特許第6687529号(P6687529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6687529無線通信システムにおける端末間直接通信のためのリソーススキャン方法及びそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687529
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける端末間直接通信のためのリソーススキャン方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/02 20090101AFI20200413BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20200413BHJP
【FI】
   H04W72/02
   H04W92/18
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-556233(P2016-556233)
(86)(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公表番号】特表2017-506476(P2017-506476A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】KR2014011486
(87)【国際公開番号】WO2015080488
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年11月15日
(31)【優先権主張番号】61/910,027
(32)【優先日】2013年11月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/923,243
(32)【優先日】2014年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/993,284
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョンソプ
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−529032(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0170476(US,A1)
【文献】 LG Electronics,Discussion on Resource Allocation in D2D Communications,3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135481,2013年11月 1日,p.5-8,3節
【文献】 LG Electronics,Resource Management for D2D Communications,3GPP TSG-RAN WG1♯74 R1-133791,2013年 8月17日
【文献】 Ericsson,D2D Scheduling Procedure,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134238,2013年11月 2日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて送信端末が端末間直接通信を用いて信号を送信する方法であって、
サブフレームnより前の少なくとも1つの第1サブフレーム内で測定された受信信号強度に基づいてメトリックを算出するステップと、
前記算出されたメトリックに基づいて、少なくとも1つの第2サブフレームを決定するステップと、
前記少なくとも1つの第2サブフレーム内で端末間直接通信信号を受信端末に送信するステップであって、
前記少なくとも1つの第2サブフレームは、サブフレームn+x以後に位置し、
xは、0より大きな整数である、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2サブフレームを決定するステップは、前記算出されたメトリックに基づいて、前記サブフレームnから前記サブフレームn+xの間に前記少なくとも1つの第2サブフレームを決定するステップであって、xは、4以下の正の整数である、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記メトリックを算出するステップは、前記少なくとも1つの第1サブフレームにおいて2つ以上のリソースユニットのバンドルの単位で前記メトリックを算出するステップを含み、
記メトリックは、2つ以上の第1サブフレームのメトリックの最小値又は平均値である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記メトリックを算出するステップは、
少なくとも1つの第3サブフレームに含まれた1つ以上のリソースユニット単位でメトリックを算出するステップであって、前記少なくとも1つの第3サブフレームは、前記少なくとも1つの第1サブフレームと前記少なくとも1つの第2サブフレームとの間に位置する、ステップと、
前記少なくとも1つの第1サブフレームの特定のリソースユニットに対するメトリックと前記少なくとも1つの第3サブフレームの前記特定のリソースユニットに対するメトリックのうち小さい値を、前記特定のリソースユニットに対する最終メトリックとして選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線通信システムにおいて端末間直接通信を行う端末であって、
基地局又は端末間直接通信の受信端末と信号を送受信するための無線通信モジュールと、
前記信号を処理するためのプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
サブフレームnより前の少なくとも1つの第1サブフレーム内で測定された受信信号強度に基づいてメトリックを算出し、
前記算出されたメトリックに基づいて、少なくとも1つの第2サブフレームを決定し、
前記少なくとも1つの第2サブフレーム内で端末間直接通信信号を受信端末に送信するように前記無線通信モジュールを制御し、
前記少なくとも1つの第2サブフレームは、サブフレームn+x以後に位置し、
xは、0より大きな整数である、ように構成される、端末。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記算出されたメトリックに基づいて、前記サブフレームnから前記サブフレームn+xの間に前記少なくとも1つの第2サブフレームを決定し、xは、4以下の正の整数である、請求項に記載の端末。
【請求項7】
前記メトリックを算出することは、前記少なくとも1つの第1サブフレームにおいて2つ以上のリソースユニットのバンドルの単位で前記メトリックを算出することを含み
記メトリックは、2つ以上の第1サブフレームのメトリックの最小値又は平均値である、請求項に記載の端末。
【請求項8】
前記プロセッサは、
少なくとも1つの第3サブフレームに含まれた1つ以上のリソースユニット単位でメトリックを算出し、前記少なくとも1つの第3サブフレームは、前記少なくとも1つの第1サブフレームと前記少なくとも1つの第2サブフレームとの間に位置し、
前記少なくとも1つの第1サブフレームの特定のリソースユニットに対するメトリックと前記少なくとも1つの第3サブフレームの前記特定のリソースユニットに対するメトリックのうち小さい値を、前記特定のリソースユニットに対する最終メトリックとして選択する、ようにさらに構成される、請求項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、無線通信システムにおける端末間直接通信のためのリソーススキャン方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という。)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進展したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業が進行中である。一般に、E−UMTSをLTE(Long Term Evolution)システムと呼ぶこともできる。UMTS及びE−UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容はそれぞれ、「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease 7及びRelease 8を参照すればよい。
