【実施例】
【0031】
サーバー装置100は、内部にヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200が保存され、前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200は登録モジュール21と、聴力検査モジュール22と、手動補正モジュール23と、お好み設定モジュール24と、機能選択モジュール25をさらに備える。
前記登録モジュール21は使用者が対応するデータを入力して登録を行うために使用される(
図3参照、前記登録モジュール21には前記使用者が入力するための少なくとも1つのデータ欄が設定され、前記データ欄はユーザー名と、パスワードと、パスワード再入力と、性別と、年齢と、職業と、前記スマートヘッドフォン装置400のシリアルナンバーとを含む)。前記聴力検査モジュール22は前記使用者が聴力検査を行って検査結果を生成させるために用いられる(
図4A乃至
図4D参照)。前記手動補正モジュール23は前記使用者が前記検査結果に対して手動補正を行うために使用される(
図5A乃至
図5C参照)。また、前記お好み設定モジュール24は前記使用者が個人の好みに合わせて音響効果モードの調整を行るために用いられ(
図6参照)、設定完了後に前記使用者の聴力に適合したパーソナライズ設定が形成される。さらに、前記機能選択モジュール25は、前記使用者がスマートヘッドフォン装置400により提供される機能を選択するために用いられる。前記機能は配向性チャット機能を含み、このほかにイージーリスニング機能を更に備える。
【0032】
携帯装置300(例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯装置)は第1送信ユニット31を介してネットワークに接続され、前記サーバー装置100から前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット200がダウンロードされると共に前記携帯装置300にインストールされる。
【0033】
前記スマートヘッドフォン装置400は、中央処理装置41と、前記中央処理装置41に電気的に接続される第2送信ユニット42を備え、前記第2送信ユニット42により前記第1送信ユニット31とペアリングされ、前記携帯装置300から伝送された命令を受信させると共に前記中央処理装置41に伝送させ、前記中央処理装置41により前記命令が対応する信号に変換される。
【0034】
ヘッドフォンユニット43は、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記ヘッドフォンユニット43から前記対応する信号を発信させて前記使用者に聴かせる。
【0035】
自動補正ユニット44は、前記中央処理装置41に電気的に接続されると共に前記聴力検査モジュールにより生成された検査結果に基づいて自動補正を行う。
【0036】
ストレージユニット45は、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記パーソナライズ設定がストレージユニット45に保存される。
【0037】
給電ユニット46は、前記中央処理装置41に電気的に接続され、前記スマートヘッドフォン装置400に必要な電力を供給させる。
【0038】
少なくとも1つのノイズサンプリングユニット47は、環境ノイズを収集して環境ノイズの検出を行う。
【0039】
少なくとも1つのマトリックス受音ユニット48は前記中央処理装置41に電気的に接続され、且つ前記スマートヘッドフォン装置400に設置されると共に前記使用者の真正面に向けられ、前記使用者の真正面から発せられる音声の受音に用いられる。
【0040】
信号処理ユニット49は、前記ノイズサンプリングユニット47、前記マトリックス受音ユニット48、及び前記中央処理装置41にそれぞれ電気的に接続され、前記環境ノイズを第1信号に変換させ、前記使用者からの真正面の音声を第2信号に変換させ、且つ前記第1信号及び前記第2信号を共に前記中央処理装置41に伝送させる。
【0041】
信号増強ユニット50は前記中央処理装置41及び前記ヘッドフォンユニット43に電気的に接続され、前記第2信号が増強された後に前記ヘッドフォンユニット43に送信され、前記ヘッドフォンユニット43から再生される。これにより、前記使用者が前記使用者の真正面の音声をはっきりと聞き取ることができる。
また、
図7に示されるように、前記マトリックス受音ユニット48は指向性を有する複数の受音マイク481(例えば、ハート形指向性マイク)を備えると共に前記スマートヘッドフォン装置400(例えば、耳覆い型ヘッドフォン)の支持部材401に固設され、前記使用者からの真正面の音声を受音させる。
【0042】
使用者は前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズシステムを利用して個人専用のスマートヘッドフォン装置を構築することができる。前記使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を着用して携帯装置、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯音楽プレーヤー等の音声信号を再生可能なあらゆる装置に接続して音楽や放送を聴く際に、使用者の両耳の聴力差の問題を解決しているため、毎回音量を調整し直さずともよくなり、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことで聴力障害に陥ることがなくなる。
