特許第6686921号(P6686921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6686921リレー装置およびリレー装置とリレーボックスとの接続構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6686921
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】リレー装置およびリレー装置とリレーボックスとの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/30 20060101AFI20200413BHJP
   H01H 50/04 20060101ALI20200413BHJP
   H01H 50/02 20060101ALI20200413BHJP
   H01R 13/533 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   H01H50/30 G
   H01H50/04 B
   H01H50/04 M
   H01H50/02 S
   H01R13/533 D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-17671(P2017-17671)
(22)【出願日】2017年2月2日
(65)【公開番号】特開2018-125211(P2018-125211A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年5月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】アンデン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野々山 真行
(72)【発明者】
【氏名】川上 広紀
(72)【発明者】
【氏名】大下 慎史
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】栗田 真吾
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−142210(JP,A)
【文献】 特開2003−132774(JP,A)
【文献】 実開昭63−043313(JP,U)
【文献】 実開昭57−094146(JP,U)
【文献】 特開2004−152637(JP,A)
【文献】 特開2007−087952(JP,A)
【文献】 特開2007−020357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00−50/92
H01R 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル(14a)への通電により磁気吸引力を発生させる電磁石(14)と、
前記磁気吸引力に基づいて可動させられる可動接点(17)と、
前記磁気吸引力に基づいて可動させられた前記可動接点と電気的に接続されると共に、前記磁気吸引力が解除されることで前記可動接点との電気的接続が遮断される固定接点(18)と、
前記コイルに対して接続される第1ターミナル(11a)および第2ターミナル(11b)と、前記可動接点に接続される第3ターミナル(11c)および前記固定接点に接続される第4ターミナル(11d)と、
一面に中空部を開口させる開口部が形成され、前記電磁石と前記可動接点および前記固定接点を前記中空部に収容するケース(12)と、
前記ケースにおける前記開口部を蓋締めすると共に、前記第1〜第4ターミナルが前記ケースの外部に突き出して配置されたベース(13)と、を有し、
リレーボックス(20)に備えられるコネクタ(20a)に対して前記第1〜第4ターミナルが電気的に接続されるリレー装置であって、
前記ケースと前記ベースの少なくとも一方には、前記第1〜第4ターミナルが突き出す方向に突き出しており、前記第1〜第4ターミナルが前記コネクタに接続されたときに折り曲げられる状態となり、かつ、前記ベースと前記リレーボックスとの間に挟み込まれた状態となる突起部(12c、13c)が備えられているリレー装置。
【請求項2】
前記ケースは、前記開口部と対向する一面となる底部(12a)と、該底部に対して垂直に立設された側面(12b)とを備えた中空部を有する有底形状で構成され、
前記突起部(12c)は、前記ケースに形成されていると共に、前記側面における前記底部と反対側の端部から前記側面の面方向に沿って突き出している請求項1に記載のリレー装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記開口部と対向する一面となる底部(12a)と、該底部に対して垂直に立設された側面(12b)とを備えた中空部を有する有底形状で構成され、
前記突起部(13c)は、前記ベースのうち前記ケースから露出させられる一面であって前記底部と反対側の一面に形成されていると共に、前記側面の面方向に沿って突き出している請求項1または2に記載のリレー装置。
【請求項4】
前記ケースに対して前記ベースが挿入されている方向を挿入方向として、
前記突起部のうち前記ケースにおける前記開口部側となる内方側の一面に、前記挿入方向に対して垂直方向に伸びる溝部(12ca)が形成されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載のリレー装置。