【0004】
図1を参照すると、E−UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNodeB;eNB)、及びネットワーク(E−UTRAN)の終端に位置して外部ネットワークに接続するアクセスゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含んでいる。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは、互いに異なった帯域幅を提供するように設定されてもよい。基地局は、複数の端末に関するデータ送受信を制御する。下りリンク(Downlink;DL)データについて、基地局は下りリンクスケジューリング情報を送信し、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、上りリンク(Uplink;UL)データについて、基地局は上りリンクスケジューリング情報を該当の端末に送信し、該当の端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。基地局同士の間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを用いることができる。コアネットワーク(Core Network;CN)は、AG、及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成可能である。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位に端末の移動性を管理する。
【0006】
無線通信技術は、WCDMAに基づいてLTEにまで開発されてきたが、ユーザと事業者の要求と期待は増す一方である。その上、他の無線接続技術の開発が続いており、将来、競争力を持つためには新しい技術進化が要求される。ビット当たりのコストの削減、サービス利用可能性の増大、柔軟な周波数バンドの使用、単純構造と開放型インターフェース、端末の適度な電力消費などが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような議論に基づき、以下では、無線通信システムにおいて端末間直接通信のためのリソーススキャン方法及びそのための装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一様相である、無線通信システムにおいて送信端末が端末間直接通信を用いて信号を送信する方法は、周期的に定義される第1リソースプール内で、前記第1リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して1つ以上のリソースユニット単位で所定のメトリックを算出するステップと、前記算出されたメトリックに基づいて、送信リソースを決定するステップと、前記第1リソースプールの後の第2リソースプールで、前記送信リソースを用いて端末間直接通信信号を受信端末に送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
好適には、前記送信リソースを決定するステップは、前記算出されたメトリックに基づいて、既に設定されたプロセシング時間に前記送信リソースを決定するステップを含むことを特徴とする。
【0010】
又は、前記所定のメトリックを算出するステップは、前記リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して2つ以上のリソースユニットのバンドルの単位で所定のメトリックを算出するステップを含むことができ、この場合、前記所定のメトリックは、前記2つ以上のリソースユニットのそれぞれに対するメトリックのうち最小値又は平均値であることを特徴とする。具体的に、前記2つ以上のリソースユニットは、時間軸又は周波数軸で連続していることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記所定のメトリックを算出するステップは、前記第1リソースプールの後に位置し、前記第2リソースプールの前に位置する第3リソースプール内で、前記第3リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して1つ以上のリソースユニット単位で所定のメトリックを算出するステップを含むことができる。この場合、前記所定のメトリックを算出するステップは、前記第1リソースプールの特定のリソースユニットに対するメトリックと前記第3リソースプールの前記特定のリソースユニットに対するメトリックのうち小さい値を、前記特定のリソースユニットに対する最終メトリックとして選択するステップを含むことができる。
【0012】
一方、本発明の他の様相である、無線通信システムにおいて端末間直接通信を行う端末は、基地局又は前記端末間直接通信の相手端末装置と信号を送受信するための無線通信モジュールと、前記信号を処理するためのプロセッサとを備え、前記プロセッサは、周期的に定義される第1リソースプール内で、前記第1リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して1つ以上のリソースユニット単位で所定のメトリックを算出し、前記算出されたメトリックに基づいて送信リソースを決定し、また、前記プロセッサは、前記第1リソースプールの後の第2リソースプールで、前記送信リソースを用いて端末間直接通信信号を相手端末に送信するように前記無線通信モジュールを制御することを特徴とする。
【0013】
好適には、前記プロセッサは、前記算出されたメトリックに基づいて、既に設定されたプロセシング時間に前記送信リソースを決定することを特徴とする。
【0014】
又は、前記プロセッサが前記リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して2つ以上のリソースユニットのバンドルの単位で所定のメトリックを算出してもよく、この場合、前記所定のメトリックは、前記2つ以上のリソースユニットのそれぞれに対するメトリックの最小値又は平均値であることを特徴とする。
【0015】
また、前記プロセッサは、前記第1リソースプールの後に位置し、前記第2リソースプールの前に位置する第3リソースプール内で、前記第3リソースプールに含まれた複数のリソースユニットに対して1つ以上のリソースユニット単位で所定のメトリックを算出し、前記第1リソースプールの特定のリソースユニットに対するメトリックと前記第3リソースプールの前記特定のリソースユニットに対するメトリックのうち小さい値を、前記特定のリソースユニットに対する最終メトリックとして選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によれば、端末間直接通信のために効率的にリソースをスキャンし、信号を効率的に送受信することができる。
【0017】
本発明で得られる効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していない別の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。
図2】3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)構造を示す図である。
図3】3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
図4】LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
図5】LTEシステムで用いられる下りリンク無線フレームの構造を例示する図である。
図6】LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図7】端末間直接通信の概念図である。
図8】リソースプール及びリソースユニットの構成例を示す図である。
図9】本発明の実施例によって、2個のサブフレームで連続する2個の周波数領域を使用して合計4個のリソースユニットを1個のバンドル(bundle)として用いる場合を例示する図である。
