(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)会合性増粘剤が、それらの鎖中に、少なくとも1つのポリオキシエチレン化親水性ブロックと、脂肪族配列、脂環式配列、及び芳香族配列から選択される少なくとも1つの配列を含有する少なくとも1つの疎水性ブロックとを含むポリウレタン/ポリエーテルから選択される、請求項1に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0023】
鋭意検討の結果、本発明者らは、アルキレンオキシド誘導体及び特定の非イオン性界面活性剤を会合性増粘剤と組み合わせて使用することにより、会合性増粘剤により引き起こされる泡立ちを防ぐことができ、優れたテクスチャを提供でき、かつ十分な増粘又はゲル化効果を提供できることを見出した。
【0024】
したがって、本発明による、ケラチン物質、好ましくは皮膚のための組成物、好ましくは化粧用組成物は、
(a)少なくとも1種の会合性増粘剤と、
(b)以下の化学式(I)
Z-{O(AO)
l(EO)
m-(BO)
nH}
a (I)
[式中、
Zは、3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物からヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、
AOは、3〜4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
EOは、オキシエチレン基を意味し、
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
aは、3〜9を意味し、
l、m、及びnは、それぞれ、AO、EO及びBOの平均付加モル数を意味し、1≦l≦50、1≦m≦50及び0.5≦n≦5であり、
AOのEOに対する質量比(AO/EO)は、1/5〜5/1の範囲であり、
AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい]
により表される少なくとも1種のアルキレンオキシド誘導体と、
(c)13.0以下のHLB値を有する、(b)以外の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(d)水と
を含む。
【0025】
本発明による組成物は、泡立ちを防ぐことができ、使用時に優れたテクスチャを提供でき、かつ十分な増粘又はゲル化効果を提供できる。
【0026】
以下に、本発明による組成物、及び本発明による方法のそれぞれを、詳細に説明する。
【0027】
[組成物]
本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種の会合性増粘剤と、
(b)以下の化学式(I)
Z-{O(AO)
l(EO)
m-(BO)
nH}
a (I)
[式中、
Zは、3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物からヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、
AOは、3〜4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
EOは、オキシエチレン基を意味し、
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
aは、3〜9を意味し、
l、m、及びnは、それぞれ、AO、EO及びBOの平均付加モル数を意味し、1≦l≦50、1≦m≦50及び0.5≦n≦5であり、
AOのEOに対する質量比(AO/EO)は、1/5〜5/1の範囲であり、
AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい]
により表される少なくとも1種のアルキレンオキシド誘導体と、
(c)13.0以下のHLB値を有する、(b)以外の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、
(d)水と
を含む。
【0028】
本発明による組成物は、化粧用組成物、特に皮膚等のケラチン物質のための化粧用組成物であることが好ましい。
【0029】
(会合性増粘剤)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の会合性増粘剤を含む。2種以上の(a)会合性増粘剤を組み合わせて使用してもよい。このため、単一のタイプの会合性増粘剤、又は異なるタイプの会合性増粘剤の組合せを使用してもよい。
【0030】
本明細書で使用するとき、表現「会合性増粘剤」は、親水性単位及び疎水性単位の両方を含む、例えば、少なくとも1つのC
8〜C
30脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む、両親媒性増粘剤を意味する。
【0031】
使用され得る代表的な会合性増粘剤は、
(1)少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマー、
(2)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマー、
(3)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性両親媒性ポリマー、並びに
(4)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマー
であって、脂肪鎖単位が、10〜30個の炭素原子を含有する両性両親媒性ポリマーから選択される会合性ポリマーである。
【0032】
(1)少なくとも1つの脂肪鎖単位及び少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマーは、例えば、
(i)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたセルロース;挙げることができる例は、下記を含む:
- アルキル、アリールアルキル及びアルキルアリール基から選択される少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシエチルセルロースであって、アルキル基が、例えばC
8〜C
22であるヒドロキシエチルセルロース、例えば、Aqualon社により販売されている製品Natrosol Plus Grade 330 CS(C
1〜C
6アルキル)、及びBerol Nobel社により販売されている製品Bermocoll EHM 100、並びに
- ポリアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル基で修飾されたセルロース、例えばAmerchol社によって販売されている製品Amercell Polymer HM-1500(ポリエチレングリコール(15)ノニルフェニルエーテル);
(ii)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシプロピルグアー、例えば、Lamberti社により販売されている製品Esaflor HM22(C
22アルキル鎖)及びRhodia Chimie社により販売されている製品Miracare XC95-3(C
14アルキル鎖)及びRE205-1(C
20アルキル鎖);
(iii)少なくとも1つの脂肪鎖、例えばC
10〜C
30アルキル又はアルケニル基を含むポリエーテルウレタン、例えばAkzo社によって販売される製品Elfacos T 210及びElfacos T 212又はRohm & Haas社によって販売される製品Aculyn 44及びAculyn 46;
(iv)ビニルピロリドンと疎水性脂肪鎖モノマーとのコポリマー;
挙げることができる例は、下記を含む:
- I.S.P.社により販売されている製品Antaron V216及びGanex V216(ビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー)、並びに
- I.S.P.社により販売されている製品Antaron V220及びGanex V220(ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー);
(v)C
1〜C
6アルキルアクリレート又はメタクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えば、Goldschmidt社により名称Antil 208で販売されているオキシエチレン化メチルメタクリレート/ステアリルアクリレートコポリマー;
(vi)親水性アクリレート又はメタクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーとのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー
から選択され得る。
【0033】
(2)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位と、エチレン性不飽和アニオン性モノマー単位、例えば、ビニルカルボン酸単位を含む少なくとも1つの親水性単位とを含むものから選択されてもよく、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物に由来する単位から選択されてもよく、ここで、脂肪鎖アリルエーテル単位は、下記の式(I)
CH
2=C(R
1)CH
2OB
nR (I)
(式中、R
1はH及びCH
3から選択され、Bはエチレンオキシ基であり、nはゼロ又は1〜100の範囲の整数から選択され、Rは、10〜30個の炭素原子、更に、例えば10〜24個、更に、例えば12〜18個の炭素原子を含有する、アルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキル基から選択される炭化水素系基から選択される)
のモノマーに対応する。
【0034】
一実施形態では、式(I)の単位は、例えば、R
1がHであってもよく、nが10に等しくてもよく、Rがステアリル(C
18)基であってもよい単位である。
【0035】
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、EP-0 216 479 B2に記載され、そのエマルション重合方法に従って調製される。
【0036】
一実施形態では、アニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、20〜60質量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、5〜60質量%の低級アルキル(メタ)アクリレート、2〜50質量%の式(I)の脂肪鎖アリルエーテル、及び0〜1質量%の架橋剤とから形成されるポリマーであり、架橋剤は、周知の共重合性不飽和ポリエチレン性モノマー、例えばジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート及びメチレンビスアクリルアミドである。
【0037】
当該ポリマーの例は、メタクリル酸と、エチルアクリレートと、ポリエチレングリコール(10 EO)ステアリルエーテル(ステアレス-10)との架橋ターポリマーであり、例えば、Ciba社から名称Salcare SC 80及びSalcare SC 90で販売されている、水性30%エマルションのメタクリル酸とエチルアクリレートとステアレス-10アリルエーテル(40/50/10)の架橋ターポリマーである。
【0038】
アニオン性両親媒性ポリマーは、更に、例えば、不飽和オレフィン性カルボン酸タイプの少なくとも1つの親水性単位と、不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステル等のタイプの少なくとも1つの疎水性単位とを含むものから選択されてもよい。不飽和オレフィン性カルボン酸タイプの親水性単位は、例えば、下記の式(II)
【0040】
