(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6686040
(24)【登録日】2020年4月3日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ダイ間相互接続用ブリッジモジュールを有する半導体アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20140101AFI20200413BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20200413BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20200413BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L21/56 R
H05K3/28 G
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-549670(P2017-549670)
(86)(22)【出願日】2015年10月9日
(65)【公表番号】特表2018-514944(P2018-514944A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】US2015054947
(87)【国際公開番号】WO2016153552
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】14/665,908
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ウソン
(72)【発明者】
【氏名】ラマリンガム, サレシュ
【審査官】
平林 雅行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−99591(JP,A)
【文献】
特開2006−261311(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0168854(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0285006(US,A1)
【文献】
特開2015−50315(JP,A)
【文献】
特開2015−220291(JP,A)
【文献】
特開2016−96224(JP,A)
【文献】
特表2012−529770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 25/00−25/07
H01L 25/10−25/11
H01L 25/16−25/18
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板と、
第1の集積回路(IC)ダイであって、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第1の相互接続部及び複数のダイ間コンタクトのうちの第1のダイ間コンタクトを有し、前記第1の相互接続部が、前記パッケージ基板のトップ面に電気的及び機械的に結合されている、第1のICダイと、
第2のICダイであって、そのトップ面に、前記複数の相互接続部のうちの第2の相互接続部及び前記複数のダイ間コンタクトのうちの第2のダイ間コンタクトを有し、前記第2の相互接続部が、前記パッケージ基板の前記トップ面に電気的及び機械的に結合されている、第2のICダイと、
前記第1の相互接続部と前記第2の相互接続部との間に配置されたブリッジモジュールであって、前記ブリッジモジュールの背面が、前記パッケージ基板に電気的に接続されておらず、且つ前記複数の相互接続部の高さを超えて延びておらず、前記ブリッジモジュールは、
前記複数のダイ間コンタクトに機械的及び電気的に結合された、前記ブリッジモジュールのトップ面のブリッジ相互接続部と、
前記ブリッジモジュールの前記トップ面に配置され、前記第1のICダイと前記第2のICダイとの間で信号をルーティングするように構成された、導電性相互接続部の1つ以上の層と
を含む、ブリッジモジュールと、
前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールの前記背面の各々と前記パッケージ基板の前記トップ面との間に配置されたアンダーフィルと、
前記第1のICダイを前記第2のICダイにボンディングし、前記ブリッジモジュールを前記第1のICダイ及び前記第2のICダイの各々にボンディングするエポキシと
を備える集積回路(IC)パッケージ。
【請求項2】
前記ブリッジモジュールが、前記パッケージ基板から離れている基板を備える、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項3】
前記ブリッジモジュールが、能動回路を含む半導体基板を備える、請求項1又は2に記載のICパッケージ。
