(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
店舗での取引内容を紙のレシートで受け取る代わりにその取引内容を電子化した電子レシート情報を消費者が操作するユーザ端末(以下、消費者端末と呼ぶ)などで閲覧することを可能にした、電子レシートシステムと呼ばれる仕組みがある。
【0008】
電子レシートシステムでは、消費者は事前に会員登録を行い、会員を一意に識別するための会員ID(identification)を取得する。これにより、消費者は、会員IDにより電子レシートシステムが提供するサービスを享受できる。
【0009】
電子レシートシステムでは、店舗に配置されたPOS(Point of Sales)端末で消費者との商品取引処理を行う。商品取引処理後は、消費者が現金又はカードによる決済処理を行って、一連の取引処理(一取引)を終了する。
【0010】
また、POS端末は一取引ごとに会員IDを読み取る。これにより、POS端末は、その一取引の記録を従来の紙のレシートに出力する代わりに、その一取引分の情報を電子化した電子レシート情報を生成する。そして、POS端末は、その電子レシート情報を、全電子レシート情報を一元管理する電子レシート管理サーバへ送信する。電子レシート情報には、通常の取引時に生成する「電子精算レシート情報」や、レジマイナス時に生成する「レジマイナスレシート情報」や、返品処理時に生成する「電子返品レシート情報」や、訂正処理時に生成する「電子訂正レシート情報」などの種類がある。消費者は、消費者端末を使って電子レシート管理サーバへアクセスすることにより、電子レシート管理サーバに送信された「電子精算レシート情報」を閲覧することができる。
【0011】
図1は、本実施形態に係る電子レシートシステムの全体構成図である。
図1に示すように電子レシートシステム1は、電子レシート管理サーバ10と、POS端末11と、消費者端末12とを含むネットワークシステムにより構成される。本実施形態では、POS端末11は、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの通信ネットワークN1を介してWeb上の電子レシート管理サーバ10にアクセスする。また、消費者端末12は、インターネット網など(通信ネットワークN2)を介してWeb上の電子レシート管理サーバ10にアクセスする。一例として、消費者端末12は、無線基地局を介して電話網に接続し、その制御装置によりパケット通信網からインターネットに接続するなどして、電子レシート管理サーバ10にアクセスする。
【0012】
以下では、電子レシート管理サーバ10はWebサーバを備え、各端末とHTTP(Hypertext Transfer Protocol)などによる通信を行うものとする。
なお、同図に示す実線矢印は主な命令や情報の流れる向きを表すものである。
【0013】
電子レシート管理サーバ10は、第三者機関の電子レシートセンタP1に設けられている。電子レシート管理サーバ10は、POS端末11で生成された電子レシート情報をデータベースDB1(第一の記憶手段)で一元管理するサーバ装置である。電子レシート管理サーバ10は、POS端末11が送信した電子レシート情報(例えば、電子精算レシート情報(S1))を通信ネットワークN1を介して受信し、その電子レシート情報をデータベースDB1に格納して一元管理する。電子レシート管理サーバ10は、消費者端末12から電子レシート情報の閲覧要求(「閲覧要求(S2)」)を受けると、それに対応する電子精算レシート情報を要求元の消費者端末12の表示形式にフォーマット変換する。消費者端末12は、その電子精算レシート情報を自機の表示画面に表示させる(「電子レシート情報取得(S3)」)。
【0014】
また、電子レシート管理サーバ10は、商品の付帯情報の一つである商品コードデータを消費者端末12に出力するために、商品コードファイル100、付加手段101、電子レシート情報出力手段102、及び商品コード出力手段(付帯情報出力手段)103を備えている。
【0015】
商品コードファイル100は、各商品の商品コードデータを収録したデータファイルである。商品コードファイル100は、各商品の商品コードデータと商品名称データとをそれぞれ紐付けて収録する。商品コードファイル100は、RAMなどの記憶部に保存されており、第二の記憶手段として備えられている。
【0016】
付加手段101は、商品コードファイル100に収録された商品コードデータを取得するためのトリガとなる操作子(イベント発生部)を、消費者端末12が閲覧を要求する電子精算レシート情報に対応付ける手段である。上記イベント発生部は、例えば、アイコン画像や文字情報などに、上記商品コードデータを取得するための処理の実行先を示すリンク情報を付して構成されるものである。
【0017】
電子レシート情報出力手段102は、イベント発生部の付加された電子精算レシート情報を閲覧要求元の消費者端末12に出力する手段である。
先に述べたように、電子レシート管理サーバ10は、消費者端末12から電子精算レシート情報の閲覧要求(「閲覧要求(S2)」)を受ける。電子レシート情報出力手段102は、そのときの応答としての、電子精算レシート情報を要求元の消費者端末の表示形式にフォーマット変換し、消費者端末12に出力する処理を行うものである。付加手段101は、消費者端末12へ電子精算レシート情報に任意のタイミングでイベント発生部を付加するので、電子レシート情報出力手段102がイベント発生部の付加された電子精算レシート情報を閲覧要求元の消費者端末12に出力することになる。
この後、電子レシート管理サーバ10は、消費者端末12に出力した電子精算レシート情報から上記イベント発生部の操作(例えばタップなどによるイベント発生部の操作)を受け付けることになる。
【0018】
商品コード出力手段103は、上記イベント発生部の操作により、電子精算レシート情報が含む商品名称データに対応する商品コードデータを商品コードファイル100から抽出して、その商品コードデータを消費者端末12に出力する手段である。例えば、上記イベント発生部の操作により、電子精算レシート情報が含む商品名称データを消費者端末12などから取得する。それから、その商品名称データを用いて、上記イベント発生部が示すリンク先の処理を実行する。この処理において、消費者端末12などから取得した商品名称データに対応する商品コードデータを、商品コードファイル100から抽出し、消費者端末12に出力する処理を行う。
【0019】
