特許第6687462号(P6687462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6687462シャント抵抗器およびシャント式電流検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687462
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】シャント抵抗器およびシャント式電流検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01C 13/00 20060101AFI20200413BHJP
   H01C 1/144 20060101ALI20200413BHJP
   G01R 15/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   H01C13/00 J
   H01C1/144
   G01R15/00 500
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-100503(P2016-100503)
(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公開番号】特開2017-208475(P2017-208475A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100092406
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】蓮見 啓悟
(72)【発明者】
【氏名】秋月 清人
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−204315(JP,A)
【文献】 実開昭48−108187(JP,U)
【文献】 特開2015−145813(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0003322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 13/00
G01R 15/00
H01C 1/144
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の金属材からなる一対の端子と、該端子よりも抵抗温度係数の小さい金属材からなり、前記端子に固定された抵抗体と、前記端子は、その厚み方向に貫通する孔部を有するとともに、該孔部の周囲の前記端子の厚みを異ならせて凹んだ領域を設け、該領域の長手方向に沿って少なくとも一方に側壁を備えたシャント抵抗器と、
導電性の金属材からなる配線部材と、を備え、
前記配線部材は、前記孔部の周囲に形成され前記端子の厚み方向に凹んだ領域に嵌合して固定されてなる、シャント式電流検出装置。
【請求項2】
凹んだ領域は端子の全長に渡って形成されている、請求項1に記載のシャント式電流検出装置
【請求項3】
凹んだ領域は端子の端部において開放部を有する、請求項1または2に記載のシャント式電流検出装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗体に流れる電流を検出するシャント抵抗器および該シャント抵抗器を用いた電流検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリの充放電電流の検出、電気自動車やハイブリッド自動車などを駆動するモータ電流の検出、エアコン等の電気機器、太陽電池等による発電設備などの電流の検出において、シャント抵抗器を用いて、抵抗体への通電によって生じる電位差を計測することにより、電流が検出されている。
【0003】
特に、バッテリ等の電源から各種電装機器に電流を流すための経路としてバスバー(Busbar)が使用され、バスバーにシャント抵抗器を接続して電流検出を行うことがある。このような場合、配線部材であるバスバーとシャント抵抗器は、シャント抵抗器の端子とバスバーをネジ止め(ボルト締め)により固定することがある(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、配線部材であるバスバーの端部と、シャント抵抗器の端子とをボルト締めにより接続固定するときに、ボルトの締め付けによって、バスバーの端部とシャント抵抗器の端子が正しい位置(例えば直線状)に固定されず、バスバーとシャント抵抗器が位置ずれを起こす(例えば斜めに固定される)ことがある。
【0005】
そして、シャント抵抗器において、長尺の端子と抵抗体とを溶接で接合した構造のものがあり、溶接で接合した部分の強度が他所に比べて劣る場合がある。
【0006】
