特許第6686582号(P6686582)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6686582
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20200413BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20200413BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20200413BHJP
   G04B 37/08 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   H01R13/52 301H
   H01R13/639 A
   G04G21/00 305
   G04B37/08 C
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-53302(P2016-53302)
(22)【出願日】2016年3月17日
(65)【公開番号】特開2017-168336(P2017-168336A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 明久
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晃
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3193220(JP,U)
【文献】 特開2003−317876(JP,A)
【文献】 特開2012−038844(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0176383(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/031122(WO,A1)
【文献】 特表2007−511053(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3204474(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00−99/00
H01R 13/40−13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の電源端子と、
前記第一の電源端子と異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置されて、前記第一の電源端子を囲むように設けられる絶縁部材と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が接続される電源回路と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が組み付けられた端子組付け部と、
を備える電子機器であって、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置されて、前記端子組付け部と前記第一の電源端子とに接する第一の密封部材と、
前記第一の密封部材が配置された位置よりも前記電子機器の外側において、前記端子組付け部と前記絶縁部材とに接する第二の密封部材と、
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材と、
を備え
前記支持部材には、前記支持部材内の前記第二の電源端子部分から水を外部へ抜く水抜き孔が形成され、
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
第一の電源端子と、
その第一の電源端子とは異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子とが配置される端子組付け部と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置される絶縁部材と、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置され、当該端子組み付け部と当該第一の電源端子との間を密封して防水する第一の密封部材と、
前記端子組付け部と前記絶縁部材との間に配置され、当該端子組み付け部と当該絶縁部材との間を密封して防水する第二の密封部材と、
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材と、
を備え
前記支持部材には、前記支持部材内の前記第二の電源端子部分から水を外部へ抜く水抜き孔が形成され、
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
第一の電源端子と、
前記第一の電源端子と異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置されて、前記第一の電源端子を囲むように設けられる絶縁部材と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が接続される電源回路と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が組み付けられた端子組付け部と、
を備える電子機器であって、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置されて、前記端子組付け部と前記第一の電源端子とに接する第一の密封部材と、
前記第一の密封部材が配置された位置よりも前記電子機器の外側において、前記端子組付け部と前記絶縁部材とに接する第二の密封部材と、
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、一対の保持部材を介して機器ケースにネジ止めされ、
且つ前記支持部材は、前記保持部材の一端部を挿入する挿入穴と、前記保持部材の他端側を載せる突出片と、を有し、
前記保持部材は、一端部に前記支持部材の前記挿入穴に挿入される挿入片を有して、他端部側には、前記機器ケースにネジ止めする取付穴と、前記支持部材の前記突出片に載せて押える押え片を有し、
前記支持部材の前記挿入穴に前記保持部材の前記挿入片を挿入し、前記支持部材の前記突出片の上に前記保持部材の前記押え片を重ねて、前記保持部材の前記取付穴をネジ止めすることで、前記支持部材を前記機器ケースに固定し、
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
第一の電源端子と、
その第一の電源端子とは異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子とが配置される端子組付け部と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置される絶縁部材と、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置され、当該端子組み付け部と当該第一の電源端子との間を密封して防水する第一の密封部材と、
