特許第6687186号(P6687186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許6687186ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法
<>
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000002
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000003
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000004
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000005
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000006
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000007
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000008
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000009
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000010
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000011
  • 特許6687186-ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687186
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ネットワークノード、ユーザデバイスおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20200413BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20200413BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20200413BHJP
【FI】
   H04W72/04 130
   H04L27/26 113
   H04W16/28 110
   H04L27/26 114
   H04L27/26 111
【請求項の数】17
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-536471(P2018-536471)
(86)(22)【出願日】2016年7月13日
(65)【公表番号】特表2019-511143(P2019-511143A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2016066667
(87)【国際公開番号】WO2018010786
(87)【国際公開日】20180118
【審査請求日】2018年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ケラ、ぺッテリ
(72)【発明者】
【氏名】コスタ、マリオ
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02858398(EP,A1)
【文献】 特開2012−222723(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/122658(WO,A1)
【文献】 Samsung,Non-Orthogonal Multiple Access Considerations for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #85 R1-163993,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_117/Docs/R1-163993.zip>,2016年 5月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのためのネットワークノードであって、
複数のユーザデバイスに関連する複数の参照信号を受信する送受信器と、
受信された前記複数の参照信号に基づいて、前記複数のユーザデバイスを少なくとも1つのユーザデバイスグループにグループ化し、
前記ユーザデバイスグループにおける少なくとも2つのユーザデバイスが同じ時間インスタンスにおいてグラントフリーデータを伝送する同時グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを前記ユーザデバイスグループに割り当て、
受信された前記複数の参照信号および割り当てられた前記無線リソースに基づいて、前記ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを計算する
プロセッサと
を備え、
前記送受信器は、割り当てられた前記無線リソースにおいて、前記ユーザデバイスグループにおける複数のユーザデバイスから同時グラントフリーデータ伝送を受信し、
前記プロセッサは、計算された前記受信器フィルタに基づいて、前記ユーザデバイスグループにおける前記複数のユーザデバイスからの前記同時グラントフリーデータ伝送を分離する、
ネットワークノード。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ユーザデバイスグループのうちの少なくとも1つのユーザデバイスについての第1制御メッセージを決定することであって、前記第1制御メッセージは、割り当てられた前記無線リソースを指示する、ことを行い、
前記送受信器は、前記第1制御メッセージを前記ユーザデバイスへ伝送する、
請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項3】
前記プロセッサは、
受信された前記複数の参照信号に基づいて、前記複数のユーザデバイスについての位置情報を取得し、
取得された、前記複数のユーザデバイスについての前記位置情報に基づいて、前記複数のユーザデバイスをグループ化する、
請求項1または2に記載のネットワークノード。
【請求項4】
前記プロセッサは、受信された前記複数の参照信号に基づいて、少なくとも1つの変調および符号化方式(MCS)を決定し、
前記送受信器は、第2制御メッセージを前記ユーザデバイスへ伝送することであって、前記第2制御メッセージは、前記同時グラントフリーデータ伝送において前記ユーザデバイスによって使用されることになっている前記MCSを指示する、ことを行い、
請求項2または3に記載のネットワークノード。
【請求項5】
前記第2制御メッセージはさらに、前記同時グラントフリーデータ伝送のための前記MCSを更新するように前記ユーザデバイスに命令するMCS更新命令を指示する、請求項4に記載のネットワークノード。
【請求項6】
前記第2制御メッセージはさらに、前記同時グラントフリーデータ伝送において、前記ユーザデバイスによって異なる無線リソースのために使用されることになっている異なるMCSを指示する、請求項4または5に記載のネットワークノード。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記複数のユーザデバイスのうちの少なくとも1つのユーザデバイスを少なくとも2つの異なるユーザデバイスグループにグループ化し、請求項1から6のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記ユーザデバイスグループにおける前記ユーザデバイスから受信された複数の前記同時グラントフリーデータ伝送におけるデータパケットについての到着時間間隔を推定し、
受信された前記複数の参照信号および推定された前記到着時間間隔に基づいて、前記ユーザデバイスグループについての前記受信器フィルタを再計算する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項9】
前記送受信器は、
前記複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信し、
前記プロセッサは、受信された前記複数の新しい参照信号に基づいて、前記ユーザデバイスグループのために前記受信器フィルタを再計算する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項10】
前記送受信器は、前記複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信し、
前記プロセッサは、受信された前記複数の新しい参照信号に基づいて、前記複数のユーザデバイスを少なくとも1つの新しいユーザデバイスグループに再グループ化する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項11】
異なるユーザデバイスグループのための割り当てられた無線リソースが互いに直交する、請求項1から10のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項12】
無線通信システムのためのユーザデバイスであって、
少なくとも1つの参照信号をネットワークノードへ伝送すること、
