特許第6687448号(P6687448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687448
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】熱蛍光シート読み取り装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/115 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   G01T1/115 Z
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-73273(P2016-73273)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-181464(P2017-181464A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】597162329
【氏名又は名称】東洋メディック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】金井 幸三
(72)【発明者】
【氏名】前田 弘康
(72)【発明者】
【氏名】嶋佐 親記
(72)【発明者】
【氏名】増田 研一
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭47−047833(JP,B1)
【文献】 特開昭47−026189(JP,A)
【文献】 特開平08−285797(JP,A)
【文献】 米国特許第03590245(US,A)
【文献】 米国特許第03725659(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/115
G01T 1/11
G01T 1/105
G01T 1/10
G21K 4/00
G03B 42/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が照射された熱蛍光シートから発せられる蛍光を測定する熱蛍光シート読み取り装置であって、
筺体と、
前記筺体に収納され、前記熱蛍光シートを加熱する加熱部と、
前記筺体に収納され、前記加熱部で加熱された前記熱蛍光シートから発せられる蛍光を前記加熱部の下方から撮像する撮像部と、
前記筺体に取り付けられ、前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から空気を取り込み、前記撮像部に向けて送り出す第1冷却ファンと、
前記筺体に取り付けられ、前記加熱部から水平方向に搬出された前記熱蛍光シートによって温められた空気を前記熱蛍光シート読み取り装置の外部に吐き出す第2冷却ファンとを備え、
前記筺体には、前記第1冷却ファンによって前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から取り込まれた空気を、前記加熱部を経て前記第2冷却ファンに導く流路が形成されている
熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項2】
さらに、
前記加熱部の下方から前記熱蛍光シートに付された位置決め用マークを照明する光源を備える
請求項1に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項3】
前記筺体には、
前記加熱部によって加熱される前記熱蛍光シートを収納する加熱室と、
前記第2冷却ファンによって冷却される前記熱蛍光シートを収納する冷却室と、
前記加熱室に収納された前記熱蛍光シートを水平方向に搬出して前記冷却室に搬入する搬送部とが設けられ、
前記加熱室には、前記熱蛍光シートを前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から当該加熱室に搬入するための搬入口が設けられ、
前記冷却室には、前記熱蛍光シートを当該冷却室から前記熱蛍光シート読み取り装置の外部に搬出するための搬出口が設けられている
請求項1又は2に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項4】
さらに、
制御部を備え、
前記筺体は、さらに前記搬入口に扉部と、前記制御部によって制御される鍵部とを備え、
前記制御部は、所定の時間は前記扉部が開かないように前記鍵部を動作させるタイマ機能を備える
請求項3に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項5】
さらに、
平面視で矩形であり、前記熱蛍光シートを保持する平板状のカセットを備え、
前記カセットは、前記搬送部が前記加熱室から前記冷却室に前記熱蛍光シートを保持した前記カセットを搬送する際に、前記搬送部の可動部材に係止される複数の溝部を有し、
前記複数の溝は、前記カセットにおいて、前記カセットが水平面と平行な第1の向きで前記加熱室に搬入されたときにおける前記複数の溝の位置と、前記カセットが前記水平面と平行で、かつ、前記第1の向きと直交する第2の向きで前記加熱室に搬入されたときの前記複数の溝の位置とが一致する位置に形成されている
請求項3又は4に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項6】