(式中、R
1は、H、CH
3及びC
2H
5から選択され、すなわち、アクリル酸、メタクリル酸及びエタクリル酸単位である)
のモノマーに対応する。不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステル等のタイプの疎水性単位は、例えば、下記の式(III)
【0042】
[式中、R
1は、H、CH
3及びC
2H
5から選択され(すなわち、アクリレート、メタクリレート及びエタクリレート単位)であり、例えば、H(アクリレート単位)及びCH
3(メタクリレート単位)から選択され、R
2は、C
10〜C
30アルキル基、例えば、C
12〜C
22アルキル基から選択される]
のモノマーに対応する。
【0043】
不飽和カルボン酸の(C
10〜C
30)アルキルエステルの例は、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、及びドデシルアクリレート、並びにその対応メタクリレートであるラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート及びドデシルメタクリレートを含む。
【0044】
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、米国特許第3,915,921号及び米国特許第4,509,949号に開示され、これらの文献に従って調製される。
【0045】
使用され得る代表的なアニオン性両親媒性ポリマーは更に、下記を含むモノマーの混合物から形成されるポリマーから選択されてもよい:
(vii)アクリル酸、下記の式(IV)
【0047】
(式中、R
1はH及びCH
3から選択され、R
2はC
10〜C
30アルキル基、例えば12〜22個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)
のエステル、並びに架橋剤;例えば95〜60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4〜40質量%のC
10〜C
30アルキルアクリレート(疎水性単位)、及び0〜6質量%の架橋重合性モノマーに由来するポリマー、若しくは98〜96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1〜4質量%のC
10〜C
30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0.1%〜0.6質量%の架橋重合性モノマーに由来するポリマー;又は
(viii)アクリル酸及びラウリルメタクリレート、例えば66質量%のアクリル酸及び34質量%のラウリルメタクリレートから形成されるポリマー。
【0050】
を含み、不飽和結合が共役していない少なくとも1つの他の重合性基を有する基を含むモノマーであってもよい。
【0051】
例えば、ポリアリルエーテル、例えばポリアリルスクロース及びポリアリルペンタエリスリトールを挙げることができる。
【0052】
前記のポリマーの中で、例えば、Goodrich社によって商品名Pemulen TR1、Pemulen TR2、Carbopol 1382、及び更に、例えば、Pemulen TR1で販売される製品、並びに、S.E.P.C.社によって名称Coatex SXで販売される製品を挙げることができる。
【0053】
アニオン性両親媒性脂肪鎖ポリマーの中で、例えば、名称Viscophobe DB 1000でAmerchol社によって販売される、メタクリル酸/メチルアクリレート/アルキルジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートのエトキシル化コポリマーを挙げることもできる。
【0054】
使用される(3)カチオン性両親媒性ポリマーは、例えば、4級化セルロース誘導体及びアミノ基を含むポリアクリレートから選択される。
【0055】
4級化セルロース誘導体は、例えば、
少なくとも1つの脂肪鎖、例えば少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基及びアルキルアリール基並びにそれらの混合物を含む基で修飾された4級化セルロース、並びに
少なくとも1つの脂肪鎖、例えば少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル基、アリールアルキル基及びアルキルアリール基並びにそれらの混合物を含む基で修飾された4級化ヒドロキシエチルセルロースから選択される。
【0056】
アミノ側基を含む4級化及び非4級化ポリアクリレートは、例えば、疎水性基を有し、例えばステアレス20(ポリオキシ-エチレン化(20)ステアリルアルコール)及び(C
10〜C
30)アルキルPEG-20イタコネートを有する。
【0057】
上記4級化セルロース及びヒドロキシエチルセルロースが有するアルキル基は、例えば、8〜30個の炭素原子を含有する。
【0058】
アリール基は、例えば、フェニル、ベンジル、ナフチル及びアントリル基から選択される。
【0059】
C
8〜C
30脂肪鎖を含む4級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの例は、Amerchol社により販売されている製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529-18B(C
12アルキル)及びQuatrisoft LM-X 529-8(C
18アルキル)、並びにCroda社により販売されている製品Crodacel QM、Crodacel QL(C
12アルキル)及びCrodacel QS(C
18アルキル)である。
【0060】
アミノ側鎖を含むポリアクリレートの例はNational Starch社製のポリマー8781-124B又は9492-103及びStructure Plusである。
【0061】
(4)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマーの中で、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/C
10〜C
30アルキルメタクリレート(アルキル基は、例えばステアリル基である)のコポリマーを挙げることができる。
【0062】
会合性増粘剤は、例えば、水中に活性材料1%の濃度の溶液又は分散体中で、Rheomat RM 180レオメータを使用して25℃で測定される粘度が、剪断速度200s
-1において、0.1cpより高くてもよく、更に、例えば、0.2cpより高くてもよい。
【0063】
(a)会合性増粘剤が、会合性ポリマー増粘剤、好ましくは、会合性ポリウレタン増粘剤であってもよい。
【0064】
会合性ポリウレタン増粘剤は、カチオン性又は非イオン性であってもよい。
【0065】
会合性ポリウレタン増粘剤の中で、会合性ポリウレタン誘導体、例えば、約20〜70質量%の、α,β-モノエチレン性不飽和部を含有するカルボン酸、約20〜80質量%の、α,β-モノエチレン性不飽和部を含有する非界面活性剤モノマー、約0.5〜60質量%の、モノヒドロキシル化界面活性剤とモノエチレン性不飽和モノイソシアネートとの反応の生成物である非イオン性モノ-ウレタンの重合により得られるものを挙げることができる。
【0066】
同様のことが、特にEP 173109、より具体的には、実施例3に記載されている。より正確には、このポリマーは、25%の水性分散体としてのメタクリル酸/メチルアクリレート/エトキシル化ベヘニルアルコール(40EO)のジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネートターポリマーである。この製品は、参照名VISCOPHOBE DB1000でAMERCHOL社によって提供される。
【0067】
また、カチオン性会合性ポリウレタン増粘剤も適切であり、その群は、出願人により、仏国特許出願第0009609号に記載されている。これは、より具体的には、次の一般式(A)によって表される:R-X-(P)
n-[L-(Y)
m]
r-L'-(P')
p-X'-R' (A)(式中、R及びR'は、同一又は異なり、疎水性基又は水素原子を表し;X及びX'は、同一又は異なり、疎水性基を有する又は有しないアミン官能基を含有する基、或いはL"基を表し;L、L'及びL"は、同一又は異なり、ジイソシアネートに由来する基を表し;P及びP'は、同一又は異なり、疎水性基を有する又は有しないアミン官能基を含有する基を表し;Yは親水性基を表し;rは1から100の間の整数であり、好ましくは1から50の間の整数であり、特に1から25の間の整数であり;n、m及びpは、他のものからそれぞれ独立して0から1000の間であり;分子は、少なくとも1つのプロトン化又は4級化アミン官能基及び少なくとも1つの疎水性基を含有する)。
【0068】
非常に有利な実施形態では、これらのポリウレタンの疎水性基は、鎖の末端にあるR及びR'基だけである。
【0069】
第1の好ましい実施形態によると、会合性ポリウレタン増粘剤は、式(A)[式中、R及びR'は両方独立して疎水性基を表し、X、X'はそれぞれL''基を表し、n及びpは1から1000の間であり、L、L'、L"、P、P'、Y及びmは、式(A)で示された意味を有する]に対応する。
【0070】
本発明の別の好ましい実施形態によると、会合性ポリウレタン増粘剤は、式(A)[式中、R及びR'は両方独立して疎水性基を表し、X、X'はそれぞれL"基を表し、n及びpは0に等しく、L、L'、L"、Y及びmは、上記で示された式(A)での意味を有する]に対応する。
【0071】
n及びpが0に等しいことは、これらのポリマーが、重縮合中にポリマーに組み込まれるアミン官能基を含有するモノマーに由来する単位を含有しないことを意味する。これらのポリウレタンのプロトン化アミン官能基は、過剰のイソシアネート官能基が鎖末端で加水分解され、次いで第1級アミン官能基が、疎水性基含有アルキル化剤、すなわちRQ又はR'Qタイプ(式中、R及びR'は上記で定義した通りであり、Qは脱離基、例えば、ハライド、スルフェート等を表す)の化合物によって形成された第1級アミン官能基が、アルキル化されることにより生じる。
【0072】
本発明の別の好ましい実施形態によると、会合性ポリウレタン増粘剤は、式(A)[式中、R及びR'は両方独立して疎水性基を表し、X、X'は両方独立して第4級アミンを含有する基を表し、n及びpはゼロに等しく、L、L'、Y及びmは、式(A)で示された意味を有する]に対応する。
【0073】
カチオン性会合性ポリウレタン増粘剤の数平均分子量は、通常、400g/molから500 000g/molの間、特に、1000g/molから400 000g/molの間、理想的には1000g/molから300 000g/molの間である。
【0074】
X及び/又はX'が第3級又は第4級アミンを含有する基を表すとき、X及び/又はX'は次式のうちの1つを表し得る:
Xに対して
【0078】
(式中、
R
2は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、飽和又は不飽和の環又はアリーレン基を含有し、又は含有せず、その1つ又は複数の炭素原子が、N、S、O、Pから選択されるヘテロ原子により置き換えられていてもよく、
R
1及びR
3は、同一又は異なり、直鎖状又は分岐状のC
1〜C
30アルキル又はアルケニル基、アリール基を示し、炭素原子のうちの少なくとも1個は、N、S、O及びPから選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよく、
A
-は生理学的に許容される対イオンである)。
【0081】
(式中、
Zは、-O-、-S-又は-NH-を表し、
R
4は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキレン基を表し、飽和又は不飽和の環、アリーレン基を含有し、又は含有せず、その1つ又は複数の炭素原子が、N、S、O及びPから選択されるヘテロ原子により置き換えられていてもよい)
