(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687688
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】ルーバー材用取付部材
(51)【国際特許分類】
E04F 10/08 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
E04F10/08
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-152965(P2018-152965)
(22)【出願日】2018年8月15日
(65)【公開番号】特開2020-26698(P2020-26698A)
(43)【公開日】2020年2月20日
【審査請求日】2018年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127639
【氏名又は名称】株式会社エービーシー商会
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】富田 智恵
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−020088(JP,A)
【文献】
実開平06−078454(JP,U)
【文献】
特開2006−249768(JP,A)
【文献】
特開2009−243048(JP,A)
【文献】
特開平08−303115(JP,A)
【文献】
実開昭61−091923(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 10/00−10/10
E04F 13/00−13/30
E04F 17/00−19/10
E04D 1/00−3/40
E04D 13/00−15/07
E04B 1/00−1/36
E04B 2/56−2/70
E04B 2/88−2/96
E04H 17/00−17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の天井面側に固定する嵌合受部と、ルーバー材に固定できるとともに、該嵌合受部に嵌合可能な嵌合部と、を備え、
該ルーバー材は、長尺状とし、上面に長手方向に開口部を有するリップ溝状の結合部を備え、
該嵌合受部は、対面する一対の側面を有し、該側面の内面には、少なくとも一対の突条を対向させて形成した係止受部を備え、
該嵌合部は、下面及び対面する一対の側面を有し、該側面の先端部付近には、前記係止受部に係止する係止部を備えるとともに、該下面には、先端部が外向きに開き、前記結合部に該ルーバー材の長手方向にスライドさせて結合させる脚部を備えた、
ルーバー材用取付部材。
【請求項2】
前記嵌合受部の幅を20mm未満とし、前記ルーバー材の幅を前記嵌合受部と略同じ幅にした請求項1に記載のルーバー材用取付部材。
【請求項3】
前記嵌合受部を、断面形状をコの字状とした長尺状に形成し、前記嵌合受部に前記ルーバー材を取り付けたときに、前記嵌合受部の側面と前記ルーバー材の側面とが同一面状に連なるようにした請求項1又は2に記載のルーバー材用取付部材。
【請求項4】
前記嵌合部は、断面形状がコの字状で短尺状に形成してある請求項1〜3のいずれかに記載のルーバー材用取付部材。
【請求項5】
前記嵌合受部の側面及び前記嵌合部の側面に挿通孔をそれぞれ設け、該挿通孔に挿通した固定軸の先端部にリング状の嵌着部材を嵌着してある請求項1〜4のいずれかに記載のルーバー材用取付部材。
【請求項6】
前記係止受部は、前記嵌合受部の側面の内面に、上下に2つ並ぶ突条を対向させて形成してある請求項1〜5のいずれかに記載のルーバー材用取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の躯体側、例えば、天井面、内壁面や外壁面等に設置するルーバー材を取付固定するための取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルディングなどの建築物において、目隠しや日光の入射を遮るなどために、或いは、デザイン性を向上させて外観を良好にするために、天井面や壁面等にアルミニウムなどからなる長尺状のルーバー材を並列状や格子状に配列することがある。
従来において、ルーバー材を固定するには、例えば、建物の外壁面に沿いアングル材(等辺山形鋼)からなる取付材を配設し、それにボルトやビスなどを用いて並列状に固定したり、ルーバー材に嵌合できる部材を外壁面に固定し、それにルーバー材を嵌合させて並列状に固定したりしていた。