さらに、
前記加熱部と前記撮像部との間に設けられ、所定の帯域の波長の光だけを通過させるフィルタ板と、
前記撮像部を支持する保持板とを備え、
前記フィルタ板と前記保持板とは、前記撮像部が有するレンズを挟むように、対向して前記筺体に固定され、
前記筺体には、前記フィルタ板と前記保持板とで挟まれた空間と連通して設けられた点検窓が設けられている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【請求項7】
前記フィルタ板と前記保持板とは、さらに前記流路を形成するための1又は複数の貫通孔を有しており、前記貫通孔の上部には、空気の流れを屈曲させる機構を備える
請求項6に記載の熱蛍光シート読み取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱蛍光シート読み取り装置に関し、特に、放射線が照射された熱蛍光シートから発せられる蛍光を測定する熱蛍光シート読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線の被ばく箇所や被ばく量を検出する放射線線量計は、種々のものが提案されており、例えば、皮膚吸収線量を測定対象とした熱蛍光シート、人体の吸収線量を測定対象とした熱蛍光体板状体又はガラス管に熱蛍光体を封入したもの等のTLD(Thermoluminescent Dosimeter)が利用されている。上述した放射線が照射された熱蛍光体は、加熱することで蛍光を発するため、熱蛍光体を加熱する加熱部と、発せられた蛍光を測定する撮像部とを有した測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、熱蛍光の画像読み取り装置は、熱蛍光体と硝子とからなる混合物から作製された画像提供物となるサンプルシートと、上述したサンプルシートを加熱する加熱部と、サンプルシート設置部と、撮像部とを備える。さらに、画像読み取り装置は、サンプルシート設置部及び撮像部の間に、加熱部の熱が撮像部に伝達されないように熱を遮断する断熱部を備える。
【0004】
これによって、加熱部で発生した熱が撮像部へ伝達することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−28913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された画像読み取り装置は、サンプルシートと撮像部との間に断熱部を設けているが、画像読み取り装置の内部に熱がこもり、筺体を通して熱が撮像部へ伝達される可能性があり、未だ加熱部で発生した熱に関して問題がある。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、加熱部で発生した熱が撮像部へ伝達することを抑制する熱蛍光シート読み取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る熱蛍光シート読み取り装置は、放射線が照射された熱蛍光シートから発せられる蛍光を測定する熱蛍光シート読み取り装置であって、筺体と、前記筺体に収納され、前記熱蛍光シートを加熱する加熱部と、前記筺体に収納され、前記加熱部で加熱された前記熱蛍光シートから発せられる蛍光を前記加熱部の下方から撮像する撮像部と、前記筺体に取り付けられ、前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から空気を取り込み、前記撮像部に向けて送り出す第1冷却ファンと、前記筺体に取り付けられ、前記加熱部から水平方向に搬出された前記熱蛍光シートによって温められた空気を前記熱蛍光シート読み取り装置の外部に吐き出す第2冷却ファンとを備え、前記筺体には、前記第1冷却ファンによって前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から取り込まれた空気を、前記加熱部を経て前記第2冷却ファンに導く流路が形成されている。
【0009】
これにより、熱蛍光シート読み取り装置内に、排熱を効率良く行える空気の流路が形成されるため、撮像部への熱の伝達が抑制される。また、撮像部は、加熱部での熱の影響を受けにくくなるため、熱によるノイズの発生を抑制でき、より精度良く蛍光が測定可能になる。
【0010】
また、熱蛍光シート読み取り装置は、下方から前記熱蛍光シートに付された位置決め用マークを照明する光源を備えてもよい。
【0011】
これにより、蛍光の分布と熱蛍光シートの位置関係が確認できるため、熱蛍光シートに放射線が照射された時と、熱蛍光シートから蛍光を読み取った時とで位置の対応を取ることが可能となる。
【0012】
また、前記筺体には、前記加熱部によって加熱される前記熱蛍光シートを収納する加熱室と、前記第2冷却ファンによって冷却される前記熱蛍光シートを収納する冷却室と、前記加熱室に収納された前記熱蛍光シートを水平方向に搬出して前記冷却室に搬入する搬送部とが設けられ、前記加熱室には、前記熱蛍光シートを前記熱蛍光シート読み取り装置の外部から当該加熱室に搬入するための搬入口が設けられ、前記冷却室には、前記熱蛍光シートを当該冷却室から前記熱蛍光シート読み取り装置の外部に搬出するための搬出口が設けられてもよい。
【0013】