図10】リソースプールのスキャン及びリソースユニットの選択過程を例示する図である。
図11】本発明の実施例によって、リソースプールのスキャン及びリソースユニットの選択過程を例示する図である。
図12】本発明の実施例によって、SAリソースユニットとデータリソースユニットを配置する例を図示する。
図13】本発明の実施例によって、SAリソースとデータリソースから分離して設定及び管理する例を示す図である。
図14】本発明の実施例によって、複数のサブフレームで同一リソースユニットをスキャンする動作を例示する図である。
図15】本発明の実施例によって、スキャンウィンドウを設定する例を示す図である。
図16】本発明の実施例に係るONステートとOFFステートの構成例を示す図である。
図17】本発明の一実施例に係る通信装置を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0020】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形されて適用されてもよい。
【0021】
また、本明細書では、基地局をRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継機(relay)などを含む包括的な名称として使うことができる。
【0022】
図2は、3GPP無線アクセスネットワーク規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0023】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体アクセス制御(Medium Access Control)層とはトランスポートチャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該トランスポートチャネルを通じて媒体アクセス制御層と物理層との間でデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間では物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0024】
第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとしてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0025】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解放(Release)に関連して、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層の間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0026】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のうち一つに設定されて、複数の端末に下り又は上り伝送サービスを提供する。異なるセルは異なる帯域幅を提供するように設定されてもよい。
【0027】
ネットワークから端末にデータを送信する下りトランスポートチャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを通じて送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上りトランスポートチャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。トランスポートチャネルの上位に存在し、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0028】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0029】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得すればよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
【0030】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
【0031】
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を通じて特定のシーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを通じて、プリアンブルに対する応答メッセージを受信すればよい(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0032】
上述の手順を行った端末は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行えばよい。特に、端末はPDCCHを通じて下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割り当て情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なっている。
【0033】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報は、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを通じて送信してもよい。
【0034】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0035】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0036】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0037】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0038】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0039】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル固有(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散率(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシチ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0040】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、トランスポートチャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割り当てに関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを通じて送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを通じてデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0041】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定のPDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定のサブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いて検索領域でPDCCHをモニター、すなわち、ブラインドデコードし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0042】
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0043】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割り当て要求であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
【0044】
図7は、端末間直接通信の概念図である。