第1制御メッセージを前記ネットワークノードから受信することであって、前記第1制御メッセージは、同一の無線リソースを共有するユーザデバイスグループにおける少なくとも2つのユーザデバイスが同じ時間インスタンスにおいてグラントフリーデータを伝送する同時グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを指示する、こと、
第2制御メッセージを前記ネットワークノードから受信することであって、前記第2制御メッセージは、指示された前記無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する、こと、
指示された前記MCSを使用して、同時グラントフリーデータ伝送のための指示された前記無線リソースにおいて、データパケットを前記ネットワークノードへ伝送すること
を行う送受信器を備えるユーザデバイス。
【請求項13】
前記第2制御メッセージはさらに、前記同時グラントフリーデータ伝送のための前記MCSを更新するように前記ユーザデバイスに命令するMCS更新命令を指示し、
前記送受信器は、更新された前記MCSを使用して、指示された前記無線リソースにおいて、データパケットを前記ネットワークノードへ伝送する、
請求項12に記載のユーザデバイス。
【請求項14】
前記第2制御メッセージはさらに、前記同時グラントフリーデータ伝送において、異なる無線リソースのために前記ユーザデバイスによって使用されることになっている異なるMCSを指示し、
前記送受信器は、異なる無線リソースのための前記MCSを使用して、指示された前記無線リソースにおいて、データパケットを前記ネットワークノードへ伝送する、
請求項12または13に記載のユーザデバイス。
【請求項15】
複数のユーザデバイスに関連する複数の参照信号を受信する段階と、
受信された前記複数の参照信号に基づいて、前記複数のユーザデバイスを少なくとも1つのユーザデバイスグループにグループ化する段階と、
前記ユーザデバイスグループにおける少なくとも2つのユーザデバイスが同じ時間インスタンスにおいてグラントフリーデータを伝送する同時グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを前記ユーザデバイスグループに割り当てる段階と、
受信された前記複数の参照信号および割り当てられた前記無線リソースに基づいて、前記ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを計算する段階と、
割り当てられた前記無線リソースにおいて、前記ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスから複数の同時グラントフリーデータ伝送を受信する段階と、
計算された前記受信器フィルタに基づいて、前記ユーザデバイスグループにおける前記ユーザデバイスからの前記同時グラントフリーデータ伝送を分離する段階と
を備える方法。
【請求項16】
少なくとも1つの参照信号をネットワークノードへ伝送する段階と、
第1制御メッセージを前記ネットワークノードから受信する段階であって、前記第1制御メッセージは、同一の無線リソースを共有するユーザデバイスグループにおける少なくとも2つのユーザデバイスが同じ時間インスタンスにおいてグラントフリーデータを伝送する同時グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを指示する、段階と、
第2制御メッセージを前記ネットワークノードから受信する段階であって、前記第2制御メッセージは、指示された前記無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する、段階と、
指示された前記MCSを使用して、指示された前記無線リソースにおいて、データパケットを前記ネットワークノードへ伝送する段階と
を備える方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネットワークノードおよびユーザデバイスに関する。さらに、本発明はまた、対応する方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)などの典型的な無線ネットワークにおいて、アップリンク(UL)データ伝送のための共有物理チャネルの選択は、スケジューリング(またはグラント)機構に基づく。そのような機構は、基地局(BS)において行われる。特に、ユーザ装置(UE)は、UL制御チャネル上でBSへスケジューリング要求またはグラントを送信する。BSは、スケジューリング要求またはグラントを受信すると、ダウンリンク(DL)制御チャネル上で、ULデータ伝送のためのリソース割り当てを指示するULグラントをUEへ伝送する。そのようなリソースは、例えば、時間、周波数、符号チャネルなどであり得る。その後、UEは、そのような付与されたリソース上でULデータを伝送する。
【0003】
従来のコンテンションベースの手法においては、伝送媒体アクセスは制御されず、従って、同一の物理リソースを使用する伝送は、伝送を成功裏に受信できない方式で衝突することがあり得る。
【0004】
グラントフリーULデータ伝送のための方式を説明する従来の解決法が提案されている。しかしながら、この従来の解決法は、IEEE 802.11規格において使用されているものと同様に、コンテンションベース方式である。特に、従来の解決法において、ネットワークは、時間、周波数および/または符号の領域の観点から、コンテンションベースのULデータ伝送のための物理リソースを定義している。これにより、スケジューリング、および、関連する割り当てシグナリングのレイテンシが無い、データパケットの送信が可能になる。しかしながら、コンテンションベースのアクセス方式は、ULデータ伝送が衝突するリスクが高いことに起因して、物理リソースの利用率の観点では非効率である。従って、従来の解決法は、高いトラフィック負荷を生じさせるユーザにとっては適切でない。
【0005】
スケジューリングまたはグラント要求に基づく方式の制約は、特に伝送されるULデータが小さい場合に、シグナリングのオーバーヘッドが大きいことである。例として、20バイトほどの小さなデータパケットの場合、スケジューリングまたはグラント要求に基づく典型的な機構によって使用されるリソースは約30%であり、または、約50%でさえある。そのような方式の別の制約は、スケジューリング要求と肯定応答伝送との間のレイテンシが高いことである。例えば、LTEにおいて、UEは最初に、アップリンク制御チャネル上で、次回の可能な機会において、スケジューリング要求によって、アップリンクリソースの必要性についてネットワークに通知する必要がある。そこでUEは、可能なアップリンク割り当てまで待つ必要がある。アップリンク割り当てが受信されると、UEは引き続き、割り当てられたサブフレーム、および、伝送後の肯定応答を待つ必要がある。そのようなスケジューリング関連のシグナリングによって引き起こされるそのようなレイテンシを減少させることは、遅延の影響を受けやすい通信にとって重要である。
【0006】
コンテンションベースの解決法の制約は常に、ULデータの衝突のリスクが高いことに関連する。ULデータが衝突した場合、データを正確に復号化できず、再伝送が必要となる。これにより、レイテンシが増加するので、遅延の影響を受けやすい通信にとって、コンテンションベース方式の魅力が低下する。さらに、コンテンションベース機構は、無線リソースの利用率という観点で、非効率的である。なぜなら、衝突の確率を低くするべく、ULデータ伝送の容量を実際の使用量より大きくする必要があるからである。これに起因して、コンテンションベース機構は、時折の小さい伝送に最適である。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態の目的は、従来の解決法の欠点および問題を緩和または解決する解決法を提供することである。
【0008】
本発明の実施形態の別の目的は、コンテンションベースの解決法の制約を克服する、グラントフリーUL伝送のためのシステムおよび方法を提供することである。これにより、無線通信システムにおけるネットワーク性能を低下させることなく、パケットサイズおよびデータ負荷に関係なく効率的なグラントフリー伝送が可能となる。
【0009】
この明細書および対応する特許請求の範囲における「または」は、「および」および「または」を含む数学的な論理和であると理解されるべきであり、XOR(排他的論理和)として理解されるべきではない。
【0010】
この開示および特許請求の範囲における不定冠詞「a」は、「1」に限定されるものではなく、「1または複数」、すなわち複数形としても理解できる。
【0011】
上述の目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明のさらに有利な実装形態は、従属請求項において見出すことができる。
【0012】
