(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記付着判定モードにて、前記報知音出力部における前記報知音の出力レベルを、当該付着判定モード以外の場合よりも上昇させるように構成された、請求項4に記載の物体検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、実施形態に対して適用可能な各種の変更については、変形例として、一連の実施形態の説明の後に、まとめて説明する。
【0009】
(構成)
図1及び
図2を参照すると、車両10は、いわゆる四輪自動車であって、平面視にて略矩形状の車体11を備えている。以下、車高方向(即ち重力作用方向:
図2における上下方向)と直交し且つ車両中心線LCと直交する方向を、「車幅方向」と称する。
図1において、車幅方向は、図中左右方向に相当する。また、車両中心線LCと平行な方向における一方(
図1における上方向)を「車両進行方向」と称する。車両10及び車体11における車両進行方向側を「前側」と称し、反対側を「後側」と称する。
【0010】
車体11における前側の端部には、フロントバンパー12及びフロントグリル13が装着されている。
図2に示されているように、フロントグリル13は、フロントバンパー12の上方に配置されている。フロントバンパー12の前面であるバンパー外面14は、車両10の外表面15の一部を構成する面であって、前方すなわち車両進行方向に向けて露出するように設けられている。
【0011】
車両10には、物体検知装置20が搭載されている。物体検知装置20は、いわゆるクリアランスソナー装置であって、車両10の周囲における物体の存在及び接近状態(例えば距離)を検知するように構成されている。具体的には、物体検知装置20は、ソナーECU21と、車速センサ22と、温度センサ23と、超音波センサ24及び25と、報知音出力部26と、スピーカECU27と、ダイアグ報知部28とを備えている。ECUはElectric Control Unitの略である。
【0012】
制御部に相当するソナーECU21は、物体検知装置20の全体を制御するように設けられている。本実施形態においては、ソナーECU21は、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性RAM(例えばフラッシュROM)等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータであって、CPUがROM又は不揮発性RAMからプログラムを読み出して起動することで各種の制御動作を実現可能に構成されている。
【0013】
車速センサ22は、ソナーECU21に電気接続されている。車速センサ22は、車両10の走行速度に対応する信号(例えば電圧)を発生して、この信号をソナーECU21に入力するように設けられている。車両10の走行速度を以下「車速」と略称する。温度センサ23は、ソナーECU21に電気接続されている。温度センサ23は、車外温度、即ち車両10の周囲の外気温に対応する信号(例えば電圧)を発生して、この信号をソナーECU21に入力するように設けられている。
【0014】
超音波センサ24及び25は、車両10の外表面15に面して配置されている。本実施形態においては、超音波センサ24及び25は、車両10における前側の端部に設けられている。即ち、超音波センサ24及び25は、バンパー外面14に面するように、フロントバンパー12に装着されている。
【0015】
具体的には、超音波センサ24は、図示しない運転者が車両10の内部から車両進行方向に沿って見た場合に、フロントバンパー12の左隅に設けられている。一方、超音波センサ25は、図示しない運転者が車両10の内部から車両進行方向に沿って見た場合に、フロントバンパー12の右隅に設けられている。超音波センサ24と超音波センサ25とは、平面視にて、車両中心線LCに関して線対称に配置されている。
【0016】
超音波センサ24及び25は、超音波である探査波を車両10の外側(具体的には前方)に向けて発信するとともに、探査波の反射波を含む受信波を受信するように構成されている。また、超音波センサ24は、その共振周波数が超音波センサ25と同一となるように構成されている。即ち、超音波センサ24及び25は、同一周波数の探査波を発信するように設けられている。
【0017】