このようなシャント抵抗器を、ボルト締めにより他のバスバー(配線部材)に接続固定しようとすると、ボルト締めの回転力によってシャント抵抗器の端子と抵抗体の溶接部分に応力が加わることがある。これによってシャント抵抗器の端子と抵抗体との接合状態が影響を受け、電流検出の精度を損なうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−3694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、シャント抵抗器の端子をバスバー(配線部材)にボルト締めで接続固定するに際して、ボルト締めによる抵抗体と端子の接合面への影響を排除し、電流を高精度且つ高信頼性で測定することができるシャント抵抗器および電流検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシャント式電流検出装置は、導電性の金属材からなる一対の端子と、該端子よりも抵抗温度係数の小さい金属材からなり、前記端子に固定された抵抗体と、前記端子は、その厚み方向に貫通する孔部を有するとともに、該孔部の周囲の前記端子の厚みを異ならせて凹んだ領域を設け、該領域の長手方向に沿って少なくとも一方に側壁を備えたシャント抵抗器と、導電性の金属材からなる配線部材と、を備え、前記配線部材は、前記孔部の周囲に形成され前記端子の厚み方向に凹んだ領域に嵌合して固定されてなる、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、シャント抵抗器の端子をバスバー(配線部材)にボルト締めで接続固定するに際して、バスバー(配線部材)の端部を端子に形成した凹んだ領域に嵌合し、孔部を貫通したボルトで、締め付けにより固定するので、ボルトを強く締め付けても、バスバー(配線部材)の端部は側壁によって動きが規制される。これにより、バスバー(配線部材)の端部とシャント抵抗器の端子が正しい位置に固定され、シャント抵抗器の端子と抵抗体との接合状態が影響を受け、電流検出の精度を損なうという問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明の実施例1のシャント抵抗器の表面側の斜視図である。
図1B】本発明の実施例1のシャント抵抗器の裏面側の斜視図である。
図2】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続する分解斜視図である。
図3図2のAA線に沿った断面図である。
図4A】本発明の実施例2のシャント抵抗器の表面側の斜視図である。
図4B】本発明の実施例2のシャント抵抗器の裏面側の斜視図である。
図5】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続する分解斜視図である。
図6図5のAA線に沿った断面図である。
図7】本発明の実施例3のシャント抵抗器の表面側の斜視図である。
図8】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続した斜視図である。
図9】本発明の実施例4のシャント抵抗器の表面側の斜視図である。
図10】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続した斜視図である。
図11】本発明の実施例5のシャント抵抗器と他のバスバーの分解斜視図である。
図12】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続した斜視図である。
図13図12のBB線に沿った断面図である。
図14】本発明の実施例6のシャント抵抗器と他のバスバーの分解斜視図である。
図15】上記シャント抵抗器を他のバスバーに接続した斜視図である。
図16図15のBB線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図1A乃至図16を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
【0013】
図1A及び図1Bは本発明の実施例1のシャント抵抗器を示す。このシャント抵抗器1は、Cu等の高導電性の金属材からなる一対の端子11A,11Bと、この端子よりも抵抗温度係数の小さい金属材からなり、端子11A,11B間に固定された抵抗体12を備える。抵抗体12は、Cu−Mn−Ni系、Cu−Ni系、Ni−Cr系等の抵抗温度係数がCu等の金属材よりも小さい金属材で構成されていることが好ましい。
【0014】
抵抗体12の両端面は、端子11Aの端面と端子11Bの端面に、端面同士を突き合わせて溶接され、接合面が形成されている。溶接には、電子ビーム溶接、レーザービーム溶接、ろう接、等が用いられる。なお、抵抗体の端面と配線部材の端面を重ねて、圧接して接合面を形成する等の構造もしくは製造方法でもよい。
【0015】
抵抗体12の両側の端子11A,11Bには、抵抗体12の近傍に電圧端子13A、13Bが設けられている。よって、端子11A,11Bに流れる電流は、抵抗体12を通過し、その両端の電位差が電圧端子13A、13Bで検出される。端子11A,11Bは、長尺状であり、このシャント抵抗器1は端子11A,11B間に抵抗体12が組み込まれた所定の長さを有するシャント抵抗器である。
【0016】
従って、長尺の端子11A,11Bが電極の機能を果たし、バスバーの機能とシャント抵抗器の機能を一体にすることで、端子11A,11B間に流れる電流を高精度且つ高信頼性で測定することが可能となる。
【0017】
