【文献】
Xi Zhang ET AL,Integrated Design Powertrain Controllers in Series Hybrid Electric Vehicles for Efficiency Enhancement and Battery Lifetime Extension,WORLD ELECTRIC VEHICLE JOURNAL,2009年12月25日,Vol.3,P843-P848,ISSN 2023-6653
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気モータにより駆動されるボートの電力消費部のために電気エネルギーを提供するため、および/またはバッテリおよび/またはバッテリバンク(2)を充電するための装置において、前記装置は、内燃機関(7)を調節するためのエンジン調節装置(70)を有する内燃機関(7)と、直流発電機(6)を調節するための発電機調節装置(60)を有する、前記内燃機関(7)と結合された直流発電機(6)とを含んでおり、前記エンジン調節装置(70)にエンジン管理量を設定するため、および前記発電機調節装置(60)に発電機管理量を設定するためにセットアップされた制御装置(8)が設けられ、前記制御装置(8)は、前記エンジン管理量に基づき前記内燃機関(7)を、および前記発電機管理量に基づき前記直流発電機(6)を、互いに関わりなく独立して調節するように構成されている装置。
前記制御装置(8)は前記エンジン調節装置(70)にエンジン管理量として出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定を与え、および/または前記制御装置(8)は前記直流発電機(6)の前記発電機調節装置(60)に発電機管理量として電圧設定および/または電流設定および/または出力設定および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定を与えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記制御装置(8)は前記エンジン調節装置(70)にエンジン管理量として電圧設定および/または電流設定および/または出力設定および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定を与え、および/または前記制御装置(8)は前記発電機調節装置(60)に発電機管理量として出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定を与えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
前記直流発電機(6)は電子整流式の直流発電機であり、前記発電機調節装置(60)は発電機調整量である発電機トルクおよび/または発電機電流および/または発電機電圧および/または発電機回転数および/または発電機出力の変更を通じて前記直流発電機(6)をそのつどの発電機管理量に合わせて調節するようにセットアップされていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の装置。
前記エンジン調節装置(70)はエンジン調整量である燃料供給および/または噴射弁制御および/または点火時点および/または混合組成および/または空気供給および/またはカムシャフト位置調節および/またはターボチャージャ制御の変更を通じて前記内燃機関(7)をそのつどのエンジン管理量に合わせて調節することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の装置。
前記発電機調節装置(60)および/または前記内燃機関の前記エンジン調節装置(70)および/または前記制御装置(8)は中央のコントローラに統合されていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の装置。
前記制御装置(8)はデータバンク(80)に保存された特性曲線および/またはエンジン管理量および/または発電機管理量の値を含んでおり、前記制御装置(8)は保存されている値または特性曲線から導き出されるエンジン管理量および/または発電機管理量の値を前記エンジン調節装置(70)および/または前記発電機調節装置(60)に設定し、好ましくは前記内燃機関(7)を最大の効率で、または最大の出力で作動させるための値を設定し、および/または好ましくはバッテリ充電曲線を設定する特性曲線に準ずる発電機管理量の値を設定することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の装置。
前記内燃機関(7)は電子式のマイクロコントローラを有しており、前記エンジン調節装置(70)はそれに応じて前記電子式のマイクロコントローラによって前記内燃機関(7)の調節を行うことを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の装置。
