特許第6686084号(P6686084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6686084
(24)【登録日】2020年4月3日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20200413BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20200413BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   H05K5/02 A
   G06F1/16 312E
   G09F9/00 313
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-163045(P2018-163045)
(22)【出願日】2018年8月31日
(65)【公開番号】特開2020-34845(P2020-34845A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】天野 将之
(72)【発明者】
【氏名】渡村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】堀越 正太
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/108334(WO,A1)
【文献】 特開2015−130320(JP,A)
【文献】 特開2015−072305(JP,A)
【文献】 特開平10−025975(JP,A)
【文献】 中国実用新案第204759934(CN,U)
【文献】 特開2011−242480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00 、 1/16 − 1/18 、
G09F 9/00 、
H05K 5/00 − 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明板と、
前記第1透明板と対向する第2透明板と、
前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記第1透明板および前記第2透明板を部分的に覆うディスプレイと、
前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記ディスプレイの周囲に充てんされた透明部材と、を備え
前記透明部材は、前記ディスプレイを囲う囲繞部を有し、
前記囲繞部のうち、前記ディスプレイを向く内面に反射面が形成されている電子機器。
【請求項2】
第1透明板と、
前記第1透明板と対向する第2透明板と、
前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記第1透明板および前記第2透明板を部分的に覆うディスプレイと、
前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記ディスプレイの周囲に充てんされた透明部材と、
前記ディスプレイを囲うフレーム体と、を備え、
前記透明部材は前記フレーム体、前記ディスプレイ、前記第1透明板、および前記第2透明板により形成された隙間全体に充てんされる電子機器。
【請求項3】
第1透明板と、前記第1透明板と対向する第2透明板と、前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記第1透明板および前記第2透明板を部分的に覆うディスプレイと、前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記ディスプレイの周囲に充てんされた透明部材と、前記ディスプレイを囲うフレーム体と、を有する表示部と、
前記表示部に対して移動可能であり、前記表示部に重ねられることが可能な本体部と、を備え、
前記本体部には、前記表示部と前記本体部とが重ねられたときに、前記第1透明板、前記透明部材、および前記第2透明板を通して視認可能なサブディスプレイが設けられている電子機器。
【請求項4】
前記透明部材は、前記ディスプレイを囲う囲繞部を有し、
少なくとも前記囲繞部が一体に成形されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記透明部材には配線収容部が形成され、
