特許第6687690号(P6687690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687690
(24)【登録日】2020年4月6日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20200421BHJP
   B66B 13/28 20060101ALI20200421BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   B66B5/02 S
   B66B13/28 B
   B66B3/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-156520(P2018-156520)
(22)【出願日】2018年8月23日
(65)【公開番号】特開2020-29347(P2020-29347A)
(43)【公開日】2020年2月27日
【審査請求日】2018年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】疋田 祥太郎
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−222475(JP,A)
【文献】 特開2003−267652(JP,A)
【文献】 特開2004−137004(JP,A)
【文献】 特許第5690504(JP,B2)
【文献】 特許第4664394(JP,B2)
【文献】 特許第4071018(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00 − 13/30
B66B 3/00 − 3/02
B66B 5/00 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像解析装置と、主制御装置と、を備えたエレベータ制御システムであって、
前記画像解析装置は、
撮像装置によって撮像された撮像画像のうち、エレベータの乗りかごの出入り口の下辺部に設けられたかご側敷居と、前記かご側敷居と対向する乗り場側敷居との間の隙間である敷居間隙間が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度に基づいて、前記敷居間隙間が閉塞板によって閉塞されているか否かを判断する判断部と、
前記判断部による前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されているか否かの判断結果に基づいて、前記閉塞板の動作の異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部が前記閉塞板の動作に異常があると判定した場合に、前記主制御装置に対して、前記閉塞板の動作の異常を通知する通知部と、を備え、
前記主制御装置は、
前記画像解析装置から前記閉塞板の動作の異常の通知を受けた場合に、前記エレベータの運行の停止、または前記閉塞板の動作の異常に関する情報の記憶部への保存を実施する制御部を備え
前記判断部は、前記撮像装置によって第1のタイミングにおいて撮像された前記撮像画像のうち、前記敷居間隙間が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度を計測し、計測した前記輝度に基づいて、前記第1のタイミングにおいて前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されているか否かを判断し、
前記異常判定部は、前記判断部によって前記第1のタイミングにおいて前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されていないと判断された場合に、前記閉塞板の出現動作の異常であると判定し、
前記通知部は、前記異常判定部が前記閉塞板の前記出現動作の異常と判定した場合に、前記主制御装置に対して、前記出現動作の異常を通知し、
前記第1のタイミングは、前記乗りかごが無積載かつ前記乗りかごの出入り口の扉が全戸開状態であるタイミングである、
エレベータ制御システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記輝度が予め定められた第1の閾値以上である場合に、前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されていると判断し、前記輝度が前記第1の閾値未満である場合に、前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されていないと判断する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項3】
前記判断部はさらに、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングにおいて撮像された前記撮像画像のうち、前記敷居間隙間が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度を計測し、計測した前記輝度に基づいて、前記第2のタイミングにおいて前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されているか否かを判断し、
前記異常判定部はさらに、前記判断部によって前記第2のタイミングにおいて前記敷居間隙間が前記閉塞板によって閉塞されていると判断された場合に、前記閉塞板の収納動作の異常であると判定し、
前記通知部は、前記異常判定部が前記閉塞板の前記収納動作の異常と判定した場合に、前記主制御装置に対して、前記収納動作の異常を通知する、
請求項1または2に記載のエレベータ制御システム。
【請求項4】
記第2のタイミングは、前記乗りかごの出入り口の扉が戸閉動作中のタイミングである、
請求項に記載のエレベータ制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像解析装置から前記出現動作の異常の通知を受けた場合に、前記出現動作の異常に関する情報を前記記憶部に保存し、前記画像解析装置から前記収納動作の異常の通知を受けた場合に、前記エレベータの運行を停止する、
請求項3または4に記載のエレベータ制御システム。
【請求項6】
前記画像解析装置はさらに、
前記第1のタイミングまたは前記第2のタイミングにおいて、前記撮像装置を制御して、前記撮像画像上の前記敷居間隙間の大きさを、前記第1のタイミングまたは前記第2のタイミング以外に撮像される前記撮像画像上の前記敷居間隙間の大きさよりも大きくする撮像装置制御部、をさらに備える、
請求項3から5のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。
【請求項7】
前記エレベータ制御システムは、さらに、かごドア制御装置を備え、
前記主制御装置は、
前記画像解析装置から前記出現動作または前記収納動作の異常の通知を受けた場合に、前記かごドア制御装置に対して前記乗りかごの出入り口の扉を再度戸開または戸閉する動作をするように指示を送信すると共に、前記画像解析装置に対して前記出現動作または前記収納動作の異常の有無を再判定する指示を送信する送信部をさらに備え、
前記かごドア制御装置は、
前記主制御装置から前記乗りかごの出入り口の扉の戸開または戸閉の指示を受けた場合に、前記乗りかごの出入り口の扉を戸開または戸閉する開閉制御部を備える、
請求項3から6のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。
【請求項8】
前記閉塞板は、前記乗りかごの下端部から前記乗り場側に向かって水平方向に所定の位置まで移動することにより前記敷居間隙間を閉塞し、
前記判断部は、さらに、前記第1のタイミングにおいて撮像された前記撮像画像から、前記閉塞板の先端と、前記乗り場側敷居との間の距離を計測し、計測した前記距離が予め定められた第2の閾値以上である場合に、前記閉塞板が前記所定の位置まで移動していないと判断し、
前記異常判定部は、前記判断部によって前記閉塞板が前記所定の位置まで移動していないと判断された場合に、前記閉塞板の移動量の異常であると判定し、
前記通知部は、前記異常判定部が前記閉塞板の前記移動量の異常と判定した場合に、前記主制御装置に対して、前記移動量の異常を通知する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータでは、かごの乗場への着床時に乗場側敷居及びかご側敷居の接触を防ぐため、乗場側敷居とかご側敷居との間に隙間が設けられている。
【0003】
