(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者により乗車前に登録された行先階に係る新規行先階呼びを、それぞれ上かご及び下かごを有するn台(nは1以上の整数)の号機のいずれかのかごに割り当てるエレベータの運行制御装置であって、
前記新規行先階呼びの割り当てを行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記新規行先階呼びを各かごに仮割当して下記第1〜第6条件が成立するか否かを判断し、いずれの条件も成立しないかごのいずれかに前記新規行先階呼びを割り当てる、
(第1条件)前記新規行先階呼びが登録される前に割当済の割当済行先階呼びの割当かごが前記割当済行先階呼びの出発階から前記割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記割当かごが前記出発階で停止及び戸開して前記割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第2条件)前記割当かごが前記割当済行先階呼びの出発階から前記割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記割当かごを有する号機の他方のかごが前記割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して前記割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第3条件)前記割当かごが前記割当済行先階呼びの出発階から前記割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記割当かごを有する号機の他方のかごが前記割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して前記割当済行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること、
(第4条件)前記新規行先階呼びを仮割当した仮割当かごが前記新規行先階呼びの出発階から前記新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記仮割当かごが前記新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して前記新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第5条件)前記仮割当かごが前記新規行先階呼びの出発階から前記新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記仮割当かごを有する号機の他方のかごが前記新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して前記新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第6条件)前記仮割当かごが前記新規行先階呼びの出発階から前記新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、前記割当かごを有する号機の他方のかごが前記新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して前記新規行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること、
エレベータの運行制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムを模式的に示した図である。本実施の形態に係るエレベータシステムは、A号機、B号機、C号機の3台のエレベータ60A,60B,60Cを有する。また、A号機、B号機、C号機は、それぞれ上かご及び下かごを有する。各エレベータの上かご及び下かごは、1つの昇降路内で上下に重ねて配置される。各エレベータの上かごと下かごは、互いに結合され、昇降路内で一体的に移動する。
【0013】
図2は、各階のエレベータ乗場を模式的に示した図である。
図3は、行先階登録装置の外観を模式的に示した図である。本実施形態に係るエレベータシステムでは、乗場行先階登録方式を採用しており、ビルの各階のエレベータ乗場には、利用者による行先階の登録を受け付ける行先階登録装置30が設けられている。エレベータシステムは、受け付けた行先階を、複数台のエレベータの上かご及び下かごのうちのいずれかのかごに割り当て、
図3に例示するように、行先階登録装置30の表示部34に、登録された行先階と、当該行先階を割り当てた号機名及びかご名を表示する。
図3では、登録された14階をA号機の上かごに割り当てた例を示している。また、
図2に示すように、各階のエレベータ乗場には、複数台のエレベータ用の乗車扉Drの近傍において、それぞれ、号機名を記載した号機名表示板PLが設けられている。利用者は、自己の行先階に割り当てられたエレベータに、号機名表示板PLを確認して乗車する。
【0014】
なお、以下では、説明の簡素化のため、エレベータ60A〜60Cを区別せずに「エレベータ60」という場合がある。
【0015】
1−2.エレベータの群管理システムの構成
1−2−1.概要
本実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を説明する。
図4は、エレベータの群管理システムの電気的構成を示すブロック図である。群管理システムは、前述のように行先階登録方式を採用しており、エレベータ60A〜60Cの走行を統合的に制御する。群管理システムは、群管理制御装置10、複数台の行先階登録装置30、複数台のかご制御装置40を有する。かご制御装置40は、かご毎に設けられている。群管理システムは、本発明のエレベータの運行制御システムの一例である。
【0016】
群管理システムを構成する各装置間は、情報伝送可能なネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークNW上に接続されている前述の各装置は、装置間において、各装置が有する入出力インタフェースにより、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、群管理システムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
【0017】
1−2−2.エレベータ
エレベータ60A〜60Cの各々(各号機)は、上かご、下かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。上かご及び下かご内には、それぞれ、
図2に示すように、行先階を表示する行先階インジケータが設けられている。巻上機は、上かごと下かごとで共通で設けられている。
【0018】
1−2−3.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台のエレベータ60A〜60Cの走行を統合的に制御する装置である。
【0019】
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、
図4に示すように、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13とを備える。
【0020】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0021】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
