(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照明制御システムが、照明調光用の調光率を示す調光指令値を出力する照明コントローラ、及び前記調光指令値を前記PWM入力信号に変換する調光端末機を備える、請求項4又は7に記載の情報表示システム。
前記照明制御システムが、照明調光用の調光率を示す無線調光信号を受信して調光指令値を出力するゲートウェイ、及び前記調光指令値を前記PWM入力信号に変換するノードを備える、請求項4又は7に記載の情報表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態による情報表示装置1及びそれを含む情報表示システム5のブロック図を示す。情報表示システム5は、情報表示装置1、照明制御システム2及び3並びに通信システム4を含む。概略として、本実施形態及び他の実施形態では、照明制御用のシステム(本実施形態では、照明制御システム2及び3の少なくとも一方)を用いて情報表示装置1を制御する。情報表示装置1の説明の前に、まず照明制御システム2及び3並びに通信システム4について説明する。
【0018】
照明制御システム2は、照明コントローラ20及び調光端末機21を含み、照明調光用のPWM信号を出力する。照明コントローラ20は照明調光用の調光率を示す調光指令値を出力する装置であればよく、例えば、岩崎電気株式会社製のITACSである。調光端末機21は、照明コントローラ20からの調光指令値をPWM信号に変換する。調光指令値とPWM信号とは、例えば、調光指令値における調光率(0〜100%)がPWM信号におけるオンデューティ(100%〜0%)に線形的に対応付けられる。なお、実際にはPWM信号のオンデューティ5〜95%に対して調光率100%〜0%が設定されるなど、PWM信号のオンデューティ0%又は100%付近が使用されない場合もあるが、以降の説明においては、説明の明瞭化のため、PWM信号のオンデューティ0〜100%に対して調光率100%〜0%が設定されるものとする。また、本明細書において、調光率100%は全光点灯を意味し、調光率0%は消灯を意味するものとする。
【0019】
照明制御システム3は、照明制御端末30、ゲートウェイ31及びノード32を含む。照明制御端末30は、PC、サーバなどであればよく、照明調光用の調光率を示す調光指令値を出力する装置であればよい。照明制御端末30とゲートウェイ31とは無線接続され、ゲートウェイ31は、照明制御端末30からの無線調光信号を受信して調光指令値を出力する。ノード32は、上記の調光端末機21と同様の態様で調光指令値をPWM信号に変換する。ゲートウェイ31及びノード32は、例えば、岩崎電気株式会社製のWiMesh(登録商標)を構成する。
【0020】
上記のPWM信号は、一般的な照明調光用のPWM信号(例えば、周波数1kHz及び振幅12V)であればよく、照明制御システム2及び3から情報表示装置1まで有線の通信線Lを介して送信される。なお、本実施形態では、照明調光用のPWM信号を出力するシステムとして照明制御システム2及び3が採用される構成を示すが、照明制御システム2及び3のいずれか一方が採用されてもよい。また、上記と同様のPWM信号を情報表示装置1に出力できるシステムであれば、他の照明制御システム、調光器、リモコンなどが用いられてもよい。
【0021】
通信システム4は、通信端末40、クラウド41及びゲートウェイ42を有する。通信端末40は、スマートフォン、タブレット、PCなどであり、ユーザ入出力機能(タッチパネル、キーボード、マウス、モニタなど)及び通信機能を有し、クラウド41と通信可能である。クラウド41は、例えばインターネットなどの通信ネットワークである。ゲートウェイ42は任意の3Gゲートウェイであり、クラウド41と3G通信可能である。ゲートウェイ42は、クラウド41から得られた信号を情報表示装置1にシリアル送信する。すなわち、ユーザは、通信端末40からクラウド41及びゲートウェイ42を介して情報表示に関する表示指令を情報表示装置1に送信することができる。
【0022】