【0045】
図7を参照すると、UEが他のUEと直接無線通信を行うD2D(device−to−device)通信、すなわち、端末間直接通信では、eNBが、D2D送受信を指示するためのスケジューリングメッセージを送信することができる。D2D通信に参加するUEは、eNBからD2Dスケジューリングメッセージを受信し、D2Dスケジューリングメッセージが示す送受信動作を行う。ここで、UEはユーザの端末を意味するが、eNBのようなネットワークエンティティがUE間の通信方式にしたがって信号を送受信する場合には、これも一種のUEと見なされてもよい。以下では、UE間に直接連結されたリンクをD2Dリンクと、UEがeNBと通信するリンクをNUリンクと呼ぶ。
【0046】
D2D動作を行うために、UEはまず、自身がD2D通信を行おうとする相手UEがD2D通信可能な近接領域に位置するかを把握するディスカバリ(discovery)過程を行う。このようなディスカバリ過程は、各UEが自身の識別を可能にする固有のディスカバリ信号を送信し、隣接したUEがそれを検出する場合に、ディスカバリ信号を送信したUEが隣接して位置していると把握する形態でなされる。すなわち、各UEは、自身がD2D通信を行おうとする相手UEが隣接した位置に存在するかを、ディスカバリ過程を経て確認した後、ユーザデータを送受信するD2D通信を行う。
【0047】
一方、以下では、UE1が、一連のリソースの集合を意味するリソースプール(resource pool)から、特定のリソースに該当するリソースユニット(resource unit)を選択し、当該リソースユニットを用いてD2D信号を送信する場合について説明する。ここで、リソースプールは、UE1が基地局のカバレッジ内に位置する場合には基地局が知らせることができ、UE1が基地局のカバレッジ外に位置する場合には他のUEが知らせたり、或いはあらかじめ定められたリソースとして決定されてもよい。一般に、リソースプールは、複数のリソースユニットから構成され、各UEは1つ或いは複数のリソースユニットを選定して自身のD2D信号の送信に用いることができる。
【0048】
図8に、リソースプール及びリソースユニットの構成例を示す。
【0049】
図8を参照すると、全体周波数リソースがNF個に分割され、全体の時間リソースがNT個に分割されて、合計NF*NT個のリソースユニットが定義される場合を例示している。特に、当該リソースプールがNTサブフレームを周期に反復されるといえる。特徴的に、一つのリソースユニットは周期的に反復して現れてもよい。或いは、時間や周波数レベルでのダイバーシチ(diversity)効果を得るために、一つの論理的なリソースユニットがマップされる物理的リソースユニットのインデックスが時間によって、あらかじめ定められたパターンで変化してもよい。このようなリソースユニット構造において、リソースプールは、D2D信号を送信しようとするUEが送信に使用可能なリソースユニットの集合を意味することができる。
【0050】
上述した構造において、特定のUEがD2D信号を送信する前に、既に存在しているUEがどのリソースユニットを使用しているかをスキャン(scan)する必要がある。これは、スキャン過程を通じて、できるだけ既存のUEが使用していないか、既存のUEに及ぶ影響を最小化できるリソースユニットを選択するためである。以下、より効果的にリソースユニットを選択するためのリソースプールスキャン方式を提案する。
【0051】
まず、D2D送信UEは、リソースプールスキャン過程で各リソースユニットを使用するか否かに対するメトリック(metric)を計算することができる。以下では、説明の便宜のために、メトリックの大きい当該リソースユニットを使用するほどより一層好ましいとする。このメトリックは、各リソースユニットで測定されたエネルギーレベルから導き出すことができる。すなわち、特定のリソースユニットから強いエネルギーが検出されると、これは、隣接したUEが当該リソースユニットを使用する確率が非常に高いという意味であり、当該メトリックを低く設定すればよい。一例として、受信エネルギーレベルがE mWであるリソースユニットのメトリックを1/Eと与えることができる。或いは、このメトリックは、各リソースユニットから検出された特定の信号の受信電力から導き出されてもよい。
【0052】
全ての送信UEが特定の信号を自身の使用するリソースユニットで伝送するように規定される場合には、このような特定の信号の受信電力から、隣接したUEが当該リソースユニットを使用しているか否かを把握することもできる。好ましくは、上記特定の信号は、D2D信号と常に共に伝送されるDM−RS(demodulation reference signal)であってもよい。
【0053】
もちろん、メトリックを決定する要素として、以上に説明した以外の様々な要素が追加されてもよい。送信UEは、1つのリソースユニットを選択する場合には、リソースプール内の各リソースユニットに対してメトリックを計算し、1)当該メトリックが最大となるリソースユニットを選択したり、2)該当メトリックが一定レベル以上(例えば、上位x%以上)となるリソースユニットから一つをランダムに選択したり、或いは3)メトリックに比例する選択確率を各リソースユニットに割り当てた後、当該確率によって最終リソースユニットを選択することができる。
【0054】
一方、一つのD2D送信UEは複数のリソースユニットを使用してもよい。一例として、UEの送信すべきデータの量が多い場合には、UEは複数のリソースユニットを使用してもよい。ここで、UEが使用する複数のリソースユニットは、同じサブフレームに存在する複数の周波数領域であってもよく、各サブフレームでは一つの周波数領域を使用するが、複数のサブフレームにわたっている形態であってもよく、或いは複合的な形態であってもよい。特徴的に、UEは、一つのサブフレーム内では連続した周波数領域を使用することによって、単一搬送波特性(single carrier property)を維持することができる。
【0055】
図9は、本発明の実施例によって、2個のサブフレームで連続する2個の周波数領域を用いて合計4個のリソースユニットを1個のバンドル(bundle)として使用する場合を例示する。
【0056】
このように、一つのUEが複数のリソースユニットを使用する場合には、異なるメトリックを有する各リソースユニットを一つの集合に束ねた単位(以下、リソースユニットバンドル)に対して別途の代表メトリックを導き出した後、上述した方法のいずれかによって最終的に使用するリソースユニットバンドルを選択することができる。言い換えると、N個のリソースユニットを使用するUEは、N個のリソースユニットを一つのリソースユニットバンドルと定義し、各リソースユニットバンドルに対する代表メトリックを計算する。このようなリソースユニットバンドルのメトリックは、下記のA又はBの方法によって決めることができる。
【0057】
A.リソースユニットバンドルを構成するリソースユニットのメトリックのうち最小値を選択することができる。これは、当該バンドルを構成するリソースユニットのうち一つでも低いメトリックを有し、既存UEに大きい影響を及ぼす場合、当該バンドル自体を低い確率で使用するように動作する効果がある。万一リソースユニットのメトリックが受信エネルギーレベルから導き出される場合には、構成するリソースユニットのうち、最大のエネルギーレベルが受信されたリソースユニットを、当該バンドルの代表リソースユニットと見なすことができる。
【0058】
B)リソースユニットバンドルを構成するリソースユニットのメトリックの平均値を選択することもできる。これは、当該バンドルを構成する特定のリソースユニットを他のUEが使用していても、他のリソースユニットが非常に適切である場合には一定の確率で当該バンドルを使用する効果がある。ここでいう平均値は、メトリックの算術平均であってもよく、幾何平均又は調和平均の形態であってもよい。
【0059】
一方、リソースユニットバンドルの概念は、同一サブフレームの異なる周波数を占める場合にのみ特徴的に現れ得る。これは、UEが異なるサブフレームに位置する2つのリソースユニットを同時に使用しても、リソースユニットを組み合わせる上で制約がない反面、同一サブフレームに位置する2つのリソースユニットを同時に使用する場合には、上述した理由で、隣接したリソースユニットを選択しなければならないという制約が発生するためである。
【0060】