【請求項4】
前記ブリッジモジュールが、セラミック基板、有機基板、又は半導体基板を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のICパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージ基板が、その背面に複数の相互接続部を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のICパッケージ。
【請求項6】
半導体アセンブリを製造する方法であって、
キャリア基板であって、キャビティ及びその上に配置されたリリース層を有するキャリア基板を形成することと、
前記キャビティの1つにブリッジモジュールを配置することであって、前記ブリッジモジュールが、そのトップ面のブリッジ相互接続部と、前記そのトップ面に配置された導電性相互接続部の1つ以上の層とを含む、配置することと、
第1の集積回路(IC)ダイを前記キャリア基板上に配置し、その第1の相互接続部が複数の前記キャビティに配置されるようにすることと、
第2のICダイを前記キャリア基板上に配置し、その第2の相互接続部が複数の前記キャビティに配置されるようにすることと、
前記ブリッジ相互接続部を前記第1のICダイ及び前記第2のICダイのダイ間コンタクトに結合することと、
前記リリース層を離すことによって、前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールを備える半導体アセンブリを前記キャリア基板から分離することと、
前記第1のICダイの前記第1の相互接続部及び前記第2のICダイの前記第2の相互接続部が、パッケージ基板のトップ面に電気的及び機械的に結合されるように、前記パッケージ基板上に前記半導体アセンブリを実装することと、
前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールの背面の各々と前記パッケージ基板の前記トップ面との間にアンダーフィルを堆積させることと
を含み、
前記ブリッジモジュールの背面が、前記パッケージ基板に電気的に接続されておらず、前記第1の相互接続部及び前記第2の相互接続部の高さを超えて延びていない、方法。
【請求項7】
分離するステップの前に、前記第1のICダイを前記第2のICダイにボンディングし、前記ブリッジモジュールを前記第1のICダイ及び前記第2のICダイの各々にボンディングするエポキシを形成すること
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
分離するステップの前に、前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールを、モールディングコンパウンドに封入することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ブリッジモジュールが、能動回路を含む半導体基板を備える、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
結合するステップが、
前記ブリッジ相互接続部を前記ダイ間コンタクトにはんだ付けすること、又は
熱圧着プロセスを使用して前記ブリッジ相互接続部を前記ダイ間コンタクトにボンディングすること
を含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
集積回路(IC)パッケージであって、
パッケージ基板と、
第1の集積回路(IC)ダイであって、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第1の相互接続部及び複数のダイ間コンタクトのうちの第1のダイ間コンタクトを有し、前記第1の相互接続部が、前記パッケージ基板のトップ面に電気的及び機械的に結合されている、第1のICダイと、
第2のICダイであって、そのトップ面に、前記複数の相互接続部のうちの第2の相互接続部及び前記複数のダイ間コンタクトのうちの第2のダイ間コンタクトを有し、前記第2の相互接続部が、前記パッケージ基板の前記トップ面に電気的及び機械的に結合されている、第2のICダイと、
前記第1の相互接続部と前記第2の相互接続部との間に配置されたブリッジモジュールであって、前記ブリッジモジュールの背面が、前記パッケージ基板に電気的に接続されておらず、且つ前記複数の相互接続部の高さを超えて延びておらず、前記ブリッジモジュールは、
前記複数のダイ間コンタクトに機械的及び電気的に結合された、前記ブリッジモジュールのトップ面のブリッジ相互接続部と、
前記ブリッジモジュールの前記トップ面に配置され、前記第1のICダイと前記第2のICダイとの間で信号をルーティングするように構成された、導電性相互接続部の1つ以上の層と
を含む、ブリッジモジュールと、
前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールの前記背面の各々と前記パッケージ基板の前記トップ面との間に配置されたアンダーフィルと、