の基を表す。
【0082】
アミン官能基を含むP及びP'基は、次式のうちの少なくとも1つを表し得る:
【0084】
(式中、
R
5及びR
7は、上記で定義されたR
2と同じ意味を有し、R
6、R
8及びR
9は、上記で定義されたR
1及びR
3と同じ意味を有し、
R
10は、直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、場合により不飽和であり、N、O、S及びPから選択される1個又は複数のヘテロ原子を含有してもよく、
A
-は生理学的に許容される対イオンである)。
【0085】
Yの意味に関して、表現「親水性基」は、ポリマー性又は非ポリマー性の水溶性基を意味すると理解される。例として、ポリマーが関与しない場合、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールを挙げることができる。好ましい実施形態によると、親水性ポリマーの場合、例として、ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリアミド、又はこれらのポリマーの混合物を挙げることができる。好ましくは、親水性化合物は、ポリエーテル、特にポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドである。
【0086】
式(A)のカチオン性会合性ポリウレタン増粘剤は、ジイソシアネートから、及び不安定水素を含有する官能基を有する様々な化合物から形成される。不安定水素を含有する官能基は、ジイソシアネート官能基との反応後に、ポリウレタン、ポリウレア及びポリチオウレアをそれぞれ与えるアルコール官能基、第1級若しくは第2級アミン官能基、又はチオール官能基であってもよい。本発明の用語「ポリウレタン」は、これらの3タイプのポリマー、すなわち厳密な意味でのポリウレタン、ポリウレア及びポリチオウレア、並びにそれらのコポリマーを対象とする。
【0087】
式(A)のポリウレタンの調製に入れられる第1のタイプの化合物は、アミン官能基を含有する少なくとも1つの単位を含有する化合物である。この化合物は、多官能性であってもよいが、好ましくは、化合物は二官能性であり、すなわち、好ましい一実施形態によれば、この化合物は、例えば、ヒドロキシル、第1級アミン、第2級アミン又はチオール官能基が有する2つの不安定水素原子を含有する。更に、多官能化合物のパーセンテージが低い、多官能化合物及び二官能化合物の混合物を使用することもできる。
【0088】
上述のように、この化合物は、アミン官能基を含有する1つ超の単位を含んでよい。これは、この時、アミン官能基を含有する単位の繰り返しを有するポリマーである。
【0089】
このタイプの化合物は、次式のうちの1つによって表されてもよい:HZ-(P)
n-ZH、又はHZ-(P')
p-ZH(式中、Z、P、P'、n及びpは、上記で定義した通りである)。
【0090】
アミン官能基を含有する化合物の例として、N-メチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミン、N-スルホエチルジエタノールアミンを挙げることができる。
【0091】
式(A)のポリウレタンの調製に入れられる第2の化合物は、式O=C=N-R
4-N=C=O(式中、R
4は、上記で定義されている)に対応するジイソシアネートである。
【0092】
例として、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート及びヘキサンジイソシアネートを挙げることができる。
【0093】
式(A)のポリウレタンの調製に入れられる第3の化合物は、式(A)のポリマーの末端疎水性基を形成することが意図される疎水性化合物である。
【0094】
この化合物は、疎水性基と、不安定水素を含有する官能基、例えばヒドロキシル、第1級若しくは第2級アミン、又はチオール官能基とからなる。
【0095】
例として、この化合物は、脂肪アルコール、例えば、特にステアリルアルコール、ドデシルアルコール及びデシルアルコールであり得る。この化合物は、ポリマー性の鎖を含有するとき、例えばヒドロキシル水素化ポリブタジエンであってもよい。
【0096】
式(A)のポリウレタンの疎水性基は、少なくとも1つの第3級アミン単位を含有するこの化合物の第3級アミンが4級化した反応の結果によるものであってもよい。したがって、疎水性基は4級化剤により導入される。この4級化剤は、RQ又はR'Qタイプ(式中、R及びR'は、上記で定義した通りであり、Qは、ハライド、スルフェート等の脱離基を示す)の化合物である。
【0097】
カチオン性会合性ポリウレタン増粘剤は、加えて、親水性配列を含んでもよい。この配列は、ポリマーの調製に入れられる第4のタイプの化合物によって提供される。この化合物は多官能性であってもよい。これは、好ましくは二官能性である。更に、多官能化合物のパーセンテージが低い混合物とすることもできる。
【0098】
不安定水素を含有する官能基は、アルコール、第1級若しくは第2級アミン、又はチオール官能基である。この化合物は、不安定水素を含有するこれらの官能基の1つで鎖末端が終了したポリマーでもよい。
【0099】
例として、ポリマーが関与しない場合、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールを挙げることができる。
【0100】
親水性ポリマーの場合、例として、ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリアミド、又はこれらのポリマーの混合物を挙げることができる。好ましくは、親水性化合物は、ポリエーテル、特にポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドである。
【0101】
式(A)においてYと称される親水性基は任意選択である。実際には、第4級又はプロトン化アミン官能基を含有する単位は十分にこのタイプのポリマーの水性溶液に必要な水溶性又は水分散性を提供することができる。親水性基Yの存在は任意選択であるが、それでもなお、そのような基を含有するカチオン性会合性ポリウレタン増粘剤が好ましい。
【0102】
また、本発明で使用される会合性ポリウレタン増粘剤は、非イオン性であってもよく、特に非イオン性ポリウレタン-ポリエーテルであってもよい。非イオン性ポリウレタン-ポリエーテルは、少なくとも1つの親水性部分及び少なくとも1つの疎水性部分を両方有してもよい。より具体的には、前記ポリマーは、鎖中に、多くの場合ポリオキシエチレン性の親水性配列と、脂肪族連結単独及び/又は脂環式及び/又は芳香族連結であり得る疎水性配列との両方を含有してもよい。
【0103】
好ましくは、これらのポリエーテル-ポリウレタンは、親水性配列で分離され、6〜30個、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する少なくとも2つの親油性炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は、ペンダント鎖、又は親水性配列の末端にある鎖でもよい。特に、1つ又は複数のペンダント鎖と想定することが可能である。加えて、ポリマーは、親水性配列の片末端に、又は両末端に炭化水素鎖を含むことができる。
【0104】
ポリエーテル-ポリウレタンは、ポリブロック、特に、トリブロックの形態であってもよい。疎水性配列は、鎖の各末端にあってもよく(例えば、親水性の中央配列を有するトリブロックコポリマー)、又は両末端及び鎖中に分布されていてもよい(例えば、ポリブロックコポリマー)。また、これらの同じポリマーは、グラフト単位の形態であっても、又は星型であってもよい。
【0106】
会合性ポリウレタン増粘剤は、上記で示されるように、疎水性部が疑似ミセル(quasi-micelle)を接続するネットワークを水中で形成し得る。
【0107】
したがって、会合性ポリウレタン増粘剤は本発明による組成物の粘度又は稠度を増加させることができる。そのため、本発明による組成物の適用後、組成物の元の弾力を急速に回復する。
【0108】
脂肪鎖を含有する非イオン性ポリエーテル-ポリウレタンは、親水性配列が50〜1000個のオキシエチレン化基を含むポリオキシエチレン化鎖であるトリブロックコポリマーであってもよい。
【0109】
非イオン性ポリエーテル-ポリウレタンは、親水性配列間にウレタン結合を含み、これが名称の由来である。
【0110】
拡大すると、親水性配列が他の化学結合により疎水性配列に結合されているものも、疎水性鎖を含有する非イオン性ポリエーテル-ポリウレタンの中に含まれる。
【0111】
本発明で使用することができる疎水性鎖を含有する非イオン性ポリエーテル-ポリウレタンの例として、RHEOX社から販売されているウレア官能基を含有するRheolate(登録商標)205、又はRheolate(登録商標)208、204、若しくは212、及びAcrysol RM 184(登録商標)を使用することもまた可能である。
【0112】
Akzo社のC
12〜C
14アルキル鎖を含有する製品ELFACOS T210(登録商標)及びC
18アルキル鎖を含有する製品ELFACOS T212(登録商標)も挙げることができる。
【0113】
C
20アルキル鎖を含有し、ウレタン結合を有し、水中で20%の乾燥物含有量で販売されている、ROHM & HAAS社製の製品DW 1206B(登録商標)も使用され得る。
【0114】
これらのポリマーの、特に、水中又は水性-アルコール性媒体中の溶液又は分散体を使用することも可能である。当該ポリマーの例として、RHEOX社から販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278、及びRheolate(登録商標)244を挙げることができる。ROHM & HAAS社により提供される製品DW 1206F及びDW 1206Jを使用することも可能である。
【0115】
使用され得る上記のポリエーテル-ポリウレタンはまた、G. Fonnum、J. Bakke及びFk. HansenによるColloid Polym. Sci 271, 380〜389(1993)の論文に記載されているものから選択されてもよい。
【0116】
上記のポリエーテル-ポリウレタンとして、少なくとも1つのポリオキシエチレン化親水性ブロックと、脂肪族配列、脂環式配列、及び芳香族配列から選択される少なくとも1つの配列を含有する少なくとも1つの疎水性ブロックとをそれらの鎖中に含むポリウレタン-ポリエーテルを挙げることができる。
【0117】
ポリウレタン-ポリエーテルが、親水性ブロックによって分離された8〜30個の炭素原子を有する炭化水素系親油鎖であって、ペンダント鎖及び親水性ブロックの末端の鎖から選択される炭素水素系鎖を少なくとも2つ含むことが好ましいこともある。
【0118】
本発明の特定の一形態によれば、(i)150〜180molのエチレンオキシドを含む少なくとも1種のポリエチレングリコールと、(ii)100molのエチレンオキシドを含むポリオキシエチレン化ステアリルアルコールと、(iii)ジイソシアネートとを含む少なくとも3種の化合物の重縮合によって得ることができるポリウレタン/ポリエーテルを使用する。
【0119】
当該ポリウレタン/ポリエーテルは、特に、Elementis社から名称Rheolate FX 1100(登録商標)及びRheoluxe 811(登録商標)で販売されており、これは、136molのエチレンオキシドを含有するポリエチレングリコールと、100molのエチレンオキシドでポリオキシエチレン化されたステアリルアルコールと、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との、質量平均分子量が40000の重縮合物である(INCI名:PEG-136/ステアレス-100/HDIコポリマー)。
【0120】