前記内燃機関(7)は機械式の回転数調節器を前記エンジン調節装置(70)として有しており、前記機械式の回転数調節器は前記制御装置(8)からエンジン管理量を回転数設定の形態で機械式および/または空気圧式および/または油圧式のアクチュエータを介して前記機械式の回転数調節器の調整のために受け取ることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の装置。
前記直流発電機(6)は前記内燃機関(7)のためのスタータモータとして意図されており、好ましくは発電機管理量として回転数設定が前記発電機調節装置(60)に送られ、特別に好ましくは前記内燃機関(7)のスタート後に発電機管理量が維持されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知の従来技術を前提としたうえで、本発明の課題は、さらに改良された構造を提供する、ボートの電力消費部のために電気エネルギーを提供するため、および/またはバッテリを充電するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の構成要件を有する装置によって解決される。好ましい発展例は従属請求項、ここでの発明の詳細な説明、および図面から明らかとなる。
【0008】
したがって、電気モータにより駆動されるボートの電力消費部のために電気エネルギーを提供するため、および/またはバッテリおよび/またはバッテリバンクを充電するための装置において、この装置は、内燃機関を調節するためのエンジン調節装置を有する内燃機関と、直流発電機を調節するための発電機調節装置を有する、内燃機関と結合された直流発電機とを含んでおり、エンジン調節装置にエンジン管理量を設定するため、および/または発電機調節装置に発電機管理量を設定するためにセットアップされた制御装置が設けられている。
【0009】
エンジン管理量を基礎として内燃機関を調節するためのエンジン調節装置を有する内燃機関だけでなく、発電機も、発電機調節量を基礎として発電機を調節するための発電機調節装置を同じく有することによって、発電機と内燃機関をいずれもある程度の度合いで互いに独立して調節し、そのようにして、電気エネルギーの提供をいっそう効率的に構成することが可能である。
【0010】
特に制御装置によって、装置のそのつどの構造やそれぞれのコンポーネントの特性を考慮したうえで、特別に効率的な動作を実現することができ、それと同時に、電気エネルギーを必要な形態で確実に提供することができるように、相応のエンジン管理量と発電機管理量を内燃機関と発電機に設定することが可能である。
【0011】
このとき発電機管理量を用いた発電機の調節を通じて、ある程度の枠内で内燃機関の挙動を考慮する必要なしに、たとえば発電機から提供される電圧を船内電力網で、または発電機から提供される電力を船内電力網で、設定に応じて一定に保つことができることを相応に実現することができる。
【0012】
さらにこれと同じ関連において、たとえばその最大の効率性の動作など、所定の動作点での内燃機関の効率的な動作も実現することができ、それにもかかわらず発電機調節は、船内電力網に所望の電圧または所望の電流が生じるように作用する。
【0013】
制御装置はエンジン調節装置にエンジン管理量として出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定を与えるのが好ましく、および/または制御装置は発電機の発電機調節装置に発電機管理量として電圧設定および/または電流設定および/または出力設定および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定を与えるのが好ましい。
【0014】
このようにして、内燃機関と発電機とをそれぞれ相違する管理量または設定のもとで、所定の範囲内において互いに独立して調節することができ、それにより、特別に効率的な動作を実現することができる。
【0015】
別の好ましい構成では、制御装置はエンジン調節装置にエンジン管理量として電圧設定および/または電流設定および/または出力設定および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定を与え、制御回路は発電機調節装置に発電機管理量として出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定を与えるのが好ましい。
【0016】
このような動作モードが特に利点となり得るのは、内燃機関の構成ないし設計に基づき、内燃機関の回転数の正確な保持ないし調節が難しい場合である。その場合、たとえば発電機のトルク設定を通じて発電機の回転数を一定に保ち、それに応じて迅速に適合調節することができ、内燃機関は設定としてのそのつどの電圧またはそのつどの電流またはそのつどの出力について調節され、それにより、このような協働作用から、改善された調節およびそれに伴って向上した効率並びにいっそう安定した船内電力網がもたらされる。
