(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のオーダリングシステムにおいては、上述のように、入力部から店員の手作業による入力動作、即ち注文された料理(メニュー情報)とページャ端末(報知手段)とを紐付ける手作業が必要であるため、紐付けミスや紐付け漏れが発生してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、注文されたメニュー情報(取引情報)と可搬媒体(媒体情報)との紐付けに、紐付けミスや紐付け漏れが発生しないオーダリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるオーダリングシステムは、
飲食店の店舗に設置された装置と、固有の媒体情報を備え、客が持ち運び可能
であり、前記装置と通信可能な複数の可搬媒体と、前記可搬媒体の状態変化を検出する検出手段と、を備え
たオーダリングシステムであって、
前記装置は、客が注文するメニュー情報から取引情報を生成する生成手段と、前記取引情報と前記媒体情報とを紐付ける紐付け手段と、を備え、前記紐付け手段は、
前記可搬媒体の物理的な動きを前記検出手段が当該可搬媒体の状態変化
として検出する
と、
当該可搬媒体の前記媒体情報と前記取引情報との前記紐付け処理を行
い、前記可搬媒体は、前記装置から送信された当該取引の進捗情報に基づく報知を行うことを特徴としている。
取引情報は、メニューの注文に関する取引の情報であり、客が注文したメニュー情報や、このメニュー情報に基づく会計情報等が含まれる。またこれらの情報を登録した際の取引番号やレシート番号等も含まれる。
可搬媒体は、固有の媒体情報を備え、且つ客が持ち運び可能な媒体であり、例えば、ページャ端末と呼ばれる呼び出し装置がこれに該当し、さらに利用者が携帯するスマートフォン等であっても良い。また媒体情報は、可搬媒体を識別する各可搬媒体固有の情報であり、例えば、各ページャ端末の装置番号がこれに該当する。
可搬媒体の状態変化の検出は、可搬媒体自体の状態変化(例えばスイッチのオンオフ、長押し、振動等)、もしくは可搬媒体の回りの環境の状態変化(例えば可搬媒体の設置位置の移動等)を検出することである。なお、検出手段は、必ずしも可搬媒体に設置されている必要はなく、可搬媒体とは別の位置(部材)に設置されていても良い。
本発明によれば、紐付け手段によって、可搬媒体と取引情報とを自動的に紐付けるので、注文されたメニュー情報と可搬媒体とを紐付ける作業が不要となり、紐付けミスや紐付け漏れを防ぐことができる。また紐付け作業を必要としないため、会計操作等の作業時間の短縮を図ることができる。
【0008】
また本発明は、前記紐付け処理が実行されると、前記取引情報と前記媒体情報とを同じ媒体に出力する出力手段を備えることを特徴としている。
ここで同じ媒体とは、例えば、表示画面や、レシート等である。
【0010】
また本発明は、前記可搬媒体は、識別情報を読み取り可能な読取手段を備え、前記紐付け手段は、前記識別情報に基づいて前記生成手段
を備えた前記装置を特定し、当該識別情報と前記取引情報とを紐付けることを特徴としている。
生成手段
を備えた装置が複数設置されているような場合、生成手段
を備えた装置を識別する識別情報を可搬媒体の読取手段が読み取ることで、生成手段
を備えた装置を特定し、これによって、識別情報と取引情報とを紐付けることが可能になる。
【0011】
また本発明は、前記紐付け手段が、前記取引情報のうち紐付け処理がされておらず、かつ生成された順に前記媒体情報に紐付けることを特徴としている。
このように、生成された順番が古い取引情報を順次媒体情報に紐付けする構成としておけば、状態が変化した可搬媒体には必ず最も古い取引情報が紐付けされこととなる。これによって、取引情報と媒体情報との紐付けを、各取引情報を生成する毎に行わず、複数の取引情報を生成した後にまとめて行っても、紐付けミスを生じることがなくなり、より効率的な注文処理を行うことができるようになる。例えば、取引情報が3件生成されている状態において、可搬媒体を1台ずつ状態変化させていけば、生成されている3件を順に紐付けることができ、各客に各可搬媒体を間違いなく手渡すことが可能となる。
【0012】
また本発明は、前記可搬媒体を待機させる待機部を備え、前記紐付け手段は、前記可搬媒体が前記待機部から取り出されたことを前記検出手段により検出すると、前記紐付け処理を実行することを特徴としている。
待機部としては、例えば可搬媒体を充電しながら保持する装置(例えばページャ端末に対するクレードル)等がこれに該当する。
また本発明は、前記紐付け手段は、前記可搬媒体が前記待機部に装着されたことを前記検出手段により検出すると、当該可搬媒体の前記媒体情報と前記取引情報との紐付けをリセットすることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記識別情報が、テーブル情報もしくはメニュー情報であることを特徴としている。