従来、このような隙間に落下物等が入ることを防止するために、エレベータのドアの開閉時に、乗場側敷居とかご側敷居との間の隙間を閉塞板によって塞ぐ技術が用いられている。このような閉塞板は、エレベータが乗り場に着床してドアが開いている場合には、乗場側敷居とかご側敷居との間の隙間を閉塞するように出現し、エレベータが昇降路を移動する際には、乗りかごの下部等に収納されるように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−166064号公報
【特許文献2】特許第5208853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、閉塞板が正常に動作しているか否かを高精度に判定することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のエレベータ制御システムは、画像解析装置と、主制御装置とを備える。画像解析装置は、判断部と、異常判定部と、通知部とを備える。判断部は、撮像装置によって撮像された撮像画像のうち、エレベータの乗りかごの出入り口の下辺部に設けられたかご側敷居と、かご側敷居と対向する乗り場側敷居との間の隙間である敷居間隙間が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度に基づいて、敷居間隙間が閉塞板によって閉塞されているか否かを判断する。異常判定部は、判断部による敷居間隙間が閉塞板によって閉塞されているか否かの判断結果に基づいて、閉塞板の動作の異常の有無を判定する。通知部は、異常判定部が閉塞板の動作に異常があると判定した場合に、主制御装置に対して、閉塞板の動作の異常を通知する。主制御装置は、制御部を備える。制御部は、画像解析装置から閉塞板の動作の異常の通知を受けた場合に、エレベータの運行の停止、または閉塞板の動作の異常に関する情報の記憶部への保存を実施する。判断部は、撮像装置によって第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像のうち、敷居間隙間が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度を計測し、計測した輝度に基づいて、第1のタイミングにおいて敷居間隙間が閉塞板によって閉塞されているか否かを判断する。常判定部は、判断部によって第1のタイミングにおいて敷居間隙間が閉塞板によって閉塞されていないと判断された場合に、閉塞板の出現動作の異常であると判定する。通知部は、異常判定部が閉塞板の出現動作の異常と判定した場合に、主制御装置に対して、出現動作の異常を通知する。第1のタイミングは、乗りかごが無積載かつ乗りかごの出入り口の扉が全戸開状態であるタイミングである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システムの概略構成図の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態にかかる主制御装置と、画像解析装置と、かごドア制御装置とが有する機能の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置が正常に動作している場合に、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置が正常に動作していない場合に、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置が正常に動作している場合に、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置が正常に動作していない場合に、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態にかかる閉塞板の異常の有無の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第1の実施形態にかかる第1のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1の実施形態にかかる第2のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2の実施形態にかかる主制御装置と、画像解析装置と、かごドア制御装置とが有する機能の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第2の実施形態にかかる閉塞板の異常の有無の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第3の実施形態にかかる第1のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第3の実施形態にかかる第2のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかるエレベータ制御システムSの概略構成図の一例を示す図である。本実施形態のエレベータ制御システムSは、主制御装置1と、画像解析装置2と、かごドア制御装置3と、を備える。各装置の機能の詳細については後述する。
【0009】
本実施形態にかかるエレベータ制御システムSは、エレベータ10に適用される。エレベータ10は、乗りかご5と、不図示のカウンタウェイト、メインロープ、巻上機等を含む。乗りかご5は、エレベータ制御システムSによる制御の下、建物内の昇降路内を昇降することで任意の目的階の乗り場8に移動することができる。
【0010】
乗りかご5は、図1に示すように、床板53と、かご側敷居52と、かごドア51と、敷居隙間閉塞装置6と、を備える。かごドア51は、乗りかご5の出入り口の扉である。かご側敷居52は、乗りかご5の出入口の下辺部に、床板53に接して設置されている。かご側敷居52は、かごドア51の下端部と係合するガイド溝を上面に有し、かごドア51を、開閉可能に案内する。
【0011】
また、乗り場8には、かご側敷居52と対向して、乗り場側敷居82が設置される。乗り場側敷居82は、乗り場ドア81の下端部と係合するガイド溝上面に有し、乗り場ドア81を、開閉可能に案内する。
【0012】
かご側敷居52と乗り場側敷居82との間には、所定の間隔の隙間が設けられる。当該隙間は、乗りかご5が昇降路内を円滑に昇降移動できるようにするためにエレベータ10に設けられているものである。本実施形態においては、かご側敷居52と乗り場側敷居82との間の隙間を、敷居間隙間7という。また、敷居間隙間7は、ランニングクリアランスともいう。
【0013】
敷居隙間閉塞装置6は、かごドア51および乗り場ドア81の戸開時に敷居間隙間7を閉塞する装置であり、閉塞板61を備える。閉塞板61は、乗りかご5の下端部から乗り場8側に向かって所定の位置まで水平方向に移動(突出)することにより敷居間隙間7を閉塞する。本実施形態においては、閉塞板61が乗りかご5の下端部から乗り場8側に向かって水平方向に移動して敷居間隙間7に出現する動作を、出現動作(突出動作)という。また、閉塞板61が敷居間隙間7から乗りかご5の下端部に戻るように水平方向に移動する動作を、収納動作という。また、閉塞板61は、例えば金属板であり、光を反射する素材で構成されているものとする。
【0014】
敷居隙間閉塞装置6は、不図示の駆動部によって閉塞板61を動作させる。本実施形態においては、敷居隙間閉塞装置6は、かごドア51が戸開を開始した場合に、閉塞板61をかご側敷居52と乗り場側敷居82との間に出現させる。かごドア51が全戸開状態となるまでに、閉塞板61は所定の位置に達し、敷居間隙間7を閉塞する。また、敷居隙間閉塞装置6は、かごドア51が戸閉を開始した場合に、閉塞板61を乗りかご5の下部に収納する。
【0015】
敷居隙間閉塞装置6が閉塞板61を動作させる手法は、公知の技術を採用可能である。一例として、敷居隙間閉塞装置6は、主制御装置1から乗りかご5が乗り場8に着床したことを示す着床信号を受信した場合に閉塞板61を出現させ、かごドア制御装置3がかごドア51の戸閉を開始することを示す閉鎖信号を受信した場合に閉塞板61を収納する。また、閉塞板61は、かごドア51の開閉動作に機械的に連動して出現または収納されるものであっても良い。閉塞板61の形状および動作はこれらに限定されるものではなく、公知の技術を採用可能である。
【0016】
また、乗りかご5の上部には、カメラ(撮像装置)4が設置される。より詳細には、カメラ4は、乗りかご5の出入り口の下部に設けられたかご側敷居52と、かご側敷居52と対向する乗り場側敷居82との間を撮像可能な角度で設置される。本実施形態においては、カメラ4の設置角度は固定であるものとする。また、カメラ4は、乗りかご5に出入りする利用者を検出するために設置された既設のカメラ4と兼用可能である。
【0017】
