特許第6687385号(P6687385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687385
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/657 20180101AFI20200413BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20200413BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200413BHJP
【FI】
   F21S41/657
   F21S41/19
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-257190(P2015-257190)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-120733(P2017-120733A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100114122
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸夫
(74)【代理人】
【識別番号】100086841
【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫
(72)【発明者】
【氏名】桑原 茂
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−009253(JP,A)
【文献】 特開2015−135802(JP,A)
【文献】 特開2012−169069(JP,A)
【文献】 特開2010−049861(JP,A)
【文献】 特開2003−239939(JP,A)
【文献】 特開2012−156017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記開口を覆うカバーとを備え前記ランプハウジングと前記カバーによって灯具外筐が構成された車輌用灯具であって、
取付部が設けられた装着部を有するベース体と、
前記装着部に装着され係合部を有する第1の部材と、
前記係合部に係合される連係部と前記取付部に取り付けられる被取付部とを有し前記ベース体に組み付けられる第2の部材とを備え
前記第1の部材には装着された状態において前記ベース体に係止される係止突起と前記係止突起に連続された弾性変形部とが設けられ、
前記係止突起は前記弾性変形部が弾性復帰された状態で前記ベース体に係止される
車輌用灯具。
【請求項2】
前記第1の部材には前記係止突起が前記ベース体に係止されていない状態において前記被取付部の前記取付部への取付を規制する規制部が設けられた
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記規制部は、前記係止突起が前記ベース体に係止されている状態において、前記第2の部材の前記ベース体に対する組付時の案内を行う案内部として設けられた
請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記ベース体には前記第1の部材が挿入される挿入孔が形成され、
前記挿入孔に前記第1の部材が挿入された状態において前記第1の部材の前記ベース体に対する前後方向、左右方向又は上下方向のうちの二つの方向における位置が規制される
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
【請求項5】
前記ベース体として前記灯具外筐の内部に配置されるブラケットが用いられ、
前記第1の部材として前記ブラケットに支持される灯具ユニットの軸部を回転自在に支持する軸受ワッシャが用いられ、
前記第2の部材として前記軸部を押さえる押さえバネが用いられた
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース体と第1の部材と第2の部材を備えベース体に第1の部材が装着され第2の部材がベース体に組み付けられる車輌用灯具についての技術分野に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2013−58320号公報
【背景技術】
【0003】
車輌用灯具には、例えば、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に光源を有する灯具ユニットが配置され、灯具ユニットがベース体として機能するブラケット等の支持体を介してランプハウジングに回動自在(傾動自在)に支持されると共に灯具ユニットがアクチュエーターの駆動力によって回動可能とされているタイプがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、ベース体として機能するブラケットに第1の部材として用いられた軸受ワッシャ(中間部材)が装着され、軸受ワッシャに灯具ユニットの軸部(スイブル軸)が回転自在に支持され、軸部がブラケットに組み付けられ第2の部材として用いられた押さえバネ(軸押さえ部材)によって上方から押さえられている。灯具ユニットは軸部を支点としてアクチュエーターの駆動力によってブラケットに対して左右方向へ回動され、車輌の進行方向に応じた方向へ追従して光軸が変化されるスイブル動作が行われる。
