(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置の撮影方向を、前記撮影装置が空撮を行うことができない特定方向に固定するように前記変更部を制御する、
請求項2に記載の無人飛行体
前記空撮要件は、前記撮影装置が撮影した映像データに対し、所定の条件を満たす特定画像領域を認識して、前記特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うことであり、
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置であると判断した場合に、前記特定画像領域を認識して、前記特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うように前記撮影装置を制御する、
請求項1に記載の無人飛行体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
近年、無人飛行体の低価格化及び普及に伴い、従来よりも手軽に無人飛行体に搭載された撮影装置を用いて空撮を行えるようになっている。一方、無人飛行体に搭載された撮影装置による空撮は、個人宅の敷地内など、従来では撮影が困難であった場所も、容易に撮影できてしまうことから、撮影された映像等のプライバシー保護の必要性が議論されている。
【0010】
特に、撮影映像をインターネットに公開する際は、プライバシー侵害の可能性がある箇所にぼかしを入れるなどの配慮が求められており、ガイドラインの策定が進められている。ここで、プライバシー侵害の可能性がある箇所とは、人の顔、自動車のナンバープレート、及び住宅等である。
【0011】
また、家屋密集地などの飛行禁止区域での空撮や、祭事や野外集会など多くの人が集まる場所における空撮など、危険を伴う空撮も問題となっている。このような空撮行為、及び、空撮映像をインターネットに公開する行為は違法となる場合がある。
【0012】
上記のように、特許文献1におけるカメラユニットは、落下及び投擲時の姿勢安定手段と、撮像手段としてのカメラモジュールとを備え、カメラユニットは、外部のコントロールユニットと相互に認証することで、コントロールユニットからの遠隔制御を可能としていた。特許文献1の技術では、カメラとコントロールユニットとの認証に言及しているが、上記のプライバシー保護等を遵守しない違法な空撮を行うために使用されるカメラモジュールを取り付けた場合においても、上空からの撮影は可能である。
【0013】
上記のプライバシー保護の方法として、空撮を行う撮影装置は、プライバシー侵害の可能性がある箇所を画像認識処理により判定し、自動的にぼかしを入れる機能が考えられる。この方法では、人の顔、自動車のナンバープレート、及び住宅等の特定画像領域にぼかし加工を施すことができ、プライバシーの保護を図ることができる。
【0014】
また、違法な空撮行為を規制及び牽制する手段として、無人飛行体の固体番号など、撮影された映像のトレーサビリティを確保できる情報を埋め込む方法が考えられる。この方法では、空撮映像がインターネットに公開された場合、捜査機関が無人飛行体の販売元や無人飛行体の固体番号、ひいては撮影者を特定でき、撮影者に対する警告や立件を行うことができる。
【0015】
したがって、上記のようなプライバシー保護機能や、映像のトレーサビリティ確保機能を持たない撮影装置を用いた空撮行為に対して、規制を実施する必要がある。そのために、本開示では、上記のような機能を持つ撮影装置のみを正規の装置とし、無人飛行体が撮影装置の正規性を認証できなかった場合、無人飛行体が所定の機能に対して動作制限を実施することで、好ましくない空撮行為を規制及び牽制する。
【0016】
本開示の一態様に係る無人飛行体は、操縦器からの遠隔操作による飛行又は自律飛行を行う無人飛行体であって、撮影装置を取り付けるための取り付け部と、前記撮影装置と通信を行うための通信部と、前記通信部を用いて前記撮影装置に対する認証を行い、前記撮影装置が所定の空撮要件を満たす正規の装置であるか否かを判断する認証処理部とを備え、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置が空撮を行うことができないように、前記無人飛行体の所定の機能に対して動作制限を実施する。
【0017】
本構成によれば、認証処理部が通信部を介して撮影装置と通信し、無人飛行体の取り付け部に取り付けられた撮影装置が正規の装置であるか否かを判断する。認証が失敗した、すなわち、撮影装置が正規の装置でないと判断された場合、無人飛行体の所定の機能に対して動作制限が実施され、正常な空撮ができないようになる。この結果、撮影装置が所定の空撮要件を満たす正規の装置でない場合に、無人飛行体の所定の機能に対して動作制限を実施して、非正規の撮影装置による空撮を制限することができる。
【0018】
前記取り付け部は、前記操縦器からの遠隔操作によって前記撮影装置の撮影方向を変更する変更部を含み、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置が空撮を行うことができないように、前記変更部による前記撮影装置の撮影方向の変更を制限するようにしてもよい。