前記配線収容部の内側に、前記ディスプレイの配線の少なくとも一部が位置している、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1透明板と前記透明部材との間および前記第2透明板と前記透明部材との間には、接着剤が設けられていない、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示されるような、ディスプレイを備えた電子機器が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5969643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電子機器では、ディスプレイの周囲には有色のベゼルが形成されるのが一般的な構成である。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、ディスプレイが宙に浮いているような外観を有する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、第1透明板と、前記第1透明板と対向する第2透明板と、前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記第1透明板および前記第2透明板を部分的に覆うディスプレイと、前記第1透明板と前記第2透明板との間で、前記ディスプレイの周囲に充てんされた透明部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様によれば、ディスプレイが宙に浮いているような外観を有する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る電子機器の斜視図である。
図2図1の表示部の分解斜視図である。
図3図1のIII−III断面矢視図である。
図4図1のIV−IV断面矢視図である。
図5図1の表示部と本体部とを重ね合わせて、表示部側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態の電子機器について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、電子機器1は、本体部2と表示部3とを有する、いわゆるクラムシェル型(ノート型)のパーソナルコンピュータである。本体部2と表示部3とは、表示部3が本体部2に対して開いた状態と閉じた状態との間で、相対的に移動可能となっている。すなわち、表示部3と本体部2とは、互いに重ね合わされることが可能となっている。
なお、本実施形態を、ノート型PCに限らず、デスクトップ型PC、タブレット端末、携帯電話などの電子機器に適用してもよい。
【0010】
(方向定義)
本実施形態では、XYZ直交座標系を設定して各構成の位置関係を説明する。以下、X軸に沿う方向を左右方向Xといい、Y軸に沿う方向を前後方向Yといい、Z軸に沿う方向を上下方向Zという。また、左右方向Xにおける一方側を+X側(左側)といい、他方側を−X側(右側)という。前後方向Yにおける一方側を+Y側(後側)といい、他方側を−Y側(前側)という。上下方向における一方側を+Z側(上側)、他方側を−Z側(下側)という。
なお、以下の説明では、特別な言及が無い限り、表示部3が上下方向Zおよび左右方向Xに延びた姿勢についての各部の位置関係を説明する。
【0011】
(本体部)
本体部2は、左右方向Xおよび前後方向Yに延びる扁平な形状の筐体を有している。筐体の内部には、マザーボード(基板)やバッテリなどが設けられている。本体部2は、ヒンジ25を介して、表示部3に対して回動可能に連結されている。なお、本体部2と表示部3とは分離可能であってもよい。また、電子機器1は本体部2を有していなくてもよい。この場合、マザーボードやバッテリなどは表示部3内に設けられていてもよい。
【0012】
本体部2における筐体の上面には、入力部2aと、サブディスプレイ2bと、が設けられている。入力部2aは、キーボードなどである。サブディスプレイ2bは、液晶ディスプレイ(LCD: liquid crystal display)や有機EL(electro luminescence)ディスプレイなどである。サブディスプレイ2bは、左右方向Xに長く、前後方向Yに短い長方形状となっている。
【0013】
ヒンジ25は、表示部3の−Z側の端部と本体部2の+Y側の端部を連結しており、左右方向Xに延びている。サブディスプレイ2bは、入力部2aよりも+Y側に位置している。換言すると、サブディスプレイ2bは、入力部2aよりもヒンジ25に近い位置に配置されている。
【0014】
表示部3は、ディスプレイ6を備えている。ディスプレイ6は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。ディスプレイ6には、配線7が接続されている。配線7を通じて、ディスプレイ6と本体部2のマザーボード等とが電気的に接続されている。
【0015】
