(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記行動履歴のうち、前記目的地の候補との関連性が所定の条件を満たす行動履歴を特定し、特定した行動履歴に基づいて、前記候補の中から前記目的地を推定する
ことを特徴とする請求項6に記載の推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法、推定プログラム、提案装置、提案方法および提案プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法、推定プログラム、提案装置、提案方法および提案プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
また、以下の説明では、推定装置および提案装置の一例である情報提供装置10が利用者が移動を開始した際に、移動先となる施設や場所等の目的地を推定する推定処理と、推定処理の結果に応じた情報を提供する提供処理との一例について説明するが、実施形態は、以下の説明に限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、推定結果に基づいて、利用者の現在位置から目的地までの経路を検索し、検索結果を利用者に提供する案内処理を実行してもよい。また、情報提供装置10は、例えば、利用者が自動車や自転車で移動する場合や利用者が歩行している場合、公共交通機関を採用した場合の各種案内処理を実行してもよい。
【0012】
[実施形態]
〔1.情報提供装置の概要について〕
まず、
図1を用いて、情報提供装置10が実行する処理の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理の概要を示す図である。
図1では、情報提供装置10は、以下に説明する推定処理および提案処理を実行する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0013】
また、情報提供装置10は、インターネット等のネットワークN(例えば、
図2参照)を介し、端末装置100やログサーバ200と通信可能である。なお、情報提供装置10は、任意の数の端末装置100やログサーバ200と通信可能であってよい。
【0014】
端末装置100は、は、スマートフォン、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末、ノート型PC(Personal Computer)等の端末装置であり、移動通信網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、任意のサーバと通信可能な端末装置である。
【0015】
また、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて、端末装置100の位置(以下、「現在地」と記載する。)を所定の時間間隔で特定する測位機能を有する。そして、端末装置100は、経路情報に含まれる地図等の画像を液晶画面やエレクトロルミネッセンス、LED(Light Emitting Diode)画面等(以下、単に「画面」と記載する。)に表示すると共に、特定した現在地をその都度地図上に表示する。また、端末装置100は、特定した現在地に応じて、左折や右折、使用する車線の変更、目的地への到着予定時間等を表示、若しくは、端末装置100や周囲に存在するスピーカー(例えば、利用者が乗車するスピーカ)等から音声により出力する。
【0016】
例えば、端末装置100は、現在地を示す位置情報を所定の時間間隔で取得し、取得した位置情報をログサーバ200へと送信する。また、端末装置100は、情報提供装置10が推定処理により推定した目的地の情報を受付けると、端末装置100と協調して案内処理を実行する案内サーバ(図示は、省略)に目的地と、位置情報とを送信する。そして、端末装置100は、案内サーバから配信された情報であって、現在地から目的地までの経路を示す情報を利用者に提供することで、案内処理を実現する。
【0017】
また、端末装置100は、インターネットを介した各種の処理を実行する機能を有する。例えば、端末装置100は、ウェブ検索、地図検索、電子商店街における取引対象の検索、電子商店街における取引対象の購買、ネットオークションへの出品、入札および落札、メールやメッセージの送受信、SNS(Social Networking Service)に対する情報の投稿、所定の施設の位置検索等、インターネットを介した任意のサービスを提供することができる。
【0018】
ログサーバ200は、各種のログを収集する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、ログサーバ200は、端末装置100から所定の時間間隔で位置情報を受信し、受信した位置情報を位置履歴として保持する。また、ログサーバ200は、インターネットを介した各種のサービスを提供するサーバ装置から、端末装置100を利用する利用者の、インターネット上の行動の履歴である行動履歴を収集する。
【0019】
例えば、ログサーバ200は、ウェブ検索や地図検索において利用者が入力した検索クエリや検索日時、取引対象の検索クエリや検索日時、利用者が購入、入札もしくは落札した取引対象の情報、メールやメッセージの履歴、投稿を行った日時や投稿内容、位置を検索した施設の情報、利用者が予約したホテルやレストラン等の施設、予約日時等、インターネットを介したサービスにおいて利用者が行った各種の行動の履歴を示す行動履歴を収集する。また、ログサーバ200は、例えば、店舗や公共交通機関の予約の履歴を示す行動履歴を収集する。なお、上述した行動履歴は、あくまで一例であり、ログサーバ200は、任意の内容の行動履歴を収集するものとする。
【0020】
〔1−1.推定処理の概要について〕
ここで、従来技術では、利用者の位置履歴に基づいて利用者の移動先となる目的地を推定していた。例えば、従来技術では、利用者の位置情報に基づく尤度が最高の仮説(目的地)を採用する技術がある。しかしながら、このような技術では、利用者が初めて訪れようとする場所を推定することが困難であるため、目的地を精度良く推定できない恐れがある。そこで、情報提供装置10は、以下の推定処理を実行する。まず、情報提供装置10は、ネットワーク上における利用者の行動履歴を取得する。そして、情報提供装置10は、利用者が移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、目的地を推定する。
【0021】
例えば、利用者がある施設について位置やその施設に関連する情報(例えば、施設の評価やメニューなど)を検索した場合、若しくは、その施設へ行く旨の投稿を行った場合、その施設を目的地として移動を開始する可能性がある。また、利用者が移動中にある施設についての情報を検索したり、その施設へ移動している旨の投稿を行った場合、利用者がその施設へと移動している可能性が高い。換言すると、利用者がある目的地へと移動を開始した場合、その目的地は、利用者によるインターネット上の行動履歴から推定することが可能となる。
【0022】
そこで、情報提供装置10は、利用者の行動履歴に基づいて、利用者の訪問先となる目的地を推定する。すなわち、情報提供装置10は、移動開始後の早期目的地予測において、ユーザの検索や電子商取引などの履歴を考慮する。例えば、情報提供装置10は、場所に関係する(釣り、居酒屋などの)検索、EC(Electronic Commerce)、予約などネット行動のログを使う。換言すると、情報提供装置10は、早期目的地予測の精度を高めるために、利用者の検索の履歴やネットショッピングに関するログなどを使う。
【0023】
より具体的には、情報提供装置10は、利用者の目的地を利用者が動き始めてから予測する早期目的地予測において、検索クエリの履歴や投稿履歴等といったインターネット上の行動履歴から利用者が訪問しようとする目的地を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者が初めて訪問するような目的地を推定することができるので、目的地の推定精度を向上させることができる。
【0024】
〔1−2.提供処理の概要について〕
また、従来技術では、目的地までの経路を推定しているに過ぎず、利用者に対して目的地自体に影響するような効果的な販促の技術は、知られていない。そこで、情報提供装置10は、以下の提案処理を実行する。まず、情報提供装置10は、ネットワーク上における利用者の行動履歴を取得する。そして、情報提供装置10は、利用者が所定の目的地への移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、所定の目的地とは異なる目的地を提案する。
【0025】
すなわち、情報提供装置10は、ネット検索の履歴を加味し移動開始後に予測した目的地と関連する別の目的地を提案する。換言すると、情報提供装置10は、目的地予測と検索のログから、元々の目的地を変更させるような広告を配信する。例えば、情報提供装置10は、利用者が目的地#Aへと移動しようとしている場合、目的地#Aの情報ではなく、目的地#Bの提案を行う。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、「目的地#Bに移動しませんか?」というように、利用者が訪問しようとする目的地の変更を提案する情報を出力する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者に対して目的地の変更を促すことができるので、利用者に対して効果的な情報を提供することができる。
【0026】
〔1−3.情報提供装置が実行する推定処理の一例〕
続いて、
図1を用いて、情報提供装置10が実行する推定処理の流れの一例について説明する。まず、ログサーバ200は、端末装置100を利用する利用者の位置情報および行動履歴を取得する(ステップS1)。例えば、ログサーバ200は、端末装置100から所定の時間間隔(例えば、1分間隔)で端末装置100がGPSを用いて測位した現在地を示す位置情報を、所定の時間間隔で取得する。また、ログサーバ200は、インターネットを介して利用者に各種のサービスを提供するサーバ装置から、端末装置100を利用する利用者のインターネット上の行動を示す行動履歴を取得する。
【0027】