これにより、蛍光の測定と、蛍光の測定が終了した後に行う熱蛍光シートの冷却とが同時に行われ、特に蛍光の測定を連続で行う場合に測定時間の短縮が可能となる。
【0014】
また、熱蛍光シート読み取り装置は、さらに、制御部を備え、前記筺体は、さらに前記搬入口に扉部と、前記制御部によって制御される鍵部とを備え、前記制御部は、所定の時間は前記扉部が開かないように前記鍵部を動作させるタイマ機能を備えてもよい。
【0015】
これにより、熱蛍光シート読み取り装置が高温の際に、作業者は、熱蛍光シート読み取り装置の扉を開けて作業をすることができなくなるので、高温になった熱蛍光シートやカセットに触れて火傷をするなどの事故の危険性を低減することが可能となる。
【0016】
また、平面視で矩形であり、前記熱蛍光シートを保持する平板状のカセットを備え、前記カセットには、前記搬送部が前記加熱室から前記冷却室に搬送する際に前記搬送部の可動部材に係止される複数の溝部を有し、前記複数の溝は、前記カセットにおいて、前記カセットが水平面と平行な第1の向きで前記加熱室に搬入されたときにおける前記複数の溝の位置と、前記カセットが前記水平面と平行で、かつ、前記第1の向きと直交する第2の向きで前記加熱室に搬入されたときの前記複数の溝の位置とが一致する位置に形成されてもよい。
【0017】
これにより、熱蛍光シートを保持するカセットは、第1の向きと、第1の向きと直交する第2の向きとで、装置内部でのカセットの搬送に用いられる溝の位置が略一致する。そのために、作業者がカセットを熱蛍光シート読み取り装置内へ搬入する際に、カセットの向きによる制限を受けないので、作業者の負担を軽減することが可能となる。
【0018】
また、前記加熱部と前記撮像部との間に設けられ、所定の帯域の波長だけを通過させるフィルタ板と、前記撮像部を支持する保持板とを備え、前記フィルタ板と前記保持板とは、前記撮像部が有するレンズを挟むように、対向して前記筺体に固定され、前記筺体には、前記フィルタ板と前記保持板とで挟まれた空間と連通して設けられた点検窓を備えてもよい。
【0019】
これにより、撮像部や撮像部と加熱部との間の空間が開放されることなくレンズの調整やメンテナンスが可能となる。特に、撮像部と加熱部との間の空間は、蛍光を測定中に蛍光が通過する部分であり、可能な限り熱蛍光シート読み取り装置の外部の光を遮断するように構成される。また、レンズは、絞りの調整やメンテナンスが必要になる機会が多いため、作業者がより簡便にレンズの調整が出来るように構成される。つまり、撮像部と加熱部との間の空間が開放されることなくレンズの調整やメンテナンスが可能とすることで、熱蛍光シート読み取り装置の外部の光が内部に侵入することを低減し、より精度良く蛍光を測定することが可能となる。
【0020】
また、前記フィルタ板と前記保持板とは、さらに前記流路を形成するための1又は複数の貫通孔を有しており、前記貫通孔の上部には、空気の流れを屈曲させる機構を備えてもよい。
【0021】
これにより、フィルタ板と保持板との間にある空気がより滞留されにくくなり、熱蛍光シート読み取り装置内の排熱を効率良く行うことができる。また、外部から侵入した光が蛍光を測定する部分へ到達しにくくなるため、より精度良く蛍光を測定することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、加熱部で発生した熱が撮像部へ伝達することを抑制することが可能な熱蛍光シート読み取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明に係る熱蛍光シート読み取り装置の正面側の外観を示す斜視図である。
図2図2は、熱蛍光シート読み取り装置の背面側の外観を示す斜視図である。
図3図3は、熱蛍光シート読み取り装置の正面側の内部構造を示す斜視図である。
図4図4は、熱蛍光シート読み取り装置の背面側の内部構造を示す斜視図である。
図5図5は、図3の破線Vで囲まれた部分を拡大して示すフィルタ板と保持板との間における空気の流路の一例を示す斜視図である。
図6図6は、筺体の内側から見た扉部及び鍵部の一例を示す図である。
図7図7は、カセットの外観の一例を示す斜視図である。
図8図8は、図3の破線VIIIで囲まれた部分を拡大して示すカセットを加熱室から冷却室へ搬送する搬送部と、カセットが加熱室及び/又は冷却室に設置された状態を示す図である。
図9図9は、熱蛍光シート読み取り装置の機能構成と空気の流路を示すブロック図である。
図10図10は、熱蛍光シート読み取り装置による蛍光測定の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0025】
図1は、本発明に係る熱蛍光シート読み取り装置1の正面側の外観を示す斜視図である。図2は、熱蛍光シート読み取り装置1の背面側の外観を示す斜視図である。図3は、熱蛍光シート読み取り装置1の正面側の内部構造を示す斜視図である。図4は、熱蛍光シート読み取り装置1の背面側の内部構造を示す斜視図である。
【0026】
熱蛍光シート読み取り装置1は、放射線等が照射された熱蛍光体を加熱し、熱蛍光体から発せられる蛍光を測定する装置である。例えば、作業者は、放射線の分布を確認したい平面に、上述した熱蛍光シートを設置する。作業者は、熱蛍光シートに放射線を照射した後に熱蛍光シート読み取り装置1で蛍光の測定を行う。すると、作業者は、蛍光の分布や各々の位置での強度が確認できるので、放射線が照射された分布も対応して確認することが可能となる。また、熱蛍光体が照射された放射線量と、熱蛍光体から発せられる蛍光の光量との対応関係が分かっていれば、蛍光の光量から照射された放射線量が間接的に確認できる。