テーブル番号やメニュー情報を入力できるので、これらと取引情報とを紐付けることができる。これら入力の際に、報知手段による報知を行っても良い。
【0014】
また本発明に係るオーダリングシステム用プログラムは、
飲食店の店舗に設置された装置と、固有の媒体情報を備え、客が持ち運び可能であり、前記装置と通信可能な複数の可搬媒体と、前記可搬媒体の状態変化を検出する検出手段と、を備えたオーダリングシステムとしてのコンピュータを、客が注文するメニュー情報から取引情報を生成する生成手段と、前記取引情報と前記媒体情報とを紐付ける紐付け手段と、として機能させ、前記紐付け手段は、前記可搬媒体の物理的な動きを前記検出手段が当該可搬媒体の状態変化として検出すると、当該可搬媒体の前記媒体情報と前記取引情報との前記紐付け処理を行い、前記可搬媒体は、前記装置から送信された当該取引の進捗情報に基づく報知を行うように機能させるためのオーダリングシステム用プログラムにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、注文されたメニュー情報と可搬媒体(その媒体情報)とを紐付ける作業を必要としないため、紐付けミスや紐付け漏れを防ぐことができる。また紐付け作業を必要としないため、会計操作等の作業時間の短縮も図れる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるオーダリングシステム1の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、オーダリングシステム1は、前会計によるシステムであり、例えば飲食店に設置され、オーダコントローラ(管理装置)10と、POS端末(会計端末)30と、無線手段50と、厨房端末(以下この例では「キッチンモニタ」という)70と、無線手段50と通信可能な複数台の可搬媒体(以下この例では「ページャ端末」という)100と、POS端末30に接続される待機部(以下この例では「クレードル」という)150とを、直接又は間接にLAN90に接続して構成されている。
【0018】
オーダコントローラ10は、POS端末30(さらにはページャ端末100)において客から注文されるメニュー品目(メニュー情報)を注文管理テーブルとして商品毎に管理すると共に、注文の内容を調理作業者(厨房)に伝えるためキッチンモニタ70に注文データを送信する装置(例えばサーバ)である。オーダコントローラ10は例えば店舗の事務室等(バックヤード等)に設置される。オーダコントローラ10はネットワーク通信機能を有し、店舗内に敷設されたLAN90を介して、POS端末30、無線手段50、キッチンモニタ70等と通信可能に接続されている。またオーダコントローラ10は、インターネット等の外部ネットワーク180とも通信可能である。例えば、飲食店チェーンの本社に設置された図示しないデータ管理サーバが、外部ネットワーク180を介して各店舗のオーダコントローラ10から売上情報を収集して管理するようにしても良い。
【0019】
POS端末30は、客の代金精算において利用される端末装置である。
図2はPOS端末30の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、POS端末30は、このPOS端末30の動作を制御するCPU31と、客の買上情報等を記憶するハードディスク33と、CPU31が実行するプログラム(オーダリングシステム用プログラム)を記憶するROM35と、種々の情報を記憶するRAM37と、商品の名称や価格などを表示する表示部39と、レシート印字部41と、現金や金券等を保管するドロワ部43と、LAN90や無線手段50等を経由して外部機器と通信する通信部45と、POS端末30を動作させる各種の操作ボタン等からなる操作部47とを備えている。各構成要素は互いにバス49を介して接続されている。RAM37にはオーダコントローラ10より取得した下記する商品ファイル200等が記憶されている。POS端末30は、客の注文を受け付けて予め会計を済ます前精算(前会計)に用いられると同時に、例えばページャ端末100でテーブルにいる客から注文を受け付けた商品が飲食された後に会計を行う後精算(後会計)にも用いられる。代金精算を行うために必要となる、支払金額やレシートへの記載事項(飲食等した商品の名称やその数量、日付等)等の会計情報は、表示部39に表示したり、レシート印字部41によってレシートとして印刷出力したりする。
【0020】
なお、上記オーダコントローラ10やPOS端末30は、下記する紐付けられたページャ端末100、紐付け待ちのページャ端末100、クレードル150に差し込まれているページャ端末100を識別できるように構成されている。
【0021】
