(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の発明に係る燃焼装置は、燃焼材が供給される本体筒と、
本体筒の先端に接続する燃焼筒と、
本体筒に燃焼材を供給する燃焼材供給路と、
本体筒内部に、空気を供給する第1空気供給部〜第n空気供給部と、
本体筒の内部空間において、中心軸付近に水分を供給する中央水分供給部と、
本体筒の内部空間において、内周付近に水分を供給する周辺水分供給部と、を備え、
第1空気供給部〜第n空気供給部は、本体筒の根元から先端に向けて、第1〜第nの順序で並んでおり、
第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、第1〜第nの順序で、本体筒に供給する空気量が増加する。
【0026】
この構成により、本体筒で次第に燃焼温度を上げながら、燃焼材を燃焼させることができる。結果として、本体筒内部でのクリンカの発生を抑制できる。更には、本体筒の内部空間での燃焼温度の過剰な上昇を抑制でき、クリンカやNOxの発生を抑制できる。
【0027】
本発明の第2の発明に係る燃焼装置では、第1の発明に加えて、本体筒は、根元が閉じられると共に開口する先端による内部空間を有し、開口する先端と燃焼筒とが接続することで、本体筒の内部空間と、燃焼筒の内部空間が連通し、燃焼筒の先端は、外部に燃焼熱を放出できる開口部を有し、本体筒および燃焼筒は、水平面に対して下向きの傾斜を有する。
【0028】
この構成により、本体筒で生じる燃焼灰が、外部に排出されやすい。
【0029】
本発明の第3の発明に係る燃焼装置では、第1または第2の発明に加えて、中央水分供給部は、本体筒の根元に設けられ、根元の外部から本体筒の内部空間に水分を供給し、周辺水分供給部は、本体筒の側面に設けられ、側面の外部から本体筒の内部空間に水分を供給する。
【0030】
この構成により、本体筒の内部空間の過剰な温度上昇を抑制できる。
【0031】
本発明の第4の発明に係る燃焼装置では、第3の発明に加えて、周辺水分供給部は、第1空気供給部〜第n空気供給部の少なくとも一部に設けられる。
【0032】
この構成により、本体筒の構造をシンプルにできる。また、空気孔を水分供給孔と兼用できる。
【0033】
本発明の第5の発明に係る燃焼装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、中央水分供給部および周辺水分供給部の少なくとも一部は、霧状の水を、供給する。
【0034】
この構成により、水分供給による燃焼温度の過剰な上昇の抑制を、より効率的に行える。
【0035】
本発明の第6の発明に係る燃焼装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、本体筒の内部空間の中心軸付近の温度である中心温度を測定する中心温度測定部と、本体筒の外周もしくは内周の温度である周辺温度を測定する周辺温度測定部と、を更に備え、中心温度および周辺温度の少なくとも一方に基づいて、中央水分供給部および周辺水分供給部からの水部供給を制御する制御部を、更に備える。
【0036】
この構成により、実際に測定された温度に基づいて、燃焼温度の過剰な上昇を抑制できる。
【0037】
本発明の第7の発明に係る燃焼装置では、第6の発明に加えて、中心温度が所定値以上の場合には、制御部は、中央水分供給部から水分を供給させ、所定値は、燃焼材の最適燃焼温度に基づいて定められる。
【0038】
この構成により、燃焼材の本来のあるべき燃焼温度を超えた燃焼温度での燃焼を防止できる。結果として、クリンカの発生を抑制できる。
【0039】
本発明の第8の発明に係る燃焼装置では、第6または第7の発明に加えて、周辺温度が所定値以上の場合には、制御部は、周辺水分供給部から水分を供給させ、所定値は、燃焼材の最適燃焼温度に基づいて、定められる。
【0040】
この構成により、燃焼材の本来のあるべき燃焼温度を超えた燃焼温度での燃焼を防止できる。結果として、クリンカの発生を抑制できる。
【0041】
本発明の第9の発明に係る燃焼装置では、第6から第8のいずれかの発明に加えて、中央水分供給部および周辺水分供給部のそれぞれは、独立して動作可能であり、本体筒における燃焼材の燃焼温度を、燃焼材のガス化を溶融よりも優先できる温度に維持する。
【0042】
この構成により、クリンカの発生を抑制できる。
【0043】
本発明の第10の発明に係る燃焼装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれからの異なる空気量での空気の供給により、本体筒内部においては、根元から先端に向かうにつれて燃焼熱が増加する。
【0044】
この構成により、クリンカの発生が抑制できる。
【0045】
本発明の第11の発明に係る燃焼装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、本体筒の外周を囲む筒状であり、本体筒は、その外周に沿って、第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれと連通する複数の空気孔、を有し、筒状の第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、複数の空気孔を介して、本体筒内部に空気を供給可能であり、周辺水分供給部が、第1空気供給部〜第n空気供給部の少なくとも一部に設けられる場合には、当該複数の空気孔と並列に水分を供給可能である。
【0046】
この構成により、燃焼熱を徐々に上昇させる空気と、過剰な上昇を抑制する水分とを、本体筒の側面から供給できる。
【0047】
本発明の第12の発明に係る燃焼装置では、第11の発明に加えて、筒状の第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、回転可能であり、周辺水分供給部は、これに合わせて回転可能であり、第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、回転しながら、本体筒内部に空気を供給可能であり、周辺水分供給部は、回転しながら、水分を供給する。