前記端子組付け部と前記絶縁部材との間に配置され、当該端子組み付け部と当該絶縁部材との間を密封して防水する第二の密封部材と、
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、一対の保持部材を介して機器ケースにネジ止めされ、
且つ前記支持部材は、前記保持部材の一端部を挿入する挿入穴と、前記保持部材の他端側を載せる突出片と、を有し、
前記保持部材は、一端部に前記支持部材の前記挿入穴に挿入される挿入片を有して、他端部側には、前記機器ケースにネジ止めする取付穴と、前記支持部材の前記突出片に載せて押える押え片を有し、
前記支持部材の前記挿入穴に前記保持部材の前記挿入片を挿入し、前記支持部材の前記突出片の上に前記保持部材の前記押え片を重ねて、前記保持部材の前記取付穴をネジ止めすることで、前記支持部材を前記機器ケースに固定し、
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
記支持部材には、前記電源プラグを囲む部分から外部へ水を抜くための水抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第二の密封部材は、前記第一の電源端子に設置されたワッシャーにより前記絶縁部材と前記端子組み付け部との間に支持されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第一の密封部材及び前記第二の密封部材はOリングであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第二の電源端子に接続されて、前記端子組付け部に組み付けられる接続ピンを備えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記接続ピンを前記第二の電源端子に接続状態に保持する方向に付勢するバネを備えることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記支持部材は、一対の保持部材を介して機器ケースにネジ止めされ、
且つ前記支持部材は、前記保持部材の一端部を挿入する挿入穴と、前記保持部材の他端側を載せる突出片と、を有し、
前記保持部材は、一端部に前記支持部材の前記挿入穴に挿入される挿入片を有して、他端部側には、前記機器ケースにネジ止めする取付穴と、前記支持部材の前記突出片に載せて押える押え片を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタを備える電子機器の防水仕様に関する。
【背景技術】
【0002】
磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタがある(特許文献1参照)。
このような磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタを備える機器を防水仕様にするためには、防水用のOリングをコネクタと機器本体との間に設置して、水が機器内部に入り込まないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−30810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したような磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタのプラス極とマイナス極との水が起因による導通を防ぐことが困難であった。
【0005】
本発明の課題は、磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタを備える電子機器において、防水仕様として電源コネクタのプラス極とマイナス極との水による導通を防ぐようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明は、
第一の電源端子と、
前記第一の電源端子と異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置されて、前記第一の電源端子を囲むように設けられる絶縁部材と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が接続される電源回路と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が組み付けられた端子組付け部と、
を備える電子機器であって、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置されて、前記端子組付け部と前記第一の電源端子とに接する第一の密封部材と、
前記第一の密封部材が配置された位置よりも前記電子機器の外側において、前記端子組付け部と前記絶縁部材とに接する第二の密封部材と、
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材と、
を備え
前記支持部材には、前記支持部材内の前記第二の電源端子部分から水を外部へ抜く水抜き孔が形成され、
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、磁石による磁力を利用してソケット及びプラグを互いに密着させて導通させる電源コネクタを備える電子機器において、防水仕様として電源コネクタのプラス極とマイナス極との水による導通を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の構成を示す機器要部の概略斜視図である。
図2図1の矢印A−A線に沿った拡大断面図である。
図3図2のプラス端子アッシーの拡大斜視図である。
図4図3のプラス端子アッシーから密封部材とワッシャー及びEリングを外した状態の図である。
図5図2の接続ピンアッシーの拡大斜視図である。
図6図1の外装材を外した状態の図である。
図7図5の支持部材及び保持部材の斜視図(a)と、その下方から見た状態の図(b)である。
図8図5の支持部材のみの図(a)と、その下方から見た状態の図(b)である。
図9図5の支持部材を外した状態の拡大図である。
図10】本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成を示すもので、図1の機器要部を備える腕時計型電子機器の概略斜視図である。
図11図10の電源コネクタに接続する電源プラグの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図10は本発明を適用した電子機器の一実施形態の概略構成として腕時計型電子機器を示すもので、腕時計型電子機器1は、図示のように、一側面にソケットタイプの電源コネクタ10を備えている。