【0027】
熱蛍光体は、外部から放射線が照射された時に、その放射線のエネルギーにより一部の電子が励起され、その状態が保持される。そして、熱蛍光体は、電子が励起された状態で外部から熱的なエネルギーが与えられた時に、電子が基底状態に戻り、蛍光が発せられる。
【0028】
熱蛍光シートは、上述した熱蛍光体がシート状の平面に均一に形成されたものである。
【0029】
図1に示されるように、熱蛍光シート読み取り装置1は、熱蛍光シートを加熱する加熱部19(図3参照)あるいは熱蛍光シートから発せられる蛍光を撮像する撮像部15(図3参照)などを覆う筺体2と、作業者が熱蛍光シート読み取り装置1の操作を指示するための操作部5とを備える。
【0030】
操作部5は、作業者の指示を受け付ける部分であり、例えば、熱蛍光の測定のための加熱部19の温度の設定や測定時間などの指示を受け付ける部分である。
【0031】
筺体2は、筺体2内に熱蛍光シートを設置したカセット31を搬入するための扉部3と、蛍光の測定を終了した後にカセット31を筺体2から取り出すための扉部3aとを備える。筺体2は、さらに熱蛍光シート読み取り装置1の内部に空気を送入する空気送入口6を備える。空気送入口6は、熱蛍光シート読み取り装置1の側面の下側に設けられる。こうすることで、加熱部19より温度の低い筺体2の外側の空気が熱蛍光シート読み取り装置1の下方から筺体2内に取り込まれる。相対的に温度の高い空気は上方へ動くので、筺体2内の排気を効率良く行うことが可能になる。
【0032】
また、筺体2はさらに点検窓4を備える。点検窓4は、筺体2内にあるレンズ16が設置してある部分に連通するように設けられており、蛍光を測定する際の絞りの調整やメンテナンス時に利用するためのものである。
【0033】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、カセット保管部7を備える。
【0034】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、非常停止スイッチ8を備える。非常停止スイッチ8は、緊急時に熱蛍光シート読み取り装置1の動作を停止するためのボタンである。非常停止スイッチ8は、例えば、加熱部19が誤作動を起こした際に、作業者が非常停止スイッチ8を押すことで、熱蛍光シート読み取り装置1の動作を強制的に停止させるものである。
【0035】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、カセット搬入ランプ9a及びカセット搬出ランプ9bを備える。カセット搬入ランプ9a及びカセット搬出ランプ9bは、熱蛍光シート読み取り装置1へカセット31を搬入、あるいは熱蛍光シート読み取り装置1からカセット31を搬出が可能かどうかを作業者へ視覚的に連絡するランプである。
【0036】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、ヒータ通電ランプ10を備える。ヒータ通電ランプ10は、加熱部19に通電している状態、つまり、加熱部19が過熱している状態かどうかを作業者へ視覚的に連絡するランプである。
【0037】
図2に示されるように、筺体2は、さらに空気排出口12を備える。空気排出口12は熱蛍光シート読み取り装置1の内部の空気を外部へ排出するために備えられ、上述した空気送入口6よりも上部に配置される。こうすることで、筺体2内の排気を効率よく行うことが可能になる。
【0038】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、電源・コネクタ部13を備える。電源・コネクタ部13は、メイン電源スイッチ等やヒューズなどを備える。また、図示しない商用交流電源と接続される。さらに、外部とネットワークなどを介して通信を行う場合に通信ケーブルなどの接続端子を備える。
【0039】
また、筺体2は、図2に示されるように、さらに上部通風口11を備える。
【0040】
図3に示されるように、熱蛍光シート読み取り装置1は、撮像部15と、第1冷却ファン14と、加熱室27と、加熱部19と、冷却室22と、光源18と、電源ユニット23とを備える。
【0041】
撮像部15は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えたカメラと、熱蛍光シートから発せられる蛍光を集光するレンズ16と、特定波長の光のみを透過するフィルタ17とを備える。また、撮像部15は、蛍光を測定するタイミングを制御するためにシャッタを備えてもよい。また、撮像部15の温度を効率良く下げるためにヒートシンクやペルチェ素子などを備えてもよい。
【0042】
第1冷却ファン14は、熱蛍光シート読み取り装置1の外部から内部へ空気を送入するために備えられ、撮像部15へ直接送風されるように配置される。
【0043】
加熱室27は、熱蛍光体シートを備えたカセット31を設置するための部屋であり、加熱室27に設置された熱蛍光体シートは、加熱部19により加熱され、蛍光が発せられる。
【0044】
加熱部19は、加熱室27を上部から加熱するための機構を備えており、例えば、電気ヒータ等を備える。
【0045】
