)であり、残基252〜280は、Eコイルドメイン(配列番号39)に対応する。
【0512】
上記ダイアボディの第2のポリペプチド鎖は、アミノ酸配列(配列番号301)(CDRは下線を付して示す):
QAVVTQEPSL TVSPGGTVTL TC
RSSTGAVT TSNYANWVQQ KPGQAPRGLI
G
GTNKRAPWT PARFSGSLLG GKAALTITGA QAEDEADYYC
ALWYSNLWVF
GGGTKLTVLG GGGSGGGGEV KLDETGGGLV QPGRPMKLSC VA
SGFTFSDY
WMNWVRQSPE KGLEWVA
QIR NKPYNYETYY SDSVKGRFTI SRDDSKSSVY
LQMNNLRVED MGIYYCTG
SY YGMDYWGQGT SVTVSSGGCG GGKVAALKEK
VAALKEKVAA LKEKVAALKE
を有した。
【0513】
配列番号301では、アミノ酸残基1〜110は、CD3 mAb 2のVLドメイン(配列番号104)に対応し、残基111〜118は、GGGSGGGG(リンカー1)(配列番号33)に対応し、残基119〜236は、抗フルオレセイン抗体4‐4‐20のVHドメイン(配列番号139)に対応し、残基237〜242は、システイン含有スペーサペプチド(GGCGGG)(配列番号34)であり、残基243〜270は、Kコイルドメイン(配列番号40)に対応する。
【0514】
標的腫瘍細胞を、末梢血単核細胞(PBMC)及びA549ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞の存在下で、エフェクタ:標的細胞の比率20:1において、これらのダイアボディのうちの一方を用いて、又は対照ダイアボディ(4‐4‐20xCD3 mAb 2)を用いて24時間インキュベートした。損傷した細胞による、媒体への乳酸脱水素酵素(LDH)の放出を測定することにより、パーセント細胞毒性を決定した。
【0515】
この調査の結果を
図8に示す。SKMESヒト肺癌細胞、DU145ヒト前立腺癌細胞、A375ヒト悪性黒色腫細胞、SKBR3ヒトHER2過剰発現乳癌細胞、及びJIMTヒト乳癌細胞を用いて、同様の結果が得られた。この結果は、DR5 mAb 1及びDR5 mAb 2のVL及びVHドメインが、細胞毒性の誘発において、基準DR5 mAbよりも予想外に強力であることを示す。
【0516】
Z.実施例4:三重特異性結合分子は、標的細胞への協調的かつ同時の結合を仲介する
本発明の三重特異性結合分子の、標的細胞に結合する能力を調査した。採用した三重特異性結合分子は:EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1;EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1;及びgpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1であった。
図9Aに示すように、EphA2癌抗原結合ドメインを備える三重特異性結合分子は、EphA2発現CHO標的細胞に結合できることが分かった。
図9Bに示すように、DR5癌抗原結合ドメインを備える三重特異性結合分子は、DR5発現CHO標的細胞に結合できることが分かった。
図9Cに示すように、EphA2癌抗原結合又はDR5癌結合ドメインを備える三重特異性結合分子は、DU145細胞に結合できることが分かった。DU145細胞は、EphA2及びDR5の両方を発現するもののgpA33を発現しない、ヒト前立腺細胞株である。上述の基準gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2ダイアボディを対照として使用した。
【0517】
重要なことに、データは、本発明の三重特異性結合分子のこれら2つの癌抗原結合ドメインがいずれも標的細胞に結合できる場合、このような二重の結合が、標的結合の相乗的(例えば5〜25倍の)増強に関連することを示している。
【0518】
AA.実施例5:三重特異性結合分子は、結合した標的細胞の細胞毒性を仲介する
本発明の三重特異性結合分子の、細胞毒性リンパ球の存在下において、結合した標的細胞の細胞毒性を仲介する能力を調査した。採用した三重特異性分子は:EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1;EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1;及びgpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1であった。上述の基準gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2ダイアボディ及び4‐4‐20xCD3 mAb 2ダイアボディを対照として使用した。
【0519】
図10Aに示すように、EphA2癌抗原結合ドメインを備える、従ってEphA2発現CHO細胞に結合できる三重特異性結合分子は、細胞毒性リンパ球の存在下において、上記細胞の細胞毒性を仲介できた。
図10Bに示すように、DR5癌抗原結合ドメインを備える、従ってDR5発現CHO細胞に結合できた三重特異性結合分子は、細胞毒性リンパ球の存在下において、DR5発現CHO標的細胞の細胞毒性を仲介できることが分かった。
【0520】
図10Cに示すように、EphA2癌抗原結合又はDR5癌結合ドメインを備える、従ってDU145細胞に結合できる三重特異性結合分子は、細胞毒性リンパ球の存在下において、上記細胞の細胞毒性を仲介できた。重要なことに、データは、本発明の三重特異性結合分子のこれら2つの癌抗原結合ドメインがいずれも標的細胞に結合できる場合、このような二重の結合が、標的結合の相乗的増強に関連することを示している。従って、EphA2及びDR5の両方に結合できるEphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1は、(このような分子はgpA33を有しないため)DU146細胞のEphA2又はDR5分子にしか結合できないEphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1又はgpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1よりも、大幅に高い細胞毒性を仲介した。
【0521】
これに関して、EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の概ねEC50において、EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1又はgpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1に関して、細胞毒性リンパ球応答は見られない。EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1の概ねEC90において、EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1はEC15しか示さず、またgpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1は細胞毒性リンパ球応答を全く示さない。
【0522】
本明細書において言及されている全ての公刊物及び特許は、個々の公刊物又は特許出願それぞれの全体が参照により本明細書に援用されていることが具体的かつ独立に指示されている場合と同程度に、参照により本明細書に援用されている。本発明をその具体的実施形態に関して説明したが、更なる修正形態が可能であり、本出願は、本発明が属する分野の公知の方法又は慣例の範囲内であるような、及びこれまでに挙げた必須の特徴に適用できるような、本開示からの逸脱を含む、本発明の原理に概ね従う本発明のいずれの変形、使用又は改変を包含することを意図していることを理解されたい。
【配列表フリーテキスト】
【0523】
配列表の数字見出し<223>の記載は以下のとおりである。
配列番号1:ヒト野生型IgGCH2‐CH3ドメイン
配列番号2:ヒトDR5前駆体(NCBI配列NP_003833.4)
配列番号3:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号4:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号5:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号6:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号7:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1))の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号8:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号9:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号10:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号11:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号12:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 1」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号13:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号14:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号15:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号16:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号17:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号18:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号19:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号20:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号21:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号22:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 2」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号23:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号24:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐2」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号25:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐3」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号26:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐3」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号27:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号28:マウス抗ヒトDR5抗体(「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号29:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐5」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号30:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VL‐5」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号31:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VH‐2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号32:ヒト化抗ヒトDR5抗体(「hDR5 mAb 2 VH‐2」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号33:リンカー1