この電源コネクタ10は、機器ケース2の一側面と、カバーガラス3の周囲の外装材4との合わせ部分に設けられて、中央に位置する第一の電源端子である円形のプラス端子11と、その周囲の円筒状の絶縁部材12と、その周囲に位置する第二の電源端子である環板状のマイナス端子13と、その周囲の円筒状の支持部材14とから構成されている。
【0010】
図11図10の腕時計型電子機器1の電源コネクタ10に接続する電源プラグ110の概略構成を示すもので、電源プラグ110は、図示のように、中央に位置するピン状のプラス端子111と、その周囲の円筒状の絶縁部材112と、その周囲の円筒状の磁石114と、その周囲の円筒状のマイナス端子113とから構成されている。
【0011】
この電源プラグ110の先端を電源コネクタ10に挿入すると、磁石114の円筒状先端面に環板状のマイナス端子13が吸着されて、プラス端子11の円形面にプラス端子111のピン状先端が接触状態になる。同時に、その周囲の絶縁部材12・112の円筒状先端同士の接触による絶縁状態が保たれたまま、マイナス端子13の環板状面にマイナス端子113の円筒状先端が接触状態となって、電源接続状態となる。
【0012】
次に、図1図10の腕時計型電子機器1の電源コネクタ10を拡大して示すもので、図2に示すように、プラス端子11は丸棒状の導電金属で、絶縁部材12は丸棒状のプラス端子11を囲む円筒状である。
また、マイナス端子13は円筒状の絶縁部材12を囲む板金で、支持部材14は板状のマイナス端子13の周囲を覆う円筒部15を有して樹脂により形成されている。この円筒部15に電源プラグ110の先端を挿入して、電源プラグ110のぐらつきを防止する。
【0013】
丸棒状のプラス端子11は、その周囲の円筒状の絶縁部材12とともに、機器ケース2の一側面の端子組付け部20に対し、第一の密封部材21、第二の密封部材22、Eリング23・24及びワッシャー25を介し挿入固定される。
第一の密封部材21及び第二の密封部材22はともにОリングで、第一の密封部材21はプラス端子11の先端側小径部のシール溝に配置されて、機器ケース2内部への防水を行う。第二の密封部材22は、第一の密封部材21の設置位置よりも外側、即ちプラス端子11の電源プラグ21が接続される側であって、プラス端子11の中間部に設けたワッシャー25と、このワッシャー25に当接する絶縁部材12先端部の小径部外周との間に配置されて、プラス端子11とマイナス端子13との導通を防止する。
【0014】
このようなプラス端子11のアッシー状態を図3に示し、ワッシャー25は第二の密封部材22の外れ防止用で、Eリング24はワッシャー25の外れ防止用である。
また、そのプラス端子アッシーから密封部材21・22とEリング23・24及びワッシャー25を外した状態を図4に示す。
なお、プラス端子11と絶縁部材12はインサート成形される。
【0015】
板金によるマイナス端子13は、プラス端子11との導通を防止する円筒状の絶縁部材12を囲んで、端子組付け部20に対し、支持部材14とともにネジ止めされる。
そして、マイナス端子13に接触する接続ピン16が端子組付け部20に挿入して組み付けられる。
【0016】
すなわち、接続ピン16は、端子組付け部20に対し、第三の密封部材26、Eリング27、及びワッシャー28を介し挿入固定される。
第三の密封部材26もОリングで、第三の密封部材26は接続ピン16の中間部に配置されて、接続ピン16をマイナス端子13に常時接触状態に付勢するコイルバネ17の他端側を押えるワッシャー28に隣接している(図5も参照)。
この第三の密封部材26は、機器ケース2内部への防水を行う。また、コイルバネ17により接続ピン16とマイナス端子13との接続不良が防止される。
【0017】
図6図1の外装材4を外した状態を示すもので、機器ケース2から外装材4を外すと、図示のように、支持部材14の円筒部15の上半部左右に一対の保持部材18及びネジ19が露出する。
【0018】
図7(a)及び(b)は支持部材14及び保持部材18の関係を示すもので、保持部材18には、図示のように、取付穴18aを有する部分から延長した挿入片18bと、取付穴18aを有する部分から一側方に突出する押え片18cとが設けられている。
【0019】
そして、支持部材14には、図8(a)及び(b)にも示すように、円筒部15の下半部左右に、保持部材18の挿入片18bが挿入される挿入穴14bが形成されて、円筒部15の上半部左右に両側方に突出する一対の突出片14cが形成されている。
また、円筒部15には、マイナス端子13に重なる部分から外部へ水を抜くための水抜き孔15aが切欠き状に形成されている。
【0020】
機器ケース2に支持部材14を組み付ける際は、支持部材14の左右の挿入穴14bに保持部材18の挿入片18bをそれぞれ挿入して、支持部材14の左右の突出片14cの上に保持部材18の押え片18cをそれぞれ重ねる。
そして、一方(図6では左側)の保持部材18の取付穴18aの周囲にアース板29を重ね、左右の取付穴18aからネジ19を機器ケース2に設けた図示しないネジ穴にそれぞれネジ込んで固定する。
なお、図9図5の支持部材14を外した状態を拡大して示す。
【0021】
以上において、機器ケース2の端子組付け部20に組み付けたプラス端子11は、機器ケース2内に収容された図示しない電源回路基板のプラス側に接続される。
同様に、機器ケース2の端子組付け部20に組み付けたマイナス端子21は、金メッキが施された接続ピン16を介して、機器ケース2内の電源回路基板のマイナス側に接続される。
【0022】
以上のように、腕時計型電子機器において、機器ケース2の端子組付け部20に、プラス端子11、絶縁部材12、マイナス端子13、支持部材14、接続ピン16、保持部材18、第一の密封部材21、第二の密封部材22、第三の密封部材26を組み付けることで、電源コネクタ10を防水仕様に構成したことによって、以下の効果が得られる。
【0023】
1)プラス端子11の先端側小径部のシール溝に設けた第一の密封部材(Оリング)21によって、機器ケース2内部への防水を行うことができる。すなわち、図2に示すように絶縁部材12と丸棒状のプラス端子11との間の隙間から水が浸入したしても、その第一の密封部材21によって、機器ケース2の内部への防水を行うことができる。
【0024】
2)プラス端子11の中間部のワッシャー25と、このワッシャー25に当接する絶縁部材12先端部の小径部外周との間に設けた第二の密封部材(Оリング)22によって、プラス端子11とマイナス端子13との水による導通を防止することができる。
【0025】
すなわち、図2に示すように、機器ケース2の端子組付け部20において、円筒状の絶縁部材12の外周との隙間に水が浸入しても、絶縁部材12先端部の小径部外周の第二の密封部材(Оリング)22により防水して、それより内部での丸棒状のプラス端子11が外側のマイナス端子13に対し水により導通するのを防止することができる。