【0022】
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10と、行先階登録装置30、及びかご制御装置40との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して行先階登録装置30、かご制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、行先階登録装置30、及びかご制御装置40から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0023】
1−2−4.行先階登録装置
図5Aは、行先階登録装置30の電気的構成を示すブロック図である。行先階登録装置30は、利用者による行先階の登録(入力)を受け付ける装置である。
【0024】
行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
【0025】
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0026】
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
【0027】
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
【0028】
操作部35は、利用者が行先階を入力するためのインタフェースである。操作部35は、操作部35の操作内容に対応する信号を制御部31に出力する。
【0029】
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく表示を行う。
【0030】
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成されている。なお、表示部34と操作部35とは、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。また、操作部35は、ハードウェア式のテンキー等により構成されてもよい。
【0031】
1−2−5.かご制御装置
図5Bは、かご制御装置40の電気的構成を示すブロック図である。かご制御装置40は、かご毎に設けられているが互いに同一の構成を有している。かご制御装置40の各々は、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応する号機の巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、対応する号機全体の上昇、下降、停止等を制御する。また、かご制御装置40の各々は、対応するかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知した情報を示すかご状態信号を群管理制御装置10に出力する。
【0032】
図5Bは、かご制御装置40の電気的構成を示すブロック図である。かご制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43と、を備える。
【0033】
記憶部42は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のかご制御装置40の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0034】
制御部41は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、かご制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
【0035】
入出力インタフェース43は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース43は、かご制御装置40と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース43は、制御部41から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース43は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部41に出力する。
【0036】
2.動作
2−1.動作の概要
本実施形態に係るエレベータの群管理システムの動作の概要について説明する。本システムは、行先階登録装置30によって利用者の行先階の登録を受け付ける。行先階登録装置30で登録を受け付けると、登録された行先階を、群管理制御装置10によって、複数のエレベータ60A〜60Cのうちのいずれかのエレベータに割り当てる。さらに、本システムは、かご制御装置40によって、登録された行先階を割り当てた割当号機を、行先階の登録が行われた登録階(出発階)から、登録された行先階へ運行するように制御する。また、登録を受け付けた行先階登録装置30は、割当号機を示す割当号機情報を群管理制御装置10から取得し、割当かごの表示を行う。割当かごの表示は、割当号機名(A,B,C)とかご名(上かご、下かご)を組み合わせた表示とする。
【0037】
2−2.群管理制御装置の動作
群管理制御装置10の動作について説明する。群管理制御装置10は、行先階登録装置30で登録された行先階を、複数のエレベータ60A〜60Cの上かご及び下かごのうちのいずれかのかごに割り当てる。
【0038】
具体的に、群管理制御装置10の制御部11は、割当依頼信号を、行先階登録装置30から入出力インタフェース13を介して受信すると、エレベータの割当処理を開始する。割当依頼信号は、行先階登録装置30で登録された行先階を、複数のエレベータ60A〜60Cの上かご及び下かごのうちのいずれかのかごに割り当てることを要求する信号である。割当依頼信号は、利用者によって登録された行先階を示す行先階情報と、当該行先階の登録操作が行われた階(出発階)を示す出発階情報、および当該行先階の登録が行われた行先階登録装置30を識別する識別情報とを含む。制御部11は、受信した割当依頼信号が示す行先階を、各エレベータ60の運行情報等に基づいて、エレベータ60A〜60Cの上かご及び下かごのうちのいずれかに割り当てる。
【0039】
また、制御部11は、割り当てたかご(割当かご)に対応するかご制御装置40に、割り当てた新規行先階呼びの出発階から行先階への走行を指示する制御信号を出力する。
【0040】
また、本実施形態において、制御部11は、複数台のエレベータ60の上かご及び下かごのそれぞれに、新規行先階呼びを仮に割り当てて、割り当てるかごを決定する。具体的に、制御部11は、新規行先階呼びを各かごに仮に割り当てて下記第1条件から第6条件が成立するか否かを判断し、いずれの条件も成立しないかごのうちのいずれかに新規行先階呼びを割り当てる。
(第1条件)新規行先階呼びが登録される前に割当済の割当済行先階呼びの割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごが出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること。
(第2条件)割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること。
(第3条件)割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること。