また、音楽の周波数が使用者の好みの設定に基づいて調整されるので、使用者は快適な環境で音楽を聴くことができる。また、パーソナライズされたスマートヘッドフォン装置の配向性チャット機能により使用者の真正面にいるチャット相手の音声が増幅され、使用者が相手が話す内容をクリアに聴き取ることが可能になり、チャットの利便性が向上する。
【0043】
このほか、前記スマートヘッドフォン装置400は、前記中央処理装置41に電気的に接続される衛星測位ユニット(図示せず)を更に備える。前記衛星測位ユニットにより前記スマートヘッドフォン装置400の現在地が取得され、且つ前記中央処理装置41に出力される。これにより、使用者が前記スマートヘッドフォン装置400を着用した際に現在地を知ることができる。
【0044】
図8は本発明の一実施形態に係る配向性チャット機能を有するスマートヘッドフォン装置パーソナライズシステムの使用方法を図示する。それは以下の工程を少なくとも含む。
【0045】
使用者がサーバー装置を使用してヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットのダウンロードを行うと共に携帯装置にインストールさせ(例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯装置)、且つ前記携帯装置とスマートヘッドフォン装置とをペアリングさせてペアリングプロセスを完了させる工程1S1。
【0046】
登録プロセスが実行され、前記使用者が前記携帯装置の登録モジュールを利用して対応するデータの入力を行う工程2S2。
【0047】
聴力検査プロセスが実行され、前記使用者が前記スマートヘッドフォン装置を着用し、前記携帯装置の聴力検査モジュールにより前記使用者の左右の耳の聴力検査が行われると共に検査結果が生成される工程3S3。
【0048】
聴覚補正プロセスが実行され、まず前記スマートヘッドフォン装置の自動補正ユニットにより前記検査結果に対する自動補正が行われ、前記使用者が続いて前記携帯装置の手動補正モジュールにより補正を行う工程4S4。
【0049】
お好み設定プロセスが実行され、前記使用者が個人の好みに合わせて前記携帯装置のお好み設定モジュールにより音響効果モードの調整を行い、設定完了後に前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズが完了する工程5S5。
【0050】
機能選択プロセスが実行され、前記使用者が機能選択モジュールを使用して前記スマートヘッドフォン装置が提供する機能として配向性チャット機能を選択した場合、パーソナライズが完成したスマートヘッドフォン装置は前記スマートヘッドフォン装置に設置される少なくとも1つのマトリックス受音ユニットにより前記使用者からの真正面から発せられる音声を受音させ、且つ信号処理ユニットにより第2信号に変換させ、中央処理装置により前記第2信号が信号増強ユニットに伝送されて増強され、ヘッドフォンユニットから再生され、前記使用者が前記使用者の真正面から発せられる音声をクリアに聴き取れるようになる工程6S6。
【0051】
次に、図を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。まず、前記携帯装置及び前記スマートヘッドフォン装置のペアリングプロセスが完了し、次に前記登録プロセスが実行され、前記登録モジュールには前記使用者が入力するための少なくとも1つのデータ欄が設定される(
図3参照)。
また、前記データ欄はユーザー名と、パスワードと、パスワード再入力と、性別と、年齢と、職業と、前記スマートヘッドフォン装置のシリアルナンバーとを含み、使用者は上述の各データ欄の入力が完了すると登録も完了する。
【0052】
登録プロセスの完了後、使用者の聴力検査が行われ、聴力検査プロセスが実行される。前記聴力検査プロセスは準備状態及び検査状態を更に含み、前記準備状態では(
図4A参照)、まず前記スマートヘッドフォン装置の音量が最低まで下げられると共に前記スマートヘッドフォン装置のノイズサンプリングユニットが所定の位置まで調整されて環境のノイズの検出が行われ、且つ前記スマートヘッドフォン装置の信号処理ユニットにより前記環境ノイズが第1信号に変換されて前記スマートヘッドフォン装置の中央処理装置に伝送され、前記スマートヘッドフォン装置の第2送信ユニットにより前記第1信号が前記携帯装置に伝送される。
検出された前記環境のノイズが低い場合は前記検査状態に切り換えられ、検出された前記環境のノイズが高い場合は前記検査状態に切り換えられない。前記検査状態に切り換えられた場合(
図4B及び
図4C参照)、前記使用者は前記スマートヘッドフォン装置を使用して前記携帯装置から発せられる音声信号を聴くことができ、且つ前記音声信号間の周波数または音量の違いにより、前記使用者が毎回片耳で前記音声信号を聴き、前記使用者が前記音声信号を聴き取った場合は前記携帯装置の確認ボタンを押して(
図4B及び
図4Cに示す”聴こえる”)確認メッセージを発信させる。
その後、前記携帯装置により前記音声信号とは異なる周波数または音量の音声信号が発信され、複数回の検査が行われた後、前記携帯装置に前記検査結果が表示され(