【0017】
したがって、発電機の調節を利用することで、内燃機関による入力回転数にほぼ関わりなく、発電機をそのつどの設定パラメータについて、たとえば電流設定、電圧設定、または出力設定について、最善の範囲内で作動させ、そのつどのパラメータに準じて船内電圧を提供し、ないしはバッテリバンクのための充電曲線を確実に提供することが可能である。
【0018】
1つの好ましい構成では、直流発電機は電子整流式の直流発電機であり、発電機調節装置は発電機調整量である発電機トルクおよび/または発電機電流および/または発電機電圧および/または発電機回転数および/または発電機出力の変更を通じて直流発電機をそのつどの発電機管理量に合わせて調節するようにセットアップされている。
【0019】
内燃機関のエンジン調節装置は、エンジン調整量である燃料供給および/または噴射弁制御および/または点火時点および/または混合組成および/または空気供給および/またはカムシャフト位置調節および/またはターボチャージャ制御の変更を通じて、内燃機関がそのつどのエンジン管理量に合わせて調節されることを惹起するのが好ましい。
【0020】
たとえば制御装置を通じて相応の回転数設定をエンジン調節装置に与えることができ、そしてエンジン調節装置は内燃機関への燃料供給を変更することで、回転数設定に応じて回転数を調節する。それに伴い、内燃機関を設定された回転数でほぼ安定的に作動させることができるようになる。
【0021】
発電機調節装置および/または内燃機関のエンジン調節装置および/または制御装置が中央のコントローラに統合されていると、特別にコンパクトかつそれに伴って効率的な構造を実現することができる。
【0022】
制御装置は、たとえばデータバンクに保存された特性曲線および/またはエンジン管理量および/または発電機管理量の値を含んでいるのが好ましく、制御装置は、保存されている値または特性曲線から導き出されるエンジン管理量および/または発電機管理量の値を、エンジン調節装置および/または発電機調節装置に設定する。内燃機関を最大の効率で、または最大の出力で作動させるためにエンジン管理量の値が設定されるのが好ましく、および/またはバッテリ充電曲線を設定する特性曲線に準ずる発電機管理量の値が設定されるのが好ましい。
【0023】
制御装置は相応の設定を、たとえば回転数を、船内電力網でのそのつどの必要性を基礎として、ないしはバッテリバンクの充電プロセスで選択する。
【0024】
それと同時に、またはその代替として、制御装置は発電機調節装置に相応の設定を送り、たとえば電流設定、電圧設定、または出力設定を、後続する船内電力網ないしバッテリバンクの充電曲線がどのような状態を呈さなければならないかに応じて送る。
【0025】
したがって、内燃機関と発電機はそれぞれ相違する設定信号に基づいて調節され、たとえば発電機はバッテリ電流設定、バッテリ電圧設定、またはバッテリ出力設定に基づいて調節され、内燃機関は回転数設定を用いて調節される。
【0026】
1つの別案では、内燃機関はバッテリ電流設定、バッテリ電圧設定、またはバッテリ出力設定に準じて調節することもでき、発電機は回転数設定に準じて調節することができる。
【0027】
好ましい発展例では、制御装置は船内電力網ないし中間回路を監視し、船内電力網ないし中間回路の状態に応じて、発電機調節装置および/またはエンジン調節装置についての設定パラメータを変更する。たとえば船内電力網での出力要求が高いときには、内燃機関についての回転数設定を、可能な限り効率的な動作点から最大出力の動作点へと移すことができる。そして発電機については、船内電力網を引き続き安定して作動させることができるように、相応の出力要求がセットされる。
【0028】
さらに、バッテリバンクを充電するための電流設定が制御装置によって設定され、制御装置はバッテリバンクのそのつどの充電状態を監視して、それに応じてバッテリバンクで目標充電電圧に達したときに最大電流設定から一定電圧設定へと切り換えるのが好ましい場合がある。それにより発電機調節は、相応の電流曲線ないし相応の電圧曲線がバッテリの最適な充電を可能にするように、バッテリバンクの充電の過程を通じて適合化され、それと同時に内燃機関も同じく最適化されるが、これとは関わりなく調節される。
【0029】
それに応じて、このようにして内燃機関が発電機との組み合わせで最適化されたバッテリバンクの充電曲線を提供する充電装置ももたらされる。
【0030】
1つの発展例では、バッテリバンクについて意図されるこのような充電曲線は、バッテリバンクを介して緩衝される船内電力網で、船内電力網の他の消費部の出力要求に合わせて特徴づけすることができる。換言すると、いま現在活動している消費部のための船内電力網の内部での出力の提供に追加して、バッテリバンクの最適化された充電が追加的に実現されるように充電電流が特徴づけされる。
【0031】