【0048】
この構成により、回転流を生じさせて、燃焼材の拡散を実現できる。同様に、水分を本体筒の内部空間に万遍なく供給できる。
【0049】
本発明の第13の発明に係る燃焼装置では、第11の発明に加えて、第1空気供給部〜第n空気供給部が供給する空気は、本体筒内部から燃焼筒にかけて、回転流を形成できる。
【0050】
この構成により、燃焼熱の拡散を実現できる。
【0051】
本発明の第14の発明に係る燃焼装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、燃焼筒内部での燃焼温度は、本体筒内部での燃焼温度よりも高い。
【0052】
この構成により、燃焼筒では、本体筒で燃え残った灰や炭素などを最終燃焼させて、燃焼材の完全燃焼が実現される。
【0053】
本発明の第15の発明に係る燃焼装置では、第11から第14のいずれかの発明に加えて、第1空気供給部〜第n空気供給部が備える空気孔は、本体筒の円周に対して斜めに形成される。
【0054】
この構成により、空気の供給を効率よく行える。
【0055】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0057】
(全体概要)
まず、実施の形態1における燃焼装置の全体概要を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における燃焼装置の側面図である。
【0058】
燃焼装置1は、本体筒2、燃焼筒3、燃焼材供給路21、第1空気供給部4〜第3空気供給部6を備える。更に、燃焼装置1は、中央水分供給部35、周辺水分供給部7、8、9を備える。
【0059】
本体筒2は、燃焼材が供給されて燃焼材を燃焼させる。本体筒2の先端に、燃焼筒3が接続される。本体筒2の先端は開口部31があり、この開口部31によって本体筒2の先端と燃焼筒3の内部とは連通する。すなわち、燃焼装置1において、本体筒2の内部と燃焼筒3の内部は連通しており、全体として内部空間を形成できる。
【0060】
本体筒2は、閉じている根元と開放している先端とからなる筒状の部材であり、根元から先端にかけての内部空間を有している。開口している先端において、燃焼筒3が接続しており、燃焼筒3も内部空間を有する筒状である。この接続によって、本体筒2の内部空間と燃焼筒3の内部空間が連通する。すなわち、燃焼装置1は、本体筒2から燃焼筒3にかけての内部空間を有する構造となる。
【0061】
また、後述するが、燃焼筒3の先端は、外部に燃焼熱を放出できる開口部を有している。すなわち、全体としては根元が閉じており、先端が開放している筒状の構造を有し、この筒状の内部空間で燃焼材の燃焼が行われる。また、本体筒および燃焼筒3は、水平面に対して下向きの傾斜を有する。
【0062】
燃焼材供給路21は、本体筒2に燃焼材を供給するために、本体筒2に接続している。
図1のように、本体筒2の根元に接続されており、本体筒2の内部と連通して、本体筒2の内部に燃焼材を供給可能であることも好ましい。もちろん、本体筒2の根元以外に、燃焼材供給路21が設けられてもよい。
【0063】
本体筒2は、更に着火装置22を備える。着火装置22は、本体筒2内部に供給された燃焼材に着火して燃やすことができる。
【0064】
燃焼筒3は、本体筒2と内部空間で連通した状態で、本体筒2の先端に設けられる。この構造により、本体筒2で燃焼を開始した燃焼材は、燃焼しながら燃焼筒3に到達する。燃焼筒3は、燃焼しながら到達した燃焼材を燃焼させる。
【0065】
ここで本体筒2と燃焼筒3とは、燃焼材を溶融させずにガス化させることを優先して燃焼させることで同様である。本体筒2は、燃焼材をガス化させる(灰化させる)ことを優先して、燃焼材を燃焼させる。一方で、燃焼筒3は、本体筒2で燃え残った灰などを最終燃焼させることを行う。特に、燃焼筒3は、本体筒2よりも高い温度で、これらの最終燃焼を実現する。
【0066】
溶融させずにガス化させることを優先して燃焼させることで、燃焼装置1は、クリンカの発生を極力抑えることができる。
【0067】
燃焼筒3は、本体筒2よりも高い温度で燃焼材を燃焼させ、より高い温度の熱量を得ることができる。
【0068】
このように、燃焼装置1は、燃焼を開始する本体筒2と燃焼を仕上げる燃焼筒3の2段階の構成で燃焼材を燃焼させる。この2段階の燃焼では、本体筒2では、燃焼筒3よりも温度の低い燃焼温度で燃焼材を燃焼させ、燃焼筒3では、より高い温度で燃焼材を燃焼させる。
【0069】
第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、本体筒2の外周に設けられる。本体筒2の外周には、空気孔25が設けられている。第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、本体筒2の空気孔25に合わせて取付けられている。この構造により、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、本体筒2の内部に空気を供給できる。
【0070】
第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、本体筒2の根元(燃焼筒3と逆側)から順に並んで設けられる。この順序で取り付けられた状態で、第1空気供給部4は、空気調整弁41の調整を受けて、本体筒2内部に空気を供給する。同様に、第2空気供給部5は、空気調整弁51の調整を受けて、本体部2内部に空気を供給する。更に、第3空気供給部6は、空気調整弁61の調整を受けて、本体部2内部に空気を供給する。
【0071】
ここで、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、第1〜第3の順序で、本体筒2内部に供給する空気量を増加させる。すなわち、第1空気供給部4が供給する空気量を確認しながら、必要な空気量を、第2空気供給部5は供給する。第3空気供給部6は、第1空気供給部4および第2空気供給部5が供給する空気量を見ながら必要
な空気量を、本体筒2に供給する。
【0072】