配列番号34:システイン含有スペーサペプチド(「リンカー2」)
配列番号35:ヒトIgGのヒンジドメインのシステイン含有ペプチド変異体
配列番号36:ヒトIgGのヒンジドメインのシステイン含有ペプチド変異体
配列番号37:ヒトIgGのCLドメインのシステイン含有ペプチド変異体
配列番号38:ヒトIgGのCLドメインのシステイン含有ペプチド変異体
配列番号39:ヘテロ二量体促進「Eコイル」ドメイン
配列番号40:ヘテロ二量体促進「Kコイル」ドメイン
配列番号41:システイン含有ヘテロ二量体促進「Eコイル」ドメイン
配列番号42:システイン含有ヘテロ二量体促進「Kコイル」ドメイン
配列番号43:連鎖球菌株G148のタンパク質Gのアルブミン結合ドメイン3(ABD3)
配列番号44:連鎖球菌株G148のタンパク質Gのアルブミン結合ドメイン3(ABD3)の脱免疫化変異体
配列番号45:連鎖球菌株G148のタンパク質Gのアルブミン結合ドメイン3(ABD3)の脱免疫化変異体
配列番号46:ペプチドリンカー(「リンカー3」)
配列番号47:ペプチドリンカー
配列番号48:ペプチドリンカー
配列番号49:ペプチドリンカー
配列番号50:ペプチドリンカー
配列番号51:ペプチドリンカー
配列番号52:「ノブ担持」変異型ヒトIgG Fcドメイン
配列番号53:「ホール担持」変異型ヒトIgG Fcドメイン
配列番号54:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号55:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号56:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号57:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号58:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の重鎖可変ドメイン
配列番号59:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号60:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号61:マウス抗ヒトDR5抗体(ドロジツマブ;「DR5 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号62:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号63:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号64:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号65:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号66:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の重鎖可変ドメイン
配列番号67:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号68:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号69:マウス抗ヒトDR5抗体(コナツムマブ;「DR5 mAb 4」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号70:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号71:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号72:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号73:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号74:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の重鎖可変ドメイン
配列番号75:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号76:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号77:マウス抗ヒトDR5抗体(チガツズマブ;「DR5 mAb 5」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号78:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号79:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号80:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号81:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号82:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の重鎖可変ドメイン
配列番号83:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号84:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号85:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐1;「DR5 mAb 6」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号86:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号87:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号88:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号89:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号90:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の重鎖可変ドメイン
配列番号91:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号92:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号93:マウス抗ヒトDR5抗体(LBY135‐2;「DR5 mAb 7」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号94:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号95:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号96:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号97:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号98:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の重鎖可変ドメイン
配列番号99:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号100:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号101:マウス抗ヒトDR5抗体(KMTR2;「DR5 mAb 8」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号102:マウス抗ヒトCD2抗体(Lo‐CD2A mAb)の軽鎖可変ドメイン
配列番号103:マウス抗ヒトCD2抗体(Lo‐CD2A mAb)の重鎖可変ドメイン
配列番号104:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号105:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号106:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号107:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号108:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号109:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号110:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号111:マウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号112:D65G(Kabat番号付与;配列番号108の配列中のD68G)を含むマウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の変異型重鎖可変ドメイン
配列番号113:D65G(Kabat番号付与;配列番号108の配列中のD68G)を含むマウス抗ヒトCD3抗体(「CD3 mAb 2」)の変異型重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号114:マウス抗ヒトCD3抗体(OKT3)の軽鎖可変ドメイン
配列番号115:マウス抗ヒトCD3抗体(OKT3)の重鎖可変ドメイン
配列番号116:マウス抗ヒトCD16抗体(3G8)の軽鎖可変ドメイン
配列番号117:マウス抗ヒトCD16抗体(3G8)の重鎖可変ドメイン
配列番号118:マウス抗ヒトCD16抗体(A9)の軽鎖可変ドメイン
配列番号119:マウス抗ヒトCD16抗体(A9)の重鎖可変ドメイン
配列番号120:マウス抗ヒトCD19抗体(HD37)の軽鎖可変ドメイン
配列番号121:マウス抗ヒトCD19抗体(HD37)の重鎖可変ドメイン
配列番号122:キメラ抗ヒトCD20抗体(リツキシマブ)の軽鎖可変ドメイン
配列番号123:キメラ抗ヒトCD20抗体(リツキシマブ)の重鎖可変ドメイン
配列番号124:マウス抗ヒトCD22抗体(エプラツズマブ)の軽鎖可変ドメイン
配列番号125:マウス抗ヒトCD22抗体(エプラツズマブ)の重鎖可変ドメイン
配列番号126:マウス抗ヒトCD32B抗体(「CD32B mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号127:マウス抗ヒトCD32B抗体(「CD32B mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号128:マウス抗ヒトCD64抗体(「CD64 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号129:マウス抗ヒトCD64抗体(「CD64 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号130:マウス抗ヒトCD79抗体(「CD79 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号131:マウス抗ヒトCD79抗体(「CD79 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号132:マウス抗ヒトTCR抗体(BMA031)の軽鎖可変ドメイン
配列番号133:マウス抗ヒトTCR抗体(BMA031)の重鎖可変ドメイン