【請求項5】
前記突起部のうち前記ケースにおける前記開口部と反対側となる外方側の一面に、該突起部の先端に向かうほど該突起部の厚みが薄くなるようにする傾斜面(12cc)が形成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のリレー装置。
【請求項6】
コイル(14a)への通電により磁気吸引力を発生させる電磁石(14)と、
前記磁気吸引力に基づいて可動させられる可動接点(17)と、
前記磁気吸引力に基づいて可動させられた前記可動接点と電気的に接続されると共に、前記磁気吸引力が解除されることで前記可動接点との電気的接続が遮断される固定接点(18)と、
前記コイルに対して接続される第1ターミナル(11a)および第2ターミナル(11b)と、前記可動接点に接続される第3ターミナル(11c)および前記固定接点に接続される第4ターミナル(11d)と、
一面に中空部を開口させる開口部が形成され、前記電磁石と前記可動接点および前記固定接点を前記中空部に収容するケース(12)と、
前記ケースにおける前記開口部を蓋締めすると共に、前記第1〜第4ターミナルが前記ケースの外部に突き出して配置されたベース(13)と、を有するとリレー装置と、
前記第1〜第4ターミナルが電気的に接続されるコネクタ(20a)を有するリレーボックス(20)と、の接続構造であって、
前記リレー装置は、前記ケースと前記ベースの少なくとも一方に、前記第1〜第4ターミナルが突き出す方向に突き出しており、前記第1〜第4ターミナルが前記コネクタに接続された状態において折り曲げられた状態となっており、かつ、前記ベースと前記リレーボックスとの間に挟み込まれた状態となっている突起部(12c、13c)を備えているリレー装置とリレーボックスとの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナルを通じてコネクタが備えられたリレーボックスとの電気的接続が行われるリレー装置およびリレー装置とリレーボックスとの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リレー装置は、コイルに電流を流すことにより生じる電磁吸引力に基づいて接点機構を作動させ、接点の開閉を行う精密部品である。リレー装置では、振動や衝撃などの外部からの応力によって変形もしくは特性変化が生じ、異常動作が行われたり、故障するという問題がある。特に、車両に搭載されるリレー装置では、車両のエンジン振動や悪路走行時の振動によって発生する応力が異常動作や故障に繋がる。
【0003】
このため、従来では、リレー装置をブラケットに取り付けたり、リレー装置が接続されるコネクタが備えられたリレーボックスとリレー装置との間に緩衝部材を配置することにより、外部からの応力よりリレー装置を保護することが行われている。また、リレー装置のうちターミナルが引き出される底面やその周囲の側面を囲むように、ゴムもしくはスポンジ材料等によって構成される保護部品をリレー装置に装着し、保護部品を緩衝部材として機能させることも行われている。
【0004】
さらに、特許文献1においては、リレー装置が取り付けられるリレーボックスのカバーの表面にリレー装置の外形と対応するガイド壁を立設し、ガイド壁の内壁面、つまりリレー装置と対向する面に突起を設ける構造が提案されている。このような構造とすることで、リレー装置がガイド壁に備えられた突起に挟持されるようにし、リレー装置のガタ付き防止を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−20357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、リレーボックスとリレー装置との間に緩衝部材を配置したり、リレー装置に保護部品を装着する構造では、緩衝部材や保護部品が必要になるため、部品点数の増加およびそれによるコスト高を招く。また、保護部品を用いる場合、リレー装置よりも一回り大きな保護部品の取り付けスペースが必要になり、製品サイズの大型化も招くことになる。
【0007】
さらに、特許文献1のように、リレーボックスのカバーにガイド壁および突起を設ける場合、リレーボックスの構造が複雑になるのに加えて、ガイド壁および突起を設けるためのスペースが必要になり、製品サイズの大型化を招く。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、緩衝部材などを別部品として備えなかったとしても、また、製品サイズの大型化を必要としなくても、外部からの応力の影響を抑制することができるリレー装置およびリレー装置とリレーボックスとの接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のリレー装置は、コイル(14a)への通電により磁気吸引力を発生させる電磁石(14)と、磁気吸引力に基づいて可動させられる可動接点(17)と、磁気吸引力に基づいて可動させられた可動接点と電気的に接続されると共に、磁気吸引力が解除されることで可動接点との電気的接続が遮断される固定接点(18)と、コイルに対して接続される第1ターミナル(11a)および第2ターミナル(11b)と、可動接点に接続される第3ターミナル(11c)および固定接点に接続される第4ターミナル(11d)と、一面に中空部を開口させる開口部が形成され、電磁石と可動接点および固定接点を中空部に収容するケース(12)と、ケースにおける開口部を蓋締めすると共に、第1〜第4ターミナルがケースの外部に突き出して配置されたベース(13)と、を有し、リレーボックス(20)に備えられるコネクタ(20a)に対して第1〜第4ターミナルが電気的に接続される。このような構成において、ケースとベースの少なくとも一方に、第1〜第4ターミナルが突き出す方向に突き出しており、第1〜第4ターミナルがコネクタに接続されたときに折り曲げられる状態となり、かつ、ベースとリレーボックスとの間に挟み込まれた状態となる突起部(12c、13c)を備える。