次に、本実施形態にかかる主制御装置1と、画像解析装置2と、かごドア制御装置3と、について説明する。主制御装置1と、画像解析装置2と、かごドア制御装置3とは、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置とを備えたコンピュータである。
【0018】
図2は、本実施形態にかかる主制御装置1と、画像解析装置2と、かごドア制御装置3とが有する機能の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の画像解析装置2は、受信部201と、取得部202と、判断部203と、異常判定部204と、通知部205とを備える。
【0019】
受信部201は、主制御装置1から、閉塞板61の検出を行うタイミングを通知する信号を受信する。より詳細には、受信部201は、閉塞板61の出現異常の有無を判定する第1のタイミングを通知する第1のタイミング信号と、閉塞板61の収納異常の有無を判定する第2のタイミングを通知する第2のタイミング信号と、を受信する。受信部201は、第1のタイミング信号または第2のタイミング信号を受信した場合に、取得部202および判断部203に、第1のタイミング信号または第2のタイミング信号の受信を送出(通知)する。
【0020】
第1のタイミングは、例えば、乗りかご5のかごドア51が全戸開状態であるタイミングである。また、第2のタイミングは、例えば、乗りかご5のかごドア51が戸閉動作中であるタイミングである。
【0021】
取得部202は、カメラ4から撮像画像を取得する。本実施形態においては、取得部202は、受信部201が第1のタイミング信号または第2のタイミング信号の通知を受けた場合に、カメラ4から撮像画像を取得するが、継続的に撮像画像を取得しても良い。
【0022】
判断部203は、カメラ4によって第1のタイミングまたは第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像のうち、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲(敷居間隙間7が撮像された画像範囲)の輝度に基づいて、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断する。
【0023】
図3は、本実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置6が正常に動作している場合に、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。図3に示す例では、乗りかご5が乗り場8に着床し、かごドア51および乗り場ドア81が全戸開状態である。敷居隙間閉塞装置6が正常に動作している場合には、第1のタイミングにおいては、図3に示すように、かご側敷居52と、乗り場側敷居82との間の敷居間隙間7を閉塞板61が閉塞する。
【0024】
判断部203は、撮像画像のうち、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲を、敷居間隙間7のY方向(かごドア51の開閉方向と直交する方向)の範囲L1と、敷居間隙間7のX方向(かごドア51の開閉方向)の範囲L2とによって特定する。判断部203は、特定した当該画像範囲の輝度を計測し、計測した輝度に基づいて、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断する。
【0025】
本実施形態においては、カメラ4の撮像角度は固定であるため、撮像画像上の敷居間隙間7のY方向の範囲L1は、固定である。また、撮像画像上の敷居間隙間7のX方向の範囲L2は、かごドア51の開閉によって可変である。判断部203は、例えば、かごドア51が全戸開状態の場合の、撮像画像上の敷居間隙間7のX方向の範囲L2を予め取得しているものとする。また、判断部203は、撮像画像からエッジ検出等の画像処理によって敷居間隙間7のX方向の範囲L2を特定しても良い。
【0026】
図3のように敷居間隙間7を閉塞板61が閉塞している場合、閉塞板61が光を反射するため、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、所定の閾値(第1の閾値)以上となる。
【0027】
また、図4は、本実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置6が正常に動作していない場合に、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。図4に示す例では、かごドア51および乗り場ドア81が全戸開状態であるが、敷居間隙間7を閉塞板61が閉塞していない。この場合、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、所定の閾値(第1の閾値)未満となる。
【0028】
図5は、本実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置6が正常に動作している場合に、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。図5に示す例では、かごドア51および乗り場ドア81が戸閉動作中である。敷居隙間閉塞装置6が正常に動作している場合には、第2のタイミングにおいては、閉塞板61が乗りかご5の下部に収納されるため、図5に示すように、敷居間隙間7は閉塞されない。この場合、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、所定の閾値(第1の閾値)未満となる。
【0029】
また、図6は、本実施形態にかかる敷居隙間閉塞装置6が正常に動作していない場合に、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像の一例を示す図である。図6に示す例では、かごドア51および乗り場ドア81が戸閉動作中であるが、敷居間隙間7を閉塞板61が閉塞している。この場合、閉塞板61が光を反射するため、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、所定の閾値(第1の閾値)以上となる。
【0030】
図3〜6で説明したように、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されている場合には、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、予め定められた所定の閾値(第1の閾値)以上となる。このため、判断部203は、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、予め定められた所定の閾値(第1の閾値)以上である場合に、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていると判断する。また、判断部203は、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、予め定められた所定の閾値(第1の閾値)未満である場合に、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないと判断する。また、判断部203は、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かの判断結果と、判断のタイミングを示す情報とを、対応付けて異常判定部204に送出する。判断のタイミングを識別する情報とは、第1のタイミングまたは第2のタイミングを示す情報である。
【0031】
図2に戻り、異常判定部204は、判断部203による敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かの判断結果に基づいて、閉塞板61の動作の異常の有無を判定する。本実施形態においては、閉塞板61の動作の異常とは、閉塞板61の出現動作または収納動作の異常である。
【0032】
より詳細には、異常判定部204は、判断部203によって第1のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないと判断された場合に、閉塞板61の出現動作の異常であると判定する。これは、第1のタイミングにおいては本来であれば敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているべきにも関わらず、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないためである。
【0033】