前記第1のICダイ、前記第2のICダイ、及び前記ブリッジモジュールを封入するモールディングコンパウンドと
を備える、集積回路(IC)パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、一般に半導体デバイスに関し、特に、ダイ間相互接続のためのブリッジモジュールを有する半導体アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)アーキテクチャは、各機能が別個のICダイまたはチップスケールパッケージ(CSP)によって実行される多数の異種機能を、1つのパッケージに組み込むように進化して来た。そのようなアーキテクチャは、システムインパッケージ(SiP)と呼ばれることもある。SiPアーキテクチャの1つのタイプは、インターポーザに複数のICダイを実装し、インターポーザが次にパッケージ基板に実装されることを含む。インターポーザは、スルー・シリコン・ビア(TSV)とも呼ばれるスルー・ダイ・ビア(TDV)を含み、スルー・ダイ・ビアは、その上下面の両方のメタライゼーション層を接続する。メタライゼーション層は、複数のICダイ間、および複数のICダイの各々とパッケージ基板との間の電気信号を伝達するために使用される。このタイプのSiPアーキテクチャは、2.5次元(2.5D)パッケージと呼ばれることがある。しかし、SiPパッケージに2.5Dアーキテクチャを使用すると、個別のインターポーザを設計、製造、テストする必要があるため、コストが大幅に増加する。
【発明の概要】
【0003】
ダイ間相互接続のためのブリッジモジュールを有する半導体アセンブリを提供するための技術が、記載されている。一例では、半導体アセンブリは、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールを備える。第1のICダイは、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第1の相互接続部および複数のダイ間コンタクトのうちの第1のダイ間コンタクトを含む。第2のICダイは、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第2の相互接続部および複数のダイ間コンタクトのうちの第2のダイ間コンタクトを含む。ブリッジモジュールが、第1の相互接続部と第2の相互接続部との間に配置される。ブリッジモジュールは、そのトップ面にあるブリッジ相互接続部であって、複数のダイ間コンタクトに機械的及び電気的に結合されたブリッジ相互接続部と、そのトップ面に配置され、第1のICと第2のICとの間で信号をルーティングする導電性相互接続部の1つ以上の層とを含む。ブリッジモジュールの背面は、複数の相互接続部の高さを超えて延びていない。
【0004】
任意選択で、半導体アセンブリは、第1のICダイを第2のICダイにボンディングし、ブリッジモジュールを第1のICダイおよび第2のICダイのそれぞれにボンディングするエポキシをさらに含んでもよい。
【0005】
任意選択で、半導体アセンブリは、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールを封入するモールディングコンパウンドをさらに含んでもよい。
【0006】
任意選択で、ブリッジモジュールは、セラミック基板、有機基板、または半導体基板を含んでもよい。
【0007】
任意選択で、ブリッジモジュールは、能動回路を有する半導体基板を含んでもよい。
【0008】
別の例では、ICパッケージは、パッケージ基板と、第1のICダイと、第2のICダイと、ブリッジモジュールとを含む。第1のICダイは、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第1の相互接続部および複数のダイ間コンタクトのうちの第1のダイ間コンタクトを含み、第1の相互接続部は、パッケージ基板のトップ面に電気的及び機械的に結合されている。第2のICダイは、そのトップ面に、複数の相互接続部のうちの第2の相互接続部および複数のダイ間コンタクトのうちの第2のダイ間コンタクトを含み、第2の相互接続部は、パッケージ基板のトップ面に電気的及び機械的に結合されている。ブリッジモジュールは、第1の相互接続部と第2の相互接続部との間に配置され、ブリッジモジュールの背面はパッケージ基板から離間している。ブリッジモジュールは、そのトップ面にあるブリッジ相互接続部であって、複数のダイ間コンタクトに機械的及び電気的に結合されたブリッジ相互接続部と、そのトップ面に配置され、第1のICと第2のICとの間で信号をルーティングする導電性相互接続部の1つ以上の層とを含む。
【0009】
任意選択で、ICパッケージは、第1のICダイを第2のICダイにボンディングし、ブリッジモジュールを第1のICダイおよび第2のICダイのそれぞれにボンディングするエポキシをさらに含んでもよい。