このとき、第1空気供給部4が供給する空気量より第2空気供給部5が供給する空気量が多い。第2空気供給部5が供給する空気量より、第3空気供給部6が供給する空気量が多い。結果として、第1空気供給部4 < 第2空気供給部5 < 第3空気供給部6の関係の空気量が、それぞれから本体筒2の内部空間に供給される。
【0073】
このような関係により、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の順序で、供給される空気量が増加する。すなわち、本体筒2内部には、根元より先端に行くにつれて、増加していく空気が供給される。
【0074】
この結果、本体筒2内部においては、根元から先端に向かうにつれて、空気量の増加に伴って、燃焼温度が高くなっていく。これらにより、本体筒2の根元で燃焼を開始した燃焼材は、根元から先端に行くにつれて、燃焼温度を上げていく。更に、本体筒2から燃焼筒3に移動すると、燃焼温度を上げる。このように、燃焼開始から次第に温度を上げていくことで、燃焼材は、ガス化をしつつやがて灰となって燃焼室3で高い燃焼熱を生成することができる。
【0075】
本体筒2では、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の順序で、低い温度から高い温度に燃焼熱が変化していく。温度が低い状態での燃焼では、燃焼材のガス化が優先され、温度が高くなるにつれて燃焼材のガス化燃焼が進む。これが、本体筒2の根元から先端である燃焼筒3にかけて実現される。
【0076】
本体筒2内部で、先端に行くにつれて高い温度でのガス化優先の燃焼が進むことで、本体筒2内部での燃焼が不安定にならず、燃焼材が溶融してクリンカが発生(付着)することが防止できる。
【0077】
このような本体筒2と燃焼筒3の2段階の燃焼、および本体筒2における根元から先端に向けての空気量の調整による燃焼熱の増加により、燃焼装置1は、クリンカなどの発生を抑制できる。抑制しつつ、最終的に高い燃焼熱を生成できる。
【0078】
なお、
図1における第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、第1空気供給部〜第n空気供給部の一例である。
【0079】
また、中央水分供給部35と、周辺水分供給部7〜9が、更に本体筒2に備わっている。中央水分供給部35は、本体筒2の内部空間の中心軸付近や本体下部にある燃焼材に向けて水分を供給する。このため、中央水分供給部35は、本体筒2の根元に設けられることが好適である。
図1では、この根元に中央水分供給部35が設けられている構造が示されている。もちろん、側面に設けられて、中心軸付近に水分を供給できればよい。
【0080】
ここで、中心軸付近とは、本体筒2の内部空間の断面における中央付近となる範囲である。本体筒2の下部付近にある燃焼材に供給する水分は、外周に設けられる7,8,9から水分は供給されるが霧状水であり、温度低下力が不足することがある。この場合は中央水分供給部351より、燃焼材に直接水滴や水の供給お行い温度を下げる事もある。
【0081】
周辺水分供給部7〜9は、本体筒2の外周(側面)に設けられる。外周に設けられることで、本体筒2の外周から、本体筒2の内部空間の内周付近に、水分を供給できる。ここで、内周付近とは、内部空間であって、上述の中央水分供給部35が水分を供給する中心軸付近の外側の領域である。
【0082】
ここで、周辺水分供給部7は、
図1のように、第1空気供給部4に設けられてもよい。同様に、周辺水分供給部8は、
図1のように、第2空気供給部5に設けられてもよい。同様に、周辺水分供給部9は、
図1のように、第3空気供給部6に設けられてもよい。これらのように、周辺水分供給部7〜9が、第1空気供給部4〜第3空気供給部6に設けられることで、全体の構造がシンプルになると共に、空気供給と水分供給とを、合わせて制御できるようになる。
【0083】
中央水分供給部35は、本体筒2の内部空間の中心軸付近に水分を供給することで、この中心軸付近の温度上昇が過剰になることを抑制できる。同様に、周辺水分供給部7〜9は、本体筒2の内部空間の内周付近に水分を供給することで、この内周付近の温度上昇が過剰になることを抑制できる。
【0084】
この内部空間の温度上昇が過剰になることが抑制されることで、燃焼材を溶融させてクリンカが発生することを抑制できる。燃焼材を燃焼させる際に、温度が高すぎることは、燃焼材をガス化させるよりも溶融させることが優先されてしまい、クリンカが発生しやすくなる。クリンカの発生が好ましくないことは、従来技術で述べた通りである。加えて、NOxの発生も抑制できる。
【0085】
中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9からの適切な水分供給によって、内部空間での燃焼温度が適正に保たれ、クリンカやNOxなどの発生を抑えることができる。第1空気供給部4〜第3空気供給部6の段階的な空気量の供給の相まって、本体筒2での燃焼材の燃焼が、溶融よりもガス化が優先される。結果として、クリンカやNOxの発生が抑制される。
【0086】
また、本体筒2においては、第1空気供給部4〜第3空気供給部6から、内部空間に空気が供給される。このとき、第1空気供給部4、第2空気供給部5、第3空気供給部6の順序で、供給される空気量が多くなる。すなわち、本体筒2の内部空間においては、根元から先端に向かうにつれて、供給される空気量が多くなる。増加する空気量によって、本体筒2の内部空間では、根元から先端に向かうにつれて燃焼温度が高くなっていく。燃焼が進むにつれて燃焼温度が高くなりながら、燃焼材は、燃焼筒3に移動する。燃焼筒3では、本体筒2よりも高い温度となって燃焼し、燃焼筒3の開口部から燃焼熱が放出される。
【0087】
この燃焼熱は、上述したように様々な用途に利用できる。
【0088】
本体筒2の内部空間では、このように次第に燃焼温度を上げながら燃焼材がガス化されつつ燃やされる。このガス化される際に燃焼熱を有する燃焼空気が生成される。本体筒2の内部空間では、必要に応じて、中央水分供給部35や周辺水分供給部7〜9から水分が供給される。供給された水分は、本体筒2の内部空間で燃焼を受けて水蒸気や加熱蒸気となる。この結果、燃焼空気の体積は、水分の蒸発が無い場合よりも極めて大きくなる。
