(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施形態について詳しく説明する。
[1−1.システム構成の説明]
まず、本実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
情報処理システム1は、
図1に示すように、ナビゲーションサーバ(以下ナビサーバと称する)10と、広告配信サーバ20と、車両Cに搭載されたドライバ端末30と、電話機40と、電話機40を介して車両Cのドライバ(通信当事者A)と通話する相手ユーザ(通信当事者B)が利用する相手ユーザ端末(情報端末)50と、を備えて構成されている。本実施形態では、ナビサーバ10及び広告配信サーバ20が協働して、本発明の情報処理装置として機能する。情報処理システム1を構成する各装置は、通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは、具体的には、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等である。
【0019】
本実施形態では、車両Cのドライバは、ドライバ端末30が有するハンズフリー通話の機能を利用して、ドライバ端末30を介して相手ユーザと通話するものとする。また、相手ユーザは、電話機40を介して車両Cのドライバと通話しつつ、相手ユーザ端末50を利用するものとする。
【0020】
ナビサーバ10は、例えば、PC、WS(Work Station)等の情報機器であり、ドライバ端末30から通信ネットワークNを介して送信されてきたプローブ情報が集積されるようになっている。ナビサーバ10は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0021】
広告配信サーバ20は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、相手ユーザ端末50に対し、通信ネットワークNを介して広告を配信する。広告配信サーバ20は、1台で構成されるものとするが、これに限定されるものではなく、複数台の装置から構成されるものとしてもよい。
【0022】
ドライバ端末30は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、携帯電話機等の各ユーザが所持して使用する携帯型端末機器である。ドライバ端末30には、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するカーナビの機能を実現するアプリケーション(以下、カーナビアプリと称する)がインストールされている。また、ドライバ端末30は、通信ネットワークN(具体的には、ドライバ端末30の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、ナビサーバ10又は電話機40等との間で相互に通信を行う。
【0023】
電話機40は、例えば、固定電話機であり、通信ネットワークNを介してドライバ端末30等と通信(通話)可能に構成されている。なお、電話機40は、固定電話機に限られず、IP(Internet Protocol)電話、テレビ電話、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、スマートフォン、ヘッドセット等の他の通信装置としてもよい。
【0024】
相手ユーザ端末50は、例えば、相手ユーザが保有するPC、タブレット等の情報機器であり、広告配信サーバ20から通信ネットワークNを介して送信されてきた広告を、表示部53に表示させる。相手ユーザ端末50は、通信ネットワークN(具体的には、相手ユーザ端末50の通信回線や無線LAN(Local Area Network)等)を用いて、広告配信サーバ20等との間で相互に通信を行う。
【0025】
[1−2.ナビサーバの構成の説明]
次に、ナビサーバ10の構成について説明する。
ナビサーバ10は、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信部15と、を備えて構成されている。
【0026】
制御部11は、ナビサーバ10の動作を中央制御する。具体的には、制御部11は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部14に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、ナビサーバ10の各部を統括制御する。
【0027】
操作部12は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。
表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0028】
記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部11から読み書き可能に記憶する。
