特許第6685952号(P6685952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6685952
(24)【登録日】2020年4月3日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】トンネル掘進機
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/087 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   E21D9/087 A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-34547(P2017-34547)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-141278(P2018-141278A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】久木原 勇和
(72)【発明者】
【氏名】坂本 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】額 周平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 公城
(72)【発明者】
【氏名】穴井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】吉村 隼人
(72)【発明者】
【氏名】福田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】沼宮内 克己
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−137460(JP,A)
【文献】 特開2001−303894(JP,A)
【文献】 特開2016−169557(JP,A)
【文献】 特開2001−152784(JP,A)
【文献】 実開平03−083296(JP,U)
【文献】 米国特許第04607889(US,A)
【文献】 特開平03−202593(JP,A)
【文献】 特開平06−235295(JP,A)
【文献】 特公昭46−000988(JP,B1)
【文献】 特開2005−146535(JP,A)
【文献】 特開2016−199912(JP,A)
【文献】 特開平03−296087(JP,A)
【文献】 実開昭48−020190(JP,U)
【文献】 特開2005−133379(JP,A)
【文献】 特開2014−073696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカッタースポークを有するカッターヘッドと、このカッターヘッドの後側のチャンバーと、このチャンバーの後端を仕切る隔壁構造とを備え且つ前記カッタースポーク内からカッタービットを交換可能に構成したトンネル掘進機において、
前記隔壁構造に回転自在に支持された閉断面構造の環状のカッタードラムと、
前記カッタードラムをカッタースポークに連結する閉断面構造の複数の連結部材と、
前記隔壁構造に形成され且つ前記カッタードラムの内周部を回転可能に支持するドラム状壁部と、
前記カッタードラムの内周側壁部に形成され且つ機内空間から前記カッタードラム内へ作業者が出入り可能にする為のドラム内周側開口部とを備え、
前記ドラム状壁部に、前記ドラム内周側開口部に出入り可能にする隔壁側開口部と隔壁側扉付きの隔壁側扉装置とを設け、
作業者が前記隔壁側扉を開いて隔壁側開口部とドラム内周側開口部とカッタードラム内空間と連結部材内空間を通ってカッタースポーク内空間に出入り可能に構成したことを特徴とするトンネル掘進機。
【請求項2】
前記隔壁側扉装置は、前記隔壁側開口部に可動に内嵌可能に形成され且つ外径側面が開放された縦向き姿勢の内側角筒体と、この内側角筒体の内径側面を開閉可能な前記隔壁側扉と、手動ハンドル操作を介して前記内側角筒体を水平方向に位置切換え可能な筒体移動機構とを有し、
前記内側角筒体は、その外径側端部がカッタードラム内周面から離隔した第1位置とカッタードラム内周面に当接する第2位置とに亙って前記筒体移動機構により移動可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘進機。
【請求項3】
前記隔壁側扉装置は、トンネル掘進機の軸心を挟んだ左右両側位置に対称的に1対設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘進機。
【請求項4】
前記隔壁側開口部は、前記ドラム内周側開口部の周方向長さの2倍以上の周方向長さを有することを特徴とする請求項2に記載のトンネル掘進機。
【請求項5】
前記ドラム内周側開口部を開閉可能なドラム側扉装置を有し、