【0010】
任意選択で、ICパッケージは、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールを封入するモールディングコンパウンドをさらに含んでもよい。
【0011】
任意選択で、ICパッケージは、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールのそれぞれとパッケージ基板のトップ面との間に配置されたアンダーフィルをさらに含んでもよい。
【0012】
任意選択で、パッケージ基板は、その背面に複数の相互接続部を含んでもよい。
【0013】
任意選択で、ブリッジモジュールは、パッケージ基板から離れている予め製造された基板を含んでもよい。
【0014】
任意選択で、ブリッジモジュールは、能動回路を備える半導体基板を含んでもよい。
【0015】
別の例では、半導体アセンブリを製造する方法は、キャビティおよびその上に配置されたリリース層を有するキャリア基板を形成することと、キャビティの1つにブリッジモジュールを配置することであって、ブリッジモジュールは、そのトップ面にあるブリッジ相互接続部と、そのトップ面に配置された導電性相互接続部の1つ以上の層とを含む、配置することと、それの第1の相互接続部が複数のキャビティ内に配置されるように、第1の集積回路(IC)ダイをキャリア基板上に配置することと、それの第2の相互接続部が複数のキャビティ内に配置されるように、第2のICダイをキャリア基板上に配置することと、ブリッジ相互接続部を第1のICダイおよび第2のICダイのダイ間コンタクトに結合することと、リリース層を離すことによって、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールを含む半導体アセンブリをキャリア基板から分離することとを含む。
【0016】
任意選択で、本方法は、リリース層を離すことによって、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールを含む半導体アセンブリをキャリア基板から分離することを、さらに含んでもよい。
【0017】
任意選択で、本方法は、分離するステップの前に、第1のICダイを第2のICダイにボンディングし、ブリッジモジュールを第1のICダイおよび第2のICダイのそれぞれにボンディングするエポキシを形成することを、さらに含んでもよい。
【0018】
任意選択で、本方法は、分離するステップの前に、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジモジュールをモールディングコンパウンドに封入することを、さらに含んでもよい。
【0019】
任意選択で、ブリッジモジュールは、セラミック基板、有機基板、または半導体基板を含んでもよい。
【0020】
任意選択で、ブリッジモジュールは、能動回路を有する半導体基板を含んでもよい。
【0021】
任意選択で、結合するステップは、半導体アセンブリを加熱して、ブリッジ相互接続部をダイ間コンタクトにリフローはんだ付けすることを含む。
【0022】
任意選択で、結合するステップは、熱圧着プロセスを使用してブリッジ相互接続部をダイ間コンタクトにボンディングすることを含む。
【0023】
これらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照して理解され得る。
【0024】
上記に列挙した特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した、より詳細な説明が、実施例を参照することによって得られ、そのいくつかが添付の図面に示される。 しかしながら、添付の図面は典型的な実施例のみを示しているので、その範囲を限定するものと見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】集積回路(IC)パッケージの一例を示す概略断面図である。
【
図1B】ICパッケージの他の例を示す概略断面図である。
【
図2】半導体アセンブリを製造するプロセスの一例を示す概略断面図である。
【
図3】
図1Aの半導体アセンブリを製造するプロセスの一例を示す概略断面図である。
【
図4】
図1Bの半導体アセンブリを製造するプロセスの一例を示す概略断面図である。
【
図5】キャリア基板から分離した後の半導体アセンブリの平面図である。
【
図7】ICダイを相互接続するように構成されたブリッジモジュールの一例を示す概略断面図である。
【
図8】半導体アセンブリの製造方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに、同一の参照番号を使用した。1つの例の要素は他の例に有益に組み込むことができるということが意図される。
【0027】