(第4条件)新規行先階呼びを仮割当した仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、仮割当かごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること。
(第5条件)仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、仮割当かごを有する号機の他方のかごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること。
(第6条件)仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること。
当該制御については、後にフローチャートを利用して詳述する。
【0041】
2−3.行先階登録装置の動作
行先階登録装置30は、操作部35において、利用者による行先階の登録操作を受け付ける。行先階登録装置30の制御部31は、利用者により登録された行先階を示す行先階情報と、その行先階を登録する操作が行われた行先階登録装置30の設置階を示す出発階情報と、当該行先階登録装置30を識別する識別情報とを含む割当依頼信号を生成する。行先階登録装置30の制御部31は、生成した割当依頼信号を、群管理制御装置10に出力する。
【0042】
また、行先階登録装置30の制御部31は、上述の割当依頼信号に対する応答として、群管理制御装置10から、割当号機及び割当かごを示す割当かご情報を受信すると、利用者によって登録された行先階と、割当かご情報が示す割当かごとを、表示部34に表示させる。これにより、行先階登録装置30は、登録された行先階が割り当てられた割当かごの情報を利用者に報知する。
【0043】
2−4.群管理システムの具体的動作
実施形態1に係るエレベータの群管理制御装置10により行われる割当かご決定処理について説明する。
図6は、エレベータの群管理制御装置10により行われる割当かご決定処理を示したフローチャートである。本フローチャートによる処理は、所定時間周期で行われる。所定時間は例えば0.1秒である。
【0044】
群管理制御装置10は、新規行先階呼びが登録されたか否かを判断する(S11)。群管理制御装置10は、乗場に配置されている行先階登録装置30から割当依頼信号を受信した場合、新規行先階呼びが登録されたと判断する。
【0045】
新規行先階呼びが登録されていない場合(S11でNO)、群管理制御装置10は、ステップS11を再度実行する。
【0046】
これに対し、新規行先階呼びが登録された場合(S11でYES)、群管理制御装置10は、以下の各ステップにおいて、当該新規行先階呼びを3台のエレベータ60A〜60Cの上下のかごのそれぞれに順次仮に割り当てて、割当かごとなる可能性のある割当候補かごとして設定するか否かを判断する。具体的に、まず、群管理制御装置10は、号機番号iとして1を設定する(S12)。実施形態では、3台のエレベータ60A〜60Cが設けられているので、iは1〜3である。また、群管理制御装置10は、上かごと下かごを区別する値cとして0を設定する(S13)。値cが0であることは、上かごであることを示し、値cが1であることは、下かごであることを示す。
【0047】
群管理制御装置10は、新規行先階呼びをi号機のかごcに仮割り当てして、i号機のかごcの運行をシミュレーションする(S14)。i号機のかごcの運行は、例えばセレクティブ・コレクティブ方式により行われる。セレクティブ・コレクティブ方式とは、運転方向の維持を優先して、運転方向と同一方向に移動する乗客を乗合させる運行方式である。なお、本発明は、運行方式が他の方式である場合にも適用可能である。
【0048】
群管理制御装置10は、判断対象の階床fとして最下階を設定する(S15)。
【0049】
群管理制御装置10は、階床fがi号機の上かごの割当済行先階呼びの出発階であるか否かを判断する(S16)。本判断において、割当済行先階呼びの呼び方向は上方向と下方向のどちらでもよい。
【0050】
階床fがi号機の上かごの割当済行先階呼びの出発階である場合(S16でYESの場合)、群管理制御装置10は、当該i号機の上かごに関して、上述した誤乗車に関する第1条件〜第6条件の判断を行う。
【0051】
まず、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第1条件が成立するか否かを判断する(S17A)。階床fが割当済行先階呼びの出発階で、割当済行先階呼びの割当かごがi号機の上かごである場合、第1条件は、i号機の上かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の上かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0052】
第1条件が成立すると判断した場合(S17AでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0053】
第1条件が成立しないと判断した場合(S17AでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第2条件が成立するか否かを判断する(S17B)。階床fが割当済行先階呼びの出発階で、割当済行先階呼びの割当かごがi号機の上かごである場合、第2条件は、i号機の上かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、前述のようにシミュレーション結果に基づいて行うことができる。
【0054】
第2条件が成立すると判断した場合(S17BでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0055】
第2条件が成立しないと判断した場合(S17BでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第3条件が成立するか否かを判断する(S17C)。階床fが割当済行先階呼びの出発階で、割当済行先階呼びの割当かごがi号機の上かごである場合、第3条件は、i号機の上かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発することである。この判断は、前述のようにシミュレーション結果に基づいて行うことができる。
【0056】
第3条件が成立すると判断した場合(S17CでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0057】
第3条件が成立しないと判断した場合(S17CでNO)、群管理制御装置10は、階床fが仮割当した新規行先階呼びの出発階であるか否かを判断する(S18)。
【0058】
階床fが仮割当した新規行先階呼びの出発階である場合(S18でYES)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第4条件が成立するか否かを判断する(S19A)。新規行先階呼びの仮割当かごがi号機の上かごである場合、第4条件は、i号機の上かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の上かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0059】
第4条件が成立すると判断した場合(S19AでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0060】