本発明の第1態様によれば、上述の目的および他の目的は、無線通信システムのためのネットワークノードを用いて実現され、当該ネットワークノードは、複数のユーザデバイスに関連する複数の参照信号を受信するように構成されている送受信器と、受信された複数の参照信号に基づいて、複数のユーザデバイスを少なくとも1つのユーザデバイスグループにグループ化し、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースをユーザデバイスグループに割り当て、受信された複数の参照信号および割り当てられた無線リソースに基づいて、ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを計算するように構成されているプロセッサとを備え、送受信器は、割り当てられた無線リソースにおいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスから複数のグラントフリーデータ伝送を受信するように構成され、プロセッサは、計算された受信器フィルタに基づいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスからのグラントフリーデータ伝送を分離するように構成されている。
【0013】
第1の態様に係るネットワークノードによって多数の利点が提供される。ユーザデバイスを1または複数のグループにグループ化し、受信器フィルタを計算することによって、非常に低い衝突確率が実現され、これにより、高いスペクトル効率が提供される。さらに、グラントフリー伝送では、従来の解決法のようなスケジューリング要求およびスケジューリングのレイテンシが無いことに起因して、低レイテンシを実現できる。
【0014】
第1の態様に係るネットワークノードの第1の可能な実装形態において、プロセッサは、ユーザデバイスグループのうちの少なくとも1つのユーザデバイスについての第1制御メッセージを決定することであって、第1制御メッセージは、割り当てられた無線リソースを指示する、ことを行うように構成され、送受信器は、第1制御メッセージをユーザデバイスへ伝送するように構成されている。
【0015】
第1の実装形態は、指示された、グラントフリー伝送のために割り当てられた無線リソースをユーザデバイスに通知するためのシグナリング機構を提供する。
【0016】
第1態様の第1の実装形態、または、第1態様自体に係るネットワークノードの第2の可能な実装形態において、プロセッサは、受信された複数の参照信号に基づいて、複数のユーザデバイスについての位置情報を取得すること、および、取得された、複数のユーザデバイスについての位置情報に基づいて、複数のユーザデバイスをグループ化することを行うように構成されている。
【0017】
第2の実装形態は、ユーザデバイス位置に基づくグループ化を可能にする。位置情報を使用するこの方法は、同一の時間−周波数‐符号リソース上で生じる同時グラントフリー伝送を(空間領域において)分離し、それにより、スペクトル効率を改善するために使用できる。このことはユーザデバイスとネットワークノードとの間の見通し(line−of−sight)伝播が利用できるときに特に当てはまる。
【0018】
第1態様の上述の実装形態、または、第1態様自体のいずれかに係るネットワークノードの可能な実装形態において、プロセッサは、受信された複数の参照信号の空間相関を取得すること、および、取得された空間相関に基づいて複数のユーザデバイスをグループ化することを行うように構成されている。
【0019】
この実装形態において、空間相関を使用することにより、ユーザデバイスを空間的にグループ化できる。それにより、伝送衝突を最小限に抑えることができ、スペクトル効率をさらに改善できる。このことは、例えばマルチユーザMIMOシステムにおいて、すべてのアクティブなユーザデバイスにサービスを同時に提供するための自由度が十分に無いときに特に当てはまる。
【0020】
第1態様の第1または第2の実装形態に係るネットワークノードの第3の可能な実装形態において、プロセッサは、受信された複数の参照信号に基づいて、少なくとも1つの変調および符号化方式MCSを決定するように構成され、送受信器は、第2制御メッセージをユーザデバイスへ伝送することであって、第2制御メッセージは、グラントフリーデータ伝送においてユーザデバイスによって使用されることになっているMCSを指示する、ことを行うように構成されている。
【0021】
受信された参照信号に基づいて、ユーザデバイスによって使用されることになっているMCSを決定することにより、スペクトル効率の改善が実現される。
【0022】
第1態様の第3の実装形態に係るネットワークノードの第4の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送についてのMCSを更新するようにユーザデバイスに命令するMCS更新命令を指示する。
【0023】
第4の実装形態はさらに、変化する伝播および/または干渉の条件にMCSを適合させるためのMCS更新機構を提供する。それにより、スペクトル効率の改善が可能になる。
【0024】
第1態様の第3または第4の実装形態に係るネットワークノードの第5の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送において、異なる無線リソースのためにユーザデバイスによって使用されることになっている異なる、または、複数のMCSを指示する。
【0025】
第5実装形態は、異なる無線リソースを異なるMCSに関連付けることによってスペクトル効率を最適化する。なぜなら、同一のユーザデバイスにとって、異なる無線リソースについてのチャネル条件および/または干渉条件は異なるからである。
【0026】
第1態様の上述の実装形態、または、第1態様自体のいずれかに係るネットワークノードの第6の可能な実装形態において、プロセッサは、複数のユーザデバイスの少なくとも1つのユーザデバイスを少なくとも2つの異なるユーザデバイスグループにグループ化するように構成されている。
【0027】
第6の実装形態は、異なるユーザデバイスに異なる量の無線リソースを与える機構を提供する。例えば、アクティブなユーザデバイスに対し、よりアクティブでないユーザデバイスより多くの無線リソースを与えることができる。それにより、スペクトル効率の改善が可能になる。
【0028】
第1態様の上述の実装形態、または、第1態様自体のいずれかに係るネットワークノードの第7の可能な実装形態において、プロセッサは、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスから受信された複数のグラントフリーデータ伝送におけるデータパケットについての到着時間間隔を推定し、受信された複数の参照信号および推定された到着時間間隔に基づいて、ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを再計算するように構成されている。
【0029】
第7の実装形態は、受信器フィルタを計算するために、受信されたデータパケットの到着時間間隔の推定を使用する。それにより、ユーザデバイスについての到着時間間隔の推定から取得されたアクティビティレベルが、スペクトル効率の改善のための受信器フィルタ計算において使用される。
【0030】
第1態様の上述の実装形態または第1態様自体のいずれかに係るネットワークノードの第8の可能な実装形態において、送受信器は、複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信するように構成され、プロセッサは、受信された複数の新しい参照信号に基づいてユーザデバイスグループについての受信器フィルタを再計算するように構成されている。
【0031】
第8の実装形態は、受信器フィルタを計算するために、受信された新しい参照信号から取得された、更新されたチャネル状態情報を使用する。それにより、スペクトル効率の改善が可能になる。なぜなら、受信器フィルタが、変化する伝播および/または干渉の条件に適合されるからである。
【0032】
第1態様の上述の実装形態、または、第1態様自体に係るネットワークノードの第9の可能な実装形態のいずれかにおいて、送受信器は、複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信するように構成され、プロセッサは、受信された複数の新しい参照信号に基づいて、少なくとも1つの新しいユーザデバイスグループに複数のユーザデバイスを再グループ化するように構成されている。
【0033】
第9の実装形態は、ユーザデバイスの移動を考慮するグループ化のための機構を提供する。それにより、スペクトル効率の改善が可能となる。
【0034】
第1態様の上述の実装形態、または、第1態様自体のいずれかに係るネットワークノードの第10の可能な実装形態において、異なるユーザデバイスグループのために割り当てられた無線リソースは、互いに直交する。
【0035】
第10の実装形態は、異なるグループのための直交無線リソースを使用することによって、グループ間干渉を減少させる、または、完全に除去する。
【0036】
本発明の第2態様によれば、上述の他の目的は、無線通信システムのためのユーザデバイスを用いて実現され、当該ユーザデバイスは、送受信器を備え、送受信器は、少なくとも1つの参照信号をネットワークノードへ伝送すること、第1制御メッセージをネットワークノードから受信することであって、第1制御メッセージは、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを指示する、こと、第2制御メッセージをネットワークノードから受信することであって、第2制御メッセージは、指示された無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する、こと、および、指示されたMCSを使用して、グラントフリーデータ伝送のための指示された無線リソースにおいてデータパケットをネットワークノードへ伝送することを行うように構成されている。
【0037】