超音波センサ24及び25は、ソナーECU21による制御下で探査波の発信及び受信波の受信を行うように、ソナーECU21に電気接続されている。即ち、ソナーECU21は、超音波センサ24及び25の各々における探査波の発信を制御するとともに、超音波センサ24及び25の各々における受信波に基づいて、車両10に対する物体の接近状態(即ち接近物体の有無及び接近物体との距離)を検知するように構成されている。
【0018】
報知音出力部26は、報知音を出力するスピーカであって、車体11における前側の端部に配置されている。報知音は、車両10の存在を当該車両10の外部に報知するための警告音であって、車両接近報知音とも称されるものである。本実施形態においては、報知音出力部26は、フロントバンパー12の内側にて、前方及び側方を含む広範囲にて報知音が可聴となるように設けられている。
【0019】
報知音出力部26は、スピーカECU27を介して、ソナーECU21に電気接続されている。スピーカECU27は、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性RAM(例えばフラッシュROM)等を備えた、いわゆる車載マイクロコンピュータであって、CPUがROM又は不揮発性RAMからプログラムを読み出して起動することで、報知音出力部26の動作制御を含む各種の制御動作を実現可能に構成されている。具体的には、スピーカECU27は、ソナーECU21を介して受信した、車速に対応する信号等に基づいて、報知音出力部26における報知音の出力状態を制御するように構成されている。即ち、報知音出力部26及びスピーカECU27によって、いわゆる車両接近通報装置が構成されている。
【0020】
また、本実施形態においては、スピーカECU27は、付着判定モードである旨の通知をソナーECU21から受けた場合に、報知音の出力レベルを通常時(即ち付着判定モード以外の場合)よりも上昇させるように構成されている。付着判定モードとは、物体検知装置20における、超音波センサ24及び25における異物付着の有無を判定する動作モードである。
【0021】
ソナーECU21は、超音波センサ24からの探査波の発信に伴う超音波センサ24における残響波に基づいて、超音波センサ24における異物付着の有無を判定するように構成されている。同様に、ソナーECU21は、超音波センサ25からの探査波の発信に伴う超音波センサ25における残響波に基づいて、超音波センサ25における異物付着の有無を判定するように構成されている。更に、ソナーECU21は、超音波センサ24による報知音の受信レベルに基づいて超音波センサ24における異物付着の有無を判定するとともに、超音波センサ25による報知音の受信レベルに基づいて超音波センサ25における異物付着の有無を判定するように構成されている。
【0022】
ダイアグ報知部28は、ソナーECU21が超音波センサ24及び25の少なくともいずれか1つにおける異物付着を判定した場合に異常を報知するように、ソナーECU21に電気接続されている。具体的には、ダイアグ報知部28は、超音波センサ24及び25の少なくともいずれか1つにおける異物付着が判定された場合に、車両10の室内にて警告灯、警告表示、及び/又は警告音を発生するように設けられている。
【0023】
(動作概要)
以下、物体検知装置20における動作の概要について説明する。ソナーECU21は、所定条件が成立した場合に、付着判定モードを開始する。所定条件は、例えば、車速が所定範囲(例えば15km/h以上且つ30km/h未満)であることを含む。付着判定モードにおいては、ソナーECU21は、上記のように、残響波に基づく異物付着判定を行う。なお、残響波に基づく異物付着判定は、本願の出願時において既に周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
また、ソナーECU21は、残響波に基づく異物付着判定にて異物付着が無いと判定した場合であっても、報知音の受信レベルに基づく異物付着判定を行う。報知音の受信レベルに基づく異物付着判定においては、ソナーECU21は、報知音の受信レベルが所定閾値未満である場合に、該当する超音波センサ24又は25における異物付着を判定する。
【0025】
ところで、報知音の出力条件と、付着判定モードの開始のための所定条件とは異なる。即ち、例えば、車速に関しては、報知音は、スピーカECU27の制御により、0km/h発進時から所定車速(例えば約25km/h)までの車速域にて自動的に出力される。また、報知音は、ダッシュボード等に設けられた選択スイッチの操作によって、車速等の走行条件にかかわらず常時出力オフとされ得る。一方、上記の通り、付着判定モードの開始のための車速条件は、例えば、15km/h以上且つ30km/h未満である。
【0026】