一方、情報提供装置10は、ログサーバ200から位置情報の履歴である位置履歴と行動履歴とを取得する(ステップS2)。そして、情報提供装置10は、端末装置が移動を開始した場合は、早期目的地案内を開始する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、所定の期間内(例えば、最新の数分間)に取得された位置履歴から、利用者が所定の拠点から移動しているか否かを判定し、移動していると判定される場合は、早期目的地案内を開始する。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、拠点として登録された領域内から領域外へと利用者が移動している場合は、どこかの目的地へと移動を開始したと推定し、早期目的地案内を開始する。なお、利用者の拠点は、予め登録されたものであってもよく、利用者の位置履歴のパターンから推定されたものであってもよい。また、このような拠点は、複数設定されていてもよい。
【0028】
続いて、情報提供装置10は、位置履歴から目的地を推定する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、推定時と同じ過去の時間帯において、推定時と同じ拠点から利用者が出発した際の位置履歴を特定する。続いて、情報提供装置10は、特定した位置履歴に基づいて、利用者の目的地を推定する。例えば、
図1に示す例では、情報提供装置10は、利用者の目的地として、カフェ#A、スーパー#B、ホームセンター#C、および居酒屋#Dを推定する。また、情報提供装置10は、
図1中の点線に示すように、各目的地までの経路も推定する。なお、このような位置履歴に基づく目的地の推定については、任意の公知技術が採用可能である。
【0029】
続いて、情報提供装置10は、行動履歴から目的地の絞り込みを行う(ステップS5)。例えば、情報提供装置10は、出発の直前においてカフェ#Aの名称や住所を検索クエリとして検索していた場合、カフェ#Aに関する投稿を行っていた場合には、カフェ#Aカフェ#Aが目的地である可能性を示す目的地スコアの値を上昇させる。また、例えば、情報提供装置10は、出発の直前においてスーパー#Bやホームセンター#Cで販売している商品についての投稿を行っていた場合は、スーパー#Bやホームセンター#Cの目的地スコアの値を上昇させる。なお、情報提供装置10は、例えば、ホームセンター#Cで販売している商品や、その商品と関連する商品を電子商店街で検索していた場合や、購入していた場合等は、ホームセンター#Cの目的地スコアを上昇させてもよい。一方、例えば、情報提供装置10は、出発の直前に居酒屋#Dに関する検索や投稿を行っていない場合は、居酒屋#Dの目的地スコアを低下させる。そして、情報提供装置10は、例えば、居酒屋#Dのスコアが所定の閾値を下回った場合は、
図1中STU1に示すように、居酒屋#Dを目的地から除外する。
【0030】
すなわち、情報提供装置10は、出発時における行動履歴に基づいて、目的地の絞り込みを実行する。なお、情報提供装置10は、例えば、出発時により近い時間帯(例えば、10分前まで)における行動履歴をより重視し、出発時から遠い時間帯(例えば、1日前)における行動履歴については、考慮しないというように、行動履歴が示す行動が行われてから出発までに経過した期間に応じた重みづけを考慮してもよい。
【0031】
続いて、情報提供装置10は、目的地スコアが所定の閾値を超えるまで、推定処理を繰り返し実行する(ステップS6)。より具体的には、情報提供装置10は、いずれかの候補の目的地スコアが所定の閾値を超えるまで、利用者が出発した後における位置履歴および行動履歴に基づいて、目的地の絞り込みを繰り返し実行する。
【0032】
例えば、利用者が位置P1まで移動した場合、カフェ#Aへの経路から外れることとなる。このため、情報提供装置10は、カフェ#Aの目的地スコアを低下させ、スーパー#Bおよびホームセンター#Cの目的地スコアを上昇させる。ここで、利用者が位置P2まで移動したとしても、スーパー#Bやホームセンター#Cの目的地スコアは、一見変化しない。しかしながら、例えば、位置P1から位置P2までの区間AP1において、利用者がスーパー#Bについての位置検索を行った場合、すなわち、スーパー#Bと関連性を有するインターネット上の行動を行った場合、利用者がスーパー#Bに移動している可能性は、利用者がホームセンター#Cに移動している可能性よりも高い。そこで、情報提供装置10は、区間AP1において、利用者がスーパー#Bと関連する行動を行った場合は、スーパー#Bの目的地スコアを上昇させ、ホームセンター#Cの目的地スコアを低下させる。
【0033】
ここで、情報提供装置10は、各目的地までの距離に応じた重みを考慮してもよい。例えば、情報提供装置10は、スーパー#Bにより近い位置でスーパー#Bに関する検索を行った場合は、スーパー#Bの目的地スコアをより高い値に修正してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、区間AP1においてスーパー#Bに関する検索を行った場合は、スーパー#Bの目的地スコアを10ポイント上昇させ、よりスーパー#Bに近い区間AP2において、スーパー#Bの検索を行った場合は、スーパー#Bの目的地スコアを20ポイント上昇させてもよい。
【0034】
そして、例えば、情報提供装置10は、スーパー#Bの目的地スコアが所定の閾値を超えた場合は、スーパー#Bを目的地として推定し、推定した目的地に応じた情報を配信する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、スーパー#Bに利用者が移動している可能性が6割を超える場合や、スーパー#Bの目的地スコアと他の目的地の目的地スコアとの差が所定の閾値を超えた場合は、スーパー#Bに関する情報を端末装置100に提供する。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、現在位置からスーパー#Bまでの経路や予測到着時間、経路上における混雑情報や天気情報、スーパー#Bにおけるセールの情報やクーポンの配信等を行う。
【0035】
このように、情報提供装置10は、位置履歴のみならず、利用者の行動履歴に基づいて、目的地の推定を行う。このため、情報提供装置10は、精度よく利用者の目的地を推定することができる。
【0036】
〔1−4.情報提供装置が実行する提供処理の一例〕
続いて、
図1を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理の流れの一例について説明する。まず、情報提供装置10は、上述した推定処理により利用者の目的地を推定する。そして、情報提供装置10は、利用者の目的地を推定した場合は、利用者の行動履歴に基づいて他の目的地を推定する(ステップS8)。
【0037】
例えば、利用者が移動前もしくは移動中にスーパー#Bとホームセンター#Cとで販売している商品のウェブ検索を行っていた場合、検索履歴に基づく目的地スコアは、スーパー#Bとホームセンター#Cとで同程度になる可能性が高い。一方で、利用者がスーパー#Bを訪問した履歴があり、ホームセンター#Cを訪問した履歴が無い場合、位置履歴に基づく目的地スコアは、スーパー#Bの方が高くなる。この結果、位置履歴と行動履歴とに基づいた早期目的地案内においては、利用者にスーパー#Bの情報が提供される。しかしながら、検索履歴を考慮すると、利用者をホームセンター#Cへ誘導したとしても、利用者が所望する商品が販売されているため、利用者の印象を悪化させる可能性は低い。
【0038】
また、利用者によっては、特に目的を有さない状態で移動を開始する場合がある。例えば、利用者によっては、休日において過去に訪問した店舗になんとなく訪問しようとしている場合がある。このような利用者を、過去に訪問した店舗ではなく、他の店舗に誘導した場合、利用者に新たな購買行動を起こさせることができるとも考えられる。また、利用者が目的を持って所定の店舗へ移動しようとしている場合、その店舗と提携しているガソリンスタンド(例えば、所定の店舗のクーポンを提供しているガソリンスタンド)の情報を提供した場合、利用者をガソリンスタンドへと誘導することができる。
【0039】
そこで、情報提供装置10は、推定処理と同様に、行動履歴と位置履歴とに基づいて、各目的地の目的地スコアを算出する。そして、情報提供装置10は、算出した目的地スコアの値が所定の条件を満たす目的地を誘導先として選択する。例えば、情報提供装置10は、2番目にスコアの値が高い目的地を誘導先として選択する。そして、情報提供装置10は、選択した目的地の提案を利用者に対して行う(ステップS9)。例えば、情報提供装置10は、誘導先の目的地の位置や店舗名等と共に、誘導先の目的地で利用可能なクーポンの提供や、誘導先の目的地で販売されている商品であって、利用者が過去にウェブ検索を行った商品の情報等を提供する。この結果、情報提供装置10は、利用者をもともとの目的地であるスーパー#Bから、ホームセンター#Cへと誘導することができる。
【0040】
〔2.情報提供装置が有する機能構成の一例について〕
以下、上述した推定処理および提供処理を実行する情報提供装置10について詳細に説明する。まず、情報提供装置10は、が有する機能構成の一例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0041】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、任意の装置との間での情報の送受信を行う。
【0042】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現されてる。また、記憶部30は、位置履歴データベース31および行動履歴データベース32を記憶する。
【0043】
位置履歴データベース31には、利用者の位置履歴が登録される。例えば、
図3は、実施形態に係る位置履歴データベースに登録されている情報の一例を示す図である。
図3に示すように、位置履歴データベースには、「利用者ID(Identifier)」、「位置履歴ID」、「日時」、および「位置情報」といった項目を有する情報が登録される。
【0044】
ここで、「利用者ID」とは、利用者もしくは利用者が使用する端末装置100を識別する識別子である。また、「位置履歴ID」とは、位置履歴を識別する識別子である。また、「日時」とは、端末装置100が対応付けられた位置情報を取得した日時を示す情報である。また、「位置情報」とは、端末装置100により取得された位置情報である。
【0045】
なお、
図3に示す例では、「利用者#1」、「位置履歴#1−1」、「日時#1−1」、「位置#1−1」といった概念的な値を記載したが、実際には、利用者および位置履歴を識別するための数値や文字列、日時を示す数値、端末装置100の位置を示す値(例えば、GPSにより取得された数値)等が登録される。また、