第4条件が成立しないと判断した場合(S19AでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第5条件が成立するか否かを判断する(S19B)。新規行先階呼びの仮割当かごがi号機の上かごである場合、第5条件は、i号機の上かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(仮割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0061】
第5条件が成立すると判断した場合(S19BでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0062】
第5条件が成立しないと判断した場合(S19BでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第6条件が成立するか否かを判断する(S19C)。新規行先階呼びの仮割当かごがi号機の上かごである場合、第6条件は、i号機の上かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(仮割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0063】
第6条件が成立すると判断した場合(S19CでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S20)。
【0064】
第6条件が成立しないと判断した場合(S19CでNO)、又は上記のステップS16において階床fがi号機の上かごの割当済行先階呼びの出発階でないと判断した場合(S16でNOの場合)、又は上記のステップS18において階床fが仮割当した新規行先階呼びの出発階でないと判断した場合(S18でNO)、群管理制御装置10は、階床fがi号機の下かごの割当済行先階呼びの出発階であるか否かを判断する(S21)。本判断において、呼びの呼び方向は上下のどちらでもよい。
【0065】
階床fがi号機の下かごの割当済行先階呼びの出発階である場合(S21でYESの場合)、群管理制御装置10は、当該i号機の下かごに関して、上述した第1〜第6条件の判断を行う。
【0066】
まず、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第1条件が成立するか否かを判断する(S22A)。割当済行先階呼びの割当かごがi号機の下かごである場合、第1条件は、i号機の下かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0067】
第1条件が成立すると判断した場合(S22AでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0068】
第1条件が成立しないと判断した場合(S22AでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第2条件が成立するか否かを判断する(S22B)。割当済行先階呼びの割当かごがi号機の下かごである場合、第2条件は、i号機の下かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の上かご(割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、前述のようにシミュレーション結果に基づいて行うことができる。
【0069】
第2条件が成立すると判断した場合(S22BでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0070】
第2条件が成立しないと判断した場合(S22BでNO)、群管理制御装置10は、誤乗車に関する第3条件が成立するか否かを判断する(S22C)。割当済行先階呼びの割当かごがi号機の下かごである場合、第3条件は、i号機の下かご(割当済行先階呼びの割当かご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の上かご(割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(割当済行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発することである。この判断は、前述のようにシミュレーション結果に基づいて行うことができる。
【0071】
第3条件が成立すると判断した場合(S22CでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0072】
第3条件が成立しないと判断した場合(S22CでNO)、群管理制御装置10は、階床fはi号機の下かごに仮割当した新規行先階呼びの出発階であるか否かを判断する(S23)。
【0073】
階床fが仮割当した新規行先階呼びの出発階である場合(S23でYES)、群管理制御装置10は、i号機の下かごに仮割当した新規行先階呼びについて誤乗車に関する第4条件が成立するか否かを判断する(S24A)。新規行先階呼びの仮割当かごがi号機の下かごである場合、第4条件は、i号機の下かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0074】
第4条件が成立すると判断した場合(S24AでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0075】
第4条件が成立しないと判断した場合(S24AでNO)、群管理制御装置10は、i号機の下かごに仮割当した新規行先階呼びについて誤乗車に関する第5条件が成立するか否かを判断する(S24B)。新規行先階呼びの仮割当かごが下かごである場合、第5条件は、i号機の下かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の下かご(仮割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0076】
第5条件が成立すると判断した場合(S24BでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0077】
第5条件が成立しないと判断した場合(S24BでNO)、群管理制御装置10は、i号機の下かごに仮割当した新規行先階呼びについて誤乗車に関する第6条件が成立するか否かを判断する(S24C)。新規行先階呼びの仮割当かごが下かごである場合、第6条件は、i号機の上かご(新規行先階呼びの仮割当かご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、当該i号機の上かご(仮割当かごを有する号機の他方のかご)が階床f(新規行先階呼びの出発階)で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発することである。この判断は、新規行先階呼びを仮割り当てしてi号機の運行をシミュレーションした結果に基づいて行うことができる。
【0078】
第6条件が成立すると判断した場合(S24CでYES)、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定しない(S25)。
【0079】
第6条件が成立しないと判断した場合(S24CでNO)、又は上記のステップS21において階床fがi号機の下かごの割当済行先階呼びの出発階でないと判断した場合(S21でNOの場合)、又は上記のステップS23において階床fが仮割当した新規行先階呼びの出発階でないと判断した場合(S23でNO)、群管理制御装置10は、階床fの値に1を加算し(S26)、階床fの値が最上階の階床値よりも大きいか否かを判断する(S27)。
【0080】