【0003】
より具体的には、下記特許文献1には、角板状の座板に設けたボルト挿通口に嵌挿する頭部付きの締付ボルトと、その締付ボルトの螺子部に螺合する締付ナットと、からなり、座板に設けたボルト挿通口を、そのボルト挿通口に嵌挿した締付ボルトの座板に対する上下方向の傾斜回動を自在とする上下方向の長穴状に形成したことを特徴とするルーバー取付用の取付金具を用いてルーバーを取り付けることが示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、
図11に示すように、建築物の壁躯体100に直接固定した受部材101と、押出形材からなるルーバー材102とを備え、受部材101には壁躯体100に固定するための固定片103と、壁躯体100に対して垂直に突出するとともに先端に係止受顎を有する係止片104を備え、ルーバー材102には係止片104に嵌合するとともに先端に係止顎を有する凹溝部105を備え、ルーバー材102の凹溝部を受部材101の外側から嵌合し、かつ係止顎と係止受顎とを係止させて固定する建築用ルーバーが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3138914号公報
【特許文献2】特開2011−117243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に示されるような建築用ルーバーは、壁躯体100に固定した受部材101にルーバー材102の長手端部側を嵌合させて取り付けることができ、取付作業を簡単に行うことができるものである。
しかし、ルーバー材102の長手端部に嵌合部分を形成してあるため、ルーバー材102の幅が変わればそれを嵌合する受部材101の幅も合わせて変える必要があった。そのため、幅が相違するルーバー材102をラインナップとして揃える場合、その幅に合わせた受部材101もそれぞれ揃えておかなければならず、部品点数が増大し、コストの負担になることがあった。
さらに、
図11に示すように、受部材101を壁躯体100に固定するには固定片103に孔を設け、ビス106などを締結して固定する必要がある。この際、係止片104間にビス106の頭部が配置されるため、係止片104同士の間隔をある程度は保っておかなければビス106が入らず固定作業ができない。そのため、係止片104の間隔を狭くし難く、それに伴い、ルーバー材102の幅も細くし難いものであった。
【0007】
また、ルーバー材を受部材に嵌合させただけでは地震などにより脱落してしまうおそれがある。そこで、ルーバー材の側面にねじなどを螺入して受部材と締結させて脱落しにくくすることもある。ねじを螺入する作業には、通常、電動ドライバーなどの工具を用いることになるが、ルーバー材の間隔が狭いと工具がルーバー材間に入らなくなり、ねじの螺入作業がしにくくなるおそれがある。そのため、ルーバー材の間隔をある程度広めにしておかなければならないなど、ルーバー材配列をデザインする上での制約があった。また、配列作業をする際に片側から順次取り付け作業をしなければならない、施工する上で最端部のルーバー材の取付作業がしにくいなどの問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、幅の異なるルーバー材にも適用することができ、さらには、ルーバー材の間隔を従来よりも狭めて配列することもできるルーバー材用取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態のルーバー材用取付部材は、建築物
の天井面側に固定する嵌合受部と、ルーバー材に固定できるとともに、該嵌合受部に嵌合可能な嵌合部と、を備え、
ルーバー材は、長尺状とし、上面には、長手方向に開口部を有するリップ溝状の結合部を備え、嵌合受部は、対面する一対の側面を有し、該側面の内面に
は、少なくとも一対の突条を対向させて形成した係止受部を備え、嵌合部は、
下面及び対面する一対の側面を有し、該側面の先端部付近に
は、前記係止受部に係止する係止部を備えるとともに
、該下面には、先端部が外向きに開き、前記結合部に該ルーバー材の長手方向にスライドさせて結合させる脚部を備えた、ことを特徴とする。
【0010】