本発明の別の特定の一形態によれば、(i)150〜180molのエチレンオキシドを含む少なくとも1種のポリエチレングリコールと、(ii)ステアリルアルコール又はデシルアルコールと、(iii)少なくとも1種のジイソシアネートとを含む少なくとも3種の化合物の重縮合によって得ることができるポリウレタン/ポリエーテルを使用する。
【0121】
こうしたポリウレタン/ポリエーテルは、特に、Rohm & Haas社から商品名Aculyn 46(登録商標)及びAculyn 44(登録商標)で販売されている。
【0122】
INCI名:PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマーを有するAculyn 46(登録商標)は、マルトデキストリン(4%)と水(81%)とのマトリクス中において15質量%の、150mol又は180molのエチレンオキシドを含むポリエチレングリコールとステアリルアルコールとメチレンビス(4-シクロへキシルイソシアネート)(SMDI)との重縮合物である(INCI名:PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)。
【0123】
Aculyn 44(登録商標)(PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー)は、プロピレングリコール(39%)と水(26%)との混合物中において35質量%の、150mol又は180molのエチレンオキシドを含むポリエチレングリコールとデシルアルコールとメチレンビス(4-シクロへキシルイソシアネート)(SMDI)との重縮合物である(INCI名:PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー)。
【0124】
会合性ポリウレタンとして、次式(1)
R
1-{(O-R
2)
k-OCONH-R
3[-NHCOO-(R
4-O)
n-R
5]
h}
m (1)
(式中、R
1は、炭化水素基を表し、R
2及びR
4は、独立して、2〜4個の炭素原子を有する、互いに同一であっても若しくは異なっていてもよいアルキレン基、又はフェニルエチレン基を表し、R
3は、場合によりウレタン結合を有し得る炭化水素基を表し、R
5は、分岐鎖又は第2級炭化水素基を表し、mは、少なくとも2の数を表し、hは、少なくとも1の数を表し、kは、1〜500の範囲内の数を表し、nは、1〜200の範囲内の数を表す)
によって表される化合物を使用することが好ましいこともある。
【0125】
上記に示される一般式(1)によって表される疎水性修飾されたポリウレタンは、例えば、式R
1-[(O-R
2)
k-OH]
mによって表される少なくとも1種のポリエーテルポリオール、式R
3-(NCO)
h+1によって表される少なくとも1種のポリイソシアネート、及び式HO-(R
4-O)
n-R
5によって表される少なくとも1種のポリモノアルコールを反応させることにより得られる。
【0126】
このような場合には、一般式(1)のR
1〜R
5は、化合物R
1-[(O-R
2)
k-OH]
m、R
3-(NCO)
h+1及びHO-(R
4-O)
n-R
5によって決定される。3つの化合物の間の投入比率は特に限定されず、好ましくは、ポリイソシアネートに由来するイソシアネート基のポリエーテルポリオール及びポリエーテルモノアルコールに由来するヒドロキシル基に対する比は、0.8:1から1.4:1の間のNCO/OHの範囲内で選択すべきである。
【0127】
式R
1-[(O-R
2)
k-OH]
mによって表され、一般式(1)によって表される会合性増粘剤を得るために好ましく使用され得るポリエーテルポリオール化合物は、m価ポリオールとアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、若しくはエピクロロヒドリン、又はスチレンオキシド、及びこれに類するものとの付加重合から得ることができる。
【0128】
ポリオールは、好ましくは、2〜8価ポリオールであるべきである。2〜8価ポリオールの例は、2価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、及びネオペンチルグリコール;3価アルコール、例えばグリセロール、トリオキシイソブタン、1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ペンタントリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、4-プロピル-3,4,5-ヘプタントリオール、2,4-ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール、ペンタメチルグリセロール、ペンタグリセロール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,4-ペンタントリオール、トリメチロールエタン、及びトリメチロールプロパン;4価アルコール、例えばペンタエリスリトール、1,2,3,4-ペンタンテトラオール、2,3,4,5-ヘキサンテトラオール、1,2,4,5-ペンタンテトラオール、及び1,3,4,5-ヘキサンテトラオール;5価アルコール、例えばアドニトール、アラビトール、及びキシリトール;6価アルコール、例えばジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、及びイジトール;並びに8価アルコール、例えばスクロースを含む。
【0129】
また、R
2は、付加されるアルキレンオキシド、スチレンオキシド、又はこれに類するものにより決定される。特に、入手可能性及び優れた効果のために、2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシド、又はスチレンオキシドが好ましい。
【0130】
付加されるアルキレンオキシド、スチレンオキシド、又はこれに類するものは、単独重合されてもよく、又は少なくとも2つの材料でランダム重合若しくはブロック重合されてもよい。付加のための手順は、従来の手順であってもよい。また、重合度kは、0〜1,000の範囲内、好ましくは1〜500の範囲内、より好ましくは10〜200の範囲内で選択されてもよい。更に、R
2を占めるエチレン基の比は、好ましくは、R
2の総量に対して、50〜100質量%の範囲内であるべきである。このような場合に、本発明の目的に適した会合性増粘剤が得られる。
【0131】
更に、式R
1-[(O-R
2)
k-OH]
mによって表されるポリエーテルポリオール化合物の分子量は、好ましくは、500〜100,000の範囲内で選択されるべきであり、より好ましくは、1,000〜50,000の範囲内で選択されるべきである。
【0132】
式R
3-(NCO)
h+1によって表され、本発明により用いられる一般式(1)によって表される疎水性修飾されたポリエーテルウレタンを得るために好ましく使用され得るポリイソシアネートは、ポリイソシアネートが分子内に少なくとも2つのイソシアネート基を有する限り、特に限定されない。ポリイソシアネートの例は、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環状ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート、フェニルメタントリイソシアネート、及びフェニルメタンテトライソシアネートを含む。
【0133】
また、上記で列挙されたポリイソシアネートの二量体及び三量体(イソシアヌレート結合)を用いることも可能である。更に、アミンとの反応により得られるビウレットを用いることが可能である。
【0134】
更に、前述のポリイソシアネート化合物及びポリオールの反応により得られるウレタン結合を有するポリイソシアネートを用いることが可能である。ポリオールとしては、2〜8価ポリオールが好ましく、上記で列挙されたポリオールが好ましい。3価以上のポリイソシアネートが、式R
3-(NCO)
n+1によって表されるポリイソシアネートとして使用される場合、ウレタン結合を有する前述のポリイソシアネートを用いることが好ましい。
【0135】
式HO-(R
4-O)
n-R
5によって表され、本発明により用いられる一般式(1)によって表される疎水性修飾されたポリエーテルウレタンを得るために好ましく使用され得るポリエーテルモノアルコールは、ポリエーテルモノアルコールが直鎖、分岐鎖、又は第2級1価アルコールのポリエーテルである限り、特に限定されない。ポリエーテルモノアルコールは、直鎖、分岐鎖、又は第2級1価アルコールと、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、若しくはエピクロロヒドリン、又はスチレンオキシド、及びこれらに類するものとの付加重合により得ることができる
【0136】
一般式(1)によって表される化合物は、例えば、80〜90℃の温度で1〜3時間加熱して、ポリエーテル及びイソシアネートの通常の反応と同じ方法で反応を引き起こすことにより生成される。
【0137】
一般式(1)によって表される化合物としては、ポリエチレングリコール-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネートコポリマーが好ましい。ポリエチレングリコール-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネートコポリマーは、PEG-240/HDIコポリマービス-デシルテトラデセス-20エーテルとも称される。
【0138】
本発明によると、会合性ポリウレタン増粘剤は、Rheox社によって名称Rheolate FX 1100で販売されるステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー、旭電化工業株式会社(Asahi Denka)によって名称Adekanol GT-700で販売されるPEG-240/HDIコポリマービス-デシルテトラデセス-20エーテル、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0139】
本発明による組成物中の(a)会合性増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜1質量%であってよい。
【0140】
(アルキレンオキシド誘導体)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のアルキレンオキシド誘導体を含む。2種以上の(b)アルキレンオキシド誘導体を組み合わせて使用してもよい。このため、単一のタイプのアルキレンオキシド誘導体、又は異なるタイプのアルキレンオキシド誘導体の組合せを使用することができる。
【0141】
(b)アルキレンオキシド誘導体は、以下の化学式(I)
Z-{O(AO)
l(EO)
m-(BO)
nH}
a (I)
[式中、
Zは、3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物からヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、
AOは、3〜4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
EOは、オキシエチレン基を意味し、
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
aは、3〜9を意味し、
l、m、及びnは、それぞれ、AO、EO及びBOの平均付加モル数を意味し、1≦l≦50、1≦m≦50及び0.5≦n≦5であり、
AOのEOに対する質量比(AO/EO)は、1/5〜5/1の範囲であり、
AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてよい]
により表される。
【0142】