このドラム側扉装置は、前記ドラム内周側開口部に内嵌させた閉扉位置と、この閉扉位置からカッタードラム内へドラム内周側開口部と直交方向へ所定距離移動させた押動位置と、この押動位置からカッタードラムの前端側へスライド移動させた開扉位置とに亙って位置切換え可能なドラム側開閉扉を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘進機。
【請求項6】
前記カッタースポークの後端壁に連結部材内空間と連通するスポーク側開口部が形成され、前記スポーク側開口部を連結部材内空間側からの開閉操作で開閉可能なスポーク側扉が設けられ、
このスポーク側扉が、カッタースポーク内空間側から前記スポーク側開口部を閉じた閉扉位置と、この閉扉位置から前方へカッタースポーク内へ所定距離移動させた前方押動位置と、この前方押動位置からカッタースポークの長さ方向へスライド移動させた開扉位置とに亙って位置切換え可能に構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッターヘッドのカッタースポークに設けたカッタービットをカッタースポーク内から交換するトンネル掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘進機においては、カッターヘッド(カッターディスク)の複数のカッタースポーク(カッターフレーム)の前端に複数のカッタービットを付設しておき、カッターヘッドを回転駆動することでそれらカッタービットにより切羽を掘削していく。トンネル掘進中にカッタービットが摩耗した際には、掘進を中断して摩耗したカッタービットを交換する。カッタービットを交換する方法として、カッタースポーク内に作動者が入って交換する方法が公知である。
【0003】
特許文献1に記載のシールド掘進機のカッターメンテナンス装置においては、カッターヘッドが外周カッターフレームと、中央カッターフレームとを有し、外周カッターフレームが周方向に適当間隔おきにされた複数の中間ビームを介して旋回リング(カッタードラム)に連結され、中間ビーム内にカッターフレーム内の空間に連通する作業用通路が形成され、中間ビームに接続されて内径側へ張り出したアクセス部材でもって作業用通路に連通するアクセス通路が形成され、アクセス通路の後端に機内空間から出入りする出入口が形成されている。そして、中央カッターフレームに回転駆動力を伝達する円筒体の外径側に回転隔壁が回転自在に支持され、この回転隔壁の外周端は旋回リング及びアクセス部材に固定され、回転隔壁は外周カッターフレームと一体的に回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5426271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカッターメンテナンス装置においては、外周カッターフレームを旋回リングに連結する複数の中間ビーム毎に、中間ビームとこれに接続されたアクセス部材とで作業用通路とアクセス通路を形成することで、機内空間から外周カッターフレーム内へ作業者が出入り可能にしている。しかし、チャンバー内においてアクセス部材が中間ビームの内径側へ大きく張り出すため、チャンバー内空間が狭くなる上、チャンバー内での土砂の流動が阻害されるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、カッタードラム内空間と連結部材内空間を有効活用してカッタースポーク内空間へ作業者が出入りするアクセス性を高めると共に、チャンバー内での土砂の流動性を高めたトンネル掘進機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のトンネル掘進機は、複数のカッタースポークを有するカッターヘッドと、このカッターヘッドの後側のチャンバーと、このチャンバーの後端を仕切る隔壁構造とを備え且つ前記カッタースポーク内からカッタービットを交換可能に構成したトンネル掘進機において、前記隔壁構造に回転自在に支持された閉断面構造の環状のカッタードラムと、
前記カッタードラムをカッタースポークに連結する閉断面構造の複数の連結部材と、前記隔壁構造に形成され且つ前記カッタードラムの内周部を回転可能に支持するドラム状壁部と、前記カッタードラムの内周側壁部に形成され且つ機内空間から前記カッタードラム内へ作業者が出入り可能にする為のドラム内周側開口部とを備え、前記ドラム状壁部に、前記ドラム内周側開口部に出入り可能にする隔壁側開口部と隔壁側扉付きの隔壁側扉装置とを設け、作業者が前記隔壁側扉を開いて隔壁側開口部とドラム内周側開口部とカッタードラム内空間と連結部材内空間を通ってカッタースポーク内空間に出入り可能に構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項2のトンネル掘進機は、請求項1の発明において、前記隔壁側扉装置は、前記隔壁側開口部に可動に内嵌可能に形成され且つ外径側面が開放された縦向き姿勢の内側角筒体と、この内側角筒体の内径側面を開閉可能な前記隔壁側扉と、手動ハンドル操作を介して前記内側角筒体を径方向に位置切換え可能な筒体移動機構とを有し、前記内側角筒体は、その外径側端部がカッタードラム内周面から離隔した第1位置とカッタードラム内周面に当接する第2位置とに亙って前記筒体移動機構により移動可能に構成されたことを特徴としている。