情報表示装置1は、変換基板10(変換部)、制御基板12(制御部)、情報表示板14及び操作部16を有し、文字、数字、記号、絵、模様又はこれらの組合せといった各種情報を情報表示板14上に発光表示する。情報表示装置1には、電源(例えば、AC100Vなど)が適宜供給され、この電源を元に変換基板10及び制御基板12において制御電源が生成又は供給されているものとする。なお、本実施形態では、「走行注意」などの道路に関する情報を表示する道路用の情報表示装置1が示されるが、本開示の技術は任意のあらゆる情報表示装置に適用可能である。
【0023】
変換基板10は、CPU100、PWM入力部101、接点出力部102、受信部103及びメモリ104を有する。概略として、変換基板10は、通信線Lから入力されるPWM信号(以下、「PWM入力信号」という)を接点信号に変換してそれを制御基板12に出力する。なお、本実施形態では、変換基板10を情報表示装置1の内部に配置されるものとして(例えば、情報表示装置1の筐体に収容されるものとして)説明するが、変換基板10は情報表示装置1の外部(好ましくはその付近)にあってもよい。また逆に、本実施形態では、変換基板10と制御基板12とが個別の基板である構成を示すが、変換基板10と制御基板12とは、情報表示装置1の筐体内の同一の基板上に一体化されていてもよい。
【0024】
PWM入力部101は通信線L及びCPU100に接続され、通信線LからCPU100への入力インターフェースとして機能する。PWM入力信号は、PWM入力部101に含まれる不図示の入力回路(例えば、フォトカプラ等)によって、変換基板10のグランドを基準電位とするPWM信号に変換され、CPU100に入力される。受信部103は、ゲートウェイ42からのシリアル通信信号を受信し、受信信号をCPU100に入力する。
【0025】
接点出力部102はCPU100及び配線W1〜W8に接続され、CPU100から配線W1〜W8への出力インターフェースとして機能する。なお、本例では接点信号用の配線として8本の配線W1〜W8を示すが、配線数はこれに限定されない。
【0026】
CPU100は、デューティ識別部105及び接点信号生成部106を含む。また、CPU100は、特に明記しない一般的なCPUとしての機能も実行可能であるものとする。メモリ104は不揮発性メモリ(ROMなど)及び揮発性メモリ(RAMなど)を含み、不揮発性メモリには、PWM入力信号のデューティ比(例えば、オンデューティ)と、出力すべき接点信号との関係を示した参照テーブルDが記憶される。また、メモリ104の不揮発性メモリには、ゲートウェイ42からシリアル通信されるシリアル通信信号のデータと、出力すべき接点信号との関係を示した参照テーブルSも記憶される。
【0027】
デューティ識別部105は、PWM入力部101から入力されるPWM信号に基づいて、PWM入力信号のオンデューティを識別することができる。例えば、デューティ識別部105は、入力されるPWM信号を(PWM信号の周波数よりも充分に高い周波数で)サンプリングし、ハイアクティブのデータとローアクティブのデータの比率からオンデューティを特定することができる。
【0028】
接点信号生成部106は、メモリ104に記憶された参照テーブルDを参照し、デューティ識別部105によって識別されたオンデューティに対応する接点信号S1〜S8を生成し、生成された接点信号S1〜S8を並列に出力する。接点信号生成部106は、メモリ104に記憶された参照テーブルSを参照し、受信信号のデータに対応する接点信号を生成することもできる。各接点信号は、オン/オフ、ハイレベル/ローレベル、1/0などの2値信号である。
【0029】
例えば、参照テーブルDは、
オンデューティ20%未満 :接点信号S1がオン/残余がオフ
オンデューティ20%以上30%未満:接点信号S2がオン/残余がオフ
オンデューティ30%以上40%未満:接点信号S3がオン/残余がオフ
オンデューティ40%以上50%未満:接点信号S4がオン/残余がオフ
オンデューティ50%以上60%未満:接点信号S5がオン/残余がオフ
オンデューティ60%以上70%未満:接点信号S6がオン/残余がオフ