上述した方式によって、リソースユニット或いはリソースユニットバンドルを選択する際、メトリックが非常に低いリソースユニットは常に選択されなくてもよい。すなわち、特定のリソースユニット又はリソースユニットバンドルのメトリックが一定レベル以下となる場合には、いかなる場合にも当該リソースユニットを選択しない。このメトリックが各リソースユニットで受信されたエネルギーレベルから決定される場合には、エネルギーレベルが一定レベル以上であるリソースユニットは使用が禁止されてもよい。したがって、リソースプールにおける全てのリソースユニットでメトリックが基準値以下である場合には、当該UEは伝送を留保し、有効なリソースユニットが見つかるまで待たなければならない。これによって、UEが非常に密集している場合にいずれもリソースユニットを使用しようとし、結果として全ての通信で強い干渉が発生することを防止することができる。ここで使用するメトリックの基準は、あらかじめ定められた値であってもよく、eNB又は他のUEが適切な値を指定して知らせてもよい。
【0061】
一方、UEがリソースプールをスキャンし、使用するリソースユニットを決定したとしても、当該リソースユニットを直ちに使用することは不可能な場合がある。これを、図面を参照して説明する。
【0062】
図10は、リソースプールのスキャン及びリソースユニットの選択過程を例示する図である。特に、図10では、一つの論理的リソースユニットがマップされるサブフレームが同一であると仮定する。
【0063】
図10を参照すると、以前NTサブフレームにおけるリソースユニットをスキャンした直後に、次のNTサブフレームのうち、最初の一部のサブフレームに位置するリソースユニットを使用する場合、リソースユニットの決定から実際にD2D信号を伝送するまでのプロセシング時間が不十分でありうる。このような場合、一定のプロセシング時間を確保するために、UEは、一つの周期のリソースプールに属するNT個のサブフレームのうち、後に位置する一部のリソースユニットに対しては、以前の周期でスキャンした結果に基づいてメトリックを導き出すように動作することができる。
【0064】
図11は、本発明の実施例によって、リソースプールのスキャン及びリソースユニットの選択過程を例示する図である。特に、図11は、実際に異なる周期に位置するリソースユニットを一度のスキャンで活用する例を示す。
【0065】
図11を参照すると、サブフレーム#0からサブフレーム#(NT−1)までのサブフレームで構成される時間領域上のリソース構造において、最後のx個のサブフレームに対するスキャンは直接行わず、サブフレーム#0以前に位置する同一の論理的リソースユニットに対応するサブフレームでスキャンし、その結果が最後のx個のサブフレームでも維持されると仮定する。これによって、たとえ特定の周期において先に現れるリソースユニットを選択する場合にも、少なくともxサブフレーム分だけのプロセシング時間が保証される。ここで、xは、LTEのスケジューリング及びUE送信の関係を決定する3サブフレームと定められてもよい。
【0066】
言い換えると、スキャンを行う最後のリソースユニットから一定プロセシング時間以内のサブフレームに位置するリソースユニットに対しては、一つのスキャン周期(又は、一つのリソース周期)前の結果を適用してリソースユニットを選択し、それ以降のリソースユニットから当該スキャン周期の結果を適用する。
【0067】
一方、図11で説明したリソースユニットのスキャンと選択との間にプロセシング時間が存在する構造は、UEがD2D信号を受信する場合にも効果的に活用することができる。以下、この動作について具体的に説明する。
【0068】
D2D受信UEは、D2D送信UEから送信される本格的なD2Dデータチャネルを受信する前に、一連のスキャン動作を行うことができる。これは、各D2D送信UEがどのリソースユニットを用いていかなるパラメータ(例えば、データチャネルに使用するMCS(modulation and coding scheme))を適用するかを把握するためである。そのために、D2D送信UEは、一部のD2Dリソースユニットを適用して、自身の使用するリソースユニット情報及びパラメータを送信することができ、D2D受信UEは、このようなリソースユニットをスキャンし、関連した情報を把握する。
【0069】
D2D送信UEがデータチャネルで使用するリソースユニット及びパラメータを送信する信号をSA(scheduling assignment)と呼ぶことができ、SAに起因するオーバーヘッドを減らすために、全体のD2Dサブフレームのうち一部だけをSAのためのリソースユニットとして用いることができる。D2D受信UEは、SA送信が可能なリソースユニットをスキャンし、データチャネルが送信されるリソースユニット及び適用するパラメータを把握した後、自身が受信すべきデータリソースユニットでのみ選択的に受信動作を行う。この場合にも、D2D受信UEがSAをスキャンする時間と、これに基づいて受信に必要なデータリソースユニットを選択するまでのプロセシング時間とが必要である。
【0070】
図12は、本発明の実施例によって、SAリソースユニットとデータリソースユニットを配置する例を図示する。特に、図12では、y個の連続したサブフレームがSAリソースユニットとして使用されており、スキャン動作は、xサブフレームだけのプロセシング時間が過ぎた後のリソース選択で反映される場合を仮定する。
【0071】
さらに、上述した概念は、上述したD2D受信UE側でのプロセシング時間確保とは違い、D2D送信UEの側でもプロセシング時間確保のために拡張されてもよい。具体的に、他のUEから送信されるSAをあらかじめスキャンし、その結果に基づいて自身のデータ送信のためのリソースを決定するまでのプロセシング時間が必要である。一例として、他のUEから送信されるSAをあらかじめスキャンし、該SAから、他のUEが使用するリソースの位置などの情報を取得した後、上述したメトリックを定義し、自身の送信に使用するリソースを選択するように動作することができる。ただし、この場合、他のUEのSAをスキャンした後、送信を行うD2D送信UEが送信するD2Dデータは、SA無しのデータ送信と仮定できるが、これは、当該UEはSAリソースで受信を行うことから、実際に自身のSAを送信することは不可能であるためである。このような場合、SA無しのデータ送信に関する各種情報、例えば、MCS(modulation and coding scheme)、周波数ホッピング(frequency hopping)をするか否か、送信に使用するRBの個数のような情報はあらかじめ決定されていると受信UEにあらかじめ知られていなければならない。特徴的に、このようなSA無しのデータ送信は、データが発生した直後に、SA送信過程無しで直ちにデータ送信を始めることができるという長所から、非常に短い遅延時間で送信されるべきデータの送信に適している。
【0072】
一方、リソースユニット、特に、サブフレームは、SAリソースとデータリソースから分離されて設定及び管理されてもよい。その結果、一連のSAリソースから取得したスキャン情報は、一連のデータリソースに適用される。特に、図12を参照すると、SAリソースから取得したスキャン情報は、当該SAリソースのうち最後のサブフレームからプロセシング時間であるxサブフレーム以降に現れるデータリソースから適用可能である。
【0073】
図13は、本発明の実施例によって、SAリソースとデータリソースから分離して設定及び管理する例を示す。特に、図13は、10ms周期で連続する2つのサブフレームがSAリソースセットとして設定され、残りはデータリソースセットとして設定される場合を仮定しており、また、SAにおけるスキャンとデータにおける選択との間には3msのプロセシング時間が必要であり、4ms後に現れるサブフレームから適用可能であると仮定している。
【0074】
図13を参照すると、サブフレーム#0及びサブフレーム#1におけるSAは、サブフレーム#5からのデータに適用可能であり、サブフレーム#10及びサブフレーム#11におけるSAは、サブフレーム#15からのデータに適用可能であることがわかる。このため、サブフレーム#12、サブフレーム#13及びサブフレーム#14の場合は、例えより近い以前(すなわち、サブフレーム#10及びサブフレーム#11)にSAがあるとしても、プロセシング時間が十分でないため、さらに以前の(サブフレーム#0及びサブフレーム#1)SAによって、適用されるパラメータが決定される。
【0075】