故に、付着判定モード中であっても、報知音の通常の出力条件が満たされない場合があり得る。そこで、ソナーECU21は、付着判定モードにて、強制的に報知音出力部26に報知音を出力させるように、スピーカECU27に指令信号を送信する。
【0027】
また、超音波センサ24及び25は、超音波域の共振周波数を有している。これに対し、報知音は、可聴域の周波数を有している。更に、路面状況等によっては、超音波センサ24及び25に異物が全く付着していない状態においても、報知音の受信レベルが充分なレベルに達しなくなる懸念がある。このため、本実施形態においては、ソナーECU21は、付着判定モード中は通常の報知音出力時よりも出力レベルが高くなるように、スピーカECU27に指令信号を送信する。
【0028】
(動作例)
以下、本実施形態の構成による具体的な動作例について、フローチャートを用いて説明する。図面及び明細書中の以下の説明において、「ステップ」を単に「S」と略記する。また、
図3のフローチャートの説明において、ソナーECU21のCPUを、単に「CPU」と略称する。
【0029】
CPUは、所定の起動条件(例えばシステム起動スイッチが「オン」されてから所定時間経過後であり且つ所定の実行タイミングが到来したこと等)が成立した場合に、
図3に示した異物付着検知ルーチンを起動する。
【0030】
図3に示した付着検知ルーチンが起動されると、まず、S30にて、CPUは、車速センサ22の出力に基づいて車速VSを取得し、取得した車速VSが所定値VS1(例えば15km/h)以上であるか否かを判定する。車速VSが所定値VS1未満である場合(即ちS30=NO)、CPUは、S31以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを一旦終了する。よって、車速VSが所定値VS1以上であるものとして(即ちS30=YES)、以下の動作例の説明を続行する。
【0031】
次に、S31にて、CPUは、上記の車速VSが所定値VS2(例えば30km/h)未満であるか否かを判定する。車速VSが所定値VS2以上である場合(即ちS31=NO)、CPUは、S32以降の処理をすべてスキップして、本ルーチンを一旦終了する。よって、車速VSが所定値VS2未満であるものとして(即ちS31=YES)、以下の動作例の説明を続行する。
【0032】
続いて、S32にて、CPUは、超音波センサ24及び25の各々における残響波の検出状態(即ち残響波データ)を取得する。具体的には、CPUは、例えば、従来技術と同様に、超音波センサ24及び25の各々における、残響波の長さを取得する。その後、CPUは、処理をS33に進行させる。S33にて、CPUは、取得した残響波データと閾値とに基づいて、超音波センサ24及び25の各々における異物付着の有無を判定する。
【0033】
超音波センサ24又は25にて異物付着があることが判定された場合、S33の判定が異常即ち「NO」となる。この場合、CPUは、S34の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S34にて、CPUは、異常時の処理を実行する。具体的には、CPUは、ダイアグ報知部28を介して、運転者に異常を報知する。一方、超音波センサ24又は25にて異物付着がないことが判定された場合、S33の判定が正常即ち「YES」となる。この場合、CPUは、処理をS35に進行させる。
【0034】
上記のような、残響波を用いた判定手法では、異物付着があっても正常判定(即ちS33=YES)がなされてしまうことがあり得る。即ち、例えば、低密度の雪(いわゆる「ふわふわ」な雪)が付着した場合、異物付着がない正常状態からの残響波の変化が小さい。一方、低密度の雪が付着した超音波センサ24等においては、付着した雪による吸収のため、受信波の受信は困難となる。このため、残響波を用いた従来の判定手法では、低密度の雪が超音波センサ24又は25に付着した場合等、異物付着判定がないにもかかわらず超音波センサ24等を用いた物体検知が良好には行えない場合が生じ得る。
【0035】
そこで、CPUは、残響波を用いた異物付着判定手法によって正常判定がなされた場合(即ちS33=YES)であっても、S35にて、スピーカECU27を介して報知音出力部26を制御することで、報知音出力部26に「基準音」としての報知音を出力させる。この「基準音」としての報知音は、上記の通り、通常の報知音出力時よりも、出力レベル(即ち音圧)が高く設定されている。また、CPUは、続くS36にて、超音波センサ24及び25の各々における、基準音の受信レベル(具体的には検出電圧)Vdが、所定閾値Vd1以上であるか否かを判定する。