クレードル150は、POS端末30に信号線(例えばUSB〔Universal Serial Bus〕)によって通信可能に接続されている。クレードル150には、複数台のページャ端末100が装着できる複数の装着口が形成されている。
【0022】
キッチンモニタ70は、主に厨房付近に設置され、前記POS端末30や下記するページャ端末100で注文を受けた商品(メニュー品目)に関する情報(メニュー情報)を受信し、この受信情報に基づいて各種情報を表示する。
図3はキッチンモニタ70の構成の一例を示す概略ブロック図である。同図に示すようにキッチンモニタ70は、CPU71と、ROM73と、RAM75と、タッチパネル(表示部兼操作部)77と、通信部79とを、バス81によって相互に接続して構成されている。CPU71は、各種プログラムを実行する。ROM73は、例えば、CPU71において実行される各種プログラムや、タッチパネル77において表示される画像データ(画像フォーマット情報)等を記憶する。RAM75は、例えばオーダコントローラ10から受信したファイル(例えば商品ファイル200や指示ファイル等)や、オーダコントローラ10やPOS端末30等から受信したデータ(例えば調理指示したメニュー品目の情報等)を一時記憶する。タッチパネル77は、注文された商品の調理指示や、完了させた商品の配膳指示等を表示する表示手段であり、同時に調理の完了した商品や配膳の完了した商品等にタッチすることでその完了等を入力する入力手段でもある。通信部79は、他の装置(オーダコントローラ10やPOS端末30等)と送受信を行うものである。なお、
図1では厨房端末としてキッチンモニタ70を1台示したが、キッチンモニタ70は複数台でも良く、またキッチンモニタ70に代えて又はそれと共にキッチンプリンタを設置しても良い。キッチンプリンタの場合は、調理指示商品のキッチンチケットが印刷・発行され、また調理の完了の際は、例えば前記発行されたキッチンチケットに印字されたバーコードがスキャンされる。POS端末30において注文された商品の注文データは、オーダコントローラ10へ送られて処理され、オーダコントローラ10からLAN90を介してキッチンモニタ70へ送信され、そのタッチパネル77に表示され、これを見た調理作業者によって注文された商品(料理)が調理される。
【0023】
ページャ端末100は携帯型(この例ではペン型)で表示部のない端末装置(もちろん表示部があっても良い)であり、読み取り機能付きで報知手段付きの可搬媒体である。
図4はページャ端末100の一構成例を示すブロック図である。同図に示すようにページャ端末100は、CPU101とROM102とRAM103とコードリーダ104と音合成回路105と音量調整回路105aと無線通信部107とUSB I/F108とモーションセンサ111とをバス113で接続し、また音量調整回路105aにスピーカ106を接続し、さらにバッテリ109とLEDインジケータ110とを具備して構成されている。ROM102とRAM103を併せて記憶手段と呼ぶ。また音合成回路105と音量調整回路105aとスピーカ106を合わせて報知手段と呼ぶ。
【0024】
CPU101は、ROM102からプログラムを読み込んで実行することによってページャ端末100の各部を制御する。ROM102は、CPU101が実行するプログラムを格納している記憶手段である。RAM103は、当該ページャ端末100の端末識別情報、下記する商品ファイル200、音データ、コードリーダ104で読み取ったメニュー情報やテーブル情報、音データを出力する際の音量レベルを指示する音量制御情報等を記憶する記憶手段である。コードリーダ(入力手段)104は、ページャ端末100のペン先端部分に設置された赤外線式の読取手段であり、図示しないメニューシートの所定箇所に当てる(或いは所定箇所をなぞる)ことによって、メニューシートに表示されている商品表示部分に印刷されているメニューコード(メニュー情報)やファンクションコード、会計指令コード等の各種コード情報が赤外線により読み取られる。またコードリーダ104は、ページャ端末100のペン先端部分を図示しないテーブルに表示されたテーブル番号部分に当てる(或いはなぞる)ことによって、テーブル番号(テーブル情報)を読み取る。音合成回路105は、RAM103から読み出された音データから音の波形を合成して音量調整回路105aへ出力するデジタル回路である。音量調整回路105aは、音合成回路105からの音をRAM103に設定されている音量制御情報に応じた音量レベルに調整してスピーカ106へ出力するデジタル回路である。音には、音声、機械音、音響等の各種の音が含まれる。そして例えば、前記POS端末30から調理完了通知が入力されたり、コードリーダ104から商品のコード情報が入力されたり等すると、その通知や商品に関する音が音合成回路105によって音合成され、音量調整回路105aによって設定された音量レベルに調整され、スピーカ106から調理完了や注文した商品に関する音声が出力される。
【0025】