表示部3は透明領域Aを有している。表示部3を前後方向Yから見ると、配線7が接続された部分を除き、ディスプレイ6が透明領域Aに囲われる。これにより、ディスプレイ6が宙に浮いているような外観となる。
【0016】
図2に示すように、表示部3は、第1透明板4と、透明部材10と、フレーム体20と、第2透明板5と、ディスプレイ6と、を有している。透明領域Aは、第1透明板4、透明部材10、および第2透明板5が前後方向Yに重ねられた構造となっている。
【0017】
第1透明板4および第2透明板5は、フレーム体20、透明部材10、およびディスプレイ6を前後方向Yで挟んでいる。第1透明板4はディスプレイ6よりも−Y側に位置し、第2透明板5はディスプレイ6よりも+Y側に位置している。
第1透明板4および第2透明板5は、上下方向Zおよび左右方向Xに延びる透明な板状に形成されている。本実施形態では、第1透明板4および第2透明板5は、前後方向Yから見て長方形状に形成されている。第1透明板4および第2透明板5としては、ガラスや透明の樹脂などを用いることができる。第1透明板4の表面に透明なタッチセンサを設けて、表示部3自体をタッチパネルとして用いてもよい。
【0018】
フレーム体20は、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属材料や繊維強化プラスチックなどにより形成されている。フレーム体20は、右フレーム21と、上フレーム22と、左フレーム23と、下フレーム24と、を有している。各部21〜24により、フレーム体20は、前後方向Yから見て長方形の枠状に形成されている。右フレーム21および左フレーム23は上下方向Zに延びており、上フレーム22および下フレーム24は左右方向Xに延びている。上フレーム22は、右フレーム21および左フレーム23の+Z側端部同士を接続している。下フレーム24は、右フレーム21および左フレーム23の−Z側端部同士を接続している。
【0019】
下フレーム24の−Z側端部には、ヒンジ25が設けられている。
図3に示すように、フレーム体20には、第1凹部20aおよび第2凹部20bが形成されている。第1凹部20aは、フレーム体20の+Y側の端面から、−Y側に向けて窪んでいる。第2凹部20bは、フレーム体20の−Y側の端面から、+Y側に向けて窪んでいる。第1凹部20aおよび第2凹部20bは、フレーム体20の各部21〜24に沿って形成されている。このため、凹部20a、20bは、前後方向Yから見て長方形の枠状に形成されている。
【0020】
凹部20a、20bは、右フレーム21の+X側の端部、上フレーム22の−Z側の端部、左フレーム23の−X側の端部、および下フレーム24の+Z側の端部に形成されている。凹部20a、20bの左右方向Xの寸法は、第1透明板4および第2透明板5の左右方向Xの寸法よりも大きい。凹部20a、20bの上下方向Zの寸法は、第1透明板4および第2透明板5の上下方向Zの寸法よりも大きい。
【0021】
第1透明板4の少なくとも一部は、第1凹部20aの内側に位置している。第1透明板4は、接着剤8によって、第1凹部20aの内面に接着されている。接着剤8としては、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、両面テープなどを用いることができる。図3の例では、第1凹部20aの+Y側を向く内面に接着剤8が設けられている。ただし接着剤8は、第1凹部20aの左右方向Xを向く内面に設けられていてもよい。
【0022】
第2透明板5の少なくとも一部は、第2凹部20bの内側に位置している。第2透明板5は、接着剤8によって、第2凹部20bの内面に接着されている。図3の例では、第2凹部20bの−Y側を向く内面に接着剤8が設けられている。ただし接着剤8は、第2凹部20bの左右方向Xを向く内面に設けられていてもよい。
複数の接着剤8によって、第1透明板4および第2透明板5は、フレーム体20に対して接着および固定されている。本実施形態では、第1透明板4の全体が第1凹部20aの内側に位置しており、第2透明板5の全体が第2凹部20bの内側に位置している。
【0023】
ディスプレイ6は、第1透明板4に固定されている。ディスプレイ6は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。第1透明板4を通して、使用者は、ディスプレイ6を視認することができる。ディスプレイ6は、前後方向Yから見て長方形状に形成されている。配線7は、ディスプレイ6の背面(+Y側の面)に接続されている。配線7とディスプレイ6とを接続する作業は、ディスプレイ6、第1透明板4、および透明部材10を組み付けた後で行うことができる。このため、ディスプレイ6が第1透明板4に固定されていても、配線7を透明部材10の配線収容部14a(後述)内に収容することができる。