また、異常判定部204は、判断部203によって第2のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていると判断された場合に、閉塞板61の収納動作の異常であると判定する。これは、第2のタイミングにおいては本来であれば閉塞板61が収納されて、敷居間隙間7が閉塞されていない状態であるべきにも関わらず、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているためである。
【0034】
また、異常判定部204は、判断部203によって第1のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていると判断された場合、および、判断部203によって第2のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないと判断された場合は、閉塞板61の動作には異常がないと判断する。
【0035】
通知部205は、異常判定部204が閉塞板61の動作に異常があると判定した場合に、主制御装置1に対して、閉塞板61の動作の異常を通知する。より詳細には、通知部205は、異常判定部204が閉塞板61の出現動作の異常と判定した場合に、主制御装置1に対して、出現動作の異常を通知する。また、通知部205は、異常判定部204が閉塞板61の収納動作の異常と判定した場合に、主制御装置1に対して、出収納動作の異常を通知する。
【0036】
次に、主制御装置1について説明する。図2に示すように、主制御装置1は、受信部101と、送信部102と、制御部103と、報知部104と、記憶部105とを備える。
【0037】
受信部101は、画像解析装置2から、閉塞板61の出現動作の異常の通知、または、閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信する。受信部101は、受信した閉塞板61の出現動作の異常の通知、または、閉塞板61の収納動作の異常の通知を、制御部103および報知部104に送出する。
【0038】
送信部102は、画像解析装置2に対して、第1のタイミングを通知する第1のタイミング信号と、第2のタイミングを通知する第1のタイミング信号とを送信する。また、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51の戸開または戸閉の指示を送信する。また、送信部102は、乗り場ドア81の開閉を制御する不図示の制御装置に対しても、乗り場ドア81の戸開または戸閉の指示を送信する。また、送信部102は、乗りかご5が乗り場8に着床したことを示す着床信号を敷居隙間閉塞装置6に送信する。
【0039】
制御部103は、エレベータ10の運行を制御する。より詳細には、制御部103は、乗りかご5が目的階の乗り場8に着床した場合に、送信部102に、かごドア51および乗り場ドア81の戸開の指示を送信させる。また、この場合に、制御部103は、かごドア51が全戸開状態になるタイミングで、送信部102に、第1のタイミング信号を送信させる。例えば、かごドア51の戸開の開始から全戸開状態になるまでの時間が予め定められており、制御部103は、当該時間に基づいて、第1のタイミングを判断する。
【0040】
また、制御部103は、乗りかご5が乗り場8に着床してから所定の時間が経過した場合に、送信部102に、かごドア51および乗り場ドア81の戸閉の指示を送信させる。また、この場合に、制御部103は、送信部102に、第2のタイミング信号を送信させる。なお、上述の第1のタイミングおよび第2のタイミングは一例であり、これに限定されるものではない。
【0041】
また、制御部103は、受信部101が画像解析装置2から閉塞板61の動作の異常の通知を受けた場合に、エレベータ10の運行の停止、または閉塞板61の動作の異常に関する情報の記憶部105への保存を実施する。閉塞板61の動作の異常に関する情報は、例えば、異常の発生時刻と、異常の種類(出現動作または収納動作)とを含む。
【0042】
本実施形態においては、制御部103は、画像解析装置2から閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合は、出現動作の異常に関する情報を記憶部105に保存する。記憶部105に記憶された出現動作の異常に関する情報は、例えば、定期点検の際に点検作業者によって確認される。また、閉塞板61の出現動作の異常が発生している場合は、閉塞板61が出現しないことで敷居間隙間7に落下物等が入る可能性が生じるものの、乗りかご5の昇降動作には支障がない。このため、本実施形態においては、制御部103は、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合は、エレベータ10の運行を継続する。
【0043】
これに対して、閉塞板61の収納動作の異常が発生している場合は、閉塞板61が乗りかご5から乗り場8側に突出したままの状態であるため、乗りかご5が昇降する際に、閉塞板61が昇降路の内壁に接触する可能性がある。このため、本実施形態においては、制御部103は、画像解析装置2から閉塞板61の収納動作の異常の通知を受けた場合は、エレベータ10の運行を停止する。また、この場合にも、制御部103は、収納動作の異常に関する情報を記憶部105に保存しても良い。
【0044】
報知部104は、画像解析装置2から閉塞板61の収納動作の異常の通知を受けた場合は、監視センタに対して、敷居隙間閉塞装置6の故障を報知する。また、報知部104は、乗り場8または乗りかご5内に、音声出力または文字の表示等により、故障のためにエレベータ10の運行を停止することを報知しても良い。
【0045】
記憶部105は、制御部103によって保存された閉塞板61の動作の異常に関する情報を記憶する。記憶部105は、例えばHDDである。
【0046】
次に、かごドア制御装置3について説明する。図2に示すように、かごドア制御装置3は、受信部301と、開閉制御部302と、送信部303とを備える。
【0047】
受信部301は、主制御装置1からかごドア51の戸開または戸閉の指示を受信する。受信部301は、受信したかごドア51の戸開または戸閉の指示を、開閉制御部302に送出する。
【0048】
開閉制御部302は、かごドア51の開閉を制御する。より詳細際には、開閉制御部302は、受信部301が主制御装置1からかごドア51の戸開の指示を受信した場合に、かごドア51を戸開する。また、開閉制御部302は、受信部301が主制御装置1からかごドア51の戸閉の指示を受信した場合に、かごドア51を戸閉する。開閉制御部302は、乗りかご5に設けられるドアモータに開閉信号を送信することにより、かごドア51の開閉を制御するものとする。
【0049】
送信部303は、開閉制御部302がかごドア51を戸閉する場合に、かごドア51の戸閉を開始することを示す閉鎖信号を、敷居隙間閉塞装置6に送信する。
【0050】
次に、以上のように構成された画像解析装置2における閉塞板61の異常の有無の判定処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態にかかる閉塞板61の異常の有無の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0051】
画像解析装置2の受信部201は、主制御装置1から第1のタイミング信号を受信したか否かを判断する(S1)。受信部201が第1のタイミング信号を受信したと判断した場合(S1“Yes”)、取得部202は、カメラ4から、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像を取得する(S2)。
【0052】
そして、判断部203は、撮像画像のうち、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度を計測する(S3)。
【0053】
次に、判断部203は、計測した輝度が、第1の閾値以上であるか否かを判断する(S4)。計測した輝度が第1の閾値以上である場合(S4“Yes”)、判断部203は、敷居間隙間7が、閉塞板61によって閉塞されていると判断する(S5)。この場合、異常判定部204は、異常なしと判断する(S6)。
【0054】
また、計測した輝度が第1の閾値未満である場合(S4“No”)、判断部203は、敷居間隙間7が、閉塞板61によって閉塞されていないと判断する(S7)。この場合、異常判定部204は、閉塞板61の出現動作の異常であると判定する(S8)。また、この場合、通知部205は、主制御装置1に対して、閉塞板61の出現動作の異常を通知する(S9)。
【0055】