【0005】
このとき軸部が軸受ワッシャに支持されているため円滑な回動動作が行われると共に軸部がベース体に押さえられているため灯具ユニットの上下動が抑制され、灯具ユニットの適正なスイブル動作が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような車輌用灯具における組付工程においては、先ず、ブラケットに軸受ワッシャを装着し、次に、軸部を軸受ワッシャに支持させ、続いて、ベース体をブラケットに取り付ける作業が行われる。
【0007】
ところが、軸受ワッシャは薄型で小型の部品であるため、誤ってブラケットへの装着を忘れてしまうおそれがあり、ブラケットに軸受ワッシャが装着されない状態でベース体をブラケットに組み付けてしまう可能性がある。
【0008】
このようにブラケットに軸受ワッシャが装着されない状態で押さえバネがベース体に組み付けられてしまうと、軸部の支持状態が不安定であるため、第2の部材の回動時にガタツキが生じ光の照射方向のズレが生じたり第2の部材の位置精度が低下してしまう。
【0009】
また、第2の部材の回動時に、ブラケットに軸部が摺動されてしまうため、両者の間の摩耗量が大きくなってしまう。
【0010】
そこで、本発明車輌用灯具は、上記した問題点を克服し、第1の部材のベース体に対する装着が確実に行われるようにして車輌用灯具における動作の適正化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記開口を覆うカバーとを備え前記ランプハウジングと前記カバーによって灯具外筐が構成された車輌用灯具であって、取付部が設けられた装着部を有するベース体と、前記装着部に装着され係合部を有する第1の部材と、前記係合部に係合される連係部と前記取付部に取り付けられる被取付部とを有し前記ベース体に組み付けられる第2の部材とを備え、前記第1の部材には装着された状態において前記ベース体に係止される係止突起と前記係止突起に連続された弾性変形部とが設けられ、前記係止突起は前記弾性変形部が弾性復帰された状態で前記ベース体に係止されるものである。
【0012】
これにより、ベース体の取付部に被取付部が取り付けられると共にベース体に装着された第1の部材の係合部に連係部が係合されることにより第2の部材がベース体に組み付けられる。また、弾性変形部が弾性変形されて弾性復帰されることにより係止突起が係止面に係止される。
【0015】
第2に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第1の部材には前記係止突起が前記ベース体に係止されていない状態において前記被取付部の前記取付部への取付を規制する規制部が設けられることが望ましい。
【0016】
これにより、係止突起がベース体に係止されていない状態において第2の部材がベース体に組み付けられない。
【0017】
第3に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記規制部は、前記係止突起が前記ベース体に係止されている状態において、前記第2の部材の前記ベース体に対する組付時の案内を行う案内部として設けられることが望ましい。
【0018】
これにより、第2の部材のベース体に対する組付が案内部によって規制される。
【0019】
第4に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記ベース体には前記第1の部材が挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔に前記第1の部材が挿入された状態において前記第1の部材の前記ベース体に対する前後方向、左右方向又は上下方向のうちの二つの方向における位置が規制されることが望ましい。
【0020】
これにより、挿入孔に第1の部材が挿入された状態において第2の部材の装着部に対する二つの方向における位置決めが行われる。
【0021】
第5に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記ベース体として前記灯具外筐の内部に配置されるブラケットが用いられ、前記第1の部材として前記ブラケットに支持される灯具ユニットの軸部を回転自在に支持する軸受ワッシャが用いられ、前記第2の部材として前記軸部を押さえる押さえバネが用いられることが望ましい。
【0022】
これにより、ブラケットに装着された軸受ワッシャに軸部が支持された状態でブラケットに組み付けられた押さえバネによって軸部が押さえられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ベース体の取付部に被取付部が取り付けられると共にベース体に装着された第1の部材の係合部に連係部が係合されることにより第2の部材がベース体に組み付けられるため、ベース体に第1の部材が装着されていない状態においては第2の部材をベース体に組み付けることができず、第1の部材のベース体に対する取付が確実に行われ車輌用灯具における動作の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図2乃至図16と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の縦断面図である。