図4Dに示す左右両耳の聴覚曲線)、同時に前記検査結果が前記ストレージユニットに保存され、前記携帯装置により前記サーバー装置にアップロードされて保存される。
【0053】
よって、前記使用者の両耳の検査が完了して前記検査結果が生成された後、続いて聴覚補正プロセスが実行される。まず、前記スマートヘッドフォン装置の自動補正ユニットにより前記検査結果に対する自動補正が行われ、且つ聴取音量があらかじめ設定され、前記使用者は前記携帯装置の手動補正モジュールを利用して補正を行う。前記聴覚補正プロセスは聴覚曲線補正と、聴覚閾値感度補正と、平衡補正(
図5A参照)と、音源位置補正(
図5B参照)とを更に含む。
前記聴覚曲線補正及び前記聴覚閾値感度補正では前記自動補正ユニットにより自動補正が実行され、例えば、トレンドに合わせて微調整されると共に前記ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニットによりどちらの耳を基準とするか自動的に判断される。検査結果が右耳の高音域及び左耳の低音域が正常だった場合、右耳に対する低音及び左耳に対する高音の補正を行うのみでよい。前記平衡補正及び前記音源位置補正は前記使用者が前記手動補正モジュールを使用して補正を行い、使用者が音声を頭部中央の位置で発せられるように微調整を行った後、補正済の音楽及び未補正の音楽をそれぞれ再生して使用者が聴き比べられるようにし、使用者が補正機能を使用するか否かを決定させる(
図5C参照)。
【0054】
最後にお好み設定プロセスが実行され、前記使用者は個人の好みに合わせて前記携帯装置のお好み設定モジュールを使用して音響効果モードの調整を行う(
図6参照)。前記音響効果モードはニュースモードと、クラシックモードと、ポップ音楽モードと、ロックンロールモードと、重低音モードとを含み、前記使用者が選択可能である。
設定完了後に前記スマートヘッドフォン装置のパーソナライズが完了する。これにより、前記使用方法により前記スマートヘッドフォン装置により前記使用者の聴力に対する矯正が実行され、使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を携帯装置、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯音楽プレーヤー等の音声信号が再生可能なあらゆる装置に接続させて音楽や放送を聴く際に、使用者の両耳の聴力差の問題が解決されているため、毎回音量を調整し直さずともよくなり、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことによる聴覚障害を負うことが無くなり、且つ音楽の周波数も使用者の好みの設定に基づいて調整され、使用者が快適な環境で音楽を聴けるようになり、好ましいリスニング効果が達成される。
【0055】
前記マトリックス受音ユニットは指向性を有する複数の受音マイク(例えば、ハート形指向性マイク)を備えると共に前記スマートヘッドフォン装置(例えば、耳覆い型ヘッドフォン)の支持部材に固設される。前記使用者は前記機能選択モジュールを使用して前記スマートヘッドフォン装置により提供される機能を選択する。
図9に示されるように、前記機能として配向性チャット機能及びイージーリスニング機能を含み、使用者が切り換え可能である。配向性チャット機能では、マトリックス受音ユニットにより使用者の真正面にいるチャット相手の音声が受音され、且つ信号処理ユニットにより第2信号に変換され、中央処理装置により第2信号が信号増強ユニットに伝送されて増強され、ヘッドフォンユニットから再生される。使用者が前記使用者の真正面から発せられる音声をクリアに聴き取れるようになり、部分的な周辺の音声が無視される。
イージーリスニング機能では、ノイズサンプリングユニットにより外部の環境ノイズのサンプリングが行われた後、信号処理ユニットに伝送されて分析が行われ、前記分析信号が生成され、中央処理装置が前記分析信号に基づいて前記ヘッドフォンユニットの再生音量の調整を行う。これにより、使用者が音楽を聴いている際に環境のノイズが変化した(ノイズが大きくなる、或いは小さくなる)場合、前記スマートヘッドフォン装置が前記ヘッドフォンユニットから再生される音量を即時調整させ(音量を上げる或いは下げる)、使用者がクリアに音楽を聴けるようにする。
【0056】
総合すると、本発明の配向性チャット機能を有するスマートヘッドフォン装置パーソナライズシステム及びその使用方法は、サーバー装置、ヘッドフォンパーソナライズアプリケーションユニット、携帯装置、及びスマートヘッドフォン装置の使用方法(ペアリング、登録、聴力検査、聴覚補正、お好み設定)が使用者の聴力及び好みに合わせて使用者専用にパーソナライズされるスマートヘッドフォン装置であり、使用者がパーソナライズされたスマートヘッドフォン装置を着用して音楽や放送を聴く場合、使用者の両耳の聴力差の問題が解決されているため、毎回音量を調整させる必要がなく、使用者の両耳が不適当な音量で音楽を聴くことによる聴覚障害を負うこともなくなる。
また、音楽の周波数は使用者の好みの設定に基づいて調整されるため、使用者は快適な環境で音楽を聴くことができる。なお、パーソナライズされたスマートヘッドフォン装置の配向性チャット機能により使用者の真正面にいるチャット相手の音声が増幅され、使用者が相手が話す内容をクリアに聴き取れるようになり、チャットの利便性が向上する。
【0057】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。