さらにいうと、サブフレーム#n、#(n+1)、…、#(n+y−1)の連続したサブフレームが一つの周期内におけるSAリソースプールに属する場合、このSAリソースで送信されたSAは、サブフレーム#(n+y+x)、#(n+y+x+1)、…、#(n+y+x+A−1)に存在するデータリソースサブフレームに適用されるものであり、ここで、AはSAリソースプールの周期を表す。
【0076】
或いは、SAリソースとデータリソースとの一対一関係を維持するために、一連のSAリソースで取得したスキャン情報は、同一周期のデータリソースでのみ適用されると仮定して動作してもよい。このような動作が適用される場合には、当該SAリソースのうち最後のサブフレームからプロセシング時間であるxサブフレーム以降に現れるデータリソースからスキャン情報を適用してデータリソースを選択するが、その次のSAリソースが現れた時点からはそれ以上適用しなくなる。一例として、図13のようにリソースが設定された場合、サブフレーム0、1におけるスキャン結果は、サブフレーム#5,#6,#7,#8,#9でのみ適用される。このような動作が行われると、SAサブフレームとプロセシング時間以内の間隔を有するサブフレーム、例えば、図13のサブフレーム#2,#3,#4,#12,#13,#14では、上述したSA無しのデータ送信が不可能であると規定することができる。
【0077】
一方、上述した動作においてSAリソースサブフレームは必ずしも連続せず、不連続に位置してもよい。不連続的に位置する場合には、SAサブフレームの間にD2D通信のために用いられないサブフレームが位置しうる。万一D2Dデータリソースサブフレームが位置すると、上述した規則にしたがって、当該データサブフレームはそれ以前の周期におけるSAリソースセットによってパラメータが決定されるはずである。或いは、SAとデータサブフレームとを混ぜる動作を事前に防止するために、一つのSAリソースセットに属する2つのサブフレームの間には、当該SAと連動するD2Dデータサブフレームが位置しないように規定されてもよい。言い換えると、一連の連続したD2DサブフレームがSAリソースセットを構成する。
【0078】
図10及び図11では一つの周期に該当するNT個のサブフレームをスキャンする場合を仮定しているが、本発明はこれに制限されず、リソースユニットに対するより正確なスキャンのために、より多数の以前のサブフレームに対するスキャンを行ってもよい。この場合には、同じ論理的リソースユニットに対しても各時間別に異なるメトリックが測定されることがあり、上述したリソースユニットバンドルで用いた概念を導入して、同じ論理的リソースユニットに対応する各物理的リソースユニットのメトリックをそれぞれ測定し、これらから当該論理的リソースユニットのメトリックを計算することもできる。
【0079】
例えば、メトリックが受信エネルギーレベルの逆数と与えられ、複数のメトリックのうち最小値を代表メトリックとして採択すると、同一リソースユニットを複数のサブフレームでスキャンした結果、最高のエネルギーレベルが受信された場合に該当する値を、当該リソースユニットの代表メトリックとすることができる。特に、複数のサブフレームで同一リソースユニットをスキャンする動作は、既に通信を行っているUEが一時的に送るデータがないことから当該リソースユニットで低いエネルギーが検出されたり、一時的に当該チャネルが悪くなって低いエネルギーで受信される場合にも、当該リソースが空になっているとみなして衝突を起こすことを予防することができる。
【0080】
図14は、本発明の実施例によって、複数のサブフレームで同一リソースユニットをスキャンする動作を例示する図である。
【0081】
図14を参照すると、2周期にわたってリソースプールをスキャンし、リソースユニット#0に対して、一つの周期では低いエネルギーが検出されたが、他の周期で高いエネルギーが検出されたため、最低のメトリックを選択するという原則から、該当リソースユニットに対するメトリックを低く設定し、可能な限り使用しないように動作する。
【0082】
他の例として、代表メトリックを計算する方式として複数の測定値に対する平均が用いられると、図14のような場合では、中間程度のメトリックがリソースユニット#0に割り当てられてもよい。この場合、既存のUEがリソースユニット#0を一時的に使用中止した場合には干渉の問題を起こしうるが、既存のUEが通信を終了してリソースユニット#0をそれ以上使用しない場合には、早く当該リソースユニットを使用する可能性が高くなるという長所がある。
【0083】
最終のシステム設計に当たっては、このような長所短所を考慮して、リソースプールをスキャンする時間区間の領域及び複数のサブフレームのスキャン結果から各リソースユニットのメトリックを導き出す方法を適宜選択しなければならない。
【0084】
以下では、上述したリソースプールをスキャンする動作において、各UEがスキャン動作を行う時間の長さを決定する具体的な方法を説明する。説明の便宜のために、UEが各リソースユニット別メトリックを計算するためにスキャン動作を行う時間の区間を、スキャンウィンドウと呼ぶ。図11の実施例において、スキャンウィンドウは、その長さがリソースプールの周期に該当するNTサブフレームとなり、プロセシング時間のためにxサブフレームだけのオフセットが付加された状態である。図14の実施例において、スキャンウィンドウはオフセット無しで2*NTサブフレームの長さを有している。
【0085】
上述したスキャンウィンドウの長さは動作の便宜のために固定されてもよいが、動的に変化する状況に適応するために一連の規則によって調節されてもよい。一例として、送信UEがD2D信号の送信を中断する時間の長さによって、スキャンウィンドウの長さを調節することができる。
【0086】
一般に、D2D UEは、自身が信号を送信する時点では他の信号の受信が不可能であり、これは、自身の送信信号自体が受信信号に強力な干渉として働くためである。言い換えると、特定のD2D送信UEが特定のリソースユニットを選択してD2D信号を送信していると、当該リソースユニットと同じサブフレームに位置するリソースユニットに対するスキャンが不可能であることを意味する。したがって、同じ周期で各リソースユニットをスキャンするためには、上述したスキャンウィンドウは、当該UEがD2D信号を送信しない時点でのみ設定されればよい。
【0087】
一般に、各UEに発生するトラフィックは、時間によってランダムに発生する特性、例えば、特定の時点には多量のトラフィックが発生したが、他の時点にはトラフィックが発生しないなどの特性を有するため、たとえ特定のUEがNTサブフレームを周期にして反復される特定のリソースユニットを選択してD2D信号を送信するとしても、特定の時点ではそれ以上送信するトラフィックがなく、信号を送信しなくなる場合が発生する。便宜上、特定のリソースプール周期においてUEがD2D信号を送信していると、当該UEがONステートにあるとし、特定のリソースプール周期においてUEがD2D信号を送信しないと、当該UEがOFFステートにあるとする。この場合、上述したトラフィックのランダムな特性によって、特定のUEは、ONステートとOFFステートを経てD2D信号を送信するようになる。この時、特定のUEのスキャンウィンドウは、当該UEがOFFステートにある場合にのみ現れ、より正確なスキャンのために、当該UEがOFFステートに留まる時間の長さによってスキャンウィンドウの長さが調節されてもよい。
【0088】
より具体的に、スキャンウィンドウの長さは、0と、0よりも大きい特定の数字Aのうち一つの値に設定することができる。ここで、スキャンウィンドウの長さがAであるということは、スキャンウィンドウがリソースプール周期のA倍、すなわち、A*NTサブフレームに該当する長さを有することを意味する。
【0089】
また、0とAのうち一つを選択する基準は、OFFステートに留まる時間の長さが特定の基準値以上であって、スキャンウィンドウの長さがAになるか否かとすることができる。一例として、スキャンによるプロセシング時間が必要でないとすれば、その基準値はA周期になればよく、図11のように一定のプロセシング時間が必要であれば、その基準値は(A+1)周期になればよい。一般に、チャネルの変化及び雑音成分の存在によって、リソーススキャン結果の正確さはスキャンウィンドウの長さに影響を受けるが、十分な正確さのスキャン結果を得るためには、最小限の一定長のスキャンウィンドウが必要であり、ここで、Aは、その最小限の一定のスキャンウィンドウの長さに該当する値であってもよい。
【0090】