【0010】
このように、ケースとベースの少なくとも一方に突起部を備え、リレー装置をリレーボックスに接続したときに、突起部が折り曲げられるようにしつつ、リレー装置とリレーボックスとの間に挟み込まれた状態となるようにしている。このため、突起部が緩衝部材として機能するようにでき、リレー装置を振動や衝撃などの外部からの応力から保護することが可能となる。
【0011】
例えば、請求項2に記載したように、ケースを、開口部と対向する一面となる底部(12a)と、該底部に対して垂直に立設された側面(12b)とを備えた中空部を有する有底形状で構成し、突起部(12c)を、ケースに形成し、ケースの側面における底部と反対側の端部から側面の面方向に沿って突き出す構造とすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載したように、突起部(13c)を、ベースのうちケースから露出させられる一面であってケースの底部と反対側の一面に形成し、ケースの側面の面方向に沿って突き出す構造とすることもできる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、ケースに対してベースが挿入されている方向を挿入方向として、突起部のうちケースにおける開口部側となる内方側の一面に、挿入方向に対して垂直方向に伸びる溝部(12ca)を形成している。
【0014】
このような、突起部に対して溝部を形成することで、突起部が所望方向に折れ曲がり易くなるようにできる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、突起部のうちケースにおける開口部と反対側となる外方側の一面に、該突起部の先端に向かうほど該突起部の厚みが薄くなるようにする傾斜面(12cc)を形成している。
【0016】
このように、突起部に対して傾斜面を形成することで、突起部が所望方向に折れ曲がり易くなるようにできる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の構造のリレー装置とリレーボックスとの接続構造に関するものであり、請求項1と同様の特徴を有している。このように、リレー装置とリレーボックスとの接続構造において、請求項1に記載の構造のリレー装置を適用することにより、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態にかかるリレー装置の斜視図である。
図2図1に示すリレー装置をリレーボックスに接続するときの様子を示した部分断面図である。
図3】ケースの斜視図である。
図4】突起部の拡大図である。
図5】ベースにおける外部壁の斜視図である。
図6】リレー装置をリレーボックスに接続した状態を示した部分断面図である。
図7】第2実施形態にかかるリレー装置に備えられるベースの外部壁の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0021】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるリレー装置およびリレー装置とリレーボックスとの接続構造について説明する。本実施形態にかかるリレー装置は、例えば車両に搭載され、コイルに電流を流すことにより生じる電磁吸引力に基づいて接点機構を作動させ、接点の開閉を行うことで、車載部品への電力の供給のオンオフを行うものとして適用される。
【0022】
図1および図2に示すように、リレー装置10は、例えば、底面10aと上面10bおよび底面10aと上面10bとの間に位置する側面10cを有した長方体状で構成されており、底面10aから突き出されたターミナル11を備えている。このターミナル11が図2に示すようにリレーボックス20に備えられたコネクタ20aに接続されることで、リレー装置10は、コネクタ20aに繋がる図示しない配線、すなわち車載部品への電力の供給を行うための配線のオンオフを制御する。
【0023】
より詳しくは、リレー装置10は、ターミナル11に加えて、ケース12、ベース13、電磁石14、ヨーク15、アーマチャプレート16、可動接点17、固定接点18などを備えている。
【0024】
ケース12は、中空部を有する有底形状、具体的には有底長方体形状で構成され、底部12aがリレー装置10の上面10bを構成していると共に、底部12aに対して垂直に立設された各側面12bがリレー装置10における側面10cを構成している。そして、ケース12は、底部12aと反対側の一面において開口部とされており、この開口部を通じて、リレー装置10を構成する各部が収容されると共に、ベース13によって開口部の入口側を蓋締めすることで、リレー装置10が構成されている。
【0025】
また、本実施形態では、図3に示すように、ケース12のうちの開口部側の四隅、より詳しくは、ケース12を底部12aに対する法線方向から見たときに、4つの側面12bのうちの相対する短辺を構成する二辺の両端に、突起部12cが備えられている。突起部12cは、リレー装置10をリレーボックス20に接続する前の状態においては、側面12bから底部12aに対する法線方向に延設させるように、側面12bのうち底部12aと反対側の端部から側面12bの面方向に沿って突き出す構造とされている。