オンデューティ70%以上80%未満:接点信号S7がオン/残余がオフ
オンデューティ80%以上 :接点信号S8がオン/残余がオフ
などと設定され得る。
【0030】
なお、1つの接点信号がオンされるとともに残余の接点信号がオフされる構成を示すが、1つの接点信号がオフされるとともに残余の接点信号がオンされるように構成されてもよい。本例では8個の接点信号が出力されるが、接点信号数はこれに限定されない。また、本例では接点信号数に等しい接点信号状態数が定義されているが、接点信号の状態(オン/オフ)の組合せによって、多数の接点信号状態が定義され得る。本例のように接点信号数が8の場合には、理論上は2
8=256通りの接点信号が定義可能である。また、8通りの接点信号状態を表すのに、接点信号数を3としてその信号のオン/オフの組合せ(すなわち、2
3=8通りの接点信号状態)を用いる構成も可能である。
【0031】
制御基板12は、表示決定部120、表示駆動部121、外部入力ポート122及び操作入力ポート123を有する。情報表示板14は、マトリクス状に配列された多数のLEDを有する発光表示板である。外部入力ポート122は配線W1〜W8に接続され、入力インターフェースとして機能する。操作入力ポート123は別途の配線を介して操作部16に接続される。表示決定部120は、外部入力ポート122又は操作入力ポート123のいずれかに入力される接点信号に基づいて表示内容を決定する(優先度は適宜設定可能である)。表示駆動部121は、表示決定部120によって決定された表示内容に従って情報表示板14(すなわち、上記LEDの各々)を駆動する。
【0032】
表示内容とは、表示される文字、数字、記号、絵、模様などのコンテンツ、及び固定(静止)表示、点滅表示、スクロール表示、スワイプ表示、その他のアニメーション表示などの表示効果を含む。例えば、上記の接点信号S1〜S8に対応する表示内容として、
接点信号S1がオン(残余がオフ):「走行注意」の固定表示
接点信号S2がオン(残余がオフ):「走行注意」のスクロール表示
接点信号S3がオン(残余がオフ):「事故発生」の固定表示
接点信号S4がオン(残余がオフ):「事故発生」の点滅表示
・・・・
接点信号S8がオン(残余がオフ):消灯
などの設定が可能である(接点信号S5〜S7がオンの場合に対応する表示内容も適宜設定される)。
【0033】
操作部16は、ユーザが手動で接点信号を決定及び出力するための操作部であり、情報表示装置1の筐体外部又は筐体内部のユーザ操作可能な場所に配置される。変換基板10によって生成される接点信号と表示内容の対応関係と、操作部16によって決定される接点信号と表示内容の対応関係とは、表示決定部120の制御簡素化の観点から同じものであることが好ましい。ただし、以降の説明において、操作部16による操作は行われないものとする。
【0034】
情報表示システム5の動作の例示を以下に示す。照明コントローラ20又は照明制御端末30のユーザにおいて、調光指令値(調光率)と表示内容の関係は把握されているものとする。例えば、本例においては、以下のような対応関係が認識されているものとする。
調光率100%(80%超) :「走行注意」の固定表示
調光率75%(70%超80%以下):「走行注意」のスクロール表示
調光率65%(60%超70%以下):「事故発生」の固定表示
調光率55%(50%超60%以下):「事故発生」の点滅表示
・・・・
調光率0%(20%以下) :消灯
【0035】
ここで、例えば、ユーザが「走行注意」のスクロール表示を指定する場合を想定する。ユーザは、照明コントローラ20に、調光率75%の調光指令を入力する。これにより、照明コントローラ20はその調光指令値を調光端末機21に出力し、調光端末機21はこの調光指令値をオンデューティ25%のPWM信号に変換してこれを通信線Lに出力する。なお、ユーザは照明制御端末30に、調光率75%の調光指令を入力してもよい。この場合も同様に、照明制御端末30はその調光指令値をゲートウェイ31に出力し、ゲートウェイ31はこの調光指令値をオンデューティ25%のPWM信号に変換してこれを通信線Lに出力する。
【0036】