なお、表示部3自体をタッチパネルとして用いる場合には、ディスプレイ6と第1透明板4との間にタッチセンサを設ける。
【0024】
透明部材10は、透明な樹脂により形成されている。透明部材10の材質としては、ポリカーボネート(PC: polycarbonate)やアクリル(PMMA: Poly Methyl Methacrylate)などを用いることができる。透明部材10は、射出成型により形成されてもよいし、切削加工により形成されてもよい。
【0025】
図2に示すように、透明部材10は、ディスプレイ6を囲う囲繞部10aを有している。本実施形態では、長方形状のディスプレイ6を囲うように、囲繞部10aが長方形の枠状に形成されている。囲繞部10aは、右側部11と、上側部12と、左側部13と、下側部14と、を有している。右側部11、上側部12、左側部13、および下側部14は、一体に形成されている。すなわち、囲繞部10aは一体に形成されている。
【0026】
右側部11と左側部13との間の左右方向Xにおける間隔は、ディスプレイ6の左右方向Xにおける寸法よりも大きい。上側部12と下側部14との間の上下方向Zにおける間隔は、ディスプレイ6の上下方向Zにおける寸法よりも大きい。
透明部材10の左右方向Xにおける大きさは、フレーム体20における右フレーム21と左フレーム23との間の左右方向Xにおける間隔よりも小さい。透明部材10の上下方向Zにおける大きさは、フレーム体20における上フレーム22と下フレーム24との間の上下方向Zにおける間隔よりも小さい。
【0027】
右側部11はディスプレイ6の−X側に位置し、上側部12はディスプレイ6の+Z側に位置し、左側部13はディスプレイ6の+X側に位置し、下側部14はディスプレイ6の−Z側に位置している。
右側部11および左側部13は上下方向Zに延びており、上側部12および下側部14は左右方向Xに延びている。上側部12は、右側部11および左側部13の+Z側端部同士を接続している。下側部14は、右側部11および左側部13の−Z側端部同士を接続している。
【0028】
下側部14の上下方向Zにおける幅は、上側部12の上下方向Zにおける幅よりも大きい。また、下側部14の上下方向Zにおける幅は、右側部11および左側部13の左右方向Xにおける幅よりも大きい。つまり、下側部14の幅は、囲繞部10aにおける他の部分11〜13の幅よりも大きくなっている。
【0029】
下側部14には、配線収容部14aが設けられている。配線収容部14aは、下側部14に形成された凹部である。配線収容部14aは、下側部14の+Y側の端面から、−Y側に向けて窪んでいる。配線収容部14aは、下側部14の左右方向Xにおける端部に位置している。配線収容部14aは、下側部14の+Z側端面から−Z側端面にかけて、上下方向Zに延びている。つまり、配線収容部14aは、下側部14を上下方向Zに横断するように形成されている。
【0030】
図4に示すように、配線収容部14aの左右方向Xにおける幅は、配線7の左右方向Xにおける幅よりも大きい。配線収容部14aの前後方向Yにおける幅(深さ)は、配線7の前後方向Yにおける厚みよりも大きい。配線収容部14aの内側に、配線7の少なくとも一部が位置している。
【0031】
なお、配線収容部14aの前後方向Yにおける幅は、配線7の前後方向Yにおける厚みより小さくてもよい。この場合でも、例えば透明部材10と第2透明板5との間に前後方向Yの隙間を設けて、配線収容部14aと第2透明板5とにより形成される空間に配線7を収容することができる。
【0032】
図3に示すように、囲繞部10aのうち、ディスプレイ6を向く内面10bには薄膜10cが形成されている。なお、内面10bには、右側部11の+X側端面、上側部12の−Z側端面、左側部13の−X側端面、および下側部14の+Z側端面が含まれる。薄膜10cの材質としては、アルミニウムなどの金属が好適である。薄膜10cは、例えば蒸着やメッキなどにより、内面10bの表面に形成することができる。内面10bの表面に薄膜10cによる反射面を形成することで、ディスプレイ6の端面などが、透明部材10を通して視認されにくくなる。なお、薄膜10cを設けずに、例えば内面10bを鏡面磨きすることで、内面10b自体に反射面を形成してもよい。
【0033】
透明部材10は、枠状に形成されたフレーム体20の内側に位置している。また、ディスプレイ6は、枠状に形成された透明部材10の内側に位置している。そして、透明部材10およびディスプレイ6は、第1透明板4および第2透明板5によって前後方向Yで挟まれている。
以上の構成により、透明部材10は、フレーム体20、ディスプレイ6、第1透明板4、および第2透明板5により形成された隙間を埋めるように設けられている。
【0034】
図5は、図1に示す状態から表示部3をヒンジ25回りに回動させて、表示部3と本体部2とを重ね合わせた状態を示している。