【0019】
本構成よれば、非正規の撮影装置を用いて空撮を試みた場合、遠隔操作によって撮影方向を変化させることができず、撮影者が所望の映像を撮影することができない。
【0020】
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置の撮影方向を、前記撮影装置が空撮を行うことができない特定方向に固定するように前記変更部を制御するようにしてもよい。
【0021】
本構成よれば、非正規の撮影装置を用いて空撮を試みた場合、撮影装置の撮影方向を、撮影装置が空撮を行うことができない特定方向に固定しているので、撮影者が所望の映像を撮影することが困難となる。
【0022】
前記特定方向は、前記無人飛行体の底面方向であってもよい。
【0023】
本構成よれば、非正規の撮影装置を用いて空撮を試みた場合、撮影装置の撮影方向を、無人飛行体の底面に固定しているので、空撮される映像は視覚的に無意味なものとなる。
【0024】
前記取り付け部は、前記撮影装置の空撮時の動画のブレを低減する安定化部を含み、
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置の空撮時の動画のブレを低減しないように前記安定化部を制御するようにしてもよい。
【0025】
本構成によれば、非正規の撮影装置を用いて空撮を試みた場合、撮影される映像はブレを多く含むものとなり、撮影者が所望の映像を撮影することが困難となる。
【0026】
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記操縦器からの前記無人飛行体への遠隔操作を制限するようにしてもよい。
【0027】
本構成によれば、非正規の撮影装置を用いて空撮を試みた場合、遠隔操作により無人飛行体を飛行させることができなくなる。
【0028】
前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記無人飛行体の飛行を自律飛行に移行するようにしてもよい。
【0029】
本構成によれば、飛行中に撮影装置が非正規であると判断された場合は、自律飛行により安全な状態へと導かれる。
【0030】
前記空撮要件は、前記撮影装置が撮影した映像データの履歴を追跡するための撮影条件情報を、前記撮影装置が撮影した映像データに埋め込むことであり、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置であると判断した場合に、前記通信部を介して前記無人飛行体から取得した前記撮影条件情報を、前記撮影装置が撮影した映像データに埋め込むように前記撮影装置を制御するようにしてもよい。
【0031】
本構成によれば、撮影装置が正規の装置であると判断された場合に、撮影装置が撮影した映像データの履歴を追跡するための撮影条件情報を、撮影装置が撮影した映像データに埋め込んでいるので、映像データの履歴を追跡することができる。すなわち、映像データには、撮影者の特定につながる撮影条件情報が含まれているため、危険な又は違法な空撮の実施、さらに、それによって撮影された映像等のインターネット上への公開に対する牽制につながる。
【0032】
前記空撮要件は、前記撮影条件情報を前記撮影装置が撮影した映像データに、電子透かしを用いて埋め込むことであり、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置であると判断した場合に、前記通信部を介して前記無人飛行体から取得した前記撮影条件情報を、前記撮影装置が撮影した映像データに電子透かしを用いて埋め込むように前記撮影装置を制御するようにしてもよい。
【0033】
本構成によれば、撮影装置が正規の装置であると判断された場合に、撮影装置が撮影した映像データの履歴を追跡するための撮影条件情報を、撮影装置が撮影した映像データに電子透かしを用いて埋め込んでいるので、映像データの品位を低下させることなく、映像データの履歴を追跡することができる。
【0034】
前記撮影条件情報は、前記無人飛行体を一意に識別可能な個体情報であり、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置であると判断した場合に、前記通信部を介して前記無人飛行体から取得した前記個体情報を、前記撮影装置が撮影した映像データに埋め込むように前記撮影装置を制御するようにしてもよい。
【0035】
本構成によれば、空撮を成立させるためには、無人飛行体を一意に識別可能な固体情報を映像データに埋め込むことが必要となり、映像データには、撮影者の特定につながる情報が含まれているため、危険な又は違法な空撮の実施、さらに、それによって撮影された映像等のインターネット上への公開に対する牽制につながる。
【0036】
前記空撮要件は、前記撮影装置が撮影した映像データに対し、所定の条件を満たす特定画像領域を認識して、前記特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うことであり、前記認証処理部は、前記撮影装置が正規の装置であると判断した場合に、前記特定画像領域を認識して、前記特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うように前記撮影装置を制御するようにしてもよい。