図3に示す情報以外にも、位置履歴データベース31には、位置履歴に関する任意の情報が登録されていてよい。
【0046】
例えば、
図3に示す例では、位置履歴データベース31には、利用者ID「利用者#1」、位置履歴ID「位置履歴#1−1」、日時「日時#1−1」、および位置情報「位置#1−1」が対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「利用者#1」が示す利用者若しくは利用者が使用する端末装置100から、位置履歴ID「位置履歴#1−1」が示す位置履歴として、日時「日時#1−1」が示す日時において取得された位置情報が位置情報「位置#1−1」である旨を示す。
【0047】
図2に戻り、説明を続ける。行動履歴データベース32には、利用者の行動履歴が登録される。例えば、
図4は、実施形態に係る行動履歴データベースに登録されている情報の一例を示す図である。
図4に示すように、行動履歴データベースには、「利用者ID」、「属性情報」、「行動履歴ID」、「日時」、および「行動履歴」といった項目を有する情報が登録される。
【0048】
ここで、「属性情報」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者、若しくは、「利用者ID」が示す端末装置100の利用者の属性を示す属性情報であり、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等の各種属性情報である。また、「行動履歴ID」とは、行動履歴を識別する識別子である。また、「日時」とは、対応付けられた行動履歴が示すインターネット上の行動が行われた日時を示す情報である。また、「行動履歴」とは、利用者がインターネット上で行った行動を示す行動履歴である。
【0049】
なお、
図4に示す例では、「属性#1」、「履歴#1−1」、「行動履歴#1−1」といった概念的な値を記載したが、実際には、属性を示す数値や文字列、行動履歴を識別するための数値や文字列、行動履歴の内容を示す文字列等が登録される。例えば、行動履歴データベース32には、行動履歴として、ウェブ検索や地図検索のクエリ、電子商店街での検索クエリ、購入、入札若しくは落札した商品の情報、SNSに投稿した情報の内容等、各種インターネット上の行動や行動の内容を示す情報が登録される。また、
図4に示す情報以外にも、行動履歴データベース32には、行動履歴に関する任意の情報が登録されていてよい。
【0050】
例えば、
図4に示す例では、行動履歴データベース32には、利用者ID「利用者#1」、属性「属性#1」、行動履歴ID「履歴#1−1」、日時「日時#1−1」、および行動履歴「行動#1−1」が対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「利用者#1」が示す利用者若しくは端末装置100を使用する利用者の属性が属性情報「属性#1」が示す属性であり、行動履歴ID「履歴#1−1」が示す行動履歴として、日時「日時#1−1」が示す日時において取得された行われた行動が、行動履歴「行動履歴#1−1」が示す行動である旨を示す。
【0051】
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図2に示すように、制御部40は、取得部51、移動判定部52、推定部53、提供機会判定部54、提案部55、提供部56、および設定部57を有する。
【0052】
なお、制御部40が有する各処理部51〜57は、以下に説明するような推定処理および提供処理の機能・作用(例えば
図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の評価処理および案内処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、情報提供装置10は、任意の機能単位で評価処理および案内処理を実現・実行して良い。
【0053】
〔3.情報提供装置が実行する処理の作用効果の一例〕
以下、
図5に示すフローチャートを用いて、各処理部51〜547実行・実現する推定処理および提案処理の内容について説明する。
図5は、実施形態に係る情報提供装置が実行する推定処理および提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、取得部51は、位置履歴を取得する(ステップS101)。また、取得部51は、検索履歴を取得する(ステップS102)。例えば、取得部51は、ログサーバ200にアクセスし、ログサーバ200が収集した情報であって、ネットワーク上における利用者の行動を示す行動履歴を取得する。また、取得部51は、ログサーバ200にアクセスし、利用者の位置履歴を取得する。そして、取得部51は、行動履歴および位置履歴を、各データベース31、32に登録する。なお、取得部51は、行動履歴および位置履歴を所定の時間間隔で取得するものとする。
【0055】
移動判定部52は、利用者が移動を開始したか否かを判定する(ステップS103)。例えば、移動判定部52は、利用者の位置履歴を参照し、所定の期間内(例えば、処理の3分以内)に取得された位置情報から、利用者が拠点から移動を開始したか否かを判定する。そして、取得部51は、移動判定部52により利用者が移動を開始したと判定されなかった場合は(ステップS103:No)、ステップS101を実行する。
【0056】
一方、推定部53は、移動判定部52により利用者が移動を開始したと判定された場合は(ステップS103:Yes)、位置履歴に基づいて、目的地の候補を推定する。そして、推定部53は、位置履歴と検索履歴とに基づいて、各候補を目的地とする目的地スコアを算出する(ステップS105)。すなわち、推定部53は、利用者が移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、移動の目的地を推定する推定処理を実行する。より具体的には、推定部53は、位置履歴と行動履歴とに基づいて、目的地を推定する。例えば、推定部53は、位置履歴に基づいて、目的地の候補を推定し、行動履歴に基づいて、候補の中から目的地を推定する。
【0057】
例えば、推定部53は、過去の位置情報に基づいて、同じ時間帯や同じ曜日に拠点を出発した際に利用者が訪問した施設や地域を目的地の候補として推定する。そして、推定部53は、各目的地の候補ごとに、その目的地を訪問した日時と推定時との共通性や天気の共通性、過去に各目的地を訪問してから経過した期間等に基づいて、各目的地の候補が目的地となりえる可能性を示す目的地スコアを算出する。すなわち、推定部53は、位置履歴に基づいて、目的地の候補と各候補の目的地スコアを算出する。
【0058】
続いて、推定部53は、行動履歴に基づいて、各候補の目的地スコアを補正する。例えば、推定部53は、推定時から所定の期間内(例えば、6時間以内)に行われたインターネット上の行動を特定し、特定した行動と関連性を有する目的地の候補の目的地スコアを加算する。例えば、推定部53は、利用者がウェブ検索を行った商品を販売する目的地の候補を特定し、測定した候補の目的地スコアを上昇させる。すなわち、推定部53は、目的地の候補のうち行動履歴との関係性がより高い候補を目的地として特定する。
【0059】
また、推定部53は、行動履歴のうち、目的地の候補と関連する行動履歴を特定し、特定した行動履歴に基づいて、候補の中から目的地を推定する。例えば、推定部53は、位置履歴に基づいて推定された目的地の候補ごとに、行動履歴から、目的地の候補と関連する行動履歴を抽出する。例えば、指定部53は、行動履歴データベース32を参照し、行動履歴のうち、目的地の候補と関連性を有する検索クエリを用いた各種の検索、目的地の候補と関連性を有する取引対象の購入、出品、入札若しくは落札等がおこなわれたか否かを判定する。なお、このような目的地の候補と関連性を有する行動履歴は、ルールベースで抽出してもよく、各種の関連性特定技術により抽出されてもよい。
【0060】
なお、推定部53は、行動履歴が示す行動が行われた日時を特定し、行動履歴と、特定した日時とに基づいて、目的地を推定してもよい。例えば、推定部53は、推定時から1時間以内に行われた各種検索の検索クエリと関連する目的地の候補については、目的地スコアの値を第1の値だけ上昇させ、推定時から1時間以上前に行われた各種検索の検索クエリと関連する目的地の候補については、目的地スコアの値を第1の値よりも低い第2の値だけ上昇させてもよい。すなわち、推定部53は、より最近に行われたインターネット上の行動をより重視して、目的地の推定を行ってもよい。
【0061】
また、推定部53は、例えば、行動履歴が示す行動が行われた時間帯に応じて、目的地を推定してもよい。例えば、推定部53は、行動履歴が示す行動が夜間に行われたか昼間に行われたかに応じて、目的地スコアの値を変更してもよい。
【0062】
ここで、利用者がいずれかの目的地へ向かっている最中に、地図検索やインターネットの検索を行った場合、係る検索は、目的地へ出発する前の検索よりも、目的地との関連性が高いと考えられる。そこで、推定部53は、移動中におけるインターネット上の行動を、移動前におけるインターネット上の行動よりも重視してもよい。例えば、推定部53は、移動判定部52により利用者が移動を開始したと判定されるよりの前の行動と関連性を有する目的地の候補の目的地スコアについては、第1の値だけ上昇させ、移動判定部52により利用者が移動を開始したと判定されるよりも後の行動と関連性を有する目的地の候補の目的地スコアについては、第1の値よりも高い第3の値だけ上昇させてもよい。また、推定部53は、行動履歴の種別に応じて目的地の推定を行ってもよい。例えば、推定部53は、地図検索における検索クエリを、ウェブ検索の検索クエリよりも重視して、各目的地の候補ののスコアを算出してもよい。
【0063】
また、推定部53は、上述した各種の要素に基づいた重みづけを考慮して、各候補の目的地スコアの値を修正してもよい。例えば、推定部53は、各目的地の候補と関連するインターネット上の行動の内容、行動が行われた日時、行動が行われたのが移動を開始する前であるか後であるか等に応じて、行動履歴に基づく目的地スコアの値を算出し、算出した目的地スコアの値を位置履歴に基づく目的地スコアの値との和を算出してもよい。また、推定部53は、位置履歴に基づく目的地スコアの値と、行動履歴に基づく目的地スコアの値とのそれぞれに対して、所定の重みを設定してもよい。なお、このような目的地スコアを算出する際の要素および重みの値は、後述するように、他にも様々な要素を採用することが可能である。