階床fの値が最上階の階床値よりも大きくない場合(S27でNO)、群管理制御装置10は、階床fについてステップS16以後を再度実行する。
【0081】
これに対し、階床fの値が最上階の階床値よりも大きい場合(S27でYES)、つまり全ての階床に関してステップS16以後の処理が完了した場合、群管理制御装置10は、i号機のかごcを割当候補かごとして設定する(S28)。
【0082】
上記ステップS20又はステップS25又はステップS28の処理後、群管理制御装置10は、かご値cとして1を加算した値を設定し(S29)、かご値cが1よりも大きいか否かを判断する(S30)。つまり、上かご(c=0)及び下かご(c=1)の両方について、ステップS14以後の処理が完了したか否かを判断する。
【0083】
かご値cが1よりも大きくない場合(S30でNO)、群管理制御装置10は、かご値cが1のかご(下かご)についてステップS14以後の処理を実行する。
【0084】
かご値cが1よりも大きい場合(S30でYES)、群管理制御装置10は、号機番号iとして1を加算した値を設定し(S31)、iが全号機台数よりも大きいか否かを判断する(S32)。つまり、全ての号機についてのステップS13以後の処理が完了したか否かを判断する。
【0085】
iが全号機台数よりも大きくない場合(S32でNO)、群管理制御装置10は、番号iの号機についてステップS13以後の処理を実行する。
【0086】
iが全号機台数よりも大きい場合(S32でYES)、つまり全てのエレベータ60(号機)についてステップS13以後の処理が完了した場合、群管理制御装置10は、割当候補かごの中から所定のルールにしたがって最適な号機とかごを選択して、新規行先階呼びに割り当てる(S33)。その後、群管理制御装置10は、ステップS11を再度実行する。
【0087】
3.作用
本発明の作用及び効果を説明する前に、本発明の課題について説明する。
図7は、本発明の課題を説明した図である。
図7の例では、ある号機の上かご(U)及び下かご(L)が現在2階及び1階に位置し、上方向の走行時に上かご及び下かごがそれぞれ4階で停止して戸開/戸閉するとともに、下方向の走行時においても上かご及び下かごがそれぞれ4階で停止して戸開/戸閉するものとする。また、4階で、出発階が4階で行先階が2階である利用者の割当済行先階呼びACが登録されているものとする。この利用者は、(4)で示すタイミングで上かごに乗車すべきであるが、その前に(1)〜(3)のように同一の号機の上かごまたは下かごが3回も停止して戸開/戸閉するため、(1)〜(3)のタイミングのいずれかで誤乗車する可能性がある。また、この利用者に、不快な感情を持たせる可能性がある。この課題に対処するため、前述した制御を行うようにしたものである。
【0088】
本実施形態の制御による作用及び効果について、
図8〜
図13を参照して具体的に説明する。これらの例では、セレクティブ・コレクティブ方式に基づいて複数台のエレベータを運行制御した場合を示している。
【0089】
(第1の例)
図8は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第1の例を説明した図である。現在、
図8(a)に示すように、ある号機Kの下かご(L)及び上かご(U)が7階及び8階に停止しており、下かごには、4階を出発階とし7階を行先階とする上方向の行先階呼びAC1が割り当てられているものとする。
【0090】
この割当状態では、群管理制御装置10の制御に基づいて、下かご(L)は、現在位置の7階から、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。この戸開時に、割当済行先階呼びAC1の利用者は下かご(L)に乗車する。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。なお、上記では、下かご(L)が走行すると説明したが、実質的に下かご(L)と上かご(U)は号機Kとして一体的に走行する。以下において同様である。
【0091】
図8(a)の割当状態において、
図8(b)に示すように、4階の乗場で、割当済行先階呼びAC1の出発階と同じ4階を出発階とし1階を行先階とする下方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。そして、新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てたものと仮定する。この場合、下かご(L)は、現在位置の7階から、割当済行先階呼びAC1の出発階でかつ新規行先階呼びNC1の出発階である4階まで下方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、4階から新規行先階呼びNC1の行先階である1階まで下方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、1階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行する。
【0092】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、当該下かご(L)が4階で停止及び戸開して当該割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)とは逆方向(下方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの下かご(L)について第1条件が成立することとなる(ステップS22AでYESとなる)。この場合、上方向の割当済行先階呼びAC1に係る利用者が、号機Kの下かご(L)が4階で停止及び戸開/戸閉して下方向(逆方向)に出発するときに、当該下かご(L)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの下かご(L)については、新規行先階呼びNC1の割当候補かごとして設定しない。したがって、新規行先階呼びNC1は、号機Kの下かご(L)以外のかご(号機Kの上かご(U)または他の号機の上下いずれかのかご)に割り当てられることとなる。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0093】
(第2の例)
図9は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第2の例を説明した図である。現在、
図9(a)に示すように、ある号機Kの下かご(L)及び上かご(U)が7階及び8階に停止しており、下かご(L)には、4階を出発階とし7階を行先階とする上方向の行先階呼びAC1と、7階を出発階とし4階を行先階とする下方向の行先階呼びAC0とが割り当てられているものとする。
【0094】
この割当状態では、群管理制御装置10の制御に基づいて、下かご(L)は、まず、現在位置でかつ行先階呼びAC0の出発階である8階から、行先階呼びAC0の行先階でかつ行先階呼びAC1の出発階である4階まで下方向に走行して一時停止し、戸開及び戸閉を行う。この戸開時に、割当済行先階呼びAC1の利用者は下かご(L)に乗車する。その後、下かご(L)は、行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行し、戸開及び戸閉を行う。
【0095】
図9(a)の割当状態において、
