(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メタルインク印刷ラインと前記FFCワイヤーラインとの間に設けられ、相互間の信号の混線を防止する混線防止ダミーラインをさらに有する、請求項1に記載の車両用フレキシブルケーブル。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子回路基板などを含み、各種の電子装置間を相互に電気的に接続するインターフェース方式としては、ワイヤーハーネス(Wired Harness)、FFC(Flexible
Flat Cable)、FPC(Flexible Printed Circuit)、同軸ケーブル(Coaxial Cable)などを含む電装用デバイスが使用されている。
【0003】
前記ワイヤーハーネスは、絶縁被覆で囲まれた導体ワイヤーをコネクターターミナル(Terminal)に圧着または圧接方式を通じて接続し、前記圧着方式または圧接方式でなった雄型コネクター組立体を雌型コネクター組立体との接続を通じて、半田付け方式または器具組み立て方式で電子回路基板(PCB)と接続する方式である。
【0004】
前記FFC(Flexible Flat Cable)は、絶縁フィルム上に接着剤を形成し、前記接着剤上に導体ワイヤーを長さ方向に延長して囲むように形成する方式である。
【0005】
前記FPC(Flexible Printed Cable)は、PI(Poly Imide)フィルムまたはPEN(Poly Ethylene Napthalene)フィルムを基材フィルムとして、基材フィルム上に銅導体を薄膜状に形成し、前記銅導体を回路構成に合わせてエッチングした後、上部に再びPIフィルムまたはPENフィルムを上部フィルムとして貼り合わせて使用する方式である。
【0006】
一方、印刷電子技術(Printing Electronics Technology)は、従来の電子回路基板上に回路を実現したエッチング方式に比べて、高価な材料、複雑なエッチング工程、及び高価な装置が必要な露光工程を代替することができる技術として台頭しており、複雑な工程なしに所望の位置に直接所望の物質をパターニング処理することができる技術である。
【0007】
このような印刷電子技術を適用する場合、従来のエッチング工程に必要な化学物質などが不要となり、清浄な製造が可能になり、工程数の低減による生産性の増加と、金属エッチングのための露光工程における無駄な材料の費用節減による原価低減で、原価競争力の向上に寄与することができる。
【0008】
通常、印刷電子技術は、フィルム基材上に印刷方式でパターニング処理する技術であり、従来のインターフェース製品を生産するにあたっては、主にPET(Poly
Ethyleneterephthalate)、PI(Polyimide)フィルムを基材フィルム及び上部フィルム(Coverlay)として使用している。
【0009】
このようなPETやPIフィルムは、最も汎用的で安定した材料特性を持ったフィルムではあるが、高温高湿条件では必然的に発生するオリゴマー(oligomer)によって、長期間使用や処理時にフィルムの表面が破れたり剥離する現象が発生するという問題点があった。
【0010】
また、PETやPIフィルムは、外部から流入する水分(H
2O)により絶縁性特性が低下するという問題点があった。
【0011】
このようなPETフィルムの特性のため、印刷電子技術が適用された製品や工程を処理する場合は、高温高湿条件で長期間露出する時に製品不良が発生したり、印刷電子技術が適用された製品は、長期信頼性に対する保証をし難いという技術的限界があるという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来の問題点を解消し、これを勘案して案出されたもので、PETフィルムよりも耐熱温度が高くかつ高温高湿条件で水分によって物性が変わらないなどの高温高湿環境に強い特性を持つPCT(Poly Cyclohexylene dimethylene
Terephthalate)フィルムが使用される。このようなPCTフィルム上に印刷方式によるパターンを形成することで、従来のPETフィルム上に印刷電子技術を適用した製品が有する、高温高湿条件における長期信頼性に対する問題点が改善される。本発明では、このような問題点を改善することができるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法、これを利用した電装用デバイスの製造方法及び車両電装用デバイスを提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、高温高湿環境に強いPCT(Poly Cyclohexylene dimethylene
Terephthalate)フィルムを基材フィルムまたは上部フィルム(カバーレイフィルム)として使用し、これに印刷電子技術をつなぎ合わせることで、従来のように高温高湿条件でオリゴマーが発生することによってフィルムが破れる又は剥離する現象を防止することができる。