特許第6687197号(P6687197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687197
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20200413BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   G01L9/00 305H
   H01L29/84 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-216066(P2016-216066)
(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公開番号】特開2018-72287(P2018-72287A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】595136911
【氏名又は名称】株式会社山本電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100148356
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 英人
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】安保 充
(72)【発明者】
【氏名】戸津 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤本 諭
(72)【発明者】
【氏名】西澤 充智
(72)【発明者】
【氏名】日下 和彦
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−205857(JP,A)
【文献】 特開平09−145511(JP,A)
【文献】 特開2011−085505(JP,A)
【文献】 米国特許第04581676(US,A)
【文献】 特開2005−201818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00−23/32
G01L 27/00−27/02
H01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に積層される導電層と、
前記導電層上に積層され、厚み方向に貫通する第1の貫通孔および第2の貫通孔が形成される第2絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記導電層に対向する面上の一部に配置される第1検出電極部と、
前記第2絶縁層の前記導電層に対向する面上の一部から前記第1の貫通孔を取り囲む壁面まで延在するように配置される第2検出電極部と、
前記第2絶縁層の前記第2の貫通孔を取り囲む壁面上に配置される引き出し電極部と、
を備え、
前記導電層は、
前記第1絶縁層との間に基準圧力空間を形成するとともに、前記第2絶縁層との間に前記第1の貫通孔と連通する測定圧力空間を形成することにより、他の部分に比べて厚みの薄いダイヤフラム部と、
平面的に見て前記第2の貫通孔に重なる位置であって、前記ダイヤフラム部とは離れた位置に配置され、厚み方向に貫通する環状の空間に取り囲まれるアイランド部と、を含み、
前記第1検出電極部は、前記アイランド部の前記第1絶縁層側の端部に接続され、
前記引き出し電極部は、前記アイランド部の前記第2絶縁層側の端部に接続される、圧力センサ。
【請求項2】
前記基準圧力空間の圧力は、大気圧未満である、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記導電層は、不純物が導入されることにより導電性が付与された珪素からなる、請求項1または請求項2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層は、ガラス基板からなる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力センサとして、電極間の静電容量の変化により圧力を検出する静電容量型圧力センサが知られている。
【0003】
このような静電容量型圧力センサは、ダイヤフラム部が一対の絶縁物により挟まれた構造を有する。ダイヤフラム部と一方の絶縁物との間およびダイヤフラム部と他方の絶縁物との間には、それぞれ空隙が形成される。また、各絶縁物におけるダイヤフラム部との対向面には電極が形成される。ダイヤフラム部と一方の絶縁物との間に形成された空隙に測定圧を導入するために、一方の絶縁物に測定圧導入孔が形成される。また、ダイヤフラム部と他方の絶縁物との間に形成された空隙に基準圧を導入するために、他方の絶縁物に基準圧導入孔が形成される。(たとえば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−189870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
静電容量型圧力センサの検出精度を高めるためには、基準圧を確実に一定に保つ必要がある。基準圧を確実に一定に保つために、基準圧導入孔を電極材料で埋め込み気密封止することが考えられる。しかしながら、基準圧導入孔を電極材料で埋め込むためには、手間と時間を要し、製造コストが増える。また、基準圧導入孔を電極材料で埋め込むと電極材料の表面が荒れる場合がある。そのため、当該表面に接続されるように配線を形成すると、導通不良を起こす場合がある。
【0006】