式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物からヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、aは、化合物のヒドロキシル基の数を意味し、3〜9を意味する。3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物の例として、例えば、a=3の場合、グリセリン、及びトリメチロールプロパン;a=4の場合、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、アルキルグリコシド、及びジグリセリン;a=5の場合、キシリトール;a=6の場合、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、及びイノシトール;a=8の場合、スクロース、及びトレハロース;a=9の場合、マルチトール;それらの混合物等を挙げることができる。好ましくは、Zは、3〜6個のヒドロキシル基を有する化合物からヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、aは、3≦a≦6を満たす。3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物として、グリセリン又はトリメチロールプロパンが好ましく、特に、グリセリンが好ましい。a≦2の場合、脂肪及び油等の油成分との難相溶性が示され、油ベースの配合物中でのブレンディング安定性が損なわれる傾向がある。10≦aの場合、粘着性が生じる。
【0143】
AOは、3〜4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味する。その例として、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基(オキシ-n-ブチレン基、オキシイソブチレン基、又はオキシ-t-ブチレン基)、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等を挙げることができる。オキシプロピレン基及びオキシブチレン基が好ましく、オキシプロピレン基がより好ましい。
【0144】
lは、AOの平均付加モル数を意味し、1≦l≦50、好ましくは2≦l≦20を満たす。mは、EOの平均付加モル数を意味し、1≦m≦50、好ましくは2≦m≦20を満たす。lが0であれば、粘着性が生じる。一方、lが50を超えれば、保湿効果が減少する。加えて、mが0であれば、保湿効果が減少する。一方、mが50を超えれば、粘着性が生じる。
【0145】
AOのEOに対する質量比(AO/EO)は、1/5〜5/1の範囲であり、好ましくは、1/4〜4/1の範囲である。AO/EOが1/5未満であれば、粘着性が生じる。一方、AO/EOが5/1を超えれば、保湿感が減少する。AO及びEOの付加の順序は特に指定されない。AO及びEOは、ランダムに又はブロックの形態で付加されていてもよい。皮膚の粗さを予防する優れた効果を得るために、AO及びEOは好ましくはランダムに付加されている。
【0146】
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味する。その例として、例えば、オキシブチレン基(オキシ-n-ブチレン基、オキシ-イソブチレン基、又はオキシ-t-ブチレン基)、オキシテトラメチレン基等を挙げることができる。オキシブチレン基が好ましい。
【0147】
nは、BOの平均付加モル数を意味し、0.5<n≦5、好ましくは0.8≦n≦3、より好ましくは1≦n≦3を満たす。nが0.5未満であれば、粘着性が生じる。一方、nが5を超えれば、保湿効果が減少する。式(I)において、(BO)
nが末端の水素原子に結合することが必要である。
【0148】
式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法によって生成することができる。例えば、式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体は、エチレンオキシド及び3〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物に付加重合すること、及び続いて、4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドと反応させることによって得ることができる。エチレンオキシド及び3〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを3〜9個のヒドロキシル基を有する化合物に付加重合する場合、エチレンオキシド及びアルキレンオキシドは、ランダムに又はブロックの形態で重合させることができる。
【0149】
式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体のうち、前述のアルキレンオキシド誘導体の好ましい例は、例えば、下記に示す式(II)
Gly-{O(PO)
s(EO)
t-(BO)
uH}
3 (II)
[式中、
Glyは、グリセリンからヒドロキシル基を除去することによって得られる残基を意味し、
POは、オキシプロピレン基を意味し、
EOは、オキシエチレン基を意味し、
s及びtは、それぞれ、PO及びEOの平均付加モル数を意味し、1〜50の範囲の値を有し、
POのEOに対する質量比(PO/EO)は、1/5〜5/1の範囲であり、
BOは、4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を意味し、
uは、BOの平均付加モル数を意味し、0.5〜5の範囲である]
によって表されるアルキレンオキシド誘導体(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセロール)を含む。
【0150】
式(II)によって表される前述のアルキレンオキシド誘導体は、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのそれぞれのグリセリンに対する3〜150モル当量の比で、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをグリセリンに付加すること、及び続いて、グリセリンに対するその1.5〜15モル当量の比で、4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを付加することによって得ることができる。
【0151】
前述のアルキレンオキシドをグリセリンに付加する場合、付加反応は、アルカリ触媒、相間移動触媒、ルイス酸触媒等を用いて行われる。一般に、水酸化カリウム等のアルカリ触媒が好ましくは用いられる。
【0152】
式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体のうち、より好ましい誘導体は、6〜10molのエチレンオキシド及び3〜7molのプロピレンオキシドをグリセリンに付加すること、及び続いて、2〜4molのブチレンオキシドを付加することによって得られる。
【0153】
式(I)によって表されるアルキレンオキシド誘導体のうち、更により好ましい誘導体は、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシオプロピレングリセロールであり、これは、8molのエチレンオキシド及び5molのプロピレンオキシドをグリセリンに付加すること、及び続いて、3molのブチレンオキシドを付加することによって得られ、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンのINCI名を有する。PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンは、NOF Corporation社からWILBRIDE S-753という商品名で市販されている。
【0154】
組成物中の(b)アルキレンオキシド誘導体の量は、組成物の総質量に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜1質量%であってもよい。
【0155】
(13.0以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤)
本発明による組成物は、(c)13.0以下のHLB値を有する、成分(b)以外の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。成分(b)以外で、2つ以上の(c)13.0以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプの非イオン性界面活性剤又は異なるタイプの非イオン性界面活性剤の組合せを使用してもよい。
【0156】
(c)13.0以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤は、(b)アルキレンオキシド誘導体とは異なる。
【0157】
(c)非イオン性界面活性剤は、12.5以下、より好ましくは12.0以下のHLB値を有することが好ましい。
【0158】
(c)非イオン性界面活性剤は、6.0以上、より好ましくは7.0以上、更により好ましくは8.0以上のHLB値を有することが好ましい。
【0159】
2種以上の非イオン性界面活性剤を使用する場合、HLB値は、全ての非イオン性界面活性剤のHLB値の質量平均によって決定される。HLBは、分子における親水性部分と親油性部分との間の比である。この用語「HLB」は、当業者に周知であり、「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.により1984年に出版)に記載されている。
【0160】
非イオン性界面活性剤は、自体周知の化合物である(例えばこの点に関しては、「Handbook of Surfactants」M. R. Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991、116〜178頁を参照されたい)。そのため、非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコール、アルファ-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選択されてよく、これらの化合物はエトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化されており、例えば8〜30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数を2〜50の範囲とすること、及びグリセロール基の数を1〜30の範囲とすることが可能である。マルトース誘導体を挙げることもできる。非限定的であるが、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコールとの縮合物;例えば2〜30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5〜5個の、1.5〜4個等のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2〜30molのエチレンオキシドを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物由来のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C
6〜C
24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノエステル又はジエステル;N-(C
6〜C
24)アルキルグルカミン誘導体;(C
10〜C
14)アルキルアミンオキシド又はN-(C
10〜C
14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシド;シリコーン界面活性剤;並びにそれらの混合物もまた挙げることができる。
【0161】