また、記憶部14は、地図データ、音声データ等を格納している。地図データには、例えば、広域をカバーした地図情報(複数縮尺に対応)、道路情報、施設、海、川等の各種シンボル情報等が記憶されている。また、音声データには、例えば、経路案内に必要な、単語や文節等からなるメッセージのデータ等が予め記憶されている。
【0029】
通信部15は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0030】
[1−3.広告配信サーバの構成の説明]
次に、広告配信サーバ20の構成について説明する。
広告配信サーバ20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、通信部25と、を備えて構成されている。
【0031】
制御部21は、広告配信サーバ20の動作を中央制御する。具体的には、制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部24に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、広告配信サーバ20の各部を統括制御する。
例えば、制御部21は、ドライバ端末30から送信された位置情報及び相手ユーザ情報に基づいて広告を抽出し、通信部25を介して相手ユーザ端末50に送信する。
【0032】
操作部22は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。
表示部23は、例えば、LCDなどのディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0033】
記憶部24は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。
また、記憶部24は、ドライバ端末30に配信する広告を記憶する。さらに、記憶部24は、位置情報と広告との対応関係を管理するテーブルT1(
図3参照)を記憶する。
【0034】
通信部25は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部21の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0035】
[1−4.ドライバ端末の構成の説明]
次に、ドライバ端末30の構成について説明する。
ドライバ端末30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、音声出力部34と、音声入力部35と、記憶部36と、現在位置検出部37と、通信部38と、を備えて構成されている。
【0036】
制御部31は、ドライバ端末30の動作を中央制御する。具体的には、制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部36に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、ドライバ端末30の各部を統括制御する。
【0037】
例えば、制御部31は、記憶部36に記憶されたカーナビアプリを実行することにより、ナビサーバ10と協働して、カーナビの機能を実現する。具体的には、制御部31は、ドライバによりカーナビアプリが起動され目的地が設定されると、当該目的地情報及び現在位置検出部37により検出された現在位置情報を、通信部38を介してナビサーバ10に送信する。次に、ナビサーバ10の制御部11は、ドライバ端末30から送信された目的地情報及び現在位置情報に基づいて経路探索処理を行い、経路探索結果(誘導経路を案内するための情報を含む)を地図データ及び音声データとともに、通信部15を介してドライバ端末30に送信する。即ち、制御部11は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する本発明の経路案内手段として機能する。次に、ドライバ端末30の制御部31は、経路探索結果を、表示部33に表示させるとともに、音声出力部34から音声出力させる。これにより、カーナビの機能が実現される。
また、制御部31は、実際に車両Cが走行した位置や車速などの走行情報に基づいてプローブ情報を随時生成する。そして、制御部31は、生成したプローブ情報を、通信部38を介して随時ナビサーバ10に送信する。
【0038】
操作部32は、例えば、ホームボタン等からなるキー入力部と、表示部33と一体的に形成されたタッチパネルと、を備え、ドライバからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部31へと出力する。
表示部33は、例えば、LCD、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などのディスプレイを備え、制御部31から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部33は、制御部31から出力された表示用データ(地図データ等)に基づいて、各種情報(例えば、地図画面やアイコン、経路案内等のナビゲーション用の表示情報、自車の現在位置を示す自車マーク等)を表示する。