変換基板10において、PWM入力信号がPWM入力部101を介してCPU100に入力されると、デューティ識別部105はPWM入力信号のオンデューティが25%であることを識別する。接点信号生成部106が、メモリ104の参照テーブルDを参照して、オンデューティ25%に対応する接点信号状態が接点信号S2オン(残余がオフ)であることを特定してこの接点出力を生成する。これにより、接点出力部102の出力状態は、配線W2がオン、配線W1及びW3〜W8がオフとなる。制御基板12は、この接点信号の入力を受けて、情報表示板14上に「走行注意」をスクロール表示させる。
【0037】
以上のように、本開示の情報表示装置1では、変換基板10が、照明制御用のPWM入力信号が入力されるPWM入力部101、PWM入力信号のデューティ比を識別するデューティ識別部105、デューティ比に基づいて接点信号を生成する接点信号生成部106、及び接点信号を出力する接点出力部102を有する。そして、制御基板12が、接点出力部102から入力される接点信号に基づいて表示内容を決定してその表示内容に従って情報表示板14を駆動する。このように、変換基板10(CPU100)において、デューティ識別部105が照明制御用のPWM入力信号のデューティ比を識別し、接点信号生成部106がデューティ比に基づいて情報表示用の接点信号を生成するので、照明制御システム2又は3による情報表示装置1の制御が可能となる。したがって、照明制御用の信号による制御を可能とした汎用性の高い情報表示装置が実現される。
【0038】
また、情報表示装置1及びPWM入力信号を出力する照明制御システム2又は3によって情報表示システム5が構成される。このように、照明制御システム2及び3が照明の調光制御だけでなく、情報表示装置1の表示制御にも活用され、照明制御システム2及び3の汎用性が高まる。
【0039】
<第1の実施形態の変形例>
上記実施形態ではPWM入力信号がCPU100(ソフトウェア)によって接点信号に変換される構成を示したが、PWM入力信号が電子回路(アナログ回路によるハードウェア)によって接点信号に変換される構成が採用されてもよい。これにより、安価な変換基板10が実現される。
【0040】
図2Aに、本変形例による情報表示装置1の変換基板10を示す。本変形例による変換基板10は、PWM入力部101、接点出力部102及び電子回路110を備える。また、本変形例では、通信システム4からの通信信号による制御は行われないものとする。上記実施形態と同様に、PWM入力部101には通信線L(2線式)が接続され、接点出力部102には配線W1〜W8が接続される。
【0041】
PWM入力部101は、入力ポートPin及びフォトカプラPCを有する。PWM入力信号がフォトカプラPCのフォトダイオードに入力され、フォトカプラPCのフォトトランジスタにはフォトダイオードに流れる電流に応じた電流が流れる。本例では、フォトトランジスタのコレクタが制御電源Vccに接続され、フォトトランジスタのエミッタが抵抗Raを介してグランドに接続され、エミッタ電圧が積分回路RCに入力される。これによりPWM入力信号とRC積分回路に入力されるPWM信号とは同じ論理となる。なお、本例(及び後述の
図2Bに示す例)では、入力回路としてフォトカプラを例示するが、同様の機能を有する他の回路が用いられてもよい。
【0042】
電子回路110は、積分回路RC、コンパレータCP1b、CP2a、CP2b、・・・・CP7a、CP7b及びCP8a、電圧源V1〜V7並びにプルアップ抵抗R1〜R8を有する。電子回路110は、CPU100のデューティ識別部105及び接点信号生成部106に相当する機能を実質的に含み、デューティ識別部105及び接点信号生成部106を一体的に代替する。積分回路RCは、抵抗R0及びコンデンサC0からなる積分回路であり、フォトカプラPCの出力電圧(PWM入力信号に対応する電圧)を積分して積分値Vxを出力する。なお、電圧源V1〜V7の電圧をそれぞれ閾値V1〜V7といい、制御電源Vccの電圧を制御電圧Vccという。
【0043】