さらに、バッテリ緩衝される船内電力網ではバッテリバンクが完全に充電されたとき、発電機が内燃機関とともに、バッテリの放電も充電も行われるのでなく、内燃機関が作動している限りバッテリがその充電状態を一定に保つように作動することを実現することができる。このようにしてバッテリによる中間緩衝を省略することができ、それにより、緩衝損失がなくなるので、同じく船内電力網の効率が向上する。
【0032】
内燃機関は電子マイクロコントローラを有しているのが好ましく、エンジン調節装置はそれに応じて電子マイクロコントローラによって内燃機関の調節を行う。
【0033】
別の好ましい実施形態では、内燃機関は機械式の回転数調節器をエンジン調節装置として有しており、機械式の回転数調節器は制御装置からエンジン管理量を回転数設定の形態で機械式および/または空気圧式および/または油圧式のアクチュエータを介して機械式の回転数調節器の調整のために受け取る。このようにすれば、簡素な内燃機関を装置で使用することもできる。
【0034】
直流発電機が内燃機関のためのスタータモータとして利用されるのが好ましく、発電機管理量として回転数設定が発電機調節装置に送られるのが好ましく、内燃機関のスタート後に発電機管理量が維持されるのが特別に好ましい。
【0035】
それに応じて、発電機が独立して調節されるので、内燃機関の作業点を発電機のそのつどの調節課題に関わりなく広い範囲で調整できるように保つことができる。上述した最適化ストラテジーをこのようにして具体化することができ、それにより、内燃機関の調節と、これとは実質的に関わりない発電機の調節との組み合わせに基づき、船内電力網での、ないしは充電のためのエネルギーの相応の提供を、特別に効率的な仕方で可能にすることができる。
【0036】
本発明のさらに別の好ましい実施形態は以下の図面の説明によって詳しく説明する。図面には次のものが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、図面を参照しながら好ましい実施例について説明する。その際には、同一の、類似の、または同じ作用をする部材には、異なる図面において同一の符号が付されており、これらの部材の繰り返しての説明は冗長さを回避するために部分的に省略する。
【0039】
図1には、電気駆動式のボートの船内システム1の構造が非常に模式的に示されている。この船内システム1は、ボートの船内電力網100と、船内電力網100で電気エネルギーを提供する装置4とを含んでいる。船内システム1の電気エネルギーを提供する装置4は、特に、それぞれの船内電力網100の個別消費部10、12に電気エネルギーを供給するだけでなく、たとえば船内システム1のためのメインエネルギー源として設けられていてよい、または別案として緩衝装置として設けられていてもよいバッテリバンク2に電気エネルギーを供給して、バッテリバンク2の充電状態に影響を及ぼすことができ、これを特に充電できるようにするためにも意図される。換言すると、電気エネルギーを提供する装置4はバッテリバンク2を充電するために利用することができ、さらには、個別消費部10,12へ直接的な供給をするためにも利用することができ、あるいは、バッテリバンク2を同時に充電しながら個別消費部10、12へ複合式の供給をするために利用することができる。
【0040】
図1では、船内電力網100が同じく非常に模式的な仕方で図示されている。ボートのためにメイン駆動装置として意図されていてよく、ボートを駆動することができる電気モータ10が船内電力網100に設けられている。あるいは電気モータ10は、ボートの船内にある各々の他の電気モータを、たとえばセールボートにある電気式のウインチの電気モータを、または揚錨機やダビットなどの電気モータを象徴的に表す。
【0041】
さらに船内電力網100には、相応に電気エネルギーを船内電力網100から取り出す別の消費部が、白熱電球12の形態で模式的に示されている。模式的に図示している白熱電球12は、ここではボート内部の他のすべての電力消費部を象徴的に表す。ボートには、たとえば電力消費部がボート照明、ポジションランプ、通信機器、ナビゲーション機器、データ処理機器、あるいは全般的にボートの機能の制御部ないし調節部の形態で船内電力網100に存在する。さらに電力消費部は、たとえば空調設備、冷房装置、調理装置などの快適性装置の形態で船内電力網100に存在することができる。この列挙は完結したものとみなされるべきではなく、ここでは模式的に電気モータ10と白熱電球12の形態で示す、船内電力網100の内部の図示している消費部は、船内電力網100におけるこれ以外のいかなる消費部でもあり得る。
【0042】
船内電力網100の内部の消費部は、たとえば長期間にわたって一定に作動するボート上のポジションランプのように、実質的に一定のエネルギー要求を有することがあり得る。あるいは消費部は、激しく変動するエネルギー要求を有することもあり得る。たとえばボートのメイン駆動モータは、走行状態に応じてさまざまに異なる出力で作動し、スイッチオフされ、あるいは回生モードで作動することさえある。それに応じて、このような消費部の船内電力網100に対するエネルギー要求は激しく変動する。
【0043】