【0064】
提供機会判定部54は、目的地スコアが所定の提供条件を満たすか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、提供機会判定部54は、推定した目的地の候補が目的地である確度が所定の閾値を超えるかを判定する。例えば、提供機会判定部54は、いずれかの候補の目的地スコアの値が所定の閾値を超えた場合や、他の候補の目的地スコアとの差が所定の閾値を超えた場合等には、目的地スコアが所定の提供条件を満たすと判定する。そして、目的地スコアが所定の提案条件を満たさないと判定された場合は(ステップS106:No)、推定部53は、再度ステップS104を実行する。
【0065】
すなわち、上述した推定部53は、利用者が移動を開始した場合は、目的地スコアの値が所定の条件を満たすまで、繰り返し各目的地の候補の目的地スコアを算出しなおす。そして、推定部53は、目的地スコアの値が所定の条件を満たす目的地の候補を目的地として推定する。換言すると、推定部53は、目的地の候補ごとに、利用者が目的地の候補に移動している確度を算出し、算出した確度が所定の条件を満たす候補を、目的地の候補とする。このように、推定部53は、利用者が移動を開始した場合は、繰り返し利用者の行動履歴に基づいて、各目的地の候補の目的地スコアを適宜更新することで、利用者が訪問しようとする目的地の推定を行う。
【0066】
ここで、推定部53は、位置履歴に基づいて、各目的地の候補の目的地スコアを算出するが、この際、最新の位置情報が示す位置と各目的地の候補までの距離とを特定し、特定した距離に応じた目的地スコアを算出してもよい。例えば、推定部53は、利用者が目的地の候補に近づくほど、その候補の目的地スコアの値を増加させてもよい。
【0067】
一方、提供機会判定部54は、目的地スコアが所定の提供条件を満たすと判定した場合は(ステップS106:Yes)、利用者の現在位置が所定の提案条件を満たすか否かを判定する(ステップS107)。そして、提案部55は、利用者の現在位置が所定の提案条件を満たすと判定された場合は(ステップS107:Yes)、目的地スコアが最も高い目的地の候補と異なる候補であって、所定の条件を満たす候補を目的地として提案する(ステップS108)。すなわち、提案部55は、利用者が所定の目的地への移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、所定の目的地とは異なる目的地(以下、「提案地」と記載する場合がある。)を提案する。
【0068】
例えば、提案部55は、行動履歴に基づく目的地のうち、所定の目的地と所定の関連性を有する提案地を提案する。また、提案部55は、行動履歴との関連性が所定の閾値を超える提案地を提案する。一方、提供部56は、利用者の提供位置が所定の提案条件を満たさないと判定された場合は(ステップS107:No)、スコアが最も高い目的地に関する情報を利用者に提供する(ステップS109)。すなわち、提案部55および提供部56は、行動履歴に基づいて適宜推定された目的地の情報を提供若しくは提案地の情報を提案する。
【0069】
例えば、
図1に示す例において、スーパー#Bのスコアが所定の閾値を超え、ついでホームセンター#Cのスコアが高くなった場合について説明する。例えば、利用者が拠点を出発し、区間AP1を移動している場合、スーパー#Bやホームセンター#Cとの距離が近づいているため、情報提供装置10は、スーパー#Bやホームセンター#Cのスコアを徐々に上昇させる。ここで、利用者が位置P2まで移動した際にホームセンター#Cについての情報を利用者に提供した場合、スーパー#Bに移動していた利用者をホームセンター#Cに誘導することができるとも考えられる。一方、例えば、利用者がスーパー#Bの目前である位置P3まで移動した際に、利用者にホームセンター#Cに関する情報を提供したとしても、利用者をホームセンター#Cに誘導することができない可能性が高い。
【0070】
そこで、情報提供装置10は、利用者の位置と各目的地の候補との間の距離を推定し、利用者がいずれかの目的地の候補から所定の範囲内に所在する場合は、最もスコアの値が高い目的地の候補の情報、すなわち、推定された目的地の情報を提供する。一方、情報提供装置10は、利用者が各目的地の候補から所定の範囲内に所在しない場合には、利用者を推定される目的地とは異なる提案地へと誘導させるための情報を提供する。
【0071】
例えば、スーパー#Bのスコアが最も高いが、ホームセンター#Cのスコアが所定の閾値を超えている状態で、利用者にホームセンター#Cを提案した場合、利用者をホームセンター#Cに誘導できる可能性が高い。そこで、情報提供装置10は、利用者がスーパー#Bやホームセンター#Cの近傍に位置しない場合は、目的地スコアから推定される目的地以外の目的地であって、目的地スコアが所定の閾値を超える目的地を提案地として利用者に提案する。例えば、情報提供装置10は、スーパー#Bに向かっている利用者にホームセンター#Cを提案する。この結果、情報提供装置10は、利用者の誘導を実現することができる。また、情報提供装置10は、利用者がスーパー#Bの目前である位置P3まで移動している場合は、利用者をホームセンター#Cへと誘導するための情報ではなく、スーパー#Bに関する情報を利用者に提供する。
【0072】
このように、推定部53は、利用者が移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて目的地を複数推定するとともに、利用者が各目的地に移動している確度を推定する。そして、提案部55は、目的地のうち最も確度が高い目的地以外の目的地の中から、提案対象となる目的地を選択する。例えば、提供機会判定部54は、推定部53により推定された複数の確度が所定の条件を満たすか否かを判定し、提案部55は、確度が所定の条件を満たすと判定された場合は、利用者が移動している目的地とは異なる目的地を提案する。
【0073】
なお、利用者がいずれかの目的地の候補の近くまで移動した場合、その候補のスコアの値は、所定の閾値を超えると推定される。そこで、情報提供装置10は、利用者と目的地の候補との間の距離が所定の条件を満たすか否かではなく、目的地の候補のスコアが所定の条件を満たすか否かで、上述した処理を実行してもよい。例えば、提供機会判定部54は、確度のうち最も高い確度が第1閾値以下であるか否かを判定する。そして、提案部55は、確度のうち最も高い確度が第1閾値以下であると判定された場合は、推定された確度が第1閾値よりも低い第2閾値以上となる目的地のうちいずれかの目的地を提案地として提案する。一方、提供部56は、確度のうち最も高い確度が第1閾値を超える場合は、第1閾値を超える確度と対応する目的地に関する情報を利用者に提供する。
【0074】
図5に戻り、設定部57は、利用者に目的地や提案地に関する情報が提供された場合は、報酬の設定を行う(ステップS110)。例えば、設定部57は、提案地に関する情報が利用者に提案された場合は、情報の配信に伴う第1の報酬を設定する。例えば、設定部57は、第1の報酬として、提案地に利用者が移動する確度、すなわち、提案地の目的地スコアに応じた報酬を設定する。例えば、設定部57は、確度が低い程、高い値の報酬を設定する。また、設定部57は、利用者が提案された目的地へと移動した場合は、利用者の誘導に伴う第2の報酬を設定する。
【0075】
例えば、
図1に示す例において、利用者がスーパー#Bを目的地として移動しているものとする。このような場合、推定部53は、スーパー#Bに対して最も高い値のスコアを算出し、ホームセンター#Cに対して2番目に高い値のスコアを算出しているものとする。このような場合、提案部55もしくは提供部56は、スーパー#Bに関する情報の提供、もしくは、ホームセンター#Cの提案を利用者に対して行うこととなる。
【0076】
このような場合において、例えば、設定部57は、利用者が区間AP1にいる間にホームセンター#Cの提案が行われた場合は、ホームセンター#Cへ利用者を誘導する情報が配信されたことに対する報酬の設定を行う。すなわち、設定部57は、ホームセンター#Cを利用者に広告したことに対する広告料の設定を行う。また、設定部57は、例えば、
図1のSTU2に示すように、スーパー#Bのスコアの方が高いにもかかわらず、ホームセンター#Cの提案を行った後で利用者がホームセンター#Cへと移動した場合は、利用者を誘導することができたものとして、利用者の誘導に伴う報酬の設定を行う。例えば、設定部57は、ホームセンター#Cに対して広告料の設定や報酬の設定を行う。
【0077】
一方、利用者が区間AP2にいる場合、利用者の位置がスーパー#Bに近づくため、スーパー#Bのスコアが上昇し、ホームセンター#Cのスコアが低下する。このような状態においてホームセンター#Cの提案を行った場合、利用者の印象を悪化させるとも考えられる。しかしながら、ホームセンター#Cがスーパー#Bに訪問する利用者の誘導を所望している場合、ホームセンター#Cのスコアが低くても、ホームセンター#Cの提案に対する需要が存在するとも考えられる。
【0078】
そこで、設定部47は、区間AP2においてホームセンター#Cの提案が利用者に対して行われた場合は、区間AP1においてホームセンター#Cの提案が利用者に対して行われた場合よりも高額な報酬の設定を行う。同様に、設定部47は、区間AP3においてホームセンター#Cの提案が利用者に対して行われた場合は、区間AP2においてホームセンター#Cの提案が利用者に対して行われた場合よりも高額な報酬の設定を行う。また、設定部47は、
図1のSTU3に示すように、位置P3において利用者がホームセンター#Cへと移動した場合は、利用者の誘導に伴う報酬であって、位置P2から利用者をホームセンター#Cへ誘導した際よりも高い報酬の設定を行う。
【0079】
なお、どのような状態においてホームセンター#Cへの誘導を行うかについては、予め任意の設定が可能である。例えば、提案部55は、ホームセンター#Cのスコアが予め設定された所定の条件を満たす場合に、利用者に対してホームセンター#Cの提案を行う。そして、設定部47は、ホームセンター#Cの提案を行った際におけるホームセンター#Cのスコア、および、スーパー#Bのスコアの範囲に基づいて、報酬の設定を行えばよい。例えば、設定部47は、最も高い値のスコアとホームセンター#Cのスコアとの差に基づいて、各種報酬の設定を行えばよい。
【0080】