【0009】
請求項3のトンネル掘進機は、請求項1又は2に記載の発明において、前記隔壁側扉装置は、トンネル掘進機の軸心を挟んだ左右両側位置に対称的に1対設けられたことを特徴としている。
【0010】
請求項4のトンネル掘進機は、請求項2に記載の発明において、前記隔壁側開口部は、前記ドラム内周側開口部の周方向長さの2倍以上の周方向長さを有することを特徴としている。
【0011】
請求項5のトンネル掘進機は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ドラム内周側開口部を開閉可能なドラム側扉装置を有し、このドラム側扉装置は、前記ドラム内周側開口部に内嵌させた閉扉位置と、この閉扉位置からカッタードラム内へドラム内周側開口部と直交方向へ所定距離移動させた押動位置と、この押動位置からカッタードラムの前端側へスライド移動させた開扉位置とに亙って位置切換え可能なドラム側開閉扉を有することを特徴としている。
【0012】
請求項6のトンネル掘進機は、請求項1又は2に記載の発明において、前記カッタースポークの後端壁に連結部材内空間と連通するスポーク側開口部が形成され、前記スポーク側開口部を連結部材内空間側からの開閉操作で開閉可能なスポーク側扉が設けられ、このスポーク側扉が、カッタースポーク内空間側から前記スポーク側開口部を閉じた閉扉位置と、この閉扉位置から前方へカッタースポーク内へ所定距離移動させた前方押動位置と、この前方押動位置からカッタースポークの長さ方向へスライド移動させた開扉位置とに亙って位置切換え可能に構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本願の発明は、課題解決手段の欄に記載の構成を有するため次の効果を奏する。
請求項1の発明によれば、機内空間から隔壁側扉装置の隔壁側開口部とドラム内周側開口部を通ってカッタードラム内へ作業者が出入りできるため、カッタードラム内空間と連結部材内空間を有効利用して、機内空間からカッタースポーク内空間へ出入り可能な簡単な構造のアクセス通路を形成することができる。
【0014】
しかも、カッタードラムにドラム内周側開口部を形成し、隔壁構造のうちのカッタードラムを回転可能に支持するドラム状壁部にドラム内周側開口部に出入り可能にする隔壁側扉を備えた隔壁側扉装置を設けるため、隔壁側扉装置によりドラム内周側開口部を機内空間に対して区画することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、隔壁側扉装置が、外周側が開放された縦向き姿勢の内側角筒体と、隔壁側扉と、筒体移動機構とを有するため、トンネル掘進中には内側角筒体をカッタードラム内周面から離隔した第1位置に保持できるため、カッタードラムと内側角筒体との干渉を防ぐことができる。また、カッタービット交換の際には隔壁側扉装置をカッタードラム内周面に当接する第2位置に保持できるため、内側角筒体へのグリース等の流入を防ぐことができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、隔壁側開閉扉機構は、トンネル掘進機の軸心を挟んだ左右両側位置に対称的に1対設けられたため、カッタービット交換時に、カッターヘッドを回動させてドラム内周側開口部を内側角筒体に接続するのが非常に容易になる。
【0017】
請求項4の発明によれば、隔壁側開口部はドラム内周側開口部の周方向長さの2倍以上の周方向長さを有するため、カッタービット交換時に、ドラム内周側開口部を内側角筒体に接続するのが容易になる。
【0018】
請求項5の発明によれば、ドラム内周側開口部を開閉可能なドラム側扉装置が、閉扉位置と押動位置と開扉位置とに亙って位置切換え可能なドラム側扉を有するため、ドラム内周側開口部の小型化を図ることができるうえ、機内空間側からドラム側扉をカッタードラム内へ開扉可能な構成にすることができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、通常時はスポーク側扉を閉扉状態に保持し、カッタービット交換時には、連結部材内空間側からの開閉操作でスポーク側扉を開扉状態にする。その開扉状態で、カッタースポーク内空間へ泥水が侵入した場合に、スポーク側扉を閉扉状態にし、機内空間への泥水の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係るシールド掘進機の縦断面図である。
図2】カッターヘッドの正面図である。
図3】シールド掘進機の前端側部分の拡大縦断面図である。
図4】カッタードラムの縦断面図である。
図5】カッタードラムの要部の正面図である。
図6】カッタードラムとドラム側開閉扉機構の断面図である。