【0089】
本体筒2の内部空間では、この水蒸気や加熱蒸気によって増大する燃焼空気を生成できる。この燃焼空気は、本体筒2から燃焼筒3へ移動する。燃焼筒3では、この増大した燃焼空気を更に燃焼させて、体積の増大した燃焼空気を外部に放出できる。この体積の増大した燃焼空気は、中央水分供給部35などから水分が供給されない場合よりも大きい。この結果、燃焼装置1は、燃焼筒3の開口部から、大きな体積の燃焼空気を放出できる。
【0090】
このように、中央水分供給部35などから、本体筒2の内部空間に適宜水分が供給されることで、クリンカやNOxの発生が抑えられるのに加えて、体積の増大した燃焼空気を生成することもできる。
【0092】
(本体筒)
本体筒2は、筒状の部材であり内部空間を有する。根元は閉じており、根元に
図2のように、燃焼材供給路21と着火装置22が備わっている。また、根元には、空気供給路26が備わっていることもよい。
【0093】
また、本体筒2の根元には、中央水分供給部35が備わっていることも好適である。中央水分供給部35は、本体筒2の内部空間における中心軸付近に水分を供給する。このため、
図2に示されるように、本体筒2の根元に設けられることで、中央水分供給部35は、本体筒2の内部空間の中心軸付近に水分を供給しやすい。
【0094】
更に、
図2に示されるように、本体筒2の根元に、複数の中央水分供給部35が設けられることも好適である。複数であることで、内部空間の内周より内側付近に効率的に水分を供給できるからである。また、供給する水分量を調節しやすいからである。
【0095】
図2は、本発明の実施の形態1における本体筒の背面図である。
図2は、本体筒2の背面である根元を示している。本体筒2の外周には、
図1で説明した第1空気供給部3〜第3空気供給部6が備わっている。
図1では、分かりやすいように上下にあるように示したが、
図2のように、外周を覆う形状であることでもよい。
【0096】
第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、本体筒2の外周に設けられた空気孔25を通じて本体筒2内部に空気を供給する。
図2では、図示において空気孔25を省略しているが、
図1のように、空気孔25が、外周に設けられる。
【0097】
本体筒2は、根元が閉じており内部空間があることで、開口部31側が開いた筒状である。この内部空間に対して、燃焼材供給路21から燃焼材が供給される。燃焼材供給路21が、本体筒2の根元に設けられることで、燃焼材は、本体筒2内部の根元から供給されることになる。本体筒2は、根元から徐々に燃焼熱を上げながら燃焼材を燃やすので、燃焼材が根元から供給されることは、この燃焼に適している。
【0098】
このため、燃焼材供給路21は、本体筒2の根元に設けられることが好ましい。
【0099】
また、本体筒2の根元には、着火装置22も設けられる。根元にある燃焼材供給路21から供給される燃焼材に合わせて、着火装置22も根元であることが好ましいからである。
【0100】
また、本体筒2の根元に、空気供給路26が備わることで、供給された燃焼材の着火を補助することもできる。空気供給路26は、本体筒2に設けられた空気孔25と同じ様な方向を向いておく事が望ましい。
【0101】
また、外周に設けられる空気孔25は、外周に設けられる第1空気供給部4〜第3空気供給部6の位置に合わせて設けられる。これらから供給される空気の、内部空間への通り道となるからである。
【0102】
本体筒2は、回転可能であることが好ましい。内部空間において燃焼材を撹拌することができるからである。このため、本体筒2は、その内部空間において撹拌板を備えていることも好適である。ここで、
図1、
図2の矢印Aに沿って、本体筒2は、回転することが好ましい。
【0103】
なお、回転することで、本体筒2内部で発生する燃焼灰が、空気孔25を通じて第1空気供給部4〜第3空気供給部6に落下してくる事が考えられる、空気孔25に空気を供給する空気供給部の下部には、灰排出部27のシャッターが設けられることも好適である。
【0104】
例えば、本体筒2が回転する際に、下方に来る空気孔25にはシャッターから灰等が落下してくることが考えられる。燃焼灰が落下しても、第1空気供給部4などからの空気が、空気孔25を通じて、本体筒2の内部空間に供給されればよい。
【0105】
なお、本体筒2の下方には、第1空気供給部4などに漏れ出た燃焼灰(漏れ入る燃焼灰は残ることがある)を排出する、排出部27が備わることも好適である。
【0106】
排出部27は、第1空気供給部4などに入り込んだ燃焼灰を、外部に排出でき、第1空気供給部4などの動作への影響を防止できる。燃焼灰を、本体筒2から燃焼筒3に移動させ更には燃焼筒3の先端から外部に放出しやすいように、本体筒2は、水平もしくは前傾姿勢であることも好適である。
【0107】
(燃焼筒)
燃焼筒3は、本体筒2の先端に接続される。本体筒2の先端は、開口部31を備えており、この開口部31で燃焼筒3と繋がることで、本体筒2の内部空間と燃焼筒3の内部空間は連通する。本体筒2と、燃焼筒3は連結され一体構造で、内部空間が連結されることもあり得る。
【0108】
燃焼筒3は、本体筒2の先端に接続されて連通する内部空間を形成するので、燃焼筒3も本体筒2と同じように筒状であることが好ましい。この結果、本体筒2と燃焼筒3とが接続されている構造により、燃焼装置1は、全体として筒状の外形を有する。もちろん、筒状とは大まかな外形であって、不定形な形状が部分的に備わっていることでもよい。
【0109】
燃焼筒3の先端は、開口しており、燃焼材を延焼させた燃焼熱を外部に放出できる。加えて、燃焼材を燃焼させて生じる熱を外部に供給できる。
【0110】
燃焼材は、燃焼材供給路21から本体筒2に供給される。本体筒21では、着火装置22によって内部に供給された燃焼材が燃やさられる。本体筒2では、第1空気供給部4〜第3空気供給部6によって空気が供給されて燃焼材を燃焼させる。
【0111】
このとき、本体筒2内部での温度は、燃焼筒3内部の温度よりも低い。このため、本体筒2では、燃焼材をガス化させることが優先される。ガス化が進んだ燃焼材が燃焼筒3に到達すると、より高い温度で燃焼材の残りが燃焼がされる。この高い温度での燃焼によって、燃焼材は最終的なガス化が優先されるように燃焼される。