図5に示すように、表示部3と本体部2とを重ね合わせたときに、透明領域Aおよびサブディスプレイ2bの位置が互いに一致する。より詳しくは、第1透明板4、透明部材10の下側部14、および第2透明板5が重なり合った部分が、サブディスプレイ2bを覆った状態となる。このため、使用者は、透明領域Aを通して、サブディスプレイ2bを視認することができる。第2透明板5には、表示部3が閉じられた状態において、サブディスプレイ2bと重なるタッチセンサが設けられていてもよい。この場合、使用者は、第2透明板5に設けられたタッチセンサを介して、サブディスプレイ2bの画面を操作することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の電子機器1は、第1透明板4と、第1透明板4に対向する第2透明板5と、ディスプレイ6と、透明部材10と、を備えている。ディスプレイ6は、第1透明板4と第2透明板5との間で、第1透明板4および第2透明板5を部分的に覆っている。透明部材10は、第1透明板4と第2透明板5との間で、ディスプレイ6の周囲に充てんされている。したがって、第1透明板4、第2透明板5、および透明部材10により形成される透明領域Aにディスプレイ6が配置され、ディスプレイ6が宙に浮いているような外観とすることができる。
【0036】
また、透明部材10は、ディスプレイ6を囲う囲繞部10aを有し、少なくとも囲繞部10aが一体に成形されている。このように、囲繞部10aが切れ目なくディスプレイ6を囲っていることで、透明部材10の形状が視認されにくくなり、ディスプレイ6をより確実に宙に浮いた外観とすることができる。
【0037】
また、透明部材10はディスプレイ6を囲う囲繞部10aを有し、囲繞部10aのうち、ディスプレイ6を向く内面10bに反射面(薄膜10c)が形成されている。これにより、例えば斜め方向から表示部3を目視したときに、ディスプレイ6の端面が透明部材10を通して視認されにくくなり、電子機器1の外観をより良好にすることができる。
【0038】
また、電子機器1は、ディスプレイ6を囲うフレーム体20をさらに有している。このフレーム体20により、表示部3全体の剛性および強度が高められている。そして透明部材10は、フレーム体20、ディスプレイ6、第1透明板4、および第2透明板5により形成された隙間全体に充てんされている。この構成により、フレーム体20の内側に透明領域Aを設けて、透明領域Aの中にディスプレイ6を配置することができる。
【0039】
また、透明部材10には配線収容部14aが形成され、配線収容部14aの内側に、ディスプレイ6の配線7の少なくとも一部が位置している。これにより、配線7を通じて本体部2とディスプレイ6とを電気的に接続することができる。また、配線収容部14aを、透明部材10の下側部14における左右方向Xの端部に位置させることで、配線7を目立たなくすることができる。
【0040】
また、第1透明板4とフレーム体20との間、および第2透明板5とフレーム体20との間には、接着剤8が設けられている。これにより、第1透明板4、第2透明板5、およびフレーム体20が固定されている。そして、透明部材10は、第1透明板4と第2透明板5とにより挟まれることで固定されている。一方、第1透明板4と透明部材10との間および第2透明板5と透明部材10との間には、接着剤が設けられていない。このように、透明領域Aに接着剤を配置しないことで、電子機器1の外観をより良好にすることができる。
【0041】
また、本体部2には、表示部3と本体部2とが重ねられたときに、第1透明板4、透明部材10、および第2透明板5を通して視認可能なサブディスプレイ2bが設けられている。これにより、クラムシェル型の電子機器1において、表示部3が閉じられている状態でもサブディスプレイ2bを視認することができる。
【0042】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0043】
例えば、前記実施形態では本体部2にサブディスプレイ2bが設けられていたが、このようなサブディスプレイ2bが設けられていなくてもよい。
また、前記実施形態では、表示部3と本体部2とがヒンジ25回りに回動可能に連結されていたが、例えば表示部3と本体部2とがスライド移動するように構成されていてもよい。
【0044】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…電子機器 2…本体部 2b…サブディスプレイ 3…表示部 4…第1透明板 5…第2透明板 6…ディスプレイ 7…配線 10…透明部材 10a…囲繞部 10b…内面 10c…薄膜 14a…配線収容部 20…フレーム体
図1
図2
図3
図4
図5