以下、様々な特徴について図面を参照して説明する。図面は一定の縮尺で描かれているかもしれないし、描かれていないかもしれず、また類似の構造または機能の要素は図面全体を通して同様の参照番号によって表されることに留意されたい。図面は、特徴の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。これらは、特許請求される発明の網羅的な説明として、または特許請求される発明の範囲に対する限定として意図されていない。さらに、例示された実施形態は、示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明された態様または利点は、その実施形態に必ずしも限定されず、そのように図示されていない場合でも、又は明示的に記載されていない場合でも、他の実施形態において実施することができる。
【0028】
ダイ間相互接続のためのブリッジモジュールを有する半導体アセンブリを提供するための技術が、記載されている。一例では、半導体アセンブリは、一対の集積回路(IC)ダイを電気的に接続するように構成されたブリッジモジュールを含む。ブリッジモジュールは、ICダイ上のダイ間コンタクトに機械的及び電気的に結合するように構成されたブリッジ相互接続部を含む。ICダイおよびブリッジモジュールは、エポキシまたはモールディングコンパウンドを用いて機械的に固定される。半導体アセンブリは、キャリア基板を使用して形成され、その後にキャリア基板から分離され、SiPパッケージのパッケージ基板、プリント回路基板(PCB)などに実装されることができる。ブリッジモジュールは、ICダイ間の電気的接続をサポートし、したがって、ICダイとパッケージ基板/PCBとの間のインターポーザの必要性を除去する。ブリッジモジュールは、パッケージ基板/PCBから離れている。したがって、パッケージ基板/PCBの熱膨張係数(CTE)とブリッジモジュールのCTEとの間の不一致の心配なしにブリッジモジュールを組み立てることができる。半導体アセンブリは、予め製造されており、ブリッジモジュール、パッケージ基板/PCB、およびICダイの連続的なビルドアップに依存しない。さらに、この予め製造された半導体アセンブリは、パッケージ基板またはPCBなどの有機基板にブリッジダイを埋め込むときに伴う複雑なダイ埋め込みステップを回避する。したがって、この予め製造された半導体アセンブリは、特定のパッケージ基板またはPCBに依存しない。
【0029】
図1Aは、集積回路(IC)パッケージ100Aの一例を示す概略断面図である。ICパッケージ100Aは、複数のICダイ(例えば、第1のICダイ104Aおよび第2のICダイ104Bが示されている)を支持するパッケージ基板102を含む。例として明瞭にするために、2つのICダイしか示されていないが、2つより多いICダイを有する半導体アセンブリに本明細書に記載の技術を用いることができることは当業者には明らかであろう。パッケージ基板102に実装されたICダイは、まとめて「ICダイ104」と呼ばれる。パッケージ基板102は、一方の側で複数の相互接続部106に結合され、反対側で第1のICダイ104Aおよび第2のICダイ104Bを支持する。複数の相互接続部106は、例えば、プリント回路基板(PCB)などにICパッケージ100Aを実装するように構成された複数のはんだボールを含むことができる。
【0030】
ICダイ104の各々は、「トップ面」および「背面」を含む。ICダイ104の各々は、そのトップ面がパッケージ基板102に面するようにパッケージ基板102に「フリップチップ」実装するように構成される。ICダイ104の各々の背面は、トップ面の反対側の面である。ICダイ104Aは、複数の相互接続部(「相互接続部108A」)に結合されたトップ面を含む。相互接続部108Aは、はんだバンプ(例えば、C4(controlled collapse chip connection)バンプ)などを含むことができる。相互接続部108Aは、ICダイ104Aをパッケージ基板102に機械的及び電気的に結合する。ICダイ104Aと同様に、ICダイ104Bは、複数の相互接続部(「相互接続部108B」)に結合されたトップ面を含む。相互接続部108Bは、はんだバンプ(例えば、C4バンプ)などを含むことができる。相互接続部108Bは、ICダイ104Bをパッケージ基板102に機械的及び電気的に結合する。相互接続部108Aおよび相互接続部108Bは、集合的に複数の相互接続部(「相互接続部108」)を構成する。
【0031】
ICパッケージ100Aは、ICダイ104AとICダイ104Bとを電気的に結合するように構成されたブリッジモジュール110をさらに含む。例えば、ブリッジモジュール110は、ICダイ104AとICダイ104Bとの間の電気信号の伝達をサポートすることができる。ブリッジモジュール110は、相互接続部108Aと相互接続部108Bとの間に配置される。ブリッジモジュール110は、複数のブリッジ相互接続部(「ブリッジ相互接続部112」)に結合されたトップ面を含む。ブリッジモジュール110の「トップ面」は、ICダイ104のトップ面に面する面である。ブリッジモジュール110の「背面」は、そのトップ面の反対側の面である。
