特許第6687427号(P6687427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687427
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】車両用変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/30 20060101AFI20200413BHJP
   F16H 63/04 20060101ALI20200413BHJP
   F16H 59/10 20060101ALN20200413BHJP
【FI】
   F16H63/30
   F16H63/04
   !F16H59/10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-41126(P2016-41126)
(22)【出願日】2016年3月3日
(65)【公開番号】特開2017-155886(P2017-155886A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100114122
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸夫
(74)【代理人】
【識別番号】100086841
【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫
(72)【発明者】
【氏名】浅尾 進也
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−504732(JP,A)
【文献】 特開2000−110936(JP,A)
【文献】 実開平04−123038(JP,U)
【文献】 米国特許第05220985(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/30
F16H 63/04
F16H 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セレクトレバーに対する操作力を伝達する伝達体と、
トランスミッションケースの外側に配置されると共に、前記伝達体が連結され前記セレクトレバーに対する操作に応じて回動されるレンジ切換用レバーとを備え、
前記レンジ切換用レバーが中心部を支点として回動される円板状に形成された
車両用変速機。
【請求項2】
前記レンジ切換用レバーの外周部に前記伝達体が連結された
請求項1に記載の車両用変速機。
【請求項3】
前記レンジ切換用レバーに前記伝達体の一部が位置される凹部が形成された
請求項1又は請求項2に記載の車両用変速機。
【請求項4】
前記レンジ切換用レバーの回動位置に応じてレンジを切り換えるインヒビタースイッチを備え、
前記レンジ切換用レバーが前記インヒビタースイッチの全体を側方から覆う大きさに形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車両用変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セレクトレバーに対する操作によって回動されるレンジ切換用レバーを備えた車両用変速機についての技術分野に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開平9−257119号公報
【特許文献2】実開昭62−68879号公報
【背景技術】
【0003】
自動車等の車両には、セレクトレバーに対する操作に応じて変速等を行うための変速機、例えば、自動変速機が設けられているものがある。このような変速機はトランスミッションケースの内外に所要の各部が配置されて成り、トランスミッションケースの側面側(外面側)にはレンジ切換機構を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
レンジ切換機構はケーブルやロッド等の伝達体とセレクトレバーに対する操作に応じて回動されるレンジ切換用レバーとレンジ切換用レバーの回動位置に応じてレンジを切り換えるインヒビタースイッチとを有している。
【0005】
セレクトレバーが操作されると、セレクトレバーに対する操作力が伝達体を介してレンジ切換用レバーに伝達され、レンジ切換用レバーがセレクトレバーの操作に応じて回動され、インヒビタースイッチからレンジ切換用レバーの回動位置に応じた信号が出力されて変速や前進後退の制御が行われる。また、セレクトレバーがパーキングレンジ(P)又はニュートラルレンジ(N)の状態に操作されると、インヒビタースイッチ内の電気回路がオンになりエンジンの始動が可能な状態にされる。
【0006】
このようなレンジ切換機構は、上記したように、トランスミッションケースの外側に配置されており、特許文献1に記載されたように、レンジ切換用レバーが略上下に延びるアーム状に形成され、ケーブル等の伝達体が略前後に延びる状態で位置され、伝達体の後端部がレンジ切換用レバーに連結された構成にされている。従って、レンジ切換用レバーと伝達体は略直交する状態で位置されている。
【0007】
ところで、車両は寒冷地においても走行される。従って、トランスミッションケースの外側に配置されたレンジ切換機構には、車両の雪道や残雪状態の融雪道における走行時に跳ね上げられた雪が付着し、付着した雪がインヒビタースイッチの側面において凝固して滞留するおそれがある。
【0008】