これにより、ユーザが消費者端末12を介してイベント発生部の操作を行うと(「商品コード要求(S4)」)、電子レシート管理サーバ10で管理される商品コードデータが消費者端末12で取得できるようになる(「商品コード取得(S5)」)。
【0020】
POS端末11は、店舗P2に設けられた一つ又は複数のPOS端末である。店舗P2は、一個所又は複数個所の店舗を示すものである。
POS端末11は、商品コードや会員IDを読み取るためのバーコードスキャナを有し、レジ機能を有している。POS端末11では、消費者が購入を希望する商品を、キャッシャがその商品に付された商品コードをバーコードスキャナで読み取る或いは入力キーとして設けられた商品キーや数字キーを押下するなどして、取引対象商品としてデータ入力する。そのようにして商品取引処理を行った後、消費者が現金又はカードによる決済処理を行って、一連の取引処理(一取引)を終了する。取引後は、取引内容をレシート用紙に印字し、紙レシートを発行する。
【0021】
また、POS端末11は、入力キーとして、各種処理を実行するコマンドが割り当てられた命令キーを備えている。命令キーには返品キーや訂正キーやレジマイナスキーなどがある。
例えば一取引の終了後に返品が発生したとする。この場合、キャッシャは返品対象商品の商品コードを入力するなどして、返品キーを押下する。これにより、POS端末11は、返品処理を完了し、返品情報を含む返品レシートを紙に印字する。
【0022】
返品対象商品の商品コードの入力方法としては、消費者端末12が電子レシート管理サーバ10から取得した商品コードデータを読み取る(「商品コード読取(S6)」)。この他、数字キーなどの入力キーを用いた商品コードの打ち込みや、商品キーの押下や、商品タグに付されたバーコードをバーコードスキャナで読み取るなどの種々の方法を併用することができる。
【0023】
ところで、POS端末11では、消費者が会員である場合、会員IDを一取引ごとに読み取る処理を行う。会員IDを読み取る方法としては、例えば消費者端末12の表示画面にバーコード情報として表示された会員IDを、バーコードスキャナで読み取る方法がある。また、その他にも、消費者端末12に記憶されている会員IDを近距離無線通信などの通信を利用して読み取るなどの方法も可能である。
【0024】
POS端末11は、会員IDの読み取りにより、通常の取引時は一取引分の取引内容を電子化した電子精算レシート情報を生成し、その電子精算レシート情報を通信ネットワークN1を介して電子レシート管理サーバ10へ送信する(「電子レシート情報(S1)」)。
【0025】
また、返品処理時は、返品情報を電子化した電子返品レシート情報を生成し、電子レシート管理サーバ10へ送信する(「返品レシート(S7)」)。
【0026】
消費者端末12は、自宅や移動先などにおいて消費者が利用する情報処理装置である。
一例として、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末などの無線通信機能を備えた移動式の情報処理装置が挙げられる。また、パーソナルコンピュータのようにルータなどに接続してネットワークに接続する固定式の情報処理装置が挙げられる。以下において消費者端末12は移動式の情報処理装置として説明する。
【0027】
消費者端末12は、通信手段を使い、通信ネットワークN2を介して電子レシート管理サーバ10にアクセスする。このアクセスにより、消費者端末12は電子レシート管理サーバ10に対して各種の要求を行う。各種の要求の一つとして、例えば、電子精算レシート情報の要求(「閲覧要求(S2)」)を行う。或いは、電子精算レシート情報を取得した後の、商品名称に対応する商品コードの要求(「商品コード要求(S4)」)を行う。
【0028】
また、消費者端末12は、電子精算レシート情報を表示するためのビューアを備えている。
電子レシート管理サーバ10に対して電子精算レシート情報を要求すると(「閲覧要求(S2)」)、電子レシート管理サーバ10において電子精算レシート情報が抽出され、所定の表示形式に変換される。そして、例えば、この時に、表示用データとしてイベント発生部付きの電子精算レシート情報が生成される。消費者端末12は、ビューアでそのイベント発生部付きの電子精算レシート情報を自機の表示画面に表示する(「電子レシート情報取得(S3)」)。
【0029】
消費者が、その後、消費者端末12の表示画面上でイベント発生部をタップするなどしてイベント発生部を操作したとする(「商品コード要求(S4)」)。すると、電子レシート管理サーバ10がそのイベントに対応する処理つまり商品コードデータの取得処理を実行する。消費者端末12は、その処理結果として、当該電子精算レシート情報が含む商品名称データに対応する商品コードデータを取得する(「商品コード取得(S5)」)。消費者端末12は取得した商品コードデータを、表示画面に表示し、或いは所定の記憶領域に保存するなどして、POS端末11に読み取らせる(「商品コード読取(S6)」)。
【0030】
以下では、消費者端末12の表示画面に上記商品コードデータとしてバーコード情報を表示させ、このバーコード情報をPOS端末11に読み取らせる態様を、一例として示す。電子レシート管理サーバ10の商品コードファイル100には、商品コードデータとして、商品コードをバーコード情報に符号化したものを予め登録しておくものとする。
また、電子精算レシート情報に対するイベント発生部の付加処理は、電子精算レシート情報を消費者端末の表示形式にフォーマット変換する際に行うものとする。
【0031】
次に、主な装置の構成や動作について詳しく説明する。
図2は、電子レシート管理サーバ10の構成図である。
電子レシート管理サーバ10は、主に、制御部10A、記憶部11A、及び通信I/F12Aを備えている。各部はバス13Aにより相互接続されている。
【0032】
制御部10Aは、電子レシート管理サーバ10の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部10Aは、CPU(中央演算処理装置)、各種のプログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real-Time Clock)部等によって構成される。
【0033】
記憶部11Aは、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。
記憶部11Aは各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部11AやROMなどに記憶されている各種のプログラムやデータが制御部10AのCPUで実行されることにより、電子レシート管理サーバ10は、次に示す電子レシート管理手段や、付加手段101(