【0032】
一例では、ブリッジモジュール110の背面は、ICダイ104の相互接続部108の高さを超えて延びていない。すなわち、ブリッジモジュール110は、パッケージ基板102から離間されている。別の例では、ブリッジモジュール110の背面は、物理的にパッケージ基板102に接触することができるが、ブリッジモジュール110の背面は、パッケージ基板102に電気的に接続されていない。ブリッジモジュール110は、セラミック基板、有機基板、または半導体基板などの基板上に形成されたメタライゼーション層を含むことができる。一例では、ブリッジモジュール110は、その上に形成された固体回路を有する半導体基板を含む。
【0033】
ブリッジ相互接続部112は、ICダイ104Aのダイ間コンタクト(
図6Aに示す)に電気的および機械的に結合されたブリッジ相互接続部の第1の組(「ブリッジ相互接続部112A」)と、ICダイ104Bのダイ間コンタクト(
図6Bに示す)に電気的および機械的に結合されたブリッジ相互接続部の第2の組(「ブリッジ相互接続部112B」)とを含む。一例では、ブリッジ相互接続部112は、ICダイ104AおよびICダイ104Bのそれぞれのダイ間コンタクトにはんだ付けされるはんだバンプ(例えば、C4バンプ)を含む。別の例では、ブリッジ相互接続部112は、ICダイ104AおよびICダイ104Bのそれぞれのダイ間コンタクトにボンディングされる金属コンタクトを含む(例えば、拡散接合、圧接、熱圧縮溶接などがあり、これらはそれぞれ、本明細書では一般に「熱圧着」と呼ばれる)。そのような例では、ブリッジ相互接続部112は、アルミニウム、銅、金などを含むことができる。
【0034】
ICダイ104A、ICダイ104B、およびブリッジモジュール110は、半導体アセンブリ150Aを形成する。図示の例では、半導体アセンブリ150Aは、機械的支持のためのエポキシまたは同様のタイプのボンディングコンパウンドを含む。例えば、エポキシ114が、ICダイ104AとICダイ104Bとの間に配置され、ICダイ104AをICダイ104Bにボンディングする。エポキシ114は、ブリッジモジュール110とICダイ104AおよびICダイ104Bのそれぞれとの間にも配置され、ブリッジモジュール110をICダイ104AおよびICダイ104Bのそれぞれにボンディングする。ICパッケージ100Aは、半導体アセンブリ150Aとパッケージ基板102との間に配置されたアンダーフィル116を含む。アンダーフィル116として使用することができる様々なアンダーフィル材料が、当該技術分野において周知である。
【0035】
図1Bは、ICパッケージ100Bの他の例を示す概略断面図である。
図1Aの要素と同じまたは類似の
図1Bの要素は、同一の参照符号で示され、上記で詳細に説明されている。この例で、半導体アセンブリ150Bは、ICダイ104Aと、ICダイ104Bと、ブリッジモジュール110とを備える。例として2つのICダイしか示されていないが、半導体アセンブリ150Bの他の例は、2つより多いICダイを含むことができる。半導体アセンブリ150Bは、アセンブリを支持するために、エポキシ114よりむしろ、モールディングコンパウンド118が使用される点で、半導体アセンブリ150Aと異なる。モールディングコンパウンド118は、ICダイ104A、ICダイ104B、およびブリッジモジュール110を封入することができる。モールディングコンパウンド118は、エポキシモールディングコンパウンドなどの、当該技術分野で既知の、このような目的に適した任意のタイプの材料を含むことができる。
【0036】
図2A〜
図2Cは、半導体アセンブリ150Aまたは半導体アセンブリ150Bなどの半導体アセンブリの製造プロセスの一例を示す概略断面図である。
図1A〜
図1Bの要素と同じまたは類似の
図2A〜
図2Cの要素は、同一の参照符号で示されている。
図2Aに示すように、キャリア基板202が、その中にブリッジモジュールキャビティ208および相互接続部キャビティ206を形成するように、処理される。キャリア基板202は、例えば、シリコン基板を含むことができる。キャビティ206および208は、周知の半導体処理技術を用いて形成することができる。リリース層204が、キャビティ206および208内を含んで、キャリア基板202上に堆積される。リリース層204は、キャリア基板202に一時的に付着するのに適し、キャリア基板202から離すことができる任意の種類の材料を含むことができる。
【0037】
図2Bに示すように、ブリッジモジュール110が、ブリッジモジュールキャビティ208内に配置される。
図2Cに示すように、相互接続部108Aがキャリア基板202のそれぞれのキャビティ206と位置合わせされてそれぞれのキャビティ206に配置されるように、ICダイ104Aが、キャリア基板202上に配置される。相互接続部108Bがキャリア基板202のそれぞれのキャビティ206と位置合わせされてそれぞれのキャビティ206に配置されるように、ICダイ104Bが、キャリア基板202上に配置される。したがって、キャビティ206は、ICダイ104Aの相互接続部108AおよびICダイ104Bの相互接続部108Bのレイアウトを収容するパターンで、キャリア基板202に形成される。キャビティ206は、相互接続部108の高さを収容する深さを有するように形成される。