【0112】
このガス化が優先される燃焼により、燃焼材は更に高い温度で燃焼し、高い燃焼熱を発生させる。燃焼筒3は、この高い燃焼熱を外部に放出することで、高い熱量を必要とするシステム等に熱量を供給できる。また、燃焼筒3の先端が開口していることで、燃焼筒3内部には空気が供給されやすく、多くの空気量を得ることで、高い燃焼熱の生成を実現できる。
【0113】
燃焼筒3は、本体筒2に接続されているので、本体筒2の姿勢と同様の
姿勢を有する。例えば、本体筒2が水平の姿勢を有する場合には、燃焼筒3は、これに合わせて水平の姿勢となる。あるいは、本体筒2が下向きの傾斜を有する場合には、燃焼筒3も、これに合わせて下向きの傾斜となる。本体筒2と燃焼筒3とは、動作時においては、水平もしくは下向き傾斜となることが好ましい。
【0114】
燃焼筒3では、本体筒2よりも高い温度で燃焼材を燃焼するので、灰と燃焼熱を、先端の開口部から放出する。例えば、発電装置などが、この放出される燃焼熱を利用する。
【0115】
このように、燃焼装置1は、本体筒2での燃焼に続いて、より高い温度で燃焼筒3で燃焼させることで、より高い燃焼熱を得ることができる。加えて、燃焼によってクリンカなどを生じさせることを低減できる。
【0116】
すなわち、燃焼筒3は、本体筒2で燃え残った燃焼材や灰に対して、本体筒2よりも高い温度で燃焼させる。この燃焼方法によりより、燃焼材を溶融させてクリンカを発生させることを防止できる。ガス化を優先した最終燃焼を行い、残っている灰や炭素などを完全に燃焼する。この結果、燃焼筒3でも、クリンカの発生を抑えることができる。
【0117】
本体筒2から燃焼筒3にかけて、本体筒2での段階的な空気量の増加によって、燃焼材の燃焼開始から最終燃焼までが、リニアな温度上昇の中で、燃焼材が燃焼される。このような温度上昇の変化の繋がりの適正により、本体筒2から燃焼筒3において、クリンカの発生が抑制できる。特に、燃焼筒3での高い温度での最終燃焼が最終段階であることで、本体筒2内部の燃焼も安定性が高まり、本体筒2での燃焼でのクリンカの発生が抑制されやすくなる。本体筒2での段階的な空気量の調整と相まって、燃焼筒3での燃焼が、全体の燃焼を安定させる。
【0118】
このとき、上述の通り、供給された水分の蒸発により、燃焼熱を有する燃焼空気が増大して、燃焼筒3から放出される。
【0119】
(第1空気供給部〜第n空気供給部)
本体筒2の外周には、第1空気供給部4〜第n空気供給部が設けられる。
図1、
図2では、第1空気供給部4〜第3空気供給部6が設けられる。第1空気供給部4は、第1空気調整弁41に接続しており、本体筒2内部に空気を供給できる。このとき、第1空気供給部4は、本体筒2の外周であって、根元側に設けられているので、第1空気供給部4は、本体筒2の根元側での内部空間に空気を供給する。
【0120】
本体筒2の外周には空気孔25が設けられている。この空気孔25の一部は、第1空気供給部4の設置位置に対応する場所に設けられている。この第1空気供給部4の設置位置に対応する空気孔25が、第1空気供給部4からの空気を、本体筒2の内部空間に供給する。
【0121】
同様に、第2空気供給部5は、本体筒2の外周であって、第1空気供給部4より先端側に設けられている。第2空気供給部5の設置位置に対応する場所に、空気孔25の一部が存在する。
【0122】
第2空気供給部5には、第2空気調整弁51が接続されており、第2空気気調整弁51は、空気を送り出す。この空気の送り出しによって、第2空気供給部5の設置位置に対応する空気孔25から、本体筒2内部に空気が供給される。このとき、第2空気供給部5は、第1空気供給部4より先端側の位置において、本体筒2の内部に空気を供給する。
【0123】
同様に、第3空気供給部6は、本体筒2の外周であって、第2空気供給部5よりも先端側に設けられている。
図1の場合では、本体筒2の最も先端側に、第3空気供給部6が設けられる。また、第3空気供給部6の設置位置に対応する場所に、空気孔25の一部が存在する。
【0124】
第3空気供給部6には、第3空気気調整弁61が接続されており、第3空気気調整弁61は、空気を送り出す。この空気の送り出しによって、第3空気供給部6の設置位置に対応する空気孔25から、本体筒2内部に空気が供給される。すなわち、本体筒2の最も先端において、第3空気供給部6が、本体筒2内部に空気を供給できる。
【0125】
このように、第1空気供給部4は、本体筒2の根元に空気を供給し、第2空気供給部5は、本体筒2の中央付近に空気を供給し、第3空気供給部6は、本体筒2の先端付近に空気を供給する。
【0126】
ここで、第1空気供給部4が供給する空気量より第2空気供給部5が供給する空気量が大きく、第2空気供給部5が供給する空気量より、第3空気供給部6が供給する空気量が大きい。すなわち、本体筒2には、根元、中央付近、先端付近の順で、多くなる空気量の空気が供給される。この結果、本体筒2内部での燃焼材の燃焼では、クリンカを発生させないようにできる。
【0127】
また、空気量が次第に
上がっていくことで、燃焼温度も次第に
上がっていく。この結果、燃焼材は、本体筒2内部で次第に燃焼度合いを進めるようになり、不完全燃焼なども生じにくい。また、次第に燃焼温度が上がっていくことで、本体筒2内部で、燃焼材の流動性が高まる。これも相まって、燃焼材が燃焼しつつ燃焼筒3に移動できる。
【0128】
このように、本体筒2においては、異なる空気量の供給で次第に空気量を増加させていくことで、燃焼材の燃焼をより確実に行える。また、高い燃焼温度にしながら、燃焼筒3に移動させつつ、ガス化を優先することで、クリンカも生じにくい。
【0129】
ここで、第1空気供給部4、第2空気供給部5および第3空気供給部6のそれぞれは、相互に独立て、本体筒2に空気を供給可能であることも好適である。第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、個別に第1空気気調整弁41〜第3空気気調整弁61を備えている。このため、独立して空気を供給可能である。