配列番号134:マウス抗ヒトNKG2D抗体(KYK‐1.0)の軽鎖可変ドメイン
配列番号135:マウス抗ヒトNKG2D抗体(KYK‐1.0)の重鎖可変ドメイン
配列番号136:マウス抗ヒトNKG2D抗体(KYK‐2.0)の軽鎖可変ドメイン
配列番号137:マウス抗ヒトNKG2D抗体(KYK‐2.0)の重鎖可変ドメイン
配列番号138:マウス抗フルオレセイン抗体4‐4‐20の軽鎖可変ドメイン
配列番号139:マウス抗フルオレセイン抗体4‐4‐20の重鎖可変ドメイン
配列番号140:「DR5 mAb 1xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号141:「DR5 mAb 1xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号142:「DR5 mAb 1xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号143:「DR5 mAb 1xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号144:「DR5 mAb 2xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号145:「DR5 mAb 2xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号146:「DR5 mAb 2xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号147:「DR5 mAb 2xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号148:「DR5 mAb 3xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号149:「DR5 mAb 3xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号150:「DR5 mAb 4xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号151:「DR5 mAb 4xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号152:リンカー
配列番号153:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号154:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号155:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号156:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号157:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号158:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号159:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号160:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号161:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号162:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 1」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号163:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号164:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号165:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号166:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号167:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号168:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号169:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号170:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号171:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号172:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号173:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号174:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号175:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号176:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号177:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の重鎖可変ドメイン
配列番号178:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号179:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号180:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号181:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号182:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL1
配列番号183:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL2
配列番号184:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインのCDRL3
配列番号185:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の軽鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号186:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号187:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH1
配列番号188:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH2
配列番号189:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の重鎖可変ドメインのCDRH3
配列番号190:マウス抗ヒトgpA33抗体(「gpA33 mAb 1」)の重鎖可変ドメインをエンコードするポリヌクレオチド
配列番号191:マウス抗ヒトHer2抗体(「Her2 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号192:マウス抗ヒトHer2抗体(「Her2 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号193:マウス抗ヒトHer2抗体(「トラスツズマブ」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号194:マウス抗ヒトHer2抗体(「トラスツズマブ」)の重鎖可変ドメイン
配列番号195:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号196:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号197:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号198:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号199:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 3」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号200:マウス抗ヒトB7‐H3抗体(「B7‐H3 mAb 3」)の重鎖可変ドメイン
配列番号201:キメラ抗ヒトEGFR抗体(セツキシマブ)の軽鎖可変ドメイン
配列番号202:キメラ抗ヒトEGFR抗体(セツキシマブ)の重鎖可変ドメイン
配列番号203:ヒト化抗ヒトVEGF抗体(ベバシツマブ)の軽鎖可変ドメイン
配列番号204:ヒト化抗ヒトVEGF抗体(ベバシツマブ)の重鎖可変ドメイン
配列番号205:ヒト化抗CD52抗体(アレムツズマブ)の軽鎖可変ドメイン
配列番号206:ヒト化抗CD52抗体(アレムツズマブ)の重鎖可変ドメイン
配列番号207:ヒトIgG1 CH1ドメイン
配列番号208:変異型ヒトIgG1 CH1ドメイン
配列番号209:ヒトIgG1ヒンジドメイン
配列番号210:ヒトIgG1 CLカッパドメイン
配列番号211:ヒトIgG1 CLラムダ2ドメイン
配列番号212:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号213:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号214:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号215:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号216:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号217:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号218:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号219:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号220:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号221:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号222:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号223:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号224:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号225:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号226:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号227:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 