図2】灯具ユニット等の分解斜視図である。
図3】装着部と軸受ワッシャと押さえバネ等を示す分解斜視図である。
図4】装着部の拡大平面図である。
図5】装着部の拡大断面図である。
図6】軸受ワッシャの拡大平面図である。
図7】軸受ワッシャの拡大側面図である。
図8】押さえバネの断面図である。
図9】装着部に軸受ワッシャが取り付けられた状態を示す拡大平面図である。
図10】装着部に軸受ワッシャが取り付けられた状態を示す拡大断面図である。
図11】押さえバネの装着部への装着が開始された直後の状態を示す拡大断面図である。
図12】押さえバネの装着部への装着が行われている途中の状態を示す拡大断面図である。
図13】押さえバネの装着部への装着が行われた状態を示す拡大断面図である。
図14】軸受ワッシャの装着部への取付が不完全な状態で押さえバネの装着部への装着が開始された状態を示す拡大断面図である。
図15】第1の変形例を示す分解斜視図である。
図16】第2の変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0026】
車輌用灯具1は、例えば、車輌用前照灯であり、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0027】
車輌用灯具1は前方に開口を有する凹状のランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0028】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通されたバックカバー取付孔2aが形成されている。ランプハウジング2の後端部にはバックカバー取付孔2aを覆うバックカバー6が取り付けられている。
【0029】
灯室5には灯具ユニット7が配置されている(図1及び図2参照)。灯具ユニット7は取付板8とレンズホルダー9と投影レンズ10と配置ベース11とリフレクター12と光源13とジョイント14と放熱用ファン15と結合部材16を有している。
【0030】
取付板8は前後方向を向く略板状に形成され、枠状にされている。取付板8は光源13から出射される光の一部を遮蔽する固定シェードとしても機能する。
【0031】
レンズホルダー9は円筒状に形成された筒状部9aと筒状部9aの左右両側部からそれぞれ後方に突出された連結脚部9b、9bとを有している。レンズホルダー9は連結脚部9b、9bがそれぞれネジ止め等によって取付板8の左右両側部に取り付けられている。
【0032】
投影レンズ10は前方に凸の略半球状に形成され、後端部が筒状部9aの前端部に取り付けられてレンズホルダー9に保持されている。
【0033】
配置ベース11は取付板8の後側に位置され、前半部は上面が後半部の上面より下方に位置された第1の配置部17として設けられ、後半部が第2の配置部18として設けられている(図1参照)。配置ベース11は第1の配置部17の前端部が取付板8の後面に取り付けられている。
【0034】
第1の配置部17には駆動制御回路19が配置されている。駆動制御回路19は光源13の点消灯制御を行う機能を有し、図示しない接続コードによって光源13に電気的に接続されている。
【0035】
配置ベース11には放熱フィン11a、11a、・・・が前後に離隔して設けられ、放熱フィン11a、11a、・・・には切欠が形成されている。
【0036】
光源13は第2の配置部18上に回路基板20を介して搭載されている。光源13としては、例えば、発光ダイオード(LED)が用いられている。
【0037】
ジョイント14は取付板8の下端部に取り付けられ、下方に開口された連結凹部14aを有している。尚、ジョイント14は取付板8と一体に形成されていてもよい。
【0038】
放熱用ファン15は配置ベース11の内部において放熱フィン11a、11a、・・・に形成された切欠に回転可能な状態で配置されている。
【0039】
結合部材16は横長の形状に形成されたベース部21とベース部21の左右方向における中央部から上方に突出された軸部22とを有している(図1及び図2参照)。軸部22は丸軸状の連結部23と連結部23の上端に連続して設けられた被支持部24とを有している。
【0040】
被支持部24は下方に凸の略半球状に形成された摺動部24aと摺動部24aから上方に突出された被押さえ突部24bと摺動部24aから上方に突出された被規制突部24c、24cとから成る。被押さえ突部24bは上方に凸の略半球状に形成され、被規制突部24c、24cは被押さえ突部24bの左右に位置されている。
【0041】
結合部材16は取付板8の上端部に取り付けられている。尚、結合部材16は取付板8と一体に形成されていてもよい。
【0042】
取付板8と光源13の間には図示しない可動シェードと可動シェードを動作させる図示しないシェード駆動機構とが配置されている。シェード駆動機構によって可動シェードが動作されると、光源13から出射される光の遮蔽量が変化され、例えば、ハイビームとロービームの配光パターンの切替が行われる。
【0043】
上記のように構成された灯具ユニット7はブラケット25に吊り下げられて回動可能(傾動可能)に支持される。
【0044】