本発明は、このようなフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法、これを利用した電装用デバイスの製造方法及び車両電装用デバイスを提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、工程及び製造時間を節減可能にし、原価節減及び製品信頼性が高められるようにして、車両電装用デバイスを代替及びスリム化することができるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法、これを利用した電装用デバイスの製造方法及び車両電装用デバイスを提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、印刷電子技術をつなぎ合わせるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法、これを利用した電装用デバイスの製造方法及び車両電装用デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明による車両電装用デバイスは、車両ランプ用エルイーディー(LED)モジュールとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、放熱板と、前記放熱板の上側にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成される金属層とを含むことを特徴とする。
【0018】
ここで、前記金属層をカバーするように形成される絶縁層をさらに含むことができる。
【0019】
ここで、前記絶縁層は、PCT(Poly Cyclohexylene dimethylene
Terephthalate)素材で構成することが好ましい。
【0020】
本発明の他の形態によると、車両用タッチモジュールとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、コネクター接続部を有する印刷方式タッチフィルムと、前記印刷方式タッチフィルムの上部または下部の一面に具備されるPCTフィルムと、前記PCTフィルム上に形成され、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビア印刷方式の中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材によるメッシュ型パターンで形成されるタッチ認識部と、前記タッチ認識部に接続され、タッチ認識部の縁部に形成され、金属印刷方式で形成されるタッチ外郭部と、前記タッチ外郭部と電気的に接続して形成されるカーボン印刷部と、前記PCTフィルムの一面に具備される光学両面テープとを含み、前記光学両面テープは、射出物に付着するようにオートクレーブやUVの工程方法に形成されたことを特徴とする。
【0021】
ここで、前記メッシュ型パターンで形成されるタッチ認識部は、線幅40μm以下で形成することが好ましい。
【0022】
ここで、前記タッチ認識部のメッシュ型パターンに対して線幅40μm以下で形成するためにオフセット方式でエッチング処理して形成することができる。
【0023】
本発明の他の形態によると、車両用タッチモジュールとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、PCTフィルムと、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によってITO物質で形成されるITO層と、前記ITO層の上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成される印刷層と、前記印刷層の上面に付着する光学両面テープと、前記光学両面テープを媒介として付着する接着器具物とを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の他の形態によると、車両用バスバーケーブルとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、PCTフィルムからなるFFC(Flexible FlatCable)タイプのバスバー本体と、前記バスバー本体に内在するFFCワイヤーと、前記バスバー本体の両側端に露出して配置され、前記FFCワイヤーに接続する金属端子とを含むことを特徴とする。
【0025】
ここで、前記バスバー本体は、一定の長さ及び幅を有するPCTフィルムが2層以上に積層されるマルチ層で形成され、各層の間は接着剤層によって結合されるように構成することができる。
【0026】
ここで、前記2層以上のPCTフィルムによるマルチ層で形成されるバスバー本体上には、FFCワイヤーが露出配置される側にリベット穴を有する金属プレートを接合してリベット穴側にボルト締結することによって他のケーブルと接続して使用するように構成することができる。
【0027】
ここで、前記FFCワイヤーは、線厚さが30μm〜100μmであることが好ましい。
【0028】
本発明の他の形態によると、車両用バスバーケーブルとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、PCTフィルムからなるFFC(Flexible FlatCable)タイプのバスバー本体と、前記FFCタイプのバスバー本体の上部に形成されるメタル印刷層とを含み、前記メタル印刷層は、受動素子、能動素子、ヒューズ素子、半導体素子としての機能を有することを特徴とする。
【0029】
本発明の他の形態によると、車両用ハイブリッドフレキシブルケーブルとして使用するための車両電装用デバイスにおいて、PCTフィルムと、前記PCTフィルムの一面上の一側に位置して長さ方向にライン形成され、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して形成されるメタルインク印刷ラインと、前記PCTフィルムの一面上の他側に位置して長さ方向にライン形成され、FFCワイヤーで配列されるFFCワイヤーラインとを含むことを特徴とする。
【0030】
ここで、前記メタルインク印刷ラインとFFCワイヤーラインとの間には、相互間の信号混線(cross talk)防止のための混線防止空間が設けられ、前記混線防止空間の両側部に位置するようにメタルインク印刷ラインとFFCワイヤーラインとを形成することができる。