【0037】
本構成によれば、無人飛行体によって撮影される画像は、特定画像領域、すなわちプライバシー侵害の可能性がある領域が知覚困難となるように処理されたものだけとなり、空撮時のプライバシー保護が実現される。
【0038】
また、本開示は、以上のような特徴的な構成を備える無人飛行体として実現することができるだけでなく、無人飛行体が備える特徴的な構成に対応する特徴的な処理を実行する無人飛行体の制御方法として実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の無人飛行体と同様の効果を奏することができる。
【0039】
本開示の他の態様に係る無人飛行体の制御方法は、撮影装置を取り付けるための取り付け部を備え、操縦器からの遠隔操作による飛行又は自律飛行を行う無人飛行体の制御方法であって、前記撮影装置と通信を行うための通信部を用いて前記撮影装置に対する認証を行い、前記撮影装置が所定の空撮要件を満たす正規の装置であるか否かを判断し、前記撮影装置が正規の装置でないと判断した場合に、前記撮影装置が空撮を行うことができないように、前記無人飛行体の所定の機能に対して動作制限を実施する。
【0040】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0041】
また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が想到する範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における撮影装置の取り付け部を備える無人飛行体の一例を示す外観図である。
図1に示す無人飛行体101は、撮影装置取り付け部102、本体部103、4個の支持部104及び4個のプロペラ105を備える。撮影装置取り付け部102は、図中に破線で示す撮影装置201の取り付け部であり、電源供給線及び制御信号線により、無人飛行体101の本体部103と電気的に接続されている。プロペラ105は、本体部103から四方へ延在する支持部104の先端に取り付けられ、無人飛行体101の推進力を発生させる。なお、無人飛行体101の構成は、上記の例に特に限定されず、支持部104やプロペラ105の数を変更する等の種々の変更が可能である。
【0043】
図2は、
図1に示す撮影装置取り付け部102に撮影装置201を取り付けた様子の一例を示した外観図である。撮影装置取り付け部102は、3個のサーボモータ202、固定枠203、アーム部204〜207を備える。
【0044】
撮影装置201は、固定枠203に固定され、アーム部207の一端は、本体部103に固定されている。固定枠203は、アーム部204の一端に接続され、アーム部204の他端は、図中に破線で示す回転方向に回転可能な状態でアーム部205の一端に接続され、アーム部205の他端は、図中に破線で示す回転方向に回転可能な状態でアーム部206の一端に接続され、アーム部206の他端は、図中に破線で示す回転方向に回転可能な状態でアーム部207の他端に接続されている。
【0045】
サーボモータ202は、アーム部204、205、207に取り付けられ、無人飛行体101の本体部103からの制御信号を基に回転動作を制御される。上記の構成により、撮影装置201の上下左右前後の三軸を回転軸とした撮影装置201の姿勢制御が可能である。
【0046】
図3は、
図1に示す無人飛行体101の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図3に示す無人飛行体101では、4個のプロペラ105及び3個のサーボモータ202を使用するが、図示を簡略化するため、それぞれ1個のブロックで図示しており、後述する
図9も同様である。
【0047】
図3に示すように、無人飛行体101は、
図1に示すプロペラ105及び
図2に示すサーボモータ202等に加え、操縦器通信部302、プロペラ制御部303、加速度センサ304、モータ制御部305、固体番号記録部306、撮影装置通信部307、及び認証処理部308を備える。例えば、操縦器通信部302、プロペラ制御部303、加速度センサ304、モータ制御部305、固体番号記録部306、及び認証処理部308は、
図1に示す本体部103内に配置され、撮影装置通信部307は、
図2に示す固定枠203に配置される。
【0048】
操縦器301は、無人飛行体101を遠隔操縦するためにユーザが使用する操縦器であり、無人飛行体101は、操縦器301からの遠隔操作による飛行又は自律飛行を行う。
【0049】
操縦器通信部302は、操縦器301と無線で接続され、操縦器301からの操作指示を受信する。操縦器通信部302は、操縦器301からの操縦指示をプロペラ制御部303に入力する。プロペラ制御部303は、入力された操作指示に従って、プロペラ105の回転数などを変化させ、上昇、下降、移動などの、操縦指示に従う飛行を実現する。
【0050】