さらに船内システム1は、船内電力網100に電気エネルギーを提供するバッテリバンク2を含んでいる。バッテリバンク2は、消費部10、12により要請されるエネルギー要求ないしそのピーク時の変動を緩衝し、それに応じてエネルギー余剰時に充電される緩衝バッテリとして意図されていてよい。しかしながら通常、バッテリバンク2は、船内電力網100のためのメインエネルギー蓄積器として意図されていてよい。換言すると船内システム1は、その大半の作動時間中に、バッテリバンク2を通じてのエネルギー供給で済ませるものとして意図される。
【0044】
たとえば電気駆動式のボートでは、バッテリバンク2は通常はメインエネルギー源として設けられる。たとえば電気駆動式のボートでは、1つの好ましい動作モードは、バッテリバンク2に蓄積されているエネルギーだけを基礎としてボートを継続走行させることに見出すことができる。このようにして非常に騒音が少なく、それと同時に、少なくとも局所的にエミッションフリーのボートの動作が可能である。バッテリバンク2はそれに応じて、ボートのメイン駆動装置としての役目を果たす電気モータ10が十分に長い期間にわたってバッテリバンク2からのみエネルギーの供給を受けることができるように設計されている。
【0045】
バッテリバンク2は陸電接続部を介して充電できるのが好ましい。
【0046】
さらに
図1には、バッテリバンク2から中間回路120を介して提供されるエネルギーを電気モータ10とその他の最終消費部12へ適宜分配して切り換えることを可能にする、船内電力網100の切換装置3が模式的に示されている。切換装置3はここではやはり一例として、電気モータ10へのエネルギー流を制御する走行調節器を含むことができる。それに応じてボートの運転者は相応の入力機を通じて、たとえば遠隔スロットルレバーを通じて、所望の走行段を電気モータ10について設定することができ、それにより、切換装置3を通じて相応に所望のエネルギーがバッテリバンク2から電気モータ10へ供給されて、ボートはそれに応じて運転者により設定された走行段で作動する。
【0047】
切換装置3は、電気モータ10の回生動作のときにも、回生されたエネルギーがバッテリバンク2へ再び供給されて、その充電状態を高め、ないしは維持するように作用することができる。
【0048】
さらに、
図1に示す船内システム1の実施例には、船内電力網100と、図示している実施例では切換装置3とに追加の電気エネルギーを提供する、電気エネルギーを提供する装置4が示されている。
【0049】
電気エネルギーを提供する装置4は、本実施例では電子整流式の直流発電機として構成された発電機6と、相応の駆動シャフト72を介して発電機6を駆動する内燃機関7とを含んでいる。駆動シャフト72は、内燃機関7から出力される回転数を発電機6により要請される回転数へと変換する変速機を備えていてよい。
【0050】
発電機6は発電機調節装置60を有していて、これによって発電機6を少なくとも1つの設定された発電機管理量を基礎として調節することができる。それに応じて発電機6を、それが発電機調節装置60を通じて調節されることによって、直接的に何らかの設定に準じて、特に相応の発電機管理量を用いて作動させることができ、そのようにして実質的に安定的に作動させることができる。
【0051】
発電機管理量として、電圧設定および/または電流設定および/または出力および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定および/または出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定が意図されていてよく、これらによって発電機を調節することができる。
【0052】
電子整流式の直流発電機6は、発電機調整量である発電機トルクおよび/または発電機電流および/または発電機電圧および/または発電機回転数および/または発電機出力の変更を通じて、そのつど発電機管理量に合わせて調節することができる。
【0053】
内燃機関7はそれ自体として同じくエンジン調節装置70を有していて、これによって内燃機関7を少なくとも1つのエンジン管理量を基礎として調節することができる。それにより内燃機関7を、エンジン調節装置70によるエンジン管理量の設定によって安定的に調節することができる。
【0054】
エンジン管理量としては電圧設定および/または電流設定および/または出力設定および/またはバッテリ電流設定および/またはバッテリ電圧設定および/またはバッテリ出力設定および/または中間回路電圧設定および/または中間回路電流設定および/または中間回路出力設定および/または出力設定および/または動作点設定および/または回転数設定および/またはトルク設定が意図されていてよく、これらによって内燃機関を調節することができる。
【0055】
内燃機関7は、エンジン調整量である燃料供給および/または噴射弁制御および/または点火点および/または混合組成および/または空気供給および/またはカムシャフト位置調節および/またはターボチャージャ制御の変更を通じて、そのつどエンジン管理量に合わせて調節することができる。