無線通信部107は、前記無線手段50との間で、調理完了通知や注文データ等の無線通信を行う通信装置である。USB I/F108は、クレードル150への装着時に装着口奥のUSBコネクタと接続されて、RAM103内のデータを更新やバージョンアップ等するための通信を行う通信インターフェースである。バッテリ109は、ページャ端末100の各部へ電力を供給する充電式の内蔵電池であり、クレードル150への装着時に充電が行われる。バッテリ109の電池残量は、LEDインジケータ110に表示される。モーションセンサ111は、ページャ端末100自体の状態の変化を検出する検出手段である。ページャ端末100自体の状態とは、例えば、ページャ端末100の動きの状態である。モーションセンサ111は、例えば、加速度センサであり、ページャ端末100が持ち上げられたり動かされたりすることによるページャ端末100の動きの変化を検出する。モーションセンサ111がページャ端末100自体の状態の変化を検出することにより、ページャ端末100の操作者による使用の有無を判断することができる。なお、ページャ端末100がクレードル150から抜かれたことの検出(検出手段)は、このモーションセンサ111を利用しても良いし、ページャ端末100の充電が中止されたことを検出したり、USB I/F108とクレードル150のUSBコネクタとの接続が切断されたことを検出したりすることによって行っても良い。
【0026】
図15は、この実施形態に用いるページャ端末100及びクレードル150の一例を示す斜視図である。同図に示すように、ページャ端末100は、ペン型であり、その先端(下端)にコードリーダ104を設置している。またページャ端末100の外周側面には、装置番号117が付されている。各ページャ端末100の装置番号117は異なる番号である。装置番号117は、その番号を付したステッカーを貼り付けてページャ端末100に表示しても良いし、ページャ端末100の外周側面に直接印刷等することで表示しても良い。一方、クレードル150は、複数のページャ端末挿入口151を有し、これらページャ端末挿入口151にページャ端末100の先端側の部分を挿入することによってこれを待機させておく。
【0027】
図5は、商品ファイル200の一例を示す図である。商品ファイル200は、前記オーダコントローラ10に記憶され、POS端末30やキッチンモニタ70やページャ端末100にはそれぞれ、オーダコントローラ10から商品ファイル200がダウンロードされ、更新される。商品ファイル200には、少なくとも、商品を一意に特定する識別番号であるメニューコード情報や、商品名称や、価格などがメニューコード毎(商品毎)に記憶されている。
【0028】
〔可搬モードでの動作手順〕
図6は、POS端末30で前会計を行い且つ客を呼び出す(客が商品を取りに行く)場合の、POS端末30における処理手順の一例を示すフロー図である。同図に示すように、飲食店に客が来店すると、客の注文を受け付け、その料金を前精算する(ステップST1−1)。そして1つの会計処理が終わると、その取引情報を生成する。
図7は取引情報ファイル210の一例を示す図である。取引情報ファイル210は、前記POS端末30及びオーダコントローラ10に記憶され、少なくとも、1回毎の取引に対して付与される取引番号や、レシート番号や、会計金額に関する会計情報や、注文したメニュー品目のメニューコード番号および個数等が記憶されている。
【0029】
次に、POS端末30(またはオーダコントローラ10)からキッチンモニタ70に、前記取引情報に基づくメニュー品目の調理を指示する(ステップST1−2)。キッチンモニタ70は、この調理指示を受信することで、そのタッチパネル77に調理の必要なメニュー品目および個数を表示する。
【0030】
POS端末30で前会計を行った店員(またはその他の店員)は、その近くに置いてあるクレードル150から1本のページャ端末100を抜き取り、前記前会計を済ませた客に手渡す。クレードル150からページャ端末100が抜き取られたことをページャ端末100が検出すると(ステップST1−3)、ページャ端末100からPOS端末30に、抜き取られた旨の信号が送信される。この信号には、抜かれたページャ端末100の装置番号(媒体情報)が含まれる。この信号をPOS端末30が受信すると、抜かれたページャ端末100の装置番号と、前記会計済みのレシート番号とを紐付ける紐付け処理を行い(ステップST1−4)、
図8に示すような、報知手段紐付け情報ファイル230を生成する。このステップST1−3、ステップST1−4の紐付け処理と、これを行うCPU101等を、紐付け手段(報知手段紐付け手段)という。この紐付けが完了した際、ページャ端末100は報知する機能を備えているので、紐付けが正常に行えたか否かを報知することも可能である。例えば、紐付けが正常であった旨を「紐付け完了」という音声で知らせたり、振動やメロディ等の音で知らせたりすることができる。このとき、会計済みのレシートをPOS端末30のレシート印字部41から発行すれば、取引情報中のメニュー品目や会計情報と共に、ページャ端末100の装置番号を同じレシートに出力できる。