本発明は、低コストで検出精度を向上させた圧力センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った圧力センサは、第1絶縁層と、導電層と、第2絶縁層と、第1検出電極部と、第2検出電極部と、引き出し電極部と、を備える。導電層は、第1絶縁層上に積層される。第2絶縁層は、導電層上に積層され、厚み方向に貫通する第1の貫通孔および第2の貫通孔が形成される。第1検出電極部は、第1絶縁層の導電層に対向する面上の一部に配置される。第2検出電極部は、第2絶縁層の導電層に対向する面上の一部から第1の貫通孔を取り囲む壁面まで延在するように配置される。引き出し電極部は、第2絶縁層の第2の貫通孔を取り囲む壁面上に配置される。導電層は、ダイヤフラム部と、アイランド部と、を含む。ダイヤフラム部は、第1絶縁層との間に基準圧力空間を形成するとともに、第2絶縁層との間に第1の貫通孔と連通する測定圧力空間を形成することにより、他の部分に比べて厚みが薄い。アイランド部は、平面的に見て第2の貫通孔に重なる位置であって、ダイヤフラム部とは離れた位置に配置され、厚み方向に貫通する環状の空間に取り囲まれる。第1検出電極部は、アイランド部の第1絶縁層側の端部に接続される。引き出し電極部は、アイランド部の第2絶縁層側の端部に接続される。
【0008】
本発明の圧力センサにおいて、第1絶縁層とダイヤフラム部との間に基準圧力空間が形成される。このようにすることで、第1絶縁層とダイヤフラム部とに取り囲まれた閉鎖空間が形成され、基準圧を確実に一定に保つことができる。その結果、圧力センサの検出精度を向上させることができる。
【0009】
また本発明の圧力センサにおいて、導電層は厚み方向に貫通する環状の空間に取り囲まれたアイランド部を含む。そして、アイランド部の端部は、第1検出電極部および引き出し電極部と接続される。このようにすることで、第1絶縁層に貫通孔を設け、これを電極材料で埋め込むことなく、引き出し電極部と第1検出電極部とをアイランド部を介して接続することができる。その結果、製造コストを抑えつつ、導通不良の発生を抑制することができる。
【0010】
このように、本発明の圧力センサによれば、低コストで検出精度を向上させた圧力センサを提供することができる。
【0011】
上記圧力センサにおいて、基準圧力空間の圧力は、大気圧未満であってもよい。より具体的には、30kPa以上100kPa以下としてもよい。このようにすることで、大気圧未満の圧力を計測可能な圧力センサを提供することができる。
【0012】
上記圧力センサにおいて、導電層は、不純物が導入されることにより導電性が付与された珪素からなるようにしてもよい。不純物が導入されることにより導電性が付与された珪素は、本発明の導電層を構成する材料として好適である。
【0013】
上記圧力センサにおいて、第1絶縁層および第2絶縁層は、ガラス基板からなるようにしてもよい。ガラス基板は、第1絶縁層および第2絶縁層を構成する材料として好適である。
【発明の効果】
【0014】
上記圧力センサによれば、低コストで検出精度を向上させた圧力センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】圧力センサの構造の一例を示す概略断面図である。
図2】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図3】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図4】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図5】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図6】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図7】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図8】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図9】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図10】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図11】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図12】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図13】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
図14】圧力センサの製造方法を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる圧力センサの一実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰り返さない。
【0017】
図1を参照して、実施の形態1における圧力センサ1は、第1絶縁層10と、導電層30と、第2絶縁層20と、第1検出電極部40と、第2検出電極部50と、引き出し電極部60と、を備える。第1絶縁層10は、平板状の形状を有する。具体的に、第1絶縁層10は平行平板状のガラス基板である。導電層30は、第1絶縁層10の一方の主面11上に接触して積層される。導電層30は、第1絶縁層10の一方の主面11に対して直接接合されている。具体的には、導電層30は不純物が導入されることにより導電性が付与された珪素からなる。
【0018】
導電層30は、ダイヤフラム部301と、支持部303を備える。ダイヤフラム部301は、円盤状の形状を有する。ダイヤフラム部301の外周を取り囲むように支持部303が配置される。支持部303は、アイランド部302を含む。
【0019】
ダイヤフラム部301は、導電層30の他の部分に比べて厚みが薄く形成される。支持部303の厚み方向の一方の端面303Aは、第1絶縁層10と接触して接続される。支持部303の厚み方向の一方の端面303Aは、第1絶縁層10に対して直接接合されている。支持部303の厚み方向の他方の端面303Bは、第2絶縁層20と接触して接続される。支持部303の厚み方向の他方の端面303Bは、第2絶縁層20に対して直接接合されている。支持部303の厚み方向の他方の端面303B上の一部に、電極部80が形成される。電極部80は、第2検出電極部50および引き出し電極部60とは離れて形成される。ダイヤフラム部301と第1絶縁層10との間には、基準圧力空間91が形成される。ダイヤフラム部301と第2絶縁層20との間には、測定圧力空間92が形成される。
