【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、明細書中での前後左右、上下方向は、右手でブロワを把持した時の作業者から見た方向を基準にし、図中に示す方向を指すものとして説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るブロワ1の全体を示す左側面図である。ブロワ1はハウジング内に収容されるエンジン(後述)を駆動源として送風ファン(後述)を回転させて外気を吸引し、送風ファンにより生成された風を渦巻き状のボリュート室から吐出口たるノズル取付部25を介して周方向、前方側に排出させることにより落ち葉や刈り草などの吹き寄せに用いられる。ブロワ1の外壁を構成するハウジングは、強化プラスチック等の合成樹脂を型枠に射出成形することなどにより形成される。ブロワ1のハウジングを左側から見ると、中央に吸込口30があって、吸込口30の周囲を反時計回りに回り、前方側やや下向きに吐出する空気の案内通路(ボリュート室)が形成される。ここでは吸込口30は、貫通穴47を通してその外縁の一部が見えているだけなので、詳細は
図3にて後述する。ブロワ1のハウジングはエンジンの回転軸方向に分割された形状で構成される。ハウジングの上方にはハンドル部7が形成される。ハンドル部7は前後方向に延びる略円筒状であって作業者が片手で握る部分たるグリップを有し、グリップの下側には、トリガタイプのスロットルレバー21が設けられる。作業者はハンドル部7を片手で把持することによりブロワ1の全重量を支えつつ、スロットルレバー21を指で操作することによってスロットル開度を調整し、エンジンの出力を制御しながら作業を行う。スロットルレバー21は、エンジンの気化器(図示せず)を操作するスロットルワイヤ(図示せず)に接続される。ハンドル部7のグリップの前方上側には、スロットルレバー21の位置を保持することによりエンジンの回転数を一定に保つためのクルーズレバー22が設けられる。ハンドル部7の前方側と後方側の側面には、ブロワ1を吊り下げる際に用いる吊り穴7a、7bが形成される。ハウジングの下部には、ブロワ1を床置きする際に安定して保持するための脚部8が設けられる。
【0013】
ハウジングのうち、
図1に示す左側面には第一ケース4が位置する。第一ケース4は、後述する第二ケースと共に風の通路となるボリュート室を形成するものであって、その左側側面には吸込口30の全面を覆うような円形のファンガード40が設けられる。ファンガード40は、吸込口30への空気の流入を許容するように多数の風穴(貫通穴)が面全体に整然と配置されたもので、吸込口30への異物の吸入を阻止するとともに、作業者の体の一部や衣類等が吸い込まれないように防御する。ファンガード40は、3つのネジ39a〜39cを用いて第一ケース4に固定される。第一ケース4の外縁近傍には、複数のネジボスが形成され、複数のネジ9a〜9hを用いて第一ケース4と第二ケース5(
図2で後述)がネジ止めされる。ボリュート室の空気の出口には円筒状のノズル取付部25が設けられ、連結パイプ60や、図示しない円すい噴管や扇形ノズル等を連結することができる。連結パイプ60等との接続のためにノズル取付部25には側面視で略L字状に隆起した取付溝26が形成される。取付溝26は連結パイプ60や図示しないノズルの外周面に形成された図示しない突起部と係合する。尚、ファンガード40の第一ケース4への固定方法は、一部にヒンジを備えて、第一ケース4に対して回動可能に取り付けるように構成しても良い。即ち、吸込口30のガード手段が開閉可能とされてもよい。
【0014】
図2は
