(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
耐火物に粘結剤を被覆して調製される粘結剤コーテッドサンドを貯留する貯留槽と、貯留槽から排出される粘結剤コーテッドサンドが充填される鋳型造型用の成形型と、粘結剤コーテッドサンドが充填された成形型内に水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気による加熱で粘結剤コーテッドサンドの粘結剤を固化乃至硬化させる水蒸気供給ヘッドとを具備した鋳型製造装置であって、貯留槽内にその下部から加熱気体を上方へ向けて吹き込むように加熱気体を供給する気体供給装置をさらに備え、上下が開口する筒状に形成された対流筒が、加熱気体が下端の開口部から筒内に吹き込まれる位置において貯留槽内に配置されており、対流筒の上端の開口部は、対流筒内に吹き込まれる加熱気体によって吹き上げられる対流筒内の粘結剤コーテッドサンドが貯留槽内において対流筒の外側にオーバーフローするオーバーフロー口として形成されていると共に、対流筒の外側の粘結剤コーテッドサンドが対流筒内に流入するサンド流入孔が対流筒の側面に形成されており、貯留槽の下端部にサンド排出口が形成されていると共に、気体供給装置から供給される加熱気体はサンド排出口を通して貯留槽内に吹き込まれるものであり、上記対流筒は下端の開口部がこのサンド排出口に対向するように配置されていることを特徴とする鋳型製造装置。
サンド排出口の下端の開口を塞ぐように配置されるフィルター体を備え、フィルター体は板体と、気体は通過するが粘結剤コーテッドサンドを通過させないフィルター網とを上下に重ねて形成され、板体にはサンド通過孔及び通気孔が設けられていると共に、フィルター網はサンド通過孔の箇所を避けて通気孔の箇所において配置されており、サンド通過孔は貯留槽内の粘結剤コーテッドサンドがサンド排出口から排出される際の通路となるものであり、通気孔は気体供給装置から供給される加熱気体が貯留槽内に吹き込まれる際の通路となるものであることを特徴とする請求項1に記載の鋳型製造装置。
上記フィルター体は複数枚の板体と、板体間に挟まれるフィルター網とを重ねて形成され、各板体のサンド通過孔及び通気孔は、上下に重ねた状態で同じ位置に配置されるように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の鋳型製造装置。
気体供給装置に接続される接続口を有する気体通過筒の内側にサンド通過筒を配置して形成される気体導入体を備え、気体通過筒とサンド通過筒の間に形成される気体通過室の上面にフィルター体の通気孔が位置し、且つサンド通過筒の上端の開口がフィルター体のサンド通過孔の下端の開口に合致するように、気体導入体はフィルター体の下側に配置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の鋳型製造装置。
上記フィルター体は、貯留槽のサンド排出口の下面と気体導入体の上面との間に挟み込まれており、貯留槽と気体導入体の少なくとも一方は上下に近接離間する方向に位置移動自在に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の鋳型製造装置。
上記貯留槽に、対流筒の側面のサンド流入孔に対向する位置において、対流筒内の粘結剤コーテッドサンドの上面の位置を検知するサンド検出センサーを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鋳型製造装置。
貯留槽内において対流筒の上方位置に配置され、粘結剤コーテッドサンドが通過する間隙を介して対流筒の上端のオーバーフロー口を覆う遮蔽体を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の鋳型製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0039】
図1は本発明に係る鋳型製造装置の一例の全体構成を示すものであり、この鋳型製造装置は主として、鋳型を成形する成形型2を備えるブロックと、成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を供給する貯留槽10及びサンド供給ヘッド4を備えるブロックと、成形型2に水蒸気を供給する水蒸気供給ヘッド5を備えるブロックとからなっている。
【0040】
まず貯留槽10及びサンド供給ヘッド4を備えるブロックについて説明する。
図4及び
図5は貯留槽10を示すものであり、貯留槽10は上面が開口し、下部が下側程内径が小さくなるホッパー形状に形成されるものである。また貯留槽10の下端には円筒など筒状に形成されるサンド排出口205が下方へ突出して設けてある。この貯留槽10内には対流筒202と遮蔽体218とが取り付けてある。
【0041】
対流筒202は
図7に示すように、上下に開口する円筒など筒状に形成されるものであり、対流筒202の直径は、その内径が貯留槽10のサンド排出口205の内径とほぼ同じ寸法になるように形成してある。また対流筒202には周回りに等間隔の複数個所(図の実施例では3か所)で、サンド流入孔204が内外に開口するように形成してある。各サンド流入孔204は対流筒202の下端部から上端部近くに至る上下に長いスロット状に形成してある。また対流筒202の外周面にはサンド流入孔204の間の位置において取付片230が外方へ突出するように固定してある。
【0042】
貯留槽10の下部の内周には受け片231が内方へ突出するように固定してあり、この受け片231の上面にねじ棒232が立設してある。この受け片231とねじ棒232は対流筒202の取付片230に対応する複数箇所に設けられるものである。そして対流筒202を貯留槽10内に配置し、対流筒202の取付片230に形成した上下に開口する通孔233をねじ棒232に上端から被挿し、ねじ棒232に螺合した一対のナット234で取付片230を上下から締め付けることによって、
図4に示すように対流筒202を貯留槽10内に取り付けるようにしてある。対流筒202はその下端の開口がサンド排出口205の上端の開口と対向して合致する位置に取り付けられるものであり、対流筒202の下端の開口がサンド排出口205の上端の開口に近接するように取り付け高さを設定してある。ここで、ねじ棒232に螺合したナット234の位置を上下方向に変えて取付片230の締め付け位置を調整することによって、対流筒202の取り付け高さを調節して変更できるものである。
【0043】
遮蔽体218は
図8に示すように円錐形(円錐台)の傘状に形成されるものであり、中央部に上下に開口する円形の通し口236が設けてある。遮蔽体218はこのように円錐形であるので、遮蔽体218の下面は中央部から外周部へと下り傾斜する傾斜ガイド面219として形成されることになる。遮蔽体218の上面には複数個所において受けボス237が突設してあり、受けボス237の上面にねじ穴238が凹設してある。また遮蔽体218の下側には円筒状のガイド筒239が配置してあり、ガイド筒239の外周面と遮蔽体218の内周面との間に放射状に設けた連結片240によって、ガイド筒239を遮蔽体218に支持してある。このガイド筒239は通し孔236の直下に位置するものであり、ガイド筒239の内径は通し孔236の内径と同じか、それより若干大きく形成してある。
【0044】
遮蔽体218は
図4〜
図6のように、対流筒202の直上位置において、貯留槽10内に配置して取り付けられるものである。すなわち、遮蔽体218の各受けボス237のねじ穴238に吊り下げねじ棒241の下端が螺合してある。そして貯留槽10の上端の開口部の中央部には
図5のように支持ベース242が架け渡して取り付けてあり、吊り下げねじ棒241を支持ベース242に下側から通して、ねじ棒241にナット243を螺結することによって、吊り下げねじ棒241を支持ベース242に固定する。このようにして、吊り下げねじ棒241によって遮蔽体216を支持ベース242に吊り下げ支持することができるものである。遮蔽体218の直径は対流筒202の直径よりも大きく形成してあり、遮蔽体218を対流筒202の直上に間隙を介して配置することによって、
図4に示すように対流筒202の上端の開口部を遮蔽体218で覆うことができるものである。ねじ棒241にナット243を螺結する上下位置を調節することによって、遮蔽体216の取り付け高さを調整することができるものであり、遮蔽体218と対流筒202の間の間隙の距離を調整することができるものである。
【0045】
上記の支持ベース242の上には
図5や
図6のようにシリンダー架台244が設けてあり、シリンダー架台244にエアシリンダーなどで形成される開閉用シリンダー245が下向け配置で取り付けてある。この開閉具用シリンダー245のロッド245aには開閉具211が取り付けてある。開閉具211は連結棒246と、連結棒246の下端に取り付けられる開閉栓247とを具備して形成されるものである。そして
図4に示すように連結棒246が遮蔽体218の通し口236とガイド筒239を通して対流筒202の中心に配置されるように、開閉用シリンダー255のロッド255aにロッド金具248を介して連結棒246の上端を結合して取り付けてある。開閉具211の下端の開閉栓247は貯留槽10のサンド排出口205に配置されるようにしてあり、開閉用シリンダー245を作動させてロッド245aを突出・没入させることによって開閉具211を上下動させることができるものである。