このようなインヒビタースイッチの側面における雪の滞留が生じたときに、特許文献1に記載された構造のようにインヒビタースイッチの側方においてレンジ切換用レバーと伝達体が略直交する状態で位置されている場合に、滞留した雪がレンジ切換用レバーの回動軌跡に存在していると、レンジ切換用レバーの回動動作が阻害され、レンジ切換機構の適正な動作状態を確保することができなくなるおそれがある。
【0009】
そこで、このような雪の滞留を防止してレンジ切換機構の適正な動作状態を確保するために、防雪カバーが設けられた車両がある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
特許文献2に記載された車両にあっては、オートマチック操作リンク系を下方から覆う防雪カバーが設けられており、防雪カバーによってレンジ切換機構に対する雪の滞留が防止されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、特許文献2に記載された車両にあっては、防雪カバーが設けられると共に防雪カバーの取付作業も必要である分、車両の製造コストが高くなると言う不都合を生じてしまう。
【0012】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、製造コストの高騰を来すことなくレンジ切換用レバーの適正な動作状態を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1に、本発明に係る変速機は、セレクトレバーに対する操作力を伝達する伝達体と、トランスミッションケースの外側に配置されると共に、前記伝達体が連結され前記セレクトレバーに対する操作に応じて回動されるレンジ切換用レバーとを備え、前記レンジ切換用レバーが中心部を支点として回動される円板状に形成されたものである。
【0014】
これにより、セレクトレバーに対する操作に応じて円板状のレンジ切換用レバーが回動されるため、レンジ切換用レバーの回動軌跡上に雪が滞留することがない。
【0015】
第2に、上記した本発明に係る変速機においては、前記レンジ切換用レバーの外周部に前記伝達体が連結されることが望ましい。
【0016】
これにより、レンジ切換用レバーの回動中心からレンジ切換用レバーにおける伝達体との連結点までの距離が大きくなる。
【0017】
第3に、上記した本発明に係る変速機においては、前記レンジ切換用レバーに前記伝達体の一部が位置される凹部が形成されることが望ましい。
【0018】
これにより、レンジ切換用レバーと伝達体の干渉が回避される。
【0019】
第4に、上記した本発明に係る変速機においては、前記レンジ切換用レバーの回動位置に応じてレンジを切り換えるインヒビタースイッチを備え、前記レンジ切換用レバーが前記インヒビタースイッチの全体を側方から覆う大きさに形成されることが望ましい。
【0020】
これにより、レンジ切換用レバーがインヒビタースイッチの側面に対する防雪機能を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、セレクトレバーに対する操作に応じて円板状のレンジ切換用レバーが回動されるため、レンジ切換用レバーの回動軌跡上に雪が滞留することがなく、防雪カバーを設けることなくレンジ切換用レバーの動作の阻害を防止することができ、製造コストの高騰を来すことなくレンジ切換用レバーの適正な動作状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図2乃至図7と共に本発明車両用変速機の実施の形態を示すものであり、本図は、車両における動力伝達機構等の概略構成を示す図である。
図2】レンジ切換機構等を示す図である。
図3】レンジ切換用レバー等を示す正面図である。
図4】レンジ切換用レバーが回動された状態を示すレンジ切換機構等の図である。
図5】凹部が形成されたレンジ切換用レバー等を示す側面図である。
図6】凹部が形成されたレンジ切換用レバー等を示す正面図である。
図7】インヒビタースイッチの全体がレンジ切換用レバーによって側方から覆われる構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明車両用変速機を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0024】
<動力伝達機構等の概略構成>
先ず、変速機を有する車両に設けられた動力伝達機構等の概略構成を説明する(図1参照)。
【0025】
車両100は、例えば、4輪駆動(4WD)タイプであり、前端側にエンジン(内燃機関)101を有し、エンジン101には図示しないトルクコンバーターや摩擦クラッチ等によって変速機1が接続されている。尚、車両100がEV(Electric Vehicle:電気自動車)やHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド電気自動車)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:プラグインハイブリッド電気自動車)等である場合には、エンジン101に代えて、又は、エンジン101とともにモーターが設けられている。また、車両100は2輪駆動(2WD)タイプであってもよい。
【0026】