図7図6のVII矢視図である。
図8図6のVIII−VIII線断面図である。
図9図8のIX矢視図である。
図10】カッタードラムとその内側のドラム状壁部の縦断面図である。
図11図10のXI−XI線断面図である。
図12】カッタードラムの要部と隔壁側開閉扉機構の断面図である。
図13図12のXIII矢視図である。
図14】隔壁側開閉扉機構の縦断面図である。
図15図12のXV−XV線断面図である。
図16】カッターヘッドの縦断正面図である。
図17図16のXVII−XVII線拡大断面図である。
図18図17のXVIII−XVIII線拡大断面図である。
図19図17のXIX−XIX線拡大断面図(閉扉状態)である。
図20図17のXIX−XIX線拡大断面図(開扉状態)である。
図21図16のXXI−XXI線拡大断面図である。
図22図21のXXII−XXII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明をシールド掘進機(トンネル掘進機)に適用した場合の実施例について説明する。最初に、シールド掘進機の全体構造について説明する。
【0022】
図1に示すように、このシールド掘進機1は、前胴1a、後胴1b、前胴1aの前側のカッターヘッド2、カッターヘッド2の後側のチャンバー3、チャンバー3の後端を仕切る隔壁構造4、隔壁構造4に回転自在に装備されたカッタードラム5、カッタードラム5をカッターヘッド2に連結する複数の連結部材6、隔壁構造4に装備されてカッタードラム5を回転駆動するカッターヘッド回転駆動機構7、隔壁構造4の中心部分に装備されたロータリジョイント8等を備えている。
【0023】
次に、カッターヘッド2の構造について説明する。
図2図3に示すように、カッターヘッド2は、ヘッド中心部筒体20、外周フレーム21、3本の第1カッタースポーク22、3本の第2カッタースポーク23、6本の第3カッタースポーク24、6本の第3カッタースポーク23の各々の内径端近傍部とその両隣の第1,第2カッタースポーク22,23とを連結する6対の補強部材24aを備えている。第1〜第3カッタースポーク22〜24の前面には、複数のカッタービット2aが付設されている。ヘッド中心部筒体20の前面には、複数のカッタービット2bが付設されている。複数のカッタービット2bは、第1カッタースポーク22に対応する周方向位置に付設されている。
【0024】
第1,第2カッタースポーク22,23は、ヘッド中心部筒体20から外周フレーム21まで半径方向に延びるように配設されている。第3カッタースポーク24は、第1,第2カッタースポーク22,23の長さの約半分の長さのもので、カッターヘッド2の外周側部分に半径方向に延びるように配設されている。3本の第1カッタースポーク22は周方向に120度おきに配設されている。3本の第2カッタースポーク23は、隣接する第1カッタースポーク22の中間に位置するように周方向に120度おきに配設されている。6本の第3カッタースポーク24は、第1,第2カッタースポーク22,23の中間に位置するように周方向に60度おきに配設されている。
【0025】
ヘッド中心部筒体20、第1〜第3カッタースポーク22〜24は夫々閉断面構造に形成されている。カッタースポーク22〜24の内部空間は径方向に延在しており、3本の第1カッタースポーク22の内部空間は、径方向内側においてヘッド中心部筒体20の内部空間と連通されている。カッタースポーク22〜24内の内部空間は、作業者がカッタービット2a、2bを交換する際の作業用通路となっている。
【0026】
3本の第1カッタースポーク22のヘッド中心部筒体20側の端部は、他の部分よりもスポーク幅が絞られた形状を呈している(第1狭幅部22a)。3本の第2カッタースポーク23のヘッド中心部筒体20側の端部も、他の部分よりもスポーク幅が絞られた形状を呈している(第2狭幅部23a)。第2狭幅部23aのスポーク幅は第1狭幅部22aよりも狭い。そのため、カッターヘッド2の中心側におけるチャンバー3に連通する空隙を確保し、チャンバー3への土砂流入をスムーズに行うことができる。ここで、上述したように、カッタービット2bは、第2カッタースポーク23に対応する周方向位置には設けられていない。そのため、第2カッタースポーク23に対応する周方向位置には作業用通路を形成する必要がなく、第2狭幅部23aのスポーク幅を強度上必要な限度まで狭

くすることができる。
【0027】
各第1狭幅部22aの外径側端部には、ヘッド中心部筒体20と第1カッタースポーク22の内部空間を水密に遮断可能なスポーク中心側扉25(図16図21図22参照)が設けられている。
【0028】
このシールド掘進機1では、作業者が機内空間からカッタードラム内空間5sへ侵入し、カッタードラム内空間5sと連結部材内空間6sを通過してカッタースポーク内空間2sに侵入し、カッターヘッド2のカッタービット2a,2bを交換可能に構成されている。