【0056】
エンジン調節装置70はここでは一例として内燃機関7の相応の燃料供給をたとえば相応のアクチュエータやスロットルケーブルを通じて調節するエンジン調整量を提供する。内燃機関7の駆動シャフト72で測定される回転数が、エンジン管理量として設定されている回転数設定から逸脱すると、エンジン調節装置70はそれに応じて燃料供給への調節介入を通じて、内燃機関7の回転数の所望の値を再び成立させることができる。
【0057】
内燃機関7のエンジン調節装置70は、1つの好ましい実施形態では、相応のセンサ信号を通じてたとえば内燃機関7や発電機6の現在の回転数を受け取り、回転数設定に基づき、アクチュエータを通じて内燃機関7への燃料供給を相応に調節する電子式の調節装置として設けられていてよい。
【0058】
あるいは内燃機関7は、たとえば相応の回転数設定が機械式に調整される遠心力調節器の形態で設けられる、実質的に機械式の調節装置70を通じて作動させることもできる。回転数設定の形態のエンジン管理量は、遠心力調節器を利用した場合、遠心力調節器の相応の作業点が電気機械式、油圧式、または空気圧式のアクチュエータによって調整、変更されることを通じて変更することができる。それに応じて、変化した回転数設定が所望される場合には、遠心力調節器が内燃機関7を新たな回転数設定に合わせて調節するように、アクチュエータを通じて遠心力調節器を調整することができる。
【0059】
内燃機関7は、回転数設定の他に、エンジン管理量としてのこれ以外の設定を通じても調節することができる。特に、内燃機関7がたとえば船内電力網100およびまたは中間回路120の電流設定、電圧設定、または出力設定を用いて調節されることが意図される。このような場合、発電機6はエンジン調節70の視点からさしあたり制御工学的に不必要とみなされるのではなく、内燃機関7はたとえば船内電力網100の電圧の決定を通じて、相応の設定電圧がエンジン管理量として実現されるように調節される。
【0060】
エンジン調節装置70は、このようなケースでは、それに応じて電圧設定をエンジン管理量として受け取り、判定された船内電圧が電圧設定と比較されて、さらにたとえばエンジン調整量である燃料供給の変更を通じて所望の設定電圧を実現する。
【0061】
発電機6の発電機調節装置60も、発電機管理量を用いて発電機を調節することを同じく可能にする。発電機6は、それが電子整流式の直流発電機として構成されている場合、たとえば発電機調整量としてトルク、発電機電流、およびこれに伴う相応の励起/トルク、または回転数が調整されることを通じて調節することができる。これらの発電機調整量は、相応の発電機管理量が実現されるように変更することができる。
【0062】
したがって、実質的に内燃機関7から独立して発電機6を調節することができる。
【0063】
典型的な動作モードのとき、それに応じて内燃機関7はエンジン調節装置70により、エンジン管理量としての設定された回転数設定で作動する。それに対して発電機6は、たとえば発電機管理量としての電圧設定を通じて設定される電圧で作動し、発電機6はこの電圧を維持する。発電機調節装置60は、発電機管理量が実現されるように、発電機調整量に応じて変更を行う。それにより船内電力網100により要請される設定を、特に上記のケースにおいては電圧設定を、実現することができる。
【0064】
それに伴い、内燃機関7と発電機6をいずれもそれぞれ、ほぼ最適化して作動させることができ、その結果、一方ではいっそう高いエネルギー効率を実現することができ、他方では、船内電力網100のエネルギー供給の品質がいっそう向上する。それに伴い、発電機6と内燃機関7をほぼ互いに独立して調節することもできる。
【0065】
発電機調節装置60にもエンジン調節装置70にも相応の管理量を設定する上位の制御部8が設けられている。この制御装置8はそれに応じてエンジン調節装置70にたとえば回転数設定などのエンジン管理量を与え、これがエンジン調節装置70により相応のエンジン調整量の変更を通じて独立して自律的に調節される。
【0066】
制御装置8は発電機調節装置60にたとえば船内電力網100についての電圧設定、電流設定、または出力設定の形態の発電機管理量を与え、発電機調節装置60はこの設定を相応の発電機調整量の変更を通じて同じく独立して自律的に適合調節する。
【0067】
制御装置8は相応の発電機管理量とエンジン管理量を、船内電力網100からのそのつどの要求を基礎としながら、船内システム1の知見を考慮したうえで決定する。たとえば制御装置8は、発電機6と切換装置3との間の中間回路での、またはそれぞれの消費部10,12に供給をする回路での、電流ないし電圧ないし要請される出力の判定を通じて、相応の電流設定、電圧設定、または出力設定を導き出すことができる。
【0068】
制御装置8は、データバンク80に保存されているデータ、表、パラメータ、および/または特性曲線を基礎としたうえでも、どのような調節量のときに、および特にどのような管理量の値のときに、装置4を適切かつ特に特別に効率的に作動させることができるかを決定することができる。