また、操縦器通信部302は、操縦器301からの操縦指示をモータ制御部305に入力する。モータ制御部305は、撮影装置取り付け部102のサーボモータ202と接続されている。モータ制御部305は、操縦器通信部302から入力された操作指示を基に、撮影装置取り付け部102のサーボモータ202を駆動し、撮影方向を操作者の指示する向きに変化させることができる。すなわち、撮影装置取り付け部102は、遠隔操作によって撮影装置201の撮影方向を変更する、電子制御可能な雲台としての機能を有する。
【0051】
また、モータ制御部305は、加速度センサ304とも接続されている。モータ制御部305は、加速度センサ304から得たセンサ情報を基に、無人飛行体101に生じた加速度を打ち消す方向に、撮影装置取り付け部102のサーボモータ202を変化させる。これにより、モータ制御部305は、動画撮影時のブレを抑制する。すなわち、撮影装置取り付け部102は、撮影装置201の撮影時の動画のブレを低減する、電子制御可能なスタビライザとしての機能も有する。
【0052】
なお、撮影装置取り付け部102の構成は、上記の例に特に限定されず、電子制御可能な雲台(操縦器301からの遠隔操作によって撮影装置201の撮影方向を変更する変更部)及び/又は電子制御可能なスタビライザ(撮影装置201の空撮時の動画のブレを低減する安定化部)として機能することができれば、種々の変更が可能である。
【0053】
撮影装置通信部307は、撮影装置取り付け部102に取り付けた撮影装置201と通信を行う。撮影装置通信部307は、通信方法として、例えば、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)を用いる。
【0054】
認証処理部308は、撮影装置通信部307を用いて撮影装置201に対する認証を行い、撮影装置201が所定の空撮要件を満たす正規の装置であるか否かを判断する。ここで、空撮要件は、映像データのトレーサビリティ確保を達成するために撮影装置201が空撮時に実行すべき動作を規定した条件である。例えば、空撮要件は、撮影装置201が撮影した映像データの履歴を追跡するための撮影条件情報を、撮影装置201が撮影した映像データに埋め込むことである。
【0055】
なお、空撮要件は、この例に特に限定されず、上記の撮影条件情報を、撮影装置201が撮影した映像データに、電子透かしを用いて埋め込むようにしたり、撮影条件情報として、無人飛行体101を一意に識別可能な個体情報を用いたりする等の種々の変更が可能である。
【0056】
具体的には、認証処理部308は、撮影装置通信部307を介して、撮影装置201との論理的な通信路(セッション)を確立する。さらに、認証処理部308は、このセッションを用いて規定のプロトコルを実行し、撮影装置201の認証を試みる。認証に失敗した場合、認証処理部308は、モータ制御部305の機能を無効にする。認証に成功した場合は、認証処理部308は、セッションを維持する。また、何らかの理由により、物理的な通信、又はセッションが切断された場合、認証処理部308は、モータ制御部305の機能を無効化する。
【0057】
固体番号記録部306は、無人飛行体101を一意に識別可能な個体情報である固体番号を記録している。固体番号記録部306は、撮影装置通信部307を介した撮影装置201からの固体番号の取得要求に応じ、撮影装置通信部307を介して、固体番号を撮影装置201に送信することができる。
【0058】
図4は、
図3に示す操縦器301の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す操縦器301は、飛行指示入力部401、撮影方向入力部402、認証要求入力部403、及び無人飛行体通信部404を備える。
【0059】
飛行指示入力部401は、ユーザに操作され、上昇、下降、及び移動など、飛行指示を入力する。撮影方向入力部402は、ユーザに操作され、撮影装置取り付け部102に取り付けた撮影装置201の撮影方向の変更指示を入力する。認証要求入力部403は、無人飛行体101の認証処理開始の指示を入力する。無人飛行体通信部404は、飛行指示入力部401、撮影方向入力部402及び認証要求入力部403により入力された指示を、無線通信により無人飛行体101に送信する。
【0060】
(無人飛行体101と撮影装置201との通信方法の詳細)
無人飛行体101の撮影装置通信部307と撮影装置201の無人飛行体通信部404との通信方法は、電気的な接続を介した有線通信であっても、Bluetooth(登録商標)以外の無線通信であってもよい。ただし、無線通信を用いる際は、撮影装置201の「なりすまし」に配慮する必要がある。
【0061】
ここで、「なりすまし」とは、認証可能な正規の撮影装置と無人飛行体101との間で通信して認証を行い、機能制限を解除した後で、認証不可能な非正規の撮影装置を撮影装置取り付け部102に取り付ける行為、又は、この行為に準ずる行為により、非正規の撮影装置を正規の撮影装置として無人飛行体101に誤認させる行為を指す。
【0062】