【0026】
突起部12cの形成高さ、つまりケース12のうちの開口部側の端面から突起部12c
の先端までの距離は、リレー装置10をリレーボックス20に接続したときの両者の間隔に応じて設定されている。ここでは、突起部12cの形成高さがリレー装置10とリレー
ボックス20との間隔よりも大きくなるようにしてある。また、突起部12cの厚みについては任意であるが、本実施形態の場合、基本的には突起部12cは側面12bと同じ厚みとされており、部分的に側面12bよりも厚みが薄くされることで、突起部12cが所望方向に折れ曲がり易くなるようにしてある。
【0027】
具体的には、図4に示すように、突起部12cのうちケース12の内方側の一面に、挿入方向に対して垂直方向に伸びる溝部12caが形成されている。この溝部12caにより、突起部12cには、突起部12cの厚みを部分的に他の部分よりも薄くした脆弱部12cbが形成されている。溝部12caおよび脆弱部12cbの形成高さ、つまりケース
12のうちの開口部側の端面から溝部12caおよび脆弱部12cbまでの距離は、リレー装置10をリレーボックス20に接続したときの両者の間隔に応じて設定されている。ここでは、溝部12caおよび脆弱部12cbの形成高さがリレー装置10とリレーボッ
クス20との間隔以上となるようにしてある。
【0028】
さらに、突起部12cの先端のうちケース12の外方側の一面には、突起部12cの先端に向かうほど突起部12cの厚みが薄くなるようにした傾斜面12ccが形成されている。
【0029】
本実施形態の場合、このように構成された突起部12cが緩衝部材として機能することになるが、その詳細については後述する。
【0030】
ベース13は、ケース12の内部に収容されるリレー装置10の構成部品を搭載して一体化するための土台となるものである。ベース13に搭載したリレー装置10の構成部品がケース12の内部に収容されるように、ベース13の一部およびリレー装置10の構成部品をケース12の開口部より挿入することで、リレー装置10が構成される。
【0031】
具体的には、ベース13は、ケース12の内部に挿入される内部壁13aと、ケース12の外部に位置する外部壁13bとを有した構成とされている。内部壁13aは、ケース12の開口部と対応する形状とされ、外部壁13bからケース12への挿入方向(以下、ベース13のケース12への挿入方向を単に挿入方向といい、その反対方向を反挿入方向という)に突出した形状とされている。外部壁13bは、内部壁13aよりも挿入方向の後方側に位置し、挿入方向に対する垂直方向の寸法が内部壁13aの寸法よりも大きくされたフランジ状部分である。内部壁13aがケース12に挿入されたときに、外部壁13bがケース12のうち開口部側の先端と当接するようになっている。
【0032】
ただし、図5に示されるように、外部壁13bのうち複数の突起部12cそれぞれと対応する部分には凹部13baが形成されており、この凹部13ba内を通過して突起部12cが外部壁13bよりも反挿入方向に突き出すようになっている。
【0033】
なお、図5は、ベース13のうちの外部壁13bの部分のみを図示したものであり、実際には、外部壁13bと一体化された内部壁13aが備えられることでベース13が構成されている。
【0034】
電磁石14は、コイル14aと樹脂などで構成されたボビンを構成するスプール14bとを有し、スプール14bにコイル14aが巻回された構成とされており、コイル14aへの通電により磁気吸引力を発生させる。なお、スプール14bには図示しない固定鉄心が配置されている。
【0035】
ヨーク15は、固定鉄心に連結されている。本実施形態の場合、ヨーク15は、電磁石14に対して挿入方向の前方側に配置されている。
【0036】
アーマチャプレート16は、可動接点17側の板バネを構成するものであり、ヨーク15と可動接点17とを連結すると共に可動接点17を可動とする。
【0037】
可動接点17は、一端がアーマチャプレート16に連結されており、他端が電磁石14の磁気吸引力に基づいて電磁石14側に移動させられる。
【0038】
固定接点18は、可動接点17よりも電磁石14側に配置され、電磁石14の磁気吸引力によって可動接点17が吸引させられたときに可動接点17と電気的に接続され、電磁石14の磁気吸引力が解除されると可動接点17との電気的接続が遮断からされる。
【0039】
ターミナル11は、コイル14aのプラス端子を構成する第1ターミナル11aとマイナス端子を構成する第2ターミナル11b、可動接点17に接続された第3ターミナル11c、および、固定接点18に接続された第4ターミナル11dにより構成されている。これら各ターミナル11a〜11dは、ベース13の外部壁13bを貫通してケース12の内側に露出させられている共に、ケース12の外側において反挿入方向に突き出されている。そして、各ターミナル11a〜11dのうちケース12の内側に露出させられている部分それぞれが、コイル14aを構成する配線の一端と他端に接続されていると共に、可動接点17や固定接点18と接続されている。
【0040】
このような構造により、リレー装置10が構成されている。そして、このようなリレー装置10が、各ターミナル11a〜11dと対応するコネクタ20aに差し込まれることで、リレー装置10がリレーボックス20に接続される。