【0069】
たとえば、制御装置8のデータバンク80には内燃機関7のエンジン特性曲線が保存される。したがって、制御装置8は、データバンク80から既知である特性曲線を基礎としたうえで、どの動作点で内燃機関7を作動させるべきかを決定することができ、それに応じた設定をエンジン管理量として内燃機関7の調節装置70へ送ることができる。
【0070】
たとえば内燃機関7は制御装置8により、最大効率で作動するよう指示を受けることができる。そして制御装置8は相応の回転数設定をエンジン管理量として内燃機関7の調節装置70に送り、内燃機関7がそれに応じて最大効率で作動するようにする。
【0071】
しかし、いっそう高い出力放出が必要であることを制御装置8が認識したときは、内燃機関7が最大出力で作動するように内燃機関7の調節装置70に指示することもでき、それにより、調節装置70はそれに応じて制御装置8から、内燃機関7をその最大効率で作動させる回転数設定を通常上回る回転数設定をエンジン管理量として受け取る。
【0072】
ただしその際に、最大の効率の回転数で特定の出力範囲をカバーできることも制御装置8によって考慮することができる。したがって出力要求の上昇は、最大の効率の回転数から逸脱しなければならないことを自動的に意味するわけではない。その回転数で最大限実現可能な出力を出力要求が上回ったときに初めて、回転数設定も制御装置8によって引き上げられる。
【0073】
発電機6ないし発電機6の発電機調節装置60に対する相応の設定も、同じくデータバンク80に保存されている特性曲線を基礎として、またはそのつど設定されるバッテリバンク2への中間回路120若しくはそれぞれの消費部回路の測定ないし監視を基礎として、制御装置8によって設定することができる。
【0074】
たとえば制御装置8は船内電力網100から、特定の電流、特定の出力、または特定の電圧が要請されていることを判定することができる。それに応じてそれが発電機管理量として発電機調節装置60に通信され、さらに発電機調節装置が相応の発電機調整量を通じて、たとえばトルクまたは発電機電流が規定されてそれが発電機調節装置60により自律的に適合調節されることを通じて、発電機6を当該作業点へと移行させる。
【0075】
制御装置8は、バッテリバンク2のための充電動作が意図されている場合にも、相応の充電曲線を発電機調節装置60に設定することができ、それにより、装置4が能動的なバッテリ充電機器として直接機能するようになっている。換言すると、制御装置8は、バッテリバンク2のための相応の充電出力を提供するために、最善の充電曲線ないし効率的な充電曲線を経過させることができる。
【0076】
その場合、たとえばメイン充電区域ではバッテリバンク2を最大電流で負荷することができ、それにより、制御装置8から発電機調節装置60へ伝送される発電機管理量もそれに応じて最大電流設定となり、これがさらに発電機6で発電機調節装置60によって自律的に調節される。
【0077】
そして制御装置8がバッテリバンク2で目標充電電圧への到達を検知すると、発電機6の動作が新たな発電機管理量の伝送によって、このケースでは目標充電電圧の大きさの設定電圧の伝送によって、当該電圧に合わせて調節されて、その後はこの電圧が発電機調節装置60によって維持されたままに保たれる。それに応じて発電機6は電圧設定に合わせて作動し、それにより、再充電領域でバッテリバンク2を同じく最適化して充電することができる。
【0078】
このようにして、内燃機関7と発電機6をいずれも広い範囲内で互いに独立して調節し、それにもかかわらず、所望の電気エネルギーを船内電力網100で消費部への供給のために、またはバッテリバンクの充電のために利用し、確実に提供することが可能である。
【0079】
バッテリバンク2の充電プロセスは、船内電力網100の他の出力要求に合わせて特徴づけることもできる。換言すると、制御装置8を通じて、もともと存在している船内電力網100内部の出力要求に合わせて、一例として先ほど説明した充電曲線の特徴づけを行うことができる。このようにして、他の消費部の出力需要にもかかわらず、バッテリバンク2が発電機6を通じて確実に充電されることを実現することができる。そして消費部によって取り出さされずにそのつど余剰となるエネルギーが、相応にバッテリバンク2へ供給される。
【0080】
装置4の設計に応じて、および内燃機関7の設計に応じて、内燃機関7がエンジン調節装置70を通じて、たとえば船内電力網100の電流設定、電圧設定、または出力設定であるエンジン管理量の供給を受ける内燃機関7の動作が好ましい場合があり得る。これに対応する監視パラメータを、エンジン調節装置70へ直接的に、または制御装置8の仲介によって送ることができる。
【0081】
それに応じて内燃機関7はエンジン調節装置70によって、船内電力網100でたとえば所望の電流設定、電圧設定、または出力設定が実現されるように調節される。それと同時に発電機6は発電機調節装置60を通じて、回転数を実質的に一定に保つように作動するのが好ましい。