また、設定部47は、各種の報酬を設定する場合、例えば、各種の決済処理を実行する決済サーバ300と連携して決済処理を実行することで、報酬の設定を行う。例えば、設定部47は、各種のスコアや利用者の誘導に基づいて算出された報酬額と、報酬の請求先(すなわち、目的地や提案地となる施設)を決済サーバ300に通知することで、報酬の設定を行う。
【0081】
図5に戻り、説明を続ける。設定の報酬が行われた場合、移動判定部52は、利用者が移動を終了したか否かを判定する(ステップS111)。そして、推定部53は、利用者が移動を終了していない場合は(ステップS111:No)、ステップS104を実行する。一方、利用者が移動を終了したと判定された場合(ステップS111:Yes)、情報提供装置10は、推定処理および提案処理を終了する。
【0082】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る情報提供装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の情報提供装置10の他の実施形態について説明する。
【0083】
〔4−1.推定処理のバリエーションについて〕
以下、情報提供装置10が実行する推定処理のバリエーションについて説明する。
【0084】
〔4−1−1.スコアの算出について〕
上述した例では、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて目的地の候補を推定し、行動履歴に基づいて目的地の候補の絞り込みを行った。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいた目的地スコアの値と、行動履歴に基づいた目的地スコアの値との和を算出することで、目的地の候補の目的地スコアを算出してもよい。また、情報提供装置10は、各目的地スコアに所定の重みを設定してもよい。
【0085】
また、情報提供装置10は、利用者ごとに重みの値を個別に設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて利用者が拠点から実際に訪問した目的地の履歴を特定するとともに、特定した目的地の履歴と行動履歴との関係性の強さを示す行動関係性スコアを算出する。一方、情報提供装置10は、利用者が各目的地を訪問した際の時間帯や日時の共通性を位置関係性スコアとして算出する。
【0086】
そして、情報提供装置10は、位置関係性スコアの値が行動関係性スコアの値よりも高い場合は、行動履歴よりも位置履歴を重視し、位置関係性スコアの値が行動関係性スコアの値よりも低い場合は、位置履歴よりも行動履歴を重視してもよい。例えば、情報提供装置10は、位置関係性スコアの値が行動関係性スコアの値よりも高い場合は、行動履歴に基づいて算出されたスコアに対し、位置履歴に基づいて算出されたスコアよりも高い値の係数を積算することで、目的地の候補の目的地スコアを算出してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、行動関係性スコアの値が位置関係性スコアの値よりも高い場合は、行動履歴に基づいて算出されたスコアに対し、位置履歴に基づいて算出されたスコアよりも低い値の係数を積算することで、目的地の候補の目的地スコアを算出してもよい。
【0087】
また、情報提供装置10は、位置履歴に基づくスコアと行動履歴に基づくスコアとの値を個別に用いてもよい。例えば、情報提供装置10は、行動履歴に基づくスコアのみを用いて、目的地の推定を行ってもよい。また、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて推定された候補が目的地である確度と、行動履歴に基づいて推定された候補が目的地である確度とを推定し、より高い値の確度に基づいて、目的地を推定してもよい。
【0088】
例えば、情報提供装置10は、第1目的地について位置履歴に基づくスコアの値が行動履歴に基づくスコアの値よりも高い場合は、第1目的地のスコアとして、位置履歴に基づくスコアを採用する。一方、情報提供装置10は、第2目的地について位置履歴に基づくスコアの値が行動履歴に基づくスコアの値よりも低い場合は、第2目的地のスコアとして、行動履歴に基づくスコアを採用する。そして、情報提供装置10は、第1目的地のスコアおよび第2目的地のスコアを比較して、目的地の推定を行ってもよい。
【0089】
また、情報提供装置10は、位置履歴に基づくスコアを算出する項の重みを、行動履歴に基づいて補正してもよい。例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいてスコアの値を算出する多項式を生成する。このような多項式は、例えば、線形計画法等により実現可能である。そして、情報提供装置10は、各項と関連する行動履歴を特定し、特定した行動履歴に基づいて、各項の値を補正してもよい。
【0090】
〔4−1−2.利用者属性の考慮について〕
情報提供装置10は、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性に応じて、各目的地の候補のスコアを算出してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、属性情報に応じて、目的地を推定する際の位置履歴に基づく重みと行動履歴に基づく重みとを変更してもよい。また、情報提供装置10は、利用者の属性情報と、行動履歴との間の関係性に基づいて、スコアの値を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、出発の直前に利用者の年齢と関連性が高いウェブ検索を行っていた場合、そのウェブ検索と関連性が高い目的地に移動する可能性が高いとして、スコアの値を算出してもよい。
【0091】
〔4−1−3.営業時間の考慮について〕
また、情報提供装置10は、目的地の候補の営業時間を考慮して目的地を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、行動履歴に基づいて目的地の候補を推定し、推定した各候補を利用可能な時間帯に基づいて、候補の中から目的地を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、位置履歴や行動履歴に基づいて各目的地の候補のスコアを算出するとともに、各目的地の候補を利用可能な時間帯(例えば、営業時間)を収集する。また、利用者が各目的地の候補に到着する予測時刻を推定する。そして、情報提供装置10は、推定した予測時刻が利用可能な時間帯に含まれない場合は、スコアの値を低下させてもよい。
【0092】
〔4−1−4.行動時の利用者の状態の考慮について〕
また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動が行われていた際の利用者の状態を推定し、行動履歴と、推定した状態とに基づいて、目的地を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、行動履歴が示す行動を利用者が行っていた際の利用者の移動状況を推定する。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者が移動しているか否か、および、利用者の移動手段を推定する。例えば、情報提供装置10は、利用者の移動速度が所定の閾値を超え、かつ、利用者の位置が線路上に存在する場合は、利用者が電車で移動していたと推定する。また、例えば、情報提供装置10は、利用者が道路を所定の移動速度で移動していた場合は、利用者が車で移動していたと推定する。すなわち、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、行動履歴が示す行動が行われた際の利用者の移動態様(すなわち、移動のコンテキスト)を推定する。
【0093】
そして、情報提供装置10は、推定していた移動態様に応じて、行動履歴が示す行動がスコアに与える寄与率を変更する。例えば、情報提供装置10は、利用者が電車に乗っている際の各種検索履歴については、スコアへの寄与率を低下させてもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、ホームセンター#Cと関連性を有するウェブ検索が行われていた際に、利用者が電車に乗っていると推定された場合は、ホームセンター#Cのスコアの値を5ポイント上昇させ、ホームセンター#Cと関連性を有するウェブ検索が行われていた際に、利用者が歩いていると推定された場合は、ホームセンター#Cのスコアの値を10ポイント上昇させてもよい。
【0094】
また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動を行っていた際に利用者が使用した端末に基づいて、スコアに与える寄与率を変更してもよい。例えば、情報提供装置10は、ホームセンター#Cと関連性を有するウェブ検索を、自動車のナビゲーションシステムを介して行っていた場合は、ホームセンター#Cのスコアの値を20ポイント上昇させてもよい。すなわち、情報提供装置10は、移動態様と関連性が高い端末装置を介して行われたインターネット上の行動を、端末装置100を介して行われた行動よりも重視してもよい。
【0095】
また、情報提供装置10は、早期目的地案内を開始した後における利用者の移動のコンテキストと、行動履歴が示す行動を行っていた際の利用者の移動のコンテキストとの一致度に基づいて、スコアに与える寄与率を変更してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者の現在の移動態様と推定された移動態様との間の共通性と、行動履歴とに基づいて、目的地を推定してもよい。
【0096】
例えば、情報提供装置10は、早期目的地案内を開始した後における位置履歴から、利用者の移動態様を現在の移動態様として推定する。続いて、情報提供装置10は、各目的地と関連性を有する行動履歴を推定するとともに、各行動履歴が示す行動を行っていた際の利用者の移動態様を過去の移動態様を推定する。そして、例えば、情報提供装置10は、現在の移動態様と、過去の移動態様とが一致した場合は、現在の移動態様と過去の移動態様とが一致しなかった場合よりも、多くの値をスコアに対して加算する。
【0097】
より具体的な例を説明する。例えば、情報提供装置10は、現在の移動態様として、利用者が電車で移動している旨を推定する。また、情報提供装置10は、移動履歴と行動履歴とから、過去において、利用者が徒歩で移動しながらスーパー#Bのウェブ検索を行った旨と、利用者が電車で移動しながらホームセンター#Cのウェブ検索を行った旨とを推定する。このような場合、情報提供装置10は、スーパー#Bのスコアを10ポイント上昇させ、ホームセンター#Cのスコアを20ポイント上昇させる。すなわち、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動を行った際の移動のコンテキストと、現在の移動のコンテキストとの共通性に基づいて、その行動履歴によるスコアの寄与率を変更する。