【0031】
次に、POS端末30は、前記客に手渡されたページャ端末100の装置番号と、この客に対する会計済みのレシート番号とが紐付けられたことを、ページャ端末100に送信する(ステップST1−5)。ページャ端末100は、この紐付け情報の受信後、無線手段50を介してPOS端末30と一定間隔で交信し、調理完了の受信を待つ。
【0032】
次に、厨房において、注文したすべての商品の調理が完了して、キッチンモニタ70のタッチパネル77に表示されている図示しない調理完了ボタンが押下されると、その調理完了報告がPOS端末30で受信され(ステップST1−6)、前記報知手段紐付け情報ファイル230によって対応するページャ端末100を求め、そのページャ端末100にその調理完了報告信号が送信される(ステップST1−7)。なお、キッチンモニタ70の調理完了ボタンを押下する代わりに、POS端末30を直接操作することで、調理完了をPOS端末30に入力して対応するページャ端末100を求め、そのページャ端末100にその調理完了報告信号を送信するように構成してもよい。調理完了報告信号を受信したページャ端末100では、そのスピーカ106から、例えば「調理が完了しました」の音声や、「ピー」等の音や、メロディ等が発せられ、これによって客に完成した料理を、商品受け渡し場所まで取りに来るように促す。なお、ページャ端末100が返却されるまでの間、一定間隔毎に前記報知を繰り返しても良い。
【0033】
そして客が、ページャ端末100を所持して、商品受け渡し場所(受け取り口)、例えばPOS端末30の設置されている場所に行き、ページャ端末100を店員に返却し、同時に商品を受け取る。返却されたページャ端末100は、店員が元のクレードル150に戻して装着する。ページャ端末100がクレードル150に装着されたことを、ページャ端末100が検出してその装着されたことの信号をPOS端末30が受信すると(ステップST1−8)、POS端末30は、このページャ端末100と前記レシート番号との紐付け(報知手段紐付け情報ファイル230中の紐付け)をリセットする(ステップST1−9)。
【0034】
ところで、上記処理手順では、1回の前会計毎にページャ端末100を1つクレードル150から引き抜く処理手順としているが、その代りに(またはそれと共に)、複数の人の前処理を行った後に、順番にページャ端末100を1つずつクレードル150から引き抜くような処理手順としても良い。その場合、ページャ端末100とレシート番号の紐付けを間違えないようにするため、クレードル150から抜かれたページャ端末100は、生成された複数のレシート番号の内、未だ紐付けられていない最も古いレシート番号に紐付けることとする。このように構成しておけば、引き抜いたページャ端末100を、ページャ端末100を渡していない最も先に前処理した客に手渡すだけで、ページャ端末100とレシート番号の紐付けを間違えることがなくなる。
【0035】
また上記オーダリングシステム1では、クレードル150からページャ端末100を引き抜いたことと再装着したことの検出をページャ端末100で行うこととしているが、その代りにクレードル150で検出しても良い。その場合、クレードル150に前記検出のための検出手段と、検出したことをPOS端末30に送信する通信手段をクレードル150に装着するのが好ましい。即ち、検出手段は、ページャ端末100とは別の部材(位置)に設置されていても良い。
【0036】
また上記例では、ページャ端末100をクレードル150から引き抜くことを、ページャ端末100の状態変化として検出したが、状態変化の検出は上記動作に限られず、例えばページャ端末100に設けたスイッチをオンまたはオフするとか、ボタンを長押しするとか、上述のようにページャ端末100を振動させて前記モーションセンサ111を動作させること等によって行っても良い。
【0037】
また上記した処理手順では、主な処理手順をPOS端末30によって行う構成としているが、POS端末30に代えて、またはPOS端末30と共に、オーダコントローラ10によって処理を行っても良い。
【0038】
また上記例では、取引情報としてレシート番号を用いたが、取引情報はこれに限られず、
図7に示す取引番号等、取引毎の識別ができる情報であれば、他の各種情報を用いても良い。
【0039】
またページャ端末100の代りに、客の所持している携帯端末を報知手段としても良い。例えば、POS端末30において前会計を行った後、例えば携帯端末を振動させることで、ブルートゥース等によって、POS端末30側から情報を携帯端末に送信し、これによってレシート番号等の取引情報を携帯端末と紐付けておき、調理が完成した際に前記携帯端末に調理が完成したことを報知するように構成しても良い。
【0040】