以下、カッタードラム5とその周辺構造について説明する。尚、機内空間とは、胴部材1a,1bの内側で隔壁構造4の後側に形成された空間のことである。
図3図6に示すように、カッタードラム5は、その内部に作業者が入り得るほぼ矩形状断面の環状の閉断面構造体である。カッタードラム5は隔壁構造4に前端開放状に形成された環状凹部に配設されている。カッタードラム5の後壁5cは断面クランク形で、内径側部分が外径側分よりも後方へ幾分突出するように形成されている(図3図4図6参照)。
【0029】
隔壁構造4の後部には、上述したカッターヘッド回転駆動機構7が配設されている。カッターヘッド回転駆動機構7は、複数の油圧モータ7cの回転動力を複数のピニオンから旋回ベアリング7aで支持されたリング状外歯ギア7bを介してカッタードラム5に伝達するように構成されている(図3参照)。カッタードラム5に伝達された回転動力は、複数の連結部材6を介してカッターヘッド2へと伝達される。こうしてカッターヘッド2が回転駆動されることで、シールド掘進機1による掘削が行われることになる。
【0030】
カッターヘッド2側から視て12本の第1〜第3カッタースポーク22〜23とカッタードラム5とが交差する12個所の部位において、カッタードラム5をカッタースポーク22〜24に連結する12の連結部材6が設けられている。連結部材6はその内部を作業者が通過可能なほぼ正方形断面の閉断面構造に構成されている(図16図17参照)。
カッタードラム5の内部空間5sは複数の連結部材6と対応する周方向位置において複数の仕切壁(図8の仕切壁5m,5n参照)により区画されており、連結部材6の内部空間6sと夫々連通する複数の部屋5rが形成されている。
【0031】
この連結部材6に対応する12個所の周方向位置において、カッタードラム5の内周側壁部5aに機内空間からドラム内空間5sのうちの前記部屋5rに作業者が出入りする為のドラム内周側開口部5bと、このドラム内周側開口部5bを開閉可能なドラム側扉装置30とが設けられている。
【0032】
連結部材6の周方向両端に対応する位置において、カッタードラム5内には、前後方向と平行でほぼ半径方向向きの仕切壁5m,5nが設けられ、これらの仕切壁5m,5nにはマンホール蓋5eで開閉可能なマンホールが形成されている(図6参照)。
【0033】
図6図7図12に示すように、カッタードラム5の内周側壁部5aは、土砂シール14aとベアリング14bを介してドラム状壁部4aで支持され、この内周側壁部5aの後部に作業者が出入り可能なサイズのドラム内周側開口部5bが形成されている。
【0034】
ドラム側扉装置30は、開口部5ba 開閉可能なドラム側扉31と、ドラム側扉31を閉扉位置にした状態で複数の固定ボルト32aでドラム側扉31をカッタードラム5に締結する締結機構32と、開口部5bに内嵌され且つ開口部5bが全閉状態となる閉扉位置と、この閉扉位置からカッタードラム5の径方向に離間した押動位置に亘ってドラム側扉31を案内する第1案内機構33と、押動位置からシールド掘進機の前方へ離間し且つ開口部5bが全開状態になる開扉位置に亘ってドラム側扉31を案内する第2案内機構34とが設けられている。
【0035】
ドラム用扉31は、内周側壁部5aに沿った湾曲状に形成されている。
ドラム側扉31の外周には、上下のフランジ部31bが形成されており、これらのフランジ31bには止水シール部材31cが夫々固着されている。ドラム側扉31が閉扉位置のとき、ドラム用扉31がドラム内周側開口部5bに嵌合され、外周フランジ31bがカッタードラム5の内側から止水シール部材31cを挟んでドラム内周側壁部5aに密着状に当接されている。通常運転時では、ドラム側扉31は複数のボルト32aを介して内周側壁部5aに締結されている。
【0036】
カッタードラム5内には図9に示すようなほぼ矩形状の可動板36がドラム側扉31と平行に配置され、この可動板36の上端部と下端部には、1対のガイドローラ37a,37bが夫々設けられている。図8にて上側の1対のガイドローラ37aは、カッタードラム5内の上側の仕切壁5mに連結片を介して付設された前後方向へ延びる上ガイドバー38aに係合し、下側の1対のガイドローラ37bは、カッタードラム5内の下側の仕切壁5nに連結片を介して付設された前後方向へ延びる下ガイドバー38bに係合している。 このような構成により、可動板36は、開口部5bに対向する押動位置と、可動板36の後端が開口部5bの前端よりも前方に位置する開扉位置に亘って前後動可能になっている。
【0037】
可動板36には、径方向向きの貫通孔を有する上下2対の案内筒体33aが夫々付設されている。ドラム用扉31には、4本の案内ロッド33bが外径側に突出状に設けられており、これらの案内ロッド33bは4本の案内筒体33aに夫々係合されている。
カッタードラム5へのドラム側扉31の締結が解除された状態では、ドラム側扉31の動作は案内筒体33aと案内ロッド33bにより規制される。このような構成により、ドラム側扉31は、上述した閉扉位置と可動板36に当接される押動位置とに亘って径方向に移動可能となっている(第1案内機構33)