【0046】
加熱気体を貯留槽10に供給する気体供給装置201は、気体導入体215を介して貯留槽10に接続されるようになっている。気体導入体215は
図9に示すように、円筒形など上下に開口する筒状に形成される気体通過筒213と、気体通過筒213より径の小さい同様な筒状のサンド通過筒214とを同心状に配置して形成されるものであり、中央に通孔250を設けた下板251の上に気体通過筒213を溶接等で固定することによって、気体通過筒213の下面の開口を閉塞すると共に、サンド通過筒214の下端を通孔250に差し込んで下板251に固定してある。また気体通過筒213の上端には、下板251よりも大きな寸法の上板252が溶接等で取り付けてあり、この上板252には気体通過筒213の内径よりやや小さい開口窓253が形成してある。気体通過筒213の上面はこの開口窓253によって開口するものであり、気体通過筒213の内周と、サンド通過筒214の外周と、下板251で囲まれ、上面が開口窓253で開口された気体通過室216が形成されるものである。気体通過筒213には通気接続管254が外方へ突出するように設けてあり、気体通過室216内は気体接続管254の内周の接続口212に連通されている。気体通過筒213にはさらに筒状ソケット257が取り付けてある。また上板252の上面には気体通過筒213の直径寸法よりも広い幅の嵌合凹部255が、上板252の一方の側端から他方の側端に至るように形成してある。さらにサンド通過筒214の上端に嵌合凹部255の部分における上板252の厚みと同じ厚みのリング状スペーサ256が取り付けてあり、サンド通過筒214は上下に連通して開口している。
【0047】
上記のサンド通過筒214の外周には、スパイラル管からなる熱交換器220が取り付けてあり、冷媒配管260から熱交換器220に水などの冷媒を通して、サンド通過筒214を冷却することができるようにしてある。冷媒配管260はソケット257に気密的に通して気体通過室216内に導入し、熱交換器220の両端に接続するようにしてある。
【0048】
気体導入体215は
図5及び
図6に示すように支持梁37に取り付けてある。すなわち、支持梁37の上に支持プレート262が固定してあり、支持プレート262の上に気体導入体215を固定してある。そして
図5(a)のように支持プレート262の下側において支持梁37に一対の押し上げ用シリンダー263が上向き姿勢で取り付けてある。この押し上げ用シリンダー263のロッド263aには
図3のように分岐バー264が取り付けてあり、分岐バー264の両端部にそれぞれ押し上げ棒265が上方へ突出して取り付けてある。4本の各押し上げ棒265は基部が太径部265a、先部が細径部265bとして形成してあり、支持プレート262に設けたスリーブ266に太径部265aを上下スライド自在に通して、細径部265bを上方へ突出させてある。また上記の気体導入体215の上板252の端部には、
図9(b)(c)に示すように4か所に挿通孔267が穿設してあり、押し上げ棒265の細径部265bが挿通孔267に上下スライド自在に挿通してある。
【0049】
一方、上記の貯留槽10のサンド排出口205の下端外周には外方へ張り出すフランジ268が設けてあり、気体導入体215の上板252の挿通孔267を挿通した押し上げ棒265の細径部265bの上端にこのフランジ268が結合固定してある。従って貯留槽10は4本の押し上げ棒265で支持された状態で、支持梁37の上方に配置して取り付けられているものである。そして押し上げ用シリンダー263を作動させてロッド263aを上下に突出・没入させると、分岐バー264を介して4本の押し上げ棒265は上下動し、これに伴って貯留槽10を上下に移動させることができるものであり、貯留槽10のこの上下移動で、貯留槽10のサンド排出口205の下端と気体導入体215の上面を近接・離間させることができるものである。
【0050】
貯留槽10のサンド排出口205の下端と気体導入体215の上面の間には、フィルター体206を介在させるようにしてある。フィルター体206は板体207とフィルター網208とを上下に重ねて形成されるものであり、図の実施形態では、4枚の板体207と2枚のフィルター網208を重ねてフィルター体207を形成するようにしてある。すなわち、板体207として、
図10(a)(b)、
図11(a)(b)に示す4枚のものを用いるものであり、
図10(a)(b)のものを一組、
図11(a)(b)のものを一組として使用するものである。
【0051】
図10(a)(b)に示す板体207aは、四角板の下面に円形の凹部270を設けると共に中央に嵌合孔271を設け、嵌合孔271を同心円で複数列に囲む多数の通気孔210aを凹部270の箇所に設けて形成してある。また
図10(c)(d)に示す板体207bは、四角板の上面に円形の凸部270を設けると共に中央にサンド通過孔209aを設け、サンド通過孔209aを同心円で複数列に囲む多数の通気孔210bを突部271の箇所に設けて形成してある。板体207aの通気孔210aと、板体207bの通気孔210bとは、同じ大きさ、同じ配置で形成するようにしてあり、板体207bのサンド通過孔209aを囲む上面には嵌合リング273が突設してある。
【0052】
またフィルター網208は、粘結剤コーテッドサンドの粒子を通さない網目の金網などで形成されるものである。そして板体207a,207bの間に挟み込まれるフィルター網208aは、
図12(a)のように、凹部270の内径とほぼ同じ外径の円形に形成してあり、中央に嵌合リング273の外径とほぼ等しい内径の開口部274が形成してある。
【0053】
そして
図12(a)に示すように、板体207a,207bの間にフィルター網208aを配置し、板体207a,207bを重ねることによって、フィルター網208aを板体207a,207bの間に挟み込むことができる。ここで、板体207aの凹部270の直径と深さ寸法は、板体207bの凸部270の直径と高さ寸法とほぼ等しく形成してあって、板体207aと板体207bは凹部270内に凸部272が嵌まり込むように重ねられるものであり、フィルター網208aは凹部270と凸部272に密着して挟まれるものである。このとき、板体207bの嵌合リング273はフィルター網208aの開口部274を通して板体207aの嵌合孔271の内周に嵌まり込ものであり、また板体207aの各通気孔210aと板体207bの各通気孔210bは上下に一致している。このように板体207aの各通気孔210aと板体207bの各通気孔210bは上下に一致して連通するが、通気孔210aと通気孔210bの間には
図12(c)のようにフィルター網208aが介在している。
【0054】
図11(a)(b)に示す板体207cは、四角板の中央に嵌合孔275を設け、嵌合孔275を同心円周で複数列に囲む多数の通気孔210cを設けて形成してある。また
図11(c)(d)に示す板体207dは、四角板の中央にサンド通過孔209bを設け、サンド通過孔209bを同心円で複数列に囲む多数の通気孔210dを設けて形成してある。板体207cの通気孔210cと、板体207dの通気孔210dとは、同じ大きさ、同じ配置で形成するようにしてあり、板体207dのサンド通過孔209bを囲む上面には嵌合リング276が突設してある。また板体207c,207dの間に挟み込まれるフィルター網208bには嵌合リング276の外径とほぼ等しい内径の開口部277が形成してある。
【0055】
そして
図12(a)に示すように、板体207c,207dの間にフィルター網208bを配置し、板体207c,207dを重ねることによって、フィルター網208bを板体207c,207dの間に挟み込むことができる。このとき、板体207dの嵌合リング276はフィルター網208bの開口部277を通して板体207cの嵌合孔275の内周に嵌まり込ものであり、また板体207cの各通気孔210cと板体207dの各通気孔210dは上下に一致するようになっている。このように板体207cの各通気孔210cと板体207dの各通気孔210dは上下に一致して連通しているが、通気孔210c各通気孔210dの間には
図12(c)のようにフィルター網208bが介在している。
【0056】
上記のようにフィルター網208aを板体207a,207bの間に挟み込み、またフィルター網208bを板体207c,207dの間に挟み込み、そしてこの板体207a,207bを上側に、板体207c,207dを下側に配置して、
図12(b)のように上下に重ねることによって、フィルター体206を組み立てることができるものである。このフィルター体206において、各板体207a,207cの中央に設けたサンド通過孔209a,209bは密着して上下に連通し、また各板体207a〜207dに設けた通気孔210a〜210dはフィルター網208a,208bを介して密着して上下に連通するものである。尚、板体207a,207bや板体207c,207dはバラバラにならないように、金具などで脱着自在に連結するようにしてもよい。
【0057】
上記のように形成されるフィルター体206は、
図4〜
図6に示すように、貯留槽10のサンド排出口205の下端と、気体導入体215の上端との間に配置して使用されるものである。すなわち、上記したように押し上げ用シリンダー263を作動させてロッド263aを押し上げ用シリンダー263内に没入させるように下げると、分岐バー264を介して4本の押し上げ棒265が下動すると共に貯留槽10が下動するものであり、貯留槽10のサンド排出口205と気体導入体215との間にフィルター体206を挟み込んで取り付けることができるものである。ここで、フィルター体206は気体導入体215の上板251の嵌合凹部255に下端が嵌合して位置決めした状態で取り付けられるものである。