【0039】
音声出力部34は、D/A変換器、アンプ、スピーカ等を備えて構成され、制御部31から出力された音声データをアナログの音声信号に変換して音声出力する。
音声入力部35は、マイク、A/D変換器等を備えて構成され、マイクを介して音声入力を受け付け、アナログの音声信号をデジタルデータに変換して音声データを取得する。音声入力部35は、ドライバが発した音声(例えば通話時の音声)が入力される。
【0040】
記憶部36は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部31から読み書き可能に記憶する。
【0041】
現在位置検出部37は、GPSモジュール、自律航法ユニット等を備えて構成されている。GPSモジュールは、GPSアンテナ等を備えて構成される。このGPSアンテナは、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両Cの絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、制御部31に出力する。
自律航法ユニットは、角度センサ、距離センサ等を備える。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、車両Cの移動量を算出する。自律航法ユニットは、これら角速度信号および車速パルス信号により、車両Cの相対的な位置変化を算出して制御部31に出力する。
【0042】
通信部38は、アンテナや通信回路を備え、制御部31による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部38は、基地局で中継されることで、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0043】
[1−5.相手ユーザ端末の構成の説明]
次に、相手ユーザ端末50の構成について説明する。
相手ユーザ端末50は、制御部51と、操作部52と、表示部53と、記憶部54と、通信部55と、を備えて構成されている。
【0044】
制御部51は、相手ユーザ端末50の動作を中央制御する。具体的には、制御部51は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部54に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により、相手ユーザ端末50の各部を統括制御する。
【0045】
操作部52は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーなどを有するキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部51へと出力する。
表示部53は、例えば、LCDなどのディスプレイを備え、制御部51から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部53は、広告配信サーバ20から送信された広告情報に基づく広告を表示するための広告表示画面G1(
図4参照)を表示する。
【0046】
記憶部54は、例えば、HDD、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部51から読み書き可能に記憶する。
【0047】
通信部55は、通信用IC及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部51の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0048】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の具体的な動作について、
図2〜
図4を参照して説明する。具体的には、広告配信サーバ20の制御部21が、通話中のドライバ(通信当事者A)のドライバ端末30から送信された位置情報に基づいて、その通信相手である相手ユーザ(通信当事者B)が利用する相手ユーザ端末50の表示部53に、広告を出力(表示)させる処理を説明する。この処理は、ドライバ端末30のドライバによりカーナビアプリが起動されたことを契機として開始される。
【0049】
まず、ドライバ端末30の制御部31は、
図2のフローチャートに示すように、通話が開始されたか否かを判定する(ステップS101)。例えば、制御部31は、ドライバからの通話要求に相手ユーザが応答した場合又は相手ユーザからの通話要求にドライバが応答した場合等に、通話が開始されたと判定する。本実施形態では、ドライバ端末30と電話機40との間で通信が確立され、ドライバと相手ユーザとの間で通話が行われるものとする。
制御部31は、通話が開始されたと判定した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102へと移行する。
一方、制御部31は、通話が開始されていないと判定した場合(ステップS101:NO)、通話が開始されるまでステップS101の処理を繰り返す。