図1参照)や、電子レシート情報出力手段102や、商品コード出力手段103(
図1参照)などとして機能する。
【0034】
記憶部11Aには、データベースDB1(
図1参照)が収められている。主に、データベースDB1を管理するための管理プログラム(図において「管理プログラム」を「Pro」と省略する)110Aが記憶されている。また、データベースDB1の各種データを記憶する記憶領域111Aが設けられている。各種データには、電子レシート情報や、その管理情報(例えば、電子レシート情報に含まれる個別データや電子レシート情報を特定するキーとなる情報など)が含まれる。管理プログラム110Aは、CPUでの実行により、それらの各種データをテーブルとして管理する。ここでは、一例として、データベースDB1は、以下に示すテーブルを含む複数のテーブルにより構成されるものとする。
【0035】
データベースDB1が含むテーブルの一つに、電子レシート情報の管理テーブル(不図示)がある。当該管理テーブルは、電子レシート情報と管理データ(例えば会員IDや、レシートNoや、取引日や、店舗コードや、レジNoなど)を互いに対応付けて、電子レシート情報を管理データで管理する。当該管理テーブルは、一つ又は複数のテーブルにより構成されている。
【0036】
データベースDB1が含むテーブルのその他の一つに、商品コードファイル100の応用例として示す商品コードテーブルがある。
当該商品コードテーブルは、商品コードデータと商品名称データとを互いに対応付けて、商品名称データを管理するものである。商品名称データは検索キーに使用し、この商品名称データにより商品コードデータを検索する。
【0037】
図3は、商品コードテーブルTb1のデータ構成図である。
図3に示すように商品コードテーブルTb1は、「商品名称データ」30と「商品コードデータ」31の項目を含んでいる。
同図の一行目は項目名を示し、二行目以下はデータ部D0を示す。なお、データ部D0には、説明のため3商品のみを示し、その他は省略するものとした。
【0038】
「商品名称データ」30のデータ部D0には、不図示の商品マスタデータなどから取得した商品名称データ(商品A、商品B、商品C、・・・)を設定する。商品マスタデータは、例えばPOS端末11や不図示のストアサーバや本部サーバなどから取得したものを使用する。
【0039】
「商品コードデータ」31のデータ部D0には、「商品名称データ」30に設定されているデータに対応する商品コードデータを設定する。
【0040】
上記商品コードデータとして、本実施形態では、規格化されたものを用いる。規格化されたコードとして、日本国内ではJAN(Japanese Article Number)コードがある。また、ヨーロッパ等ではEAN(European Article Number)コードがある。また、米国ではUPC(Universal Product Code)コードがある。また、この他にも、企業独自の商品コードなどがあれば、それを利用しても良い。
【0041】
商品マスタデータには、商品名称データと商品コードデータとが対応付けられている。従って、上記商品コードデータとして商品マスタデータの商品コードデータを使用する。 なお、本実施形態では、商品コードデータとしてバーコード情報を用い、その一例として、二次元バーコードのバーコード画像を使用する。このため、「商品コードデータ」31のデータ部D0には、JANコードなどの商品コードデータをそのまま設定するのではなく、そのバーコード画像の収録先を示すパスとバーコード画像のファイル名を設定する。上記バーコード画像は、予め、JANコードなどの商品コードデータを二次元バーコード画像へ変換し、それをJPEGなどのイメージ画像としてパスの示すディレクトリに収録する。本例では、それぞれの商品のバーコード画像(ファイル名:バーコード画像1.jpg、バーコード画像2.jpg、バーコード画像3.jpg、・・・)をパス1の一つのディレクトリに保存したものを示す。
【0042】
図2に示す記憶部11Aの管理プログラム110Aは、データベースDB1に格納された各種データをテーブルで管理し、各種データの操作などを行うためのプログラムである。具体的に、管理プログラム110Aは、POS端末11や消費者端末12などの外部装置からの要求に応じて、データベースDB1を検索し、データの抽出・登録・更新・削除などの処理を行う。例えば、POS端末11から受信した電子レシート情報が、処理モード「0」の値を含むものであった場合、その電子レシート情報を電子精算レシート情報と判定し、通常処理である登録処理を行う。また、例えば処理モード「1」の値を含むものであった場合は、電子返品レシート情報と判定し、例外処理の内の一つの返品処理を行う。返品処理では、次に示す返品処理プログラムなどと協働し、その処理過程でデータの抽出や更新などの処理を担う。
【0043】
記憶部11Aには、上記例外処理を記述したプログラムの一つとして、返品処理プログラム112Aが記憶されている。返品処理プログラム112Aは、管理プログラム110Aが電子レシート情報を電子返品レシート情報として処理する場合に実行されるものである。返品処理プログラム112Aは、管理プログラム110Aと協働し、電子返品レシート情報に含まれる「元取引番号」や、「店舗コード」や、「会員ID」などを基に、該当する元取引の内容を示す電子精算レシート情報をデータベースDB1から抽出する。そして、抽出した電子精算レシート情報に対し、返品対象の商品名称データに取り消し線を加える設定にするなどの加工処理を施し、データベースDB1の元取引の電子精算レシート情報の登録内容を更新する。
【0044】
記憶部11Aには、更に、送受信プログラム115Aが記憶されている。
送受信プログラム115Aは、POS端末11や消費者端末12との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムを含む。
【0045】
また、消費者端末12との通信において、消費者端末12から電子精算レシート情報の閲覧要求があると、電子精算レシート情報を要求元で閲覧できるようにフォーマット変換し、各種情報を消費者端末12へ送信するためのプログラムを含む。このプログラムでは、消費者端末12から電子精算レシート情報の閲覧要求があると、管理プログラム110Aに依頼して電子精算レシート情報を抽出させる。それから、後述する付加プログラムによるイベント発生部の付加処理やフォーマット変換処理などを行う。そして、処理後の電子精算レシート情報の一部または全てを要求元の消費者端末12へ送信するなどして、消費者端末12でイベント発生部付の電子精算レシート情報を閲覧できるようにする。