図9(b)に示すように、2階の乗場で、2階を出発階とし1階を行先階とする下方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。そして、新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てたものと仮定する。この場合、下かご(L)は、上記の通り行先階呼びAC0に応答した後、新規行先階呼びNC1の出発階である2階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、新規行先階呼びNC1の行先階である1階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。
【0096】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、当該下かご(L)が4階で停止及び戸開/戸閉して当該割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)とは逆方向(下方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの下かご(L)について第1条件が成立することとなる(ステップS22AでYESとなる)。この場合、上方向の割当済行先階呼びAC1に係る利用者は、号機Kの下かご(L)が4階で停止及び戸開/戸閉して下方向(逆方向)に出発するときに、当該下かご(L)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの下かご(L)を、新規行先階呼びNC1の割当候補かごとして設定しない。したがって、新規行先階呼びNC1は、号機Kの下かご(L)以外のかご(号機Kの上かご(U)または他の号機の上下いずれかのかご)に割り当てられることとなる。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0097】
(第3の例)
図10は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第3の例を説明した図である。第3の例では、現在、
図10(a)に示す状態にあるものとする。
図10(a)に示す状態は、第1の例の
図8(a)に示す状態と同じ状態である。
【0098】
図10(a)の割当状態において、
図10(b)に示すように、4階の乗場で、割当済行先階呼びAC1の出発階と同じ4階を出発階とし2階を行先階とする下方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。そして、新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てたものと仮定する。この場合、上かご(U)は、現在位置の8階から、割当済行先階呼びAC1の出発階でかつ新規行先階呼びNC1の出発階である4階まで下方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。その後、上かご(U)は、4階から新規行先階呼びNC1の行先階である2階まで下方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kの下かご(L)は、1階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行する。
【0099】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、号機Kの上かご(L)が4階で停止及び戸開/戸閉して当該割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)とは逆方向(下方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの上かご(U)について第2条件が成立することとなる(ステップS22BでYESとなる)。この場合、上方向の割当済行先階呼びAC1に係る利用者が、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して下方向(逆方向)に出発するときに、当該上かご(U)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの上かご(U)については、新規行先階呼びNC1の割当候補かごとして設定しない。したがって、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0100】
(第4の例)
図11は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第4の例を説明した図である。現在、
図11(a)に示すように、ある号機Kの下かご(L)及び上かご(U)が7階及び8階に停止しており、下かご(L)には、4階を出発階とし7階を行先階とする上方向の行先階呼びAC1と、3階を出発階とし1階を行先階とする下方向の行先階呼びAC2が割り当てられているものとする。
【0101】
この割当状態では、群管理制御装置10の制御に基づいて、下かご(L)は、現在位置の7階から、割当済行先階呼びAC2の出発階である3階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。このとき、上かご(U)は、4階に位置しているが戸開を行わない。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC2の行先階である1階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。この戸開時に、割当済行先階呼びAC1の利用者は下かご(L)に乗車する。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。
【0102】
図11(a)の割当状態において、
図11(b)に示すように、8階の乗場で、8階を出発階とし割当済行先階呼びAC1の出発階と同じ4階を行先階とする下方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。そして、新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てたものと仮定する。この場合、上かご(U)は、現在位置の8階から、割当済行先階呼びAC1の出発階でかつ新規行先階呼びNC1の行先階である4階まで下方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。このとき並行して、下かご(L)は、現在位置の7階から、割当済行先階呼びAC1の行先階である3階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kの下かご(L)は、3階から割当済行先階呼びAC2の行先階である1階まで下方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kの下かご(L)は、1階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止し、戸開及び戸閉を行う。その後、下かご(L)は、割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行する。