【0098】
〔4−1−5.天気の考慮について〕
また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動が行われた際の天候を特定し、行動履歴と、特定した天候(例えば、天気や気温等)とに基づいて、目的地を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動を行った際の天気に応じて、その行動履歴によるスコアの寄与率を変更する。また、例えば、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動を行った際の天気と、早期目的地案内を開始した後の天気との共通性に応じて、その行動履歴によるスコアの寄与率を変更してもよい。
【0099】
例えば、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動を行った際の天気を特定し、特定した天気が晴れである場合は、天気が雨であった場合よりも目的地のスコアに対する寄与率を上昇させてもよい。また、情報提供装置10は、特定した天気と、早期目的地案内を開始した際の天気とが共通する場合は、共通しない場合よりも行動履歴のスコアに対する寄与率を上昇させてもよい。
【0100】
〔4−1−6.モデルの利用について〕
また、情報提供装置10は、各種のモデルを用いて、目的地の推定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が訪問した訪問地の履歴と、利用者の行動履歴であって、利用者が当該訪問地を訪問するよりも前の行動履歴との間の関係性を学習した学習モデルを用いて、行動履歴から目的地を推定してもよい。なお、このようなモデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)畳み込みニューラルネットワークや、再帰型ニューラルネットワークであってもよい。また、モデルは、これら畳み込みニューラルネットワークや、再帰型ニューラルネットワークの機能を組み合わせたものであってもよい。また、情報提供装置10は、サポートベクトル回帰(Support Vector Regression)等の任意の回帰モデルを用いてもよい。
【0101】
例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、利用者が訪問した目的地を特定するとともに、利用者が各目的地まで移動した日時と、移動態様とを特定する。続いて、情報提供装置10は、特定した日時から所定の期間内の行動履歴を特定するとともに、特定した行動履歴が示す行動が行われた際の天候をそれぞれ特定する。そして、情報提供装置10は、移動態様と、行動履歴の内容と、各行動履歴が行われた際の天候とを入力した際に、所定の目的地のスコアが最も高くなるように、各目的地のスコアを算出するモデルの学習を行う。なお、情報提供装置10は、これら以外にも、任意の情報を入力として採用してもよい。
【0102】
なお、情報提供装置10は、このような学習において、各入力の寄与率を推定し、推定した寄与率が所定の閾値を下回る入力については、学習対象から除外してもよい。例えば、情報提供装置10は、天候を入力とした際のモデルの精度と、天候を入力としなかった際のモデルの精度とを比較し、各精度にあまり差分が存在しない場合には、天候を入力から除外してもよい。
【0103】
〔4−1−7.道路状況の考慮について〕
なお、情報提供装置10は、利用者の現在地から目的地の候補までの移動経路の状況に基づいて、目的地の推定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、ある目的地までの移動経路が混在している場合には、その目的地のスコアを低下させてもよい。
【0104】
また、情報提供装置10は、移動経路の状態として、現在位置から目的地の候補までの移動経路において利用者を基準とした候補の方向を特定し、特定した方向に基づいて、目的地のスコアの値を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者の移動態様を推定し、利用者が車で目的地まで移動していると推定される場合は、目的地まで至る経路において、目的地が移動方向に対して右側にあるか左側にあるかを特定する。そして、情報提供装置10は、目的地が右側にある場合、すなわち、目的地へと至るために右折を必要とする場合は、その目的地のスコアの値を低下させてもよい。また、情報提供装置10は、目的地の前にある道路に中央分離帯が存在する場合は、その目的地のスコアの値を低下させてもよい。
【0105】
また、情報提供装置10は、利用者の属性情報として、利用者の運転特性を特定し、特定した運転特性と道路状況とに基づいて、目的地の推定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、各種利用者の運転特性(例えば、運転が得意であるか否か等)を推定する各種の推定技術を用いて、利用者の運転特定を推定する。そして、情報提供装置10は、利用者の運転特性が高い場合は、移動方向に対する目的地の向きに寄らず、スコアの値を算出する。一方、情報提供装置10は、利用者の運転特性が低い場合は、目的地が移動方向において右側にあるか左側にあるかで、スコアの値を変化させてもよい。
【0106】
また、情報提供装置10は、このような運転特性や目的地の位置に基づいて、スコアを算出するモデルの学習を行ってもよい。また、情報提供装置10は、このような、モデルのパラメータに基づいて、行動履歴の重みを変化させてもよい。
【0107】
〔4−2.提案処理のバリエーションについて〕
以下、情報提供装置10が実行する提案処理のバリエーションについて説明する。
【0108】
〔4−2−1.中継地の提案について〕
例えば、情報提供装置10は、利用者に対し、提案地を提案する場合、中継地を提案してから、目的地の提案を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者の現在位置を示す位置情報をさらに取得し、行動履歴に基づいて提案地を選択するとともに、現在位置から提案地へと至るまでの中継地を選択し、選択した中継地を提案した後に、選択した提案地を提案してもよい。ここで、情報提供装置10は、提案地と関連性を有する中継地を選択してもよい。
【0109】
例えば、
図1において、利用者が車により目的地であるスーパー#Bへと移動している際に、提案地としてホームセンター#Cが選択されたものとする。ここで、利用者の現在地からホームセンター#Cに至る経路上にガソリンスタンドが存在する場合、情報提供装置10は、利用者をガソリンスタンドに誘導してからホームセンター#Cへ誘導してもよい。また、このようなガソリンスタンドとして、ホームセンター#Cと提携しているガソリンスタンドを提案してもよい。
【0110】
例えば、情報提供装置10は、利用者に対して提案地であるホームセンター#Cではなく、ホームセンター#Cで利用可能なクーポンを提供するガソリンスタンドを中継地として提案する。そして、情報提供装置10は、利用者が中継地を訪問した場合は、ホームセンター#Cで利用可能なクーポン等、提案地において利用者に対して提供される各種利益の情報を提供してもよい。このように、情報提供装置10は、利用者を段階的に誘導するので、利用者を連鎖的に提供値へと誘導することができる。
【0111】
〔4−2−2.提案地について〕
また、情報提供装置10は、任意の目的地を提案地として選択してよい。例えば、情報提供装置10は、2番目にスコアの値が高い目的地を提案地として選択してもよい。また、情報提供装置10は、予め各目的地となりうる施設から広告料の設定を受付けておき、位置履歴や行動履歴から推定された目的地の候補のうち、広告料が最も高い目的地を提案地として選択してもよい。すなわち、情報提供装置10は、入札形式で提案地の提案を行ってもよい。また、情報提供装置10は、位置履歴や行動履歴に加えて、広告料に基づいて、各目的地の候補のスコアを算出し、算出したスコアの値が所定の閾値を超える目的地の候補を提案地として選択してもよい。
【0112】
また、情報提供装置10は、目的地と関連する提案地を選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、目的地と同じカテゴリに属する他の目的地を提案地として選択してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、目的地がスーパーである場合、提案地として他のスーパーを選択してもよい。また、情報提供装置10は、目的地での平均的な消費額を特定し、平均的な消費額が特定した消費額と同程度の提案地を選択してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者を目的地の競合へ行かせるなどしてもよい。また、目的地と提案地とのカテゴリは同じでも、異なってもよい。また、目的地と提案地とのカテゴリは、消費や制約の順序など連続的(所定の順序性ある)カテゴリでもよい。
【0113】
また、情報提供装置10は、目的地に向かう利用者の目的を推定し、推定した目的と同じ目的が達せられるが違う提案地を提案してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者から同じ距離であるが方向が異なる位置に複数のプールが存在する場合、位置履歴に基づいて、目的地となるプールを特定する。そして、情報提供装置10は、目的地として特定したプールとは異なるプールを提案地としてもよい。また、例えば、情報提供装置10は、目的地として特定したプールとは異なるプールの中から、経路上に多くのガソリンスタンドやレストランがあるプールを特定し、特定したプールを提案地として利用者に提案してもよい。
【0114】
すなわち、情報提供装置10は、移動しているという情報(早期目的地予測)を狙って、提案地の情報、すなわち、提案地の広告を配信するが、上述した早期目的地予測においては、利用者の移動に伴い、ルートが変わるので、目的地や提案地が変化し、配信の広告の候補が狭めることができる。そこで、情報提供装置10は、ルートの制約等で、狭めながら、一番訴求効果が高い(すなわち、良い)提案対象の情報を配信していく。すなわち、情報提供装置10は、早期目的地予測をしているせいで、カテゴリを絞ることができる。