上記形態のルーバー材用取付部材は、嵌合受部、嵌合部、ルーバー材をそれぞれ別部材とすることができ、嵌合部はルーバー材に固定して用いればよい。そのため、幅が異なるルーバー材でも嵌合部を固定すれば、嵌合受部に嵌合できるようになり、少なくとも1組の嵌合受部及び嵌合部を用意しておけば、幅の異なるルーバー材でも対応することができる。
【0011】
上記形態のルーバー材用取付部材は、嵌合受部を、断面形状をコの字状とした長尺状に形成することができる。
このように嵌合受部を長尺状にすることにより、建築物の躯体側に固定する際に、通り(直線)を出しやすくなり施工しやすくなる。
【0012】
上記形態のルーバー材用取付部材は、嵌合受部の幅を20mm未満にすることができる。
このように嵌合受部の幅を細幅にすることにより、従来よりも細幅のルーバー材、例えば、15mm幅のルーバー材を取り付けても嵌合受部が視認されにくくなり、美観を高めることができる。
【0013】
上記形態のルーバー材用取付部材は、嵌合部を、断面形状をコの字状とした短尺状に形成することができる。
このように嵌合部を短尺状にすることにより、取り付ける嵌合部の数や長さを増減させて嵌合強度を調整することができる。
【0014】
上記形態のルーバー材用取付部材は、嵌合受部の側面及び嵌合部の側面に挿通孔をそれぞれ設け、挿通孔に挿通した固定軸の先端部にリング状の嵌着部材を嵌着することができる。
このようにすることにより、嵌合受部と嵌合部が固定軸により結合され、地震などの衝撃により係止部が係止受部から外れたとしても、嵌合部が嵌合受部から脱落することを防止できる。また、嵌着部材はプライヤー(例えば、Eリング用プライヤー)などにより固定できるため、狭い幅でも作業でき、ルーバー材を配列する際、ルーバー材の間隙幅を狭くすることができる。また、従来では、取り外す際に、並列状に配列したルーバー材の最端部から外さなければならなかったが、本形態のルーバー材用取付部材を用いれば中間部に配列したルーバー材から取り外すこともできる。
【0015】
上記形態のルーバー材用取付部材は、係止受部を嵌合受部の側面の内面に、上下に2つ並ぶ突条を対向させて設けることができる。
このようにすることにより、開口部から奥側の突条に係止させた係止部が脱落したとしても、手前側の突条に係止されるため、嵌合部の脱落を防ぐことができる。また、2段階で係止できるので、初めに仮に固定し、その後、押し込んで固定させればよいため施工しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態のルーバー材用取付部材及びルーバー材を示した分解斜視図である。
【
図2】
図1のルーバー材用取付部材を用いてルーバー材を天井面に配した状態の一例を示した断面図である。
【
図3】
図1のルーバー材用取付部材の構成部品の嵌合受部を示した拡大断面図である。
【
図4】嵌合受部の他の形態を示した拡大断面図である。
【
図5】
図1のルーバー材用取付部材の構成部品の嵌合部を示した拡大断面図である。
【
図6】
図1のルーバー材用取付部材を用いて取り付けることができるルーバー材の第一変形例を示した断面図である。
【
図7】
図1のルーバー材用取付部材を用いて取り付けることができるルーバー材の第二変形例を示した断面図である。
【
図8】
図1のルーバー材用取付部材を用いて取り付けることができるルーバー材の第三変形例を示した断面図である。
【
図9】
図1のルーバー材用取付部材を用いてルーバー材を並列状に取り付けた一例を示した断面図である。
【
図10】
図1のルーバー材用取付部材をルーバー材に固定した状態の一例を示した部分拡大斜視図である。
【
図11】従来のルーバー材の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態のルーバー材用取付部材を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の一実施形態のルーバー材用取付部材1は、
図1又は
図2に示すように、嵌合受部2と、嵌合部3と、を備え、ルーバー材4を躯体側に取り付けできるようにするものである。
以下、本実施形態では、ルーバー材4を天井面5に取り付ける場合を説明す
る。天井面5に
は直接取り付けても、天井面5に沿いアングル材、チャンネル材などの取付材を配してそれに取り付けるようにしてもよい。
【0019】
嵌合受部2は、
図1に示すように、下方を開口部とした断面コの字状の長尺状としてある。嵌合受部2は、例えば、アルミニウムなどの金属から形成し、長さ約1m〜4m、高さ約10mm〜20mmに形成することができ、幅は、好ましくは20mm未満、特に好ましくは15mm以下、さらに好ましくは12mm以下である。