ブラケット25は上下に貫通された枠状のアクチュエーター取付部26とアクチュエーター取付部26の左右両側面からそれぞれ側方(外方)に突出された結合部27、27と結合部27、27に連続された柱状部28、29と柱状部28、29の上端部間を連結する支え部30とから成る。
【0045】
アクチュエーター取付部26の内側の空間は配置孔26aとして形成されている。
【0046】
結合部27、27にはそれぞれ前後に貫通されたナット連結孔27a、27aが形成されている。ナット連結孔27a、27aにはそれぞれ図示しないナット部材が結合部27、27に対して上下左右に変位可能な状態で連結され、ナット部材にはそれぞれ図示しないエイミングスクリューの螺合部が螺合される。エイミングスクリューは後端寄りの部分がランプハウジング2の後面部に前後方向へ移動不能かつ軸回り方向へ回転可能な状態で支持されている。
【0047】
柱状部28は上下に延びる形状に形成され、柱状部29は前方に開口された略コ字状に形成されている。柱状部28の上端部には前後に貫通されたピボット連結孔28aが形成されている。ピボット連結孔28aには図示しないピボット部材が連結され、ピボット部材はランプハウジング2の後面部に任意の方向へ回動可能に支持されている。
【0048】
支え部30はアクチュエーター取付部26の真上に位置され、前方に開口された装着部31を有している(図3乃至図5参照)。装着部31には前後に貫通された挿入孔32が形成されている。挿入孔32は上面壁33と下面壁34と側面壁35、35によって囲まれて形成されている。
【0049】
上面壁33には前方に開口された配置用切欠33aが形成され、配置用切欠33aは前方に開口された略半円弧状に形成されている。上面壁33の後端部には後方に開口された浅い切欠部が形成され、切欠部の左右に延びる端面が上側ストッパー面33bとして形成されている。
【0050】
下面壁34には配置用切欠33aの下側に、前方に開口された挿通用切欠34aが形成されている。下面壁34の後端部には後方及び上方に開口された浅い切欠部が形成され、切欠部の左右に延びる端面が下側ストッパー面34bとして形成されている。
【0051】
側面壁35、35は前方へ行くに従って互いに近付く傾斜面に形成されている。
【0052】
装着部31の前端部にはそれぞれ前方を向く係止面31a、31aが左右に離隔して形成され、係止面31a、31aの内端がそれぞれ側面壁35、35の前端に一致されている。
【0053】
装着部31の前面には配置用切欠33aの左右両側にそれぞれ前方に突出された軸状の取付部31b、31bが設けられている。
【0054】
装着部31には第1の部材である軸受ワッシャ36が装着される(図1参照)。軸受ワッシャ36は、図3図6及び図7に示すように、上下方向を向く板状に形成されたベース面部37とベース面部37の前側に連続されすり鉢状に形成された摺動支持部38と摺動支持部38の前端部からそれぞれ側方(外方)に突出された係止突起39、39とベース面部37の後端部から下方に突出された壁面部40とを有している。
【0055】
ベース面部37の後端部からは案内部41が上方に突出され、案内部41はベース面部37の左右方向における中央部から突出されている。案内部41は上面が後方へ行くに従って下方へ緩やかに変位する傾斜面41aとして形成されている。
【0056】
摺動支持部38には前方に開口された軸挿入孔38aが形成されている。軸挿入孔38aは前端部を除いて開口縁が円弧状に形成されている。摺動支持部38の軸挿入孔38aの外周側の部分における上側の面は下方へ行くに従って軸挿入孔38aの開口縁に近付くすり鉢状の摺動面38bとして形成されている。摺動支持部38は軸挿入孔38aを挟んで左右反対側の部分が弾性変形部42、42として設けられ、弾性変形部42、42は互いに離接する方向(左右方向)に弾性変形可能にされている。
【0057】
係止突起39、39は弾性変形部42、42の変形に伴って左右方向へ変位される。
【0058】
壁面部40からは係合部43が後方に突出されている。係合部43は略丸軸状に形成され、先端面が下方へ行くに従って後方へ変位するように傾斜された斜面43aとして形成されている。
【0059】
軸受ワッシャ36のベース面部37と壁面部40の境界部分にはガイド面44が形成されている。ガイド面44は後方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜され、左右方向における中央部が案内部41に連続されている。
【0060】
灯具ユニット7は軸受ワッシャ36が装着部31に装着された状態において結合部材16の被支持部24が装着部31に前側から挿入されることによりブラケット25に回動可能に支持される。被支持部24は摺動部24aが軸受ワッシャ36の摺動面38b上に載置され、摺動支持部38に対して摺動可能とされる(図1参照)。
【0061】
装着部31には押さえバネ45が組み付けられ、押さえバネ45によって被支持部24の装着部31からの脱落が防止される。
【0062】
押さえバネ45は、図3及び図8に示すように、前後方向を向く横長の被取付部46と、被取付部46の後側に位置され前後方向を向く横長の連係部47と、被取付部46と連係部47を連結する連結面部48、48と連係部47の上縁から略前方に突出されたバネ面部49とが一体に形成されて成る。
【0063】