〔お届けモードでの動作手順〕
図9は、POS端末30で前会計を行い且つ店員が商品を届ける場合の、POS端末30における処理手順の一例を示すフロー図である。同図において、ステップST2−1からステップST2−5までは上記ステップST1−1からステップST1−5と同一なので、その説明は省略する。即ち、上記ステップST1−1からステップST1−5と同様に、客の注文を受け付けてその料金を前精算し、キッチンモニタ70にメニュー品目の調理を指示し、クレードル150から1本のページャ端末100を抜き取って前会計を済ませた客に手渡す際に、抜かれたページャ端末100の識別番号と会計済みのレシート番号とを紐付け、紐付けられたことをページャ端末100に送信する。
【0041】
次に、ページャ端末100を受け取った客は、所望のテーブルまで移動して着席し、着席したテーブルに表示されているテーブル番号(又はさらに席番号、以下同様)のバーコードにページャ端末100のコードリーダ104をタッチし、テーブル番号を読み取る(ステップST2−6)。なお上記テーブル番号の読み取り(前記タッチ)が行われるまで、定期的にタッチを促す音声等(例えば「テーブル番号にタッチして下さい」等)を客に報知しても良い。なお、例えばテーブルにペン立てを設置しておき、このペン立てにページャ端末100を差し込むことで自動的にテーブル番号がページャ端末100に読み込まれるように構成しても良い。そして、読み取ったテーブル番号と、前会計したレシート番号とを紐付ける紐付け処理を行い(ステップST2−7)、
図10に示すような、テーブル紐付け情報ファイル250を生成する。このステップST2−6、ステップST2−7の紐付け処理と、これを行うCPU101等を、紐付け手段(テーブル情報紐付け手段)という。この紐付けが完了した際、ページャ端末100は、紐付けが正常に行えたか否かを報知することもできる。例えば、紐付けが正常であった旨を「テーブル番号A1を入力しました」という音声で知らせたり、振動やメロディ等の音で知らせたりすることができる。そして客は前記前会計した商品の提供を待つ。またこのときキッチンモニタ70のタッチパネル77には、レシート番号に紐付くテーブル番号が表示される。キッチンプリンタの場合は、レシート番号に紐付くテーブル番号を印字して発行する。
【0042】
次に、厨房において、キッチンモニタ70のタッチパネル77に表示されている前記レシート番号に紐付くテーブル番号の一覧表から、完成した商品の配膳先が分かるので、注文したすべての商品の調理が完了した際に、店員は客の着席しているテーブルへ商品を配膳し、同時にその客に渡していたページャ端末100を回収する。なお調理完了時に、タッチパネル77上に表示されているレシート番号やテーブル番号にタッチすることで、これに対応する客が携帯するページャ端末100に、例えば「只今、調理が完了しました。間もなくお届けします」のような配膳予告報知を行っても良い。
【0043】
回収されたページャ端末100は、店員がクレードル150に戻して装着する。ページャ端末100がクレードル150に装着されたことを、ページャ端末100が検出してその装着されたことの信号をPOS端末30が受信すると(ステップST2−8)、POS端末30は、このページャ端末100に紐付いているテーブル番号と前記レシート番号との紐付けをリセットする(ステップST2−9)。
【0044】
この例のように、報知手段であるページャ端末100にコードリーダ104、即ち読取手段を併せ持たせることにより、テーブル情報を追加して紐付けることができれば、店舗側で客の所在位置を特定することができるため、店舗側からテーブルへ配膳を行うことが可能になる。さらに、客の所在位置が特定できるので、テーブルに別途置かれたメニュー表から、注文したいメニュー品目があればこのメニュー情報を読み取り、これを追加オーダー(後会計)することも可能になる。メニュー品目の読み取りの際に、その商品名等をページャ端末100から報知してもよい(例えば「カレーを入力しました」等)。追加オーダーによって後会計が必要になった場合は、ページャ端末100を店員が回収せず、客自身がPOS端末30にページャ端末100を持って行ってこれを店員に渡し、改めて精算を行えばよい。
【0045】
図11は、上記
図6又は
図9のステップST1−4,ST2−4において、POS端末30のレシート印字部41から発行したレシート(客用レシート)270の一例を示す図である。同図に示すように、レシート270には、会計情報(生成されたレシート番号275を含む取引情報)と共に、抜き取られたページャ端末100の装置番号271とPOS端末30の番号(レジ番号)273が印字されている。POS端末30の番号(#1)は、特にPOS端末30が複数台設置されているような場合に有益である。即ち、POS端末30が複数台設置されている場合は、POS端末30の番号(レジ番号)を別途このページャ端末100で読み取る。
【0046】