【0058】
このように貯留槽10のサンド排出口205と気体導入体215との間にフィルター体206を取り付けると、
図4に示すように、貯留槽10のサンド排出口205の下端の開口はフィルター体206の上面で閉塞されると共に、気体導入体215の気体通過室216の上面の開口窓253はフィルター体206の下面で閉塞されるものである。また気体導入体215の中央のサンド通過筒214の上端開口は、フィルター体206の下端開口と、スペーサ256を介して密着するものである。
【0059】
そしてフィルター体206の多数の通気孔201は全て貯留槽10のサンド排出口205の下端の開口内に位置しており、多数の通気孔201の上面の開口はこのサンド排出口205の下端の開口内において均一に配置されるようになっている。またフィルター体206の多数の通気孔201は全て気体導入体215の気体通過室216の上面の開口内に位置しており、多数の通気孔201の下面の開口はこの気体通過室216の上面の開口内において均一に配置されるようになっている。
【0060】
また、気体導入体215のサンド通過筒214の下端にサンド排出筒281が接続してある。サンド排出筒281は上筒281a、中筒281b、下筒281cから形成されるものであり、
図2に示すように、中筒281bと下筒281cは上下に接続した状態で支持梁37に取り付けてあると共に、下筒281cは支持梁37の下方に突出させてある。また上筒281aはサンド通過筒214の下端に上端を接続固定してあり、上筒281aの下部を中筒281bに差し込むようにしてある。そしてサンド排出筒281の下端面に
図5(b)に示すような排出口282が形成してあり、この排出口282はサンドシャッター283で開閉されるようにしてある。
【0061】
サンドシャッター283には
図5(b)のようにシャッター孔283aが設けてあり、サンド排出筒281の排出口282の下面に接して配置してある。サンドシャッター283はシャッター開閉シリンダー284のシリンダーロッド284aの先端に固定してあり、シャッター開閉シリンダー284は支持梁37に取り付けてある。サンドシャッター283はシャッター開閉シリンダー284によって前後に往復移動されるようにしてあり、サンドシャッター283を前進させてサンドシャッター283のシャッター孔283aが排出口282に合致したときに排出口282は開口され、またこの状態からシャッター開閉シリンダー284でサンドシャッター283を後進させることによって、サンドシャッター283で排出口282を閉じることができる。通常状態では排出口282はサンドシャッター283で閉じられている。
【0062】
また、気体導入体215の接続口212には気体供給装置201が接続してあり、気体供給装置201から気体導入体215の気体通過室216に加熱気体が供給されるようにしてある。この加熱気体の気体としては、空気が一般的であるが、窒素ガスなど任意のガスを用いることができる。
図5(a)の実施の形態では、除湿装置を内蔵し、大気中の空気を吸引して除湿する除湿器221と、ヒーターなどの加熱装置とファンなどの送風装置を内蔵し、除湿器221から流入した除湿空気を加熱して送り出す加熱送風機222とによって気体供給装置201を形成するようにしてある。除湿器221は99.9%程度の水分を除去することができる除湿能力があることが望ましいものであり、加熱気体としてこのような除湿した気体を用いることによって、後述のように加熱気体を貯留槽10内に供給するにあたって、貯留されている粘結剤コーテッドサンドの粘結剤を湿らせるようなことを防ぐことができる。特に粘結剤コーテッドサンドの粘結剤が糖類などである場合、水分の作用で粘結剤に粘着性が生じて付着することを防ぐことができるものである。また加熱送風機222による気体の加熱温度は、特に制限されるものではないが、粘結剤コーテッドサンドの粘結剤が熱硬化性樹脂の場合には、粘結剤が硬化しない温度よりも低く設定する必要がある。
【0063】
貯留槽10には鋳型の製造に使用する粘結剤コーテッドサンドが貯留されている。粘結剤コーテッドサンドとしては、硅砂、山砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、その他、人工砂など耐火骨材に粘結剤を混合することによって、耐火骨材の表面を固形の粘結剤で被覆して形成されるものを使用することができる。粘結剤としては、フェノール樹脂やフラン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用するのが一般的であるが、熱硬化性樹脂の他に、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂などを使用することもできる。
【0064】
そして貯留槽10に貯留した粘結剤コーテッドサンドを加熱するにあたっては、まず気体供給装置201を作動させて加熱気体を接続口212から気体通導入体215の気体通過室216内に吹き込んで供給する。気体通過室216に流入した加熱気体は、上面の開口窓253からフィルター体206の各通気孔210を通過し、貯留槽10内に下端のサンド排出口205を通して吹き込まれる。
【0065】
このとき、開閉用シリンダー245のロッド245aを下動させる作動で、開閉具211は押し下げられた状態にあり、下端の開閉栓247によってフィルター体206のサンド通過孔209の上端の開口は閉じられている。また、フィルター体206の通気孔210は、
図12(c)のように板体207の間に挟まれるフィルター網208で塞がれている。従って、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドがフィルター体206の通気孔210を通過して出ていくことはないと共に、加熱気体はフィルター網208を通過するので通気孔210を通して貯留槽10内に吹き込まれる。
【0066】
このように貯留槽10内に下端のサンド排出口205から加熱気体が上方へ向けて吹き込まれると、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドはこの加熱気体によって上方へ吹き上げられることになる。そしてサンド排出口205の上端の開口部の近接した直上に対流筒202の下端の開口部が対向しているので、加熱気体は対流筒202内に上方へ向けて吹き込まれることになり、対流筒202内の粘結剤コーテッドサンドは加熱気体で吹き上げられる。対流筒202内で吹き上げられた粘結剤コーテッドサンドは、対流筒202の上端の開口部がオーバーフロー口203となって、
図4の鎖線矢印のように対流筒202の外側へオーバーフローして吹き出される。またこのように対流筒202の上端をオーバーフローして対流筒202の外側へ出た粘結剤コーテッドサンドは、
図4の鎖線矢印のようにサンド流入孔204を通して対流筒202内に流れ込む。
【0067】
このように、対流筒202内の粘結剤コーテッドサンドを加熱気体で吹き上げることによって、粘結剤コーテッドサンドは上端のオーバーフロー口203から対流筒202の外側へオーバーフローすると共に、対流筒202の外側へ出た粘結剤コーテッドサンドはサンド流入孔204から対流筒202内に戻るものであり、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドを対流筒202の内側と外側の間で対流させることができるものである。従って、貯留槽10内において加熱気体で粘結剤コーテッドサンドを対流させて大きく攪拌しながら加熱することができるものであり、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドを均一に加熱することができるものである。尚、対流筒202の取り付け高さをねじ棒232に沿って調整して、対流筒202の下端とサンド排出口205の上端の間に隙間を形成することによって、この隙間からも対流筒202の外側の粘結剤コーテッドサンドを対流筒202の内側へ流れ込ませることができるが、この隙間が大きすぎると、加熱気体で吹き上げられる粘結剤コーテッドサンドがこの隙間から対流筒202の外側へ逆流するおそれがあるので、好ましくない。
【0068】
ここで、対流筒202内の粘結剤コーテッドサンドを加熱気体で吹き上げる際に、勢いよく粘結剤コーテッドサンドが吹き上げられると、貯留槽10の外部にまで飛散するおそれがある。特に小さな砂粒や、粘結剤コーテッドサンドから剥がれた粘結剤などは、吹き飛ばされ易い。このため、対流筒202の上端のオーバーフロー口203の上方に遮蔽体218が配置してあり、粘結剤コーテッドサンドのこのような飛散を遮蔽体218で遮って防止するようにしてある。このとき、遮蔽体218の下面は中央部から外周部へと下り傾斜する傾斜ガイド面218として形成してあるので、吹き上げられた粘結剤コーテッドサンドが遮蔽体218に当たると、その下面の傾斜ガイド面218の傾斜によって、粘結剤コーテッドサンドは対流筒202の外側に流れるようにガイドされる。従って、対流筒202の内外での粘結剤コーテッドサンドの対流が遮蔽体218によってスムーズに行なわれるようにすることができるものである。
【0069】