【0103】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して当該割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)とは逆方向(下方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの上かご(U)について第2条件が成立することとなる(ステップS22BでYESとなる)。この場合、上方向の割当済行先階呼びAC1に係る利用者が、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して下方向(逆方向)に出発するときに、当該上かご(U)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの上かご(U)については、新規行先階呼びNC1の割当候補かごとして設定しない。したがって、新規行先階呼びNC1は、号機Kの下かご(L)以外のかご(号機Kの上かご(U)または他の号機の上下いずれかのかご)に割り当てられることとなる。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0104】
(第5の例)
図12は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第5の例を説明した図である。現在、
図12(a)に示すように、ある号機Kの下かご(L)及び上かご(U)が1階及び2階に停止しており、下かご(L)には、4階を出発階とし7階を行先階とする上方向の行先階呼びAC1が割り当てられているものとする。
【0105】
この割当状態では、群管理制御装置10の制御に基づいて、下かご(L)は現在位置の1階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで上方向に走行して停止して、戸開及び戸閉を行う。この戸開時に、割当済行先階呼びAC1の利用者は下かご(L)に乗車する。その後、下かご(L)は、4階から割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで上方向に走行する。
【0106】
図12(a)の割当状態において、
図12(b)に示すように、4階の乗場で、割当済行先階呼びAC1の出発階と同じ4階を出発階とし8階を行先階とする上方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。そして、新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てたものと仮定する。この場合、号機Kは、上かご(U)を現在位置の2階から新規行先階呼びNC1の出発階である4階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、4階で上かご(U)の戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kは、下かご(L)を現在位置の3階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、4階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kは、下かご(L)を現在位置の4階から割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、7階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。
【0107】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、号機Kの上かご(U)が4階で当該割当済行先階呼びAC1の方向(上方向)と同方向(上方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの上かご(U)について第2条件が成立することとなる(ステップS22CでYESとなる)。この場合、上方向の割当済行先階呼びAC1に係る利用者が、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して上方向に出発するときに、当該上かご(U)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの上かご(U)については、新規行先階呼びNC1の割当候補号機として設定しない。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0108】
(第6の例)
図13は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第6の例を説明した図である。現在、
図13(a)に示す状態にあるものとする。
図13(a)に示す状態は、第5の例の
図12(a)に示す状態と同じ状態である。
【0109】
図13(a)の割当状態において、
図13(b)に示すように、2階の乗場で、2階を出発階とし4階を行先階とする上方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。新規行先階呼びNC1を号機Kの上かご(U)に割り当てたものと仮定する。この場合、号機Kは、上かご(U)を現在位置であり、新規行先階呼びNC1の出発階である2階から新規行先階呼びNC1の出発階である4階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、4階で上かご(U)の戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kは、下かご(L)を現在位置の3階から割当済行先階呼びAC1の出発階である4階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、4階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kは、下かご(L)を現在位置の4階から割当済行先階呼びAC1の行先階である7階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、7階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。
【0110】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てた場合、割当済行先階呼びAC1の出発階である4階において、号機Kの下かご(L)が割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、新規行先階呼びNC1に応答して、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して当該割当済行先階呼びAC1の呼び方向(上方向)と同方向(上方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの上かご(U)について第2条件が成立することとなる(ステップS22CでYESとなる)。この場合、割当済の上方向の行先階呼びAC1に係る利用者が、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して上方向(同方向)に出発するときに、当該上かご(U)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの上かご(U)については、新規行先階呼びNC1の割当候補号機として設定しない。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0111】
(第7の例)
図14は、割当済行先階呼びを有するかごに新規の行先階呼びを割り当てない第7の例を説明した図である。現在、
図14(a)に示すように、ある号機Kの下かご(L)及び上かご(U)が1階及び2階に停止しており、上かご(U)には、2階を出発階とし4階を行先階とする上方向の行先階呼びAC1が割り当てられているものとする。