【0130】
独立して空気を供給可能であることで、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれで、供給する空気量を調整することが可能である。このとき、第1空気供給部4よりも第3空気供給部6の供給する空気量が多い前提で、その差分を調整できる。
【0131】
このような第1空気供給部4〜第3空気供給部6の空気量の相違によって、本体筒2内部においては、根元から先端に向かうにつれて供給される空気量が増加する。この結果、本体筒2内部において、根元から先端に向かうにつれて、燃焼熱が増加する。
【0132】
また、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれから供給される空気量は、最大もしくは合計において、燃焼材のガス化を溶融よりも優先できる量であることが好ましい。このような空気量であることで、本体筒2内部ではクリンカが生じにくくなるからである。また、結果として、本体筒2の燃焼熱よりも、燃焼筒3での燃焼熱が高くなり、燃焼筒3に到達した燃焼材を、確実に燃焼し尽くすことができる。
【0133】
なお、本体筒2が回転することで、第1空気供給部4〜第3空気供給部6もこれに合わせて回転する。結果として、本体筒2内部の回転と空気の流入の回転とが相まって、本体筒2内部で燃焼材が拡散して、クリンカになりにくいメリットもある。
【0134】
また、本体筒2が回転するのに合わせて燃焼筒3も回転する。この回転で、燃焼筒3に到達する燃焼材も拡散されて、燃焼筒3内部での燃焼がより促進される。燃焼筒3での高い燃焼熱と相まって、燃焼筒3でも燃焼材が完全燃焼されて、クリンカなどの発生が抑えられる。
【0135】
さらに、空気孔25は、本体筒2に対して斜めに設けられることも好適である。斜めであることで、空気孔25から本体筒2内部に供給される空気は、旋回流(回転流)を生み出す。特に、本体筒2の円周に対して斜めであることで、旋回流を形成できる。
【0136】
(空気量の制御)
上述のように、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれは、本体筒2の外周を囲む筒状である。
図3は、本発明の実施の形態1における第1空気供給部の斜視図である。
図3に示されるように、第1空気供給部4は、筒状である。なお、第1空気気調整弁41やその他の要素は、図の見易さのために省略している。
【0137】
第2空気供給部5、第3空気供給部6も、
図3と同様の形状を有している。
【0138】
本体筒2は、その外周に沿って空気孔25を有している。この空気孔25は、本体筒2の内部空間と外部とに連通し、この連通する空気孔25を通じて、第1空気供給部3などは、本体筒3内部に空気を送り込む。
【0139】
ここで、第1空気供給部4、第2空気供給部5、第3空気供給部6の順で、本体筒2に供給する空気量が増加する。この増加は、第1空気供給部4に備わる第1空気気調整弁41などの制御によって実現されてもよい。あるいは、第1空気供給部4と本体筒2との間の空気孔25の数もしくは体積、第2空気供給部5と本体筒2との間の空気孔25の数もしくは体積、第3空気供給部6と本体筒2との間の空気孔25の数もしくは体積、の差によって実現されてもよい。
【0140】
このように、第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、本体筒2の根元から先端に向かうにつれて増加する空気を供給する。この結果、第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、本体筒2内部の燃焼熱を、根元から先端に向かうにつれて上昇させることができる。
【0141】
実施の形態1の燃焼装置1は、燃焼材のクリンカを発生させることを抑制し、燃焼材を効率的に完全燃焼させて高い燃焼熱を生成できる。
【0142】
なお、空気供給部は、3つだけに限られず、第1空気供給部〜第n空気供給部が備わっていてもよい。
【0143】
(中央水分供給部)
中央水分供給部35は、
図2のように本体筒2の根元に設けられて、本体筒2の内部空間に水分を供給する。本体筒2の内部空間では、燃焼材が燃焼している。この燃焼によって、内部空間では燃焼熱が発生する。この燃焼熱は、内部空間の断面において、中央付近、周辺において異なる温度の層を形成する。この異なる温度の層が形成されて内部空間での温度分布の不均一が大きくなると、クリンカやNOxが発生しやすくなる。
【0144】
また、本体筒2の内部空間での燃焼熱が燃焼材の本来の最適な燃焼温度よりも高くなりすぎることでも、やはりクリンカやNOxが発生しやすくなる。
【0145】
中央水分供給部35は、内部空間に水分を供給して、内部空間での燃焼温度が高くなりすぎることを防止できる。加えて、中央水分供給部35は、内部空間の中心軸の付近(断面における中央付近)に主として水分を供給できる。すなわち、内部空間の中心軸付近での燃焼熱の過剰な上昇を抑えることができる。後述の周辺水分供給部7〜9からの水分供給と相まって、内部空間での温度分布の不均一を抑えることもできる。
【0146】
中央水分供給部35には、水分供給弁32が接続されている。この水分供給弁32が、中央水分供給部35を介して供給される水分量を調整する。
【0147】
(周辺水分供給部)
周辺水分供給部7〜9は、
図1のように本体筒2の側面に設けられ、側面の外部から本体筒2の内部空間に水分を供給する。このとき、本体筒2の内周付近(すなわち、中央より周辺)に、主として水分を供給する。本体筒2の内部空間は、燃焼材の本来の最適な燃焼温度よりも上昇しすぎることがある。
【0148】
周辺水分供給部7〜9は、中央水分供給部35と同様に、本体筒2の内部空間に水分を供給することで、この過剰な燃焼温度の上昇を抑えることができる。また、内部空間の内周付近である周辺に水分を供給することで、内部空間の温度分布の不均一を抑制できる。例えば、内部空間の内周付近の温度が上がりすぎている場合に、周辺水分供給部7〜9は、この内周付近の温度上昇を主として抑えることができる。
【0149】
周辺水分供給部7〜9は、本体筒2の側面に設けられればよいが、
