【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決する本発明の
第1の微粒化装置は、
被微粒化物が分散媒に分散した液体材料における該被微粒化物を微粒化する微粒化装置において、
前記液体材料を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段で吐出された前記液体材料を一方側から他方側へ通過させることで、該液体材料に含まれている前記被微粒化物を微粒化する微粒化手段と、
前記吐出手段の吐出口と前記微粒化手段における前記他方側の端との間を結ぶ逆洗液供給流路とを備え、
前記微粒化手段は、前記吐出手段によって吐出され前記逆洗液供給流路を通ってきた、前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料が逆洗液として、前記他方側から前記一方側へ向けて送り込まれるものであ
り、
前記吐出手段は、前記分散媒と同じ媒体あるいは材料タンクに貯留されていた前記液体材料を吐出するものであり、
前記吐出手段から吐出された吐出液体を前記微粒化手段に前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該吐出液体を該微粒化手段に前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記洗浄用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を前記材料タンクに戻す第1回収流路とを備えたことを特徴とする。
上記目的を解決する本発明の第2の微粒化装置は、
被微粒化物が分散媒に分散した液体材料における該被微粒化物を微粒化する微粒化装置において、
前記液体材料を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段で吐出された前記液体材料を一方側から他方側へ通過させることで、該液体材料に含まれている前記被微粒化物を微粒化する微粒化手段と、
前記吐出手段の吐出口と前記微粒化手段における前記他方側の端との間を結ぶ逆洗液供給流路とを備え、
前記微粒化手段は、前記吐出手段によって吐出され前記逆洗液供給流路を通ってきた、前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料が逆洗液として、前記他方側から前記一方側へ向けて送り込まれるものであり、
前記吐出手段は、前記分散媒と同じ媒体あるいは材料タンクに貯留されていた前記液体材料を吐出するものであり、
前記吐出手段から吐出された液体を前記微粒化手段に前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該液体を該微粒化手段に前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記逆洗用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記他方側から前記一方側に通過してきた液体を前記材料タンクに戻す第2回収流路とを備えたことを特徴とする。
また、別態様の微粒化装置として、被微粒化物が分散媒に分散した液体材料における該被微粒化物を微粒化する微粒化装置において、
前記液体材料を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段で吐出された前記液体材料を一方側から他方側へ通過させることで、該液体材料に含まれている前記被微粒化物を微粒化する微粒化手段とを備え、
前記微粒化手段は、逆洗液が前記他方側から前記一方側へ向けて送り込まれるものであることを特徴としてもよい。
【0009】
ここで、前記微粒化手段は、前記液体材料を一方側から他方側へ向けて通過させることで、キャビテーションによる衝撃力、せん断力、衝突力のうちの少なくともいずれか一つを、該液体材料に含まれている前記被微粒化物に作用させ、該被微粒化物を微粒化するものであってもよい。またさらに、前記微粒化手段は、前記吐出手段で吐出された前記液体材料が、前記一方側から前記他方側へ貫通した微小流路を通過するものであってもよい。また、前記微小流路は、前記液体材料が一方側から微小流路へ流入する流入孔と、前記液体材料が微小流路から他方側へ流出する流出孔を、それぞれ複数備えたものであってもよい。これら複数の流入孔と複数の流出孔は、流路が分岐するものであってもよく、流路が合流するものであってもよい。
【0010】
上述したこれらの微粒化装置によれば、前記液体材料に含まれる前記被微粒化物がつまって前記微粒化手段が閉塞しても、前記逆洗液を送り込むことによって該微粒化手段の閉塞を解消することができる。これにより、装置を分解し前記微粒化手段の微小流路につまった前記被微粒化物を除去する、従来行っていた装置の分解作業が不要になり、該微粒化手段の閉塞を短時間で解消することができる。特に、前記他方側から前記一方側に向けて前記逆洗液を送り込むことで、該一方側から該他方側に通過しようとして前記微粒化手段の微小流路につまってしまう前記被微粒化物を効率的に除去することができる。
【0011】
上記別態様の微粒化装置において、前記吐出手段の吐出口と前記微粒化手段における前記他方側の端との間に配置された逆洗液供給流路を備え、
前記微粒化手段は、前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料が前記吐出手段によって吐出され、吐出された液体が、前記逆洗液供給流路を通って前記逆洗液として前記他方側から前記一方側へ向けて送り込まれるものであってもよい。