【0031】
ここで、前記メタルインク印刷ラインとFFCワイヤーラインとの間には、相互間の信号混線(cross talk)防止のための混線防止ダミーラインが設けられてもよい。
【0032】
ここで、前記混線防止ダミーラインは、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成することができる。
【0033】
ここで、前記混線防止ダミーラインは、金属層または半導体層であってもよい。
【0034】
また、上記目的を達成するための本発明による電装用デバイスの製造方法は、基材フィルムとしてPCTフィルムを使用し、その上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材または半導体物質を印刷してパターン層を形成し、前記パターン層の上面にカバーレイフィルムを付着し、熱硬化性接着剤からなる接着剤層を媒介として基材フィルム、パターン層及びカバーレイフィルムを一体結合して製造することを特徴とする。
【0035】
本発明の他の形態によると、基材フィルムとしてPCTフィルムを使用し、その上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材または半導体物質を印刷してパターン層を形成し、前記パターン層の上面にカバーレイフィルムを付着し、熱可塑性接着剤からなる接着剤層を媒介として基材フィルム、パターン層及びカバーレイフィルムを一体結合して製造することを特徴とする。
【0036】
本発明の他の形態によると、(A)PIフィルム、PENフィルム、PCTフィルムの中から選択されたいずれか1つを基材フィルムとして具備する段階と、(B)前記基材フィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材または半導体物質を印刷してパターン層を形成する段階と、(C)前記パターン層をカバーするようにPCTフィルムをカバーレイフィルムとして具備して貼り合わせる段階と、(D)前記カバーレイフィルムとして貼り合わされたPCTフィルムの上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層を形成する段階と、(E)前記(D)段階を終えた結果物に対して金型またはレーザー加工によって外郭を加工して外形形状を形成する段階と、(F)前記(E)段階を終えた結果物の下部に放熱機能のためのアルミニウムプレートを貼り合わせる段階とを含むことを特徴とする。
【0037】
また、上記目的を達成するための本発明によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、PCTフィルムを基材フィルムとし、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層を形成することを特徴とする。
【0038】
本発明の他の形態によると、PCTフィルムを基材フィルムとし、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって絶縁膜素材を印刷して絶縁層を形成することを特徴とする。
【0039】
本発明の他の形態によると、前記PCTフィルムを基材フィルムとし、前記PCTフィルム上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって半導体物質を印刷して半導体層(Active Layer)を形成することを特徴とする。
【0040】
本発明の他の形態によると、下部にはPI(Poly Imide)フィルムまたはPEN(Poly Ethylene Napthalene)フィルムを基材フィルムとして配置し、上部にはPCTフィルムをカバーレイフィルムとして配置し、前記PCTフィルムの上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層を形成して電子部品の配置に使用するように構成することを特徴とする。
【0041】
本発明の他の形態によると、下部にはPCTフィルムを基材フィルムとして配置し、上部にはPCTフィルムをカバーレイフィルムとして配置し、前記カバーレイフィルムとして使用されるPCTフィルムの上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層を形成して電子部品の配置に使用するように構成することを特徴とする。
【0042】
ここで、前記基材フィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層を形成することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、PCTフィルムを少なくとも一側に含む構成で印刷電子回路を形成することで、水分吸収によるオリゴマー生成を防止することができ、高温高湿条件下でフィルムの表面が破れる、または剥離する現象を防止することができるなど、長期信頼性を確保することができる。また、本発明によると、従来に比べて優れた品質を持つインターフェース製品など、多様な電装用デバイスを製造することができる。特に従来から使用されている多数の車両電装用デバイスを代替して長期信頼性を確保しながらスリム化することができ、工程及び製造時間を節減することができ、原価節減はもちろん、製品信頼性が高められる有用な効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図2】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図3】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図4】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図5】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図6】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図7】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を説明するために示した概略図である。