図1のA−A部の断面図である。ブロワ1のハウジングは、左右方向にみて中央付近から右側にエンジン10を収容するエンジン収容室3を有し、エンジン収容室3の左側において、送風ファン20を収容すると共に、送風ファン20によって吸引及び排出される風の通路を形成するボリュート室24を有する。ハウジングは、上下及び前後方向に延びる接合面を有する三つ割のケースによって構成され、第一ケース4と第二ケース5によりボリュート室24が形成され、第二ケース5と第三ケース6によってエンジン収容室3が形成される。つまり、第二ケース5はボリュート室24の筐体の一部とエンジン収容室3の筐体の一部となる。第二ケース5と第三ケース6の上方には、ハンドル部7が形成される。ハンドル部7の左側側面は第二ケース5と一体に成形され、同様にハンドル部7の右側側面は第三ケース6と一体に製造される。ハンドル部7の上側前方には、点火回路を遮断することによりエンジン10を停止させるための停止スイッチ23が設けられる。第一ケース4と第二ケース5の下側には脚部8(
図1、
図3参照)が設けられ、脚部8には脚として機能すると共に作業者がブロワ1を横に傾けて持つときに握る部位として機能するサポートハンドル8aが接続される。
【0015】
エンジン10は、2サイクルの小型エンジンであって、クランク軸13が左右方向に水平に延びるように配置され、ピストン12がシリンダ11内を上下方向に往復運動する。ピストン12の往復運動はクランク軸13の回転運動に変換される。クランクケース14の下側には、燃料タンク28が設けられる。燃料タンク28には、所定の比率で混合したガソリンとオイルによる混合油が入れられる。クランク軸13の右端付近には、手動式の始動装置19が設けられる。始動装置19は、例えば公知のリコイルスタータを用いることができる。クランク軸13の左端付近には、マグネトロータ15が設けられる。マグネトロータ15は、シリンダ11の外側に形成された冷却用のフィンに空気を当てるために、エンジン収容室3内に冷却風の流れを発生させる。マグネトロータ15の外周側には、所定の距離を隔てて隣接するようにイグニッションコイル16が設けられる。クランク軸13の左端部にはさらに接続部材18を介して送風ファン20が取り付けられる。この構成によりエンジン10を運転させることによって、クランク軸13に接続されたマグネトロータ(冷却ファン)15と、作業用の風を発生させるための送風ファン20の双方が回転する。
【0016】
送風ファン20の収容される空間、即ちボリュート室24は、送風ファン20の外周部分に渦巻き状の空間を有し、送風ファン20の左側(エンジン10とは反対側)には吸込口30が設けられる。渦巻き状の空間は、遠心式の送風ファン20によって径方向外側に向けて送付される風を、回転方向に合わせて周方向の一方向に導くための排出通路であって、ノズル取付部25(
図1参照)まで至った風は、吐出口25a(
図3で後述)より排出される。ボリュート室24の外周部分の形状は、風の流れる方向と直交する断面形状が略円形であって、風上方向から風下方向に向かって徐々に断面積が大きくなるように形成される。マグネトロータ15はエンジン収容室3の内部に収容され、マグネトロータ15と送風ファン20の間は第二ケース5による壁面によって区画される。送風ファン20のエンジン側には、円筒状の突起20bが形成され、第二ケース5の貫通穴5a付近に形成された凹部5bと接近するように配置されることにより、いわゆるラビリンス構造とし、エンジン収容室3とボリュート室24間の空気の流れが遮断される。
【0017】
第一ケース4の左側には、吸込口30の全体を覆うようにしてファンガード40が設けられる。ファンガード40は、ブロワ1のハウジングの左側壁面を構成する機能と、吸込口30を覆うガード機能を果たし、さらには送風ファン20によって吸い込まれる空気を通過させる機能を果たす。ファンガード40はこれらの複数の機能をすべて果たすことができるようにその形状に工夫が施される。ファンガード40は合成樹脂の一体成形にて形成され、外側から見て内側にすり鉢状に窪むような壁面41が形成される。壁面41には同心円状に複数の貫通穴(第一の風穴)45〜48が形成される。また、すり鉢状の壁面41の外周側は大きな開口を有するスリット状に形成される。エンジン10が始動してクランク軸13が回転すると、送風ファン20はクランク軸13の回転に同期して回転する。送風ファン20が回転すると、吸込口30から送風ファン20に空気(外気)が吸い込まれ、送風ファン20によってボリュート室24の外周側に排出され、排出された空気は、ボリュート室24の外周壁に沿って所定方向に移動した後に、ノズル取付部25(