変速機(トランスミッション)1にはトランスミッションケース2の内部に遊星歯車機構102や電子制御カップリング103等が設けられている。変速機1にはトランスミッションケース2の外面(側面)側にレンジ切換機構3が設けられている。尚、変速機1の内部機構として無段変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)が用いられていてもよい。また、変速機1として自動変速機が用いられていてもよく、手動変速機が用いられていてもよい。
【0027】
変速機1にはフロントデファレンシャル104が接続されている。フロントデファレンシャル104には左右の前輪駆動軸105、105が連結され、前輪駆動軸105、105にはそれぞれ前輪106、106が連結されている。従って、エンジン101の駆動力はフロントデファレンシャル104及び前輪駆動軸105、105を介して前輪106、106に伝達される。
【0028】
車両100のコーナーリング時にはフロントデファレンシャル104によって前輪106、106の左右の回転数の差が吸収され、エンジン101から前輪106、106に同じトルクが伝達される。
【0029】
変速機1の後端部にはプロペラシャフト107が連結されている。エンジン101から変速機1に伝達される駆動力は変速機1からプロペラシャフト107に伝達されてプロペラシャフト107が回転される。
【0030】
プロペラシャフト107は前後に延びる状態で配置され、プロペラシャフト107の後端部にはリアデファレンシャル108が接続されている。リアデファレンシャル108には左右の後輪駆動軸109、109が連結され、後輪駆動軸109、109にはそれぞれ後輪110、110が連結されている。従って、プロペラシャフト107に伝達されたエンジン101の駆動力はリアデファレンシャル108及び後輪駆動軸109、109を介して後輪110、110に伝達される。
【0031】
車両100のコーナーリング時にはリアデファレンシャル108によって後輪110、110の左右の回転数の差が吸収され、エンジン101から後輪110、110に同じトルクが伝達される。
【0032】
<レンジ切換機構等の構成>
次に、変速機1に設けられたレンジ切換機構3の具体的な構成及びレンジ切換機構3に対して操作力を付与するセレクトレバーについて説明する(図2乃至図4参照)。
【0033】
レンジ切換機構3は、上記したように、トランスミッションケース2の外面(側面)側に配置されている(図2参照)。レンジ切換機構3はレンジ切換用レバー4とインヒビタースイッチ5と伝達体6を有している。
【0034】
レンジ切換用レバー4は、例えば、左右方向を向く円板状に形成され、トランスミッションケース2の側面に回動支点とされたシャフト7を介して回動自在に支持されている(図2及び図3参照)。シャフト7はレンジ切換用レバー4の中心部に連結され、レンジ切換用レバー4は中心部を支点として回動される。レンジ切換用レバー4の外側の側面における外周部には支持軸部4aが設けられている。
【0035】
インヒビタースイッチ5はトランスミッションケース2の側面とレンジ切換用レバー4の間に配置されている(図2参照)。インヒビタースイッチ5はレンジ切換用レバー4の回動によって作動され、レンジ切換用レバー4の回動位置に応じてレンジを切り換える機能を有している。従って、インヒビタースイッチ5からレンジ切換用レバー4の回動位置に応じた信号が出力されると、変速や前進後退の制御が行われる。
【0036】
伝達体6はケーブルやロッド等であり、伝達体6によってセレクトレバー200とレンジ切換用レバー4が連結されている。伝達体6は一端部(後端部)が円筒状の軸支持部6aとして設けられ、軸支持部6aがレンジ切換用レバー4の支持軸部4aに回動可能な状態で連結されている(図2及び図3参照)。伝達体6の後端側の部分にはゴム製や樹脂製のブーツ8が取り付けられている。
【0037】
伝達体6はブーツ8の前側の部分がブラケット9によってトランスミッションケース2の側面に取り付けられている(図2参照)。伝達体6はブラケット9によって外方から押さえられ、ブラケット9がボルト等によってトランスミッションケース2に結合されることによりトランスミッションケース2に取り付けられている。
【0038】
セレクトレバー200は運転者によって操作され、車両100の変速や前進後退を行うための操作部である。セレクトレバー200に対する操作によって、例えば、パーキングレンジ(P)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)、ドライブレンジ(D)、セカンドレンジ(2)、ファーストレンジ(1)等のレンジの切換が行われる。
【0039】
セレクトレバー200が操作されると、セレクトレバー200に対する操作力が伝達体6を介してレンジ切換用レバー4に伝達され、セレクトレバー200に対する操作に応じてレンジ切換用レバー4が回動される(図2及び図4参照)。レンジ切換用レバー4が回動されると、レンジ切換用レバー4の回動位置に応じてインヒビタースイッチ5によってレンジが切り換えられ、変速や前進後退の制御が行われる。また、セレクトレバー200がパーキングレンジ(P)又はニュートラルレンジ(N)に操作されると、インヒビタースイッチ5内の電気回路がオンになりエンジンの始動が可能な状態にされる。
【0040】
上記のように構成された変速機1を有する車両100の雪道や残雪状態の融雪道における走行時には、雪がレンジ切換機構3に向けて跳ね上げられ、跳ね上げられて付着された雪がインヒビタースイッチ5のレンジ切換用レバー4側の側面5aにおいて凝固して滞留する可能性がある。
【0041】