【0038】
押動位置において、ドラム側扉31は複数のボルト36cを介して可動板36に締結可能に構成されている。ドラム側扉31が可動板36締結された状態では、ドラム側扉31の動作はガイドローラ37とガイドバー38により規制される。ドラム側扉31は、上述した押動位置と、開口部5bが全開状態になる開扉位置とに亘って前後動可能となっている(第2案内機構34)。
【0039】
次に、機内空間側の構造について図10図15に基づいて説明する。
隔壁構造4は、チャンバー3の後端を仕切るもので、カッタードラム5の内周部を回転可能に支持するドラム状壁部4a(図10参照)を備えている。そのドラム状壁部4aの左右両側部分には、作業者が機内空間からドラム内周側開口部5bに出入りする為の隔壁側開口部4bが夫々設けられている。隔壁側開口部4bは、シールド掘進機1の高さ方向中段位置で且つドラム内周側開口部5bと同じ前後方向位置に設けられている。隔壁側開口部4bは、開口部5bよりも広い開口面積を有しており、シールド掘進機1の正面から見たときに開口部5bの周方向長さの2倍以上の周方向長さに形成されている。ドラム状壁部4aの左右両側部分には、この1対の隔壁側開口部4bを開閉可能な1対の隔壁側扉装置40(図10図15参照)が装備されている。
【0040】
隔壁側扉装置40は、シールド掘進機1の左右方向(水平方向)に延びる外側角筒体42と、外側角筒体42に収容されてシールド掘進機1の左右方向に延びる内側角筒体43と、内側角筒体43を開閉可能な隔壁側扉41と、内側角筒体43をシールド掘進機1の左右方向(水平方向)に移動させるための筒体移動機構44を備えている。内側角筒体43は、カッタードラム内周面(内周側壁部5aの内面)から離隔した第1位置とカッタードラム内周面に当接する第2位置とに亙って筒体移動機構44により移動可能に構成されている。
【0041】
外側角筒体42は両端が開放状に形成され、その一端が隔壁側開口部4bを囲うようにドラム状壁部4aに溶接されており、その他端には内側角筒体43の抜けを防止するための内鍔部48が設けられている。内側角筒体43の口径は隔壁側開口部4bの口径よりも小さく且つ開口部5bの口径よりも大きい。内側角筒体43は、両端開放状に形成され、その一端(端部43a)が開口部4bと対向し、端部43aと反対側の端部43bには隔壁側扉41が取り付けられている。端部43aの外縁には矩形ループ状のパッキン43pが装着されている。
内側角筒体43の内径側端部(端部43b)には鍔部46が付設されている。鍔部46が外側角筒体42の内鍔部48に当接されることで、内側角筒体43が外側角筒体42から抜けることがない。
【0042】
筒体移動機構44は、外側角筒体42上で内側角筒体43を転動させるための複数の遊転輪52と、遊転輪52の動作を規制するレールと、レールにそって内側角筒体43を駆動させるハンドル付の送りねじ等により構成される。内側角筒体43の底板には、台板51が固定されている。台板51には1対の遊転輪52が付設され、これらの遊転輪52は外側角筒体42の底板53上を転動可能になっている。
【0043】
支持板53にはシールド掘進機1の左右方向に延びる前後1対のレールが配設され、遊転輪52はこれらのレールに係合されている。底板53の遊転輪52と反対側の面には、送りねじが配設されている。送りねじは、レールの方向に沿って延びるねじ軸56、ナット部材55、操作用ハンドル57を備えている。ナット部材55は連結部材55aを介して台板51に連結されている。連結部材55aは底板53を貫通しており、底板53には連結部材55aとの干渉を避けるための長孔が形成されている。
内側角筒体43の移動を円滑にするため、外側角筒体42の前壁及び後壁の内面の上部と下部には低摩擦のスライドガイド45aが付設され、内側角筒体43の前壁及び後壁の内面の上部と下部にはスライドガイド45aに摺接する低摩擦の摺動部材45bが付設されている。
【0044】
次に、スポーク側開口部60とスポーク側扉61の構造について説明する。
図16図20に示すように、12本のカッタースポーク22〜24の各々において、カッタースポークの後端壁62には連結部材内空間6sと連通するスポーク側開口部60が形成され、このスポーク側開口部60を連結部材内空間6s側からの開閉操作で開閉可能なスポーク側扉61が設けられている。
【0045】
このスポーク側扉61は、スポーク側開口部60とその外周側部分に当接され、このスポーク側開口部60を全閉状態とする閉扉位置と、この閉扉位置から前方へカッタースポーク22〜24内へ離間した前方押動位置と、この前方押動位置からカッタースポーク22〜24の長さ方向(径方向)に離間し、スポーク側開口部60を全開状態とする開扉位置とに亙って位置切換え可能に構成されている。
【0046】