「なりすまし」の回避のため、無線通信を用いる際は、十分に短い伝送距離を前提とした通信規格を用いる、又は撮影装置通信部307の無線伝播距離を十分に短く限定することが望ましい。これにより、「なりすまし」に用いた正規の撮影装置と、撮影装置取り付け部102との距離が十分に離れた場合(例えば、正規の撮影装置が撮影装置取り付け部102から取り外された場合、又は、正規の撮影装置を地上に置いたまま、無人飛行体101が飛行状態に移行した場合)、撮影装置と無人飛行体101との間の通信接続が切断されるために、後述の接続確認処理が失敗する。短い伝送距離を前提とした通信規格としては、NFC(Near Field Communication)、TransferJet(登録商標)などが挙げられる。
【0063】
(無人飛行体101が認証可能な撮影装置の詳細)
図5は、
図3に示す撮影装置201が正規の撮影装置である場合の撮影装置の構成の一例を示すブロック図である。撮影装置201が正規の撮影装置である場合、
図5に示すように、撮影装置201は、無人飛行体通信部501、認証要求部502、固体番号取得部503、撮影部504、固体番号埋め込み部505、及び記録部506を備える。
【0064】
無人飛行体通信部501は、撮影装置通信部307と物理的な接続を確立し、無人飛行体101との通信を行う。認証要求部502は、無人飛行体通信部501を介して、認証処理部308とのセッションを確立し、規定のプロトコルに従って撮影装置201の認証を行う。
【0065】
固体番号取得部503は、無人飛行体通信部501を介して、固体番号記録部306とセッションを確立し、無人飛行体101の固体番号を取得する。撮影部504は、レンズやイメージセンサなどから構成され、撮影した映像データを取得して出力する。固体番号埋め込み部505は、撮影部504から入力される映像データに対し、固体番号取得部503から入力される無人飛行体101の固体番号を、埋め込む処理を行う。固体番号を埋め込んだ映像データは、固体番号埋め込み部505から記録部506に出力されて記録される。
【0066】
固体番号埋め込み部505は、例えば、固体番号を映像データに埋め込む方法として、知覚困難型の電子透かしを用いる。この場合、映像データに対する視覚的な画質の劣化を抑えつつ、固体番号を映像データに埋め込むことができる。
【0067】
本実施の形態では、上記の構成を持つ撮影装置201のみが無人飛行体101により正規の撮影装置として扱われ、無人飛行体101が認証を行うことができ、無人飛行体101の固体番号を埋め込んだ映像データを空撮することができる。
【0068】
なお、映像データへの埋め込み情報、及び埋め込み方法は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、映像データへの埋め込み情報として、飛行体の固体番号に加え、撮影場所や撮影日時などの撮影条件を含めてもよい。また、撮影装置201を使用するユーザである撮影者を一意に識別できる情報が何らかの方法で確保できる場合、当該情報を埋め込んでもよいし、埋め込み方法としては、埋め込み情報を画像化したものを映像データに重畳する方法を用いてもよい。
【0069】
(認証処理の詳細)
図6は、
図3に示す無人飛行体101の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理は、無人飛行体101の電源投入時、又は無人飛行体101が静止している状態において、操縦器301で規定の入力を行うことで開始される。
【0070】
まず、認証処理部308は、認証要求部502とのセッション確立を試行する(ステップS601)。次に、認証処理部308は、認証要求部502とのセッションが確立したか否かを判断する(ステップS602)。
【0071】
セッション確立が成功した場合(ステップS602でYES)、認証処理部308は、認証要求部502と規定のプロトコルに従って通信を行い、撮影装置201の認証を試行する(ステップS603)。次に、認証処理部308は、撮影装置201の認証が成功したか否かを判断する(ステップS604)。認証に成功した場合(ステップS604でYES)、認証処理部308は、認証処理を終了する。
【0072】
一方、認証に失敗した場合(ステップS604でNO)、認証処理部308は、セッションを切断する(ステップS605)。
【0073】
また、セッション確立が失敗した場合(ステップS602でNO)、又は、認証に失敗してセッションを切断した場合(ステップS605)、認証処理部308は、無人飛行体101の機能制限、すなわちモータ制御部305の機能無効化を実施し(ステップS606)、認証処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS603における、撮影装置201の認証については、HDCP(High−bandwith Digital Content Protection)規格における第1の機器認証と同様の手続きにより実現する。本機器認証においては、撮影装置201及び無人飛行体101それぞれが、独立した秘密鍵と、公開鍵を保持する必要がある。
【0075】