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化、ポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤から選ぶことができる。オキシアルキレン単位は、より具体的には、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0162】
挙げることのできるモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤の例は、
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C
8〜C
24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C
8〜C
30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C
8〜C
30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状のC
8〜C
30酸及びポリアルキレングリコールのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状のC
8〜C
30酸及びソルビトールのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
とりわけ単独又は混合物としてのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物を含む。
【0163】
界面活性剤は好ましくは、1から100の間、最も好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含む。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を含まない。
【0164】
本発明の実施形態のうちの1つによれば、ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール(脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル)及びポリオキシエチレン化脂肪エステル(脂肪酸のポリエチレングリコールエステル)から選ばれる。
【0165】
挙げられるポリオキシエチレン化脂肪アルコール(又はC
8〜C
30アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より具体的には10〜12個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではラウレス-10からラウレス-12);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-10からセテアレス-30);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではステアレス-10からステアレス-30);イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10〜50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-10からイソステアレス-50);及びそれらの混合物が含まれる。
【0166】
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状のC
8〜C
30酸及びポリアルキレングリコールのエステルとして、2〜100個のポリオキシエチレンに由来するポリオキシエチレン部分を有するポリオキシエチレン化C
8〜C
30脂肪エステルを挙げることができる。
【0167】
挙げることのできるポリオキシエチレン化C
8〜C
30脂肪エステルの例は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステル、及びこれらの混合物のエチレンオキシド付加物、特に8〜100個のオキシエチレン単位を含有するもの、例えばPEG-8からPEG-50ラウレート(CTFA名:PEG-8ラウレートからPEG-50ラウレート);PEG-8からPEG-50パルミテート(CTFA名:PEG-8パルミテートからPEG-50パルミテート);PEG-8からPEG-50ステアレート(CTFA名:PEG-8ステアレートからPEG-50ステアレート);PEG-8からPEG-50パルミトステアレート;PEG-8からPEG-50ベヘネート(CTFA名:PEG-8ベヘネートからPEG-50ベヘネート);ポリエチレングリコール100 EOモノステアレート(CTFA名:PEG-100ステアレート);及びこれらの混合物を含む。
【0168】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールが好ましくは使用される。
【0169】
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールは、次式
RO-[CH
2-CH(CH
2OH)-O]
m-H又はRO-[CH(CH
2OH)-CH
2O]
m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分岐状C
8〜C
40、好ましくはC
8〜C
30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に対応する。
【0170】
本発明との関連で適する化合物の例として、4molのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール及び6molのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
【0171】
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表すことができ、このことは、市販の製品において、複数種のポリグリセロール化脂肪族アルコールが混合物の形態で共存し得ることを意味する。
【0172】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたアルコールの中で、1molのグリセロールを含有するC
8/C
10アルコール、1molのグリセロールを含有するC
10/C
12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含有するC
12アルコールを使用することが好ましい。
【0173】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C
8〜C
40脂肪エステルは、次式
R'O-[CH
2-CH(CH
2OR''')-O]
m-R"又はR'O-[CH(CH
2OR''')-CH
2O]
m-R"
(式中、R'、R"及びR'''の各々は、独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐状のC
8〜C
40、好ましくはC
8〜C
30アルキル-CO-若しくはアルケニル-CO-基を表し、但しR'、R"及びR'''のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、mは、1〜30、好ましくは1.5〜10の範囲の数を表す)
に対応し得る。
【0174】
ポリグリセロール化C
8〜C
40脂肪エステルは、2〜10個のグリセロール、より好ましくは3〜6個のグリセロール、更により好ましくは5又は6個のグリセロールに由来するポリグリセロール部分を有することが好ましいこともある。
【0175】
ポリグリセロール化C
8〜C
40脂肪エステルは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜30個の炭素原子、より好ましくは12〜30個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の酸、好ましくは飽和の酸、例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、カプリン酸、及びミリスチン酸のモノ、ジ及びトリエステルから選択することができる。
【0176】
ポリグリセロール化C
8〜C
40脂肪酸エステルは、PG2カプレート、PG2ジカプレート、PG2トリカプレート、PG2ラウレート、PG2ジラウレート、PG2トリラウレート、PG2ミリステート、PG2ジミリステート、PG2トリミリステート、PG2ステアレート、PG2ジステアレート、PG2トリステアレート、PG2イソステアレート、PG2ジイソステアレート、PG2トリイソステアレート、PG2オレエート、PG2ジオレエート、PG2トリオレエート、PG3カプレート、PG3ジカプレート、PG3トリカプレート、PG3ラウレート、PG3ジラウレート、PG3トリラウレート、PG3ミリステート、PG3ジミリステート、PG3トリミリステート、PG3ステアレート、PG3ジステアレート、PG3トリステアレート、PG3イソステアレート、PG3ジイソステアレート、PG3トリイソステアレート、PG3オレエート、PG3ジオレエート、PG3トリオレエート、PG4カプレート、PG4ジカプレート、PG4トリカプレート、PG4ラウレート、PG4ジラウレート、PG4トリラウレート、PG4ミリステート、PG4ジミリステート、PG4トリミリステート、PG4ステアレート、PG4ジステアレート、PG4トリステアレート、PG4イソステアレート、PG4ジイソステアレート、PG4トリイソステアレート、PG4オレエート、PG4ジオレエート、PG4トリオレエート、PG5カプレート、PG5ジカプレート、PG5トリカプレート、PG5ラウレート、PG5ジラウレート、PG5トリラウレート、PG5ミリステート、PG5ジミリステート、PG5トリミリステート、PG5ステアレート、PG5ジステアレート、PG5トリステアレート、PG5イソステアレート、PG5ジイソステアレート、PG5トリイソステアレート、PG5オレエート、PG5ジオレエート、PG5トリオレエート、PG6カプレート、PG6ジカプレート、PG6トリカプレート、PG6ラウレート、PG6ジラウレート、PG6トリラウレート、PG6ミリステート、PG6ジミリステート、PG6トリミリステート、PG6ステアレート、PG6ジステアレート、PG6トリステアレート、PG6イソステアレート、PG6ジイソステアレート、PG6トリイソステアレート、PG6オレエート、PG6ジオレエート、及びPG6トリオレエートからなる群から選ぶことができる。
【0177】
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、ポリオールと、例えば8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の鎖を有する脂肪酸とのエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体、例えば、C
8〜C
24の、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸のグリセリルエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を含有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C
8〜C
24、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸のソルビトールエステル、及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C
8〜C
24、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸の糖(スクロース、マルトース、グルコース、フルクトース及び/又はアルキルグリコース)エステル及び好ましくは10〜200個、より好ましくは10〜100個のオキシアルキレン単位を含有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;糖と、C