【0038】
キャビティ206は、ICダイ104B(
図6Aに示す)のダイ間コンタクトがブリッジ相互接続部112Aと位置合わせされ、第2のICダイ104B(
図6Bに示す)のダイ間コンタクトがブリッジ相互接続部112Bと位置合わせされるように、さらに構成される。ブリッジキャビティ208の幅は、ブリッジモジュール110の幅を収容するように構成される。したがって、ブリッジキャビティ208の幅は、少なくともブリッジモジュール110の幅に等しい。ブリッジキャビティ208の深さは、ブリッジ相互接続部112がICダイ104AとICダイ104Bのダイ間コンタクトに接触するような深さである。
【0039】
図3A〜
図3Bは、半導体アセンブリ150Aの製造プロセスの一例を示す概略断面図である。
図3A〜
図3Bに示すプロセスステップは、
図2A〜
図2Cに示すプロセスステップの後に実行される。
図1Aおよび
図2A〜
図2Cの要素と同じまたは類似の
図3A〜
図3Bの要素には、同一の参照番号が付されている。
図3Aに示すように、エポキシ114または他のタイプのボンディングコンパウンドが、ICダイ104AとICダイ104Bとの間に堆積される。エポキシ114は、ブリッジモジュール110のブリッジ相互接続部112の間、ならびにブリッジモジュール110とICダイ104AおよびICダイ104Bのそれぞれとの間に広がる。エポキシ114は、ICダイ104AとICダイ104Bとの間の空間を満たす。エポキシ114は、ICダイ104AとICダイ104Bとの間の全空間を満たすことができ、または全空間よりも小さくすることができる(例えば、エポキシ114の高さは、ICダイ104A、104Bの高さより低くすることができる)。エポキシ114はまた、ブリッジモジュール110とキャリア基板202との間に広がることができる。エポキシ114は硬化して、半導体アセンブリ150Aを支持する。
【0040】
図3Bに示すように、半導体アセンブリ150Aは、リリース層204を離すことによってキャリア基板202から分離される。半導体アセンブリ150Aは、エポキシ114が硬化した後に分離することができる。その後、分離された半導体アセンブリ150Aは、パッケージ基板、PCB等に実装することができる。
図5Aは、キャリア基板202から分離した後の半導体アセンブリ150Aの平面図である。ブリッジモジュール110の一部分が、ブリッジ相互接続部112を示すように切り取られている。図示されているように、エポキシ114は、ICダイ104AとICダイ104Bとの間に配置され、ブリッジモジュール110のブリッジ相互接続部112の周りならびにブリッジモジュール110とICダイ104Aおよび104Bのそれぞれとの間に配置される。
【0041】
図4A〜
図4Bは、半導体アセンブリ150Bの製造プロセスの一例を示す概略断面図である。
図4A〜
図4Bに示すプロセスステップは、
図2A〜
図2Cに示すプロセスステップの後に実行される。
図1Bおよび
図2A〜
図2Cの要素と同じまたは類似の
図4A〜
図4Bの要素には、同一の参照番号が付されている。
図4Aに示されるように、ICダイ104A、ICダイ104B、およびブリッジモジュール110を封入するために、モールディングコンパウンド118が、キャリア基板202上に堆積される。モールディングコンパウンド118は、ICダイ104Aおよび104Bの外縁を囲み、ICダイ104AとICダイ104Bとの間に配置される。モールディングコンパウンド118はまた、ブリッジ相互接続部112の間、ならびにブリッジモジュール110とICダイ104Aおよび104Bのそれぞれとの間に広がる。モールディングコンパウンド118はまた、ブリッジモジュール110とキャリア基板202との間に広がることができる。モールディングコンパウンドは硬化して、半導体アセンブリ150Bを支持する。
【0042】
図4Bに示すように、半導体アセンブリ150Bは、リリース層204を離すことによってキャリア基板202から分離される。半導体アセンブリ150Bは、モールディングコンパウンド118が硬化した後に分離することができる。その後、分離された半導体アセンブリ150Bは、パッケージ基板、PCB等に実装することができる。
図5Bは、キャリア基板202から分離した後の半導体アセンブリ150Bの平面図である。ブリッジモジュール110の一部分が、ブリッジ相互接続部112を示すように切り取られている。図示のように、モールディングコンパウンド118は、ICダイ104Aおよび104Bを囲み、ICダイ104AとICダイ104Bとの間に配置される。モールディングコンパウンド118はまた、ブリッジモジュール110のブリッジ相互接続部112の周り、ならびにブリッジモジュール110とICダイ104Aおよび104Bのそれぞれとの間に配置される。