スポーク側扉61は、カッタースポーク内空間6sに位置する薄手の平板状の扉本体61aと、スポーク側開口部60の4つの角付近部分に配置されて扉本体61aに固定された4つの突出部材61bとを備えている。上記の4つの突出部材61bに対応する傾斜部材63が、連結部材内空間6s側からカッタースポーク22〜24の後端壁62に固定されている。傾斜部材63の各々において、傾斜部材63側に設けた2本の固定ボルト64を対応する突出部材61bに螺合固定することで、スポーク側扉61が図19に示す閉扉位置になる。尚、扉本体61aの中心部にはハンドホールを閉塞する蓋部材61cが複数のボルトで固定されている。
【0047】
スポーク側開閉扉61を閉扉位置から図20に示す前方押動位置に切換える場合には、固定ボルト64の締結を解除し、ハンドル部65を掴んでスポーク側開閉扉61をカッタースポーク22〜24側へ押動すると、前方押動位置になる。
【0048】
扉本体61aの周方向両端部には前後方向向きの軸心を有する4つの遊転輪66が夫々付設されている。カッタースポーク22〜24の周方向と直交する1対の直交壁部67の内面のうち、後端壁62から所定距離離隔した部位には、スポーク側開閉扉61が前方押動位置に切換えられた状態において8つの遊転輪66が後端壁62から所定距離以上離隔しないように規制する断面L形の規制部材68が所定の径方向範囲に延びるように設けられている。
【0049】
図16図20に示すように、スポーク側扉61を前方押動位置にしてから8つ遊転輪66の支持案内作用を介して手動によりスポーク側扉61を径方向へ所定距離(例えば、スポーク側扉61の径方向幅以上の距離)移動させると、スポーク側開口部60が開放されて開扉位置になる。以上のように、連結部材内空間6sにいる作業者が、スポーク側扉61を閉扉位置から前方押動位置に切換え、その前方押動位置から開扉位置に切換えることができる。また、スポーク側扉61を開扉位置から前方押動位置ヘ切換え、その前方押動位置から閉扉位置に切換えることができる。
【0050】
次に、スポーク中心側扉26構造について説明する。各第1カッタースポーク22内において、第1狭幅部22aの外径側端部の外径側近傍には、仕切壁70 と、この仕切壁70に形成した矩形開口部71を水密に遮断可能なスポーク中心側扉26が設けられている。
【0051】
スポーク中心側扉25の扉外周部は、矩形開口部70の周囲の壁部にヘッド中心部筒体20と反対側から当接し、その扉外周部が上記の周囲壁部に複数のボルト25aで固定され、スポーク中心側扉25が閉扉位置に保持される。スポーク中心側扉25の外径側面には上下1対の取手部材72が固定され、スポーク中心側扉25の中心部には手動操作式のコック73が付設されている。このコック73によりヘッド中心部筒体20内の中心部空間20a内に泥水が流入してないか否かを確認できる。
【0052】
次に、このシールド掘進機1の動作について説明する。
トンネル掘削の際には、カッターヘッド回転駆動機構7によりカッタードラム5を回転駆動し、複数の連結部材6を介してカッターヘッド2を回転駆動し、複数のシールドジャッキによる推力でシールド掘進機1を前進させながら、カッタービット2a,2bにより切羽を掘削していき、セグメント1リング分掘削する毎に、掘削を停止して1リング分のセグメントの覆工を行うのを繰り返しながら、トンネルを掘削していく。
【0053】
この掘削時、切羽から掘削された土砂は、カッターヘッド2のカッタースポーク22〜24の間の間隙からチャンバー3内に流入し、チャンバー3内から排土装置14により排出される。カッターヘッド2の中心側部分において、カッタースポーク22,23のスポーク幅を狭く形成したため、後述するようにチャンバー3内への土砂の流動性が高くなる。
【0054】
また、カッタービット2aを交換する場合には、掘削を停止した状態で、交換対象のカッタービット2aが装着されているカッタースポーク22〜24が水平位置となるようにカッターヘッド2の回転位相を調整して、ドラム内周側開口部5bを隔壁側開口部4bに対向させ、上述のように、筒体移動機構44により内側角筒体43をその端部43aがドラム内周面に当接する第2位置に切換え、隔壁側扉41を開いて作業者が内側角筒体43内へ入る。
【0055】
次に、ドラム側扉31を閉扉位置から開扉位置へ切換えて、作業者がカッタードラム5内の部屋5rを経由して連結部材内空間6sに移動し、スポーク側扉61を開扉位置に切換えてカッタースポーク22〜24内空間に侵入し、そのカッタースポーク内空間2sにおいてカッタービット2aの交換を行う。カッタービット2bの交換を行う場合には、カッタースポーク内空間2sからスポーク中心側扉26を開いて、ヘッド中心部筒体20内へ侵入し、カッタービット2bの交換を行う。
【0056】
次に、以上説明したシールド掘進機1の作用、効果について説明する。
機内空間から隔壁側扉装置40の隔壁側開口部4bとドラム内周側開口部5bを通ってカッタードラム5内へ作業者が出入りできるため、カッタードラム内空間5sと連結部材内空間6sを有効利用して、機内空間からカッタースポーク内空間2sへ出入り可能な簡単な構造のアクセス通路を形成することができる。
【0057】