また、万が一、第二の密封部材(Оリング)22を越えて水が内部に浸入しても、プラス端子11の先端側小径部のシール溝に設けた第一の密封部材(Оリング)21により防水して、機器ケース2内部へ水が浸入するのを防止することができる。
【0026】
3)接続ピン16の中間部で、その接続ピン16をマイナス端子13に常時接触状態に付勢するコイルバネ17の他端側を押えるワッシャー28に隣接して設けた第三の密封部材(Оリング)26によって、機器ケース2内部への防水を行うことができる。
【0027】
すなわち、図2に示すように、端子組付け部20において、接続ピン16の外周との隙間に水が浸入しても、接続ピン16中間部に設けた第一の密封部材(Оリング)21により防水して、機器ケース2内部へ水が浸入するのを防止することができる。
【0028】
4)コイルバネ17によって、接続ピン16とマイナス端子13との接続不良を防止することができる。
【0029】
5)支持部材14の円筒部15に設けた切欠き状の水抜き孔15aによって、円筒部15内のマイナス端子13部分から水を外部へ抜くことができる。
【0030】
以上、実施形態の腕時計型電子機器によれば、端子組付け部20とプラス端子11との間に配置されて、端子組付け部20とプラス端子11とに接する第一の密封部材21と、その第一の密封部材21が配置された位置よりも外側において、端子組付け部20と絶縁部材12とに接する第二の密封部材22と、を備えている。
従って、電源コネクタ10を防水仕様として、プラス端子11とマイナス端子13との水による導通を防ぐことができる。
【0031】
(変形例)
以上の実施形態においては、腕時計型電子機器としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話など他の電子機器であってもよい。
また、電源端子、絶縁部材、端子組付け部、密封部材、支持部材、水抜き孔の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0032】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。
付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第一の電源端子と、
前記第一の電源端子と異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置されて、前記第一の電源端子を囲むように設けられる絶縁部材と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が接続される電源回路と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子が組み付けられて、前記電源回路に前記第一の電源端子と前記第二の電源端子を接続状態とする端子組付け部と、
を備える電子機器であって、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置されて、前記端子組付け部と前記第一の電源端子とに接する第一の密封部材と、
前記第一の密封部材が配置された位置よりも外側において、前記端子組付け部と前記絶縁部材とに接する第二の密封部材と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
第一の電源端子と、
その第一の電源端子とは異なる極性の第二の電源端子と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子とが配置される端子組付け部と、
前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間に配置される絶縁部材と、
前記端子組付け部と前記第一の電源端子との間に配置され、当該端子組み付け部と当該第一の電源端子との間を密封して防水する第一の密封部材と、
前記端子組付け部と前記絶縁部材との間に配置され、当該端子組み付け部と当該絶縁部材との間を密封して防水するとともに前記第一の電源端子と前記第二の電源端子との間の導通を防ぐ第二の密封部材と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項3>
前記第二の電源端子に接して設けられ、前記第一の電源端子及び前記第二の電源端子に接触状態の電源プラグのぐらつきを防止する支持部材を備え、
前記支持部材には、前記電源プラグを囲む部分から外部へ水を抜くための水抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記第二の密封部材は、前記第一の電源端子に設置されたワッシャーにより前記絶縁部材と前記端子組み付け部との間に支持されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項5>
前記第一の密封部材及び前記第二の密封部材はOリングであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項6>
前記第二の電源端子に、電源プラグ側の磁石が吸着することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項7>
前記第二の電源端子に接続されて、前記端子組付け部に組み付けられる接続ピンを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項8>
前記接続ピンを前記第二の電源端子に接続状態に保持する方向に付勢するバネを備えることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
<請求項9>
前記支持部材は、一対の保持部材を介して機器ケースにネジ止めされ、
且つ前記支持部材は、前記保持部材の一端部を挿入する挿入穴と、前記保持部材の他端側を載せる突出片と、を有し、
前記保持部材は、一端部に前記支持部材の前記挿入穴に挿入される挿入片を有して、他端部側には、前記機器ケースにネジ止めする取付穴と、前記支持部材の前記突出片に載せて押える押え片を有することを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0033】
1 電子機器
2 機器ケース
3 カバーグラス
4 外装材
10 電源コネクタ
11 プラス端子(第一の電源端子)
12 絶縁部材
13 マイナス端子(第二の電源端子)
14 支持部材
14b 挿入穴
14c 突出片
15 円筒部
15a 水抜き孔
16 接続ピン
17 バネ
18 保持部材
18a 取付穴
18b 挿入片
18c 押え片
19 ネジ
21 第一の密封部材
22 第二の密封部材
23 Eリング
24 Eリング
25 ワッシャー
26 第三の密封部材
27 Eリング
28 ワッシャー
29 アース板
110 電源プラグ
111 プラス端子
112 絶縁部材
113 マイナス端子
114 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11