また、受信部201は、第1のタイミング信号を受信していないと判断した場合(S1“No”)、主制御装置1から第2のタイミング信号を受信したか否かを判断する(S10)。受信部201は、第2のタイミング信号を受信していないと判断した場合(S10“No”)、S1の処理に戻る。
【0056】
また、受信部201が第2のタイミング信号を受信したと判断した場合(S10“Yes”)、取得部202は、カメラ4から、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像を取得する(S11)。そして、判断部203は、撮像画像のうち、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度を計測する(S12)。
【0057】
次に、判断部203は、計測した輝度が、第1の閾値以上であるか否かを判断する(S13)。計測した輝度が第1の閾値以上である場合(S13“Yes”)、判断部203は、敷居間隙間7が、閉塞板61によって閉塞されていると判断する(S14)。この場合、異常判定部204は、閉塞板61の収納動作の異常であると判定する(S15)。また、この場合、通知部205は、主制御装置1に対して、閉塞板61の収納動作の異常を通知する(S16)。
【0058】
また、計測した輝度が、第1の閾値未満である場合(S13“No”)、判断部203は、敷居間隙間7が、閉塞板61によって閉塞されていないと判断する(S17)。この場合、異常判定部204は、異常なしと判定する(S18)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
【0059】
次に、主制御装置1で実行される処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態にかかる第1のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
送信部102は、制御部103から第1のタイミング信号の送信の指示を受けた場合に、画像解析装置2に対して、かごドア51が全戸開状態となるタイミングを示す第1のタイミング信号を送信する(S101)。
【0061】
そして、受信部101は、画像解析装置2から、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信したか否かを判断する(S102)。受信部101が閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S102“Yes”)、制御部103は、出現動作の異常に関する情報を記憶部105に保存する(S103)。また、受信部101が閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信していないと判断した場合(S102“No”)、このフローチャートの処理は終了する。
【0062】
図9は、本実施形態にかかる第2のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0063】
送信部102は、制御部103から第2のタイミング信号の送信の指示を受けた場合に、画像解析装置2に対して、かごドア51が戸閉動作中となるタイミングを示す第2のタイミング信号を送信する(S111)。
【0064】
そして、受信部101は、画像解析装置2から、閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信したか否かを判断する(S112)。受信部101が閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S112“Yes”)、制御部103は、エレベータ10の運行を停止する(S113)。この場合、報知部104は、監視センタに対して、敷居隙間閉塞装置6の故障を報知する(S114)。
【0065】
また、受信部101が閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信していないと判断した場合(S112“No”)、このフローチャートの処理は終了する。
【0066】
このように、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、カメラ4によって撮像された撮像画像のうち、敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度に基づいて、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かの判断結果に基づいて、閉塞板61の動作の異常の有無を判定する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61が正常に動作しているか否かを高精度に判定することができる。
【0067】
また、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、撮像画像から、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断する。このため、利用者の有無の判断等のためにカメラ4が既に設置されている場合に、専用のセンサ等を新たに設けなくとも、既設のカメラ4を利用して閉塞板61の出現動作の異常の有無の判定を実施することができる。
【0068】
また、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、撮像画像上の敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が、第1の閾値以上である場合に、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていると判断し、撮像画像上の敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度が第1の閾値未満である場合に、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないと判断する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、敷居間隙間7に閉塞板61が出現しているか否かを、高精度に判断することができる。
【0069】
さらに、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像のうち敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度に基づいて、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断し、第1のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていないと判断された場合に、閉塞板61の出現動作の異常であると判定する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61が出現すべきタイミングで出現しているか否かを高精度に判定することができる。
【0070】
さらに、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、第2のタイミングにおいて撮像された撮像画像のうち敷居間隙間7が映り込む範囲を示す画像範囲の輝度に基づいて、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断し、第2のタイミングにおいて敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていると判断された場合に、閉塞板61の収納動作の異常であると判定する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61が収納されるべきタイミングで収納されているか否かを高精度に判定することができる。
【0071】
また、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、第1のタイミングは、乗りかご5のかごドア51が全戸開状態であるタイミングであり、第2のタイミングは、乗りかご5のかごドア51が戸閉動作中のタイミングである。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61の出現と収納のタイミングに合わせて、閉塞板61が正常に出現しているか否か、または閉塞板61が正常に収納されているか否かを判断することができる。
【0072】