【0012】
前記逆洗液として、前記液体材料を用いれば、前記一方側から前記他方側へ向けて前記微粒化手段に送り込まれてきた前記液体材料に該逆洗液が混合しても成分や濃度を同一に保つことができる。また、前記逆洗液として前記分散媒と同じ媒体を用いれば、前記液体材料に混合しても濃度は変化するが成分は変化せず、濃度変化が許容できる場合には、該逆洗液が混合した該液体材料を、例えば材料タンクに戻し、再度微粒化する材料として用いることができる。
【0013】
また、
上記別態様の微粒化装置において、前記吐出手段は、前記分散媒と同じ媒体あるいは材料タンクに貯留されていた前記液体材料を吐出するものであり、
前記吐出手段から吐出された吐出液体を前記微粒化手段に前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該吐出液体を該微粒化手段に前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記洗浄用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を前記材料タンクに戻す第1回収流路とを備えたものも好ましい態様の一つである。
【0014】
前記逆洗液として前記液体材料を用いた場合には前記逆洗用制御の実行が終了した時点では、前記微粒化手段等に微粒化されていない被微粒化物が残存してしまう。そこで、前記洗浄用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を前記第1回収流路によって前記材料タンクに戻すことで、該微粒化手段等に残っていた微粒化されていない前記被微粒化物も該材料タンクに戻すことができる。これにより、処理済タンクに貯留された液体、すなわち被微粒化物が微粒化された微粒化済液体に、微粒化されていない前記被微粒化物が混合してしまうことを回避できる。
【0015】
さらに、
上記別態様の微粒化装置において、前記吐出手段から吐出された、前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料を前記微粒化手段の前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該吐出手段から吐出された液体を該微粒化手段の前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記洗浄用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を廃棄する第1廃棄流路とを備えたものであってもよい。
【0016】
前記分散媒と同じ媒体を前記逆洗液に用いた場合には前記逆洗用制御の実行が終了した時点では、前記微粒化手段等に該媒体が残存している。ここで、前記媒体を前記材料タンクに戻すと、該材料タンク内に貯留された液体材料の濃度が変動してしまう場合がある。このため、前記洗浄用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を廃棄することで、前記材料タンク内に貯留された液体材料の濃度変化を避ける態様としてもよい。特に、前記材料タンク内に貯留された液体材料の濃度を厳密に管理する必要がある場合等に好ましい。
【0017】
また、
上記別態様の微粒化装置において、前記吐出手段は、前記分散媒と同じ媒体あるいは材料タンクに貯留されていた前記液体材料を吐出するものであり、
前記吐出手段から吐出された液体を前記微粒化手段に前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該液体を該微粒化手段に前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記逆洗用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記他方側から前記一方側に通過してきた液体を前記材料タンクに戻す第2回収流路とを備えたものも好ましい。
【0018】
前記液体を前記材料タンクに戻すことで、前記逆洗液によって前記微粒化手段から取り除かれた前記被微粒化物を該材料タンクに戻し、微粒化する処理を再び実施することができる。
【0019】
さらに、
上記別態様の微粒化装置において、前記吐出手段から吐出された、前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料を前記微粒化手段に前記他方側から送り込む逆洗用制御を実行した後で、該吐出手段から吐出された液体を該微粒化手段に前記一方側から送り込む洗浄用制御を実行する制御部と、
前記逆洗用制御の実行中に、前記微粒化手段を前記他方側から前記一方側に通過してきた液体を廃棄する第2廃棄流路とを備えたものであってもよい。
【0020】
前記液体を廃棄することで、前記逆洗液によって前記微粒化手段から取り除かれた前記被微粒化物が、再び該微粒化手段につまってしまうことを回避することができる。
【0021】
ここで、前記吐出手段の吐出口と前記微粒化手段における前記一方側の端を結ぶ流路に設けられた第1開閉弁と、
前記吐出口と前記微粒化手段における前記他方側の端を結ぶ流路に設けられた第2開閉弁とを備え、
前記制御部は、前記逆洗用制御として、前記第1開閉弁を閉鎖するとともに前記第2開閉弁を開放する制御を実行し、前記洗浄用制御として、前記第1開閉弁を開放するとともに前記第2開閉弁を閉鎖する制御を実行するものであってもよい。