上記のように加熱気体で攪拌しながら予備加熱した粘結剤コーテッドサンドは、鋳型の製造のために貯留槽10から排出され、後述するサンド供給ヘッド4に供給される。貯留槽10から粘結剤コーテッドサンドを排出するにあたっては、まず気体供給装置201から貯留槽10への加熱気体の供給を停止し、そして開閉用シリンダー245を作動させてロッド245aを上動させ、開閉具211を引き上げて開閉栓247をフィルター体206のサンド通過孔209から離すことで、サンド通過孔209の上端の開口を開く。このようにサンド通過孔209の上端の開口を開くと、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドはサンド通過孔209から気体導入体215のサンド通過筒214を通してサンド排出筒281へと出ていく。
【0070】
このように粘結剤コーテッドサンドは一時的に、サンド通過孔209、サンド通過筒214、サンド排出筒281内に滞留される状態になるが、気体導入体215のサンド通過筒214は気体通過室216に囲まれているために加熱気体の熱が作用しており、サンド通過筒214が高温になるおそれがある。そして粘結剤コーテッドサンドの粘結剤が熱硬化性樹脂の場合、サンド通過筒214が高温であると粘結剤がサンド通過筒214の内周に融着するなどして付着するおそれがある。このため、サンド通過筒214には冷媒を通す熱交換器220が設けてあり、熱交換器220でサンド通過筒214を冷却して温度上昇を抑制するようにしてある。
【0071】
上記のように開閉具211の開閉栓247を引き上げてフィルター体206のサンド通過孔209を開いた後、シャッター開閉シリンダー284を作動させ、サンドシャッター283を前進させてシャッター孔283aをサンド排出筒281の排出口282に合致させることで、排出口282を開口させる。このように排出口282を開口させることによって、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドはサンド排出口205から、サンド通過孔209、サンド通過筒214、サンド排出筒281から排出され、サンド供給ヘッド4に供給されるものである。貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドが排出されると、開閉用シリンダー245が作動して開閉具211の開閉栓247でフィルター体206のサンド通過孔209の上端開口を閉じ、さらにシャッター開閉シリンダー284が作動してサンドシャッター283でサンド排出筒281の排出口282を閉じる。
【0072】
ここで
図4に示すように、貯留槽10の側壁にはレベルセンサーなどで形成されるサンド検出センサー217が脱着自在に設けてある。サンド検出センサー217は対流筒202に設けた一つのサンド流入孔204に対向する位置に設けられるものであり、対流筒202内に貯留される粘結剤コーテッドサンドの上面の高さをサンド流入孔204を通して検出するようにしたものである。
図4及び
図6の実施の形態では、サンド検出センサー217は上部と下部に設けてあり、上部には上下二ヵ所にサンド検出センサー217a、217bを取り付けることができるようにし、下部には一ヶ所にサンド検出センサー217cを取り付けることができるようにしてある。尚、サンド検出センサー217による粘結剤コーテッドサンドの上面の高さの検出は、気体供給装置201から加熱気体を貯留槽10に吹き込むことを停止した状態で行なわれるものである。
【0073】
サンド検出センサー217を用いて、例えば次のような制御を行なうことができる。上記のように貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドを排出した後、開閉用シリンダー245が作動して開閉具211の開閉栓247でフィルター体206のサンド通過孔209の上端開口が閉じられる。この後、貯留槽10内に上面の開口から新たな粘結剤コーテッドサンドが供給されるが、粘結剤コーテッドサンドが貯留槽10内に供給されると、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドは上面の高さが徐々に上昇するので、複数のサンド検出センサー217a、217b、217cから選択したいずれかのサンド検出センサー217の高さに粘結剤コーテッドサンドの上面が達したことを、このサンド検出センサー217が検出したときに、貯留槽10への粘結剤コーテッドサンドの供給が停止される。従って貯留槽10に供給される粘結剤コーテッドサンドの量をその高さで制御して、貯留槽10内に所定の一定量の粘結剤コーテッドサンドを供給することができるものである。また複数のサンド検出センサー217a、217b、217cのうち、いずれの高さのものを選択するかによって、貯留槽10内に供給する粘結剤コーテッドサンドの量を変更することができるものである。そしてこの後、気体供給装置201から貯留槽10への加熱気体の供給が再開され、貯留槽10内に新たに供給された粘結剤コーテッドサンドが加熱される。
【0074】
上記のようにサンド検出センサー217で貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドの上面の高さを検知して、貯留槽10に供給される粘結剤コーテッドサンドの量を一定量に制御することができるものであり、また加熱した後に一定量の粘結剤コーテッドサンドを貯留槽10から排出することができるものである。ここで、
図4及び
図6の実施の形態では上下複数のサンド検出センサー217を貯留槽10に取り付け、複数のサンド検出センサー217のうちいずれかのサンド検出センサー217を選択的に用いて、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドの上面の高さを検知するようにしたが、貯留槽10内に供給する粘結剤コーテッドサンドの量に応じた高さの位置の砂検出センサー217のみを貯留槽10に取り付けるようにしてもよい。
【0075】
上記のように気体供給装置201から加熱気体をフィルター体206の各通気孔210を通して貯留槽10内に吹き込んで、粘結剤コーテッドサンドを加熱するにあたって、フィルター体206の通気孔210はフィルター網208で塞がれているので、貯留槽10内の粘結剤コーテッドサンドがフィルター体206の通気孔210を通過して出ていくことはない。しかし、フィルター網208の網目は、粘結剤コーテッドサンドの微細粉や、粘結剤コーテッドサンドの粘結剤の微細粉などで徐々に目詰まりし、通気孔210を加熱気体が通過する効率が悪くなる。このため、定期的にあるいは不定期的にフィルター網208を掃除したり、交換したりする必要がある。このようなフィルター網208の掃除・交換を行なうには、押し上げ用シリンダー263を作動させてロッド263aを上動させ、貯留槽10を押し上げる。このように貯留槽10を押し上げると、貯留槽10のサンド排出口205の下端はフィルター体206の上面から離れるので、フィルター体206を貯留槽10と気体導入体215の間から取り出すことができる。このようにフィルター体206を取り出した状態で、板体207の間からフィルター網208を取り外し、フィルター網208の掃除や交換を簡単に行なうことができるものである。尚、
図12に示すように、フィルター体206の上端の板体207aの通気孔210aは上方へ向けて広がるように開口させてある。フィルター体206の上端の通気孔210の開口をこのように形成することによって、通気孔210の内周とフィルター網208の上面との間に粘結剤コーテッドサンドの微細粉や粘結剤の微細粉が付着し難くなるものである。
【0076】
一方、上記の貯留槽10を支持する支持梁37は、
図1〜
図3のように、一対の支柱36の上端間に一端を結合して固定してある。支持梁37の下側には
図2のように水平方向に長い案内部材38が取り付けてあり、案内部材38の一方の端部は支持梁37よりも延長して張り出している。この案内部材38の両側の側片39の外面にそれぞれ下端部に沿ってレール40が水平に設けてある。
【0077】
42は台車であり、その両側の上端部に一対ずつ設けた車輪43がレール40の上に載置してある。この車輪43の下側にはレール40を介して対向するように浮防止車輪43aが設けてある。また44は副台車であり、その両側の上端部に一対ずつ設けた車輪45がレール40の上に載置してある。この副台車44の下側には一対のシリンダー装置46,47が水平に取り付けてあり、各シリンダー装置46,47はそれぞれ反対方向にシリンダーロッド46a,47aが出入りするように、逆向き配置で取り付けてある。そして一方のシリンダー装置46のシリンダーロッド46aの先端は案内部材39の一端部に垂下した固定板48に固定してあり、他方のシリンダー装置47のシリンダーロッド47aの先端部は台車42に設けた連結板49に固定してある。従って、各シリンダー装置46,47を作動させてシリンダーロッド46a,47aを出入りさせると、副台車44がレール40に沿って走行することに伴ってシリンダー装置46,47が移動すると共に、台車42をレール40に沿って走行させることができ、シリンダー装置46,47の各シリンダーロッド46a,47aが出入りするストロークの2倍のストロークで台車42を移動させることができるものである。このシリンダー装置46,47によって、台車42に後述のように設けたサンド供給ヘッド4を水平に横移動させるサンド供給水平駆動装置11が形成されるものである。