また、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、主制御装置1は、画像解析装置2から閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合に、出現動作の異常に関する情報を記憶部105に保存し、画像解析装置2から閉塞板61の収納動作の異常の通知を受けた場合に、エレベータ10の運行を停止する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61が突出したまま乗りかご5が昇降することを防止するとともに、出現動作の異常については情報を記録することで、点検作業員による確認を容易にすることができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、制御部103は、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合は、エレベータ10の運行を継続するとしたが、制御部103は、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合に、エレベータ10の運行を停止しても良い。また、報知部104は、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受けた場合にも、監視センタに異常を報知しても良いし、乗り場8または乗りかご5内に、音声出力または文字の表示によって異常を報知しても良い。
【0074】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、カメラ4による撮像範囲および撮像画像上の敷居間隙間7の大きさは固定であったが、この第2の実施形態では、閉塞板61の異常の有無の判定の際に、カメラ4のズームイン機能により、撮像画像上の敷居間隙間7の大きさを拡大する。
【0075】
図10は、本実施形態にかかる主制御装置1と、画像解析装置2と、かごドア制御装置3とが有する機能の一例を示すブロック図である。
【0076】
図10に示すように、本実施形態の画像解析装置2は、受信部201と、取得部202と、判断部203と、異常判定部204と、通知部205と、撮像装置制御部206と、を備える。取得部202と、判断部203と、異常判定部204と、通知部205とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0077】
本実施形態の受信部201は、第1の実施形態の機能を備えた上で、第1のタイミング信号または第2のタイミング信号を受信した場合に、撮像装置制御部206に、第1のタイミング信号または第2のタイミング信号の受信を通知する。
【0078】
撮像装置制御部206は、カメラ4のズームイン、ズームアウトの機能を制御する。より詳細には、撮像装置制御部206は、第1のタイミングまたは第2のタイミングにおいて、カメラ4を制御して、撮像画像上の敷居間隙間7の大きさを、第1のタイミングまたは第2のタイミング以外に撮像される撮像画像上の敷居間隙間7の大きさよりも大きくする。
【0079】
また、本実施形態の主制御装置1と、かごドア制御装置3とが有する機能は、図2で説明した第1の実施形態と同様である。
【0080】
図11は、本実施形態にかかる閉塞板61の異常の有無の判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0081】
S1の第1のタイミング信号の受信の有無の判断の処理は、図7で説明した第1の実施形態のS1の処理と同様である。受信部201が第1のタイミング信号を受信したと判断した場合(S1“Yes”)、撮像装置制御部206は、敷居間隙間7が撮像画像上で大きく写るように、カメラ4のズームイン機能を制御する(S201)。
【0082】
S2の撮像画像の取得の処理は、図7で説明した第1の実施形態のS2の処理と同様である。S2の処理の次に、撮像装置制御部206は、カメラ4のズームアウト機能を制御して、S201の処理でズームインする前の倍率に戻す(S202)。S3の輝度の計測から、S10の第2のタイミング信号の受信の有無の判断の処理までは、第1の実施形態のS3〜S10の処理と同様である。
【0083】
受信部201が第2のタイミング信号を受信したと判断した場合(S10“Yes”)、撮像装置制御部206は、敷居間隙間7が撮像画像上で大きく写るように、カメラ4のズームイン機能を制御する(S203)。
【0084】
S11の撮像画像の取得の処理は、図7で説明した第1の実施形態のS11の処理と同様である。S11の処理の次に、撮像装置制御部206は、カメラ4のズームアウト機能を制御して、S203の処理でズームインする前の倍率に戻す(S204)。S12の輝度の計測から、S19の異常なしの判定までの処理は、図7で説明した第1の実施形態のS12〜S19の処理と同様である。
【0085】
また、本実施形態における主制御装置1の処理の流れは、図8および図9で説明した第1の実施形態の処理の流れと同様である。
【0086】
このように、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、第1のタイミングまたは第2のタイミングにおいて、カメラ4を制御して、撮像画像上の敷居間隙間7の大きさを、第1のタイミングまたは第2のタイミング以外に撮像される撮像画像上の敷居間隙間7の大きさよりも大きくする。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、敷居間隙間7に閉塞板61が出現しているか否かを、より高精度に判断することができる。また、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、第1のタイミングまたは第2のタイミング以外の時間は、撮像画像上の敷居間隙間7の大きさを拡大しないため、カメラ4は、乗り場8から乗りかご5に進入する利用者の撮像などの、他の目的にも利用可能である。
【0087】
(第3の実施形態)
この第3の実施形態では、エレベータ制御システムSは、閉塞板61の出現異常または収納異常と判定した場合に、再度、閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の有無の判定を実行する。
【0088】
本実施形態の画像解析装置2と、かごドア制御装置3とは、図2で説明した第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0089】
また、本実施形態の主制御装置1は、第1の実施形態と同様に、受信部101と、送信部102と、報知部104と、記憶部105とを備える。制御部103と、報知部104と、記憶部105とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0090】
実施形態の受信部101は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、1回目の閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の通知を受信した場合、受信した閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の通知を、送信部102に送出する。また、受信部101は、2回目の閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の通知を受信した場合、受信した閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の通知を、制御部103および報知部104に送出する。
【0091】
本実施形態の送信部102は、第1の実施形態の機能を備えた上で、画像解析装置2から出現動作または収納動作の異常の通知を受けた場合に、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を再度戸開または戸閉する動作をするように指示を送信する。また、本実施形態の送信部102は、画像解析装置2から出現動作または収納動作の異常の通知を受けた場合に、画像解析装置2に対して第1のタイミング信号または第2のタイミング信号を送信する。
【0092】
画像解析装置2から出現動作または収納動作の異常の通知を受けた場合に送信部102が送信する第1のタイミング信号または第2のタイミング信号は、本実施形態における閉塞板61の出現動作または収納動作の異常の有無を再判定する指示の一例である。
【0093】
本実施形態にかかる閉塞板61の異常の有無の判定処理の流れは、図7で説明した第1の実施形態の処理の流れと同様である。
【0094】
図12は、本実施形態にかかる第1のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。S101の第1のタイミング信号の送信から、S102の出現動作の異常の通知を受信したか否かの判断の処理までは、図8で説明した第1の実施形態のS101、S102の処理と同様である。