しかも、カッタードラム5にドラム内周側開口部5bを形成し、隔壁構造4のうちのカッタードラム5を回転可能に支持するドラム状壁部4aにドラム内周側開口部5bに出入り可能にする隔壁側扉41を備えた隔壁側扉装置40を設けるため、隔壁側扉装置40によりドラム内周側開口部5bを機内空間に対して区画することができる。
【0058】
さらに、カッタードラム5を幾分大型化するだけで、チャンバー3内に大きく張り出すような部材を設ける必要がないため、チャンバー内での土砂の流動性を高めることができる。しかも、特別な構造のカッターヘッド2ではなく、一般的な一体回転型のカッターヘッド2を採用可能である。
【0059】
隔壁側扉装置40が、外周側が開放され且つドラム内周側開口部5bの周方向長さの2倍以上の周方向長さを有する縦向き姿勢の内側角筒体43と、隔壁側扉41と、筒体移動機構44とを有するため、カッタービット交換時に、カッターヘッド2を回動させてドラム内周側開口部5bを内側角筒体43に接続するのが容易になる。
【0060】
トンネル掘進中には隔壁側扉装置40の内側角筒体43をカッタードラム内周面から離隔した第1位置に保持できるため、カッタードラムと内側角筒体との干渉を防ぐことができる。カッタービット交換の際には内側角筒体43をカッタードラム内周面に当接する第2位置に保持できるため、内側角筒体43へのグリース等の流入を防ぐことができる。
【0061】
隔壁側扉装置40は、シールド掘進機1の軸心を挟んだ左右両側位置に対称的に1対設けられたため、カッタービット交換時に、カッターヘッド2を回動させてドラム内周側開口部5bを内側角筒体43に接続するのが非常に容易になる。
【0062】
ドラム内周側開口部5bを開閉可能なドラム側扉装置30が、閉扉位置と押動位置と開扉位置とに亙って位置切換え可能なドラム側扉31を有するため、ドラム内周側開口部5bの小型化を図ることができるうえ、ドラム側扉31を機内空間側からカッタードラム5内へ開扉可能になる。
【0063】
ドラム側扉31を締結する締結機構32と、第1案内機構33と、第2案内機構34とを設けたため、ドラム側扉31を確実な閉扉状態にすることができ、閉扉位置と押動位置と開扉位置とに亙って円滑に移動させることができる。
【0064】
複数の連結部材6は、カッターヘッド2側から視て複数のカッタースポーク22〜24とカッタードラム5とが交差する複数部位に設けられているため、カッタードラム内空間5sと連結部材内空間6sとカッタースポーク内空間2sを接続する構成が簡単になる。
複数の連結部材6に対応するようにカッタードラム5に複数のドラム内周側開口部5bが部屋5r毎に形成されたため、ドラム内周側開口部5bとカッタードラム内空間5sと連結部材内空間6sを通ってカッタースポーク内空間2sへアクセスするアクセス通路を短くすることができる。
【0065】
通常時はスポーク側扉61を閉扉状態に保持し、カッタービット交換時には、連結部材内空間6s側からの開閉操作でスポーク側扉61を開扉状態にする。その開扉状態で、カッタースポーク内空間2sへ泥水が侵入した場合に、スポーク側扉25でもってスポーク側開口部60を閉扉状態にし、機内空間への泥水の侵入を防止することができる。
【0066】
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
(1)カッターヘッドに設けるカッタースポークの数や配置、補強部材の数や配置は、前記実施例のものに限定されるものではない。例えば、小型のカッターヘッドにおいて4本のカッタースポークを設ける場合には、ヘッド中心部筒体は4角筒に形成することもある。
【0067】
(2)前記シールド掘進機の内部に装備される機器や装置類は、一例を示すものに過ぎない。例えば、スクリュー式の排土装置に代えて泥水的の排泥装置を採用する場合もある。
【0068】
(3)ドラム側扉装置のドラム側扉の構造、締結機構、第1,第2移動機構も一例を示すものに過ぎず、種々変更した形態で実施可能である。
(4)隔壁側扉装置の構造及び隔壁側扉の構造も一例を示すものに過ぎず、種々変更した形態で実施可能である。
(5)その他、当業者ならば本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【符号の説明】
【0069】
1 シールド掘進機
2 カッターヘッド
2a,2b カッタービット
2s カッタースポーク内空間
3 チャンバー
4 隔壁構造
4a ドラム状壁部
4b 隔壁側開口部
5 カッタードラム
5a 内周側壁部
5b ドラム内周側開口
5s カッタードラム内空間
6 連結部材
6s 連結部材内空間
22,23,24 第1〜第3カッタースポーク
30 ドラム側扉機構
31 ドラム側扉
32 締結機構
32a 固定ボルト
33 第1案内機構
34 第2案内機構
40 隔壁側扉装置
41 隔壁側扉
43 内側角筒体
44 筒体移動機構
60 スポーク側開口部
61 スポーク側開閉扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図22