このときインヒビタースイッチ5は一部を除いてレンジ切換用レバー4によって側方から覆われているため、インヒビタースイッチ5の側面5aにはレンジ切換用レバー4によって覆われていない部分5b、5cにおいて雪が凝固して滞留し易い。特に、インヒビタースイッチ5の近傍にブーツ8が位置されており、ブーツ8の上側に雪が付着されたときに、この付着された雪がインヒビタースイッチ5の部分5bにも付着されて凝固し滞留し易い。
【0042】
上記のようなインヒビタースイッチ5の側面5aに雪が滞留された状態において、セレクトレバー200に対する操作によってレンジ切換用レバー4が動作されるときに、レンジ切換用レバー4が円板状に形成され中心部を支点として回動されるため、レンジ切換用レバー4が部分5b、5cに滞留されている雪に干渉することがない。
【0043】
また、レンジ切換用レバー4が円板状に形成されているため、跳ね上げられた雪がレンジ切換用レバー4に付着された場合においても、雪が円弧状に形成された外周4bにおいて滑り落ち易くなっている。
【0044】
従って、跳ね上げられた雪のレンジ切換用レバー4の側面5aへの滞留が抑制される。
【0045】
<まとめ>
以上に記載した通り、変速機1にあっては、セレクトレバー200に対する操作力を伝達する伝達体6と、伝達体6が連結されセレクトレバー200に対する操作に応じて回動されるレンジ切換用レバー4とが設けられ、レンジ切換用レバー4が中心部を支点として回動される円板状に形成されている。
【0046】
従って、セレクトレバー200に対する操作に応じて円板状のレンジ切換用レバー4が回動されるため、レンジ切換用レバー4の移動軌跡(回動軌跡)上に雪が滞留することがなく、防雪カバーを設けることなくレンジ切換用レバー4の動作の阻害を防止することができ、製造コストの高騰を来すことなくレンジ切換用レバー4の適正な動作状態を確保することができる。
【0047】
また、防雪カバーを設けることなくレンジ切換用レバー4の適正な動作状態を確保することができるため、車両100の軽量化を確保した上でレンジ切換用レバー4の適正な動作状態を確保することができる。
【0048】
さらに、伝達体6はレンジ切換用レバー4の外周部に連結されているため、回動中心であるシャフト7からレンジ切換用レバー4における伝達体6との連結点である支持軸部4aまでの距離が大きくなり、レンジ切換用レバー4を最小限の大きさにした上でレンジ切換用レバー4の回動角度を大きくすることができる。
【0049】
さらにまた、伝達体6がレンジ切換用レバー4の外周部に連結されることにより、レンジ切換用レバー4と伝達体6やブーツ8との接触を回避し易い構成になり、レンジ切換機構3の一層円滑な動作状態を確保することができる。
【0050】
<他の例>
上記には、平板状に形成されたレンジ切換用レバー4の例を示したが、例えば、レンジ切換用レバー4の一部に凹部4cが形成され、凹部4cに伝達体6の一部やブーツ8の一部が位置されるように構成することも可能である(図5及び図6参照)。
【0051】
レンジ切換用レバー4に凹部4cが形成されることによりレンジ切換用レバー4と伝達体6やブーツ8との干渉が回避され、伝達体6とブーツ8をレンジ切換用レバー4に非接触の状態で位置させることができ、レンジ切換用レバー4と伝達体6やブーツ8の接触が回避され、レンジ切換用レバー4の円滑な回動動作を確保することができる。
【0052】
また、上記には、円板状に形成されたレンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の一部を除いた部分が側方から覆われている構成の例を示したが、レンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の全体が側方から覆われるようにレンジ切換用レバー4の大きさを大きくする構成にすることも可能である(図7参照)。
【0053】
このようにレンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の全体が側方から覆われる構成にすることにより、インヒビタースイッチ5とレンジ切換用レバー4が最も近接して位置されてインヒビタースイッチ5に雪が滞留し難くなるため、レンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の全体が側方から覆われる構成はレンジ切換用レバー4に関する雪対策として極めて有効である。従って、レンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の全体が側方から覆われる構成にすることにより、インヒビタースイッチ5に雪が滞留し難くした上でレンジ切換用レバー4の適正な動作状態を確保することができる。
【0054】
尚、レンジ切換用レバー4によってインヒビタースイッチ5の全体が側方から覆われる構成にした場合においても、伝達体6がレンジ切換用レバー4の外周部に連結される構成にしたり、レンジ切換用レバー4の一部に伝達体6の一部やブーツ8の一部との干渉を回避するための凹部4cが形成される構成にすることも可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…変速機、4…レンジ切換用レバー、4a…支持軸部(連結点)、4b…外周、4c…凹部、5…インヒビタースイッチ、6…伝達体、7…シャフト(回動中心)、200…セレクトレバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7