冷却室22は、蛍光の測定が終了した熱蛍光シートを、熱蛍光シート読み取り装置1の外部へ搬出する前に熱蛍光シートを冷却するために設置される部屋である。
【0046】
光源18は、上記した加熱室27に熱蛍光シートが設置された状態のとき、熱蛍光シートに光を照射するための照明光源である。光源18は、熱蛍光シートに位置確認用のマークが備えられている場合、この位置を確認するために利用される。光源18は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などが用いられる。光源18に用いられる光は特に限定されないが、可視光でもよいし、上述したフィルタ17を透過する波長の光でもよい。
【0047】
電源ユニット23は、電源・コネクタ部13から供給される電力を制御し、熱蛍光シート読み取り装置1の各部品、例えば、加熱部19に備えられる電気ヒータなどへ電力を供給する。これにより、電気ヒータなどは動作する。
【0048】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、さらに上部冷却ファン20を備える。
【0049】
上部冷却ファン20は、加熱部19の上部に備えられており、加熱部19の近傍の熱を取り除くために、熱蛍光シート読み取り装置1の内部の空気を外部へ排出する、あるいは、熱蛍光シート読み取り装置1の外部の空気を内部へ送入するために備えられる。
【0050】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、さらにモータ28を備える。
【0051】
モータ28は、加熱部19を駆動させるために備えられ、加熱を行う場合には、加熱部19を加熱室27へ近づけるように駆動させ、加熱を行わない場合には、加熱部19を加熱室27から遠ざけるように駆動する。こうすることで、加熱室27の加熱と排熱とをより効率よく行うことが可能となる。
【0052】
なお、加熱室27及び冷却室22は、熱蛍光シート読み取り装置1の内部でカセットが設置される部屋であり、部屋の構造は特に限定されるものではなく、空間を仕切るために壁を設けても良いし、開閉可能な扉を設けてもよい。
【0053】
図4に示されるように、熱蛍光シート読み取り装置1は、さらに、第2冷却ファン24を備える。第2冷却ファン24は、冷却室22の近傍に備えられ、熱蛍光シート読み取り装置1の内部の空気を外部へ排出する。こうすることで、第2冷却ファン24は冷却室22に設置された熱蛍光シートの冷却を行うことができ、さらに、上述した第1冷却ファン14と第2冷却ファン24とで効率良く熱蛍光シート読み取り装置1の内部の排熱を行うことが可能となる。
【0054】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、電源ユニット用ファン25を備える。
【0055】
図5は、図3の破線Vで囲まれた部分を拡大して示すフィルタ板17aと保持板15aとの間における空気の流路の一例を示す図である。図5に示されるように、熱蛍光シート読み取り装置1は、加熱部19と撮像部15との間に、所定の帯域の波長だけを通過させるフィルタ17を備えたフィルタ板17aと、撮像部15を支持する保持板15aとを備える。
【0056】
フィルタ板17aと保持板15aとは、撮像部15が有するレンズ16を挟むように、対向して筺体2に固定され、フィルタ板17aと保持板15aとで挟まれた空間は点検窓4と連通して設けられる。
【0057】
また、フィルタ板17aと保持板15aとは、貫通孔21が設けられており、貫通孔21の空気が排出される側に屈曲部37が設けられる。
【0058】
屈曲部37は、ある貫通孔から別の貫通孔へ直接空気が流れ込むことを防ぎ、熱蛍光シート読み取り装置1の内部の空気をより多く動かすための機構である。また、屈曲部37は、貫通孔21の上部に位置され、さらに貫通孔21と撮像部15の間を覆うように配置される。こうすることで、熱蛍光シート読み取り装置1の外部の光が、迷光となって装置内部に入り込み、撮像素子へ侵入する光量を低減することが可能となる。また、迷光を低減するために、熱蛍光シート読み取り装置1内部の壁面などは、光反射率を低くすることが好ましく、光吸収材が利用されてもよいし、光吸収材で表面が塗装されていてもよい。
【0059】
また、各々の貫通孔21は、可能な限り距離をおいて配置されてもよい。こうすることで、熱蛍光シート読み取り装置1の内部の空気をより多く動かすことが可能となる。
【0060】
図6の(a)は、筺体2の内側から見た扉部3及び鍵部26の一例を示す図である。図6の(b)は、図6の(a)の破線VIで囲まれた部分を拡大して示す斜視図である。図6に示されるように、扉部3が配置される筺体2の内側に、制御部29からの指示を受けて電気的に動作される可動部26aを備える鍵部26が備えられる。
【0061】