このレシート270が印字されるタイミングは、上記例では、ページャ端末100をクレードル150から抜いたタイミングを用いたが、その他にも、レジ番号を読み取ったタイミングや、レシート270の発行ボタンが押下されたタイミング等でもよい。上記実施形態では、レシート印字は、取引情報とページャ端末100の装置番号とが揃わないと印刷されない制御となっている。さらにレジ番号を印字する場合は、レシート印字は、取引情報とページャ端末100の装置番号とレジ番号の3つが揃わないと印刷されない制御とすればよい。
【0047】
図12は、前記客用のレシート270に続いて発行される店用オーダリスト280の一例を示す図である。これを基に調理指示を行うことができる。若しくは同様の店用オーダリストを厨房端末(キッチンプリンタ)70から自動発行するようにしても良い。
【0048】
図13は、上記
図6又は
図9のステップST1−4,ST2−4において、POS端末30の表示部39に表示される画面G1の一例を示す図である。同図に示すように、画面G1の左側G11には、会計情報(生成されたレシート番号279を含む取引情報)が表示され、また右側G12には各種操作ボタンが表示され、さらに画面G1の中央には、ポップアップで、抜き取られたページャ端末100の装置番号277が表示されている。
【0049】
この画面G1が表示されるタイミングも、上記例では、ページャ端末100をクレードル150から抜いたタイミングを用いたが、その他にも、レジ番号を読み取ったタイミングや、レシート270の発行ボタンを押下したタイミング等でもよい。上記実施形態では、画面G1は、取引情報とページャ端末100の装置番号とが揃わないと表示されない制御となっている。
【0050】
ところで、POS端末30が1台だけの場合は、ページャ端末100のクレードル150からの抜き取りの検出に応じて、取引情報とページャ端末100の装置番号とを紐付けるだけで良いが、POS端末30が複数台設置されている場合は、クレードル150からページャ端末100を抜き取っただけではどの取引情報とページャ端末100とを紐付けて良いか分からない運用となる。そこで、ページャ端末100の抜き取りの後でさらにPOS端末30の識別情報(具体的には、何れのPOS端末30で生成された取引情報であるかを特定するためのPOS端末30の識別情報(レジ番号)が記されたOID(Optical Identification、光学認識コード))を読み込ませることで取引情報とページャ端末100の装置番号とPOS端末30のレジ番号とを紐付ける。なおOIDに代えて、バーコードや2次元コードであっても良い。
【0051】
ただし、事前にレジ番号とページャ端末100でグループを作成しておけば、このような操作は不要となる。例えば、2台のPOS端末30A,30Bと、1番〜40番のページャ端末100があるとし、POS端末30Aには1番〜20番のページャ端末100を、POS端末30Bには21番〜40番のページャ端末100を、グループとして割り当てれば、1番のページャ端末100をクレードル150から引き抜くと自動的にPOS端末30Aの最も古い取引情報と紐付けることが可能となる。同様に、30番のページャ端末100をクレードル150から引き抜くと自動的にPOS端末30Bの最も古い取引情報と紐付けることが可能となる。
【0052】
さらに、前記取引情報に、当該取引の進捗情報を含ませ、これによってページャ端末100に、前記進捗情報に基づく報知を行わせるように構成しても良い。即ち、取引情報にいくつかの進捗情報(調理・配膳進捗情報(ステータス))を含ませる。例えば、
〔ステータス1〕
取引情報生成完了で、ページャ端末100の装置番号の紐付け待ち状態
〔ステータス2〕
取引情報にページャ端末100の装置番号の紐付け完了状態
〔ステータス3〕
調理開始状態
(調理人はキッチンモニタ70に調理開始宣言の入力操作を行う)
〔ステータス4〕
調理完了状態
(調理人はキッチンモニタ70に調理完了宣言の入力操作を行う)
〔ステータス5〕
受け取り待ち状態
(配膳担当者は出来上がった料理をキッチンから、客が受け取る配膳場所まで運び終えると、図示しない配膳モニタやPOS端末30に配膳完了宣言の入力操作を行う)
〔ステータス6〕
配膳完了状態
(客はページャ端末30を持参し配膳場所まで料理を受け取りに来る。配膳担当者はページャ端末100を受け取り料理を渡す。配膳担当者はページャ端末100の装置番号を認識し、配膳モニタやPOS端末30に受け取り完了の操作を入力する。または配膳完了の識別情報が用意されており、この識別番号を読み込ませることにより受け取り完了がなされたとみなされる。またはクレードル150にページャ端末100を差し込むことで、受け取りが完了したとみなされる。受け取り完了が認識されると、取引情報とページャ端末100の装置番号との紐付けが解消され、当該装置番号は新たな取引情報と紐付けが可能な状態となる。)
【0053】