図1のように、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の少なくとも一部に設けられてもよい。例えば、第1空気供給部4に周辺水分供給部7が設けられる。第2空気供給部5に、周辺水分供給部8が設けられる。第3空気供給部6に、周辺水分供給部9が設けられる。
【0150】
ここで、第1空気供給部4に設けられる空気孔25を介してあるいはこれと並列に、周辺水分供給部7は、本体筒2の内部空間に水分を供給できる。同様に、第2空気供給部5に設けられる空気孔25を介してあるいは並列に、周辺水分供給部8は、本体筒2の内部空間に水分を供給できる。第3空気供給部6に設けられる空気孔25を介してあるいは並列に、周辺水分供給部9は、本体筒2の内部空間に水分を供給できる。
【0151】
このとき、周辺水分供給部7には、水分調節弁71が設けられている。周辺水分供給部8には、水分調節弁81が設けられている。周辺水分供給部9には、水分調節弁91が設けられている。水分調節弁71は、周辺水分供給部7から供給される水分量を調節する。水分調節弁81は、周辺水分供給部8から供給される水分量を調節する。水分調節弁91は、周辺水分供給部9から供給される水分量を調節する。
【0152】
水分調節弁71〜91の調節によって、周辺水分供給部7〜9から、本体筒2の内部空間に供給される水分量やその速度が調節され、過剰な温度上昇を抑えるために最適な水分の供給が実現できる。例えば、温度上昇が大きすぎる場合には、水分調節弁71〜91は、より多くの水分を供給して温度上昇を抑え、温度上昇がそこまで大きくない場合には、少ない水分量で温度上昇を抑える。
【0153】
(水ノズル)
また、
図1、
図2に示されるように、水ノズル351が更に設けられることも好適である。水ノズル351は、燃焼材に直接的に水を付与する。水を付与することで、燃焼材の温度を下げて、より温度上昇を抑えることができる。
【0154】
図1では、周辺水分供給部7〜9は、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の一部に設けられているが、第1空気供給部4〜第3空気供給部6とは、異なる場所に設けられてもよい。
図1のように、空気孔25を空気と水分の供給で兼用することで、本体筒2の構造をシンプルにすることができる。
【0155】
中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9の少なくとも一部は、霧状の水分を供給することも好適である。霧状での水分供給により、少量の水分で温度低下を実現しやすいからである。霧状であることで、供給された水分が大きな体積で燃焼空気と接触して燃焼熱を奪うからである。
【0156】
また、水分の蒸発も容易であり、燃焼空気の体積増加を実現しやすくなるからである。
【0159】
(空気供給部の回転)
本体筒2の回転とは独立して、第1空気供給部4〜第3空気供給部6のそれぞれが、本体筒2の外周とは独立して、第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、本体筒2内部に空気を供給可能である。
【0160】
なお、本体筒2との相対的な位置を変えずに、第1空気供給部4〜第3空気供給部6より空気孔25から供給される。本体筒2は回転していることもあり、本体筒2が回転していないこともありえる。
【0161】
この回転しながら空気孔25からの空気供給によって、本体筒2内部から燃焼筒3内部において、回転流を形成できる。これは、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の空気孔25の傾斜によるものであったり本体筒2の回転によるものであったり、両方の回転によるものであったりする。
【0162】
回転流は、本体筒2内部で燃焼した燃焼材を、燃焼筒3に運搬できる。また、本体筒2内部で、燃焼材を拡散できる。このような作用で、本体筒2内部に燃焼しきれていない燃焼材が残ってしまったり、クリンカが生じてしまったりすることを抑制できる。
【0163】
また、回転流によって、本体筒2から燃焼筒3に供給された空気の積分量が移動できる。この移動によって、燃焼筒3には多くの空気量が供給されて、高い燃焼熱を実現できる。実施の形態1で説明したメカニズムと合わせて、燃焼筒3での燃焼熱は、本体筒2での燃焼熱よりも高い。
【0164】
また、空気孔25は、本体筒2の円周に対して斜めに形成されることも好適である。斜めに形成されることで、空気孔25から供給される空気は、本体筒2の内部空間で回転流(旋回流)を形成しやすくなる。更には、斜めに形成された空気孔25から供給される空気は、内部空間全体に広がりやすくなり、本体筒2での燃焼温度を、断面において一様にさせやすくなる。
【0165】
(水分供給部の独立性)
中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9のそれぞれは、独立して動作可能であることが好適である。これらは、本体筒2の内部空間の燃焼温度の過剰な上昇を抑制するために水分を供給する。このとき、内部空間の中心軸付近であったり、内周付近であったり、根元付近であったり、先端付近であったり、領域によって過剰な温度上昇の度合いが異なることがある。
【0166】
この領域によって異なる過剰な温度上昇の度合いに合わせて、中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9のいずれかが、適切な水分量の水分を供給する。このために、これらは、独立して動作可能であることが好ましい。
【0167】
この独立した水分供給と上述した第1空気供給部4〜第3空気供給部6からの空気供給によって、本体筒2における燃焼材の燃焼温度を、燃焼材のガス化を溶融よりも優先できる温度に維持できる。この結果、クリンカやNOxの発生を抑えることができる。
【0168】
(周辺水分供給部の回転)
上述のように、第1空気供給部4〜第3空気供給部6は、回転可能である。同様に、周辺水分供給部7〜9も回転可能であることも好適である。周辺水分供給部7〜9は、第1空気供給部4〜第3空気供給部6の回転に合わせて回転できることで、回転しながら、水分を内部空間に供給できる。