【0115】
ここで、情報提供装置10は、目的地と提案地との間に存在する未知の関連性(すなわち、セレンディピティ)を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、目的地を推定するとともに、所定の割合でランダムに選択された提案地を利用者に対して提案する。そして、情報提供装置10は、利用者が提案地へと移動した場合は、目的地の属性と提案地の属性との共通性や関連性を未知の関連性として推定してもよい。
【0116】
〔4−2−3.提案タイミングについて〕
ここで、情報提供装置10は、任意のタイミングで、提案地の提案を行ってよい。例えば、各目的地の候補のうち、スコアの値が所定の閾値を超えた候補の中から、提案地の提案を行ってよい。すなわち、情報提供装置10は、目的地の候補のうち、利用者がある程度興味を有していると推定される候補や、利用者が移動している可能性がある程度高い候補を提案地として選択してもよい。
【0117】
また、情報提供装置10は、利用者に提案する提案地を選択し、選択した提案地に関する情報の配信に対して予め設定された報酬の額に応じたタイミングで、提案地に関する情報を提供つぃてもよい。例えば、情報提供装置10は、より高い報酬の額が設定されている場合には、より速いタイミングで提案地の情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、所定の閾値よりも高い報酬の額が設定されている場合は、スコアが所定の閾値を下回っている場合であっても、提案地として選択し、利用者に対して提案してもよい。例えば、情報提供装置10は、ホームセンター#Cの報酬の額が所定の閾値を超える場合は、利用者がスーパー#Bの近傍まで移動した場合であっても、ホームセンター#Cを利用者に対して提案してもよい。
【0118】
また、情報提供装置10は、利用者に提案する提案地を選択し、選択した提案地に関する情報を、利用者の属性に応じたタイミングで配信してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者の年代が所定の閾値を上回る場合は、より速いタイミングで提案地の提案を行ってもよい。
【0119】
また、情報提供装置10は、行動履歴と、目的地からの距離とに基づいて利用者に提案する提案地を選択し、選択した提案地を提案してもよい。例えば、情報提供装置10は、スーパー#Bが目的地となる場合、スーパー#Bとホームセンター#Cとの間の距離を特定する。そして、情報提供装置10は、スーパー#Bとホームセンター#Cとの間の距離が所定の閾値以内である場合は、ホームセンター#Cを提案地として選択し、距離が所定の閾値を超える場合は、ホームセンター#Cを提案地から除外してもよい。
【0120】
また、情報提供装置10は、目的地と提案地との間の距離や移動時間等といった各種移動コストを考慮して、提案地の選択やタイミングの設定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、現在地から目的地までの移動コストと、現在地から提案地までの移動コストとが同程度になるように、提案地の選択を行ってもよい。また、情報提供装置10は、各移動コストが同程度となったタイミングで、提案地の情報を利用者に提供してもよい。
【0121】
また、例えば、情報提供装置10は、利用者が移動する可能性を示すスコア(以下、「目的地スコア」と記載する。)とは個別に、各目的地の候補が提案地として相応しいかを示す提案地スコアを算出し、算出したスコアに基づいて、提案地の選択を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、行動履歴に基づいて、提案地スコアを算出し、算出した提案地スコアが所定の閾値を超える目的地の候補を提案地としてもよい。また、情報提供装置10は、提案地スコアの値が所定の閾値を超える場合は、目的との関連性が無くとも、提案地の情報を提供してもよい。
【0122】
また、情報提供装置10は、提案地スコアの値が所定の閾値を超える場合は、利用者が拠点を出たタイミングで、提案地の情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、各スコアの値と、提案地への移動コストとのバランスを取って、適切であると推定されるタイミングで、提案地の情報を提供すればよい。
【0123】
なお、情報提供装置10が提案地の情報を利用者に提供するタイミングは、任意のタイミングが採用可能である。例えば、情報提供装置10は、利用者が目的地へと至る経路の中間となる範囲で、提案地の情報を提案すればよく、目的地に近い範囲では、提案地の情報を提案せずとも好い。
【0124】
また、情報提供装置10は、各目的地の候補に対する利用者の評価(レビュー)に基づいて、提案地の選択や提案タイミングを変更してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者の評価が高い目的地の候補を提案地として選択してもよく、利用者の評価が高い程、早いタイミングで提案地の情報を提供してもよい。
【0125】
〔4−2−4.利用者の反応の利用について〕
また、情報提供装置10は、利用者の反応を利用して提案地の選択を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者に提案地を提案した際における利用者の反応に基づいて、利用者に対して新たに提案する提案地を選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者にホームセンター#Cを提案地として提案した際に、利用者が発生した音声や利用者が移動した方向等に基づいて、利用者が提案に対して好意的であるか否かを推定する。そして、情報提供装置10は、利用者が提案に対して好意的ではないと推定される場合、ホームセンター#C以外に新たな提案地を選択し、選択した提案地を提供してもよい。
【0126】
また、情報提供装置10は、利用者の反応の履歴に基づいて、提案地スコアの算出を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が好意的な反応を示した提案地については、以後の推定処理において目的地の候補とした際に、目的地スコアや提案地スコアが高くなり、利用者が否定的な反応を示した提案地については、以後の推定処理において目的地の候補とした際に、目的地スコアや提案地スコアが低くなるようにしてもよい。また、情報提供装置10は、利用者の反応の履歴に基づいて、目的地スコアや提案地スコアの算出を行ってもよく、このような算出を行うモデルの修正を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、ユーザの反応(そこは行かないった発言や、顔の表情等)から、早期目的予測の候補の補正をしてもよい。このような処理の結果、情報提供装置10は、例えば、ユーザの行きたいカテゴリ(すなわち、目的地のカテゴリ)を特定することができる。
【0127】
〔4−2−5.インセンティブについて〕
また、情報提供装置10は、提案地の情報を提供するタイミングに応じた報酬(インセンティブ)の設定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、最も高い目的地スコアと提案地の目的地スコアとの差が大きいほど、高い額の報酬を設定してもよい。すなわち、情報提供装置10は、各目的地の候補のスコアバランスに基づいて、報酬の額を算出してもよい。また、情報提供装置10は、提案先となる利用者の属性に応じた報酬を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、所定の商品を頻繁に検索している利用者に対して提案地の情報を提供する場合は、他の利用者に対して提案地の情報を提供する場合よりも高い額の報酬を設定してもよい。このような報酬は、例えば、利用者属性、提供タイミング、若しくは目的地スコアの値をパラメータとした所定の算出式で算出されてもよく、予め設定されたパターンに従って設定されてもよい。
【0128】
また、情報提供装置10は、予め設定された報酬額に応じて、提案地の情報を提供するタイミングを変化させてもよい。例えば、情報提供装置10は、報酬額に基づいて、提案地の情報を提供する際の各目的地の候補のスコアバランスを逆算し、推定処理において各目的地の候補のスコアバランスが逆算したスコアバランスとなった場合は、提案地の情報を提供してもよい。
【0129】
〔4−3.推定処理および提案処理の個別実行について〕
なお、情報提供装置10は、上述した推定処理および提案処理をそれぞれ個別に実行してもよい。例えば、情報提供装置10は、上述した推定処理により、利用者の行動履歴に基づいて、利用者の目的地を推定し、推定した目的地に関する情報を利用者に提供する処理のみを実行してもよい。この際、情報提供装置10は、各目的地があらかじめ設定した報酬の額に応じて、各目的地に関する情報を提供するタイミングを変更してもよい。
【0130】
また、情報提供装置10は、例えば、位置履歴に基づいて目的地の推定を行い、推定した目的地とは異なる提案地の情報を利用者に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、推定した目的地と関連性を有する提案地や、推定した目的地の周囲に位置する提案地の情報を提供してもよい。この際、情報提供装置10は、目的地の修一に位置する提案地の候補のうち、予め設定された報酬額がより高い候補や、利用者属性との相性がよりよい提案地の候補を提案地として選択してもよい。
【0131】
〔4−4.案内処理について〕
情報提供装置10は、利用者の移動態様によらず、上述した推定処理および提案処理を実行してよい。例えば、情報提供装置10は、徒歩で移動する際、電車で移動する際、自動車、自転車、自動二輪車等、車道を介して移動する際、各種交通手段の組み合わせ等、任意の経路を介して利用者が移動する際の早期目的地案内において上述した評価処理を適用してもよい。
【0132】
〔4−5.経路について〕
なお、情報提供装置10は、任意の区間を経路として設定可能である。すなわち、情報提供装置10は、地点Aや地点Bとして、任意の位置を設定してよい。例えば、情報提供装置10は、所定の交差点から他の交差点の間を経路として設定してもよく、任意のある地点からある地点までの区間を経路として設定してもよい。また、情報提供装置10は、各種の案内において用いられる経路の単位に基づいて、移動経路とする範囲を設定してもよい。