第2態様に係るユーザデバイスによって、多数の利点が提供される。第2態様に係るユーザデバイスは、スケジューリング要求およびスケジューリングのレイテンシが無いことに起因する低レイテンシをもたらすグラントフリー伝送を可能にする。さらに、指示された無線リソースにおける伝送は、協調された干渉をもたらす。指示されたMCSにおいて伝送することによって、スペクトル効率の改善も可能になる。
【0038】
第2態様に係るユーザデバイスの第1の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送のためのMCSを更新するようにユーザデバイスに命令するMCS更新命令を指示し、送受信器は、更新されたMCSを使用して、指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノードへ伝送するように構成されている。
【0039】
第1の実装形態はさらに、変化する伝播および/または干渉の条件に適合するためのMCS更新機構を提供する。それにより、スペクトル効率の改善が可能になる。
【0040】
第2態様の第1の可能な実装形態、または、第1態様自体に係るユーザデバイスの第2の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送において、異なる無線リソースのためにユーザデバイスによって使用されることになっている異なる、または、複数のMCSを指示し、送受信器は、異なる無線リソースのためにMCSを使用して、指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノードへ伝送するように構成されている。
【0041】
第2の実装形態は、異なる無線リソースを異なるMCSに関連付けることによってスペクトル効率を最適化する。なぜなら、同一のユーザデバイスにとって、異なる無線リソースについてのチャネル条件は異なるからである。
【0042】
本発明の第3態様によれば、上述の目的および他の目的は、複数のユーザデバイスに関連する複数の参照信号を受信する段階と、受信された複数の参照信号に基づいて、複数のユーザデバイスを少なくとも1つのユーザデバイスグループにグループ化する段階と、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースをユーザデバイスグループに割り当てる段階と、受信された複数の参照信号および割り当てられた無線リソースに基づいて、ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを計算する段階と、割り当てられた無線リソースにおいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスから複数のグラントフリーデータ伝送を受信する段階と、計算された受信器フィルタに基づいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスからのグラントフリーデータ伝送を分離する段階とを備える方法によって実現される。
【0043】
第3態様に係る方法の第1の可能な実装形態において、方法は、ユーザデバイスグループの少なくとも1つのユーザデバイスについての第1制御メッセージを決定する段階であって、第1制御メッセージは、割り当てられた無線リソースを指示する、段階と、第1制御メッセージをユーザデバイスへ伝送する段階とを備える。
【0044】
第3態様の第1の実装形態、または、第3態様自体に係る方法の第2の可能な実装形態において、方法は、受信された複数の参照信号に基づいて複数のユーザデバイスについての位置情報を取得する段階と、複数のユーザデバイスについての取得された位置情報に基づいて複数のユーザデバイスをグループ化する段階とを備える。
【0045】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の可能な実装形態において、方法は、受信された複数の参照信号の空間相関を取得する段階と、取得された空間相関に基づく複数のユーザデバイスをグループ化する段階とを備える。
【0046】
第3態様の第1または第2の実装形態に係る方法の第3の可能な実装形態において、方法は、受信された複数の参照信号に基づいて、少なくとも1つの変調および符号化方式MCSを決定する段階と、第2制御メッセージをユーザデバイスへ伝送する段階であって、第2制御メッセージは、グラントフリーデータ伝送において、ユーザデバイスによって使用されることになっているMCSを指示する、段階とを備える。
【0047】
第3態様の第3の実装形態に係る方法の第4の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送についてのMCSを更新するようにユーザデバイスに命令するMCS更新命令を指示する。
【0048】
第3態様の第3または第4の実装形態に係る方法の第5の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送において、異なる無線リソースのためにユーザデバイスによって使用されることになっている異なる、または、複数のMCSを指示する。
【0049】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の第6の可能な実装形態において、方法は、複数のユーザデバイスのうちの少なくとも1つのユーザデバイスを少なくとも2つの異なるユーザデバイスグループにグループ化する段階を備える。
【0050】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の第7の可能な実装形態において、方法は、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイスから受信された複数のグラントフリーデータ伝送におけるデータパケットについての到着時間間隔を推定する段階と、受信された複数の参照信号および推定された到着時間間隔に基づいて、ユーザデバイスグループについての受信器フィルタを再計算する段階とを備える。
【0051】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の第8の可能な実装形態において、方法は、複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信する段階と、受信された複数の新しい参照信号に基づいてユーザデバイスグループについての受信器フィルタを再計算する段階とを備える。
【0052】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の第9の可能な実装形態において、方法は、複数のユーザデバイスに関連する複数の新しい参照信号を受信する段階と、受信された複数の新しい参照信号に基づいて、複数のユーザデバイスを少なくとも1つの新しいユーザデバイスグループに再グループ化する段階とを備える。
【0053】
第3態様の上述の実装形態、または、第3態様自体のいずれかに係る方法の第10の可能な実装形態において、異なるユーザデバイスグループのために割り当てられた無線リソースは互いに直交する。
【0054】
本発明の第4態様によれば、上述の目的および他の目的は、少なくとも1つの参照信号をネットワークノードへ伝送する段階と、第1制御メッセージをネットワークノードから受信する段階であって、第1制御メッセージはグラントフリーデータ伝送についての無線リソースを指示する、段階と、第2制御メッセージをネットワークノードから受信する段階であって、第2制御メッセージは、指示された無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する、段階と、指示されたMCSを使用して、指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノードへ伝送する段階とを備える方法を用いて実現される。
【0055】
第4態様に係る方法の第1の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送のためのMCSを更新するように命令するMCS更新命令を指示し、当該方法は、更新されたMCSを使用して、指示された無線リソースにおいてデータパケットをネットワークノードへ伝送する段階を備える。
【0056】
第4態様の第1の可能な実装形態、または、第4態様自体に係る方法の第2の可能な実装形態において、第2制御メッセージはさらに、グラントフリーデータ伝送において、異なる無線リソースのために使用されることになっている異なる、または、複数のMCSを指示し、当該方法は、異なる無線リソースのためのMCSを使用して、指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノードへ伝送する段階を備える。
【0057】
第3または第4態様に係る任意の方法の利点は、第1もしくは第2態様に係る対応するネットワークノードまたはユーザデバイスについての利点と同一である。
【0058】
本発明の実施形態は、符号化手段を特徴とするコンピュータプログラムにも関連し、これは、処理手段により実行されるとき、上記処理手段に本発明に係る任意の方法を実行させる。さらに、本発明は、コンピュータ可読媒体および上述のコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品にも関連し、上述のコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体に含まれ、ROM(リードオンリメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的EPROM)、およびハードディスクドライブの群からの1または複数から構成される。