したがって、特定のUEがOFFステートに留まる時間が十分であって、長さAのスキャンウィンドウ設定が可能であれば、当該UEはそのリソーススキャンを行って、上述した原理によって、次のONステートで使用するリソースユニットを選択することができる。一方、当該UEがOFFステートに留まる時間が不十分であって、長さAのスキャンウィンドウ設定が不可能であれば、当該期間では安定したスキャンができないので、スキャンウィンドウを設定せず、すなわち、その長さを0に設定し、新しいスキャンを行わない。この場合、次のONステートで使用するリソースは、既存の安定したスキャン結果をそのまま維持するように決定することができる。すなわち、既存の使用したリソースをそのまま維持することができる。
【0091】
或いは、OFFステートに留まる途中に新しいD2Dトラフィックが発生してONステートに移動しなければならない状況であっても、OFFステートに留まった時間が十分でない場合には、一部の時間の間さらにOFFステートを維持して、長さAのスキャンウィンドウを設定可能にし、これによって新しく決定されたリソースユニットを用いてD2D信号を送信するように動作することもできる。特に、この動作は、UEがOFFステートに留まった時間がたとえ基準値には達していないとしても、基準値に近接していて、例えば、基準値まで到達するために必要な時間が一定レベル以下である場合に該当して、若干の追加OFFステートだけでも長さAのスキャンウィンドウ設定が可能な状況で選択的に行うことができる。
【0092】
上述した動作をより一般化すると、スキャンウィンドウは、UEがOFFステートに留まった期間が増加するほどその長さが維持されたり増加する形態で現れる。ただし、スキャンウィンドウの長さが過度に大きくなる場合には、かなり前のスキャン結果がリソースユニットの選択に影響を及ぼすようになり、これを排除するために、スキャンウィンドウの最大長に一定の制限が適用されてもよい。
【0093】
スキャンウィンドウ設定に対する他の例として、一定の条件を満たすと、たとえONステートにあるとしても強制的にOFFステートに移動し、リソーススキャンを行うように規定されてもよい。より具体的に、UEがONステートにM周期の間、連続して留まったとすれば、少なくとも一定時間はOFFステートに移動して上述したリソーススキャンを行うようにしてもよい。ここで、リソーススキャンウィンドウの最小長が存在すると、UEがONステートに連続して留まるという条件を判定する際、最小長のスキャンウィンドウを設定できない時間におけるOFFステート滞留は、相変らずONステートに留まることと見なすことができる。これは、上記動作を行う基本的な理由が、過度に長い時間、特定のUEがONステートに留まって、通信環境をスキャンする機会を逃し、不適切なリソースを引き続き使用することを防止することにあるためである。
【0094】
図15は、本発明の実施例によってスキャンウィンドウを設定する例を示す。特に、図15は、周期Mが6に該当するとともに、リソーススキャンのためには少なくとも2周期のOFFステートが必要である場合を仮定する。
【0095】
図15を参照すると、UEが4周期の間ONステートに留まった後、1周期の間OFFステートにあることがわかる。しかし、その直後の周期で再びONステートに移動した結果、上記OFFステートではスキャンウィンドウの設置が不可能であり、6周期のONステートが連続していると仮定し、その次の2周期にOFFステートに移動してリソーススキャンを行っている。
【0096】
図15で説明した動作を行うに当たって、UEは、M周期連続したONステートが発生する前に、あらかじめOFFステートに移動してスキャンウィンドウを設定するように動作してもよい。特に、確率的にONステートからOFFステートに移動して最小のスキャンウィンドウ設定を可能にすることによって、特定のUEがOFFステートとONステートを切り替える形態が周期的に現れることから、他のUEのリソーススキャンに誤りを発生させる現象を防止することができる。特に、この動作は、“特定のUEが一度一定の時間OFFステートに連続して留まった後、連続してONステートに滞留可能な時間は、M周期よりも小さいか等しい”という形態と規定することができる。
【0097】
図16は、本発明の実施例に係るONステートとOFFステートの構成例を示す。
【0098】
図16を参照すると、D2D UEは、自身がONステートに連続して留まった時間が延びるにつれてOFFステートに切り替わる確率を増加させながら、M周期連続したONステートが発生する前にリソーススキャンを行うように動作することができる。この場合、M周期連続したONステートの発生時にOFFステートへの移動確率は1となるように設定することができる。
【0099】
一定の条件を満たすと、たとえONステートにあるとしても強制的にOFFステートに移動してリソーススキャンを行うように規定する他の例として、UEが、自身が送信しないサブフレームで持続して副次的なスキャン動作を行う中で、一定レベル以上の状況変化が検出されると、OFFステートに移動して本格的なスキャン動作及びリソースユニット選定動作を行うように規定されてもよい。
【0100】
上述したように、送信UEは、自身がD2D信号を送信しないサブフレームではスキャン動作を行うことができる。したがって、D2D信号を送信しないサブフレームだけでも持続的なスキャン(これを副次的スキャンという。)を行っているが、スキャン結果に一定レベル以上の変化が観測されると、当該UEはそれを通信状況の有意な変化と把握することができる。ここで、有意な変化とは、UEの位置移動、新規UEの送信参加、又は既存UEの送信中断などを意味することができる。
【0101】
このような有意な変化は、より長い時間単位の変化を反映することが好ましいので、副次的スキャンのウィンドウの長さは、リソースユニットの選択のためのスキャンウィンドウの長さよりも長いことが好ましい。この時、副次的スキャンを通じて測定する値も同様に、各リソースユニットにおけるエネルギーレベル又は各リソースユニットにおけるDM−RSのような特定の信号の受信電力のような値であってもよく、このような測定値に対する変化の基準は、下記のi)乃至iv)のように適用することができる。
【0102】
i)特定のリソースユニットでの測定値がx%以上大きくなるか小さくなると、これを当該リソースユニットで変化が観察されたものと判断することができる。言い換えると、全体の測定したリソースユニットのうちy%以上で変化が観察されると、これを通信環境の変化とみなし、OFFステートに移動するように動作することができる。
【0103】
ii)又は、全体測定リソースユニットにおける代表値、例えば、各リソースユニットで測定値の最大値、最小値或いは平均値を定義した後、その値がx%以上大きくなるか小さくなると、それを通信環境の変化とみなし、OFFステートに移動するように動作することができる。
【0104】
iii)又は、UEが使用しているリソースユニットを選択する時のメトリックを保存した後、このメトリックよりも大きいメトリックを有するリソースユニットが一定個数以上発見されると、これを通信環境の変化とみなし、OFFステートに移動するように動作することができる。
【0105】
iv)最後に、UEが使用中のリソースユニットを選択する時のメトリックを保存した後、このメトリックよりもx%以上大きいメトリックを有するリソースユニットが発見されると、これを通信環境の変化とみなし、OFFステートに移動するように動作することができる。
【0106】
一定の条件を満たすと、たとえONステートにあるとしても強制的にOFFステートに移動してリソーススキャンを行うように規定する他の例として、当該UEの同期基準が変更される場合にはOFFステートに移動してリソーススキャンを行うように規定されてもよい。
【0107】
具体的に、D2D送信UEは、eNB又は他のUEが送信する同期基準信号を検出し、ここに時間及び/又は周波数同期を合わせた後にD2D信号を送信するが、UEが移動するなどの理由で、特定の送信UEの同期基準が他のeNB又は他のUEに変わることもある。或いは、UEが同期基準信号を送信する場合に、当該UEの持続的な同期基準信号の送信が終了し、他のUEが同期基準信号を送信するようにしてもよい。このように、同期基準が変更されると、D2D送信UEは、それを通信環境の変化とみなし、OFFステートに移動して(言い換えると、D2D信号の送信を一時的に中断し)リソーススキャンを行った後、自身が使用するリソースユニットを再び選択するように動作することができる。