【0020】
アイランド部302は、柱状(例えば、円筒状)の形状を有する。アイランド部302は、ダイヤフラム部301と離れた位置に配置される。アイランド部302は、支持部303の厚み方向に貫通する円環上の空間95に取り囲まれる。アイランド部302の一方の端面302Aは、第1絶縁層10と接触して接続される。アイランド部302の一方の端面302Aは、第1絶縁層10に対して直接接合されている。アイランド部302の他方の端面302Bは、第2絶縁層20と接触して接続される。アイランド部302の他方の端面302Bは、第2絶縁層20に対して直接接合されている。
【0021】
第2絶縁層20は、導電層30の第1絶縁層10が接触する側とは反対側の面に接触して積層される。第2絶縁層20は、導電層30の第1絶縁層10が接触する側とは反対側の面に対して直接接合されている。
【0022】
第2絶縁層20には、第2絶縁層20を厚み方向に貫通する第1の貫通孔93が形成される。第1の貫通孔93は、円錐台状の形状を有する。第1の貫通孔93は、導電層30側に向かって直径が小さくなるように形成される。第1の貫通孔93と測定圧力空間92とは、連通する。
【0023】
第2絶縁層20には、第2絶縁層20を厚み方向に貫通する第2の貫通孔94が形成される。第2の貫通孔94は、第1の貫通孔93と離れて形成される。第2の貫通孔94は、円錐台状の形状を有する。第2の貫通孔94は、導電層30側に向かって直径が小さくなるように形成される。第2の貫通孔94は、平面的に見てアイランド部302と重なる位置に形成される。すなわち、アイランド部302の他方の端面302Bは、第2の貫通孔94に露出するように形成される。
【0024】
第1検出電極部40は、第1絶縁層10の主面11上の一部に形成される。第1検出電極部40は、基準圧力空間91を挟んでダイヤフラム部301に対向する面上の一部に形成される。第1検出電極部40の一方の端部は、アイランド部302の上記一方の端面302Aに接続される。第1検出電極部40の他方の端部は、基準圧力空間91に対応する第1絶縁層10の面上の領域に位置する。第1検出電極部40は、基準圧力空間91に対応する第1絶縁層10の面上の領域からアイランド部の上記一方の端面302Aに接続する領域まで延在する。
【0025】
第2検出電極部50は、測定圧力空間92を挟んで第2絶縁層20のダイヤフラム部301に対向する面21上の一部から第1の貫通孔93を取り囲む壁面23まで延在するように形成される。第2検出電極部50は、一方の端部が測定圧力空間92に対応する第2絶縁層20の面上の領域に位置し、他方の端部が第2絶縁層20の導電層30とは反対の面22上に位置する。第2検出電極部50は、測定圧力空間92に対応する第2絶縁層20の面上の領域から第2絶縁層20の導電層30とは反対の面22上の領域まで延在する。
【0026】
引き出し電極部60は、第2絶縁層20の第2の貫通孔94を取り囲む壁面24上に形成される。引き出し電極部60の一方の端部は、アイランド部302の上記他方の端部302Bに接続される。引き出し電極部60の他方の端部は、第2絶縁層20の導電層30とは反対の面22に位置する。引き出し電極部60は、アイランド部302の上記他方の端部302Bに接続する領域から第2絶縁層20の導電層30とは反対の面22上の領域まで延在する。
【0027】
次に圧力センサ1の動作について説明する。圧力センサ1において、第1絶縁層10とダイヤフラム部301とに取り込まれた基準圧力空間91は、基準圧に一定に保たれている。基準圧力空間91の圧力は、たとえば大気圧未満とされる。より具体的には、30kPa以上100kPa以下である。第1の貫通孔93を介して測定圧力空間92が圧力を測定すべき空間と連通する状態とされると、ダイヤフラム部301が湾曲するように弾性変形する。たとえば、基準圧力空間91内の圧力よりも測定圧力空間92内の圧力が高い場合には、ダイヤフラム部301は、第1絶縁層10側に湾曲するように弾性変形する。
【0028】
このようにダイヤフラム部301が弾性変形することで、ダイヤフラム部301と第1検出電極部40との間の距離およびダイヤフラム部301と第2検出電極部50との間の距離が変化する。その結果として、ダイヤフラム部301と第1検出電極部40との間の静電容量C1およびダイヤフラム部301と第2検出電極部50との間の静電容量C2が変化する。ダイヤフラム部301と第2検出電極部50との間の静電容量C2は、第2検出電極部50および電極部80によって計測される。第1検出電極部40は、アイランド部302と導通する。アイランド部302は、引き出し電極部60と導通する。このため、ダイヤフラム部301と第1検出電極部40との間の静電容量C1は、引き出し電極部60および電極部80によって計測される。
【0029】
ダイヤフラム部301と第1検出電極部40との間の静電容量C1およびダイヤフラム部301と第2検出電極部50との間の静電容量C2の変化率(たとえば、静電容量C1と静電容量C2との差/静電容量C1と静電容量C2との和)を求めることで、圧力検出を行うことができる。また、ダイヤフラム部301と第1検出電極部40との間の電圧と、ダイヤフラム部301と第2検出電極部50との間の電圧との変化量を計測することでも、圧力検出を行うことができる。
【0030】
ここで、本実施の形態の圧力センサ1においては、第1絶縁層10とダイヤフラム部301との間に基準圧力空間91が形成される。このようにすることで、第1絶縁層10とダイヤフラム部301とに取り囲まれた閉鎖空間が形成され、基準圧を確実に一定に保つことができる。その結果、圧力センサ1の検出精度を向上させることができる。
【0031】