制御部29は、CPU(Central Processing Unit)や制御プログラムによって実現される処理部である。制御部29は、例えば、作業者がカセット31を加熱室27に設置し、加熱部19を可動させた段階で鍵部26を動作させ、扉部3が開かないようにする。制御部29は、予め設定された所定の時間が経過した後に、再度鍵部26を動作させ、扉部3を開くようにする。また、制御部29は、カセット搬入ランプ9aへ、鍵部26がロックした状態かどうかを判定し、カセット搬入ランプ9aを点灯又は消灯させる指示を出す。また、制御部29は、ヒータ通電ランプ10へ、加熱部19のヒータ等が動作中かどうかを判定し、ヒータ通電ランプ10を点灯又は消灯させる指示を出す。なお、鍵部26を動作させるタイミングは、特に限定されるものではない。例えば、熱蛍光シート読み取り装置1に温度センサを設け、検知した温度によって鍵部26を動作させ、扉部3が開かないようにしてもよい。また、作業者が、操作部5から鍵部26へ指示を出せるようにしてもよい。また、筺体2は、扉部3aの開閉を制御するために、搬出口の近傍に鍵部26を備えてもよい。
【0062】
図7は、カセット31の外観の一例を示す図である。図7に示されるように、カセット31は、熱蛍光シート読み取り装置1へ熱蛍光シートを搬入する際に使用される、熱蛍光シートを保持するための部材である。カセット31は、溝部32と、熱蛍光シート保持部34と、耐熱ガラス35とを備える。
【0063】
溝部32は、カセット31を加熱室27から冷却室22へ搬送する際に、搬送部36が備えたカセット係止部36aに係止される部分であり、複数箇所に形成されている。また、複数の溝部32は、カセット31が水平面と平行な第1の向きで加熱室27に搬入された場合の位置と、カセット31が水平面と平行で、かつ、第1の向きと直交する第2の向きで加熱室27に搬入された場合の位置とが略一致する位置に形成されている。カセット31を平面視した場合の図形が、例えば、正方形に形成されている場合、カセット31は、4つの辺のいずれの辺から搬入された場合においても、略一致する位置に溝部32が形成されている。こうすることで、作業者は、熱蛍光シート読み取り装置1へカセット31を搬入する際に、カセット31の向きを気にする必要がなくなる。そのため、作業者は、カセット31を搬入する際の負担が軽減される。なお、溝部32は、搬送部36が備えるカセット係止部36aに係止される構造であればよく、例えば、窪みや貫通孔など、特に限定されない。
【0064】
熱蛍光シート保持部34は、熱蛍光シートをカセット31に保持する部分である。
【0065】
耐熱ガラス35は、熱膨張率が低く、温度変化に対して割れないように強化されたガラスであり、例えば、二酸化ケイ素と酸化ホウ素とで形成される。耐熱ガラス35は、熱蛍光シートと撮像部15との間に位置され、熱蛍光シートから発せられる蛍光を透過する透光性をさらに有する。
【0066】
また、カセット31は、熱蛍光シート保持部34が接触又は近接する部分が、マグネットで形成されてもよいし、マグネットが嵌め込まれてもよい。さらに、熱蛍光シート保持部34は、鉄などの強磁性体で形成されてもよい。こうすることで、作業者は、熱蛍光シートを磁力によりカセット31と熱蛍光シート保持部34とで挟んで固定することが可能となる。そのため、作業者は、カセット31の取り扱いが容易になる。
【0067】
また、カセット31は、作業者が取り扱いをしやすいように、カセット31に窪みや孔などが形成された取っ手部33を備える。
【0068】
また、カセット31は、熱蛍光シートをより押さえやすくするために熱蛍光シート保持板を備えてもよい。例えば、熱蛍光シートが小さい等、熱蛍光シートを熱蛍光シート保持部34で保持できない場合に、熱蛍光シートを熱蛍光シート保持板で熱蛍光シートを耐熱ガラス35へ押さえつけ、熱蛍光シート保持部34で熱蛍光シート保持板を保持する。こうすることで、熱蛍光シートがカセット31に収まる大きさであれば、熱蛍光シートの形状によらず、熱蛍光シートをカセット31で保持することが可能となる。また、熱蛍光シート保持板は、加熱により熱蛍光シートが反り返るのを抑制し、かつ、加熱部19と接触し溶着することを抑制することを可能とする。
【0069】
図8は、図3の破線VIIIで囲まれた部分を拡大して示すカセット31を加熱室27から冷却室22へ搬送する搬送部36と、カセット31が加熱室27及び/又は冷却室22に設置された状態を示す図である。図8に示されるように、搬送部36は熱蛍光シート読み取り装置1内を移動できるように形成されており、搬送部36には、さらに搬送部36とは別に駆動可能なカセット係止部36aを備える。
【0070】
搬送部36は、蛍光の測定が終了した後に、熱蛍光シートを保持するカセット31を、加熱室27から冷却室22へ搬送する。まず、搬送部36は、加熱室27へ近づくように移動を開始する。搬送部36は、加熱室27に設置されているカセット31に近づいたところで駆動を一旦停止する。次に、カセット係止部36aが駆動し、カセット係止部36aはカセット31の溝部32に係止される。搬送部36は、カセット係止部36aがカセット31に係止された状態で駆動し、冷却室22へカセット31を搬送させる。搬送部36は、カセット31を冷却室22へ搬送した後で停止する。カセット係止部36aは、カセット31を係止していない状態になるように駆動する。
【0071】
なお、搬送部36は、カセット係止部36aがカセット31の溝部32に係止され、カセット31を加熱室27から冷却室22へ搬送できるような機構であればよく、特に限定されない。
【0072】