【
図8】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用する電装用デバイスの製造方法を示した工程フローチャートである。
【
図9】本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用する車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両ランプ用LEDモジュールを示した図面である。
【
図10】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用メタルメッシュ型タッチモジュールを示した図面である。
【
図11】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用ITO型タッチモジュールを示した図面である。
【
図12】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用FFC型バスバーケーブルを示した図面である。
【
図13】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用FFC型バスバーケーブルを示した図面である。
【
図14】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用FFC型バスバーケーブルを示した図面である。
【
図15】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用後方カメラFFC型ハイブリッドフレキシブルケーブルを示した図面である。
【
図16】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用後方カメラFFC型ハイブリッドフレキシブルケーブルを示した図面である。
【
図17】本発明の実施例による車両電装用デバイスを示した例示図であり、車両用後方カメラFFC型ハイブリッドフレキシブルケーブルを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明について添付の図面を参照して好ましい実施例を以下のように説明する。このような詳細な説明を通じて本発明の目的と構成及びそれによる特徴がより理解できるであろう。
【0046】
本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、
図1に示すように、耐熱温度が高くかつ高温高湿条件で水分によって物性が変わらないなど、高温高湿環境に強いPCT(Poly Cyclohexylenedimethylene
Terephthalate)材質で作られたPCTフィルムを基材フィルム101として、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層102を形成することができる。
【0047】
このとき、前記金属層102として用いられる金属素材は、金、銀、銅、白金、カーボン、ニッケル、インジウム、スズの中から選択されたいずれか1つまたは2つ以上が混合した合金であってもよい。
【0048】
ここで、前記金属素材として、主に銀が使用されてもよく、銀及び銅が混合した合金が使用されてもよい。
【0049】
ここで、前記金属層102を保護するためのカバーレイフィルム100として、PCTフィルム、PIフィルム、PENフィルムの中から選択されたいずれか1つが使用されてもよい。
【0050】
ここで、前記金属層102とカバーレイフィルム100との間には、
図2に示すように、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって絶縁膜素材を印刷して絶縁層103をさらに形成することができる。
【0051】
また、本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、
図3に示すように、PCTフィルムを基材フィルム201とし、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって絶縁膜素材を印刷して絶縁層202を形成することができる。
【0052】
このとき、前記絶縁膜素材は、SiO
2、Si
3N
4、P
2O
5、B
2O
3、シリコーンの中から選択されたいずれか1つであってもよい。
【0053】
ここで、前記絶縁層202の上面に、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層203を形成することができる。
【0054】
ここで、前記金属層203を保護するためのカバーレイフィルム200を含むことができる。カバーレイフィルム200として、PCTフィルム、PIフィルム、PENフィルムの中から選択されたいずれか1つが使用されてもよい。
【0055】
また、本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、