コンパレータCP1b、CP2b、CP3b、CP4b、CP5b、CP6b及びCP7bの反転入力端子(−)並びにコンパレータCP2a、CP3a、CP4a、CP5a、CP6a、CP7a及びCP8aの非反転入力端子(+)には、積分値Vxが入力される。そして、可能なkについて、コンパレータCPkbの非反転入力端子(+)及びコンパレータCP(k+1)aの反転入力端子(−)には閾値Vkが入力される。例えば、k=5について、コンパレータCP5bの非反転入力端子(+)及びコンパレータCP6aの反転入力端子(−)には閾値V5が入力される。
【0044】
閾値V1〜V7は制御電圧Vccの分圧値であればよく、本例では、閾値V1、V2、V3、V4、V5、V6及びV7は、それぞれオンデューティ20%、30%、40%、50%、60%、70%及び80%に対応する。例えば、フォトカプラPCから出力されるPWM信号の波高値が制御電圧Vccに等しいとして、V1=0.2×Vcc、V2=0.3×Vcc、V3=0.4×Vcc、V4=0.5×Vcc、V5=0.6×Vcc、V6=0.7×Vcc、V7=0.8×Vccである。
【0045】
各コンパレータの出力側について、可能なkについて、コンパレータCPka及びCPkb(双方が存在しない場合にはその一方)の出力端子は、プルアップ抵抗Rkを介して制御電源Vccに接続されるとともに接点出力部102を介して配線Wkに接続される。例えば、k=5について、コンパレータCP5a及びCP5bの出力端子は、プルアップ抵抗R5を介して制御電源Vccに接続されるとともに接点出力部102を介して配線W5に接続される。なお、プルアップ抵抗R1〜R8は、制御基板12側に配置されてもよい。
【0046】
これにより、所与の積分値Vxに対して、配線W1〜W8のいずれか1つがハイレベルとなり、残余の配線がローレベルとなる。これにより、PWM入力信号に対する接点信号S1〜S8の関係は、第1の実施形態で示したものと同様となる。例えば、PWM入力信号のオンデューティが25%である場合、積分値Vxは0.25×Vccとなる。したがって、コンパレータCP1b、CP3a、CP4a、CP5a、CP6a、CP7a及びCP8aの出力がローレベル(ゼロ)となり、コンパレータCP2a、CP2b、CP3b、CP4b、CP5b、CP6b及びCP7bの出力がハイレベル(オープン)となる。これにより、配線W2のみがハイレベルとなり、配線W1及びW3〜W8がローレベルとなる。
【0047】
また、
図2Bに示すように、7個のコンパレータCP1〜CP7の出力及び7本の配線W1〜W7の状態におけるハイレベル/ローレベルの組合せによって8個の接点信号状態が表されるようにしてもよい。本例では、電子回路110は、積分回路RC、コンパレータCP1〜CP7、電圧源V1〜V7及びプルアップ抵抗R1〜R7を有する。電圧源(閾値)V1〜V7の設定は、
図2Aの場合と同様である。なお、プルアップ抵抗R1〜R7は、制御基板12側に配置されてもよい。
【0048】
コンパレータCP1〜CP7の非反転入力端子(+)に積分値Vxが入力され、コンパレータCP1〜CP7の反転入力端子(−)にそれぞれ閾値V1〜V7が入力される。コンパレータCP1〜CP7の出力端子はそれぞれプルアップ抵抗R1〜R7を介して制御電源Vccに接続されるとともに接点出力部102を介してそれぞれ配線W1〜W7に接続される。可能なkについて、Vk≦Vx<V(k+1)の場合には、コンパレータCP1〜CPkの出力及び配線W1〜Wkがハイレベル(オープン)となり、コンパレータCP(k+1)〜CP7の出力及び配線W(k+1)〜W7がローレベル(ゼロ)となる。例えば、PWM入力信号のオンデューティが45%であり、積分値Vxが0.45×Vccとなる場合、コンパレータCP1〜CP3の出力がローレベル(ゼロ)となり、コンパレータCP4〜CP7の出力がハイレベル(オープン)となる。これにより、配線W1〜W3がローレベルとなり、配線W4〜W7がハイレベルとなる。
【0049】
図2Bの例では、表示決定部120においては、配線W1〜W7のうちのハイレベルとなる配線数又はローレベルとなる配線数に基づいて、接点信号状態を特定することができる。すなわち、配線W1〜W7のうちのk本の配線がハイレベルとなる場合に、