【0169】
内部空間の内周は、本体筒2の内部全体に存在する。周辺水分供給部7〜9が回転しながら水分を供給することで、本体筒2の内部全体に、万遍なく水分を供給できる。万遍なく水分が供給できることで、本体筒2の内部空間における内周付近の過剰な温度上昇を、適切に抑えることができる。
【0170】
(温度測定と合わせた水分供給)
中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9のそれぞれは、本体筒2の内部空間での過剰な燃焼温度の上昇を抑制する。中央水分供給部35は、内部空間の中心軸付近(中央付近)の温度上昇を、主として抑制する。このとき、この中心軸付近の燃焼温度が、燃焼材本来の燃焼温度よりも高くなっている場合に、温度上昇を抑制することが求められる。温度上昇の抑制のために、中央水分供給部35は、水分を内部空間の中心軸付近に供給するからである。
【0171】
燃焼装置1は、本体筒2の内部空間の中心軸付近の温度である中心温度を測定する中心温度測定部110を更に備える。同様に、本体筒2の内部空間の内周付近の温度である周辺温度を測定する周辺温度測定部100を更に備える。更に、
図4のように、燃焼装置1は、中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9からの水分供給を制御する、制御部200を備えることも好適である。
【0172】
図4は、本発明の実施の形態2における燃焼装置の模式図である。
【0173】
中心温度測定部110は、測定した中心温度を、制御部200に出力する。同様に、周辺温度測定部100は、測定した周辺温度を、制御部200に出力する。この結果、制御部200は、本体筒2の内部空間での中心軸付近の温度や内周付近の温度を把握できる。言い換えれば、内部空間の領域による過剰な温度上昇を把握できる。
【0174】
制御部200は、中心温度および周辺温度の少なくとも一方に基づいて、中央水分供給部35および周辺水分供給部7〜9の少なくとも一部の水分供給を制御できる。
【0175】
制御部200は、中心温度が所定値以上である場合には、中央水分供給部35から、本体筒2の内部空間に水分を供給させる。具体的には、制御部200は、水分調節弁32を開いて、必要となる量の水分を、中央水分供給部35から内部空間に供給させる。
【0176】
中心温度が所定値以上であるということは、本体筒2の内部空間における中央付近での燃焼温度が上がりすぎていることを示している。この所定値は、例えば、燃焼材の最適燃焼温度に基づいて定められる。最適燃焼温度よりもある温度以上を所定値とすると、中心温度が最適燃焼温度をある温度以上となっている場合には、中央付近での燃焼温度が高すぎて、クリンカの発生の懸念がある状態である。
【0177】
制御部200は、この場合には、水分調節弁32を開いて、中央水分供給部35から本体筒2の内部空間における中心軸付近に水分を供給させる。この水分供給により、中心軸付近の燃焼温度の過剰な上昇を抑制できる。
【0178】
また、制御部200は、水分調節弁32からの水分量を調節することで、中心温度に応じた最適な量の水分を、中央水分供給部35から供給させることができる。この結果、最適燃焼温度を維持しやすくなる。
【0179】
同様に、制御部200は、周辺温度が所定値以上である場合には、周辺水分供給部7〜9から、本体筒2の内部空間に水分を供給させる。具体的には、制御部200は、水分調節弁71〜91を開いて、必要となる量の水分を、周辺水分供給部7〜9から、内部空間に供給させる。
【0180】
周辺温度が所定値以上であるということは、本体筒2の内部空間における内周付近での燃焼温度が上がりすぎていることを示している。この所定値は、例えば、燃焼材の最適燃焼温度に基づいて定められる。最適燃焼温度よりもある温度以上を所定値とすると、中心温度が最適燃焼温度をある温度以上となっている場合には、内周付近(中心軸の周辺)での燃焼温度が高すぎて、クリンカの発生の懸念がある状態である。
【0181】
制御部200は、この場合には、水分調節弁71〜91を開いて、周辺水分供給部71〜91から本体筒2の内部空間における内周付近に水分を供給させる。この水分供給により、内周付近の燃焼温度の過剰な上昇を抑制できる。
【0182】
また、制御部200は、水分調節弁71〜91からの水分量を調節することで、周辺温度に応じた最適な量の水分を、周辺水分供給部71〜91から供給させることができる。この結果、最適燃焼温度を維持しやすくなる。
【0183】
制御部200の制御によって、本体筒2の内部空間における中心軸付近(断面における中央付近)および内周付近(断面における周辺付近)のそれぞれの燃焼温度を、最適燃焼温度に近く維持できるようになる。特に、それぞれの領域での過剰な温度上昇を個別に制御できる。この個別の制御により、本体筒2の内部空間の、領域によって異なって生じうる過剰な温度上昇を、適切に抑制できる。これらの結果、本体筒2の内部空間全体での過剰な燃焼温度の上昇を抑制できると共に、領域による燃焼温度の過剰な不均一を抑えることもできる(断面方向での)。
【0184】
このように、制御部200は、実際の温度測定に基づいて、水分供給を制御して、過剰な燃焼温度の上昇を抑制できる。この抑制の結果、クリンカやNOxの発生を抑制しつつ、水蒸気や加熱蒸気を含んで増大した体積を有する燃焼空気を、供給できるようになる。
【0185】
(燃焼材)
燃焼材は、木質チップ、竹質チップ、バイオエタノール燃料およびバイオディーゼル燃料の少なくとも一つを含む。これらの燃料は入手が容易であると共に、環境負荷も低いからである。
【0186】
以上のように、実施の形態2における燃焼装置1は、クリンカの発生などをより抑制できる。また、燃焼装置1内部で徐々に燃焼効率を上げながら燃焼材を燃焼できるので、物理的負荷を抑制して、高い燃焼熱を得ることができる。
【0187】
この高い燃焼熱は、様々な用途に利用できる。
【0188】
以上、実施の形態1〜2で説明された燃焼装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。