図4に示すように、PCTフィルムを基材フィルム301とし、前記PCTフィルム上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって半導体物質を印刷して半導体層(Active Layer)302を形成することができる。
【0056】
このとき、前記半導体物質は、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、ヒ素の中から選択されたいずれか1つまたは2つ以上が混合した化合物であってもよい。
【0057】
ここで、前記半導体層302を保護するためのカバーレイフィルム300を含むことができる。カバーレイフィルム300として、PCTフィルム、PIフィルム、PENフィルムの中から選択されたいずれか1つが使用されてもよい。
【0058】
また、本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、
図5に示すように、下部にはPI(Poly Imide)フィルムまたはPEN(Poly Ethylene Napthalene)フィルムを基材フィルム401として配置し、上部にはPCTフィルムをカバーレイフィルム400として配置し、前記PCTフィルムとして配置されたカバーレイフィルム400の上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層403を形成することができる。
【0059】
このとき、前記シルク印刷層403は、各種の電子部品の配置に使用するためのパターンで形成される。
【0060】
ここで、前記基材フィルム401とカバーレイフィルム400との間には、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層402を形成することができる。
【0061】
ここで、前記金属層402は、基材フィルム401の上面に印刷して形成することができるが、カバーレイフィルム400の下面に印刷して形成することもできる。
【0062】
また、本発明の実施例によるフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法は、
図6に示すように、下部にはPCTフィルムを基材フィルム501として配置し、上部にはPCTフィルムをカバーレイフィルム500として配置し、前記カバーレイフィルム500として使用されるPCTフィルムの上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層503を形成することができる。
【0063】
このとき、前記シルク印刷層503は、各種の電子部品の配置に使用するためのパターンで形成される。
【0064】
ここで、前記基材フィルム501とカバーレイフィルム500との間には、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して金属層502を形成することができる。
【0065】
ここで、前記金属層502は、基材フィルム501の上面に印刷して形成することができるが、カバーレイフィルム500の下面に印刷して形成することもできる。
【0066】
一方、本発明の実施例による電装用デバイスの製造方法は、上述したフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用して電装用として使用されるデバイスを製造するための方式である。
図7に示すように、基材フィルム601としてPCTフィルムを使用し、その上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材または半導体物質を印刷してパターン層602を形成し、前記パターン層602の上面にカバーレイフィルム600を付着し、熱硬化性接着剤からなる接着剤層603を媒介として基材フィルム601、パターン層602及びカバーレイフィルム600を一体結合する方式で製造することができる。
【0067】
このとき、前記接着剤層603は、熱硬化性接着剤ではなく熱可塑性接着剤に代替して使用することができる。
【0068】
また、本発明の実施例による電装用デバイスの製造方法は、上述したフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用して電装用として使用されるデバイスを製造するための方式である。従来のFPCB製造方式を改善及び代替することができる技術として、
図8に示すように、基材フィルム具備段階(S10)、パターン印刷段階(S20)、カバーレイフィルム貼り合わせ段階(S30)、シルク印刷段階(S40)、外郭加工段階(S50)、放熱素材貼り合わせ段階(S60)を含む構成からなる。
【0069】
前記基材フィルム具備段階(S10)は、PIフィルム、PENフィルム、PCTフィルムの中から選択されたいずれか1つを基材フィルムとして具備する段階である。
【0070】
前記パターン印刷段階(S20)は、前記基材フィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材または半導体物質を印刷してパターン層を形成する段階である。
【0071】
前記カバーレイフィルム貼り合わせ段階(S30)は、前記パターン層をカバーするようにPCTフィルムをカバーレイフィルムとして具備して貼り合わせる段階である。
【0072】
このとき、PIフィルムやPENフィルムがカバーレイフィルムとして使用されることができるが、前記基材フィルムとカバーレイフィルムのいずれか一つには必ずPCTフィルムを使用することが好ましい。
【0073】
前記シルク印刷段階(S40)は、前記カバーレイフィルムで貼り合わせられたPCTフィルムの上面にシルク印刷方式によるシルク印刷層を形成する段階である。