上記の秘密鍵及び公開鍵は、撮影装置201及び無人飛行体101の製造時、又は出荷前に、撮影装置201及び無人飛行体101の所定の耐タンパ領域(ソフトウェアやハードウェアの回路などに対する不正な内部解析や改変を防止した領域、例えば、固体番号記録部306及び記録部506に設けられた耐タンパ領域)に記憶される。認証を成功させるための秘密鍵及び公開鍵は、正規のアルゴリズムに従って生成されたものである必要がある。正規の秘密鍵及び公開鍵は、規定の手続き及び審査を経て発行されるものであり、撮影装置201は、規定の要件を満足する仕様を有することが審査によって確認できた場合のみに、正規の鍵の発行を受けることができる。ここで、HDCP規格における認証手続きは、公知であるため、説明を割愛する。
【0076】
なお、機器認証の方法については、上記のHDCP規格を利用したものに限られるものではない。例えば、SSL(Security Sockets Layer)におけるクライアント認証の仕組みを用い、撮影装置201の耐タンパ領域に記憶した電子証明書が、正規の手続きで発行されたものかどうかを検証する方法を用いることもできる。
【0077】
図7は、
図3に示す無人飛行体101の接続確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理は、撮影装置201の「なりすまし」が行われていないかを確認するため、認証処理部308が定期的に実施する処理である。
【0078】
まず、認証処理部308は、撮影装置201の認証要求部502に確認信号を送信する(ステップS701)。次に、認証処理部308は、確認信号に対する撮影装置201からの応答があるか否かを判断する(ステップS702)。
【0079】
確認信号に対する撮影装置201からの応答がない場合(ステップS702でNO)、認証処理部308は、無人飛行体101の機能制限を有効にし(ステップS703)、撮影装置201とのセッションを切断し(ステップS704)、その後、接続確認処理を終了する。一方、確認信号に対する撮影装置201からの応答がある場合(ステップS702でYES)、認証処理部308は、接続確認処理を終了する。
【0080】
(モータ制御部305の機能無効化の詳細)
上記の認証処理及び接続確認処理により、無人飛行体101が撮影装置201の認証に失敗した場合又は認証後に何らかの理由によりセッションが切断された場合(撮影装置201が正規の装置でない場合)、認証処理部308は、操縦器301からの遠隔操作によって撮影装置201の撮影方向を変更する変更部の一例であるモータ制御部305による機能の一部を無効化することにより、撮影装置取り付け部102における雲台の電子制御機能を無効にし、撮影装置201の撮影方向の変更を制限する。これにより、撮影者が操縦器301に入力した撮影方向の変更指示が無効になり、撮影者が所望の映像を撮影することが困難になる。
【0081】
また、上記の撮影方向の変更指示を無効にするだけでなく、認証処理部308は、モータ制御部305に撮影方向指示を入力し、撮影装置201が空撮を行うことができないように、撮影装置201の撮影方向を所定の位置に固定することもできる。特に、撮影方向を無人飛行体101の底面に向けた状態で固定することで、撮影される映像は、無人飛行体101の底面を撮影した映像のみとなり、視覚的に無意味なものとなる。
【0082】
さらに、モータ制御部305の機能無効化の変形例として、モータ制御部305のスタビライザ機能を無効にすることができる。この場合、撮影装置201の空撮時の動画のブレを低減する安定化部の一例であるモータ制御部305による電子スタビライザ機能が無効にされ、電子スタビライザ機能が無効な状態で撮影した動画は、ブレを多く含み、視覚的に無意味なものとなる。
【0083】
以上のとおり、雲台を構成する撮影装置取り付け部102の電子制御機能及び電子スタビライザ機能のうち少なくとも一方を無効にすることで、無人飛行体101が認証できない撮影装置201を用いた空撮を実質的に制限することが可能となる。
【0084】
(効果)
上記のように、無人飛行体101は、正規の装置であると認証した撮影装置、例えば、当該無人飛行体の固体番号を撮影映像に電子透かしとして埋め込む機能を有する
図5に示す撮影装置201に対してのみ、空撮を許可することができる。一方、当該機能を持たない、正規の装置でない撮影装置に対しては、無人飛行体101は、当該撮影装置を認証せず、撮影装置取り付け部102における、雲台の電子制御機能及び電子スタビライザ機能のいずれか、又は両方の機能制限を実施することにより、空撮を実質的に制限することが可能となる。
【0085】
また、無人飛行体101に取り付けた撮影装置が正規の装置である場合、当該撮影装置を用いて空撮を実施したときは、無人飛行体101を一意に識別可能な固体番号を映像データに埋め込むことになる。つまり、空撮される映像には、撮影者の特定につながる情報が含まれているため、不適切な空撮の実施、さらにそれによって撮影された映像等の公開を抑制することが可能となる。
【0086】
(実施の形態2)
図8は、本開示の実施の形態2における撮影装置の取り付け部を備える無人飛行体の一例を示す外観図である。
図8に示す無人飛行体101aは、撮影装置取り付け部102a、本体部103、4個の支持部104及び4個のプロペラ105を備える。なお、
図8において、
図1と共通の構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0087】