【0095】
受信部101が1回目の閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S102“Yes”)、送信部102は、再度、第1のタイミング信号を画像解析装置2に対して送信する(S301)。また、この場合、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を再度戸開する動作をするように指示を送信する。例えば、S301の処理が実行される時点でかごドア51が既に戸閉している場合は、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を戸開するように指示を送信する。また、S301の処理が実行される時点でかごドア51がまだ戸開状態である場合は、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を戸閉した後に戸開するように指示を送信する。送信部102は、かごドア51が再度全戸開状態になるタイミングに合わせて、第1のタイミング信号を画像解析装置2に対して送信するものとする。
【0096】
そして、受信部101は、画像解析装置2から、2回目の閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信したか否かを判断する(S302)。受信部101が2回目の閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S302“Yes”)、制御部103は、出現動作の異常に関する情報を記憶部105に保存する(S103)。また、受信部101が2回目の閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信していないと判断した場合(S302“No”)、このフローチャートの処理は終了する。
【0097】
図13は、本実施形態にかかる第2のタイミングにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。S111の第2のタイミング信号の送信から、S112の収納動作の異常の通知を受信したか否かの判断の処理までは、図9で説明した第1の実施形態のS111、S112の処理と同様である。
【0098】
受信部101が1回目の閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S112“Yes”)、送信部102は、再度、第2のタイミング信号を画像解析装置2に対して送信する(S311)。また、この場合、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を再度戸閉する動作をするように指示を送信する。例えば、S311の処理が実行される時点でかごドア51が戸閉している場合は、送信部102は、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を戸開した後に戸閉するように指示を送信する。送信部102は、かごドア51が再度戸閉動作を行うタイミングに合わせて、第2のタイミング信号を画像解析装置2に対して送信するものとする。
【0099】
そして、受信部101は、画像解析装置2から、2回目の閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信したか否かを判断する(S312)。受信部101が2回目の閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信したと判断した場合(S312“Yes”)、制御部103は、エレベータ10の運行を停止する(S113)。S114の報知の処理は、第1の実施形態のS114の処理と同様である。
【0100】
また、受信部101が閉塞板61の収納動作の異常の通知を受信していないと判断した場合(S312“No”)、このフローチャートの処理は終了する。
【0101】
このように、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、主制御装置1は、画像解析装置2から出現動作または収納動作の異常の通知を受けた場合に、かごドア制御装置3に対して、かごドア51を再度戸開または戸閉する動作をするように指示を送信する。また、主制御装置1は、画像解析装置2から出現動作または収納動作の異常の通知を受けた場合に、画像解析装置2に対して第1のタイミング信号または第2のタイミング信号を送信する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSによれば、閉塞板61の出現動作または収納動作の異常と判定した場合に、再度判定を行うため、より高精度に異常の有無を判定することができる。
【0102】
なお、本実施形態のエレベータ制御システムSにおいては、閉塞板61の動作の異常あると判定された場合に、2回目の判定の処理を実施しているが、判定の処理を繰り返す回数は、2回に限定されるものではない。
【0103】
(第4の実施形態)
第1の実施形態では、画像解析装置2は、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断していた。この第4の実施形態では、画像解析装置2は、さらに、閉塞板61の移動量の異常の有無を判定する。
【0104】
本実施形態の画像解析装置2は、図2で説明した第1の実施形態と同様に、受信部201と、取得部202と、判断部203と、異常判定部204と、通知部205とを備える。受信部201と、取得部202とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0105】
本実施形態の判断部203は、第1の実施形態の機能を備えた上で、第1のタイミングにおいて閉塞板61の出現動作の異常がないと判断された場合に、さらに、第1のタイミングにおいて撮像された撮像画像から、閉塞板61の先端と乗り場側敷居82との間の距離を計測する。また、判断部203は、計測した距離が予め定められた第2の閾値以上である場合に、閉塞板61が所定の位置まで移動していないと判断する。また、判断部203は、計測した距離が予め定められた第2の閾値未満である場合に、閉塞板61が所定の位置まで移動していると判断する。
【0106】
第1の実施形態で説明したように、閉塞板61は、乗りかご5の下端部から乗り場8側に向かって所定の位置まで水平方向に移動(突出)することにより敷居間隙間7を閉塞する。閉塞板61の移動量(突出量)が不足して、閉塞板61の先端が所定の位置まで到達しなかった場合に、閉塞板61の先端と乗り場側敷居82との間には隙間(距離)が生じる。
【0107】
本実施形態の判断部203は、例えば、撮像画像上の敷居間隙間7の画像範囲に含まれる各画素の輝度を計測し、輝度が第1の閾値未満の画素を、閉塞板61の先端と乗り場側敷居82との間に敷居間隙間7が露出している隙間として特定する。そして、判断部203は、当該隙間のY方向(かごドア51の開閉方向と直交する方向)の長さを、閉塞板61の先端と乗り場側敷居82との間の距離として計測する。判断部203による計測の手法は、これに限定されるものではない。判断部203は、閉塞板61が所定の位置まで移動しているか否かの判断結果と、判断のタイミングを示す情報とを、対応付けて異常判定部204に送出する。
【0108】
本実施形態の異常判定部204は、第1の実施形態の機能を備えた上で、判断部203によって閉塞板61が所定の位置まで移動していないと判断された場合に、閉塞板61の移動量の異常であると判定する。また、異常判定部204は、判断部203によって閉塞板61が所定の位置まで移動していると判断された場合に、閉塞板61の移動量に異常はないと判定する。
【0109】
本実施形態の通知部205は、異常判定部204が閉塞板61の移動量の異常と判定した場合に、主制御装置1に対して、閉塞板61の移動量の異常を通知する。
【0110】
また、本実施形態の主制御装置1は、第1の実施形態と同様に、受信部101と、送信部102と、制御部103と、報知部104と、記憶部105とを備える。送信部102は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0111】
本実施形態の受信部101は、第1の実施形態の機能を備えた上で、画像解析装置2から閉塞板61の移動量の異常の通知を受信する。受信部101は、受信した閉塞板61の移動量の異常の通知を、制御部103および報知部104に送出する。
【0112】