【0112】
この割当状態では、割当済行先階呼びAC1の利用者は現在停止中の2階で上かご(U)に乗車する。上かご(U)は、群管理制御装置10の制御に基づいて、現在位置の2階から割当済行先階呼びAC1の行先階である4階まで上方向に走行して停止して、戸開を行う。
【0113】
図14(a)の割当状態において、
図14(b)に示すように、4階の乗場で、4階を出発階とし7階を行先階とする上方向の新規行先階呼びNC1が発生したものとする。新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てたものと仮定する。この場合、号機Kは、上述のように、上かご(U)を、割当済行先階呼びAC1の行先階である4階まで上方向に走行させて停止させ、戸開及び戸閉を行った後、下かご(L)を3階から新規行先階呼びNC1の出発階である4階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、4階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。その後、号機Kは、下かご(L)を4階から新規行先階呼びNC1の行先階である7階まで移動させるように、上方向に走行して停止し、7階で下かご(L)の戸開及び戸閉を行う。
【0114】
上記のように新規行先階呼びNC1を号機Kの下かご(L)に割り当てた場合、新規行先階呼びNC1の出発階である4階において、号機Kの上かご(U)が新規行先階呼びNC1の呼び方向(上方向)に出発する前に、割当済行先階呼びAC1に応答して、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して当該新規行先階呼びNC1の呼び方向(上方向)と同方向(上方向)に出発することとなる。つまり、号機Kの上かご(U)について第6条件が成立することとなる(ステップS19CでYESとなる)。この場合、上方向の新規行先階呼びNC1に係る利用者が、号機Kの上かご(U)が4階で停止及び戸開/戸閉して上方向(同方向)に出発するときに、当該上かご(U)に誤って乗車する可能性がある。このような誤乗車につながるような状態の発生を防止するため、群管理制御装置10は、号機Kの上かご(U)については、新規行先階呼びNC1の割当候補号機として設定しない。そのため、誤乗車につながるような状態の発生が抑制される。よって、誤乗車の発生が抑制される。
【0115】
4.まとめ
(1)本実施の形態のエレベータの群管理制御装置10(運行制御装置)は、利用者により乗車前に登録された行先階に係る新規行先階呼びを、それぞれ上かご及び下かごを有するn台(nは1以上の整数)の号機のいずれかのかごに割り当てる
エレベータの群管理制御装置10(運行制御装置)は、新規行先階呼びの割り当てを行う制御部11を備える。
制御部11は、
新規行先階呼びを各かごに仮割当して下記第1〜第6条件が成立するか否かを判断し、いずれの条件も成立しないかごのうちのいずれかに新規行先階呼びを割り当てる、
(第1条件)新規行先階呼びが登録される前に割当済の割当済行先階呼びの割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごが出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第2条件)割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第3条件)割当かごが割当済行先階呼びの出発階から割当済行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが割当済行先階呼びの出発階で停止及び戸開して割当済行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること、
(第4条件)新規行先階呼びを仮割当した仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、仮割当かごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第5条件)仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、仮割当かごを有する号機の他方のかごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向とは逆方向に出発すること、
(第6条件)仮割当かごが新規行先階呼びの出発階から新規行先階呼びの呼び方向に出発する前に、割当かごを有する号機の他方のかごが新規行先階呼びの出発階で停止及び戸開して新規行先階呼びの呼び方向と同じ方向に出発すること。
【0116】
(2)本実施のエレベータの運行管理システムは、
乗場に配置され、利用者による行先階の登録を受け付ける行先階登録装置30と、
本実施形態のエレベータの群管理制御装置10(運行制御装置)と、を備える。
【0117】
(3)本実施のエレベータシステムは、
それぞれ上かご及び下かごを有するn台(nは1以上の整数)の号機と、
乗場に配置され、利用者による行先階の登録を受け付ける行先階登録装置30と、
本実施形態のエレベータの群管理制御装置10(運行制御装置)と、を備える。
【0118】
本実施の形態では、割当済行先階呼びの利用者に誤乗車を生じさせる可能性があるかごを除外したいずれかのかごに新規行先階呼びを割り当てることができる。そのため、利用者の誤乗車を抑制できる。
【0119】
(その他の実施形態)
(1)前記実施の形態では、各号機の上かごと下かごが互いに連結され一体的に昇降するエレベータシステムを例示した。しかし、本発明は、上かごと下かごが独立して昇降するエレベータシステムにも適用できる。
【0120】
(2)前記実施の形態では、A号機、B号機、C号機の3台の号機を有するエレベータシステムを例示した。しかし、本発明は、1台の号機だけを有するエレベータシステムや、2台、または4台以上の号機を有するエレベータシステムにも適用できる。1台の号機だけを有するエレベータシステムであっても、エレベータの号機が上かごと下かごを有するマルチデッキエレベータであり、行先階登録方式を採用している場合には、上かごと下かごの間での誤乗車が発生する可能性があり、本発明はこれも解決できる。
【0121】
(3)前記実施の形態では、最下階から最上階の全ての階床について、
図6のステップS16〜S19C、S21〜S24C等の判断を行う例を示した。しかし、最下階では下かごのみが応答し、かつ上方向の呼びのみが登録されるため、同一号機での誤乗車の可能性はない。また、最上階では上かごのみが応答し、かつ下方向の呼びのみが登録されるため、同一号機での誤乗車の可能性はない。そのため、最下階及び最上階については、ステップS16〜S19C、S21〜S24C等の判断を省略してもよい。
【0122】
(4)前記実施の形態では、制御部11、31、41は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部12、32、42から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現している。つまり、各制御部11、31、41は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されている。しかし、各制御部11、31、41は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成してもよい。