撮影装置取り付け部102aは、実施の形態1の撮影装置取り付け部102とは異なる構成であり、本体部103に固定され、サーボモータ202等を持たず、雲台やスタビライザとしての機能は備えていない。
【0088】
図9は、
図8に示す無人飛行体101aの構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、無人飛行体101aは、
図8に示すプロペラ105等に加え、操縦器通信部302、プロペラ制御部303、撮影装置通信部307、認証処理部308a、及び自律航行制御部310を備える。なお、
図9において、
図3と共通の構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0089】
自律航行制御部310は、プロペラ制御部303を制御することで、無人飛行体101aの自律飛行を実現する。無人飛行体101aの自律飛行は、自律航行制御部310に格納されている自律航行プログラムに基づいて実施される。自律航行プログラムとしては、例えば、事前に設定した飛行計画に従って無人飛行体101aを飛行させるプログラムや、無人飛行体101aの水平位置を維持したまま着陸動作を行うプログラム、及び離陸時の位置に無人飛行体101aを自動帰還させるプログラムなどが含まれる。無人飛行体の自律航行に関しては、公知の技術であるため、説明を割愛する。操縦器301aを用いた手動飛行状態から自律飛行状態への切り替えは、操縦器通信部302を介した操縦器301aからの指示によって行われる。
【0090】
本実施の形態では、認証処理部308aは、プロペラ制御部303に接続されている。認証処理部308aは、撮影装置通信部307を用いて撮影装置201aに対する認証を行い、撮影装置201aが所定の空撮要件を満たす正規の装置であるか否かを判断する。ここで、空撮要件は、映像データに対するプライバシー保護を達成するために撮影装置201aが空撮時に実行すべき動作を規定した条件である。例えば、空撮要件は、撮影装置201aが撮影した映像データに対し、所定の条件を満たす特定画像領域を認識して、特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うことである。なお、空撮要件は、この例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
【0091】
認証処理部308aは、撮影装置201aに対する認証処理に失敗した場合、プロペラ制御部303に対して、操縦器301aからの操作指示を受け付けないように制御する。認証処理部308aによる認証処理は、実施の形態1と同様、無人飛行体101aの電源投入時に開始される。又は、認証処理は、無人飛行体101aが静止している状態で、操縦器301aに規定の入力を行うことで開始される。そのため、無人飛行体101aは、撮影装置201aを認証しない限り、操縦器301aによる操作を受け付けず、飛行状態に移行させることができない。
【0092】
また、認証処理部308aは、自律航行制御部310にも接続されており、認証処理部308aからの指示により、自律航行状態に移行することもできる。
【0093】
図10は、
図9に示す操縦器301aの構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、操縦器301aは、飛行指示入力部401、認証要求入力部403、無人飛行体通信部404、及び自律航行切替指示入力部405を備える。なお、
図10において、
図4と共通の構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0094】
自律航行切替指示入力部405は、ユーザに操作され、自律航行プログラムの選択指示、手動航行状態から自律航行状態への切り替え指示、及び自律航行状態から手動航行状態への切り替え指示を入力する。但し、認証処理部308aが無人飛行体101aの航行状態を手動航行状態から自律航行状態に移行した場合、自律航行切替指示入力部405への入力によって、自律航行状態から手動航行状態に移行させることはできない。
【0095】
(無人飛行体101aが認証可能な撮影装置の詳細)
図11は、
図9に示す撮影装置201aが正規の撮影装置である場合の撮影装置の構成の一例を示すブロック図である。撮影装置201aが正規の撮影装置である場合、
図11に示すように、撮影装置201aは、無人飛行体通信部501、認証要求部502、撮影部504、記録部506、画像解析部507、及び画像処理部508を備える。なお、
図11において、
図5と共通の構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0096】
認証処理部308aは、撮影装置201aが正規の装置であると判断した場合に、空撮時のプライバシーを保護するため、所定の条件を満たす特定画像領域を認識して、特定画像領域を知覚困難とする画像処理を行うように画像解析部507及び画像処理部508を制御する。
【0097】
具体的には、画像解析部507は、撮影部504が撮影した映像データに対して顔認識処理を実施し、当該映像データに顔画像が含まれるか否かを判定する。なお、この顔画像の認識処理については、公知の技術であるため、説明は省略する。