被取付部46には結合孔46a、46aが左右に離隔して形成されている。連係部47には左右方向における中央部に係合孔47aが形成されている。連結面部48、48は左右に離隔し、それぞれ被取付部46と連係部47の上端部における左右両端部を連結している。バネ面部49は連結面部48、48の間に位置され、被取付部46及び連結面部48、48と所定の隙間を有した状態で位置されている。バネ面部49の上下方向における位置は連結面部48、48の上下方向における位置より低くされている。
【0064】
バネ面部49は先端部(前端部)が結合部材16の被押さえ突部24bを押さえる押さえ部49aとして設けられている。押さえ部49aは上方に凸の略円弧面状に形成されている。
【0065】
ブラケット25のアクチュエーター取付部26にはアクチュエーター50が取り付けられ(図1及び図2参照)、アクチュエーター50はアクチュエーター取付部26に着脱可能とされている。
【0066】
アクチュエーター50はケース体51とケース体51の内部に配置された図示しない駆動機構とを有している(図1参照)。
【0067】
ケース体51には上方に開口された凹状部51aが形成され、凹状部51aは前後方向においてすり鉢状に形成されている。
【0068】
アクチュエーター50には駆動機構によって前後方向へ移動かつ回転される駆動軸52が設けられており、駆動軸52はケース体51の内部から凹状部51aに突出されている。駆動軸52にはそれぞれ左右に突出された回動軸部52a、52aが設けられている。
【0069】
アクチュエーター50はケース体51の上面がアクチュエーター取付部26の下面に接した状態でアクチュエーター取付部26に取り付けられている。アクチュエーター50がアクチュエーター取付部26に取り付けられた状態においては、凹状部51aが形成された部分が配置孔26aに挿通される。
【0070】
ジョイント14は灯具ユニット7の取付板8に取り付けられた状態において、連結凹部14aに駆動軸52が下方から挿入されることによりアクチュエーター50に連結される。従って、駆動軸52が回転されると、灯具ユニット7とジョイント14が一体になって結合部材16における被支持部24の被押さえ突部24bを支点としてブラケット25に対して左右方向へ回動され、車輌の進行方向に応じた方向へ追従して光軸が変化されるスイブル動作が行われる。
【0071】
また、駆動軸52が前後方向へ移動されると、灯具ユニット7とジョイント14が一体になって結合部材16における被支持部24の被押さえ突部24bを支点としてブラケット25に対して上下方向へ回動され、車輌に対する積載物等によって変化される光軸の向きを適正な向きに調整するレベリング調整が行われる。このときジョイント14は灯具ユニット7と一体になって回動軸部52a、52aを支点として駆動軸52に対して回動される。
【0072】
さらに、灯具ユニット7は、例えば、一方のエイミングスクリューが回転され又は両方のエイミングスクリューが逆方向に回転されることにより、ピボット部材を支点としてブラケット25と一体になってランプハウジング2に対して左右方向へ回動されて左右エイミング調整が行われる。また、灯具ユニット7は、例えば、両方のエイミングスクリューが同じ方向に回転されることによりピボット部材を支点としてブラケット25と一体になってランプハウジング2に対して上下方向へ回動されて上下エイミング調整が行われる。
【0073】
以下に、ブラケット25の装着部31に対する軸受ワッシャ36と押さえバネ45の組付手順について説明する(図9乃至図13参照)。
【0074】
先ず、軸受ワッシャ36が装着部31の挿入孔32に後方から挿入される。軸受ワッシャ36が挿入孔32に挿入されると、弾性変形部42、42がそれぞれ側面壁35、35に摺接されて互いに近付く方向へ弾性変形され係止突起39、39が互いに近付く方向へ変位される。軸受ワッシャ36の挿入孔32への挿入により係止突起39、39が挿入孔32から前側に突出されると、弾性変形されていた弾性変形部42、42が弾性復帰され係止突起39、39が互いに離隔する方向へ変位されてそれぞれ装着部31の係止面31a、31aに係止され、軸受ワッシャ36が装着部31に装着される(図9及び図10参照)。
【0075】
軸受ワッシャ36が装着部31に装着された状態においては、軸受ワッシャ36が上面壁33と下面壁34によって装着部31に対する上下方向における位置が規制されると共に側面壁35、35によって装着部31に対する左右方向における位置が規制される。
【0076】
また、軸受ワッシャ36が装着部31に装着された状態においては、案内部41が上面壁33の上側ストッパー面33bに接した状態にされると共に壁面部40の下端部が下面壁34の下側ストッパー面34bに接した状態にされる。従って、軸受ワッシャ36は係止突起39、39が係止された係止面31a、31aと上側ストッパー面33bと下側ストッパー面34bによって装着部31に対する前後方向における位置が規制される。
【0077】
上記したように、第1の部材である軸受ワッシャ36には係止突起39、39を有する弾性変形部42、42が設けられ、係止突起39、39は弾性変形部42、42が弾性復帰された状態で係止面31a、31aに係止される。
【0078】