図1参照)から前方側に吹き出される。この際、作業者はハンドル部7を片手で把持しながら吹き出される風を対象物に宛てながら作業を行う。エンジン10を停止する際には、作業者により停止スイッチ23を運転位置から停止位置に切り替えることにより、図示しない点火プラグへの高圧電流の供給が遮断されてエンジン10が停止する。
【0018】
図3は本発明の実施例におけるブロワ1の斜視図であって、ネジ39a〜39b(
図1参照)を取り外してファンガード40(
図1参照)を外した状態を示す図である。第一ケース4の左側には吸込口30が形成され、吸込口30の外周側の3箇所には、ファンガード40をネジ止めするためのネジボス31a〜31cが形成される。ネジボス31a〜31cは合成樹脂の成形により第一ケース4と一体に製造される。送風ファン20は周方向に複数のフィンが並べて配置され、これらが合成樹脂の一体成形により製造され、ナット18bにより接続部材18(
図2参照)に固定される。第一ケース4と第二ケース5によって形成されるボリュートケースは、ブロワ1の左側面から見て風の流れが反時計回りとなるように渦巻き状に形成され、前方側やや下方に向けて環状のノズル取付部25が形成される。尚、第一ケース4の吸込口30の外周側に形成される略長方形の状の隆起部32と、略三角形状の複数の隆起部33は、デザイン上の理由と強度向上のために設けられるものである。燃料タンク28の開口部には燃料キャップ29が設けられる。燃料タンク28の上部には図示しない気化器とエアクリーナが配置され、エアクリーナカバー27によって覆われる。エンジン10の点火プラグに接続されるプラグキャップ17は、ハンドル部7の下方やや右側に配置される。
【0019】
図4は、ファンガード40単体の形状を示す斜視図であり、表面側(外側)から見た図である。ファンガード40の内周部分は、中心軸線A1方向で吸入側に向けてすり鉢状に窪んだ形式の壁面41が形成される。ファンガード40の外周側部分には開口率を大きくしたスリット部42(第二の風穴)が形成される。壁面41は、中心41aが送風ファン20の中心軸線A1と同軸であって、流入方向下流側に向けて窪むようにすり鉢状に形成される。壁面41には中心41aから径方向外側に向けて壁面41の外縁41b位置まで複数の長円形の貫通穴45〜48が配置される。貫通穴45は最内周側において周方向に同心円状に複数(9個)並べて配置されるもので、その外側に周方向に同心円状に並べて配置される貫通穴46が配置される。さらに、その外側に周方向に同心円状に並べて配置される18個の貫通穴47が配置され、最外周には周方向に同心円状に並べて配置される18個の貫通穴48が配置される。これらの貫通穴は、例えば貫通穴47のように長円形状であって、その一方側47aが内側に位置し、他方側47bが外周側に位置するように形成される。ここでは中心41a付近は壁が形成された閉塞領域となっており、貫通穴45よりも内周部分、即ち中央付近には穴が形成されていない。
【0020】
貫通穴45〜47は壁面41に沿った径方向にはそれぞれオーバーラップしないように配置されるが、貫通穴47と48は壁面41に沿った径方向に距離Sのようにわずかにオーバーラップしている。尚、壁面41の領域内の貫通穴45〜48の配置目的は、吸込口30への壁面41を通して吸い込まれる風の量を制限して適量を吸引させることにより、壁面41の外側における負圧の分布を調整するものであるので、この目的を達成できるならば貫通穴45〜48をどのように配置するかは任意である。但し、大きな異物が吸込口30内に入らないようにすることは必須であるので、小さめの貫通穴とすると良い。壁面41の部分(第1領域)における貫通穴45〜48の総面積は、吸込口30の面積よりも小さく設定する。この面積比とすることにより、凹部となっている壁面の外側に生ずる送風ファン20による負圧を確実に外周側に押し退けて作業者側に作用する負圧を低減できる。なお、実施例では第1領域における貫通穴45〜48の総面積は吸込口の32%である。発明者らの検証によると、10%〜50%が好適な範囲であり、30%前後が特に好ましい範囲であった。特に、送風ファン20による負圧の分布は、中心軸線A1に近づくほど指数関数的に大きくなることから、壁面41の凹部の中央付近には大きな貫通穴を形成しない閉塞領域を設定することが望ましく、これによれば効果的な負圧の分散が可能となる。