【0046】
また、上記イベント発生部から商品コードの取得要求があると、商品コードを要求元で閲覧できるようにするための、商品コードデータを含む必要な情報を消費者端末12へ送信するためのプログラムを含む。
記憶部11Aには、更に、付加プログラム113Aや、商品コード出力プログラム114Aなどが記憶されている。
【0047】
付加プログラム113Aは、消費者端末12から電子精算レシート情報の閲覧要求があると、消費者端末12において商品コードの取得などの追加要求を行うためのイベント発生部を上記電子精算レシート情報に付加する処理を行う。上記イベント発生部を付加する手段としては、一例を挙げると、JAVASCRIPT(登録商標)やPHP(ピー・エイチ・ピー ハイパーテキスト プリプロセッサ)などで記述したプログラムの保存先を示すパスを含む、操作信号を発生する情報(イベント発生部)をHTML(HyperText Markup Language)などの構造化文書に埋め込むことにより行う。また、イベント発生部が操作されたときに電子精算レシート情報の商品名称データが検索キーとして電子レシート管理サーバ10で取得できるように当該構造化文書に設定する。
【0048】
商品コード出力プログラム114Aは、消費者端末12で閲覧されている電子精算レシート情報において、その電子精算レシート情報に付加されたイベント発生部が操作によりイベントを発生することで起動するプログラムのことである。この商品コード出力プログラム114Aは、一例としては、上記パスで示される場所に保存されたPHPやJAVASCRIPTなどのサーバサイドのプログラムとして構成される。
【0049】
本実施形態では、イベント発生部が操作されると、このイベントに対応する商品コード出力プログラム114Aが起動する。商品コード出力プログラム114Aは、管理プログラム110Aと協働し、イベント発生元の電子精算レシート情報が含む商品名称データを用いて商品コードデータの保存場所を示すパスとファイル名をデータベースDB1から抽出する。そして、当該商品コードデータ(つまりバーコード画像)を消費者端末12の表示画面に表示するための表示用データを生成する。表示用データを生成する処理は、具体的には、データベースDB1から抽出したパスとファイル名を応答用のHTML文書中に画像を示すタグに設定することにより行う。消費者端末12には、HTTP通信を通じて、応答用のHTML画面を出力し、そのHTML画面中に、パスとファイル名で指定されたバーコード画像を出力する。
【0050】
通信I/F12Aは、通信ネットワークN1、N2に接続するためのネットワークインタフェースである。本実施形態では、送受信用プログラム115Aの実行により、通信ネットワークN1に接続してPOS端末11と通信を行う。また、通信ネットワークN2に接続して消費者端末12と通信を行う。
【0051】
図4は、POS端末11の構成図である。
POS端末11は、主に、制御部10B、記憶部11B、通信I/F12B、バーコード読取部13B、客用バーコード読取部14B、入力部15B、表示部16B、印字部17B、及びリーダライタ部18Bを備えている。各部はバス19Bにより相互接続されている。
【0052】
制御部10Bは、各種演算やPOS端末11の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部10Bは、CPU、各種のプログラムやデータを記憶するROM、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成される。
【0053】
入力部15Bは、キャッシャによる例えば入力キーを押下するなどの物理的行為を、電気信号に変換し、CPUに電気信号として入力する装置である。例えば、キャッシャが入力キーを押下すると、その入力キーに割り当てられた操作内容をコマンドやデータなどの電気信号としてCPUに入力する。入力キーとしては、一商品が対応付けられた商品キーや、商品コードを入力するための数字キーや、コマンドが割り当てられた命令キーなどがある。命令キーには、例えば締めキーや返品キーや訂正キーやレジマイナスキーなどがある。
【0054】
バーコード読取部13Bは、赤外線の照射によりバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを所定のコードに復号する装置である。ここでは、読み取りの対象を、商品タグに付されたバーコードとし、読み取りを終えると商品コードに復号するものとする。
【0055】
客用バーコード読取部14Bは、商品コードデータを読み取るための読取手段の一つである。
客用バーコード読取部14Bは、消費者端末12の表示画面に表示されたバーコード画像を読み取り、所定のコードに復号する装置である。ここでは、バーコード画像として、会員IDのバーコード画像と、商品コードのバーコード画像を読み取り、それぞれ、英数字や記号などからなる会員IDや、JANコードなどの商品コードに復号する。
【0056】
表示部16Bは、液晶ディスプレイなどの表示画面を備え、表示用データを表示画面に表示する表示装置である。表示画面には、キャッシャが入力キーを用いて入力した或いはバーコード読取部13Bで読み取った商品の価格などの商品情報を逐次表示する。また、合計価格や釣銭などの会計情報を表示する。
リーダライタ部18Bは、電子マネー決済やICカード決済を行うカードからカード情報の読み取り/書込みを行う装置である。
【0057】
印字部17Bは、印字装置を駆動して印字データをレシート用紙に印字するコントローラである。印字部は、一取引の内容や返品等を示す各種の印字データをCPUから受信すると、印字装置を駆動してレシート用紙に印字データが示す内容を印字する。印字装置は、駆動により、ロール状のレシート用紙に端部から順次、印字データの内容をインクの吹き付けや熱転写などの所定の印字手法で印字する。
【0058】
記憶部11Bは、内蔵メモリや着脱式の外部記憶装置(例えばFlashメモリやHDDなど)である。
【0059】
記憶部11Bには、店舗コード、レジNoなどの設置位置に関する情報の記憶領域111B、商品マスタデータなどの商品取引に係る商品情報の記憶領域112B、表示画面の記憶領域113Bなどが設けられている。各記憶領域111B、112B、113Bには、店舗設置時などにおいて所定の情報が適宜設定される。記憶部11Bには、更に、商品取引処理プログラム114B、決済処理プログラム115B、例外処理プログラム116B、レシート処理プログラム117B、送受信用プログラム118Bなどが記憶されている。