【0036】
超音波センサ24及び25にて、基準音の受信レベルVdが所定閾値Vd1以上である場合(即ちS36=YES)、CPUは、S37の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S37にて、CPUは、正常時の処理を実行する。即ち、CPUは、ダイアグ報知部28を介しての運転者への異常報知を行わない。一方、超音波センサ24又は25にて、基準音の受信レベルVdが所定閾値Vd1未満である場合(即ちS36=NO)、CPUは、S34の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。
【0037】
図4は、スピーカECU27によって実行される、報知音出力部26の駆動を制御するためのルーチンである。
図4のフローチャートの説明において、スピーカECU27のCPUを、単に「CPU」と略称する。CPUは、システム起動スイッチが「オン」されてから所定タイミング毎(例えば2msec毎)に、
図4に示した報知音出力ルーチンを起動する。
【0038】
図4に示した報知音出力ルーチンが起動されると、まず、S41にて、CPUは、通常の報知音出力条件が成立しているか否かを判定する。この条件には、例えば、0km/h発進時から所定車速(例えば約25km/h)までの車速域であって、且つ上記の選択スイッチの操作による出力オフ設定がなされていないことが含まれる。通常の報知音出力条件が成立している場合(即ちS41=YES)、CPUは、S42の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S42にて、CPUは、報知音出力部26に、車速に応じた通常出力にて報知音を出力させる。
【0039】
通常の報知音出力条件が成立していない場合(即ちS41=NO)、CPUは、処理をS43に進行させる。S43にて、CPUは、
図3のフローチャートにおけるS35による異物付着判定用の強制的な報知音出力指令があるか否かを判定する。異物付着判定用の強制的な報知音出力指令がある場合(即ちS43=YES)、CPUは、S44の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S44にて、CPUは、上記の通り、通常の報知音出力時よりも出力レベルを高く設定して、報知音出力部26に報知音(即ち基準音)を出力させる。具体的には、CPUは、通常の報知音出力時における最高出力よりも、出力レベルをさらに高く設定する。
【0040】
通常の報知音出力条件が成立しておらず(即ちS41=NO)、且つ異物付着判定用の強制的な報知音出力指令もない場合(即ちS43=NO)、CPUは、S45の処理を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。S45にて、CPUは、報知音出力部26における報知音の出力をオフさせる。
【0041】
(効果)
以上の説明から明らかなように、本実施形態の構成によれば、超音波センサ24における、通常の異物、例えば、泥又は平均的な密度の(即ち「ふわふわ」ではない)雪の付着は、超音波センサ24からの探査波の発信に伴う超音波センサ24それ自身の残響波に基づいて、良好に検知される。超音波センサ25についても同様である。
【0042】
一方、残響波を用いた手法では良好に検知できない異物、例えば「ふわふわ」な雪の付着は、超音波センサ24,25とは別に設けられた報知音出力部26から出力された基準音の受信レベルに基づいて、良好に検知される。したがって、本実施形態によれば、付着した異物の性質にかかわらず、良好な異物付着検知が行われ得る。即ち、本実施形態によれば、異物付着(特に着雪)判定の正確性が、よりいっそう向上する。
【0043】
また、本実施形態においては、基準音の出力は、電気自動車、ハイブリッド自動車等に標準的に搭載される、車両接近報知音出力機構(即ち報知音出力部26及びスピーカECU27)を利用して行われる。したがって、本実施形態によれば、追加的な装置構成を用いることなく、異物付着判定の正確性をよりいっそう向上することが可能となる。
【0044】
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対しては適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一又は均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾又は特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