【0021】
壁面41よりも外側部分(第二開口領域)、即ちスリット部42は大量の空気を吸い込むことができるよう十分な大きさの開口率を有するよう形成され、貫通穴45〜48を通して流れる空気だけでは不足する吸い込み空気を補う。ここでは、スリット部42においては壁面41の円形の外縁41bと外枠43との間を複数の径方向に延びる連結枠44により接続されている。連結枠44の間隔は、大きな異物が内部に入らないように狭い間隔とする。ファンガード40は3本のネジ39a〜39c(
図1参照)により第一ケース4(
図1参照)に固定されるため、壁面41の領域内にネジ穴49a〜49cが設けられる。
【0022】
以上のようにして、壁面41を風下側に向けて凸状に形成してファンガード40の壁面41の部分(第一開口領域)を形成し、スリット部42の外側部分(第二開口領域)を大きな開口率で形成した。そして、第一開口領域にて第一開口(開口の総面積)を形成する複数の貫通穴(風穴)は、外縁側から送風ファンの軸線に近づくにつれて徐々に軸方向位置がずれるように配置され、軸線A1に近い内周部分の貫通穴は、軸線A1から離れた外周部分の貫通穴よりも送風ファン20側に近づくように配置されることにより送風ファン20により生ずる負圧を適切に分布させることができた。
【0023】
図5は送風ファン20によって生成される空気の流れを説明するための図である(正常時)。送風ファン20は、いわゆる遠心ファンと呼ばれるもので、送風ファン20の中心軸線A1に近い中心側の領域において軸方向に空気を吸引して、径方向外側に向けて排出する。ここではファンガード40において吸込口30と対向する面(壁面41)を、外側から内側に向けて窪むようにして、太線で囲むようなスムーズな傾斜を有するすり鉢状の空間(ここでは、「負圧緩和空間55」と呼ぶことする)を形成されるようにした。即ち、ファンガード40の送風ファン20の対向部に、送風ファン20に向かって壁面41を凸状に形成し、凸状の部分(第一開口領域)内に複数の貫通穴45〜48(
図4参照)を配置することにより、吸い込まれる風がBA1、BA2のように第一開口領域を通って流れるようにした。また、負圧緩和空間55の外側には、大量の空気を吸い込むことができるような大きな開口の第二開口領域が形成されているので、BA1、BA2だけでは不足する風を、BA3のように流すことにより補うことができる。このように本実施例では負圧緩和空間55を設けたので、送風ファン20の中心位置からファンガード40に向かって発生する負圧を、凹状の負圧緩和空間55によって外周側に押し退けて作業者側に生じる負圧を減少させるように作用させることができる。また、負圧緩和空間55に形成された貫通穴45〜48によって壁面41の領域内(第一開口領域)から送風ファン20への直線的な気流の吸い込みを可能としたので、送風ファン20の風量を確保し易くした。
【0024】
図6は、ファンガード40の正面に障害物Xが存在する場合に送風ファン20によって生成される風の流れBA3、BA4を説明するための図である。ブロワ1は、作業者が片手でハンドル部7を把持して持ちながら、又は、吊り穴7a、7bを介してベルトにより肩から下げた状態でハンドル部7を操作しながら作業を行うもので、スロットルレバー21を右手で操作する関係から、大部分の人は作業者の右側にブロワ1を位置させた状態で作業を行う。この際、ファンガード40の左側に作業者の体や衣服等の障害物Xが隣接するため、障害物Xがファンガード40に接すると吸引される風BA1、BA2(