【0059】
本発明のさらなる適用および利点が、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
添付図面は、本発明の種々の実施形態を明確化し、説明するよう意図されている。
図1】本発明の実施形態に係るネットワークノードを示す。
図2】本発明の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
図3】本発明の実施形態に係るユーザデバイスを示す。
図4】本発明の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
図5】無線通信システムにおける本発明の実施形態を図示する。
図6】本発明の実施形態のフローチャートを示す。
図7】本発明の実施形態のフローチャートを示す。
図8】2つの異なるユーザデバイスグループについての直交無線リソースを図示する。
図9】受信器フィルタ最適化を図示する。
図10】本発明の実施形態のシグナリング態様を図示する。
図11】本発明の実施形態の性能結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明の実施形態は、ユーザデバイスがコンテンションベース伝送を利用することなくグラントフリー方式で伝送することを可能にする、ネットワークノード、ユーザデバイス、および、対応する方法に関する。
【0062】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークノード100を示す。ネットワークノード100は、図1において矢印で図示されている通信手段110を用いてプロセッサ104に通信可能に連結された送受信器102を備える。この実施形態におけるネットワークノード100はさらに、例えばLTEなどの無線通信システム500における無線通信のために構成されているアンテナ108を備える。アンテナは、例えば、マルチユーザ多入力多出力(MU−MIMO)対応アンテナアレイであり得る。
【0063】
本解決法によれば、ネットワークノード100の送受信器102は、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nに関連する複数の参照信号502a、502b、...、502nを受信するように構成されている(図5を参照)。ネットワークノード100のプロセッサ104は、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nに基づいて、複数のユーザデバイス300a、300b、...300nを少なくとも1つのユーザデバイスグループ310nにグループ化するように構成されている。プロセッサ104はさらに、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースをユーザデバイスグループ310nに割り当てるように構成されている。プロセッサ104はさらに、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502n、および、割り当てられた無線リソースに基づいて、ユーザデバイスグループ310nのための受信器フィルタ106を計算するように構成されている。送受信器102はさらに、割り当てられた無線リソースにおいて、ユーザデバイスグループ310nにおけるユーザデバイス300nから複数のグラントフリーデータ伝送を受信するように構成されている。プロセッサ104はさらに、計算された受信器フィルタ106に基づいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイス300nからのグラントフリーデータ伝送を分離するように構成されている。図1は、プロセッサ104がどのようにユーザデバイスを1または複数のユーザデバイスグループ310a、310b、...、310nにグループ化するかを図示している。
【0064】
図2は、図1に示されているもののような、ネットワークノード100において実行され得る、本発明の実施形態に係る対応する方法200を示す。方法200は、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nに関連する複数の参照信号502a、502b、...、502nを受信する段階202を備える。方法200はさらに、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nに基づいて、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nを少なくとも1つのユーザデバイスグループ310nにグループ化する段階204を備える。方法200はさらに、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースをユーザデバイスグループ310nに割り当てる段階206を備える。方法200はさらに、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502n、および、割り当てられた無線リソースに基づいて、ユーザデバイスグループ310nのための受信器フィルタ106を計算する段階208を備える。方法200はさらに、割り当てられた無線リソースにおいて、ユーザデバイスグループ310nにおけるユーザデバイス300nから複数のグラントフリーデータ伝送を受信する段階210を備える。方法200はさらに、計算された受信器フィルタ106に基づいて、ユーザデバイスグループにおけるユーザデバイス300nからのグラントフリーデータ伝送を分離する段階212を備える。
【0065】
本明細書において記載されるネットワークノード100はまた、アクセスノードまたはアクセスポイントまたは基地局として示され得て、基地局は例えば、使用される技術および用語に応じて、いくつかのネットワークにおいて、伝送器、「eNB」、「eNodeB」、「NodeB」、「gNB」または「Bノード」と称され得る無線基地局(RBS)である。アクセスネットワークノードは、伝送電力に基づいて、また、従ってセルサイズに基づいて、例えば、マクロeNodeB、ホームeNodeB、または、小型基地局など、種々のクラスのものであり得る。アクセスネットワークノードは、ステーション(STA)であり得る。これは、無線媒体(WM)へのIEEE 802.11準拠媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)インタフェースを含む任意のデバイスである。また、アクセスネットワークノード300a、300bは、有線通信システムにおけるネットワークノードであり得る。さらに、IEEE、インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)、および、国際電気通信連合(ITU)によって公布される規格、3GPP規格、ならびに、第5世代(5G)規格などがサポートされる。様々な実施形態において、ネットワークノード400は、WLANについてのIEEE 802.11規格(例えば、802.11a、b、g/h、j、n、およびその派生)、および/もしくは、WMANについての802.16規格(例えば、802.16−2004、802.16.2−2004、802.16e、802.16fおよびその派生)を含む1または複数のIEEE802規格、ならびに/または、3GPP LTE規格に従って情報を通信し得る。アクセスネットワークノード300a、300bは、地上デジタルビデオブロードキャスティング(DVB−T)放送規格、および、高性能無線ローカルエリアネットワーク(HiperLAN)規格のうちの1つまたは複数に従って情報を通信し得る。
【0066】
実施形態において、ネットワークノード100のプロセッサ104は、ユーザデバイスグループ310nにおける少なくとも1つのユーザデバイス300nのための第1制御メッセージ504nを決定するように構成されている。第1制御メッセージ504nは、グラントフリー伝送のために割り当てられた無線リソースを指示する。送受信器102はさらに、第1制御メッセージ504nをユーザデバイス300nへ伝送するように構成されている。従って、この実施形態は、グラントフリー伝送のために割り当てられた無線リソースをユーザデバイスへシグナリングすることに関する。
【0067】
一実施形態において、各ユーザデバイス300は、例えばいわゆるビーコン信号を伝送することによって、UL参照信号をネットワークノード100へ周期的に伝送すると想定する。そのようなUL参照信号は、物理リソース上で伝送され、それらはユーザデバイス300a、300b、...、300nの間で重複しない(すなわち直交している)。これらのUL参照信号は、伝送器におけるチャネル状態情報(CSIT)を取得するために使用される。代替的に、そのようなUL参照信号は、ユーザデバイス300nの位置を推定およびトラッキングして位置情報を取得するために使用され得る。UL参照信号は、ユーザデバイス300nがグラントフリーULデータを伝送するときにいつも最新のCSITまたはおよその位置推定を想定できるような方式で割り当てられる。
【0068】