嵌合受部2は、上面21を天井面5などに固定するようにし、両側の側面22の内面側に係止受部6を設け、内側に嵌合部3を係止して嵌合できるようにしてある。
【0020】
係止受部6は、
図3に示すように、側面22に突条を対向するように形成してあり、本実施形態では、上下に配した二対の突条6a、6bを並行状に形成してある。係止受部6は、少なくとも一対の突条を設けてあればよく、例えば、
図4に示すように、一対の突条6aのみを形成した形態としてもよい。
上側の突条6aは、側面22の内面側を変形台形状に突出させて対向するように形成してあり、上側面を略水平面、下側面を傾斜面とし、上側面には嵌合部3の係止33が係止できるようにしてある。
下側の突条6bは、突条6aよりも下側に位置し、側面22の内面側を直角三角形状に突出させて対向するように形成してあり、上側面を略水平面、下側面を傾斜面とし、上側面に嵌合部3の係止部33が係止できるようにしてある。突条6bの突出幅は、突条6aの突出幅よりも小さくしてある。
【0021】
側面22の適宜箇所には、
図1に示すように、円形状の挿通孔23が形成してあり、固定軸7を挿通できるようにしてある。挿通孔23は、本実施形態では、長手方向の端部寄りにそれぞれ形成してある。
【0022】
嵌合部3は、
図1に示すように、上方を開口部とした断面コの字状の短尺状としてあり、嵌合受部2よりもやや幅狭に形成して嵌合受部2の内側に嵌合できるようにしてある。嵌合部3は、例えば、アルミニウムなどの金属から形成し、長さ約10mm〜100mm、幅約10mm〜20mm、高さ約15mm〜20mmに形成することができ、特に幅は20mm未満にするのが好ましい。また、嵌合部3は、50mm〜1000mmのピッチで配するのが好ましい。
嵌合部3は、
図5に示すように、下面31には脚部8が設けてあり、ルーバー材4に固定できるようにしてある。側面32の先端部には、外側に突出した係止部33が設けてあり、嵌合受部2の係止受部6に係止できるようにしてある。
【0023】
脚部8は、下面31に左右対称状に設けてあり、片側部分を、下面31から下方に延び、先端部を垂直状に外側に折り曲げた断面L字状に形成してある。脚部8は、ルーバー材4の結合部42に結合させることができるようにしてある。
【0024】
係止部33は、側面32の先端部から外側に突出するように形成し、上側面を湾曲面とし、下側面を略水平面とした断面扇形状に形成してあり、下側面が突条6aの上側面に係止して嵌合部3が嵌合受部2に嵌合できるようにしてある。なお、係止部33の上側面は、傾斜平面としてもよい。
【0025】
側面32の下端部は外方に膨らむ形状としてあり、嵌合受部2に嵌合させた際、
図2に示すように、側面22の先端部付近の内面に接し、嵌合部3が嵌合受部2からずれにくいようにしてあり、また、ガタつきが生じにくいようにしてある。
側面32には、
図1に示すように。横長長孔状の挿通孔34が設けてあり、挿通孔34及び嵌合受部2の挿通孔23に固定軸7を挿通して嵌合受部2及び嵌合部3を結合できるようにしてある。
固定軸7は、一端部に円盤状の頭部71、他端部寄りに周方向の細溝72が形成してあり、細溝72にリング状の嵌着部材73を嵌着させることができるようにしてある。嵌着部材72としては、例えば、Eリング(E型止め輪)などを用いることができる。
【0026】
ルーバー材4は、
図1に示すように、断面縦長長方形状の中空長尺材としてある。上面41には、中央付近を長手方向に沿い開口させたリップ溝状の結合部42が設けてあり、脚部8を結合して嵌合部3をルーバー材4に固定できるようにしてある。
ルーバー材4は、例えば、アルミニウムなどの金属から形成し、長さ約2m〜4m、幅約15mm〜30mm、高さ約50mm〜200mmに形成することができる。ルーバー材4は嵌合受部2と略同幅にするのが好ましい。
ルーバー材4の内部には、側面43間を架け渡す平板状の連結板44が設けてある。
【0027】
ルーバー材4は、本実施形態では、断面縦長長方形状としてあるが、これに限定されるものではなく、
図6に示すように嵌合受部2よりも幅広とした断面縦長長方形状のルーバー材4a、
図7に示すように断面縦長逆台形状のルーバー材4b、
図8に示すように断面逆三角形状のルーバー材4cにすることもでき、嵌合部3と固定できる結合部42が設けられる形状であればいかなる形状としてもよい。
【0028】