【0108】
特徴的に、UEがOFFステートに留まる時間、言い換えると、リソーススキャン後にONステートに移動して新しい同期基準に合わせてD2D信号の送信を開始する時点は、ランダムに定められてもよい。これは、全てのUEが同じ時点で同時に信号の送信を試みることから、選択したリソースユニットで衝突が発生することを防止するためである。例えば、同期基準が変更された場合、各UEは、少なくとも一定時間はOFFステートに留まりながらリソーススキャンを行うが、OFFステートに留まる時間の長さはランダムに決定されるようにすることによって、UEが順にD2D信号を送信するようにすることができる。また、OFFステートに相対的に長く留まるUEは、先にONステートに移動したUEの信号を検出し、これに基づいて自身のリソースユニット選択を行うように動作することもできる。
【0109】
以下では、リソーススキャンを用いて、各リソースユニットが既存のUEによって占有されているか否かを判別する基準について具体的に説明する。上述したように、UEは、リソーススキャンを行って、各リソースユニットが既存のUEによって占有されているか否かを判別することができる。
【0110】
一例として、各リソースユニットにおけるエネルギーレベルからメトリックを計算するとき、一定レベル以上のエネルギーが検出されると、当該リソースユニットは既存のUEが使用していると判断し、低いメトリック(例えば、0)を付与するが、一定レベル以下のエネルギーが検出されると、当該リソースユニットは空いていると判断し、高いメトリック(例えば、1)を付与することができる。このような過程を通じて、どのリソースユニットが空いているかを判別し、ONステートに入ると、空いているものと判断されたリソースユニットを使用するように動作することができる。
【0111】
或いは、ランダムバックオフ(backoff)過程を考慮することもできる。具体的に、UEは、一定の範囲内で一つの乱数を発生させ、バックオフカウンターを初期化する。その後、各サブフレームにおいて空いているリソースユニットの個数だけ当該バックオフカウンターを減少させ、バックオフカウンターが0或いはそれ以下になると、D2D信号を送信するように規定されてもよい。この場合にも、リソースユニット別に他のUEによって使用されるかを判断する必要がある。
【0112】
一般に、リソースユニットが空いているか否かは、当該リソースで検出されたエネルギー(或いは、DM−RSのような特定の信号の受信電力)が、あらかじめ定められた基準値を超えるか否かから判断することができる。しかし、一般的なOFDMベースの送信においてUEが特定のリソースユニットだけを用いて信号を送信したとしても、送信信号による電力送出がその他の周波数領域(すなわち、他のリソースユニット)にも現れうる。これを、イン−バンドエミッション(in−band emission)と呼ぶ。
【0113】
このようなイン−バンドエミッションによって、特定のサブフレームにおいて特定のリソースユニットでのみ信号送信があったにもかわらず、その他のリソースユニットで一定レベルの信号電力が検出される現象が発生しうる。このような現象を、各リソースユニットが空いているか否かを判断する上で勘案する一方法として用いることができる。具体的に、リソースユニットが空いているか否かの基準になる基準値を、同一サブフレームで検出された各リソースユニットの電力値によって調節することができる。
【0114】
すなわち、特定のサブフレームにおける特定のリソースユニットで高い電力が検出され、当該リソースユニットが確かに他のUEによって使用されるという事実を把握した場合には、同一サブフレームの他のリソースユニットが空いているか否かを判断する基準値は、その他のサブフレームで使用する基準値よりも高く設定する。したがって、実際にリソースユニットが空になっているが、すなわち、未使用中であるが、他のリソースユニットにおける送信のイン−バンドエミッションによって一定レベルの電力が現れる場合も空いている場合として判断するようにすることができる。
【0115】
より具体的に、各サブフレームで各リソースユニットが空いているか否かの基準値は、同一サブフレームのリソースユニットで検出された最大受信エネルギーによって決定されてもよい。例えば、サブフレーム#nのリソースユニットで検出された最大受信エネルギーがEn(W)だとすれば、該当サブフレーム#nにおける各リソースユニットが未使用か否かの判断基準値は、max(a*En,b)(W)とすることができる。ここで、aは、基準値をEnに比例して設定する係数であり、bは、未使用か否かの判断基準値の最小値に該当する。このような過程によって、イン−バンドエミッションが存在する状況でも各リソースユニットが空いているか否かをより一層正確に判断することが可能になる。
【0116】
図17は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0117】
図17を参照すると、通信装置1700は、プロセッサ1710、メモリ1720、RFモジュール1730、ディスプレイモジュール1740、及びユーザインターフェースモジュール1750を備えている。
【0118】
通信装置1700は説明の便宜のために示されたもので、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置1700は必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置1700において一部のモジュールはより細分化したモジュールに区分されてもよい。プロセッサ1710は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的に、プロセッサ1710の詳細な動作は、図1乃至図16に記載された内容を参照すればよい。
【0119】
メモリ1720は、プロセッサ1710に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1730は、プロセッサ1710に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール1730は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップコンバート又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1740は、プロセッサ1710に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1740は、特に制限されるものではなく、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1750は、プロセッサ1710に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成可能である。
【0120】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0121】
本文書で基地局によって行われるとした特定の動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
【0122】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実装することができる。ハードウェアによる実装では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実装することができる。
【0123】
ファームウェアやソフトウェアによる実装では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で実装されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0124】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
上述したような無線通信システムにおける端末間直接通信のためのリソーススキャン方法及びそのための装置は、3GPP LTEシステムに適用される例を中心に説明したが、3GPP LTEシステムの他、様々な無線通信システムにも適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17