8〜C
24、好ましくはC
12〜C
22の脂肪アルコールとのエーテル;並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0178】
脂肪酸のグリセリルエステルとして、グリセリルステアレート(グリセリルモノ-、ジ-、及び/又はトリステアレート)(CTFA名:グリセリルステアレート)又はグリセリルリシノレエート、並びにそれらの混合物を引用することができ、それらのポリオキシアルキレン化誘導体として、脂肪酸の、ポリオキシアルキレン化グリセロールとの、モノエステル、ジエステル又はトリエステル(脂肪酸と、グリセロールのポリアルキレングリコールエーテルとの、モノ-、ジ-、又はトリエステル)、好ましくはポリオキシエチレン化グリセリルステアレート(モノ-、ジ-、及び/又はトリステアレート)、例えばPEG-20グリセリルステアレート(モノ-、ジ-、及び/又はトリステアレート)を引用することができる。
【0179】
これらの界面活性剤の混合物、例えばARLACEL 165の名称でUniqema社によって市販されているグリセリルステアレート及びPEG-100ステアレートを含有する製品、並びにTEGINの名称でGoldschmidt社によって市販されているグリセリルステアレート(グリセリルのモノステアレート及びジステアレート)及びステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:グリセリルステアレートSE)等もまた使用することができる。
【0180】
C
8〜C
24脂肪酸のソルビトールエステル及びそのポリオキシアルキレン化誘導体は、ソルビタンパルミテート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート;並びに脂肪酸と、例えば20〜100個のEOを含有するアルコキシル化ソルビタンとのエステル、例えばICI社によりSpan 60という名称で販売されているソルビタンモノステアレート(CTFA名:ソルビタンステアレート)、ICI社によりSpan 40という名称で販売されているソルビタンモノパルミテート(CTFA名:ソルビタンパルミテート)、及びICI社によりTween 65という名称で販売されているソルビタントリステアレート20 EO(CTFA名:ポリソルベート65)、ポリエチレンソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、又はUniqema社によりTween 20若しくはTween 60という商品名で市販されている化合物から選択することができる。
【0181】
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエステルとして、グルコースパルミテート、アルキルグルコースセスキステアレート、例えばメチルグルコースセスキステアレート、アルキルグルコースパルミテート、例えばメチルグルコース又はエチルグルコースパルミテート、メチルグルコシド脂肪エステル、メチルグルコシド及びオレイン酸のジエステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート)、メチルグルコシド及びオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸の混合物の混合エステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート/ヒドロキシステアレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースイソステアレート)、メチルグルコシド及びラウリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースラウレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキ-イソステアレート)、メチルグルコシド及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキステアレート)、特に、名称Glucate SSでAMERCHOL社によって市販されている製品、並びにこれらの混合物を引用することができる。
【0182】
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエトキシル化エーテルとして、脂肪酸及びメチルグルコースのエトキシル化エーテル、特に、メチルグルコース及びステアリン酸のジエステルの、約20モルのエチレンオキシドとのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースジステアレート)、例えば、名称Glucam E-20ジステアレートでAMERCHOL社によって市販されている製品、メチル-グルコース及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物の、約20モルのエチレンオキシドとのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースセスキステアレート)、特に、名称Glucamate SSE-20でAMERCHOL社によって市販されている製品、名称Grillocose PSE-20でGOLDSCHMIDT社によって市販されている製品、並びにこれらの混合物を、例えば引用することができる。
【0183】
スクロースエステルとして、ショ糖パルミト-ステアレート、ショ糖ステアレート及びショ糖モノラウレートを、例えば引用することができる。
【0184】
糖エーテルとして、アルキルポリグルコシドを使用することができ、例えば、MYDOL 10の名称で花王株式会社によって市販されている製品、PLANTAREN 2000の名称でHenkel社によって市販されている製品、及びORAMIX NS 10の名称でSeppic社によって市販されている製品等のデシルグルコシド、ORAMIX CG 110の名称でSeppic社によって、又はLUTENSOL GD 70の名称でBASF社によって市販されている製品等のカプリリル/カプリルグルコシド、PLANTAREN 1200 N及びPLANTACARE 1200の名称でHenkel社によって市販されている製品等のラウリルグルコシド、PLANTACARE 818/UPの名称でHenkel社によって市販されている製品等のココ-グルコシド、場合によってはセトステアリルアルコールと混合されているセトステアリルグルコシドで、例えばMONTANOV 68の名称でSeppic社によって、TEGO-CARE CG90の名称でGoldschmidt社によって、及びEMULGADE KE3302の名称でHenkel社によって市販されているもの、アラキジルグルコシド、例えばアラキジルとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態でMONTANOV 202の名称でSeppic社によって市販されているもの、ココイルエチルグルコシド、例えばセチルとステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態でMONTANOV 82の名称でSeppic社によって市販されているもの、並びにそれらの混合物を、特に引用することができる。
【0185】
アルコキシル化植物油のグリセリドの混合物、例えばエトキシル化(200 EO)パーム及びコプラ(7 EO)グリセリドの混合物もまた、引用することができる。
【0186】
本発明による非イオン性界面活性剤は、アルケニル又は分岐状のC
12〜C
22アシル鎖、例えばオレイル基又はイソステアリル基を好ましくは含有する。より好ましくは、本発明による非イオン性界面活性剤は、PEG-20グリセリルトリイソステアレートである。
【0187】
本発明の実施形態の1つによると、非イオン性界面活性剤は、13.0以下のHLB値を有するポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテルから選択され得る。
【0188】
本発明のナノエマルション中の界面活性剤として使用できる、ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテルは、
PPG-6デシルテトラデセス-30;ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)テトラデシルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PEN-4630として販売されているもの、
PPG-6デシルテトラデセス-12;ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(6)テトラデシルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PEN-4612として販売されているもの、
PPG-13デシルテトラデセス-24;ポリオキシエチレン(24)ポリオキシプロピレン(13)デシルテトラデシルエーテル、例えばNOF Corporation社からUNILUBE 50MT-2200Bとして販売されているもの、
PPG-6デシルテトラデセス-20;ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PEN-4620として販売されているもの、
PPG-4セテス-1;ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PBC-31として販売されているもの、
PPG-8セテス-1;ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PBC-41として販売されているもの、
PPG-4セテス-10;ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PBC-33として販売されているもの、
PPG-8セテス-20;ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、例えばNikko Chemicals社からNikkol PBC-44として販売されているもの、並びに
PPG-23ステアレス-34;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル(34 EO)(23 PO)、例えばPola Chemical Industries社からUnisafe 34S-23として販売されているものからなる群から選択することができる。
【0189】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-8セテス-20、及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択できる、(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテルであることが好ましいこともある。
【0190】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択できる、(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C
16〜C
24)エーテルであることがより好ましいこともある。
【0191】
本発明による実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、特に次式
HO(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
b(C
2H
4O)
cH
(式中、a、b及びcは、a+cが2〜100までの範囲であり、bが14〜60までの範囲であるような整数である)
のコポリマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0192】