【0050】
次に、制御部31は、自装置の位置情報と、相手ユーザ情報と、を取得する(ステップS102)。ここで、位置情報には、少なくとも現在位置検出部37により検出された現在位置(緯度、経度)の情報が含まれる。また、相手ユーザ情報には、例えば、相手ユーザの電話機40の電話番号等の情報が含まれる。
【0051】
次に、制御部31は、取得した位置情報及び相手ユーザ情報を、通信部38より、ナビサーバ10を介して又は直接広告配信サーバ20に送信する(ステップS103)。
【0052】
なお、ドライバ端末30の制御部31は、ドライバ端末30にインストールされたカーナビアプリの起動の有無にかかわらず、カーナビアプリの一つの機能として、位置情報の取得処理及び取得した位置情報のナビサーバ10への送信処理を実施している。これらの処理は、定期的に所定間隔(例えば5秒間隔)で行われるが、これに限定されるものではなく、状況に応じて任意の間隔に変更可能である。
【0053】
広告配信サーバ20の制御部21は、ドライバ端末30からナビサーバ10を介して又は直接送信された(ドライバ端末30の)位置情報及び相手ユーザ情報を取得する(ステップS104)。即ち、制御部21は、本発明の取得手段として機能する。
【0054】
次に、制御部21は、ステップS104で取得した位置情報に基づいて、当該位置情報に係る広告を抽出する(ステップS105)。即ち、制御部21は、本発明の抽出手段として機能する。ここで、位置情報に係る広告とは、位置情報が示す現在位置やこの先の誘導経路上の位置の近傍(所定距離内)に存在する店舗に関する広告のことである。
【0055】
図3に、位置情報と広告との対応関係を管理するテーブルT1の一例を示す。テーブルT1は、予め作成され、記憶部24等に記憶されている。テーブルT1は、位置情報と広告との対応関係を識別可能に管理するための番号である管理番号T11、位置情報が示す地点を示す位置情報T12、広告の名称を示す広告T13のフィールドを有する。例えば、
図3には、位置情報T12「a地点」、広告T13「広告1」を、管理番号T11「1」と関連付けたレコード等を含むテーブルT1が生成された例が示されている。テーブルT1の1番目のレコードからは、ステップS104で取得した位置情報T12が「a地点」である場合に、抽出される広告T13が「広告1」である旨を読み取ることができる。
【0056】
次に、制御部21は、ステップS104で取得した相手ユーザ情報に基づいて、ドライバと通話する相手ユーザが利用する相手ユーザ端末50を特定する(ステップS106)。即ち、制御部21は、本発明の特定手段として機能する。なお、ステップS105及びステップS106の処理は、順不同であり、ステップS106の処理の後、ステップS105の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
ここで、相手ユーザ情報に基づいて相手ユーザ端末50を特定する方法としては、例えば、相手ユーザ端末50と当該相手ユーザ端末50のユーザが利用する電話機40の電話番号とを予め関連付けたテーブルを記憶するようにし、ステップS104で取得した相手ユーザ情報に含まれる電話機40の電話番号をこのテーブルと照合することで、相手ユーザ端末50を特定する方法が挙げられる。このテーブルは、例えば、ドライバ端末30のユーザがカーナビアプリに会員登録した際などに、位置情報を用いたサービスの共有先(提供先)として相手ユーザ端末50及び電話機40の情報を登録すること等により、作成される。なお、このテーブルは、広告配信サーバ20の記憶部24に記憶させるようにしてもよいし、ナビサーバ10の記憶部14に記憶させるようにしてもよい。ナビサーバ10の記憶部14に記憶させる場合は、ステップS104でナビサーバ10を介して相手ユーザ情報を取得する際にテーブルを併せて取得するようにしてもよいし、ステップS106においてナビサーバ10に問い合わせるようにしてもよい。
なお、上記の方法は一例であり、相手ユーザ端末50を特定することが可能であれば、いかなる方法を用いてもよい。
【0058】
次に、制御部21は、ステップS106で特定された相手ユーザ端末50の表示部53に、ステップS105で抽出された広告を出力(表示)させるための広告情報を生成する(ステップS107)。
次に、制御部21は、ステップS107で生成された広告情報を、通信部25を介して相手ユーザ端末50に送信する(ステップS108)。
制御部21は、上記のステップS107及びステップS108の処理を行うことで、本発明の広告出力手段として機能する。
【0059】
相手ユーザ端末50の制御部51は、ステップS108で広告配信サーバ20から送信された広告情報に基づく広告を、表示部53に表示させる(ステップS109)。
【0060】
図4に、広告配信サーバ20から送信された広告情報に基づく広告を表示するための広告表示画面G1の一例を示す。広告表示画面G1は、