【0060】
商品取引処理プログラム114Bは、商品取引処理を行うためのプログラムである。
決済処理プログラム115Bは、決済処理を行うためのプログラムである。
例外処理プログラム116Bは、通常の商品取引処理の例外処理を行うためのプログラムである。例外処理は、具体的には、返品処理や、レジマイナス処理や、訂正処理などである。
【0061】
レシート処理プログラム117Bは、一取引の終了後或いは例外処理の後に発行する紙レシートの印字処理、会員については電子レシート情報の生成処理を行うためのプログラムである。
返品時にこのプログラムが実行された場合は、POS端末11は電子返品レシート生成手段として機能することになる。電子返品レシート生成手段は、読取手段で読み取った商品コードデータに基づいて、返品のあった商品の電子返品レシート情報を生成する手段である。
【0062】
送受信用プログラム118Bは電子レシート管理サーバ10との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムを含む。また、決済センタと通信を行うためのプログラムを含む。
【0063】
通信I/F12Bは、通信ネットワークに接続するネットワークインタフェースである。本実施形態では、通信ネットワークN1に接続して電子レシート管理サーバ10に電子レシート情報を送信する。通常取引時は電子精算レシート情報を送信する。また、返品処理時は、上記電子返品レシート生成手段により生成された電子返品レシート情報を電子レシート管理サーバ10へ送信する。電子レシート管理サーバ10において電子レシート情報が受け付けられなかった場合はリトライを行う。また、不図示の決済センタと通信を行い、決済処理を完了する。
【0064】
図5は、消費者端末12の構成図である。
消費者端末12は、主に、制御部10C、記憶部11C、通信I/F12C、操作部13C、及び表示部14Cを備えている。各部はバス15Cにより相互接続されている。
【0065】
制御部10Cは、各種演算や消費者端末12の各部を統括的に制御し、演算処理やデータの入出力制御などを行うコンピュータである。制御部10Cは、CPU、各種のプログラムやデータを記憶するROM、各種のプログラムを展開したりデータを書き換え自在に記憶したりするワークメモリとしてのRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成される。
【0066】
操作部13Cは、本実施形態では、タッチ入力式の表示画面上でタップや、フリックや、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)などの操作を所定の入力信号に変換して制御部10Cに入力する入力装置である。例えば、表示画面上に表示された、商品コードデータを取得するためのリンク文字やリンク画像をタップする。すると、制御部10Cに割り込み信号を入力し、タップされた座標位置のオブジェクトなどに割り当てたイベント処理の実行を指示する。
【0067】
表示部14Cは、制御部10Cで生成した表示用データ又は電子レシート管理サーバ10から取得した表示用データなどを表示画面に表示させる表示装置である。表示画面としては、液晶画面などを備える。
【0068】
通信I/F12Cは、通信ネットワークN2に接続し、携帯電話網などを通じてインターネットにアクセスするための通信インタフェースである。
【0069】
記憶部11Cは、内蔵メモリや着脱式の外部記憶装置(例えばFlashメモリ)などである。
記憶部11Cには、会員IDの記憶領域111C、表示用データの記憶領域112C、電子レシート用のアプリケーション113C、送受信用プログラム114Cなどが記憶されている。
【0070】
会員IDの記憶領域111Cには、会員登録により取得した、英数字や記号の組み合わせよりなる会員ID、或いはその会員IDを変換して生成したバーコード画像が記憶される。
【0071】
表示用データの記憶領域112Cは、表示画面に表示させる表示用データを記憶する領域である。ここには、自機で生成した表示用データや電子レシート管理サーバ10から取得した表示用データ(例えば商品コードデータのバーコード画像など)を記憶する。
【0072】
電子レシート用のアプリケーション113Cには、所望の電子精算レシート情報を選択指定する選択プログラムや、電子精算レシート情報のビューアなどが含まれる。
【0073】
選択プログラムは、複数ある電子精算レシート情報の中から、条件を指定して所望の電子精算レシート情報を選択して電子レシート管理サーバ10に要求するプログラムである。例えば取引日や取引店舗などから電子精算レシート情報の絞り込みを行い、所望の電子精算レシート情報を選択指定する。
【0074】
ビューアは、電子レシート管理サーバ10で抽出され、所定の表示形式に変換された電子精算レシート情報を表示するWebブラウザである。本実施形態では、イベント発生部が付加された電子精算レシート情報を表示する。また、商品コードデータとしてバーコード画像を表示する。
【0075】
ビューアは、電子レシート管理サーバ10から取得したHTML文書を構文解析するなどして、消費者端末12の表示画面に所定のレイアウトでイベント発生部付の電子レシート情報やバーコード画像を表示する。
【0076】
なお、イベント発生部に対するユーザ操作を視覚的に確認するために、例えばビューアにプラグインを組み込むなどして、ユーザ操作のあったことをアニメーションで表現するなどの変形を施しても良い。また、消費者端末12においてのユーザ操作を視覚的に確認できるアニメーション効果をCSS(Cascading Style Sheets)などの設定により、実現しても良い。
【0077】
送受信用プログラム114Cは電子レシート管理サーバ10との間で所定のプロトコル(HTTP等)でデータ通信を行うためのプログラムである。この通信において各種の要求情報などを電子レシート管理サーバ10に送信する。また、電子レシート管理サーバ10からの応答情報などを受信する。
【0078】
続いて、各装置の動作について説明する。
図6は、電子レシート管理サーバ10における電子精算レシート情報の出力処理のフロー図である。
本処理は、電子レシート管理サーバ10に記憶されている各種プログラムの読み込みによりCPUが次に示す手順で実行する。
【0079】