特に、ネットワークノード100は、周期的に伝送されるUL参照信号から、ユーザデバイス300nのチャネルおよび/または位置を推定およびトラッキングし得る。これにより、ネットワークノード100は、ユーザデバイス300nのチャネルおよび/または位置が異なっている限り、同一の時間および周波数のリソース上で送信されたユーザデバイス伝送をネットワークノード100が受信できるような方式で、そのMU−MIMO対応アンテナアレイについての受信器フィルタのウェイトを計算できる。従って、複数のユーザデバイスからのUL伝送を空間的に分離でき、エラーを生じさせない方式で受信できる。
【0069】
制御シグナリングをさらに減少させるべく、ユーザデバイス300によるULグラントフリー伝送のために、ロバストな変調および符号化方式(MCS)をデフォルトで使用できる。しかしながら、提案された方式の全体的な性能を最適化するべく、ネットワークノード100は、ユーザデバイスのために個々にMCSを更新でき、さらに、MCSの決定に使用される信号対干渉および雑音比(SINR)が失効したことをネットワークノード100が検出したとき、再更新できる。
【0070】
さらなる実施形態において、プロセッサ104はさらに、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nに基づいて、少なくとも1つのMCSを決定するように構成されている。さらに、送受信器102は、第2制御メッセージ506nをユーザデバイス300nへ伝送するように構成されている。第2制御メッセージ506nは、グラントフリーデータ伝送においてユーザデバイス300nによって使用されることになっているMCSを指示する。
【0071】
一実施形態において、第1制御メッセージ504nおよび第2制御メッセージ506nは、異なる時間インスタンスにおいて伝送される。別の実施形態において、第1制御メッセージ504nおよび第2制御メッセージ506nは、同一の時間インスタンスにおいて、例えば同一の制御シグナリングにおいて伝送される。
【0072】
一実施形態において、第2制御メッセージ506nはさらに、グラントフリーデータ伝送のためのMCSを更新するようにユーザデバイス300nに命令するMCS更新命令を指示する。それにより、MCS更新機構が提供される。
【0073】
実施形態において、第2制御メッセージ506nはさらに、グラントフリーデータ伝送において、ユーザデバイス300nによって異なる無線リソースのために使用されることになっている異なる、または複数のMCSを指示する。
【0074】
図3は、本発明の実施形態に係るユーザデバイス300を示す。ユーザデバイス300は、図1において矢印で図示されている通信手段310を用いてプロセッサ304と通信可能に連結されている送受信器302を備える。この実施形態におけるユーザデバイス300はさらに、無線通信システム500における無線通信のために構成されたアンテナ306を備える。
【0075】
本解決法によれば、ユーザデバイス300の送受信器302は、少なくとも1つの参照信号502nをネットワークノード100へ伝送するように構成されている。送受信器302はさらに、第1制御メッセージ504nをネットワークノード100から受信するように構成されている。第1制御メッセージ504nは、グラントフリーデータ伝送のための無線リソースを指示する。送受信器302はさらに、第2制御メッセージ506nをネットワークノード100から受信するように構成されている。第2制御メッセージ506nは、指示された無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する。送受信器302はさらに、指示されたMCSを使用して、グラントフリーデータ伝送のための指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノード100へ伝送するように構成されている。
【0076】
図4は、図3において示されるもののような、ユーザデバイス300において実行され得る、本発明の実施形態に係る対応する方法400を示す。方法400は、少なくとも1つの参照信号502nをネットワークノード100へ伝送する段階402を備える。方法400はさらに、第1制御メッセージ504nをネットワークノード100から受信する段階404であって、第1制御メッセージ504nはグラントフリーデータ伝送のための無線リソースを指示する、段階を備える。方法400はさらに、第2制御メッセージをネットワークノード100から受信する段階406を備え、第2制御メッセージ506nは、指示された無線リソースに関連する少なくとも1つのMCSを指示する。方法400はさらに、指示されたMCSを使用して、指示された無線リソースにおいて、データパケットをネットワークノード100へ伝送する段階408を備える。
【0077】
本明細書において説明されるユーザデバイス300は、セルラー無線システムと称されることもある無線通信システムにおいて無線通信可能なユーザ装置(UE)、移動局(MS)、無線端末、もしくは、移動端末のうちのいずれかであり得る。UEはさらに、モバイルフォン、セルラー電話、コンピュータタブレット、または、無線機能を有するラップトップとも呼ばれ得る。本文脈におけるUEは、無線アクセスネットワークを介して、別の受信器またはサーバなどの別のエンティティと音声またはデータを通信可能な、例えば、ポータブル、ポケット内収容可能、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵、または車載モバイルデバイスであり得る。UEは、無線媒体(WM)へのIEEE 802.11準拠媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)インタフェースを含む任意のデバイスであるステーション(STA)であってよい。さらに、IEEE、インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)、および、国際電気通信連合(ITU)によって公布される規格、3GPP規格、ならびに、第5世代(5G)規格などがサポートされる。様々な実施形態において、受信デバイス100は、WLANについてのIEEE 802.11規格(例えば、802.11a、b、g/h、j、n、およびその派生)、および/もしくは、WMANについての802.16規格(例えば、802.16−2004、802.16.2−2004、802.16e、802.16fおよびその派生)を含む1または複数のIEEE802規格、ならびに/または、3GPP LTE規格に従って情報を通信し得る。受信デバイス100は、地上デジタルビデオブロードキャスティング(DVB−T)放送規格、および、高性能無線ローカルエリアネットワーク(HiperLAN)規格のうちの1つまたは複数に従って情報を通信し得る。
【0078】
ネットワーク側での利用可能な自由度に対して高いユーザデバイス密度に対応するべく、ユーザデバイス300a、300b、...、300nは、別個のユーザデバイスグループ310a、310b、...310nに分けられる。これらのグループには、グラントフリーUL伝送のための重複しない時間または周波数または符号のリソースブロックが割り当てられ得る。しかしながら、各グループにおいて、同一のグループのユーザデバイスは、そのようなリソースブロックを共有する。少なくとも1つのユーザデバイス300を2つまたはより多くのグループに割り当てることができることに留意されたい。例えば、ユーザのグループ化のために、様々なスケジューリング指標を使用できる。これらの指標は、例えば、ユーザ間の空間直交性、過去の平均ユーザスループット、SINR推定、最後のチャネル状態情報(CSI)測定からの時間などであり得る。
【0079】
上述のように、そのような指標の1つは、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nに基づき得る。「基づく」とは、多くの代替例があることを示唆し得る。一例は、シグナリング強度および干渉に関連するすべての態様である。他の例は、例えば、受信された参照信号502a、502b、...、502nから取得され得る、位置および空間相関に関連し得る。
【0080】
従って、一実施形態において、ネットワークノード100のプロセッサ104は、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nに基づいて、ユーザデバイス300a、300b、...、300nについての位置情報を取得するように構成されている。プロセッサ104はさらに、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nについての取得された位置情報に基づいて、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nをグループ化するように構成されている。
【0081】
従って、別の実施形態において、ネットワークノード100のプロセッサ104は、受信された複数の参照信号502a、502b、...、502nの空間相関を取得し、取得された空間相関に基づいて、ユーザデバイス300a、300b、...、300nをグループ化するように構成されている。
【0082】