【0043】
図6Aは、ICダイ104Aの一例を示す概略断面図である。ICダイ104Aは、その中に形成された固体回路604Aを有する半導体基板602Aを含む。導電性相互接続部606Aが、固体回路604Aを覆って半導体基板602A上に形成される。導電性相互接続部606Aは、導電性材料と誘電体材料の交互の層を含む。相互接続部108Aが、導電性相互接続部606Aに結合される。導電性相互接続部606Aはまた、ダイ間コンタクト608Aを含む。ダイ間コンタクト608Aは、ブリッジモジュール110のブリッジ相互接続部112Aと結合するように構成される。
【0044】
図6Bは、ICダイ104Bの一例を示す概略断面図である。ICダイ104Bは、ICダイ104Aと同様に構成されている。ICダイ104Bは、中に形成された固体回路604Bを有する半導体基板602Bを含む。導電性相互接続部606Bが、固体回路604Bを覆って半導体基板602B上に形成される。導電性相互接続部606Bは、導電性材料と誘電体材料の交互の層を含む。相互接続部108Bが、導電性相互接続部606Bに結合される。導電性相互接続部606Bはまた、ダイ間コンタクト608Bを含む。ダイ間コンタクト608Bは、ブリッジモジュール110のブリッジ相互接続部112Bと結合するように構成される。
【0045】
図7は、ブリッジモジュール110の一例を示す概略断面図である。ブリッジモジュール110は、上に形成された導電性相互接続部706を有する基板702を含む。導電性相互接続部706は、導電性材料と誘電体材料の交互の層を含む。ブリッジ相互接続部112が、導電性相互接続部706に結合される。一例では、基板702は、セラミック基板または有機基板を含む。別の例では、基板702は、半導体基板を含む。いくつかの例では、基板702は、中に形成された固体回路704を有する半導体基板を含む。
【0046】
図8は、半導体アセンブリを製造するための方法800の一例を示すフロー図である。方法800は、キャビティおよびリリース層を有するキャリア基板が形成されるステップ802から始まる(
図2A)。キャリア基板は、例えば、シリコン基板を含むことができる。キャビティは、従来のシリコン処理技術を用いて形成することができる。
【0047】
ステップ804において、ブリッジモジュールが、キャリア基板のブリッジモジュールキャビティ内に配置される(
図2B)。ブリッジモジュールは、セラミック基板、有機基板、または半導体基板とすることができる。ブリッジモジュールは、予め製造され、その上に形成された様々なメタライゼーション層を含むことができる。ブリッジモジュールが半導体基板を含む場合、ブリッジモジュールは、その中に形成され、メタライゼーションに電気的に結合された能動回路を含むことができる。ブリッジモジュール804は、従来の半導体処理技術を用いて製造することができる。
【0048】
ステップ806において、第1のICダイが、相互接続部がキャリア基板のそれぞれのキャビティ内にあるようにして、キャリア基板上に配置される(
図2C)。ステップ808において、第2のICダイが、相互接続部がキャリア基板のそれぞれのキャビティ内にあるようにして、キャリア基板上に配置される(
図2C)。ICダイの各々は、予め製造することができ、能動回路およびその上に形成されたメタライゼーションを含むことができる。最上部金属層の一部は、相互接続部が取り付けられるボンドパッドとして露出することができる。相互接続部は、例えば、はんだ相互接続部(例えば、C4バンプ)を含むことができる。第1および第2のICダイは、従来の半導体処理技術を用いて製造することができる。
【0049】
ステップ810において、ブリッジモジュール上のブリッジ相互接続部は、第1および第2のICダイ上のダイ間コンタクトに結合される(
図3Aまたは
図4A)。一例では、ブリッジ相互接続部は、ICダイのそれぞれのダイ間コンタクトにはんだ付けされるはんだバンプ(例えば、C4バンプ)を含む。別の例では、ブリッジ相互接続部は、ICダイのそれぞれのダイ間コンタクトにボンディングされる金属コンタクトを含む(例えば、拡散接合、圧接、熱圧縮溶接などがあり、これらはそれぞれ、本明細書では一般に「熱圧着」と呼ばれる)。そのような例では、ブリッジ相互接続部は、アルミニウム、銅、金などを含むことができる。
【0050】
任意選択のステップ811において、第1のICダイ、第2のICダイ、およびブリッジダイは、エポキシを使用してボンディングされるか、またはモールディングコンパウンドで封入される。ステップ812で、半導体アセンブリをキャリア基板から分離する(
図3Bまたは
図4B)。
【0051】
上記は特定の例を対象とするが、その基本的な範囲から逸脱することなく、他の及びさらなる例を考え出すこともでき、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。