以下に、ルーバー材用取付部材1を用いて、天井面5にルーバー材4を取り付ける方法の一例を示す。
【0029】
まず、嵌合受部2の上面21の適宜箇所に孔を開口し、嵌合受部2を天井面5の適宜位置に配し、ビスなどの固定部材Aを用いて天井面5に固定する。
次に、嵌合部3の脚部8をルーバー材4の結合部42に短手端面側から開口部に挿入し、適宜位置にスライドさせて、ビスなどの固定部材Bを用いてルーバー材4に固定する。この際、嵌合部3には固定部材Bを挿通するための孔、ルーバー材4の連結板44には固定部材Bを締結するためのねじ孔を適宜位置に設けておくのが好ましい。
【0030】
このようにして、ルーバー材4の上面4に単数又は複数の嵌合部3を固定する。固定する嵌合部3の数はルーバー材4の長さにもよるが、嵌合受部2の長さ1mに対し、2〜20個配するのが好ましく、4〜10個配するのが特に好ましい。
【0031】
嵌合部3を固定したルーバー材4を、天井面5に固定した嵌合受部2に嵌合させる。嵌合部3を嵌合受部2内側に下側から挿入し、押し込むことにより、係止部33が係止受部6の突条6aに係止して嵌合することができる。この際、係止部33が突条6a,6bに当接することにより、嵌合部3の係止部33及び側面32がやや内側に撓みながら嵌合受部2の奥側にまで入り込ませることができ、係止部33を突条6aの上側面に係止させることができる。
【0032】
その後、嵌合受部2の挿通孔23及び嵌合部3の挿通孔34に固定軸7を挿通し、先端部の細溝72にEリングなどの嵌着部材73を、Eリング用プライヤーなどを用いて嵌着させる。
このようにして、
図2に示すように、ルーバー材用取付部材1を用い、ルーバー材4を天井面5に取り付けることができ、
図9に示すように、ルーバー材4を並列状に配列して天井面5をルーバー材4で覆うことができる。この際、嵌着部材73は、Eリング用プライヤーなどを用いて嵌着できるため、ルーバー材4間のピッチを従来に比べて狭くしても取り付けることができる。例えば、ルーバー材4間の中心線間の幅を70mm以下、特に50mm以下にすることができる。
【0033】
ルーバー材4に嵌合部3を固定する際に、嵌合受部2及びルーバー材4の端面を面一にしてもよいが、
図10に示すように、嵌合受部2をルーバー材4にずらせて固定、つまりセットバックした位置に固定させることもできる。このようにすることにより、例えば、天井面と壁面との境に段差などがあってもルーバー材4を加工することなく納めることができる。また、天井面に取り付けた状態でルーバー材4の端面側から視認した場合、取付部材1が奥まった位置にあり見えにくいため、意匠性を高めることができる。
【0034】
嵌合部3は、ルーバー材4以外にも、
図5〜
図7に例示したような幅の異なる様々な形態のルーバー材に固定することができるため、ルーバー材用取付部材1を用いることにより、幅が異なるルーバー材でも天井面5などに取り付けることができ、少なくとも一組の嵌合受部2及び嵌合部3を用意しておけば、ルーバー材4の幅を任意に設定することができる。従来ではルーバー材に嵌合部を一体的に設けていたため、様々な形態のルーバー材を製造することはコスト的に難しかったが、本発明ではルーバー材と嵌合部を別体にしたため、比較的安価にルーバー材を様々な形態にすることができ、ルーバー材のデザインバリエーションを増やすことができる。
【0035】
また、嵌合受部2及び嵌合部3を嵌合した後、固定軸7で結合するようにすれば、脱落するおそれを小さくすることができる。係止受部6に、側面部22の内面に、上下に2つ並ぶ突条6a,6bを設けるようにすれば、係止部33が突条6aから外れたとしても、その下方の突条6bに係止するため、嵌合部3が嵌合受部2から脱落することを防ぐことができる。
【0036】
さらに、嵌合部3を嵌合受部2に内嵌合するようにすることにより、嵌合受部2の幅を従来よりも狭く、例えば15mm幅にすることができる。このようにルーバー材4の幅を15mmと狭くしても取付部材1が目立ちにくくなり、ルーバー材4を取り付けた際に美観の優れたものとなる。
【0037】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0038】
1ルーバー材用取付部材
2嵌合受部
21上面
22側面
23挿通孔
6係止受部
6a,6b突条
3嵌合部
31下面
32側面
33係止部
34挿通孔
8脚部
4ルーバー材
41上面
42結合部
43側面
44連結板
5天井面
7固定軸
71頭部
72細溝
73嵌着部材
A,B固定部材