図5は、無線通信システム500における本解決法を図示する。ネットワークノード100は、ユーザデバイス300a、300b、...、300nに関連する参照信号502a、502b、...、502nを受信する。ネットワークノード100は、受信された参照信号502a、502b、...、502nに基づいて、ユーザデバイス300a、300b、...、300nをグループ化する。その後、ネットワークノード100は、無線リソースを割り当て、1または複数の受信器フィルタ106を計算する。さらに、図5において、ネットワークノード100がどのように第1制御メッセージ504nおよび第2制御メッセージ506nをユーザデバイス300nへ伝送するかが図示されている。ユーザデバイス300nは、第1制御メッセージ504nおよび第2制御メッセージ506nを受信すると、アップリンク(UL)において、グラントフリー方式でネットワークノード100へ伝送する。グラントフリー伝送は、第1制御メッセージ504nにおいて指示される無線リソースにおいて実行される。グラントフリー伝送はさらに、第2制御メッセージ504nにおいて指示される1または複数のMCSにおいて実行される。
【0083】
図6は、ユーザデバイスが異なるグループにグループ化される、本発明の実施形態のフローチャートを示す。段階602において、ネットワークノード100は、ULデータを伝送し得る、潜在的にアクティブなユーザデバイスのリストを生成する。段階604において、ネットワークノード100は、潜在的にアクティブなユーザデバイスを1または複数のグループにグループ化する。ネットワークノード100が、潜在的にアクティブなユーザデバイスをすべてサポートできる場合、1つのグループで十分であり得る。そうでない場合、ネットワークノード100は、潜在的にアクティブなユーザデバイスを複数のグループにグループ化する。段階606において、ネットワークノード100は、直交無線リソースを異なるグループに割り当てる。直交無線リソースは、重複しない時間、周波数、符号などであり得る。しかしながら、同一のグループにおける無線リソースは、直交しない。
【0084】
図7は、ネットワークノード100における受信器フィルタ再計算およびMCSインデックス更新手順のための機構を図示する。段階702において、ネットワークノード100は、新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'をユーザデバイスから受信する(図5も参照)。ネットワークノード100は、新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'に基づいて、ユーザデバイスを新しい一連のユーザデバイスグループに再グループ化し得る。段階704において、ネットワークノード100は、各グループのための受信器フィルタを再計算する。段階706において、ネットワークノード100は、グループにおけるすべてのユーザデバイスについてSNIRを推定する。段階708において、ネットワークノード100は、推定されたSNRに基づいて、グループにおけるユーザデバイスにシグナリングされたMCSがまだ有効であるかどうかを確認する。すでにシグナリングされたMCSが有効である場合、さらなる動作は実行されない(すなわち、図7のYES)。しかしながら、すでにシグナリングされたMCSが有効でない、すなわち、図7でNOである場合、段階710において、ネットワークノード100は、グループにおけるユーザデバイスについてのMCSを更新し、第2制御メッセージにおいて、更新されたMCSをユーザデバイスへシグナリングする(図7には示されていない)。
【0085】
図7に図示されているように、段階704は、段階702によってトリガされる。すなわち、新しいCSITが取得される(例えばアップリンクパイロットシグナリングが測定される)とき、または、ユーザデバイスの位置が更新されるとき、または、1もしくは複数のユーザデバイスがグループに追加されるか、もしくは、そこから除外されるとき、ネットワークノード100は、段階704においてマルチアンテナ受信器フィルタを再計算する。受信器フィルタは、干渉およびノイズの存在下で、空間選択的な方式で、目的の信号を受信するためのものである。受信器フィルタの更新は、各ユーザグループについて別個に実行される。マルチアンテナ受信器フィルタがネットワークノード100によって計算されると、段階706において、すべてのユーザデバイスについてSINR推定が更新される。段階708において、所与のユーザデバイスについて新しく計算されたSINR推定により、ユーザデバイスによって使用されるものと著しく異なるMCS値が生じる場合、ネットワークノード100は、更新されたMCS命令(例えば、更新インデックス)をDL制御チャネル上でユーザデバイスへ伝送して、その後のグラントフリーULデータ伝送のためにユーザデバイスによって使用されるようにする。
【0086】
従って、一実施形態において、ネットワークノード100の送受信器102は、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nに関連する、複数の新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'を受信するように構成されている。さらに、ネットワークノード100のプロセッサ104は、受信された複数の新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'に基づいて、受信器フィルタ106を再計算するように構成されている。
【0087】
さらなる実施形態において、ネットワークノード100の送受信器102は、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nに関連する、複数の新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'を受信するように構成されている。さらに、ネットワークノード100のプロセッサ104は、受信された複数の新しい参照信号502a'、502b'、...、502n'に基づいて、複数のユーザデバイス300a、300b、...、300nを少なくとも1つの新しいユーザデバイスグループ310nに再グループ化するように構成されている。
【0088】
図7に対するさらなる注釈をここでいくつか示す。第1に、アクティブなユーザデバイスは、UL参照信号を周期的に伝送すると想定し、これにより、ネットワークノードはMIMOチャネルおよび/またはユーザデバイスの位置をトラッキングし続けることができる。第2に、図7に示されるネットワークノード手順は、基地局によって、または、ネットワーク内の1もしくは複数の基地局を制御する他のネットワークデバイス、例えば、無線ネットワークコントローラなどの制御デバイスにおいて実行できる。最後に、図7における実施形態は、「最悪のケース」のシナリオを想定している。なぜなら、受信器フィルタを計算するとき、および、MCSを選択するためにSINRを推定するとき、グループ内のすべてのUEが同時に伝送できることが想定されているからである。
【0089】
上述のように、ユーザデバイス300を複数のグループに同時に割り当てることが可能である。このことは、複数のグループに割り当てられたユーザデバイス300が、複数のグループに割り当てられた無線リソースをグラントフリーUL伝送の送信に利用できることを意味する。しかしながら、ネットワークノード100はこれにより、ユーザデバイス300が割り当てられている各グループについて、別個のユーザ固有MCSを計算する必要がある。ユーザデバイス300は、制御シグナリングを用いて動的に構成され得るか、または、例えば、予め定義されたグループインデックスを有する予め定義された無線リソースを使用するためのRRCシグナリングを用いて割り当てられ得るかのいずれかである。次に、割り当てられた無線リソースに対応する(1つまたは複数の)ULグループインデックスだけがUEにシグナリングされ得る。
【0090】
物理リソース割り当ての簡略化された例が図8に図示されている。図8における例において示されるように、異なる時間インスタンスにおいて伝送することが許可されているので、割り当てられた直交無線リソースであるユーザデバイスグループが2つある。
【0091】
一実施形態において、ネットワークノード100は、各ユーザデバイス300について、ULパケット到着時間間隔を推定する。従って、ユーザデバイスが伝送していない可能性が非常に高いときの期間を成功裏に予測できると仮定すると、ネットワークノード100は、受信器フィルタおよびSINR推定を最適化することができる。予測可能性を向上させるために、個々のユーザデバイスについて、半永続的なUL伝送ウィンドウを割り当てることによって、一定時間のウィンドウのみを使用するようにユーザデバイスに強制することも可能である。
【0092】