【0082】
このようにして制御装置8により、相応にコストの利点を提供するどちらかというと制御工学的に簡素に構成された内燃機関7であっても、エンジン調節装置70による内燃機関7の調節を通じて、たとえば電圧設定に合わせていっそう容易に調節をすることができる。発電機6がすでに回転数を固定していて、それに応じてそのつど必要な出力が、内燃機関7への相応の燃料供給のダイナミックな調節を通じて実行されるからである。
【0083】
さらに装置4は、発電機6が同時に内燃機関7のためのスタータモータとしての役目も果たすことによって、特別に効率的に構成することができる。したがって、内燃機関7が相応に駆動されることで、これを確実な点火を可能にする回転数にすることができる。そしてその後、発電機6は発電機動作へと切り換えられる。
【0084】
図2には、電気エネルギーを提供する装置4が、駆動シャフト72を介して発電機6を駆動する内燃機関7を含むように構成された、船内システム1の別の構成が示されている。内燃機関7の出力は、エンジン調整量の調節を提供するために、燃料ポンプ74を通じて変更される。
【0085】
整流器5が発電機6と統合されており、それにより、船内電力網100には直流電流が発電機6から供給される。
【0086】
図2に示す実施例では、第1の調節段62で実際電圧V
Aktが、発電機管理量として意図される電圧設定V
Setにより調節される発電機調節装置60が設けられる。それに伴い、発電機トルクに相応に影響を及ぼすために、発電機電流の形態の発電機調整量が提供される。
【0087】
発電機調節装置60の第2の調節段では、発電機電流I
Setの発電機管理量を通じての発電機トルクが発電機6で生じている直流電流I
Aktと比較され、それに応じて発電機電流についての調整量が提供される。このようにして発電機6のトルクを発電機電流を通じて提供することができる。
【0088】
制御装置8は発電機電圧V
Setの発電機管理量を規定する。さらに、制御装置8によって内燃機関について回転数n
Setが規定され、この回転数は相応にエンジン調節装置70を通じて、エンジン調節装置70が噴射ポンプ74のエンジン調整量の変更を通じて相応に内燃機関7の回転数を適合調節することができるように適合調節することができる。内燃機関7の回転数は、エンジン調節装置70にn
Aktとして供給される。
【0089】
これに応じて制御装置8では電圧制御を基礎としながら、たとえば固定的な乗算器または相応の数値表または相応の特性曲線を考慮したうえで、相応のエンジン回転数がエンジン管理量として提供され、これがエンジン調節装置70を通じて内燃機関7の調節のために援用される。
【0090】
それに伴い、制御装置8は本実施例では発電機調節装置60に電圧設定を与え、エンジン調節装置70に回転数設定を与える。
【0091】
したがって、発電機6は発電機管理量に準じて、このケースでは船内電力網100で実現されるべき設定電圧に準じて管理され、そして発電機6は、同時に発電機トルクにも影響を及ぼすその調整量すなわち発電機電流に関して調節される。
【0092】
それに伴い、内燃機関7と発電機6の実質的に独立した調節は、最適化プロセスで特別に効率的な動作を実現できるように、かつ、電気エネルギーへの燃料の転換を船内システム1のそのつどの動作前提条件にとって特別に効率的に実行できるように行われる。
【0093】
図3には、船内システム1のさらに別の構造が示されている。ここでは制御装置8によって発電機調節装置60に発電機回転数n
Setが与えられ、これが第1の調節段62で発電機電流I
Setの発電機管理量を通じて発電機トルクを設定し、これが第2の制御段64で発電機6に生じている発電機電流I
Aktと比較され、それに応じて発電機電流についての調整量を提供する。
【0094】
内燃機関7は噴射ポンプ74での調整量に関して、制御装置8により設定される電圧V
Setが船内電力網100の実際電圧V
Aktに対して適合調節されるようにエンジン調節装置70を通じて調節される。
【0095】
それに応じて発電機6のトルクは発電機調節装置60を通じて、発電機6の実際の最新の回転数を基礎として決定され、たとえば固定的な係数、参照表、または回転数を発電機のトルクと関連づける特性曲線を基礎として決定される。それに応じて内燃機関7は、所望の電圧が船内電力網100で維持されるように制御される。
【0096】
それに伴って制御装置8は、本実施例では発電機調節装置60に回転数設定を与えるとともに、エンジン調節装置70に電圧設定を与える。
【0097】
したがって、内燃機関の回転数を、発電機6のそのつどの調節課題に関わりなく、広い範囲で調整することができる。発電機6が発電機調節装置60によって独立して調節されるからである。このことは、内燃機関7を効率的に作動させることを可能にする。
【0098】
適用可能である限りにおいて、本発明の範囲から外れることなく、各実施例に示されている個々の構成要件をすべて相互に組み合わせることができ、および/または入れ替えることができる。