【0078】
台車42の下側にはシリンダー装置52の後端部を固定した状態で、シリンダー装置52が下向に取り付けてあり、このシリンダー装置52のシリンダー52aの下端部に下板53が取り付けてある。そしてこのシリンダー装置52の下端から出入りするシリンダーロッド52bの下端にサンド供給ヘッド4を固定して、サンド供給ヘッド4が配置してある。サンド供給ヘッド4に上方へ突出して設けたスライドロッド54を下板53に設けた案内スリーブ55に上下スライド自在に通すことによって、サンド供給ヘッド4は上下動自在になっている。そしてシリンダー装置52を作動してシリンダーロッド52bを出入りさせることによって、サンド供給ヘッド4を上下に昇降させることができるものであり、このシリンダー装置52でサンド供給ヘッド4を昇降させる上下駆動装置6が形成されるものである。
【0079】
サンド供給ヘッド4は
図17(a)に示すように、下端にノズル口8を設けると共に、上部に上端面が開口部57aとして開口する円筒状のサンド導入筒57を上方へ突出して設けて形成してある。このサンド導入筒57は下板53に設けた開口部58及び台車42に設けた開口部59に挿通してあり(
図2参照)、サンド供給ヘッド4と共に昇降されるようになっている。
【0080】
図17(a)において60はサンド供給ヘッド4の下端部に設けた冷却板であり、水を通して冷却できるようにしてある。サンド供給ヘッド4の下端は加熱された成形型2に接触するが、成形型2の熱がサンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3に伝わることを、冷却板60で防ぐことができるものである。この冷却板60の中央部にサンド供給ヘッド4内に連通する連通孔60aが形成してあり、この連通孔60aの個所において冷却板60の下面にノズル取付板61が取り付けてある。ノズル取付板61には連通孔60aと連通するノズル取付口61aが形成してあり、ノズル取付口61aにノズル筒62が装着してある。
【0081】
ノズル筒62は
図17(b)のように円筒状に形成してあり、ノズル筒62の下面の開口はフランジ底片63で閉塞してある。このフランジ底片63の中央部にノズル口8が開口して形成してあり、ノズル口8はノズル取付口61a、連通孔60aを介してサンド供給ヘッド4内に連通している。ノズル筒62内には邪魔板64が取り付けてある。この邪魔板64は円板状に形成されるものであり、
図17(c)のように外周の複数個所に等間隔でスペーサ片64aが同じ突出寸法で突設してある。邪魔板64は、このスペーサ突片64aがノズル筒62の内周に当接した状態で、フランジ底片63から離れた位置に固定されるものであり、ノズル筒62内は邪魔板64によって上下に仕切られるものである。そしてスペーサ突片64aによって、邪魔板64の外周とノズル筒62の内周の間に狭い隙間65が形成され、邪魔板64の上側と下側はこの隙間65で連通されるものである。
【0082】
サンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3は、冷却板60の連通孔60a、ノズル取付板61のノズル取付口61a、ノズル筒62を通過してノズル口8から吐出されるが、ノズル筒62には邪魔板64が設けられており、粘結剤コーテッドサンド3は狭い隙間65を容易に通過できないので、粘結剤コーテッドサンド3の自重だけではノズル口8から吐出されないようになっている。特にサンド供給ヘッド4内と邪魔板64の間には狭い連通孔60aが設けられているので、サンド供給ヘッド4内の総ての粘結剤コーテッドサンド3の自重が邪魔板64に作用することがなく、通常の状態では粘結剤コーテッドサンド3はノズル口8から吐出されない。一方、後述のように、サンド供給ヘッド4内にエアーを導入して、サンド供給ヘッド4内を外気圧よりも高圧にすることによって、エアー圧でサンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3を押圧して邪魔板64の隙間65を強制的に通過させ、ノズル口9から
図17(b)の矢印のように粘結剤コーテッドサンド3を吐出させることができるものである。
【0083】
また、支持梁37の一方の端部には上記の貯留槽10が設けてあり、他方の端部には押えシリンダー装置67が設けてある。上記のようにシリンダー装置46,47により形成されるサンド供給水平駆動装置11で台車42を横移動させることによって、台車42に設けたサンド供給ヘッド4を、貯留槽10の直下位置と、押えシリンダー装置67の直下位置の間で往復移動させることができるようにしてある。
【0084】
押えシリンダー装置67は下向に取り付けてあり、押えシリンダー装置67から下方に突出するシリンダーロッド67aの先端部に押え筒72が取り付けてある。押え筒72は
図19に示すように、下面が開口し上面が閉塞された有底の円筒として形成されるものであり、下面の開口部72aには網73が張ってある。また押え筒72の下面の開口部7の外周縁にはパッキン74が設けてある。押え筒72の側面にはエアー配管13が接続してあり、エアー配管13から高圧エアーが押え筒72内に供給され、網73を通して押え筒72の下面の開口部72aから噴出されるようになっている。この押えシリンダー装置67と押え筒72によって、サンド供給ヘッド押え装置12が形成されるものである。
【0085】
次に、成形型2を備えるブロックの構成を
図13を参照して説明する。
図13において20は基台であって、一方の端部の立ち上がり部20aの上端に反転駆動機構部21が設けてある。この反転駆動機構部21は、ラック(図示しない)が内蔵された下部のラック機構部21aと、ラックと噛合するピニオン(図示しない)が内蔵された上部のピニオン機構部21bから形成してあり、ピニオン機構部21bは細長いラック機構部21aの中央部の上に一体に設けてある。ラック機構部21a内のラックは、シリンダー機構によって長手方向に直線往復駆動されるようになっており、ラックがこのように直線駆動されると、ラックに噛合するピニオン機構部21b内のピニオンが回転駆動されるようになっている。このピニオン部21bに固定側回動軸22が挿通して設けてあり、固定側回動軸22の外周に上記のピニオンが固定してある。この固定側回動軸22の先端部には固定側型板23が取り付けてある。
【0086】
基台20の他方の端部の上には一対の反転支持車25が設けてあり、この一対の反転支持車25間の上に反転支持円盤26が配置してある。反転支持円盤26と上記の固定側型板23の間に複数本の連結ロッド27が架け渡して取り付けてあり、反転支持円盤26は連結ロッド27を介して固定側型板23に連結固定された状態で、一対の反転支持車25の上に支持されているものである。この各連結ロッド27には、可動側型板28に設けたスリーブ29がスライド自在に外嵌してあり、連結ロッド27に沿ってスライドすることができるように可動側型板28が取り付けてある。反転支持円盤26の外側中央部に型開閉シリンダー装置30が取り付けてあり、このシリンダー装置30のシリンダーロッド30aが反転支持円盤26を通して内方へ突き出ている。シリンダーロッド30aの先端部は連結部材31を介して上記の可動側型板28に結合してある。従って、シリンダー装置30を駆動してシリンダーロッド30aを出入りさせるように作動させることによって、可動側型板28を連結ロッド27に沿ってスライドさせ、可動側型板28を上記の固定側型板23に近接・離反する方向に前進・後退させることができるものである。
【0087】
成形型2は
図16(a)のように固定側の型2aと可動側の型2bからなるものであり、型2aは固定側型板23に、型2bは可動側型板28に取り付けてある。型2a,2bの対向面にはそれぞれ成形用の凹所33a,33bが凹設してある。そして上記のようにシリンダー装置30を作動し、可動側型板28を前進させて固定側型板23に近接させることによって、型2a,2bを合致させて成形型2の型締めすることができるものであり、成形型2を型締めすることによって
図16(b)のように凹所33a,33bで成形型2内にキャビティ33が形成され、またキャビティ33に連通し且つ成形型2の上面で開口する注入口1が形成されるようにしてある。型2a,2b少なくとも一方の表面には、キャビティ33内から水蒸気を含む気体を排気するエアベント34が設けてある。エアベント34は、水蒸気などの気体は通過するが、粘結剤コーテッドサンド3は通過しない浅溝として形成してある。また型2a,2bには電気加熱送風機などを内蔵してあり、成形型2を加熱することができるようにしてある。本発明は成形型2の熱で粘結剤コーテッドサンド3を加熱して鋳型の成形を行なうものではないので、成形型2の加熱温度は成形型2に吹き込まれる水蒸気の温度が低下しない程度の比較的低い温度でよい。また、成形する鋳型を変更するために成形型2を交換する場合、固定側型板23や可動側型板28に別の型2a,2bを取り付け直すだけで済むものであり、成形型2の交換を容易に且つ短時間で行なうことができるものである。
【0088】