先ず、消費者端末12からの電子精算レシート情報の送信要求を受信したか否かを判定する(S31)。ステップS31で消費者端末12からの電子精算レシート情報の送信要求は未受信であると判定すると(No判定)、受信するまで待機する。ステップS31で消費者端末12からの電子精算レシート情報の送信要求を受信したと判定すると(Yes判定)、その送信要求に含まれる、電子精算レシート情報を抽出するための検索キーを抽出する(S32)。検索キーとしては、「会員ID」や、「取引日」や、「利用店舗」などのデータを用いることができる。
【0080】
次に、検索キーを用いて電子精算レシート情報の抽出処理を実行する(S33)。この抽出処理では、例えば抽出命令をSQL(エス・キュー・エル)文などにより生成して、データベースDB1を検索し、その検索結果を返す処理を行う。
データベースDB1にJSON(JavaScript Object Notation)形式の電子精算レシート情報が格納されている場合は、JSON形式の電子精算レシート情報が返されることになる。
【0081】
次に、ステップS33の抽出処理の結果として返された電子精算レシート情報を取得し、RAMなどの記憶領域に展開する(S34)。
次に、電子精算レシート情報を消費者端末12の環境に合わせてフォーマット変換したり、イベント発生部を付加したりするなどの処理を行って表示用データを生成する(S35)。
そして、要求元の消費者端末12に対し、要求に対する応答として上記表示用データの一部又は全てを送信して(S36)、ステップS31の処理に戻る。
【0082】
イベント発生部を付加する処理は、例えば、次のようにして行う。
図7は、イベント発生部を付加する処理のフロー図である。
本処理も、電子レシート管理サーバ10に記憶されている各種プログラムの読み込みによりCPUが次に示す手順で実行する。
先ず、電子レシート管理サーバ10から抽出した電子精算レシート情報(JSONデータなど)をデータの先頭から解析し、全ての商品名称データを抽出する。抽出した商品名称データは、抽出順に番号(1番〜n番)を付与してテーブルなどで管理する(S51)。
【0083】
次に、商品名称データを含む元の電子精算レシート情報(JSONデータなど)をフォーマット変換して画像データ(電子レシート画像)を生成し、所定のディレクトリに保存する(S52)。
次に、消費者端末12に対する応答用のHTML文書において、上記電子レシート画像を背景画像などに設定する(S53)。
【0084】
更に、上記HTML文書において、上記電子レシート画像上に、リンク文字やリンク画像を設定する(S54)。
【0085】
例えば、n番目の商品名称データの近傍にリンク画像としてアイコンを設定する場合、ディレクトリにアイコンを登録し、そのアイコンの表示位置や反応領域として、商品名称データの近傍の座標とアイコンの反応範囲とをタグに設定する。
【0086】
上記タグの設定により、電子レシート画像上のn番目の商品名称データの表示位置近傍(例えば上、下、左、右など)にアイコンが表示され、アイコンの示す領域がリンクの反応領域となる。
【0087】
また、上記タグにおいて、リンク先のパスを設定する。リンク先のパスとしては、商品コードデータの抽出処理を実行するプログラム(JAVASCRIPT、PHPなどのプログラム)の保存場所を示すパスを設定する。
【0088】
更に、リンク先のプログラムに渡すキー情報として、ステップS51において抽出し、番号により管理される商品名称データの内から、n番目の商品名称データを設定する。このパスとキー情報の設定により、ユーザがアイコンを操作した際にリンク先に指定されている処理がキー情報に基づいて実行される。
以上の設定を1番〜n番の商品名称データについて行う。
以上により、イベント操作部の付加処理が行われ、消費者端末の表示形式にフォーマット変換がなされるなどして表示用データが生成される。
なお、以上に示した設定方法は、一例に過ぎない。商品コードデータに対応するリンク文字やリンク画像を設定できれば良いので、適宜変形したり、その他の手法をとったりしても良い。
【0089】
図8は、イベント発生部を付加した電子精算レシート情報の消費者端末12における表示例である。
図8(a)は、イベント発生部としてアイコンを付加した電子精算レシート情報の消費者端末12における表示例である。
図8(a)の電子精算レシート情報70が背景画像として表示されたときの状態を示している。
【0090】
電子精算レシート情報70は、表示情報として「取引日」700、「レシートNo」701、「店舗コード」702、「レジNo」703、「会員ID」704、「商品名称」705、「商品価格」706、「会計情報」707の項目を含んでいる。各項目にはそれぞれに対応する情報が表示される。例えば、「商品名称」705には、取引した2商品(商品A、商品B)が商品名称として表示される。
【0091】
電子精算レシート情報70には、更に、各商品名称データ(商品A、商品B)の表示位置近傍(ここでは「商品名称」705と「商品価格」706の間)に、それぞれの商品コードデータを取得するためのイベント発生部として、商品コードデータの取得を示すアイコンM1、M2が付加されている。商品コードデータの取得を表す方法としては、色やデザインにより直感的に分かるアイコンを使用するものや、「商品コード」などの文字列を含むアイコンを使用するものなど、適宜設定して良い。
【0092】
これらのアイコンM1、M2の一つをタップすると、タップしたアイコンに対応付けられている商品名称データ(商品A又は商品B)についての商品コードデータが電子レシート管理サーバ10から取得される。なお、タップしたことをユーザが視覚的に確認するために、アイコンをアニメーションで変化させるなどの変形は適宜行って良い。
【0093】
図8(b)は、イベント発生部としてリンク文字を付加した電子精算レシート情報の消費者端末12における表示例である。なお、
図8(b)において
図8(a)と共通する箇所には同一の番号を付してある。
【0094】
図8(b)の電子精算レシート情報70においては、各商品名称(商品A、商品B)の表示位置近傍に、それぞれの商品コードを取得するためのイベント発生部として、リンク文字L1、L2が付加されている。リンク文字には一例として文字列「商品コード」を使用している。
【0095】
図9は、電子レシート管理サーバ10における商品コード出力処理のフロー図である。
本処理は、電子レシート管理サーバ10に記憶される各種プログラムがCPUで実行されることにより次に示す手順で行われる。
【0096】
先ず、消費者端末12からの商品コードの送信要求を受信したか否かを判定する(S81)。この送信要求は、消費者端末12の表示画面において、ユーザがイベント発生部であるアイコンの一つをタップすることにより、キー情報としての商品名称データを含めて電子レシート管理サーバ10に送信されるものである。