2」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号228:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号229:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号230:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号231:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号232:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号233:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号234:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号235:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号236:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号237:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号238:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号239:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号240:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号241:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号242:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号243:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号244:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号245:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号246:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号247:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号248:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号249:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号250:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号251:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xDR5 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号252:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号253:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号254:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号255:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号256:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号257:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号258:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号259:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号260:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号261:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号262:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号263:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号264:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号265:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号266:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号267:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 2」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号268:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号269:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号270:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号271:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号272:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号273:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号274:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号275:「gpA33 mAb 1xCD3 mAb 2xEphA2 mAb 3」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号276:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号277:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号278:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号279:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号280:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号281:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号282:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号283:「EphA2 mAb 1xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号284:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号285:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号286:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号287:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号288:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号289:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号290:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号291:「EphA2 mAb 2xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号292:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖
配列番号293:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第1のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号294:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖
配列番号295:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第2のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号296:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖
配列番号297:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第3のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号298:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖
配列番号299:「EphA2 mAb 3xCD3 mAb 2xgpA33 mAb 1」三重特異性結合分子の第4のポリペプチド鎖をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号300:「4‐4‐20xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号301:「4‐4‐20xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号302:マウス抗ヒトCD317抗体(「HM1.24 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号303:マウス抗ヒトCD317抗体(「HM1.24 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号304:ヒト化抗ヒトCEACAM5/CEACAM6抗体(16C3;欧州特許第2585476号)の軽鎖可変ドメイン
配列番号305:ヒト化抗ヒトCEACAM5/CEACAM6抗体(16C3;欧州特許第2585476号)の重鎖可変ドメイン
配列番号306:ヒト化抗ヒトCEACAM5/CEACAM6抗体(hMN15;国際公開第2011/034660号)の軽鎖可変ドメイン
配列番号307:ヒト化抗ヒトCEACAM5/CEACAM6抗体(hMN15;国際公開第2011/034660号)の重鎖可変ドメイン
配列番号308:マウス抗ヒト5T4抗体(「5T4 mAb 1」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号309:マウス抗ヒト5T4抗体(「5T4 mAb 1」)の重鎖可変ドメイン
配列番号310:マウス抗ヒト5T4抗体(「5T4 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン
配列番号311:マウス抗ヒト5T4抗体(「5T4 mAb 2」)の重鎖可変ドメイン
配列番号312:ヒト化抗ヒトITGB6抗体(抗体3G9由来、国際公開第2007/008712号)の軽鎖可変ドメイン
配列番号313:ヒト化抗ヒトITGB6抗体(抗体3G9由来、国際公開第2007/008712号)の重鎖可変ドメイン
配列番号314:ヒト化抗ヒトITGB6抗体(抗体8G6由来、国際公開第2007/008712号)の軽鎖可変ドメイン
配列番号315:ヒト化抗ヒトITGB6抗体(抗体8G6由来、国際公開第2007/008712号)の重鎖可変ドメイン
配列番号316:「gpA33xCD3 mAb 2」ダイアボディの第1のポリペプチド鎖
配列番号317:「gpA33xCD3 mAb 2」ダイアボディの第2のポリペプチド鎖
配列番号318:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 2」)の軽鎖可変ドメイン(配列番号163)をエンコードするポリヌクレオチド
配列番号319:マウス抗ヒトEphA2抗体(「EphA2 mAb 3」)の重鎖可変ドメイン(配列番号177)をエンコードするポリヌクレオチド