【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的は、特許請求の範囲の独立項において特許請求されるようなロボット掃除機によって、またロボット掃除機の動作方法によって達成される。
【0015】
本明細書においては、ロボット掃除機の動作方法が開示され、これは、
障害物検出装置により、ロボット掃除機の付近の障害物検出装置の出力データを記録するステップと、
処理ユニットを介して、画像からランドマークおよびその位置を特定するステップおよび、ランドマークから情報を導き出してランドマークシグネチャを生成するステップと、
生成されたランドマークシグネチャを保存するステップと、
生成されたランドマークシグネチャを所定のランドマークシグネチャと比較するステップと、
生成されたランドマークシグネチャが所定のランドマークシグネチャのうちの1つと一致しない場合、生成されたランドマークシグネチャが新しいランドマークシグネチャであると判断するステップ、または
生成されたランドマーク位置シグネチャが所定のランドマーク位置シグネチャのうちの1つと一致した場合、生成されたランドマーク位置シグネチャが既知であると判断するステップと、
ロボット掃除機をこの判断に基づいて動作させるステップと、
を含む。
【0016】
この方法により、ロボット掃除機は新しい、または既知の環境内での自己位置を特定し、その周囲状況を迅速に学習できる。
【0017】
障害物検出装置は、画像の記録を可能にするカメラ装置を含む3Dセンサシステムの形態で具現化されてもよい。画像は障害物検出装置出力データを形成してもよい。
【0018】
ロボット掃除機は、ロボットバキュームクリーナまたはロボットモップであってもよい。
【0019】
ランドマークは、カウンタ、階段、ドア、コンロ等の建物内の固定された物体もしくは障害物または家具等の移動可能な物体もしくは障害物であってもよい。このようなランドマークから、ランドマークシグネチャを導き出すことができる。ランドマークシグネチャは、平坦な表面または他の形状を有する表面のいずれかについて、表面の位置、形状、向き、またはその他の特性の何れの組合せに基づいていてもよい。
【0020】
ランドマークシグネチャが認識されると、そのランドマークの位置を使って、ロボット掃除機の位置推定および/またはロボット掃除機のマップ表現を修正でき、ランドマークが最後に観察され、認識されてから累積された位置的不確実性がすべて取り除かれる。
【0021】
3Dセンサシステムはセンサシステムであってもよく、これはロボット掃除機に対して観察点の3次元位置を判断することができる。
【0022】
3Dセンサシステムは例えば、レーダ、赤外線センサ、カメラと垂直レーザとの組合せ、3Dカメラ装置等として具現化されてもよい。
【0023】
所定のおよび生成されたランドマークシグネチャは、それぞれのランドマークの3次元(3D)特性を含んでいてもよい。
【0024】
ある実施形態において、この方法は、ロボット掃除機を、それを関心対象表面上でナビゲートすることによって動作させるステップを含んでいてもよい。
【0025】
この方法は、生成されたランドマークシグネチャをロボット掃除機の現在位置に対して位置決めし、保存するステップをさらに含んでいてもよい。
【0026】
これによって、掃除対象領域のマップ、レイアウト、または床面図を構築できる。情報と位置データはピースごとに収集されて、合体される。したがって、ロボット掃除機は位置特定とマッピングを同時に行うことができる。
【0027】
生成されたランドマークシグネチャは、処理ユニットに接続されるデータベースの中で所定とされ得る。
【0028】
ランドマークおよびその画像のそれぞれから、そのランドマークの3D表面形状に関する情報が導き出されてもよい。
【0029】
導き出された情報は、ランドマークシグネチャの中に組み込まれてもよい。
【0030】
さらに、ランドマークおよびその画像からそれぞれ情報が導き出されてもよく、前記情報はランドマークの表面の中心点の位置に関する。
【0031】
導き出されたこのような情報もまた、ランドマークシグネチャの中に組み込まれ、ランドマークシグネチャの少なくとも一部を形成してもよい。
【0032】
他の実施形態において、ランドマークおよびその画像のそれぞれから、そのランドマークの表面の面法線の方向および/または角度に関する情報が導き出されてもよい。
【0033】
導き出されたこのような情報もまた、好ましくは、ランドマークシグネチャの中に組み込まれてよい。
【0034】
導き出された情報は、ランドマークの規模または範囲に関する情報をさらに含んでいてもよい。
【0035】
処理ユニットによって、障害物検出装置により撮影された画像から情報が導き出されてもよい。
【0036】
本明細書においてはさらに、ロボット掃除機も開示され、これは本体と、ロボット掃除機を関心対象表面上で移動させるように構成された推進システムと、を含む。ロボット掃除機は、障害物を検出するように構成された障害物検出装置と、ロボット掃除機を障害物検出装置の出力データから検出された障害物に対して位置決めし、さらに、ロボット掃除機を関心対象表面上で移動させるように推進システムを制御するべく構成された処理ユニットとをさらに含んでいてもよい。処理ユニットは、障害物検出装置の出力データからランドマークおよびその位置を特定し、ランドマークから少なくとも1つの特性を導き出して、生成されたランドマークシグネチャを作成して保存するように構成され、処理ユニットはさらに、生成されたランドマークシグネチャを所定のランドマークシグネチャと比較して、生成されたランドマークシグネチャが所定のランドマークシグネチャのうちの1つと一致するか否かを判断するように構成され、処理ユニットはさらに、その判断に基づいてロボット掃除機を動作させるように構成される。
【0037】
このようなロボット掃除機は、新しい、または既知の周囲状況内で容易にナビゲートできる。学習工程は短時間で効率的である。これに加えて、ロボット掃除機は、移動可能な障害物と固定された障害物とを区別することができる。基本的に、ロボット掃除機は、ナビゲートするために、壁、ドア、階段、手すり等の固定された障害物を探し、特定する。
【0038】
移動可能な障害物は、ロボット掃除機の位置特定を混乱させる可能性がより高く、それは、これらが常に必ずしも同じ場所にあるとはかぎらず、それに対して固定された障害物は「既知の」または確実な入力を生成し、ロボット掃除機のナビゲートを助けるからである。
【0039】
3Dセンサシステムは、ロボット掃除機の付近の画像を記録するように構成されたカメラ装置と、ロボット掃除機の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、を含んでいてもよい。処理システムはさらに、記録された画像から位置データを導き出すように構成されてもよい。垂直ラインレーザは、撮影された画像の品質を改善させる。
【0040】
ロボット掃除機が障害物検出装置の横に配置された2つの垂直ラインレーザを含むことが可能である。
【0041】
留意される点として、本発明は特許請求の範囲に記載されている特徴のあらゆる考え得る組合せに関している。本発明に関するその他の特徴と本発明による利点は、付属の特許請求の範囲と以下の説明をよく読めば明らかとなるであろう。当業者であれば、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明されるもの以外の実施形態を考案できることがわかる。
【0042】
本明細書において開示されている何れの方法のステップも、特に明確なことわりがないかぎり、開示されている順序の通りに実行されなくてもよい。
【0043】
ここで、例として以下のような添付の図面を参照しながら本発明を説明する。