【0074】
前記シルク印刷段階まで終えた結果物に対して表面処理する過程をさらに実施することができる。
【0075】
前記外郭加工段階(S50)は、前記シルク印刷段階(S40)まで終えた結果物に対して外郭を加工する段階である。
【0076】
このとき、外郭加工は、金型またはレーザーを利用した加工によって外郭を加工することであり、外形形状を形成する。
【0077】
前記放熱素材貼り合わせ段階(S60)は、前記外郭加工段階まで終えた結果物の下部に放熱機能のための放熱シートを貼り合わせする段階である。
【0078】
このとき、前記放熱シートは、放熱効率のためにアルミニウムプレートを使用することができる。
【0079】
一方、上述したフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用して車両電装用デバイスを製造することができるが、多様なインターフェース製品を製造することもできる。
【0080】
上述したフィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用して製造することができる車両電装用デバイスは、車両ランプ用LEDモジュール、車両用メタルメッシュ型タッチモジュール、車両用ITO型タッチモジュール、FFC(Flexible Flat Cable)型バスバーケーブル、車両後方カメラインターフェース用FFC型ハイブリッドフレキシブルケーブルなどにつなぎ合わせて製品を製造することができる。
【0081】
図9は、車両ランプ用LEDモジュールとして使用するための車両電装用デバイスの構成を示した図面である。
【0082】
図9に示すように、車両電装用デバイスは、車両ランプ用LEDモジュール700として使用するためのものであり、放熱板710と、前記放熱板の上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成される絶縁層720と、前記絶縁層の上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によってパターン形成される金属層730とを含むことができる。
【0083】
このとき、前記金属層730をカバーするように形成される絶縁層740をさらに含むことができる。
【0084】
ここで、前記絶縁層720、740は、PCT(Poly Cyclohexylenedimethylene
Terephthalate)素材を印刷して形成することができ、またはPCTフィルムを貼り合わせる形態で使用されることができる。
【0085】
ここで、前記金属層730は、光源であるLEDを装着し、これに電源を供給する用途で用いられる。
【0086】
図10は、車両用メタルメッシュ型タッチモジュールとして使用するための車両電装用デバイスの構成を説明するために示した図面である。
【0087】
図10に示すように、車両電装用デバイスは、車両用メタルメッシュ型タッチモジュール800として使用するためのものであり、コネクター接続部811を有する印刷方式タッチフィルム810と、前記印刷方式タッチフィルムの上部または下部の一面に具備されるPCTフィルム820と、前記PCTフィルム上に形成され、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビア印刷方式の中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材によるメッシュ型パターンで形成されるタッチ認識部830と、前記タッチ認識部に接続され、タッチ認識部の最も縁部に形成され、金属印刷方式で形成されるタッチ外郭部840と、前記タッチ外郭部と電気的に接続して形成されるカーボン印刷部850と、前記PCTフィルムの一面に具備される光学両面テープ860とを含むことができる。
【0088】
このとき、前記光学両面テープ860は、射出物に付着するようにオートクレーブやUVの工程方法で形成することができる。
【0089】
このとき、前記コネクター接続部811上には、ドライブICと直接接続可能に末端部に形成され、前記タッチ外郭部840と接続するコネクター部811aが設けられ、前記コネクター部はカーボン印刷層で形成される。
【0090】
図11は、車両用ITO型タッチフィルムモジュールとして使用するための車両電装用デバイスの構成を示した図面である。
【0091】
図11に示すように、車両電装用デバイスは、車両用ITO型タッチフィルムモジュール900であって、基材として使用されるPCTフィルム910と、前記PCTフィルムの上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によってITO物質で形成されるITO層920と、前記ITO層の上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成される印刷層930と、前記印刷層の上面に付着する光学両面テープ940と、前記光学両面テープを媒介として付着する接着器具物950とを含む構成を有することができる。
【0092】
前記印刷層930は、金属層、絶縁層及び半導体層を含むように形成することができる。
【0093】
このとき、前記印刷層930が有する金属層は、1層以上に具備することができ、電流を供給する機能を有する。前記印刷層930が有する絶縁層は、金属層と金属層との間は勿論、金属層と半導体層との間に介在して電気的な絶縁機能を有する。前記印刷層930が有する半導体層は、ダイオードやトランジスターなどの半導体素子として機能を有する。
【0094】
前記光学両面テープ940は、光の透過率を維持しながら両面に搭載する機能、または介在する部品もしくはフィルムを付着する機能を有する。