【0041】
このとき、図6に示すように、ケース12に備えられた突起部12cの先端がリレーボックス20に接触させられると、突起部12cがケース12の内方に向かって折り曲げられる。特に、突起部12cに溝部12caを形成することで脆弱部12cbにおいて突起部12cが折り曲がり易くなっており、所望位置で突起部12cを折り曲げることができる。さらに、突起部12cに傾斜面12ccを形成してあることから、突起部12cをケース12の内方に向かわせる方向に力を作用させられ、的確に突起部12cをケース12の内方に折り曲げることが可能となる。
【0042】
そして、折り曲げられた突起部12cがベース13とリレーボックス20との間に挟み込まれた状態で、リレー装置10がリレーボックス20に接続される。このように、リレー装置10がリレーボックス20に接続されている状態において、突起部12cがリレーボックス20に接触した状態となっていることから、突起部12cが緩衝部材として機能し、リレー装置10を振動や衝撃などの外部からの応力から保護することが可能となる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、ケース12に突起部12cを備え、リレー装置10をリレーボックス20に接続したときに、突起部12cが折り曲げられるようにしつつ、リレー装置10とリレーボックス20との間に挟み込まれた状態となるようにしている。このため、突起部12cが緩衝部材として機能するようにでき、リレー装置10を振動や衝撃などの外部からの応力から保護することが可能となる。
【0044】
このように、ケース12に備えた突起部12cを緩衝部材として機能させることが可能であるため、緩衝部材などを別部品として備えなくても良い。また、リレー装置10に対して別部品で緩衝部材や保護部材を備えるものではないし、リレーボックス20に対してガイド壁などを備えるものでもないため、製品サイズの大型化も招かない。したがって、緩衝部材などを別部品として備えなかったとしても、また、製品サイズの大型化を必要としなくても、外部からの応力の影響を抑制することができるリレー装置10およびリレー装置10とリレーボックス20との接続構造とすることが可能となる。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して緩衝部材として機能させる部分の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0046】
図7に示すように、本実施形態では、ベース13に対して突起部13cを形成している。具体的には、突起部13cは、ベース13における外部壁13bの露出面、つまりケース12の底部12aと反対側の一面から反挿入方向に向かって立設されている。突起部13cの形状については、第1実施形態で説明した突起部12cと同様であり、溝部13ca、脆弱部13cbおよび傾斜面13ccを有した構造とされている。
【0047】
このように、ベース13に対して突起部13cを形成するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0049】
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。例えば、第1実施形態で説明したケース12に突起部12cを形成しつつ、第2実施形態で説明したベース13に対しても突起部13cを形成するようにしても良い。
【0050】
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数等についても任意である。例えば、上記第1、第2実施形態で突起部12c、13cを4つずつ備える例を示してあるが、4つに限るものではなく、それ以下もしくはそれ以上の個数であっても良い。さらに、上記第1、第2実施形態では、リレー装置10に対して1つのリレーユニットが備えられる構造を例に挙げてある。しかしながら、これも一例を示したに過ぎず、リレー装置10として複数のリレーユニットが一体化されたものについても、第1、第2実施形態で説明した突起部12c、13cを備えることで、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、上記各実施形態で説明した突起部12c、13cは、第1〜第4ターミナル11a〜11dが突き出す方向と平行な方向に突き出した板状部材によって構成されている。しかしながら、これも一例を示したに過ぎず、突起部12c、13cが少なくとも第1〜第4ターミナル11a〜11dが突き出す方向に突き出していれば良く、この方向に平行な板状部材である必要はない。
【0052】
なお、上記実施形態では、突起部12c、13cが緩衝部材としての役割りを果たすことから、緩衝部材を別部品として備えなかったとしても、上記効果を得ることができる。しかしながら、突起部12c、13cの少なくとも一方と共に、例えば外部壁13bの露出面側に緩衝機能を有する接着剤や樹脂等を付ける等、緩衝部材として機能するものを備えることもできる。その場合、接着剤や樹脂などに突起状の部分を備えることで、さらに緩衝の役割りを持たせることもできる。
【符号の説明】
【0053】
10 リレー装置
12 ケース
12c、13c 突起部
12ca、13ca 溝部
12cc、13cc 傾斜面
13 ベース
14 電磁石
17 可動接点
18 固定接点
20 リレーボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7