従って、弾性変形部42、42が弾性変形されて弾性復帰されることにより係止突起39、39が係止面31a、31aに係止されるため、容易かつ確実に軸受ワッシャ36の装着部31への装着を行うことができると共に係止突起39、39が係止面31a、31aに係止されていない状態が軸受ワッシャ36の装着部31に対する不完全な装着状態であることを認識することができる。
【0079】
また、装着部31には装着時に軸受ワッシャ36が挿入される挿入孔32が形成され、挿入孔32に軸受ワッシャ36が挿入された状態において軸受ワッシャ36の装着部31に対する左右方向の位置と上下方向の位置が規制される。
【0080】
従って、軸受ワッシャ36の装着部31に対する左右方向と上下方向の位置が挿入孔32への挿入によって定められるため、軸受ワッシャ36の装着部31に対する左右方向と上下方向の位置を定める専用の部材が必要なく、部品点数の削減を図った上で軸受ワッシャ36の装着部31に対する位置決めを容易に行うことができる。
【0081】
上記のように軸受ワッシャ36が装着部31に装着されると、ブラケット25に取り付けられた結合部材16の軸部22が装着部31の挿通用切欠33aと軸受ワッシャ36の軸挿入孔38aとに前側から挿入されて摺動部24aが摺動支持部38に支持され、続いて、装着部31に対する押さえバネ45の組付が以下のようにして行われる。
【0082】
先ず、押さえバネ45は被取付部46の結合孔46a、46aにそれぞれ装着部31の取付部31b、31bが挿入されるように、前下がりに傾斜された状態で装着部31に支持される(図11参照)。
【0083】
次に、押さえバネ45は連係部47の下端部が軸受ワッシャ36の案内部41に後方から係合する状態にされる(図12参照)。このとき押さえバネ45は連係部47が連結面部48、48に対して僅かに弾性変形され、連係部47の下端部が案内部41に後方から押し付けられる。
【0084】
上記のように、被取付部46の結合孔46a、46aにそれぞれ取付部31b、31bが挿入されると共に連係部47の下端部が案内部41に後方から押し付けられることにより、押さえバネ45が装着部31に対して仮止めされた状態にされる。従って、装着部31に対する押さえバネ45の組付作業において、装着部31に対して押さえバネ45を治具や手によって押さえておく必要がなく、装着部31に対する押さえバネ45の組付作業における作業性の向上を図ることができる。
【0085】
次いで、押さえバネ45は連結面部48、48の後端部が下方に押圧される。連結面部48、48の後端部が下方に押圧されると、連係部47の下端部が軸受ワッシャ36のガイド面44を下方へ向けて摺動され、さらに下方へ移動されることにより連係部47が弾性変形しながら係合部43の斜面43aに摺動され、続いて、連係部47が係合部43を乗り越えて弾性復帰される(図13参照)。連係部47が係合部43を乗り越えて弾性復帰されることにより、係合部43が係合孔47aに挿入されて係合部43が係合孔47aの下側開口縁に係合され、押さえバネ45が軸受ワッシャ36に取り付けられる。
【0086】
このように押さえバネ45の装着部31への組付は、被取付部46の結合孔46a、46aにそれぞれ取付部31b、31bが挿入されるように押さえバネ45を装着部31に支持させ、連係部47の下端部を案内部41に係合し、連結面部48、48の後端部を下方に押圧して係合部43を係合孔47aの下側開口縁に係合させることにより行うことができる。従って、押さえバネ45の装着部31に対する組付作業においてネジ止めや接着等の作業が不要であり、押さえバネ45の装着部31に対する組付作業における作業効率の向上を図ることができる。
【0087】
押さえバネ45が装着部31に組み付けられた状態においては、バネ面部49が上方に変位するように弾性変形され押さえ部49aによって結合部材16の被押さえ突部24bが上方から押さえられる。押さえ部49aによって被押さえ突部24bが上方から押さえられることにより、灯具ユニット7のガタツキ及び上方への移動が抑制される。
【0088】
押さえバネ45が装着部31に取り付けられた状態においては、連結面部48、48が結合部材16の被規制突部24c、24cの真上において被規制突部24c、24cと僅かな隙間を有した状態で位置される。
【0089】
連結面部48、48と被規制突部24c、24cがこのような位置関係にされることにより、例えば、車輌の走行中の振動等によって灯具ユニット7に上方への移動力が付与された場合においても、被規制突部24c、24cがそれぞれ連結面部48、48に接触され灯具ユニット7の上方への過度の移動が規制される。従って、灯具ユニット7の大きな変位が防止されて配光の乱れや灯具ユニット7の損傷を防止することができると共に押さえバネ45におけるバネ面部49の変動が抑制されバネ面部49の破損を防止することができる。
【0090】
また、連結面部48、48が被規制突部24c、24cとの間に隙間を有した状態にされることにより、灯具ユニット7のブラケット25に対する回動時に被規制突部24c、24cが連結面部48、48に接しないため、灯具ユニット7のブラケット25に対する円滑な回動動作を確保することができる。
【0091】
さらに、押さえバネ45が装着部31に装着された状態においては、バネ面部49が連結面部48、48と略同じ高さに位置される。従って、押さえバネ45の上下方向における大きさを最小限にすることが可能になり、灯具ユニット7の小型化を図ることができる。