ここで、上記したように、反転駆動機構部21のラック機構部21a内のラックを駆動して、ピニオン機構部21b内のピニオンを回転駆動すると、固定側回動軸22がこのピニオンと共に回動する。固定側型板23はこの固定側回動軸22に取り付けられており、反転支持車25上の反転支持円盤26及び可動側型板28は連結ロッド27を介して固定側型板23と連結されている。従って、反転駆動機構部21を作動して固定側回動軸22を回動させると、固定側型板23と共に反転支持円盤26が反転支持車25の上を転動するように回動するものであり、同時に可動側型板28も回動する。これに伴って、固定側型板23と可動側型板28に取り付けた型2a,2bからなる成形型2も回動する。そして、型締めした成形型2には、注入口1を上方を向けた状態でキャビティ33内に粘結剤コーテッドサンド3が充填されるが、このように成形型2を180度の角度で回動させて、成形型2の注入口1が下方を向くように上下反転させると、キャビティ33内の粘結剤コーテッドサンド3のうち、固まっていない粘結剤コーテッドサンド3を注入口1から排出することができるものである。
【0089】
次に、水蒸気供給ヘッド5を備えるブロックについて
図14及び
図15を参照して説明する。77は基台であって、一方の端部寄り側において上面の両側端部にそれぞれ支持板78が立設してあり、各支持板78の内側に同じ高さの複数個所に上車79が取り付けてあると共に、各上車79の下側に下車80が取り付けてある。また基台77の他方の端部の上に門型の後支持体81が立設してある。
【0090】
83は両側の枠片84の後端間を桟材85で連結して形成したスライド枠体であり、両側の枠片84のそれぞれの外面に全長に亘って、上端が逆V字型に尖ったレール板86が取り付けてある。また両側の枠片84の前端部の上面間に渡して保持枠板87が取り付けてある。保持枠板87の両側端部に二か所ずつ、昇降ガイドピン88が上下動自在に挿通して取り付けてあり、保持枠板87の下側に配置した昇降板89にこれらの昇降ガイドピン88の下端が固定してある。昇降板89は保持枠板87の枠内の開口87aよりも大きい寸法に形成してある。昇降ガイドピン88はその外周に設けたスプリング90によって上方へ引き上げる方向に弾発付勢されており、昇降板89はこのスプリング90の力で上方へ引き上げられて保持枠板87の下面に当接されるようになっている(
図22(a)参照)。
【0091】
この昇降板89の下側に水蒸気供給ヘッド5が取り付けてある。水蒸気供給ヘッド5は矩形板状に形成されるものであり、下面の中央部にノズル口9が設けてある。水蒸気供給ヘッド5には
図20に示すように、後端部と上下面に開口する蒸気通路102が形成してある。この蒸気通路の102の上下に開口する縦穴部にノズル筒103が上から差し込んで取り付けてある。ノズル筒103は上面が閉塞され下面が開口する円筒状に形成されるものであり、側面に形成した開口部103aが蒸気通路102内に開口させてある。従ってノズル筒103内は開口部103aを通して蒸気通路102と連通しているものであり、ノズル筒103の水蒸気ヘッド5の下面から突出する下端開口部によってノズル口9が形成されるものである。水蒸気供給ヘッド5の後端の蒸気通路102の開口には水蒸気供給ホース91が接続してあり、水蒸気供給ホース91を通して水蒸気供給ヘッド5に供給された水蒸気はノズル口9から矢印のように噴出されるようになっている。
【0092】
このように昇降板89と水蒸気供給ヘッド5を下面に設けた保持枠板87を取り付けたスライド枠体83は、その両側端のレール板86を基台77の両側の支持板78の上車79と下車80の間に差し込むことによって、支持板78の間に支持した状態で、基台77の上に配置されるものである。スライド枠体83は両側端のレール板86が上車79と下車80の間に差し込まれているので、レール板86が上車79や下車80を回転させて走行することによって、スライド枠体83を前後にスライドさせることができ、このスライド枠体83のスライドによって水蒸気供給ヘッド5を前後方向に移動させることができるものである。
【0093】
スライド枠体83に取り付けた保持枠板87と基台77の後支持体81の間には水平配置される一対のシリンダー装置92,93からなる水平駆動装置7が設けてある。各シリンダー装置92,93はそれぞれ反対方向にシリンダーロッド92a,93aが出入りするように、逆向き配置で上下に重ねてあり、下側のシリンダー装置93の下端部の両側に設けた走行車輪94によって、基台77の上面のレール95の上に載置して配置してある。そして一方のシリンダー装置92のシリンダーロッド92aの先端は後支持体81に垂下した後固定板96に固定してあり、他方のシリンダー装置93のシリンダーロッド93aの先端部は保持枠板87の後端に立設した前固定板97に固定してある。
【0094】
従って、各シリンダー装置92,93を作動させてシリンダーロッド92a,34aを出入りさせると、レール板95上を走行車輪94が走行することによってシリンダー装置92,93が移動すると共に、上車79や下車80を回転させながらスライド枠体83がスライドすることで保持枠板87をレール板85に沿って移動させることができ、シリンダー装置92,93の各シリンダーロッド92a,93aが出入りするストロークの2倍のストロークで、保持枠板87に設けた水蒸気供給ヘッド5を前進後退させて移動させることができるものである。
【0095】
ここで、一対のシリンダー装置92,93の各シリンダーロッド92a,93aが引っ込んでいる状態では、水蒸気供給ヘッド5は最も後退した位置にあり、
図21(a)に示すように水蒸気供給ヘッド5は支持板78の間に位置している。またシリンダー装置92,93の各シリンダーロッド92a,93aが突出している状態では、水蒸気供給ヘッド5は最も前進した位置にあり、
図21(c)に示すように水蒸気供給ヘッド5は基台77の前方に飛び出している。そして一対のシリンダー装置92,93のうち一方、例えばシリンダー装置92のシリンダーロッド92aのみを突出させることによって、水蒸気供給ヘッド5を最も後退した位置と最も前進した位置の間の中間に位置させることができ、
図21(b)に示すように水蒸気供給ヘッド5は基台77の前端部に配置されるものである。
【0096】
上記した貯留槽10とサンド供給ヘッド4を備えるブロックと、成形型2を備えるブロックと、水蒸気供給ヘッド5を備えるブロックを、
図1のように組み合わせることによって、本発明に係る鋳型製造装置を形成することができるものである。すなわち、成形型2を備えるブロックの基台20の側方に貯留槽10とサンド供給ヘッド4を備えるブロックの支柱36を立てることによって、このブロックの支持梁37を成形型2の上方に配置し、成形型2の型開閉方向とサンド供給ヘッド4の水平移動方向が直角に交差するようにしてある。また成形型2の固定側の型2aの背方に水蒸気供給ヘッド5を備えるブロックの基台77を設置し、成形型2の型開閉方向と水蒸気供給ヘッド5の水平移動方向が下と上とで一致するようにしてある。尚、図中105は、既述の各シリンダー装置やエアー配管などに高圧エアーを供給するエアーコンプレッサーのタンクである。
【0097】
そして本発明に係る鋳型製造装置で鋳型を製造するにあたっては、貯留槽10からサンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を供給することから鋳型を成形する一つのサイクルが始まる。すなわち、サンド供給水平駆動装置11を構成するシリンダー装置46,47を作動させて各シリンダーロッド46a,47aを引っ込ませることによって、サンド供給ヘッド4を
図2において、案内部材38の左端に実線で図示する位置から、鎖線で図示するように、貯留槽10の直下位置へと後退させる。このようにサンド供給ヘッド4が貯留槽10の直下位置に移動すると、シャッター開閉シリンダー284を作動し、貯留槽10の下方のサンド排出筒281の排出口282が開いて、貯留槽10内に貯留されている粘結剤コーテッドサンド3が排出される。貯留槽10の排出筒281の直下には
図18のようにサンド供給ヘッド4が位置しているので、貯留槽10内で上記のように予熱された粘結剤コーテッドサンド3がサンド供給ヘッド4内に供給される。
【0098】
このようにサンド供給ヘッド4内に粘結剤コーテッドサンド3を供給した後、サンド供給水平駆動装置11を構成するシリンダー装置46,47を作動させて各シリンダーロッド46a,47aを突出させることによって、サンド供給ヘッド4を貯留槽10の直下の位置から、
図2の実線のように案内部材38の左端へと前進させる。
【0099】
このとき、このサンド供給ヘッド4の前進移動にタイミングを合わせて、成形型2の型締めが行なわれる。すなわち、
図13(a)(b)のように成形型2の固定側及び可動側の型2a,2bが開いた状態から、型開閉シリンダー装置30が作動し、シリンダーロッド30aが突出することによって、固定側の型2aに近接するように可動側の型2bを移動させて、
図16(b)のように型締めすることができるものである。そして成形型2の型締めが完了した時点で、サンド供給ヘッド4も
図2の実線のように案内部材38の左端への移動が完了し、サンド供給ヘッド4は型締めした成形型2の直上に位置している。
【0100】
またこの成形型2の型締めと同時に、水蒸気供給ヘッド5が前進する。すなわち、成形型2が型開きされており、サンド供給ヘッド4が貯留槽10の直下位置に後退しているときには、水平駆動装置7を構成するシリンダー装置92,93の両方のシリンダーロッド92a,93aは引っ込んでおり、水蒸気供給ヘッド5は
図21(a)のように最も後退した位置にあるが、シリンダー装置92,93のうち、一方のシリンダー装置92のみを作動させ、このシリンダー装置92のシリンダーロッド92aが突出することによって、水蒸気供給ヘッド5を前進させることができる。一方のシリンダー装置92のみの作動であるので