図2Aにおいて接点信号S(k+1)がオン(残余がオフ)の場合と同様の効果(表示)が得られる。
【0050】
なお、
図2Bの例において、各部の論理が反転された構成が代替されてもよい。すなわち、コンパレータCP1〜CP7の反転入力端子(−)に積分値Vxが入力され、コンパレータCP1〜CP7の非反転入力端子(+)にそれぞれ閾値V1〜V7が入力され、配線W1〜W7のうちのk本の配線がローレベルとなる場合に、接点信号S(k+1)が特定されるようにしてもよい。
【0051】
なお、
図2A及び
図2Bに示した回路構成は例示に過ぎず、当業者には分かるように、他の多数の回路構成が可能である。また、接点信号における論理は適宜反転可能である。例えば、フォトカプラPCの出力論理を反転してもよい(すなわち、抵抗Raをフォトトランジスタのコレクタと制御電源Vccの間に接続するとともにエミッタをグランドに接続し、コレクタ電圧を積分回路RCに入力してもよい)。また、各コンパレータにおける反転入力端子と非反転入力端子の接続を逆にしてもよいし、コンパレータの出力ノードと接点出力部102の間にインバータ素子を挿入接続してもよい。
【0052】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、PWM入力信号が接点信号に変換される構成を示したが、本実施形態では、さらに、PWM入力信号が通信信号に変換されてその通信信号が遠隔ユーザにおいて利用される構成を示す。なお、各実施形態を通じて、同様の又は対応する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
図3に、本実施形態による情報表示装置1及びそれを含む情報表示システム5のブロック図を示す。本実施形態の変換基板10は、CPU100、PWM入力部101、接点出力部102、メモリ104及び通信部107を有し、CPU100は、デューティ識別部105、接点信号生成部106及び通信信号生成部108を含む。
【0054】
通信部107は、変換基板10(CPU100)と通信システム4(ゲートウェイ42)、所定の通信端末45などと通信信号を送受信する。通信端末45は、PC、スマートフォン、タブレットなどであればよい。通信部107は、第1の実施形態の受信部103と同様に、ゲートウェイ42から受信した表示指令を接点信号生成部106に入力することができる。また、通信部107は、通信信号生成部108によって生成された通信信号をゲートウェイ42又は通信端末45に送信することができる。
【0055】
通信信号生成部108は、デューティ識別部105によって識別されたデューティ比(オンデューティ)に基づいて、デューティ比に基づく通信信号を生成する。通信部107は、この通信信号をゲートウェイ42及びクラウド41を介して通信端末40に送信し、又は通信端末45に送信する。これにより、情報表示装置1は、現在適用されているデューティ比又はそれに基づく情報を通信端末40又は45に通知することができる。通信信号の通信方式は有線であっても無線であってもよく、例えば、RS−232C、RS−485、TCP/IPなどであればよい。この通信部107及び通信信号生成部108による通信信号の発信は、通信部107が通信端末40又は45からのリクエストを受信したことに応じて行われてもよいし、デューティ識別部105において識別されるデューティ比が変化したことに応じて行われてもよい。
【0056】
以上のように、本実施形態によると、変換基板10が、PWM入力信号のデューティ比に基づいて通信信号を生成する通信信号生成部108と、通信信号を所定の通信端末40又は45に送信する通信部107とをさらに含み、デューティ比又はそれに基づく情報が通信端末40又は45に通知されるように構成される。これにより、情報表示装置1、照明コントローラ20又は照明制御端末30のいずれからも遠隔に位置するユーザが、情報表示板14上で現在表示されている表示内容を認識することができ、情報表示装置1の管理における利便性が高まる。また、通信端末40が車載端末(カーナビゲーションシステム)である場合に、情報表示装置1の付近を通過する車両のカーナビゲーションシステムのモニタ上に表示内容を再現してドライバに表示内容を通知するようにしてもよい。これにより、ドライバは、情報表示装置1の内容をより確実に認識することができる。