本実施形態の制御部103は、第1の実施形態の機能を備えた上で、画像解析装置2から閉塞板61の移動量の異常の通知を受けた場合は、閉塞板61の移動量の異常に関する情報を記憶部105に保存する。移動量の異常に関する情報は、例えば、異常の発生時刻と、異常の種類(移動量の異常)とを含む。
【0113】
また、本実施形態の記憶部105は、第1の実施形態の機能を備えた上で、制御部103によって保存された閉塞板61の移動量の異常に関する情報を記憶する。
【0114】
本実施形態の報知部104は、画像解析装置2から閉塞板61の移動量の異常の通知を受けた場合は、監視センタに対して、閉塞板61の移動量の異常を通知する。本実施形態においては、閉塞板61の移動量の異常は、閉塞板61の出現動作の異常の予兆や、エレベータ10の故障の予防及びエレベータ10の保全のための情報として、監視センタで利用される。
【0115】
また、本実施形態のかごドア制御装置3は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0116】
本実施形態の画像解析装置2は、例えば、図7で説明した閉塞板61の異常の有無の判定処理で、S6で閉塞板61の出現動作の異常がないと判定された後に、閉塞板61の移動量の異常の有無の判定を行うものとする。また、本実施形態の主制御装置1は、例えば、図8で説明した第1のタイミングにおいて実行される処理において、閉塞板61の出現動作の異常の通知を受信していないと判断した場合に(S201“No”)、閉塞板61の移動量の異常の通知を受信したか否かを判断し、閉塞板61の移動量の異常に関する情報の記憶部105への保存および、監視センタへの通知を行うものとする。
【0117】
このように、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、閉塞板61の先端と、乗り場側敷居82との間の距離が予め定められた第2の閾値以上である場合に、閉塞板61の移動量の異常であると判定し、主制御装置1に対して、閉塞板61の移動量の異常を通知する。このため、本実施形態のエレベータ制御システムSでは、閉塞板61が出現している場合であっても、移動量が不足していることを判定することができ、閉塞板61の動作の異常を早期に発見することができる。
【0118】
なお、閉塞板61の移動量の異常の有無の判定のタイミングは、閉塞板61の出現動作の異常の判定後に限定されるものではなく、個別の判定処理として実行されても良い。
【0119】
(変形例1)
上述の各実施形態においては、第1のタイミングは乗りかご5のかごドア51が全戸開状態であるタイミングであるとしたが、かごドア51の戸開中は利用者が乗りかご5を乗り降りするため、撮像画像上に閉塞板61の全体が写らない場合がある。このため、第1のタイミングは、乗りかご5が無積載かつ乗りかご5のかごドア51が全戸開状態であるタイミングとしても良い。
【0120】
例えば、遠隔監視装置によって、通常の運行時間外に、かごドア51の異常の有無を診断するために、乗りかご5が無積載の状態でエレベータ10を運行し、異常の有無を監視センタに通知する場合がある。本実施形態の主制御装置1は、このような遠隔監視装置の機能を備えても良い。当該構成を採用する場合、画像解析装置2は、通常の運行時間外のかごドア51の異常の有無の診断の際に、閉塞板61の出現動作の異常の有無の判定も実施するものとしても良い。
【0121】
また、第1のタイミングは、かごドア51の全戸開状態のタイミングに限らず、かごドア51の戸開動作中であっても良い。
【0122】
(変形例2)
乗りかご5や乗り場8内の照明の状態によっては、カメラ4の撮像画像全体が暗くなり、撮像画像上の閉塞板61の輝度が低くなる場合がある。このため、閉塞板61は、予め、輝度を高めるための塗料(例えば、蛍光塗料)が塗布されていても良い。この場合、閉塞板61の有無を判断するための第1の閾値は、当該塗料が塗布された状態における閉塞板61の撮像画像上の輝度を基準として、予め定められる。当該構成を採用する場合、画像解析装置2の判断部203は、照度の低い環境においても、高精度に敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されているか否かを判断することができる。
【0123】
また、撮像画像上の閉塞板61の有無をより高精度に判断するための他の手段として、第1のタイミングまたは第2のタイミングにおいて、乗りかご5内の照明の輝度を上げるように、主制御装置1の制御部103が乗りかご5内の照明を制御しても良い。
【0124】
(変形例3)
画像解析装置2は、さらに、撮像画像から敷居間隙間7への落下物を検出する検出機能(検出部)を備えても良い。例えば、異常判定部204が閉塞板61の出現動作の異常と判定をした場合は、かごドア51が戸開状態であるにもかかわらず、敷居間隙間7が閉塞板61によって閉塞されていない状態となる。このような場合に、敷居間隙間7に落下物が入ってしまう可能性がある。このため、画像解析装置2は、閉塞板61の出現動作の異常と判定をした場合は、カメラ4によって撮像された撮像画像から、閉塞板61への落下物を検出する。敷居間隙間7への落下物の検出の手法は、公知の技術を採用することができる。
【0125】
また、検出部が落下物を検出した場合は、通知部205が主制御装置1に通知し、主制御装置1の報知部104が乗り場8または乗りかご5内に、音声出力または文字の表示等により、閉塞板61への落下物を検出したことを報知しても良い。また、報知部104は、監視センタに対して、閉塞板61への落下物を検出したことを報知しても良い。
【0126】
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態によれば、閉塞板61が正常に動作しているか否かを高精度に判定することができる。
【0127】
本実施形態の主制御装置1、画像解析装置2、およびかごドア制御装置3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0128】
また、本実施形態の主制御装置1、画像解析装置2、およびかごドア制御装置3で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の主制御装置1、画像解析装置2、およびかごドア制御装置3で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態の主制御装置1、画像解析装置2、およびかごドア制御装置3で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0129】
本実施形態の主制御装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(受信部、送信部、制御部、報知部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信部、送信部、制御部、報知部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0130】
また、本実施形態の画像解析装置2で実行されるプログラムは、上述した各部(受信部、取得部、判断部、異常判定部、通知部、撮像装置制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信部、取得部、判断部、異常判定部、通知部、撮像装置制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0131】
また、本実施形態のかごドア制御装置3で実行されるプログラムは、上述した各部(受信部、閉塞制御部、出力部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信部、閉塞制御部、出力部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1…主制御装置、2…画像解析装置、3…かごドア制御装置、4…カメラ(撮像装置)、5…乗りかご、6…敷居隙間閉塞装置、7…敷居間隙間、8…乗り場、10…エレベータ、51…かごドア(扉)、52…かご側敷居、53…床板、61…閉塞板、81…乗り場ドア、82…乗り場側敷居、101…受信部、102…送信部、103…制御部、104…報知部、105…記憶部、201…受信部、202…取得部、203…判断部、204…異常判定部、205…通知部、206…撮像装置制御部、301…受信部、302…開閉制御部、303…送信部、S…エレベータ制御システム。
図1
図2
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図8
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図13