図8の(a)は、熱蛍光シート読み取り装置1にカセット31が設置されていない状態である。図8の(b)は、熱蛍光シートが保持されたカセット31が、作業者により搬入口38から加熱室27へ搬入された後に、加熱室27に設置された状態である。図8の(c)は、熱蛍光シートが保持されたカセット31が、搬送部36によって冷却室22へ移動し、冷却室22に設置された状態である。カセット31は、冷却室22に所定の時間設置された後、作業者によって熱蛍光シート読み取り装置1から取り出される。図8の(d)は、カセット31が冷却室22に設置され、かつ、新カセット31aが作業者によって新たに加熱室27へ設置された状態である。こうすることで、熱蛍光シート読み取り装置1は、カセット31aの加熱と、カセット31の冷却とを同時に行うことが可能となる。
【0073】
図9は、熱蛍光シート読み取り装置1の特徴的な機能構成と空気の流路を示すブロック図である。つまり、本発明に係る図1〜9に示される実施例の構成によって発揮される熱蛍光シート読み取り装置1の機能のうち、本発明に係る機能を示すブロック図である。
【0074】
この熱蛍光シート読み取り装置1は、操作部5と、制御部29と、記憶部30と、加熱部19と、加熱室27と、撮像部15と、第1冷却ファン14と、第2冷却ファン24と、冷却室22と、搬送部36とを備える。
【0075】
操作部5は、作業者の指示を受け付ける装置である。
【0076】
制御部29は、CPUや制御プログラムによって実現される処理部である。
【0077】
記憶部30は、制御プログラムやデータ等を保持する部分であり、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)によって実現される。記憶部30は、例えば、加熱部19の温度制御条件や撮像部15で取得した画像データなどを保持する。ここで温度制御条件とは、加熱部19の温度を所定の温度で、所定の時間保持する条件が設定されたプログラムである。
【0078】
加熱部19は、熱蛍光シートが保持されたカセット31が搬入される加熱室27を加熱するためのもので、電気ヒータ等のヒータユニットを備える。
【0079】
加熱室27は、熱蛍光シートから発せられる蛍光を測定するために、加熱部19により加熱される熱蛍光シートが設置される部屋である。
【0080】
撮像部15は、蛍光を測定する撮像素子を有するカメラと、蛍光を集光するレンズ16と所定の波長のみを透過するフィルタ17とを備え、加熱部19の下方に設置される。
【0081】
第1冷却ファン14は、熱蛍光シート読み取り装置1の外部から内部へ空気を送入するように動作され、撮像部15に隣接して設置される。
【0082】
第2冷却ファン24は、熱蛍光シート読み取り装置1の内部から外部へ空気を排出するように動作され、冷却室22に隣接して設置される。
【0083】
冷却室22は、蛍光の測定が終了した熱蛍光シートを、熱蛍光シート読み取り装置1の外部へ搬出する前に、熱蛍光シートを冷却するために設置される部屋である。
【0084】
搬送部36は、カセット31を加熱室27から冷却室22へ移動させる装置である。
【0085】
以上のような構成にすることで、熱蛍光シート読み取り装置1の内部において、図9に示される矢印の向きに空気の流路が形成される。つまり、空気は、第1冷却ファン14によって筺体2内に取り込まれ、撮像部15近傍を通過し、加熱部19を経て、つまり加熱部19の近傍を通過する。加熱部19の近傍を通過した空気は、冷却室22を通過し、第2冷却ファン24によって筺体2の外へ排出される。これにより、熱蛍光シート読み取り装置1は、加熱部19で発生したが熱撮像部15へ伝達することを抑制できる。
【0086】
次に、以上のように構成された本実施の形態における熱蛍光シート読み取り装置1の動作に関して説明する。
【0087】
図10は、熱蛍光シート読み取り装置1の蛍光測定の手順を示すフローチャートである。
【0088】
まず、作業者は熱蛍光シートが保持されたカセット31を加熱室27に設置する(S10)。
【0089】
次に、作業者からの指示を受け付けた制御部29は加熱部19を作動させ、加熱室27を加熱する(S11)。このときに、制御部29は、第1冷却ファン14及び第2冷却ファン24を駆動させる。これにより、熱蛍光シート読み取り装置1の内部には空気の流路が形成される。また、制御部29は鍵部26を駆動し、扉部3が開かないようにする(S12)。加熱室27は徐々に温度が上昇し、熱蛍光シートからは温度の上昇とともに蛍光が発せられ、撮像部15は蛍光を検知する。
【0090】
次に、制御部29は、蛍光の測定が終了した段階で、加熱部19の動作を停止する(S13)。そして、制御部29は光源18を動作させ熱蛍光シートに向けて光を照射させる。光源18が熱蛍光シートへ光を照射した状態で、撮像部15は熱蛍光シートに付されている位置決めマークを検出する(S14)。
【0091】
次に、搬送部36は、カセット31を加熱室27から冷却室22へ搬送する(S15)。
【0092】
最後に、制御部29は、予め設定された所定の時間が経過した後で鍵部26を動作させ扉部3のロックを解除する(S16)。
【0093】
また、測定を行いたい熱蛍光シートがある場合には、上述した手順を繰り返す。
【0094】
以上のように、熱蛍光シート読み取り装置1は、加熱部19の下方に撮像部15を備え、撮像部15の近傍から熱蛍光シート読み取り装置1の内部へ空気を送入し、熱蛍光シート読み取り装置1の上方から排出するようにする。こうすることで、熱蛍光シート読み取り装置1の内部に、排熱を効率良く行える空気の流路が形成されるため、撮像部15への熱の伝達を抑制することが可能となる。
【0095】