【0057】
<第2の実施形態の変形例>
上記実施形態ではPWM入力信号がCPU100(ソフトウェア)によって接点信号に変換される構成を示したが、第1の実施形態の変形例として示したように、PWM入力信号が電子回路110(アナログ回路によるハードウェア)によって接点信号に変換される構成が採用されてもよい。
【0058】
図4に示すように、本変形例の変換基板10は、PWM入力部101、接点出力部102、通信部107、通信信号生成部108及び電子回路110を備える。電子回路110は、
図2A又は
図2Bに示した回路などであればよい。電子回路110から接点出力部102への信号(すなわち、配線W1〜W8などの状態)が通信信号生成部108にも入力される。通信信号生成部108はこの信号状態に基づいて通信信号を生成することができる。
【0059】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、PWM入力信号が接点信号に変換される構成を示したが、本実施形態では、さらに、PWM入力信号が通信信号に変換されてその通信信号が複数の情報表示装置の制御に利用される構成を示す。
【0060】
図5に、本実施形態による情報表示装置1及びそれを含む情報表示システム5のブロック図を示す。本実施形態の情報表示システム5においては、1つのPWM信号源(照明制御システム2又は3)に対して、複数の情報表示装置1−1〜1−nが設置される。以下の説明では、複数の情報表示装置1−1〜1−nは同一の構成を有するものとする。なお、情報表示装置1−1〜1−nのいずれか1つ又は全体を総称して情報表示装置1ともいう。
【0061】
本実施形態の変換基板10は、CPU100、PWM入力部101、接点出力部102、メモリ104及び通信部107を有し、CPU100は、デューティ識別部105、接点信号生成部106、通信信号生成部108及び情報抽出部109を含む。情報表示装置1−1のPWM入力部101のみが通信線Lに接続され、情報表示装置1のそれぞれの通信部107は通信線Laを介して接続される。
【0062】
通信信号生成部108は、デューティ識別部105によって識別されたデューティ比(本例では、オンデューティ)を示す通信信号を生成する。通信部107は、この通信信号を他の情報表示装置1と送受信することができる。通信線Laを介した通信信号の通信方式は有線であっても無線であってもよく、例えば、RS−232C、RS−485、TCP/IPなどであればよい。
【0063】
デューティ抽出部109は、通信部107によって通信信号が受信される場合に、受信された通信信号からデューティ比を抽出し、抽出されたデューティ比を接点信号生成部106に出力する。また、デューティ抽出部109は、一度抽出したデューティ比を保持する機能を有していてもよい。これにより、通信部107及び通信信号生成部108は、デューティ比が変化した場合にのみ通信信号を発信すればよく、変換基板10の消費電力を低減することができる。また、通信線Laにおける故障などにより通信信号が途絶えたとしても、デューティ抽出部109によって保持されたデューティ比に基づいて情報表示板14における表示が実行及び維持される。
【0064】
接点信号生成部106は、入力されたデューティ比に基づいて各接点信号を生成する。すなわち、接点信号生成部106は、デューティ識別部105によって識別されたデューティ比又はデューティ抽出部109によって抽出されたデューティ比に基づいて、参照テーブルDを参照して接点信号を生成する。
【0065】
動作について、情報表示装置1−1において、デューティ識別部105がPWM入力信号のデューティ比(オンデューティ)を識別する。通信信号生成部108が、識別されたデューティ比を示す通信信号を生成し、通信部107が、この通信信号を他の情報表示装置1−2〜1−nに通信線Laを介して送信する。
【0066】