本発明による実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、シリコーン界面活性剤、例えばジメチコンコポリオールから選択することができる。非限定的に挙げられるのは、US-A-5364633及びUS-A-5411744に開示されているものである。
【0193】
シリコーン界面活性剤は、好ましくは、次式(I)
【0195】
[式中、
R
1、R
2及びR
3は、互いに独立に、C
1〜C
6アルキル基又は-(CH
2)
x-(OCH
2CH
2)
y-(OCH
2CH
2CH
2)
z-OR
4基を表し、R
1、R
2又はR
3の少なくとも1つの基はアルキル基ではなく、R
4は、水素、アルキル基又はアシル基であり、
Aは0〜200の範囲の整数であり、
Bは0〜50の範囲の整数であり、但しA及びBが同時にゼロに等しいことはなく、
xは、1〜6の範囲の整数であり、
yは、1〜30の範囲の整数であり、
zは、0〜5の範囲の整数である]
の化合物であってもよい。
【0196】
本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)の化合物中で、アルキル基はメチル基であり、xは、2〜6の範囲の整数であり、yは、4〜30の範囲の整数である。
【0197】
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として、次式(II)
【0199】
(式中、Aは20〜105の範囲の整数であり、Bは2〜10の範囲の整数であり、yは10〜20の範囲の整数である)
の化合物を挙げることができる。
【0200】
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として、次式(III)
H-(OCH
2CH
2)
y-(CH
2)
3-[(CH
3)
2SiO]
A'-(CH
2)
3-(OCH
2CH
2)
y-OH (III)
(式中、A'及びyは、10〜20の範囲の整数である)
の化合物も挙げることができる。
【0201】
使用され得る本発明の化合物は、Dow Corning社によりDC 5329、DC 7439-146、DC 2-5695及びQ4-3667という名称で販売されているものである。化合物DC 5329、DC 7439-146及びDC 2-5695は、それぞれAが22、Bが2、yが12であり、Aが103、Bが10、yが12であり、Aが27、Bが3、yが12である式(II)の化合物である。
【0202】
化合物Q4-3667は、Aが15であり、yが13である式(III)の化合物である。
【0203】
(c)13.0以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤は、
(1)(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C
16〜C
30)エーテル、好ましくは(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C
16〜C
24)エーテル、
(2)モノ-又はポリオキシエチレン化脂肪エーテル/エステル、好ましくはポリオキシエチレン化脂肪エステル、より好ましくは2〜100個のポリオキシエチレンに由来するポリオキシエチレン部分を有するポリオキシエチレン化C
8〜C
40脂肪エステル、
(3)モノ-又はポリグリセロール化脂肪エーテル/エステル、好ましくはポリグリセロール化脂肪エステル、より好ましくは2〜10個のグリセロールに由来するポリグリセロール部分を有するポリグリセロール化C
8〜C
40脂肪エステル、並びに
(4)シリコーン界面活性剤、好ましくはジメチコンコポリオール
から選択されることが好ましいこともある。
【0204】
組成物中の(c)13.0以下のHLB値を有する非イオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%であってもよい。
【0205】
(その他の成分)
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の追加成分も含んでよい。
【0206】
追加成分の量は限定されないが、本発明による組成物の総質量に対して0.1〜10質量%とすることができる。追加の成分は、(a)会合性増粘剤以外の増粘剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー;アニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤;ペプチド及びそれらの誘導体;タンパク質加水分解物;膨張剤及び浸透剤;抜け毛防止剤;抗フケ剤;成分(a)以外の天然又は合成の油用増粘剤;懸濁化剤;金属イオン封鎖剤;不透明化剤;染料;日焼け止め剤;ビタミン又はプロビタミン;香料;保存剤、安定化剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0207】
(a)会合性増粘剤以外の増粘剤は、親水性増粘剤、例えば、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopol製品(カルボマー)及びセルロース系誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖類、及び特にガム、例えばキサンタンガム;並びにこれらの混合物を含む。
【0208】
本発明による組成物のためのビヒクルは、好ましくは、水からなる水性媒体であり、有利には、化粧品として許容される1種又は数種の有機溶媒を含有してもよく、そのような有機溶媒としては、特に、アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール等)、又はポリオール若しくはポリオールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテル等)、プロピレングリコール若しくはそのエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、並びにジエチレングリコールアルキルエーテル(ジエチレングリコールモノエチルエーテル若しくはジエチレングリコールモノブチルエーテル等)及びグリセロールが挙げられる。
【0209】
組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して50〜95質量%、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは70〜90質量%であってもよい。
【0210】
そうであれば、有機溶媒は、組成物の総質量に対して0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%の濃度で存在することができる。
【0211】
(粘度)
本発明による組成物は、530mPa・s以上、より好ましくは550mPa・s以上、更により好ましくは580mPa・s以上の粘度を有することが好ましい。粘度は、例えば、粘度計proRheo Rheomat R 180(測定ボブ:MK3、測定カップ:MB3、200rpm、10分間)で、室温(25℃)で測定できる。
【0212】
本発明による組成物はまた、50000mPa・s以下、より好ましくは10000mPa・s以下、更により好ましくは3000mPa・s以下の粘度を有することが好ましい。
【0213】
本発明による組成物は、530〜50000mPa・s、より好ましくは550〜10000mPa・s、更により好ましくは580〜3000mPa・s、特に600〜1000mPa・sの粘度を有することが好ましいこともある。
【0214】
本発明による組成物は、好ましくはゲル、より好ましくは透明ゲルの形態であってもよい。
【0215】
[美容的使用]
本発明による組成物は、好ましくは、化粧用組成物として使用され得る。特に、本発明による組成物は、ケラチン物質、例えば皮膚、頭皮及び/又は唇、好ましくは皮膚への適用のために意図され得る。したがって、本発明の組成物は、皮膚のための美容方法のために使用することができる。
【0216】
本発明による皮膚等のケラチン物質のための美容方法又は美容的使用は、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を少なくとも含む。
【実施例】
【0217】
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。
【0218】
(実施例1〜6及び比較例1〜5)
表1に示す実施例1〜6及び比較例1〜5による以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量についての数値は全て、活性原料としての「質量%」に基づく。
【0219】
【表1】
【0220】
[評価1]
実施例1〜6及び比較例1〜5による組成物を、下記の通り評価した。
【0221】
(泡立ち)
9人のパネリストのそれぞれが、実施例1〜3及び比較例1〜5による組成物のそれぞれを、同量で皮膚に適用し、組成物を皮膚に広げ、マッサージすることにより、視覚的に組成物の泡立ちを評価した。
【0222】
良好:泡立ちが観察されなかった。
不良:泡立ちが観察された。
【0223】
結果を表2に示す。
【0224】
【表2】
【0225】
[評価2]
(粘度)
実施例1及び4〜6並びに比較例1〜4による組成物のそれぞれの粘度を、同量で、proRheo Rheomat R 180(測定ボブ:MK3、測定カップ:MB3、200rpm、10分間)により、室温で測定した。各組成物を下記の基準により評価した。
【0226】
550mPa・s以上の粘度:良好
550mPa・s未満の粘度:不良
【0227】
結果を表3に示す。
【0228】
【表3】
【0229】
[評価3]
(ぬめり感)
9人のパネリストが、実施例1及び4〜6並びに比較例1、3及び4による組成物のそれぞれを、同量で皮膚に適用し、下記の基準によりぬめり感を採点した。
【0230】
5:完全にぬめり感がない
4:ぬめりがない
3:あまりぬめりがない
2:非常にぬめりがある
1:過度のぬめりがある
【0231】
平均スコア3以上:良好
平均スコア3未満:不良
【0232】
結果を表4に示す。
【0233】
(粘着性)
9人のパネリストが、実施例1及び4〜6並びに比較例1、3及び4による組成物のそれぞれを、同量で皮膚に適用し、下記の基準により粘着性を採点した。
【0234】
5:完全に粘着性がない
4:粘着性ではない
3:あまり粘着性ではない
2:非常に粘着性である
1:過度に粘着性である
【0235】
平均スコア3以上:良好
平均スコア3未満:不良
【0236】
結果を表4に示す。
【0237】
(浸透感)
9人のパネリストが、実施例1及び4〜6並びに比較例1、3及び4による組成物のそれぞれを、同量で皮膚に適用し、下記の基準により浸透感を採点した。
【0238】
5:非常に速い浸透
4:速い浸透
3:遅い浸透ではない
2:遅い浸透
1:非常に遅い浸透
【0239】
平均スコア3以上:良好
平均スコア3未満:不良
【0240】
結果を表4に示す。
【0241】
【表4】
【0242】
実施例1〜3による組成物は、泡立ちを防ぐことができ、実施例1及び4〜6による組成物は、優れたテクスチャ(ぬめり感、粘着性がなく、良好な浸透感がある)と共に、良好な粘度も有する。
【0243】
一方、比較例1及び5による組成物は、泡立ちを防ぐことができない。比較例1及び2による組成物は、粘度が不良である。比較例3及び4による組成物は、テクスチャが不良である。したがって、比較例1〜6による組成物は、(1)泡立ちの防止、(2)良好な粘度、及び(3)優れたテクスチャの全ての特性を有することができない。一方、実施例1〜6による組成物は、上記特性(1)〜(3)の全てを同時に有することができる。
【0244】
そのため、本発明による組成物は、泡立ちを防ぐことができ、かつ優れたテクスチャ及び良好な粘度を達成できることが明らかである。