【実施例】
【0014】
図1及び
図2を用いて本発明の一実施例に係る回転電機について説明する。
図1に示すように、本実施例に係る回転電機は、ケーシング1内にベアリング2を介して回転自在に支持されるシャフト(回転軸)3と、シャフト3の外周部に固定されたローター(回転子)4と、ローター4の外周部にエアギャップを介して対向配置され、ケーシング1の内面に固定されたステーター(固定子)5とを備えて構成された密閉型の発電機である。
【0015】
ローター4は、ロータコア(回転子鉄心)6と、このロータコア6に巻着されたロータコイル(回転子コイル)7とを備えている。また、ステーター5は、ステータコア(固定子鉄心)8と、このステータコア8に巻着されたステータコイル(固定子コイル)9とを備えている。以下、このステータコイル9のステータコア8内にある部分をコイルサイド(固定子コイルサイド)9
in、ステータコア8から軸方向両側に突出している部分をコイルエンド(固定子コイルエンド)9
outと称する。
【0016】
また、本実施例の回転電機には、ステーター5の上方に、ケーシング1及びステーター5とは離間して設けられた冷却器としての熱交換器10と、シャフト3の軸方向両側に取り付けられた遠心ファン11とが設けられている。
【0017】
遠心ファン11は、コイルエンド9
outの径方向内側に設置され、コイルエンド9
outに対して径方向内側から径方向外側へ向かって送風を行う。また、熱交換器10は、遠心ファン11によって循環させられることによって熱交換器10を上から下へ通過する空気(冷却風)を、熱交換により冷却する。
さらに、本実施例に係る回転電機は、熱交換器10を通った冷却風が、ステータコア8の表面へ誘導されるように設けられたガイド板12を備えている。具体的には、ガイド板12は、熱交換器10からステータコア8の表面までの間の空間と、コイルエンド9
out側の空間とを隔てるように配設されている。
【0018】
このように構成されることにより、本実施例においては、遠心ファン11によって循環される冷却風が、以下の流れで発電機の冷却を行う。すなわち、
(1)熱交換器10を通って冷却されたあと、ガイド板12によってコイルエンド9
out側への移動を規制され、ステータコア8及びコイルサイド9
inを径方向外側から内側へと流れて、当該ステータコア8及びコイルサイド9
inを冷却する。
(2)続いて、ローター4部分を軸方向外側へ向かって流れ、ローター4を冷却する。
(3)続いて、
図2に示すようにコイルエンド9
out部分を径方向内側から径方向外側へ向かって流れ、当該コイルエンド9
outを冷却する。
(4)上述した(1)に戻る。
なお、
図1,2中、12aはガイド板12のシャフト1側の端縁、12bはガイド板12の上端縁を示す。
【0019】
このように、本実施例に係る回転電機によれば、ガイド板12を設け、遠心ファン11によって循環されて熱交換器10を通った冷却風の全てがステータコア8の表面へ導かれ、ステータコア8及びコイルサイド9
in、ローター4を順に冷却した冷却風の全てが、コイルエンド9
outを径方向内側から外側へ通過してコイルエンド9
outを冷却するようにしたので、従来のように冷却風を分流させる必要がなくなり、冷却風を分流させる場合に生じる風量バランスの調整等の煩雑な作業が不要となる。
【0020】
また、全体の風量を従来より少なくしても、ステータコア8及びコイルサイド9
in、ローター4、コイルエンド9
outそれぞれを冷却する風量を従来よりも増加させることができるため、従来よりも低コストで、且つステータコア8及びコイルサイド9
in、ローター4、コイルエンド9
outそれぞれに対する冷却効果を向上させることができる。つまり、熱交換器10から出てすぐの風がステータコア8及びコイルサイド9
inへ当たるため、ステータコア8及びコイルサイド9
inに対する冷却効果は増大する。また、コイルエンド9
outには熱交換されたやや温まった風が流れるが、遠心ファン11で直接風を当てて冷却するため、従来と比較して冷却性能は向上する。
【0021】
なお、本発明に係る回転電機は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、
図1に示す遠心ファン11に代えて、遠心ファンの羽根をコイルエンド9
outの径方向外側に配設し、ステータコア8及びコイルサイド9
in、ローター4を順に冷却した冷却風がコイルエンド9を径方向内側から径方向外側へと通過するようにする、または、シャフト3の軸方向両側に軸流ファンを設けるとともに、この軸流ファンによって送り出される冷却風がコイルエンド9
outを径方向内側から径方向外側へと通過するように、冷却風を誘導するガイドを設けて、冷却風がステータコア8及びコイルサイド9
in、ローター4を順に冷却した後、コイルエンド9
outの冷却を行うようにする等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。