そして、ページャ端末(報知手段)100は、上記各ステータスに応じた利用客への進捗状況の報知が可能となる。例えば音声報知を利用する場合、ステータス2では、「調理完了をご連絡するまでお持ち(お待ち)ください」、ステータス3では、「○○の調理が開始されました」、ステータス4では、「○○の調理がもうすぐ終わります」、ステータス5では、「○○の調理が完了しました。配膳口まで受け取りに来て下さい」、等である。また、音声報知以外でも、ディスプレイ付きの端末であれば、画面報知も可能である。バイブ機能があれば、振動のパターンや振動の長さや強さに応じて報知することも可能であり、さらにこれらを組み合わせて報知しても良い。
【0054】
一般に、上記配膳完了状態であれば料理の受け取りがなされるまで、報知を続けても良いと考えられるが、それ以前のステータスでは、報知し続けることは好ましくないと考えられる。そこで例えば、3回音声出力がなされたら終了する等、報知回数を設定しても良い。また回数が設定されていない場合は報知を停止する報知停止ボタンをページャ端末100に設けておいても良い。また報知停止OIDをページャ端末100が読み込むことで、停止するように構成しても良い。
【0055】
なお、上記配膳モニタは、キッチンモニタ70と同等の装置となり、配膳状況を画面表示し入力操作を受け付けることで、上述のように、調理品や取引情報のステータスを変更することができる。
【0056】
ところで、フードコートにおいて、ページャ端末100自身の報知だけでは不十分である場合、ページャ端末100以外にも報知する手段としてナンバーディスプレイと呼ばれる装置を設置しても良い。
図14はナンバーディスプレイ290の表示画面の一例を示す図である。同図に示すようにこのナンバーディスプレイ290では、画面が2分割され、左側に呼び出し済みのページャ端末100の装置番号の一覧画面291を表示し、右側に呼び出しまでの時間を有効に利用してもらうための様々なCM等の各種画面293を表示する。CM等の各種画面293を表示中であっても、調理完了により呼び出されるページャ端末100の装置番号を各種画面293上に重なるように表示し、確実な報知を可能とするのが好適である。
【0057】
上記実施形態では、可搬媒体としてページャ端末100を用いた例を示したが、可搬媒体はこれに限られず、媒体情報を備え、その状態変化が検出可能であればどのような構成であっても良い。例えば、固有の媒体情報を備えた非接触カード(例えば「Suika(登録商標)」や「Edy(登録商標)」等のようなもの)を可搬媒体とし、これらカードをまとめて収納しているケース等から何れかのカードを取り出す際に当該取り出されるカードの媒体情報が読み取られる構成としてもよいし、RFID(radio frequency identifier)が内蔵されたブレスレット形状の可搬媒体を収納部から取り出すと、そのRFIDが移動していることやそのRFIDの媒体情報をアンテナ装置で検出・識別する構成としてもよい。
【0058】
客がペン型等の可搬媒体(以下「ペン」という)をテーブルへ運び、順番を待つ間や、注文端末として利用する場合、テーブルにスタンド(ペンスタンド)を設け、このスタンドにペンを保持するように構成しても良い。スタンド保持の場合、ペンはそのコードリーダ(読取手段)が下を向く形で立てられた状態となる。スタンドの底面にはテーブル情報が含まれるOIDを貼り付け、スタンドにペンを立てるとそのコードリーダが上記テーブルOIDを読み取る構成とするのが好適である。
【0059】
また本オーダリングシステムには、券売機を設置しても良い。即ち例えば、上記実施形態に係るPOS端末30の役割を券売機が行うシステム等としても良い。券売機は、例えば以下のように利用される。
(1)券売機とクレードルが通信可能状態であり、券売機の横にクレードル及びペン(ページャ端末)が設置されている。
(2)客は券売機で注文を入力する。
(3)客は券売機に注文に応じた精算金額を投入する。
(4)券売機画面にクレードルからペンを抜き取るよう指示が表示される。
(5)客がペンを抜き取ると、券売機画面に抜き取られたペン番号が表示され、取引情報と媒体情報とが紐付けられ、注文が確定する。
(6)媒体情報(ペン番号)が印字された券が発行される。
(7)客は券とペンを持ってテーブルへ移動する。
(8)店員は(5)で確定した注文に基づいて調理し、調理完了の旨をペンへ報知する。
(9)客はペンからの調理完了報知に応じて配膳場所まで券とペンを持って移動する。
(10)店員は客から券とペンを受け取り、調理を渡し、完了とする。
なおこのオーダリングシステムの場合、券売機は利用しているが、発券(上記(6)のステップ)は必須ではない。ペン番号と取引情報とが紐づいていれば、ペンのみを持ってテーブルへ移動し調理完了の報知を待つ構成としても良い。
【0060】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。