抵抗体12の両側の端子11A,11Bの両端部には、他のバスバー(配線部材)や、バッテリその他の機器との接続部を備える。接続部は、図示するように、孔部15A,15Bと、裏面に凹んだ領域16A,16Bを備える。凹んだ領域16A,16Bはその周囲に側壁17を備える。側壁17は、領域16A,16Bの長手方向(端子の長手方向にも一致している)に沿って形成されている。また本実施例においては、領域16A,16Bの内側の終端部分も側壁17が形成されている。そして、凹んだ領域16A,16Bは端子11A,11Bの端部において、開放部18を有する。本実施例では、領域16A,16Bの両側部に側壁17が形成したが、いずれか一方に側壁17が形成されていれば、本発明の効果が得られる。
【0018】
凹んだ領域16A,16Bは、切削、プレス等で形成する。本例では、電圧端子13A、13Bを形成した面とは反対側となる裏面に形成したが、電圧端子13A、13Bを形成した表面と同じ面に形成してもよい。
【0019】
図2は、シャント抵抗器1を配線部材(バスバー)20A,20B間に接続する状態を示し、図3図2のAA断面を示す。図示するように、一対の導電性の金属材からなる配線部材(バスバー)20A,20Bの先端は端子11A,11Bの凹んだ領域16A,16Bに嵌合し、凹んだ領域の底面と三方の側壁17に接触して固定される。
【0020】
そして、ボルト21が孔部15B,15b等を貫通し、ナット22の締め付けにより、端子11A,11Bの所定位置(凹んだ領域16A,16B)に配線部材(バスバー)20A,20Bの先端部分が嵌合して固定される。
【0021】
すなわち、配線部材(バスバー)20A,20Bの端部が、厚み方向においてその一部が凹んだ領域16A,16Bの側壁17内に嵌合する。そして、配線部材(バスバー)20A,20Bの端部の一面は、凹んだ領域16A,16Bの底面に当接する。そして、配線部材(バスバー)20A,20Bの端部の三面が、それぞれ側壁17に当接し位置決めされる。
【0022】
このため、シャント抵抗器の端子をバスバー(配線部材)にボルト締めで接続固定するとき、ボルトを強く締め付けても、バスバー(配線部材)の端部は端子の側壁で動きが規制される。これにより、バスバー(配線部材)の端部とシャント抵抗器の端子が正しい位置に接続固定され、バスバー(配線部材)とシャント抵抗器が位置ずれを起こすという問題が解決される。
【0023】
すなわち、従来の凹んだ領域が存在しない場合において、ボルトの締め付けによって、バスバーとシャント抵抗器が位置ずれを起こすことがあり、また、シャント抵抗器の端子と抵抗体の溶接部分に応力が加わることがある。これによって端子と抵抗体との接合状態が影響を受け、電流検出の精度を損なうという問題が存在したが、端子に設けた凹んだ領域で配線部材の動きを規制することで、上記問題が解決される。
【0024】
図4A図4Bは実施例2のシャント抵抗器の表裏面を示し、図5はシャント抵抗器2の端部を他のバスバー20A、20Bに接続した状態を示す。実施例1との違いは、図4A図4Bに示すとおり、端子11A,11Bの全長に亘って凹んだ領域16A,16Bが形成されている点にある。
【0025】
この全長に亘って凹んだ領域16A,16Bが形成されている端子11A,11Bは異形伸線技術により形成される。異形伸線技術とは、ダイスやロールを使って、断面形状を異形とした長尺材を伸線加工する技術である。図示のように凹んだ領域16A,16Bが形成された長尺材を連続的に製造でき、これを適宜の寸法に切断することで端子11A,11Bを製造できる。
【0026】
実施例1と比べると、凹んだ領域を形成するためのプレスによる2次加工等が不要となり、凹んだ領域16A,16Bを備えた端子11A,11Bを容易に量産できる。そして、図6に示すように、配線部材(バスバー)20Aの端部が、厚み方向においてその一部が凹んだ領域16Aの側壁17内に嵌合する。
【0027】
これにより、実施例1と同様に、配線部材(バスバー)20A,20Bの側部が、それぞれ側壁17に当接し、端子の厚み方向に凹んだ領域16A,16Bに嵌合して固定される。領域16A,16Bの長手方向に沿って形成された側壁17によって配線部材が位置決めされるため、ボルトの締め付けにより、配線部材(バスバー)とシャント抵抗器が位置ずれを起こすという問題が解決される。本実施例では、領域16A,16Bの両側に側壁17を形成したが、片方のみに側壁17を形成してもよい。また、端子11A,11Bと配線部材20A,20Bとが重なる面積を長さ方向に大きくした場合において、位置ずれを防止することができる。例えば、端子11Aや11Bの全面に、配線部材20A,20Bを、位置ずれすること無く重ねることが容易となる。これにより、シャント抵抗器の熱容量が大きくなり、発熱を抑えることができる。
【0028】
図7は本発明の実施例3のシャント抵抗器を示す。シャント抵抗器3は抵抗体12に対する端子11A,11Bの配置方向と、略直交するように凹んだ領域16Bを形成した例である。一方の端子11Bにのみ凹んだ領域16Bを形成した例を示しているが、他方の端子11Aも同様の形状にしてもよい。この実施例では、端子11Bを幅広の形状にしており、凹んだ領域16Bを長く形成している。なお、凹んだ領域は、実施例1と同様に、切削、プレス等により形成する。
【0029】