図4に示すように、ドライバ端末30が搭載された車両Cの現在位置を簡易的に追跡表示する追跡表示部G11と、広告配信サーバ20から送信された広告情報に基づく広告を表示する広告表示部G12と、を備えて構成されている。
図4では、東京都内で暮らすユーザ(通信当事者A)が、車両Cにより実家のある大阪まで、実家で暮らす母親(通信当事者B)とハンズフリー通話をしながら帰省する場合を例示している。
図4に示す例では、追跡表示部G11に、車両Cの現在位置が名古屋近傍である様子が表示されている。また、広告表示部G12に、名古屋市内で名物である「ういろう」等の和菓子を販売する「○○堂」の広告が表示されている。なお、
図4では、広告表示画面G1に1つの広告を表示させる構成を提示しているが、これに限定されるものではなく、2つ以上の広告を表示させるようにしてもよい。
【0061】
以上の処理により、通話中のドライバのドライバ端末30から送信された位置情報に基づいて、その通信相手である相手ユーザが利用する相手ユーザ端末50の表示部53に、広告を表示させることができる。従って、広告の本来の提供先である本人(ドライバ)ではなく通信の相手方に広告を提供することができるので、ナビ音声(進行方向などの誘導案内や渋滞情報など運転関連情報)に集中しているドライバが音声広告を聞いたり広告を見たりする必要がなく、不快感を与えたり集中を阻害したりすることを抑制することができる。また、相手方は、ドライバの現在位置や誘導経路付近で購入可能な土産物その他の商品などの広告を見て、ドライバに対し通話ついでに購入を依頼することができるので、販促効果を期待することができる。
【0062】
[3.効果]
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置(ナビサーバ10及び広告配信サーバ20)は、通信当事者の一方(通信当事者A)の位置情報を取得する取得手段(制御部21)と、取得手段により取得された位置情報に基づいて広告を抽出する抽出手段(制御部21)と、通信当事者の他方(通信当事者B)の情報端末(相手ユーザ端末50)を特定する特定手段(制御部21)と、特定手段により特定された他方の情報端末に、抽出手段により抽出された広告を出力させる広告出力手段(制御部21)と、を備える。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、広告の本来の提供先である本人ではなく通信の相手方に広告を提供してその相手方から本人に間接的に広告内容を報知させることができるので、広告手法を多様化することが可能となり、本人を飽きさせることなく販促効果を十分に確保することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、取得手段は、移動中の一方の位置情報を取得する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、広告の提供先である本人が移動中で広告を直接受け取りづらい状況であっても、通信の相手方から間接的に広告内容を報知させることができるので、状況の如何にかかわらず販促効果を期待することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、目的地までの経路探索を行い、探索結果に応じて誘導経路を案内するナビゲーション処理を実行する経路案内手段(制御部11)を備える。また、取得手段は、ナビゲーション処理により移動中の一方の位置情報を取得する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ナビ音声に集中している本人が音声広告を聞いたり広告を見たりする必要がないので、不快感を与えたり集中を阻害したりすることを抑制することができる。また、広告の提供先である本人が移動中又は運転中で広告を直接見聞きすることが困難な状況であっても、通信の相手方から間接的に広告内容を報知させることができるので、状況の如何にかかわらず販促効果を期待することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る情報処理装置によれば、抽出手段は、取得手段により取得された位置情報に係る広告を抽出する。
従って、本実施形態に係る情報処理装置によれば、ドライバの現在位置や誘導経路付近で購入可能な土産物その他の商品などの広告を通信の相手方に提供することができるので、通信の相手方がドライバに対し通話ついでに商品の購入を依頼することが可能となり、販促効果を期待することができる。
【0066】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0067】
[4.変形例]
例えば、広告配信サーバ20の制御部21が、
図2のステップS104で取得した位置情報に基づいて、目的地までの移動予想時間を算出するようにし、算出した移動予想時間に応じた飲食物宅配(例えば、ピザ、寿司、カレー等の宅配)の広告を抽出して、当該飲食物宅配の広告を相手ユーザ端末50の表示部53に表示させるようにしてもよい。即ち、制御部21は、本発明の算出手段として機能する。この例は、目的地が相手ユーザ端末50の所在地である場合により効果を発揮するが、相手ユーザ端末50の所在地と無関係の場所であっても構わない。なお、目的地の情報は、位置情報と合わせて取得するようにしてもよいし、移動予想時間を算出するタイミングでナビサーバ10に問い合わせるようにしてもよい。