【0097】
ステップS81で消費者端末12からの商品コードの送信要求を受信したと判定すると(Yes判定)、キー情報としての商品名称データを取得する(S82)。
【0098】
次に、商品名称データを検索キーとする抽出処理を実行する(S83)。この抽出処理では、商品名称データを検索キーとする抽出命令を例えばSQL文などにより生成して、データベースDB1を検索し、その検索結果を返すなどの処理を行う。本実施形態ではデータベースDB1の商品コードテーブルTb1において、一つの商品名称データに対して一つのバーコード画像のパスとファイル名を対応付けている。従って、この場合、該当するバーコード画像のパスとファイル名が返されることとなる。
【0099】
次に、ステップS83の抽出処理の結果として返されたバーコード画像のパスとファイル名を応答用のHTML文書に設定することにより商品コードの表示用データを生成する(S84)。応答用のHTML文書は、例えば、バーコード画像と戻るボタンにより構成される構造化文書である。バーコード画像の表示サイズは、消費者端末の表示画面に表示させたときにバーコードスキャナにより読み取りができる表示サイズとする。バーコード画像を示すタグにパスとファイル名を設定することにより表示用データを生成する。
【0100】
ステップS84の処理後は、生成した表示用データを要求元の消費者端末12へ送信し(S85)、本処理を終了する。
【0101】
図10は、
図9の処理で生成した表示用データを消費者端末12で表示させたときの画面構成図である。
【0102】
画面80は、
図8に示す電子精算レシート情報70上でアイコンM1(又はアイコンM2)が選択されたときに遷移する画面である。画面80のバーコード画像は、アイコンM1(又はアイコンM2)に対応する商品A(又は商品B)の商品コードのバーコード画像である。バーコード画像800は、POS端末11の客用バーコードスキャナでの読み取りが行えるように、所定の大きさ、所定の解像度、白黒2値で表示されるものとする。
【0103】
また、画面80には、戻るボタン801を構成されている。戻るボタン801は、押下により、電子精算レシート情報70の画面に戻るように設定されている。
【0104】
図11は、POS端末11においての返品処理のフロー図である。
本処理は、POS端末11に記憶されている各種プログラムの読み込みによりCPUが次に示す手順で実行する。
【0105】
先ず、客用バーコード読取装置の操作があったか否かを判定する(S91)。この判定は、例えば、客用バーコード読取装置のスキャナ部を所定のセット位置から取り出す、スキャナ部の機械操作部のトリガを引く、或いはキャッシャがスキャナ部の電源をONにするなどの物理的な行為を検出することにより行う。従って、物理的な行為があった場合にYes判定となる。
【0106】
ステップS91の判定処理がYes判定の場合、消費者端末12の表示画面に表示させた商品コードのバーコード画像を客用バーコード読取装置で読み取る(S92)。
【0107】
次に、読み取ったバーコード画像を予め決められた所定の復号手順で英数字からなる商品コードに復号化し、記憶部に記憶する(S93)。
【0108】
次に、返品キーの入力があったか否かを判定する(S94)。本処理では、この判定の前に返品キーの入力があった場合に一旦その状態をフラグで保持する。ステップS94では、そのフラグの状態を見て判定を行う。
【0109】
ステップS94において返品キーの入力があったと判定(Yes判定)されると、続いて商品コードの入力があったか否かを判定する(S95)。
【0110】
この判定では、客用バーコード読取装置や、その他のバーコード読取装置や入力キーなどからの入力により記憶部に商品コードが記憶されているか否かを判定する。ステップS93の処理を行っている場合は、客用バーコード読取装置からの入力により商品コードが記憶されるので、Yes判定となる。ステップS95の判定でYes判定の場合、その商品コードなどの返品情報を含めて電子返品レシート情報を生成し、送信メモリにセットする(S96)。この際に、当該電子返品レシート情報の処理モードとして返品処理を示す取引モード「1」を付与する。送信メモリにセットした電子返品レシート情報は、電子レシート管理サーバ10に向けて順次送信されるものとする。
【0111】
電子返品レシート情報の生成後は、記憶部から商品コードデータを削除して、ステップS91の判定処理に戻る。
【0112】
一方、ステップS94において、返品キーの入力がないと判定(No判定)された場合は、ステップS91の判定処理に戻る。2品目の返品処理はこのサイクルにて行う。2品目からの返品処理も、同様にして、消費者端末12の表示画面から返品対象の商品の商品コードを示すバーコード画像を読み取り、その商品コードデータを記憶部に記憶するなどの処理を行う。そして、ステップS94で返品キーの入力があると判定されると、複数商品の商品コードを含む電子返品レシート情報を生成する。
【0113】
なお、ステップS91の判定処理でNo判定の場合は、ステップS94の処理に移行する。
【0114】
また、ステップS95の判定処理でNo判定の場合は、ステップS91の処理に移行する。
【0115】
本実施形態では、消費者端末においてのイベント発生部の操作に基づき、サーバサイドで商品コードデータの取得処理を実行する構成を示した。しかし、サーバサイドでは商品コードデータの抽出処理のみを行わせ、それ以外の画面生成処理をクライアント側の処理として実行するように変形を行っても良い。また、この他にもサーバとクライアントで処理が分担されるように適宜変形して良い。
【0116】
本実施形態では、電子精算レシート情報上において例として一商品ごとにアイコン等のイベント発生部を対応付けたが、この態様に限定されるものではない。例えば、一つの電子精算レシート情報に一つのイベント発生部を設けて、イベント発生部の操作により、その電子精算レシート情報が含む全ての商品の商品コードを取得するようにしても良い。
【0117】
本実施形態では、イベント発生部としてリンク画像やリンク文字を使用したがこの限りではない。その他にも、例えばボタンなど、商品コードの取得処理のトリガとなるものやその処理の一部又は全てを実行するものをイベント発生部として使用して良い。
【0118】
本実施形態では、電子レシート管理サーバが商品コードデータとしてバーコード情報を記憶部に記憶し、消費者端末が上記バーコード情報を取得する構成のものを示したが、この限りではない。電子レシート管理サーバが商品コードデータとして商品コードそのもの(JANコードなどの英数字を示すデータ列)を記憶し、消費者端末がその商品コードを取得し、消費者端末側でバーコード情報に符号化する構成に変形しても良い。