図21(b)のように、
図21(a)と
図21(c)の中間位置に水蒸気供給ヘッド5は位置している。この中間位置は、成形型2の直上やサンド供給ヘッド4の直下の位置ではないが、水蒸気供給ヘッド5が成形型2に近接した位置であり、この中間位置で水蒸気供給ヘッド5を待機させるようにしてある。
【0101】
上記のように型締めされた成形型2の直上位置にサンド供給ヘッド4が移動した後、上下駆動装置6を構成するシリンダー装置52を作動させ、シリンダーロッド52bを下方へ突出させることによって、サンド供給ヘッド4を降下させる。成形型2の直上に位置するサンド供給ヘッド4が降下すると、
図19に示すように、サンド供給ヘッド4の下端のノズル口8が成形型2の上面の注入口1に合致して密着する。このとき同時に、押えシリンダー装置67も作動してシリンダーロッド67aが下方へ突出し、シリンダーロッド67aの下端に取り付けられた押え筒72がサンド供給ヘッド4のサンド導入筒57の上端に押さえ付けられるようになっている。このように押え筒72がサンド供給ヘッド4のサンド導入筒57の上端に押さえ付けられるとパッキン74が密着してサンド導入筒57の開口部57aと押え筒72の開口部72aが気密的に連通する。そしてこの状態でエアー配管13から高圧エアーを押え筒72内に供給することによって、高圧エアーが
図19の矢印のようにサンド導入筒57内に流入してサンド供給ヘッド4内は加圧状態になり、サンド供給ヘッド4内に貯留された粘結剤コーテッドサンド3は
図17の(b)の矢印のようにノズル口8を通過して吐出され、注入口1から成形型2のキャビティ33内に注入されるものである。
【0102】
このように、粘結剤コーテッドサンド3はエアーの圧力でサンド供給ヘッド4から成形型2内に吹き込まれるものであり、成形型2内への粘結剤コーテッドサンド3の注入を短時間で行なうことができ、また充填不良が発生することなく成形型2のキャビティ33内に粘結剤コーテッドサンド3を充填することができるものである。粘結剤コーテッドサンド3と共にキャビティ33内に流入するエアーは、エアベント34から排気される。
【0103】
このようにサンド供給ヘッド4から成形型2内に粘結剤コーテッドサンド3が注入されて充填されると、エアー配管13からの高圧エアーの供給が停止され、上下駆動装置6を構成するシリンダー装置52をシリンダーロッド52bが引っ込むように作動させると共に押えシリンダー装置67をシリンダーロッド67aが引っ込むように作動させ、サンド供給ヘッド4を上昇させる。サンド供給ヘッド4は成形型2の直上位置のまま上昇されるものである。
【0104】
次に、水平駆動装置7を構成するシリンダー装置92,93のうち、一方のシリンダー装置93のみを作動させ、このシリンダー装置93のシリンダーロッド93aを突出させることによって、水蒸気供給ヘッド5を
図21(b)の待機位置からさらに前進させ、成形型2とサンド供給ヘッド4の間に水蒸気供給ヘッド5を差し込んで、
図21(c)のように水蒸気供給ヘッド5を成形型2の直上で且つサンド供給ヘッド4の直下に位置させる。ここで、水蒸気供給ヘッド5はスライド枠体83に取り付けられた保持枠板87の下側に保持されているが、水蒸気供給ヘッド5を
図21(c)のように前進させたとき、
図22(a)に示すように、保持枠板87の開口87aを介してサンド供給ヘッド4の直下に水蒸気供給ヘッド5が位置するようになっている。
【0105】
この状態で、上下駆動装置6を構成するシリンダー装置52を作動させ、シリンダーロッド52bを下方へ突出させることによって、サンド供給ヘッド4を下降させる。このとき同時に押えシリンダー装置67も作動させ、シリンダーロッド67aを下方へ突出させて押え筒72でサンド供給ヘッド4を下方へ押えるようにしてもよい。そしてこのようにサンド供給ヘッド4が下降すると、
図22(b)に示すように、サンド供給ヘッド4は保持枠板87の開口87aを通過して、昇降板89の上面に当接し、昇降板89はサンド供給ヘッド4で下方へ押圧される。昇降板89はスプリング90によって上方へ弾発付勢された状態で上下動自在であるので、サンド供給ヘッド4で押圧されると昇降板89はスプリング90を圧縮させながら下降することになり、昇降板89の下面側に設けた水蒸気供給ヘッド5も下降する。そしてこのように水蒸気供給ヘッド5が下降することによって、
図22(b)のように水蒸気供給ヘッド5のノズル口9が成形型2の注入口1に合致して密着し、水蒸気供給ホース91から水蒸気供給ヘッド5に供給されている水蒸気が
図20の矢印のように、ノズル口9から注入口1を通して成形型2のキャビティ33内に吹き込まれるものである。キャビティ33内に吹き込まれた水蒸気は、粘結剤コーテッドサンド3の間を通過した後、エアベント34から排気される。
【0106】
ここで、水蒸気が漏れないように成形型2の注入口1に水蒸気供給ヘッド5のノズル口9を密着させるため、上記のように、サンド供給ヘッド4を上下駆動装置6で下降させて、サンド供給ヘッド4によって水蒸気供給ヘッド5を押し下げるようにしてある。従って、サンド供給ヘッド4を昇降させるための上下駆動装置6をそのまま利用して、水蒸気供給ヘッド5を押えて注入口1にノズル口9を密着させることができるものであり、水蒸気供給ヘッド5を押し下げるための専用のシリンダー装置などを別途設備する必要がなくなるものである。
【0107】
また、水蒸気供給ヘッド5へは水蒸気供給ホース91から常に水蒸気が供給されており、成形型2に水蒸気を吹き込むとき以外も、ノズル口9から常に水蒸気が噴き出ている。このため、成形型2が開いているときには
図21(a)のように、成形型2から遠い位置に水蒸気供給ヘッド5を後退させ、噴き出る水蒸気が悪影響しないようにしてある。しかし、成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を充填した後に水蒸気を成形型2に吹き込む際に、成形型2から遠い位置から水蒸気供給ヘッド5を成形型2の直上まで前進させると、長い距離を前進する時間が必要になる分、鋳型の成形のサイクルが長くなる。そこで、成形型2が型締めされ、サンド供給ヘッド4から成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を注入する時点で、
図21(b)のように水蒸気供給ヘッド5を成形型2に近接する待機位置にまで前進させておき、成形型2への粘結剤コーテッドサンド3の注入が終了した後、成形型2に近接した待機位置から、短時間で
図21(c)のように成形型2の直上に前進できるようにしてあり、鋳型の成形のサイクルをより短くすることができるようにしてある。
【0108】
上記のように、粘結剤コーテッドサンド3が充填された成形型2内に水蒸気を吹き込むと、粘結剤コーテッドサンド3の表面に水蒸気が接触することによって、水蒸気は潜熱が粘結剤コーテッドサンド3に奪われて凝縮するが、水蒸気は高い潜熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度は100℃付近にまで急速に上昇する。このように水蒸気の潜熱の伝熱によって粘結剤コーテッドサンド3が100℃付近にまで加熱される時間は、水蒸気の温度や成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の充填量などで変動するが、通常、3〜30秒程度の短時間である。成形型2内に注入口1から吹き込まれた水蒸気は、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3を加熱した後、エアベント34から排気される。
【0109】
上記のように成形型2内に吹き込んだ水蒸気の凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度を急速に上昇させることができるものであり、水蒸気の凝縮で成形型2内に生成される凝縮水は、その後に成形型2内に吹き込まれる水蒸気による加熱で蒸発されることにより、成形型2内の温度は水蒸気の温度付近にまで急速に上昇し、この温度で粘結剤コーテッドサンド3を加熱することができるものである。
【0110】
そして粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が熱硬化性樹脂の場合、成形型2内に充填した粘結剤コーテッドサンド3を水蒸気の凝縮潜熱で加熱して、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に上昇させることによって、粘結剤を溶融・硬化させることができ、耐火骨材(サンド)を粘結剤で結合した状態で鋳型を成形することができるものである。
【0111】
また粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂の場合、成形型2内に水蒸気を吹き込み始める際に、上記のように水蒸気が粘結剤コーテッドサンド3に接触することで熱を奪われて凝縮水が生成されるので、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に凝縮水が作用する。そして粘結剤コーテッドサンド3の固形状態の粘結剤に凝縮水が作用すると、粘結剤が糖類であるときは、この凝縮水を吸収して膨潤あるいは溶解して糊化し、また粘結剤が水溶性無機化合物や水溶性熱可塑性樹脂であるときは、この凝縮水に溶解して液状になって糊化し、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂からなる粘結剤はいずれも糊状になって粘着性が生じる。このように粘結剤に粘着性が生じることによって、成形型2内に充填された粘結剤コーテッドサンド3の耐火骨材はこの粘結剤の粘着性で結合される。次いで、引き続いて成形型2内に吹き込まれる水蒸気の凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3が加熱され、粘結剤に作用した水分が蒸発して乾燥するものであり、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂からなる粘結剤を乾燥固化させることができ、耐火骨材をこの固化した粘結剤によって結合させて、鋳型を成形することができるものである。
【0112】
上記のように、成形型2に水蒸気を供給して粘結剤コーテッドサンド3の加熱を行なうことによって、水蒸気の高い凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3を瞬時に加熱して、粘結剤を固化乃至硬化させることができ、成形型2を予め高温に加熱しておくような必要なく、安定して短時間で鋳型を製造することができるものであり、鋳型の生産性を向上することができるものである。また加熱の際に仮に粘結剤から有毒ガスが発生しても水蒸気の凝縮水に吸収させることができ、環境が汚染されることを低減することができるものである。
【0113】
ここで、水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、過熱水蒸気を用いるのが好ましい。過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱して、沸点以上の温度とした完全気体状態の水蒸気であり、100℃以上の乾き蒸気である。飽和水蒸気を加熱して得られる過熱水蒸気は、圧力を上げないで定圧膨張させたものであってもよく、あるいは膨張させないで圧力を上げた加圧水蒸気であってもよい。成形型1内に吹き込む過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、過熱水蒸気は900℃程度にまで温度を高めることができるので、100〜900℃の間で必要に応じた温度に設定すればよい。
【0114】
図20に示す実施の形態では、ボイラー115で発生した飽和水蒸気を過熱器14で加熱して過熱水蒸気を調製し、この過熱水蒸気を水蒸気供給ホース91を通して水蒸気供給ヘッド5に供給するようにしてある。
【0115】
上記のように成形型2内に水蒸気を吹き込んで鋳型の成形を行なった後、上下駆動装置6を構成するシリンダー装置52を作動させ、シリンダーロッド52bを引っ込ませることによって、サンド供給ヘッド4を上昇させる。このようにサンド供給ヘッド4が上昇すると、サンド供給ヘッド4による昇降板89の押圧が解除されるので、昇降板89はスプリング90の弾発力で上昇する。昇降板89の下面側に設けた水蒸気供給ヘッド5も上昇し、成形型2から離れる(
図21(c)、
図22(a)参照)。
【0116】
次に、このようにサンド供給ヘッド4が上昇した後、サンド供給水平駆動装置11を構成するシリンダー装置46,47を作動させて各シリンダーロッド46a,47aを引っ込ませることによって、成形型2の直上位置である
図2における案内部材38の左端に実線で図示する位置から、サンド供給ヘッド4を
図2に鎖線で図示するように、貯留槽10の直下位置へと後退移動させる。
【0117】
このようにサンド供給ヘッド4が成形型2の直上位置から離れるように移動する際に、成形型2の上面の清掃ができるようにしてある。すなわち
図2に示すように、サンド供給ヘッド4のサンド供給水平駆動装置11と反対側の側部に掻き板支持体111が取り付けてあり、掻き板110の一端が掻き板支持体111に上下回動自在に枢着してある。また掻き板支持体111にシリンダー装置112が取り付けてあり、そのシリンダーロッド112aの下端が掻き板110に枢着してある。シリンダー装置112のシリンダーロッド112aは通常時は上方へ引っ込んでおり、
図2に実線で示すように掻き板110は上方へ水平に回動されて引き上げられた状態にある。そしてサンド供給ヘッド4が成形型2の直上位置から離れるように移動する際に、シリンダー装置112が作動してシリンダーロッド112aを下方へ突出させ、掻き板110を下方へ回動させて
図2に鎖線で示すように垂下された状態にし、サンド供給ヘッド4の移動と共に掻き板110の下端で成形型2の上面に付着した粘結剤コーテッドサンド3などを掻き取って清掃することができるものである。サンド供給ヘッド4が貯留槽10の直下から再度成形型2の上に移動する前に、掻き板110は上方へ水平に回動されて引き上げられる。
【0118】
サンド供給ヘッド4が
図2の鎖線のように貯留槽10の直下位置へ移動すると、既述のようにサンドシャッター71が開き、貯留槽10内で予熱された粘結剤コーテッドサンド3がサンド供給ヘッド4に供給され、次の成形に備えられる(
図18(a)参照)。このようにサンド供給ヘッド4は、貯留槽10から粘結剤コーテッドサンド3の供給を受けた後に、成形型2へと移動して成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を注入するようにしているので、サンド供給ヘッド4は成形型2に注入する一回分の粘結剤コーテッドサンド3を貯留する大きさに形成すれば足りる。従って、サンド供給ヘッド4の大きさを小さくすることが可能になるものである。
【0119】
また、上記のようにサンド供給ヘッド4が後退移動すると同時に、水蒸気供給ヘッド5も後退移動する。すなわち、水平駆動装置7を構成するシリンダー装置92,93が作動して、シリンダーロッド93a、さらにシリンダーロッド92aが引っ込み、水蒸気供給ヘッド5は最も後退した位置にまで移動し(
図21(a)参照)、次の成形に備える。
【0120】
次に、成形型2の型開きがなされる。すなわち、型開閉シリダンダー装置30が作動し、シリンダーロッド30aが引っ込むことによって、固定側の型2aから離れるように可動側の型2bを移動させて、成形型2を型開きし、成形された鋳型を成形型2のキャビティ33から取り出すことができるものである。
【0121】
このように成形型2が型開きして、型2a,2bが離れた状態にあるとき、エアーダスター107で各型2a,2bの内面を清掃することができるようにしてある。すなわち
図1に示すように、エアーダスター107は両側にエアノズル107a,107aを設けて形成してある。このエアーダスター107はシリンダー装置108のシリンダーロッド108aの先端部に設けてあり、シリンダー装置108は成形型2の上方において支持梁37の側部に固定してある。そして成形型2が型開きして、成形された鋳型を成形型2から脱型した後、シリンダー装置108を作動させると、シリンダーロッド108aが下方へ突出してエアーダスター107が下方へ移動し、開いた型2a,2bの間にこのエアーダスター107が差し込まれる。このとき、エアーダスター107のエアノズル107a,107aから型2a,2bの内面に高圧エアーが噴出され、型2a,2bの内面を清掃することができるものである。エアノズル107a,107aから高圧エアーを噴出した後、シリンダーロッド108aは引っ込んでエアーダスター107は元の位置まで引き上げられる。
【0122】
図23は本発明の他の実施の形態を示すものである。上記の実施の形態では、成形型2として、上面に注入口1を一つ設けたものを使用するようにしたが、鋳型として大型のものを成型する場合、特に平面の面積が大きい鋳型を成型する場合、注入口1が一つだけであると、水蒸気は一か所の注入口1から成形型2内に吹き込まれることになるため、成形型2内の全体に均一に水蒸気を行き渡らせることは難しく、成形型2内に充填した粘結剤コーテッドサンド3を均一に加熱できないことがある。
【0123】
そこでこのような場合には、
図23(b)のような、成形型2の上面の複数個所に注入口1を設けたものを用いるのが好ましい。そしてこのような複数個所に注入口1を設けた成形型2に水蒸気を供給する水蒸気供給ヘッド5としては、注入口1に対応した個数のノズル口9を設けた
図23(a)のものを用いることができる。
【0124】
この水蒸気供給ヘッド5は、水蒸気供給ホース91に接続した水蒸気パイプ120をヘッド本体5aに設けて形成されるものである。水蒸気供給パイプ120には分岐パイプ121が左右に複数本分岐して設けてあり、各分岐パイプ121の先端にノズル口9が設けてある。このノズル口9は上記の成形型2の複数個所の注入口1に対応するように配置されるものである。このように形成される水蒸気ヘッド5は、既述の
図22の場合と同様に昇降板89の下側に取り付けて使用されるものである。
【0125】
そして、成形型2内に水蒸気を吹き込むにあたっては、既述の
図22(b)と同様に水蒸気供給ヘッド5を下降させると、成形型2の上面の複数の注入口1に水蒸気供給ヘッド5の各ノズル口9を合致させることができる。従って水蒸気供給ヘッド5の各ノズル9からすべての注入口1を通して成形型2内に水蒸気が供給される。このため、水蒸気は複数個所の注入口1から成形型2内に吹き込まれ、成形型2内の全体に均一に水蒸気を行き渡らせることができるものであり、成形型1内に充填した粘結剤コーテッドサンド3を均一に加熱することができ、均質な鋳型を成型することができるものである。