また、本実施の形態の圧力センサ1においては、導電層30は厚み方向に貫通する環状の空間に取り囲まれたアイランド部302を含む。そして、アイランド部302の端部は、第1検出電極部40および引き出し電極部60と接続される。このようにすることで、第1絶縁層10に貫通孔を設け、これを電極材料で埋め込むことなく、引き出し電極部60と第1検出電極部40とをアイランド部302を介して接続することができる。その結果、製造コストを抑えつつ、導通不良の発生を抑制することができる。
【0032】
次に圧力センサ1の製造方法の概要について説明する。図2を参照して、まずガラス基板からなる第2絶縁層20を準備する。より具体的には、硼珪酸ガラスのような耐熱ガラスが準備される。
【0033】
次に図2および図3を参照して、第2絶縁層20に第1の貫通孔93および第2の貫通孔94が形成される。第1の貫通孔93および第2の貫通孔94は、たとえば第2絶縁層20の一方の主面22上に第1の貫通孔93および第2の貫通孔94の形状に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、エッチングを実施することにより形成することができる。
【0034】
次に図3および図4を参照して、第2絶縁層の一方の主面22、第2絶縁層の他方の主面21および第2絶縁層20の第1の貫通孔93を取り囲む壁面23上に第2検出電極部50が形成される。第2検出電極部50は、たとえば第2絶縁層20の一方の主面22および第2絶縁層20の他方の主面21上に第2検出電極部50の形状に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、スパッタリングを実施することにより形成することができる。
【0035】
次に図5を参照して、ガラス基板からなる第1絶縁層10を準備する。より具体的には、硼珪酸ガラスのような耐熱ガラスが準備される。そして、図5および図6を参照して、第1絶縁層10の一方の主面11上に第1検出電極部40が形成される。第1検出電極部40は、たとえば第1絶縁層10の一方の主面11上に第1検出電極部40の形状に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、スパッタリングを実施することにより形成することができる。
【0036】
次に図7を参照して、不純物が導入されることにより導電性が付与された珪素からなる導電層を準備する。より具体的にはP型不純物であるホウ素が導入されたシリコン基板や、N型不純物であるヒ素が導入されたシリコン基板が準備される。そして、図7および図8を参照して、導電層30の一方の主面31上の一部に凹部33が形成される。凹部33は、たとえば導電層30の一方の主面31上の一部に凹部33の形状に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、エッチングを実施することにより形成することができる。
【0037】
次に図8図4および図9を参照して、導電層30の一方の主面31上に図4に示す第2絶縁層20が接合される。より具体的には、第2絶縁層20の他方の主面21と導電層30の一方の主面31とが陽極接合法により接合される。
【0038】
次に図9および図10を参照して、導電層30の厚みが小さくなるように、導電層30の他方の主面32を加工する。さらに、図10および図11を参照して、導電層30の他方の主面32の一部に凹部34が形成される。凹部34は、導電層の一方の主面31側に形成された凹部33に対応する位置に形成される。凹部34は、たとえば導電層30の他方の主面32上の一部に凹部34の形状に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、エッチングを実施することにより形成することができる。
【0039】
次に図11および図12を参照して、導電層30に円環上の空間95に取り囲まれるアイランド部302が形成される。アイランド部302は、たとえば導電層30の他方の主面32上に円環上の空間95に対応する開口を有するマスク層を形成した上で、エッチングを実施することにより形成することができる。
【0040】
次に図12図6および図13を参照して、導電層30の他方の主面32上に図6に示す第1絶縁層10が接合される。より具体的には、導電層30の他方の主面32と第1絶縁層10の一方の主面11とが陽極接合法により接合される。
【0041】
次に図13および図14を参照して、第2絶縁層20の一方の主面22、第2の貫通孔を取り囲む壁面24およびアイランド部302の他方の端面302B上に引き出し電極部60が形成される。また、電極部80が導電層30の一方の主面31上の一部に形成される。引き出し電極部60および電極部80は、たとえば引き出し電極部60および電極部80に対応する開口を有するマスク層を第2絶縁層20の一方の主面22上に形成した上で、スパッタリングを実施することにより形成することができる。以上の手順により本実施の形態の圧力センサ1を製造することができる。
【0042】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の圧力センサは、低コストで高い検出精度が求められる圧力センサに、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0044】
1 圧力センサ、 10 第1絶縁層、 11 主面、 20 第2絶縁層、 21 主面、 22 主面、 23 壁面、 24 壁面、 30 導電層、 31 主面、 32 主面、 33 凹部、 34 凹部、 301 ダイヤフラム部、 302 アイランド部、 302A 端面、 302B 端面、 303 支持部、 303A 端面、 303B 端面、 40 第1検出電極部、 50 第2検出電極部、 60 引き出し電極部、 80 電極部、 91 基準圧力空間、 92 測定圧力空間、 93 第1貫通孔、 94 第2貫通孔、 95 空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14