【0022】
また、前記液体材料に含まれていた前記被微粒化物が前記微粒化手段によって微粒化された微粒化済液体を貯留する処理済タンクを備え、
前記制御部は、前記吐出手段によって前記液体材料を前記微粒化手段の前記一方側に向けて吐出させ、前記微粒化手段を前記一方側から前記他方側に通過してきた液体を前記微粒化済液体として前記処理済タンクに貯留する微粒化制御を実行するものであってもよい。
【0023】
さらに、前記微粒化手段における前記他方側の端と前記処理済タンクを結ぶ処理済流路と、該微粒化手段における前記他方側の端と前記材料タンクを結ぶ第1回収流路との間で流路を切り換える流路切替弁を備え、
前記制御部は、前記微粒化制御として、前記第1開閉弁を開放するとともに前記第2開閉弁を閉鎖し、さらに前記流路切替弁を前記処理済流路に切り換える制御を実行してもよい。
【0024】
また、前記微粒化手段における前記一方側の端と前記材料タンクを結ぶ前記第2回収流路に設けられた第3開閉弁を備え、
前記逆洗用制御として、前記第1開閉弁を閉鎖し、前記第2開閉弁を開放し、前記流路切替弁を閉鎖するととに該第3開閉弁を開放する制御を実施し、前記洗浄用制御として、該第1開閉弁を開放し、該第2開閉弁を閉鎖し、該第3開閉弁を閉鎖するとともに該流路切替弁を前記第1回収流路に切り換える制御を実行するものであってもよい。
【0025】
さらに、
上述したこれらの微粒化装置において、前記微粒化手段の閉塞を検出する閉塞検出手段を備え、
前記制御部は、前記閉塞検出手段によって前記微粒化手段の閉塞が検出されると前記逆洗用制御を実行するものであってもよい。
【0026】
前記閉塞検出手段によって前記微粒化手段の閉塞が検出されると前記逆洗用制御が実行されることで、該微粒化手段が閉塞していない場合の該逆洗用制御を不要とし、微粒化処理の中断時間をさらに短縮することが可能になる。
【0027】
なお、前記制御部は、前記閉塞検出手段によって前記微粒化手段の閉塞が検出されなくても、定期的に前記逆洗用制御を実行するものであってもよい。これにより、安定した長時間の連続運転が可能になる。
【0028】
また、
上述したこれらの微粒化装置において、前記吐出手段は、プランジャポンプであり、
前記閉塞検出手段は、前記プランジャポンプのストローク時間の長さに基づき前記微粒化手段の閉塞を検出するものであることが好ましい。
【0029】
こうすることで、前記微粒化手段の閉塞を、簡易に検出することが可能になる。
【0030】
上記目的を解決する本発明の微粒化方法は、
被微粒化物が分散媒に分散した液体材料における該被微粒化物を微粒化する微粒化方法において、
前記液体材料を微粒化手段の一方側へ向けて吐出することで該液体材料を該微粒化手段の該一方側から他方側へ通過させ、該液体材料に含まれる被微粒化物を微粒化する微粒化工程と、
前記分散媒と同じ媒体あるいは前記液体材料を吐出手段によって吐出させ、該吐出手段の吐出口と前記微粒化手段における前記他方側の端との間を結ぶ逆洗液供給流路を通ってきた、該吐出手段から吐出された液体を、逆洗液として
該他方側から前記一方側へ向けて前記微粒化手段に送り込む逆洗工程と
、
前記逆洗工程を実施した後に、液体を前記一方側から前記他方側へ向けて前記微粒化手段に送り込み、該微粒化手段を通過してきた液体を、前記液体材料が貯留されている材料タンクに戻す洗浄工程とを有することを特徴とする。
また、別態様の微粒化方法として、被微粒化物が分散媒に分散した液体材料における該被微粒化物を微粒化する微粒化方法において、
前記液体材料を微粒化手段の一方側へ向けて吐出することで該液体材料を該微粒化手段の該一方側から他方側へ通過させ、該液体材料に含まれる被微粒化物を微粒化する微粒化工程と、
逆洗液を前記他方側から前記一方側へ向けて前記微粒化手段に送り込む逆洗工程とを有することを特徴としてもよい。
【0031】
上述したこれらの微粒化方法によれば、前記液体材料に含まれる前記被微粒化物がつまって前記微粒化手段が閉塞しても、前記逆洗液を前記他方側から前記一方側へ向けて送り込む逆洗工程によって該微粒化手段の閉塞を解消することができる。これにより、装置を分解し微小流路につまった前記被微粒化物を除去する作業が不要になり、前記微粒化手段の閉塞を短時間で解消することができる。
【0032】
また、
上記別態様の微粒化方法において、前記逆洗工程を実施した後に、液体を前記一方側から前記他方側へ向けて前記微粒化手段に送り込み、該微粒化手段を通過してきた液体を、廃棄する、または、前記液体材料が貯留されている材料タンクに戻す洗浄工程を有することが好ましい。
【0033】
前記逆洗工程を実施した直後は、前記微粒化手段内等に微粒化されていない被微粒化物が残ってしまう場合がある。そこで、前記洗浄工程を実施することで、前記微粒化手段を通過してきた液体を、廃棄する、または、前記材料タンクに戻すことが好ましい。これにより、微粒化されていない前記被微粒化物が、処理済タンク等に貯留されている微粒化された被微粒化物に混合してしまうことを防止することができる。
【0034】
さらに、
上述したこれらの微粒化方法において、前記洗浄工程を実施した後に、前記逆洗工程を再び実施してもよい。
【0035】
こうすることで、一度の前記逆洗工程によって前記微粒化手段の閉塞が解消しない場合であっても、前記洗浄工程を実施した後に、該逆洗工程を再び実施することで該微粒化手段の閉塞を解消することが可能になる。
【0036】
なお、前記逆洗工程は、前記洗浄工程を実施した後に一度繰り返す態様に限られず、該洗浄工程と該逆洗工程を複数回繰り返してもよい。