情報表示装置1−2〜1−nにおいて、通信部107が、情報表示装置1からの通信信号を受信する。デューティ抽出部109は、受信した通信信号からデューティ比を抽出又は識別して、それを接点信号生成部106に出力する。接点信号生成部106は、デューティ抽出部109から入力されたデューティ比に基づいて各接点信号を生成して、それを接点出力部102に出力する。情報表示装置1−1〜1−nの各制御基板12における動作は同一である。
【0067】
なお、本実施形態では、通信信号が情報表示装置1−1の通信部107から情報表示装置1−2〜1−nの通信部107に一斉送信される構成を示したが、情報表示装置1−1の通信部107→情報表示装置1−2の通信部107→・・・・→情報表示装置1−nの通信部107のように、例えば、設置位置の近い情報表示装置を経由して通信信号が伝搬されるようにしてもよい。
【0068】
ここで、上記から分かるように、親機となる情報表示装置1−1においては、デューティ抽出部109は使用されない。また、子機となる情報表示装置1−2〜1−nにおいては、PWM入力部101及びデューティ識別部105は使用されない。したがって、変形例として、
図6に示すように、情報表示装置1−1の変換基板10ではデューティ抽出部109が省かれてもよく、情報表示装置1−2〜1−nの変換基板10ではPWM入力部101及びデューティ識別部105が省かれてもよい。
【0069】
図5及び
図6の構成について、
図5の例のように、情報表示装置1−1〜1−nの変換基板10を同一仕様とすることによって部材の標準化を図ることができ、さらには、通信線Lが接続される情報表示装置1を任意に設定又は変更することができる。一方、情報表示装置1−2〜1−nの数が多い場合(すなわち、nが比較的大きい場合)には、
図6の例のように各変換基板10に必要最小限の要素を実装することにより、特に情報表示装置1−2〜1−nのコスト低減を図ることができる。
【0070】
以上のように、本実施形態によると、変換基板10は、デューティ識別部105によって識別されたデューティ比を示す通信信号を生成する通信信号生成部108と、通信信号を他の情報表示装置1と送受信可能な通信部107と、通信部107によって受信された通信信号からデューティ比を抽出するデューティ抽出部109と、デューティ識別部105によって識別されたデューティ比又はデューティ抽出部109によって抽出されたデューティ比に基づいて接点信号を生成する接点信号生成部106とをさらに含む。これにより、1つのPWM入力信号によって複数の情報表示装置1−1〜1−nを制御することが可能となり、複数の情報表示装置1−1〜1−nの導入容易性が高まる。特に、複数の情報表示装置1−1〜1−nの通信部107同士が無線通信可能な場合にはPWM信号を搬送する通信線Lが1系統(一対の2線式配線)で済み、情報表示装置1−1〜1−n及び情報表示システム5の敷設容易性が高まる。
【0071】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0072】
(1)実施形態の併用
上記第2の実施形態(通信信号を通信端末40又は45と通信する形態)と第3の実施形態(通信信号を他の情報表示装置1と通信する形態)とを個別の実施形態として示したが、双方の技術は併用可能である。また、第3の実施形態の情報表示装置1−1については、第2の実施形態の変形例において示したように、CPU100の代わりに電子回路110が採用されてもよい(
図2A、
図2B及び
図4参照)。
【0073】
(2)照明制御システム2及び3の使用態様
上記各実施形態では、照明制御システム2及び3が専ら情報表示装置1の制御に使用される構成を示した。一方、照明制御システム2及び3が、情報表示装置1だけでなく照明装置(又は照明装置群)にも接続され、情報表示装置1及び照明装置を並行して個別に(すなわち、別系統で)制御するために使用されてもよい。この場合、照明制御システム2においては、照明コントローラ20に対して、制御対象の系統数分の調光端末機が接続される。また、照明制御システム3においては、照明制御端末30に対して、制御対象の系統数分のノード、又はゲートウェイ及びノードが設けられる。