図9において、(同一の周波数を使用する)ユーザ1、2、3および4についてUL伝送時間ウィンドウを示すことによる受信器フィルタ計算最適化が図示されている。そのようなUL伝送は、ネットワークノードがデータパケットの到着時間間隔を推定することによって推測される。図9における処理ボックスAにおいて、受信器フィルタおよびMCSは両方とも、時間スロットの端において更新される。これにより、各期間において、ユーザデバイスのための最適なMCSを計算できる。しかしながら、この手順から利益を得るためには、ネットワークノード100は、受信器フィルタが変化したときはいつも、ユーザデバイスのための新しいMCSを指示する必要がある。このことは、例えば、各ユーザデバイスについての各時間スロットについて、異なるMCSの値が与えられるような方式で実行できる。MCSは、DL制御シグナリングによって更新されるか、または、予め割り当てられたMCS割り当て表から、個別にユーザデバイス300によって更新されるかのいずれかである。例えば、一定期間にN個の時間スロットがある場合、その期間について、N個の異なるMCSを割り当てることが可能である。異なる受信器フィルタが適用されるとき、ユーザデバイスについてのSINR推定が著しく変化すると想定される場合、MCSは、最適な性能に到達するためにも変更されるべきである。図9において、対応する受信器フィルタを最適化するべく、ユーザ4には、5つの隣接する時間スロットについて、5つの異なるMCSが割り当てられる必要があることが分かる。これらの5つの時間スロット中、チャネルが著しく経時変化しない場合、SINR推定は変化せず、ユーザ4は再度、同一のMCS割り当てを再使用できる。従って、変更は不要である。また、ユーザ3は、わずか1つのMCS値で最適な性能に到達することが分かる。ユーザ1および2は、2つのMCS値を両方とも必要とする。上述のように、より少ないMCS指示シグナリングが望ましい場合、最悪のケースのシナリオ(すなわち、全ユーザが同時に伝送することが想定される)に従って、各ユーザデバイスについて、単一のMCSだけを割り当てることも可能である。性能を最適化するべく、受信器フィルタは、ユーザデバイスの異なるセットの各々について更新される必要がある。これはまた、ユーザデバイスによって経験されるSINRを変動させる。このことは、受信器フィルタにおいて、ユーザデバイスの異なるセットの各々について、異なるMCSが要求される可能性が非常に高いことを意味する。このことは、性能最大化が目標である場合、各ユーザデバイス300について、複数のMCSが必要であることを意味している。別の選択肢は、単一の(「最悪のケース」)受信器フィルタのみを使用して、MCSの更新を最低限に抑えることである。
【0093】
ネットワークノード100はまた、受信されたシグナリングについて、複数の受信器フィルタを適用し(すなわち、伝送している可能性があるユーザの異なる組み合わせを使用することによって、複数の受信器フィルタの選択肢を計算し)、最適な受信器フィルタを使用できることに留意すべきである。しかしながら、問題は、ユーザデバイス300がこのプロセスを認識せず、従って、MCSは、ユーザデバイス300に対して事前に指示される必要があることである。信頼性と性能との間でバランスをとるべく、MCS選択は、SINR推定、および、例えばユーザの移動性によって生じた、推定されたチャネル経時変化に関して、悲観的または楽観的のいずれかであり得る。チャネル経時変化は、いくらか前に送信されたパイロットから推定された、実際の伝送について、より低いSINRをもたらす可能性が非常に高い。
【0094】
図10は、本発明のさらなる重要なシグナリングの態様をいくつか図示する。ネットワークノード100は、参照信号500nをユーザデバイス300から受信する。実施形態によれば、ネットワークノード100は、第1制御メッセージ504および第2制御メッセージ506をユーザデバイス300へ伝送する。言及された制御メッセージ504および506の内容は、上で説明した。ユーザデバイス300は、第1および第2制御メッセージ504および506にそれぞれ従って、グラントフリー(GF)伝送を実行する。ユーザデバイス300は、図10において新しい参照信号502n'として示された参照信号を伝送し続ける。ネットワークノード100は、新しい参照信号502n'に基づいて、ユーザデバイス300の再グループ化、受信器フィルタ106の再計算、1または複数のMCSの再計算などを行い得る。図10に図示される更新およびフィードバックの機構は、ユーザデバイス300がアクティブである限り継続し得る。
【0095】
本発明の実施形態の効果は、アクティブなユーザデバイスが、スケジューリングおよびグラントシグナリングの負担無しで、それらのULデータを送信できることである。ユーザデバイスは、最良とみられる利用可能なUL無線リソースを個別に利用できる。このことは、伝送は、例えば任意のOFDMシンボルで開始および停止できることを意味する。さらに、コンテンションベース方式は、本解決法において不要であり、また、要求もされないので、結果として、従来の解決法と比較して、無線通信システム500におけるスペクトル効率が改善される。
【0096】
本解決法の有効性は、動的5G TDDシステムレベルシミュレータを用いても証明された。このシミュレータは、各々が20のアンテナを含むネットワークノード(または基地局)を有する超高密度ネットワークをモデリングする。密度は1000ユーザ/km、ユーザデバイスの移動速度は50km/時であると想定する。DLとULとの間の性能比較をより容易にするべく、DLとULとの間のリソースの分割は、50対50にした。シミュレーションにおいて、UL伝送のための同一の物理リソースが、シミュレーション領域内のすべてのユーザデバイスに割り当てられた。すべてのユーザデバイスはアクティブであり、従って、パイロットの形態でUL参照信号を送信した。ネットワークは、すべてのユーザデバイスについて、チャネル状態情報を最新に維持するべく、そのようなパイロット伝送を使用した。ネットワークノードは、新しいチャネル測定が利用可能になるたびに、それらの受信器フィルタを個別に更新した。SINR推定が著しく変化する場合に受信器フィルタが再計算されてMCSがユーザデバイスにシグナリングされるたびに、SINR推定が更新される。最悪のケースのシナリオをシミュレートするべく、すべてのユーザデバイスは、常にバッファが一杯の状態でULデータを送信する。
【0097】
上述のようなシミュレーション試験の性能結果は、図11におけるULスループットCDFにおいて示されている。図11におけるX軸は、ユーザスループットをMbps単位で示し、図11におけるY軸は、確率を示す。図11から、本解決法が有効であることが分かる。1%のユーザだけが、シミュレーション中にアップリンク伝送の完全な停止を経験した。しかしながら、実際にはデータトラフィックはバースト的な性質を有するので、同時伝送の量が減少し、従って、干渉が減少することに留意する必要がある。さらに、ユーザデバイスをグループ化し、別個のユーザデバイスグループのために、別個の時間または周波数または符号のリソースを割り当てることによって、干渉が減少する可能性があり得て、より均一なスループットの分配が可能になる。5G超高密度ネットワークにおける、提案されるグラントフリーアップリンク解決法における最悪のケースの性能は、50km/時で移動するユーザを伴うものである。従来のコンテンションベースのグラントフリーの解決法の性能は、はるかに小さいアップリンクトラフィックの負荷であれば、急減していたであろうことにさらに留意すべきである。このシミュレーション試験は、本願のグラントフリーの解決法が、少なくとも試験された環境、すなわち超高密度ネットワークにおいて、すべてのULデータ伝送に適用可能であることを示唆している。
【0098】
さらに、本発明に係る任意の方法は、符号化手段を有するコンピュータプログラム内において実装され得る。コンピュータプログラムは、処理手段によって実行されるとき、処理手段に、方法の段階を実行させる。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品のコンピュータ可読媒体内に含まれる。コンピュータ可読媒体は、ROM(リードオンリメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリメモリ)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的消去可能PROM)、またはハードディスクドライブなどの任意のメモリを本質的に含み得る。
【0099】
さらに、当業者であれば、本ネットワークノード100またはユーザデバイス300は、本解決法を実行するために、例えば、機能、手段、ユニット、要素などの形態で、必要な通信能力を有することを理解するであろう。そのような手段、ユニット、要素、および機能の他の例は、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御ロジック、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ(rate matcher)、デレートマッチャ(de‐rate matcher)、マッピングユニット、乗算器、決定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インタリーバ、デインタリーバ、モジューレタ、デモジュレータ、入力、出力、アンテナ、増幅器、受信器ユニット、伝送器ユニット、DSP、MSD、TCMエンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、給電線、通信インタフェース、通信プロトコルなどである。これらは、本解決法を実行するために、適切に共に配置される。
【0100】
特に、プロセッサ104および304は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、または、命令を解釈および実行し得る他の論理処理ロジックの1または複数のインスタンスを含み得る。従って、「プロセッサ」という表現は、複数の処理回路を含む処理回路を表してよい。例えば、上述されたものうちのいずれか、いくつか、またはすべてなどである。処理回路は、データの入力、出力、および処理のためのデータ処理機能をさらに実行してよい。それらの機能には、コール処理制御、ユーザインタフェース制御、または同様のものなどの、データバッファリングおよびデバイス制御機能が含まれる。
【0101】
最後に、本発明は上述された実施形態に限定されるものではなく、添付の独立請求項の範囲内のすべての実施形態にも関連し、これらを含むものであることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11