【0133】
〔4−6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0134】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0135】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0136】
〔4−7.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0137】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0138】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0139】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0140】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0141】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0142】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムまたはデータ(例えば、モデルM1)を実行することにより、制御部40の機能を実現する。コンピュータ1000の演算装置1030は、これらのプログラムまたはデータ(例えば、モデルM1)を一次記憶装置1040から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0143】
〔5−1.推定処理の効果〕
上述したように、情報提供装置10は、ネットワーク上における利用者の行動履歴を取得し、利用者が移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、その移動の目的地を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者の目的地の推定精度を向上させることができる。
【0144】
また、情報提供装置10は、利用者の位置履歴をさらに取得し、位置履歴と行動履歴とに基づいて、目的地を推定する。例えば、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、目的地の候補を推定し、行動履歴に基づいて、候補の中から目的地を推定する。例えば、情報提供装置10は、行動履歴のうち、目的地の候補と関連する行動履歴を特定し、特定した行動履歴に基づいて、候補の中から目的地を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、目的地の推定精度をさらに向上させることができる。
【0145】
また、情報提供装置10は、利用者の属性を示す属性情報をさらに取得し、属性情報に応じて、目的地を推定する際の位置履歴に基づく重みと行動履歴に基づく重みとを変更する。このように、情報提供装置10は、利用者ごとに、利用者が移動する可能性が高い目的地を推定することができるので、目的地の推定精度をさらに向上させることができる。
【0146】
また、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて推定された候補が目的地である確度と、行動履歴に基づいて推定された候補が目的地である確度とを推定し、より高い値の確度に基づいて、目的地を推定する。また、情報提供装置10は、目的地の候補ごとに、利用者が目的地の候補に移動している確度を算出し、算出した確度が所定の条件を満たす候補を、目的地の候補とする。また、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、各目的地の候補までの距離を特定し、特定した距離が狭まる程、確度の値を増加させる。また、情報提供装置10は、行動履歴に基づいて目的地の候補を推定し、推定した各候補を利用可能な時間帯に基づいて、その候補の中から目的地を推定する。
【0147】
また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動が行われていた際の利用者の状態を推定し、行動履歴と、その推定した状態とに基づいて、目的地を推定する。また、情報提供装置10は、利用者の状態として、行動履歴が示す行動が行われた際の利用者の移動態様を推定する。また、情報提供装置10は、利用者の現在の移動態様と推定された移動態様との間の共通性と、行動履歴とに基づいて、目的地を推定する。
【0148】
また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動が行われた日時を特定し、行動履歴と、その特定した日時とに基づいて、目的地を推定する。また、情報提供装置10は、行動履歴が示す行動が行われた際の天候を特定し、行動履歴と、その特定した天候とに基づいて、目的地を推定する。また、情報提供装置10は、利用者の現在位置をさらに取得し、行動履歴と、現在位置から目的地の候補までの移動経路の状態とに基づいて、目的地を推定する。
【0149】
また、情報提供装置10は、移動経路の状態として、現在位置から目的地の候補までの移動経路において利用者を基準とした候補の方向を特定する。また、情報提供装置10は、目的地の候補を推定し、推定した候補のうち行動履歴との関係性がより高い候補を目的地として特定する。また、情報提供装置10は、行動履歴として、利用者の検索履歴、利用者の購買履歴、若しくは、利用者による店舗の予約履歴を取得する。
【0150】
上述した各処理の結果、情報提供装置10は、早期目的地案内において利用者の目的地の推定精度を向上させることができる。
【0151】
〔5−2.提案処理の効果〕
また、情報提供装置10は、ネットワーク上における利用者の行動履歴を取得する。そして、情報提供装置10は、利用者が所定の目的地への移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて、所定の目的地とは異なる目的地を提案する。このような処理の結果、情報提供装置10は、早期目的地案内において利用者を当所の目的地とは異なる目的地、すなわち、提案地へと誘導することができるので、利用者の行動に対して効果的な情報を提供することができる。
【0152】
また、情報提供装置10は、行動履歴に基づく目的地のうち、所定の目的地と所定の関連性を有する目的地を提案する。また、情報提供装置10は、利用者が移動を開始したと推定される場合は、行動履歴に基づいて目的地を複数推定するとともに、利用者が各目的地に移動している確度を推定する。そして、情報提供装置10は、目的地のうち最も確度が高い目的地以外の目的地の中から、提案対象となる目的地を選択する。このため、情報提供装置10は、利用者が当所の目的地から変更する可能性の高い目的地を提案地とすることができるので、利用者を誘導する可能性を向上させることができる。
【0153】
また、情報提供装置10は、推定された複数の確度が所定の条件を満たすか否かを判定し、複数の確度が所定の条件を満たすと判定された場合は、目的地を提案する。例えば、情報提供装置10は、推定された確度のうち最も高い確度が第1閾値以下であるか否かを判定し、最も高い確度が第1閾値以下であると判定された場合は、確度が第1閾値よりも低い第2閾値以上となる目的地のうちいずれかの目的地を提案する。また、情報提供装置10は、利用者の現在位置を示す位置情報をさらに取得し、位置情報に基づいて、利用者が各目的地に移動している確度を推定する。このため、情報提供装置10は、利用者を誘導しやすいタイミングで、提案地の情報を提供することができるので、利用者を誘導する可能性を向上させることができる。
【0154】
また、情報提供装置10は、利用者の現在位置を示す位置情報をさらに取得し、行動履歴に基づいて所定の目的地とは異なる目的地を選択するとともに、位置情報が示す現在位置から目的地へと至るまでの中継地を選択し、選択した中継地を提案した後に、選択した目的地を提案する。また、情報提供装置10は、目的地と関連性を有する中継地を選択する。また、情報提供装置10は、利用者が中継地を訪問した場合は、選択した目的地において利用者に対して提供される利益の情報を提供する。このような処理の結果、情報提供装置10は、段階的に利用者を提案地へと誘導することができる。
【0155】
また、情報提供装置10は、利用者に目的地を提案した際におけるその利用者の反応に基づいて、その利用者に対して新たに提案する目的地を選択する。また、情報提供装置10は、行動履歴との関連性が所定の閾値を超える目的地を提案する。このため、情報提供装置10は、利用者が興味を有する提案地を優先的に提供することができるので、利用者を誘導する可能性を向上させることができる。
【0156】
また、情報提供装置10は、所定の目的地とは異なる目的地に関する情報が利用者に提案された場合は、その情報の配信に伴う第1の報酬を設定する。また、情報提供装置10は、第1の報酬として、所定の目的地とは異なる目的地に利用者が移動する確度に応じた報酬を設定する。また、情報提供装置10は、確度が低い程、高い値の報酬を設定する。また、情報提供装置10は、利用者が提案された目的地へと移動した場合は、その利用者の誘導に伴う第2の報酬を設定する。このため、情報提供装置10は、利用者の誘導に対する報酬を設定することができる。また、情報提供装置10は、早期目的地案内において提供される目的地や提案地の情報を、所謂広告とすることができる。
【0157】
また、情報提供装置10は、利用者に提案する目的地を選択し、選択した目的地に関する情報の配信に対して予め設定された報酬の額に応じたタイミングで、その目的地に関する情報を提供する。また、情報提供装置10は、利用者に提案する目的地を選択し、選択した目的地に関する情報を、その利用者の属性に応じたタイミングで配信する。また、情報提供装置10は、行動履歴と、所定の目的地からの距離とに基づいて利用者に提案する目的地を選択し、選択した目的地を提案する。この結果、情報提供装置10は、利用者を誘導する可能性を向上させることができる。
【0158】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0159】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、検出部は、検出手段や検出回路に読み替えることができる。