【0098】
顔画像が映像データ内に存在すると判定された場合、画像解析部507は、顔画像の位置を示す矩形の座標情報を出力する。複数の顔画像が存在する場合、画像解析部507は、認識した顔画像の数と同数の座標情報の組を出力する。画像処理部508は、画像解析部507が出力した座標情報が示す顔画像領域に対してぼかし処理を行う。
【0099】
本実施の形態では、上記の構成を持つ撮影装置201aのみが無人飛行体101aにより正規の撮影装置として扱われ、無人飛行体101aが認証を行うことができ、顔画像領域に対してぼかし処理を行い、顔画像領域を知覚困難とした映像データを空撮することができる。
【0100】
なお、画像解析部507において認識する画像は、顔画像に限られるものではなく、自動車のナンバープレートや住宅など、プライバシー侵害の可能性がある画像を認識するような構成にしてもよい。本明細書では、このようなプライバシー侵害の可能性がある画像領域を特定画像領域と呼称する。なお、特定画像領域の形状は、矩形に限るものではなく、任意の形状であってもよい。また、画像処理部508における画像処理は、ぼかし処理に限るものではなく、特定画像領域を知覚困難にできる処理であればよい。例えば、特定画像領域を黒塗りにする処理でもよい。
【0101】
次に、本実施の形態における認証処理部308aによる認証処理について説明する。認証処理部308aによる認証処理は、
図6に示す認証処理部308の認証処理と基本的に同様であるため、図示及び共通する処理の詳細な説明を省略する。すなわち、認証処理部308aによる認証処理は、ステップS606を除き、
図6に示す認証処理部308と同様である。但し、ステップS606において、認証処理部308aは、無人飛行体101aの機能制限として、プロペラ制御部303の機能を無効にし、操縦器301aからの操作指示を受け付けないようにし、無人飛行体101aの飛行を自律航行制御部310による自律飛行に移行させる。
【0102】
図12は、
図9に示す無人飛行体101aの接続確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12において、
図7と共通の処理については、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0103】
本実施の形態では、
図7と同様にステップS701、S702の処理が実行され、確認信号に対する撮影装置201aからの応答がない場合(ステップS702でNO)、ステップS703において、認証処理部308aは、プロペラ制御部303の機能を無効にし、操縦器301aからの操作指示を受けつけないように制御する。
【0104】
続くステップS704の処理の後、認証処理部308aは、無人飛行体101aが飛行中であるか否かを判定する(ステップS705)。無人飛行体101aが飛行状態であると判定した場合(ステップS705でYES)、認証処理部308aは、自律航行制御部310を有効にし、自律航行状態へと移行し(ステップS706)、その後、接続確認処理を終了する。このとき、自律航行制御部310において自動帰還プログラムが実行され、無人飛行体101aは、離陸時の位置へと自動的に飛行して着陸する。
【0105】
また、確認信号に対する撮影装置201aからの応答がある場合(ステップS702でYES)、又は、無人飛行体101aが飛行状態でないと判定した場合(ステップS705でNO)、認証処理部308aは、接続確認処理を終了する。
【0106】
なお、ステップS706において実行される自律航行プログラムは、自動帰還プログラムに限定されるものではなく、上記の機能制限により操作指示を受け付けなくなった無人飛行体101aを、安全に静止して着陸状態に移行させる自律航行プログラムであればよく、例えば、水平位置を維持したまま着陸を実施するプログラムを代替としてもよい。
【0107】
(効果)
上記のように、無人飛行体101aは、正規の装置であると認証した撮影装置、例えば、撮影した画像に対し、特定画像領域を知覚困難にする処理を施す機能を持つ
図11に示す撮影装置201aに対し、空撮を許可することができる。一方、当該機能を持たない、正規の装置でない撮影装置に対しては、無人飛行体101aは、当該撮影装置を認証せず、自身の飛行を制限することにより、空撮を抑制することができる。
【0108】
また、定期的に実施する接続確認処理により、撮影装置取り付け部102aに取り付けられている撮影装置が上記の機能を有していない非正規の装置と判断した場合(「なりすまし」が行われていたと判断した場合)、且つ無人飛行体101aが飛行中である場合、無人飛行体101aは、自動的に自律航行状態に移行し、静止状態へと導かれるため、空撮を強制的に中断する。
【0109】
また、無人飛行体101aに取り付けた撮影装置201aが正規の装置である場合、当該撮影装置を用いて空撮を実施したときは、撮影される画像は、特定画像領域、すなわちプライバシー侵害の可能性がある領域を加工処理されたものとなり、不適切な空撮の実施を抑制し、プライバシーを保護することが可能となる。