図5参照)によって衣服等の障害物Xが吸引される虞がある。するとBA1、BA2のような空気の流れが遮断されるために、
図6に示すような風の流れBA3、BA4に移行する。移行後の空気の流れは、BA3のように壁面41の外周側の領域(第二開口領域)から吸い込まれる風の流れは
図5の例と同等であるが、BA4のように第二開口領域から吸い込まれて貫通穴48を介して負圧緩和空間55(
図5参照)に一旦流入して、その後に貫通穴47またはそれよりも内側の貫通穴45〜46を介して送風ファン20に吸い込まれる流れが生ずる。本実施例ではファンガード40の頂部に作業者ないし障害物Xが存在して第一開口領域が密閉された場合であっても、送風ファン20の中心軸線A1から遠く、大気圧に近い外周側の貫通穴48から負圧緩和空間55内に外気の一部が供給されることで、吸込口30に向かう気流をスムーズに案内できる上に、負圧緩和空間55内の負圧を低減しつつ送風効率および風量を向上させることができる。従って、第一開口領域内でも作業者側にも微弱の負圧を逃がすことにより、第二開口領域に負圧が集中して外周に衣服等が強く吸い付けられるということがなく、第一開口領域の軸方向外側における負圧および吸い付き力も低減できる。さらに、ガードに形成された第一開口領域および第二開口領域内の開口(すなわち全ての開口)の負圧を均一に減少させることができるので、作業者の衣服が吸い付いてしまった場合であっても、負圧緩和空間55の負圧が低く維持されるため吸い付き力が小さく、作業者は容易にブロワ1の本体を衣服から引き離すことが可能となる。
【0025】
図7はファンガード40と吸込口30との大きさの関係を説明するための図である。ボリュート室24の内部には、直径D
Fの送風ファン20が配置され、送風ファン20の左側の壁面24bには吸込口30が形成される。吸込口30は、中心軸線A1と同軸上に配置された円形の開口であって直径D
Hは送風ファン20の直径D
Fよりも小さく形成される。ファンガード40には、外側から吸込口30側に向けて窪むものであって送風ファン20の軸方向と略同心に配置された凹部(負圧緩和空間55)が形成される。第一開口領域の直径D
1は、送風ファン20の直径D
Fよりも大きく形成される。つまり送風ファン20の軸方向A1と直交方向にみて第一開口領域の外縁位置は吸込口30の外縁位置よりも径方向外側に位置することになる。第二開口領域の外径D
2は第一開口領域の直径D
1よりも大きく形成される。尚、
図7から明らかなように、ファンガード40の一部には、点線で囲む部分に格子状の延長ガード部50が形成される。延長ガード部50は複数本のフレーム枠51が第一ケース4側に延在するように形成されたものである。延長ガード部50が配置される付近は、渦巻き状であって徐々に内径が大きくなるボリュート室24のうち、内径が小さい前側部分付近である。つまり、ボリュート室24と外枠43との距離が大きくなってしまう為に、異物が侵入し難いように延長ガード部50が設けられる。尚、延長ガード部50が形成される部分以外の円周方向部分にても外枠43と第一ケース4との間は所定の隙間を有するが、これらの隙間を介しても外気が吸引される。
【0026】
以上のように本実施例では、第一開口領域における開口の総面積(第一開口)を第二開口領域における開口の総面積(第二開口)より小さく設定したので、送風ファン中心からガードに向かって発生する負圧を凹状の負圧緩和空間55によって外周側に押し退けて作業者側に生じる負圧を減少させることができる。更に、第一開口によって作業者側にも微弱の負圧を逃がすことにより、第二開口に負圧が集中して外周に衣服等が強く吸い付けられるということもなく、第二開口領域における負圧および吸い付き力も低減できる。従って、風量を確保しながら、ガードに形成された第一開口および第二開口(すなわち全ての開口)の負圧を均一に減少させてガード周囲の負圧および吸い付き力を大幅に低減することができる。尚、本実施例では第二開口領域をファンガード40によって一体に形成したが、第二開口領域部分を第一開口領域とは別の部材により形成しても良い。