【0092】
上記のように、押さえバネ45が装着部31に取り付けられた状態において、灯具ユニット7は押さえバネ45のバネ面部49に押さえられた状態でブラケット25に左右方向かつ上下方向に回動可能とされ、灯具ユニット7がブラケット25に対して回動されるときに結合部材16における被支持部24の摺動部24aが装着部31に保持された軸受ワッシャ36の摺動支持部38に摺動される。
【0093】
尚、軸受ワッシャ36の装着部31への装着に際し、軸受ワッシャ36は挿入孔32に後方から挿入され係止突起39、39が係止面31a、31aに係止されることにより装着部31に装着されるが、挿入孔32に挿入された軸受ワッシャ36の係止突起39、39が係止面31a、31aに係止されず、軸受ワッシャ36の不完全な装着状態で押さえバネ45の装着部31への組付が行われる可能性がある。このとき係止突起39、39は係止面31a、31aの後側に位置されている(図14参照)。
【0094】
このように不完全な装着状態で押さえバネ45の装着部31への組付が行われたときには、適正な装着状態の場合に対して軸受ワッシャ36の案内部41が後方に位置されている。従って、結合孔46a、46aにそれぞれ取付部31b、31bが挿入された状態において、組付動作を行うときに連係部47の下端部が案内部41に接して押さえバネ45の装着部31への組付を行うことができない状態になり、案内部41が組付を規制する規制部として機能する。
【0095】
このように軸受ワッシャ36の装着部31に対する装着が不完全な状態で押さえバネ45の装着部31への組付が行われる場合には、連係部47が案内部41に接して押さえバネ45の装着部31への組付を行うことができないため、押さえバネ45の装着部31に対する不適正な組付を防止することができる。
【0096】
また、組付を規制する規制部として、係止突起39、39が係止面31a、31aに係止されている状態において、押さえバネ45の装着部31に対する組付時の案内を行う案内部41が用いられている。
【0097】
従って、軸受ワッシャ36が装着部31に不完全な状態で装着されている状態において押さえバネ45の装着部31に対する組付が案内部41によって規制され、押さえバネ45の装着部31に対する不適正な組付を、組付を規制する専用の部材を用いることなく行うことができ、車輌用灯具1の部品点数の削減及び構造の簡素化を図ることができる。
【0098】
尚、上記のように、装着が不完全な状態で押さえバネ45の組付が規制された状態において、軸受ワッシャ36を挿入孔32に対して前方に少し押し込んで連係部47の下端部を案内部41の後側に位置させ、連結面部48、48の後端部を下方に押圧することにより、連係部47がガイド面44に案内されて下方へ移動されていく。従って、連結面部48、48の後端部をさらに下方に押圧することにより、係合部43が係合孔47aの下側開口縁に係止されると共に軸受ワッシャ36が連係部47によって前方に押圧され、係止突起39、39が係止面31a、31aに係止され、軸受ワッシャ36が装着部31に装着されると共に押さえバネ45が装着部31に組み付けられる。
【0099】
このように押さえバネ45の組付が規制された状態においても、軸受ワッシャ36を挿入孔32に対して前方に少し押し込んで連結面部48、48の後端部を下方に押圧することにより、軸受ワッシャ36が装着部31に装着されると共に押さえバネ45が装着部31に組み付けられるため、簡単な作業によって押さえバネ45を装着部31に容易に組み付けることができる。
【0100】
以下に、第1の変形例と第2の変形例について説明する。
【0101】
先ず、第1の変形例に係る装着部31Aと軸受ワッシャ36Aと軸受ワッシャ45Aについて説明する(図15参照)。
【0102】
尚、以下に示す装着部31Aと軸受ワッシャ36Aと押さえバネ45Aにおいては、上記した装着部31と軸受ワッシャ36と押さえバネ45と比較して、装着部31Aにおいて取付部が後側に設けられていること、軸受ワッシャ36Aにおいて係合部が前側に設けられていること、押さえバネ45Aにおいて被取付部と連係部の前後の位置が反対にされていることのみが相違する。従って、以下には、装着部31と軸受ワッシャ36と押さえバネ45と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については装着部31と軸受ワッシャ36と押さえバネ45における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0103】
装着部31Aの後面には挿入孔32の下側に軸状の取付部53が設けられている。取付部53は略丸軸状に形成され、先端面が下方へ行くに従って後方へ変位するように傾斜された斜面53aとして形成されている。
【0104】
軸受ワッシャ36Aの前面には前方に突出された軸状の係合部54、54が左右に離隔して設けられている。係合部54、54はそれぞれ弾性変形部42、42の前面から前方に突出されている。
【0105】
押さえバネ45Aは押さえバネ45と同様の形状に形成され、前後方向を向く横長の連係部55と連係部55の後側に位置され前後方向を向く横長の被取付部56と連係部55と被取付部56とを連結する連結面部48、48と被取付部56の上縁から略前方に突出されたバネ面部49とが一体に形成されて成る。