また、熱蛍光シートに付された位置決め用マークを照明する光源18を備える。こうすることで、蛍光の分布と熱蛍光シートの位置関係が明確化されるため、熱蛍光シートに放射線が照射された時と、熱蛍光シートから蛍光を読み取った時とで位置の対応を取ることが可能となる。
【0096】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、加熱室27と冷却室22とを備える。こうすることで、蛍光の測定と、蛍光の測定が終了した後に行う熱蛍光シートの冷却とが同時に行われるため、特に、蛍光の測定を連続で行う場合に、熱蛍光シート読み取り装置1の使用時間の短縮が可能となる。
【0097】
また、筺体2は、搬入口38に扉部3及び電気的に動作される鍵部26を備える。さらに、熱蛍光シート読み取り装置1は、所定の時間は扉部3が開かないように鍵部26を動作させるタイマ機能を有する制御部29を備える。こうすることで、熱蛍光シート読み取り装置1が高温時に、作業者は熱蛍光シート読み取り装置1の扉を開けて作業をすることができなくなる。よって作業者は高温の熱蛍光シートやカセット31に触れて火傷をする等の事故の危険性を減らすことが可能となる。
【0098】
また、カセット31は、複数の溝部32を備え、カセット31が水平面と平行な第1の向きで加熱室27に搬入された場合の溝の位置と、カセット31が水平面と平行で、かつ、第1の向きと直交する第2の向きで加熱室27に搬入された場合の溝の位置とが略一致する。つまり、熱蛍光シートを保持するカセット31は、第1の向きと、第1の向きと直交する第2の向きとで、装置内部でのカセット31の搬送に用いられる溝の位置が略一致する。こうすることで、カセット31を設置する際にカセット31の向きによる制限を受けないので、作業者の負担を軽減することが可能となる。
【0099】
また、フィルタ板17aと保持板15aとは、撮像部15が有するレンズ16を挟むように、対向して筺体2に固定され、筺体2は、フィルタ板17aと保持板15aとで挟まれた空間と連通して設けられた点検窓4が設けられている。こうすることで、撮像部15や撮像部15と加熱室27の間の空間が開放されることなくレンズ16の絞りの調整やメンテナンスが可能となる。
【0100】
また、フィルタ板17aと保持板15aとは、流路を形成するための1又は複数の貫通孔21を有しており、貫通孔21の上部には、空気の流れを屈曲させる屈曲部37を備える。こうすることで、フィルタ板17aと保持板15aとの間にある空気がより滞留されにくくなり、熱蛍光シート読み取り装置1の内部の排熱を効率よく行うことができる。また、熱蛍光シート読み取り装置1外部から侵入した光が蛍光を測定する部分へ到達しにくくなるため、より精度良く蛍光を測定することが可能となる。
【0101】
以上、本発明の熱蛍光シート読み取り装置1について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当事者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明に含まれる。
【0102】
例えば、搬送部36に関して、本明細書では駆動方法は特に限定していないが、蛍光の測定を終了する条件を記憶部30に保持し、条件が満たされた場合に制御部29は搬送部36に指示を出し、搬送部36を駆動させてカセット31を搬送するようにしても良い。ここで蛍光の測定を終了する条件とは、撮像部15が熱蛍光シートからの蛍光を検知することを終了する条件である。例えば、蛍光の測定を終了する条件は、蛍光を測定する時間で決定してもよいし、作業者が操作部5から指示を出せるようにしても良い。
【0103】
また、熱蛍光シート読み取り装置1は、ネットワークを介して外部の情報機器などと接続できるようしても良い。例えば、熱蛍光シート読み取り装置1にアクセス可能な端末装置から、熱蛍光シート読み取り装置1へ蛍光測定の測定開始や測定の中断などを指示できるようにしても良いし、記憶部30に保持されている温度制御条件を変更できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、熱蛍光シート読み取り装置として、例えば、TLDから放出される蛍光を測定するための装置として、撮像部への熱の伝達を抑制する熱蛍光シート読み取り装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 熱蛍光シート読み取り装置
2 筺体
3、3a 扉部
4 点検窓
5 操作部
6 空気送入口
7 カセット保管部
8 非常停止スイッチ
9a カセット搬入ランプ
9b カセット搬出ランプ
10 ヒータ通電ランプ
11 上部通風口
12 空気排出口
13 電源・コネクタ部
14 第1冷却ファン
15 撮像部
15a 保持板
16 レンズ
17 フィルタ
17a フィルタ板
18 光源
19 加熱部
20 上部冷却ファン
21 貫通孔
22 冷却室
23 電源ユニット
24 第2冷却ファン
25 電源ユニット用ファン
26 鍵部
26a 可動部
27 加熱室
28 モータ
29 制御部
30 記憶部
31、31a カセット
32 溝部
33 取っ手部
34 熱蛍光シート保持部
35 耐熱ガラス
36 搬送部
36a カセット係止部
37 屈曲部
38 搬入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10