【0068】
図5に、移動予想時間に応じた飲食物宅配(ここでは、ピザの宅配)の広告を表示するための広告表示画面G2の一例を示す。広告表示画面G2は、
図5に示すように、ドライバ端末30が搭載された車両Cの現在位置を簡易的に追跡表示する追跡表示部G21と、移動予想時間に応じた飲食物宅配の広告を表示する広告表示部G22と、目的地までの移動予想時間を表示する移動予想時間表示部G23と、を備えて構成されている。
図4では、車両Cを運転するドライバ(通信当事者A)が、車両Cにより自宅(目的地)まで、自宅で暮らす妻(通信当事者B)とハンズフリー通話をしながら帰宅する場合を例示している。
図4に示す例では、追跡表示部G21に、車両Cの現在位置が表示されている。また、移動予想時間表示部G23に、目的地までの移動予想時間が「40分」と表示されている。さらに、広告表示部G22に、目的地までの移動予想時間に応じて、「40分」で宅配可能なピザを販売する「△△ピザ」の広告が表示されている。なお、
図5では、広告表示画面G2に1つの広告を表示させる構成を提示しているが、これに限定されるものではなく、2つ以上の広告を表示させるようにしてもよい。
【0069】
以上のように、取得手段により取得された位置情報に基づいて、目的地までの移動予想時間を算出する算出手段(制御部21)を備え、抽出手段が、算出手段により算出された移動予想時間に応じた飲食物宅配の広告を抽出することで、広告を提供された通信の相手方が容易に飲食物を宅配注文することができるので、ドライバを歓迎する飲食物を容易に調達することができる。
【0070】
また、広告配信サーバ20の制御部21が、更に、相手ユーザの位置情報を取得するようにし、取得したドライバ端末30及び相手ユーザの位置情報に基づいて特定されるドライバ端末30の位置及び相手ユーザの位置のいずれか一又は組み合わせと、出力された広告と、の対応関係毎に、広告の評価値を集計するようにしてもよい。即ち、制御部21は、本発明の集計手段として機能する。ここで、評価値とは、広告の効果を解析する指標となる値のことであり、例えば、クリック率、コンバージョン率などが挙げられる。なお、相手ユーザの位置情報の取得方法としては、例えば、予めテーブルT1に紐づけて記憶しておき必要に応じて都度読み出す方法や、相手ユーザ端末50の起動に応じて自動的に取得する方法、広告表示画面を表示させるためのアプリケーションの起動に応じて自動的に取得する方法などが挙げられる。
ここで、ドライバ端末30及び相手ユーザの位置情報に基づいて特定されるドライバ端末30の「位置」及び相手ユーザの「位置」とは、例えば、地図上の1ブロック(1区画)に相当する領域である。なお、位置の設定は、上記例に限られるものではなく、地域や行政区画(都道府県、市区町村)、より細かな地点等、適宜任意に設定可能である。
【0071】
図6に、広告の評価値の集計結果を管理するテーブルT2の一例を示す。テーブルT2は、作成された後、記憶部24等に記憶される。テーブルT2は、広告の評価値の集計結果を識別可能に管理するための番号である管理番号T21、ドライバ端末30の位置情報に基づいて特定される位置を示すドライバ位置T22、相手ユーザの位置情報に基づいて特定される位置を示す相手ユーザ位置T23、出力された広告の名称を示す出力広告T24、出力された広告のクリック率T25、出力された広告のコンバージョン率T26のフィールドを有する。例えば、
図6には、ドライバ位置T22「e地点」、相手ユーザ位置T23「h地点」、出力広告T24「広告5」、クリック率T25「30%」、コンバージョン率T26「20%」を、管理番号T21「1」と関連付けたレコード等を含むテーブルT2が生成された例が示されている。テーブルT2の1番目のレコードからは、特定されたドライバ位置T22が「e地点」であり且つ相手ユーザ位置T23が「h地点」である場合に、出力された広告T24「広告5」のクリック率T25が「30%」であり且つコンバージョン率T26が「20%」である旨を読み取ることができる。
【0072】
なお、
図6に示す例では、ドライバ端末30の位置(ドライバ位置T22)及び相手ユーザの位置(相手ユーザ位置T23)の組み合わせと、出力された広告(出力広告T24)と、の対応関係毎に、広告の評価値を集計するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、ドライバ位置T22及び相手ユーザ位置T23のいずれか一と、出力広告T24と、の対応関係毎に、広告の評価値を集計するようにしてもよい。
【0073】
以上のように、取得手段が、更に、他方の位置情報を取得し、取得手段により取得された一方及び他方の位置情報に基づいて特定される一方の位置及び他方の位置のいずれか一又は組み合わせと、広告出力手段により出力された広告と、の対応関係毎に、広告の評価値を集計する集計手段(制御部21)を備えることで、出力広告に対する評価を位置毎に解析することができるので、以後の広告配信をより適切なものとして販促効果の向上へと結び付けることができる。