【0095】
図12〜
図14は、車両用FFC型バスバーケーブルとして使用するための車両電装用デバイスの構成を示した図面である。
【0096】
図12〜
図14に示すように、車両電装用デバイスは、車両用FFC型バスバーケーブル1000として使用するためのものであり、PCTフィルムからなるFFC(Flexible Flat Cable)タイプのバスバー本体1010と、前記バスバー本体に内在するFFCワイヤー1020と、前記バスバー本体の両側端に露出して配置され、前記FFCワイヤーに接続する金属端子1030とを含むことができる。
【0097】
このとき、前記バスバー本体1010は、一定の長さ及び幅を有するPCTフィルムが2層以上に積層されるマルチ層で形成され、各層の間は、接着剤層1040によって結合される。
【0098】
ここで、前記2層以上のPCTフィルムによるマルチ層で形成されるバスバー本体1010上には、FFCワイヤー1020が露出して配置される側にリベット穴を有する金属プレート1050が接合され、リベット穴側にボルト締結することによって他のケーブルと接続して使用するように構成することができる。
【0099】
また、車両電装用デバイスは、車両用FFC型バスバーケーブルとして使用するためのものであり、PCTフィルムからなるFFC(Flexible Flat Cable)タイプのバスバー本体と、前記FFCタイプのバスバー本体の上部に形成されるメタル印刷層とを含むこともできる。
【0100】
このとき、前記メタル印刷層は、受動素子、能動素子、ヒューズ素子、半導体素子のいずれか一つの機能を有するように形成することができる。
【0101】
図15〜
図17は、車両用後方カメラFFC型ハイブリッドフレキシブルケーブルとして使用するための車両電装用デバイスの構成を示した図面である。
【0102】
図15に示すように、車両電装用デバイスは、車両用後方カメラFFC型ハイブリッドフレキシブルケーブル2000として使用するためのものであり、基材として具備されるPCTフィルム2010と、前記PCTフィルムの一面上の一側に位置し、長さ方向にライン形成され、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって金属素材を印刷して形成されるメタルインク印刷ライン2020と、前記PCTフィルムの一面上の他側に位置し、長さ方向にライン形成され、FFCワイヤーに配列されるFFCワイヤーライン2030とを含むことができる。
【0103】
このとき、前記メタルインク印刷ライン2020とFFCワイヤーライン2030との間には、
図16に示すように、相互間の信号混線(cross talk)防止のための混線防止空間2040を形成することができる。
【0104】
即ち、前記混線防止空間2040が設けられたその両側部に位置するようにメタルインク印刷ライン2020とFFCワイヤーライン2030とを形成することが好ましい。
【0105】
ここで、前記メタルインク印刷ライン2020は、必要に応じて1本以上に形成することができる。前記FFCワイヤーライン2030は、FFCタイプワイヤーを具備し、これを接着剤を利用してPCTフィルム上に接着する形態として、必要な数を配列する形態とすることができる。
【0106】
また、前記メタルインク印刷ライン2020とFFCワイヤーライン2030との間には、
図17に示すように、相互間の信号混線(cross talk)防止のために混線防止ダミーライン2050を形成することができる。
【0107】
このとき、前記混線防止ダミーライン2050は、インクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択されたいずれか1つの印刷方式によって形成することができる。
【0108】
ここで、前記混線防止ダミーライン2050は、金属物質による金属層や半導体物質による半導体層で形成することができる。
【0109】
これにより、本発明では、フィルム基材上に形成される印刷方式のパターニング形成方法を利用し、PCTフィルムの少なくとも一側に印刷電子回路を含むように形成する構成によって、水分吸収によるオリゴマー生成を防止することができ、高温高湿条件下でフィルムの表面が破れる、または剥離する現象を防止することができるなど、長期信頼性を確保することができる。また、本発明によると、従来に比べて優れた品質を持つインターフェース製品など、多様な電装用デバイスを製造することができる。特に従来から使用されている多数の車両電装用デバイスを代替して長期信頼性を確保しながらスリム化することができ、工程及び製造時間を節減することができ、原価節減はもちろん、製品信頼性が高められる長所を発揮することができる。
【0110】
以上で説明した実施例は、本発明の好ましい実施例を説明したものに過ぎず、このような実施例に限られるものではなく、本発明の技術的思想と請求の範囲内でこの技術分野の当業者によって多様な修正と変形などが行われることができる。これは、本発明の技術的範囲に属するといえる。
【解決手段】車両電装用デバイスは、PCTフィルム基材101上面にインクジェット、スクリーンプリンティング、グラビアの中から選択された印刷方式により金属層102や絶縁層または半導体層を形成し、従来のFPCBを代替する。
【効果】PCTフィルムを少なくとも一側に含む印刷電子回路を形成することで水分吸収によるオリゴマー生成して高温高湿条件下でのフィルム破損や剥離を防止することができるため、長期信頼性を確保した優れた品質のインターフェース製品などの多様な電装用デバイスを製造することができ、特に従来に使用されている多数の車両電装用デバイスを代替してスリム化することができ、工程と製造時間及び原価を節減できる。