【0045】
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な装置構成に限定されない。即ち、例えば、車両10は、四輪自動車に限定されない。具体的には、車両10は、三輪自動車であってもよいし、貨物トラック等の六輪又は八輪自動車でもよい。また、車両10は、電気自動車又はハイブリッド自動車には限定されない。報知音出力部26は、警笛装置であってもよい。
【0046】
超音波センサ24等の配置及び個数も、特に限定はない。例えば、複数の超音波センサ24等のうちの一部は、フロントグリル13に装着され得る。報知音出力部26の配置も、特に限定はない。例えば、報知音出力部26は、フロントグリル13に装着され得る。また、スピーカECU27は、ソナーECU21と一体化されていてもよい。
【0047】
上記実施形態においては、ソナーECU21は、CPUがROM等からプログラムを読み出して起動する構成であった。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。即ち、例えば、ソナーECU21は、上記のような動作を可能に構成されたデジタル回路、例えばゲートアレイ等のASICであってもよい。ASICはAPPLICATION SPECIFIC INTEGRATED CIRCUITの略である。スピーカECU27についても同様である。
【0048】
本発明は、上記実施形態にて示された具体的な動作例及び処理態様に限定されない。例えば、基準音を用いない通常の異物付着検知は、残響波の長さを用いた手法に限定されない。即ち、例えば、周波数の変化を用いた異物付着検知が行われてもよい。
【0049】
付着判定モードの開始条件も、上記の具体例に限定されない。即ち、例えば、付着判定モードが開始される車速域、外気温範囲、システム起動時間、等は、適宜設定され得る。
【0050】
図5は、
図3のフローチャートを一部改変したものである。
図5におけるS51〜S57の各処理は、それぞれ、
図3におけるS31〜S37の各処理と同一である。よって、
図5における、
図3と異なる部分のみについて、以下説明する。
【0051】
図5に示した本変形例の付着検知ルーチンが起動されると、まず、S50にて、CPUは、車速センサ22の出力に基づいて車速VSを取得し、取得した車速VSが所定値VS1以上であるか否かを判定する。即ち、S50の判定処理内容自体は、
図3におけるS30と同様である。取得した車速VSが所定値VS1以上である場合(即ちS30=YES)、それ以降の処理は
図3と同様である。これに対し、車速VSが所定値VS1未満である場合(即ちS50=NO)の処理は、
図3のフローチャートとは異なる。
【0052】
具体的には、本変形例においては、車速VSが所定値VS1未満である場合(即ちS50=NO)、CPUは、処理をS58に進行させる。S58にて、CPUは、温度センサ23の出力に基づいて車外温度ATを取得し、取得した車外温度ATが閾値温度AT0(例えば2℃)未満であるか否かを判定する。
【0053】
車外温度ATが閾値温度AT0以上である場合(即ちS58=NO)、CPUは、本ルーチンを一旦終了する。これに対し、車外温度ATが閾値温度AT0未満である場合(即ちS58=YES)、CPUは、処理をS55に進行させ、基準音を用いた異物付着の有無の検知(即ち「ふわふわ」な雪の付着をも判定可能な異物付着検知)を行う。これ以降のS55〜S57及びS54の処理は、
図3におけるS35〜S37及びS34の処理と同様である。
【0054】
本変形例においては、車両10の停止中、及び0km/h発進時から所定の低速領域においても、異物付着検知が行われる。したがって、本変形例によれば、異物付着が検知された場合の、その後の対処(即ち例えば異物の除去)が、より迅速に行われ得る。なお、
図5において、S58と同様の処理が、S53の直後にも設けられてもよい(この場合には同処理はS59となる)。あるいは、
図5のフローチャートにおける、S58の処理を設ける位置は、S53の直後に移動され得る。
【0055】
各判定処理における不等号は、等号付きであってもよいし、等号無しであってもよい。即ち、例えば、「閾値以上」は、「閾値を超える」に変更され得る。
【0056】
変形例も、上記の例示に限定されない。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。更に、上記実施形態の全部又は一部と、変形例の全部又は一部とが、互いに組み合わされ得る。