【0106】
連係部55には係合孔55a、55aが左右に離隔して形成されている。被取付部56には左右方向における中央部に結合孔56aが形成されている。
【0107】
装着部31Aに対する軸受ワッシャ36Aと押さえバネ45Aの組付は、先ず、軸受ワッシャ36Aが装着部31Aに装着される。次に、押さえバネ45Aは係合孔55a、55aにそれぞれ軸受ワッシャ36Aの係合部54、54が挿入されるように、前下がりに傾斜された状態で軸受ワッシャ36Aに支持される。
【0108】
次に、押さえバネ45Aは被取付部56の下端部が軸受ワッシャ36Aの案内部41に後方から係合する状態にされて仮止めされ、次いで、連結面部48、48の後端部が下方に押圧されることにより、取付部53が結合孔56aに挿入されて押さえバネ45Aが装着部31Aに組み付けられる。
【0109】
次に、第2の変形例に係る装着部31Bと軸受ワッシャ36Bについて説明する(図16参照)。
【0110】
尚、以下に示す装着部31Bと軸受ワッシャ36Bにおいては、上記した装着部31と軸受ワッシャ36と比較して、装着部31Bにおいて挿入孔に代えて挿入凹部が形成され係止面の位置が異なること、軸受ワッシャ36Bにおいて係止突起が下方に突出された状態で設けられていることのみが相違する。従って、以下には、装着部31と軸受ワッシャ36と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については装着部31と軸受ワッシャ36における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0111】
装着部31Bには挿入孔32に代えて上方に開口された挿入凹部57が形成されている。挿入凹部57を形成する一対の側面の下端部にはそれぞれ挿入穴が形成され、挿入穴を形成する天面がそれぞれ係止面31a、31aとして形成されている。
【0112】
軸受ワッシャ36Bは係止突起39、39がベース面部37の左右両端部又は摺動支持部38の左右両端部から下方に突出されている。
【0113】
装着部31Bに対する軸受ワッシャ36Bと押さえバネ45の組付は、先ず、軸受ワッシャ36Bが装着部31Bの挿入凹部57に上方から挿入される。軸受ワッシャ36Bが挿入凹部57に挿入されると、係止突起39、39がそれぞれ側面壁35、35に摺接されて互いに近付く方向へ弾性変形される。軸受ワッシャ36Bの挿入凹部57への挿入により係止突起39、39が挿入穴に達すると、弾性変形されていた係止突起39、39が弾性復帰されて係止面31a、31aに係止され、軸受ワッシャ36Bが装着部31Bに装着される。
【0114】
尚、装着部31Bへの押さえバネ45の組付の手順は、装着部31への押さえバネ45の組付の手順と同様であるので省略する。
【0115】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、取付部31b、53が設けられベース体として機能するブラケット25と、係合部43、54を有し第1の部材として機能する軸受ワッシャ36、36A、36Bと、係合部43、54に係合される連係部47、55と取付部31b、53に取り付けられる被取付部46、56とを有し第2の部材として機能する押さえバネ45、45Aが設けられている。
【0116】
従って、ブラケット25の装着部31に軸受ワッシャ36、36A、36Bが装着されていない状態においては押さえバネ45、45Aを装着部31に組み付けることができず、軸受ワッシャ36、36A、36Bの装着部31に対する装着が確実に行われ車輌用灯具1における動作の適正化を図ることができる。
【0117】
また、ベース体としてブラケット25が用いられ、第1の部材としてブラケット25に支持される灯具ユニット7の軸部22を回転自在に支持する軸受ワッシャ36、36A、36Bが用いられ、第2の部材として軸部22を押さえる押さえバネ45、45Aが用いられている。
【0118】
従って、ブラケット25の装着部31に装着された軸受ワッシャ36、36A、36Bに軸部22が支持された状態でブラケット25に組み付けられた押さえバネ45、45Aによって軸部22が押さえられ、軸受ワッシャ36、36A、36Bをブラケット25に確実に装着した状態で押さえバネ45、45Aをブラケット25に組み付けて軸部22を適正な状態で押さえバネ45、45Aによって押さえることができる。
【0119】
尚、上記には、本発明を灯具ユニットの軸部の支持構造に適用した例を示したが、本発明は車輌用灯具に用いられる三つ以上の部品の支持構造や結合構造に広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0120】
1…車輌用灯具、2…ランプハウジング、3…カバー、4…灯具外筐、7…灯具ユニット、22…軸部、25…ブラケット、31…装着部、31b…取付部、32…挿入孔、36…軸受ワッシャ、39…係止突起、41…案内部、42…弾性変形部、43…係合部、45…押さえバネ、46…被取付部、47…連係部、31A…装着部、53…取付部、36A…軸受ワッシャ、54…係合部、45A…押さえバネ、55…連係部、56…被取付部、31B…装着部、36B…軸受ワッシャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16