【0074】
また、
図4に示す広告表示画面G1において、相手ユーザが広告表示部G12に表示された広告をクリック操作した場合、広告対象の店舗の情報を表示させるとともに、当該店舗をドライバの経由地として設定することが可能なボタン(例えば、ここに寄ってもらうボタン)を併せて表示させるようにすることで、相手ユーザによる経路変更機能を備えるようにしてもよい。
この場合、ナビサーバ10の制御部11は、上記のボタンがクリック操作された旨を示す情報を、広告配信サーバ20を介して又は相手ユーザ端末50から直接取得し、広告対象の店舗を経由地として設定する。なお、相手ユーザの操作により経路を変更したとしても、通話によりその旨をドライバに伝えることができるので、ドライバにとって特に不都合は生じない。
以上のように、相手ユーザによる経路変更機能を備えることで、商品の購入を促進して販促効果の向上を見込めるとともに、ドライバにとっても経路変更の手間を取られることなく運転に集中することができる。
【0075】
また、上記実施形態では、通信当事者A及び通信当事者Bとの間で行われる通信の一例として、電話による通話を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、通信当事者A及び通信当事者Bとの間で通信が行われる構成であれば、いかなる構成であってもよく、例えば、車両Cのドライバ(通信当事者A)の位置情報を相手ユーザ(通信当事者B)の相手ユーザ端末50が共有する「位置情報の共有」も、本発明の通信に含めることができる。
【0076】
また、上記実施形態では、カーナビ機能を利用するユーザ(ドライバ)の端末(ドライバ端末30)の位置情報を取得して広告を抽出するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、徒歩のユーザに対し経路をナビゲーションする所謂「人ナビ」の機能を利用するユーザの端末の位置情報を取得して広告を抽出するようにしてもよい。
また、ナビゲーション機能以外のサービス(機能)を利用するユーザの端末の位置情報を取得して広告を抽出するようにしてもよい。即ち、本発明は、位置情報を取得可能な端末であれば、その通信相手に対し広告を提供することが可能である。
【0077】
また、上記実施形態では、広告配信サーバ20から送信された広告情報に基づく広告を、表示部53に表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、相手ユーザ端末50に音声出力部を設けるようにし、広告を表示部53に表示させる代わりに、音声出力部から音声広告を音声出力させるようにしてもよい。但し、相手ユーザ端末50を利用する相手ユーザはドライバと通話中であるので、表示部53に表示させる構成の方がより好ましい。
【0078】
また、上記実施形態では、一方のユーザ(通信当事者A)の位置情報を取得して、他方のユーザ(通信当事者B)の端末に広告を表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、上記例において、更に、通信当事者Bの側を一方のユーザ、通信当事者Aの側を他方のユーザと捉えることで、通信当事者Aの位置情報を取得して、通信当事者Bの端末に広告を表示させると同時に、通信当事者Bの位置情報を取得して、通信当事者Aの端末に広告を表示させるようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、ナビサーバ10及び広告配信サーバ20を別体の装置として例示して説明しているが、これに限定されるものではない。即ち、ナビサーバ10及び広告配信サーバ20を一体の装置として構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電話機40及び相手ユーザ端末50を別体の装置として例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、テレビ電話のように、相手ユーザが表示画面に表示された広告を確認しつつ通話が可能な構成であれば、電話機40及び相手ユーザ端末50を一体の装置として構成するようにしてもよい。
【0080】
また、本出願に示す各態様は、方法、プログラムなどとしても把握することができる。方法やプログラムのカテゴリについては、装置のカテゴリで示した「手段」を、例えば、「工程」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの順序は、本出願に直接明記のものに限定されず、順序を変更したり、一部の処理をまとめて若しくは随時一部分ずつ実行するよう変更したりすることができる。
【0081】
その他、ナビサーバ、広告配信サーバ、ドライバ端末、電話機及び相手ユーザ端末を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。