【0119】
また、例えば電子レシート管理サーバがJANコードなどの英数字を示すデータ列からなる商品コードデータを記憶し、消費者端末がその商品コードデータを取得して表示画面に商品コードデータをその態様のまま表示させても良い。この場合、POS端末では、キャッシャが表示内容を確認し、入力キーで商品コードの入力を行うことができる。
また、当該商品コードデータを消費者端末の記憶部に記憶させ、POS端末において近距離無線通信などを介して商品コードデータを読み取るようにしても良い。
【0120】
本実施形態では、電子レシート管理サーバで管理される電子精算レシート情報や商品コードデータなどの情報を消費者端末のWebブラウザでHTMLなどの構造化文書で取得し、それに基づく情報を消費者端末の表示画面に表示させる態様のものについて示したがこの限りではない。消費者端末において電子精算レシート情報の専用ビューアをインストールし、電子レシート管理サーバから消費者端末に向け、専用ビューアでのみ表示できる固有フォーマットの電子精算レシート情報や商品コードデータを含む画面情報を送信する構成に変形しても良い。
【0121】
本実施形態では、商品名称から商品コードを取得するための各手段(商品コードファイルや、付加手段や、電子レシート情報出力手段や、商品コード出力手段など)を電子レシート管理サーバに設けた場合について説明した。しかし、この態様に限るものではない。例えば、POS端末から電子レシート管理サーバまでの通信経路において、電子レシート情報を中継する中継装置に商品コードファイルと付加手段を設け、電子精算レシート情報にイベント発生部を付加した情報を電子レシート管理サーバへ送信するように構成しても良い。また、商品コード出力手段を中継装置に設け、消費者端末から中継装置にアクセスして商品コードの取得処理を実行させても良い。
【0122】
中継装置としては、店舗内に設けた複数のPOS端末を統括して管理する店舗サーバや、複数の店舗サーバを統括して管理する企業本部サーバなどへの適用が可能である。
【0123】
本実施形態では、消費者端末で閲覧する電子精算レシート情報から付帯情報の一つとして商品コードデータを取得し、その情報を消費者端末の画面に表示することを可能にする構成を述べた。しかし、この構成は、その他の付帯情報を消費者端末で取得して表示することにも応用できる。その他の付帯情報の例としては、商品のトレーサビリティ情報やアレルギー情報などがある。
【0124】
この場合、「商品コードデータ」を「トレーサビリティ情報」(又は「アレルギー情報」)に読み替えることにより実施できる。電子レシート管理サーバには、商品名称データと対応付けて「トレーサビリティ情報」(又は「アレルギー情報」)をファイルに収録する。また、消費者端末の表示させるイベント発生部としてのリンク画像やリンク文字は、「トレーサビリティ情報」(又は「アレルギー情報」)のリンクであることが分かるような表示に変更する。画像であれば、「トレーサビリティ情報」(又は「アレルギー情報」)と分かるイラストや文字画像などを含める。文字であれば、「トレーサビリティ情報」(又は「アレルギー情報」)の文字列を含める。また、これに限らず、この仕組みを利用して、消費者に更に他の商品情報を付帯情報として提供する変形を行って良い。
【0125】
また、商品情報以外にも、指定のWebサイトへ消費者を招待するものにも応用できる。この場合、電子レシート管理サーバには、商品名称データと対応付けてWebサイトの招待情報(付帯情報)をファイルに収録する。招待情報は、消費者端末に対する応答画面としてのHTML文書とし、この文書内に招待先のURI(Uniform Resource Identifier)をリンク情報として含める。消費者端末からイベント発生部が操作されると、対応する招待情報が抽出され、その招待情報が応答画面として消費者端末に表示される。消費者は、興味があれば、招待情報に含まれるリンクを指定することで、指定先のWebサイトを閲覧することができる。
【0126】
本実施形態の各種装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、各種装置などのフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
【0127】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0128】
以上のように本実施形態のサーバ装置は、商品取引の内容を電子化した電子レシート情報を記憶する第一の記憶手段と、商品名称データと該商品名称データの付帯情報とを対応付けて記憶する第二の記憶手段と、電子レシート情報が含む商品名称データに対応する付帯情報を取得するための操作子を上記第一の記憶手段に記憶される電子レシート情報に付加する付加手段と、操作子が付加された電子レシート情報をユーザ端末に出力する電子レシート情報出力手段と、ユーザ端末を介して上記操作子の操作を受け付けると、上記電子レシート情報が含む商品名称データに対応する付帯情報を上記第二の記憶手段から抽出して上記ユーザ端末に出力する付帯情報出力手段と、を有する。
【0129】
また、本実施形態の情報処理装置の一つであるPOS端末は、返品対象の商品の商品コードデータをユーザ端末から読み取る読取手段と、上記商品の返品情報を電子化した電子返品レシート情報を上記読取手段で読み取った商品コードデータに基づいて生成する電子返品レシート生成手段と、上記電子返品レシート生成手段により生成された上記電子返品レシート情報を、上記返品対象の商品の元取引の内容を電子化した電子精算レシート情報を管理するサーバ装置へ送信する送信手段と、を有する。
【0130】
これにより、消費者が閲覧する電子レシート情報を利用して商品名称の付帯情報を簡単に取得することができるようになる。従って、例えば商品を返品する際に、その商品の商品コードが分からない場合であっても、電子レシート情報上の操作子から付帯情報の一つとして商品コードを取得することにより、該当する商品コードを消費者端末に直ぐに表示させることができるようになる。更に、表示画面に商品コードとしてバーコード画像を表示させることにより、POS端末は客用バーコード読取装置での読み取りが可能になるので、スムーズに返品処理を行うことが可能になる。
【0131】
以上の実施形態において、サーバ装置、情報処理装置、およびプログラムについていくつかの構成を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。