図8はシャント抵抗器3をバスバー20Bに接続したシャント式電流検出装置の例を示す。この例においても、導電性の金属材からなる配線部材(バスバー)20Bは凹んだ領域16Bに嵌合し、領域16Bの長手方向に沿って形成した側壁17により配線部材20Bの両側を挟んで位置決めし、ボルト21と図示しないナットの締め付けにより固定されている。
【0030】
この例では、端子11Bを幅広の形状にしており、凹んだ領域16Bを長く形成している。従って、バスバー20Bの端子11Bへの組み付けにおいて、ボルト21の締め付けに対して、より好適に位置決めすることができる。そして、端子11Bが幅広のため、放熱も良好である。
【0031】
図9は本発明の実施例4のシャント抵抗器を示す。シャント抵抗器4は抵抗体12に対する端子11A,11Bの配置方向と、略直交するように凹んだ領域16Bを形成した例である点は実施例3と同様である。しかしながら、実施例3では側壁17が凹んだ領域16Bの両側にあるのに対し、実施例4では側壁17が凹んだ領域16Bの片側のみである点で相違する。また、実施例4では、端子11Bを折り曲げ加工することで凹んだ領域16Bを形成した点で相違する。なお、実施例3、実施例4では、凹部16もしくは側壁17の方向が、端子11A,11Bの配置方向と略直角となるようにしたが、この角度は任意に変えてもよい。側壁17により、シャント抵抗器と、バスバーとの取付角度を予め定めた角度にて固定することができる。
【0032】
図10はシャント抵抗器4をバスバー20Bに接続したシャント式電流検出装置の例を示す。この例においては、導電性の金属材からなる配線部材(バスバー)20Bは凹んだ領域16Bの一方の側壁17とその底面に嵌合して、ボルト21と図示しないナットの締め付けにより固定されている。この例においても、ボルト21の回転に対して、一方の側壁17のみでも、締め付け回転力によって位置ずれを生じることなく、バスバー20を端子11Bに固定できる。
【0033】
図11は本発明の実施例5のシャント抵抗器と、これに対応したバスバー先端部の構成例を示す。シャント抵抗器5は、端子11Aの端部の孔部15Aの周囲に、鋸歯状の凹凸部19を備え、端子11Bの端部の孔部15Bの周囲にも、鋸歯状の凹凸部19を備える。そして、バスバー20A側には、鋸歯状の凹凸部19に嵌りあう鋸歯状の凹凸部19xを、バスバー20B側にも、鋸歯状の凹凸部19に嵌りあう鋸歯状の凹凸部19xを、それぞれ形成している。鋸歯状の凹凸部19,19xは切削やプレス加工等で形成される。
【0034】
図12はシャント抵抗器5をバスバー20Bに接続したシャント式電流検出装置の例を示す。この例においては、端子11A,11Bの鋸歯状の凹凸部19に、配線部材20A,20Bの鋸歯状の凹凸部19xをそれぞれ嵌め合せて(図13参照)、ボルト21と図示しないナット22で締め付け固定する。
【0035】
実施例5においては、鋸歯状の凹凸部19の、鋸歯状の凸部が他の実施例に開示する側壁に相当し、凸部と凸部の間の底部が凹んだ領域に相当する。よって、ボルト21の締め付け回転力によって、位置ずれを生じることなく、バスバー20A,20Bを端子11A,11Bに固定できる。これにより、電流を高精度および高信頼性で測定することができることは他の実施例と同様である。
【0036】
図14は本発明の実施例6のシャント抵抗器と、これに対応したバスバー先端部の構成例を示す。シャント抵抗器6の端子11A、11Bはその一面の全面に鋸歯状の凹凸部19を備える。その他の構成は実施例5のシャント抵抗器と同様である。そして、バスバー20A、20B側にも、鋸歯状の凹凸部19に嵌りあう鋸歯状の凹凸部19xを備える。実施例6においても、鋸歯状の凹凸部19の、鋸歯状の凸部が他の実施例に開示する側壁に相当し、凸部と凸部の間の底部が凹んだ領域に相当する。該領域は、端子11A,11Bの長手方向に沿って形成されており、また、該領域の長手方向に沿って凸部19(側壁)が形成されている。
【0037】
図15はシャント抵抗器6をバスバー20A、20Bに接続したシャント式電流検出装置の例を示す。この例においても、端子11A,11Bの鋸歯状の凹凸部19に、配線部材20A,20Bの鋸歯状の凹凸部19xをそれぞれ嵌め合せて(図16参照)、ボルト21と図示しないナット22で締め付け固定する。
【0038】
実施例6においては、鋸歯状の凹凸部19を備えた端子11A、11Bを実施例2と同様に異形伸線技術により形成する。この例においては、図16に示すように、端子11Aの全面とバスバー20Aの全面で、凹凸部19と19xが噛み合うこととなる。よって、ボルト21の締め付け回転力によって、位置ずれを生じることなく、バスバー20A,20Bを端子11A,11Bに固定できる。また、端子11A,11Bとバスバー20A,20Bとのそれぞれの重なり部分を長くしても、位置ずれを生じることがない。
【0039】
これまで本発明の実施例について説明してきたが、本発明は上述の実施例に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、電流を高精度および高信頼性で測定するシャント抵抗器を用いた電流検出装置に好適に利用可能である。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16