(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受取決定変数はロボットの停止及び動作状態及び/又はロボットの現在位置状態及び/又はその運搬器具及び容器及び/又はロボットの受け取ったタスク又は受取対象タスクのタスク量を含む請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、技術案及び利点を更に明確にするために、以下に図面及び実施例によって本発明を更に詳しく説明する。本発明の説明において、特に断りがない限り、用語「記憶媒体」はROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータプログラムを記憶できる様々な媒体であってもよいと理解すべきである。用語「プロセッサ」はCPLD(Complex Programmable Logic Device:コンプレックスプログラムマブルロジックデバイス)、FPGA(Field−Programmable Gate Array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)、MCU(Microcontroller Unit:マイクロコントローラユニット)、PLC(Programmable Logic Controller:プログラマブルロジックコントローラ)及びCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等のデータ処理機能を有するチップ又は回路であってもよい。用語「電子機器」はデータ処理機能と記憶機能を有するいかなる機器であってもよく、一般的に固定端末及び携帯端末を含んでもよい。固定端末は例えばデスクトップコンピュータ等である。携帯端末は例えば携帯電話、PAD及び移動ロボット等である。なお、矛盾しない限り、以下に説明される本発明における異なる実施形態に関わる技術的特徴が互いに組み合わせられてもよい。
【0015】
以下、本発明の好適な実施例の一部によって当業者が実現するように教示する。
【0016】
本発明の新規性を強調し、当業者に本発明を理解させるために、本発明の具体的な実施形態を説明する前に、まず本発明に最も近い従来技術を説明し、本発明は該最も近い従来技術を基に得られるものである。
【0017】
貨物分野では、常に、1つの中央制御サーバーと複数のAGV(Auto Guided Vehicle:無人搬送車)とからなるAGVスケジューリング決定システムを利用して貨物に対して受取、運送及び荷下ろしの物流管理を行う。中央制御サーバーは複数のAGVの動作を統一スケジューリング・決定することにより、物流管理の目的を実現する。
【0018】
従来のAGVスケジューリング決定システムは物流管理を実現できるが、AGV同士が通信できないため、中央制御サーバーが過負荷になりやすい。
【0019】
AGVそのものが計算能力を有さず、運動制御能力のみを有するため、その経路選択及び動作計画がいずれも中央制御サーバーに依存し、更にクラスターAGVの構成が「スタート」トポロジーに類似し、つまり各AGVがいずれも中央制御サーバーに接続されるため、クラスターAGVからの要求爆撃によって中央制御サーバーが過負荷になって統一スケジューリング・決定を実現できない。また、AGVが計算能力を有しないため、AGV同士が通信できず、このため、中央制御サーバーが故障すれば、クラスターAGVがクラッシュしてしまう。
【0020】
要するに、従来のAGVスケジューリング決定システムには、AGV同士が通信できないため、中央制御サーバーが過負荷になりやすいという技術的問題があり、該技術的問題は集中決定、中央制御による欠陥問題であると理解されてもよい。
【0021】
図1は一実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定方法のフローチャートであり、上記技術的問題を解決するための分散型ロボットのスケジューリング決定方法を示している。
【0022】
図1に示すように、分散型ロボットのスケジューリング決定方法であって、
少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送するステップS10と、
受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定するステップS11と、
実行に適したタスクを実行するステップS12と、を含む。
【0023】
本実施例において、少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送し、更に受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定し、更に実行に適したタスクを実行することにより、クラスターロボットは互いに通信してタスクを伝送することができ、且つ受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定して実行することができ、それによりクラスターロボットが独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0024】
説明すべきことは、本実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定方法は様々な分野におけるクラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いられてもよく、好ましくは、該方法を物流分野における物流クラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよく、更に、該方法を物流倉庫における物流クラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよい。
【0025】
説明すべきことは、クラスターロボットは2台のロボットを含むが、それらに限らない。各台のロボットは小型コンピュータをコアとする自律計算能力と自律ナビゲーション能力を有する移動ロボットであってもよい。また、各台のロボットの内部に複数の通信インターフェースが取り付けられてもよく、各台のロボットはいずれもその1つの通信インターフェースを介して他のロボットの通信インターフェースと通信することができる。
【0026】
更に説明すべきことは、タスクパケットは少なくとも1つのタスクを含むデータパケットであり、データパケットがネットワーク経由で伝送されてもよい。タスクパケットに少なくとも1つのタスクが含まれることは、タスクパケットが1つのタスクグループであり、該タスクグループにナビゲーションタスク、移動タスク、ピッキングタスク及び提示タスク等が含まれてもよいと理解されてもよい。
【0027】
更に説明すべきことは、複数の通信インターフェースはWiFiネットワークインターフェース及び4G IoTネットワークインターフェースを含んでもよい。WiFiネットワークインターフェースは複数台のロボットの接続通信に用いられてもよい。また、4G IoTネットワークインターフェースはサーバー側と複数台のロボットのうちのいずれか1台との接続通信に用いられてもよい。
【0028】
更に説明すべきことは、ステップS10では、クラスターロボットにおけるいずれか1台がサーバー側から少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送する。
【0029】
伝送方式は放送伝送又はポイントツーポイント伝送であってもよく、本実施例において、ポイントツーポイント伝送によってタスクパケットの伝送を実現することが好ましい。例えば、タスクパケットをサーバー側からクラスターロボットにおける1台に伝送した後、前の受信者から後の受信者に伝送する。このように順に伝送することで、クラスターロボットがいずれもタスクパケットを受信できる。
【0030】
また、クラスターロボットがタスクパケットを受信してそれぞれ記憶し、この時、各ロボットの受信したタスクパケットのタスク状態が一致する。
【0031】
更に説明すべきことは、ステップS11及びステップS12では、受取決定変数はロボットの停止状態、動作状態、現在位置状態、その運搬器具又は容器、残量状態、受け取ったタスクのタスク量状態及び受取対象タスクのタスク量状態を含むが、それらに限らない。
【0032】
また、実行に適したタスクはロボットが受取決定変数に基づいてタスクパケットにおけるタスクの内容がその受取・実行に適したかどうかを判断するものである。例えば、クラスターロボットにおける1台のロボットの読み取ったタスクパケットにおける1つのタスクの内容は、近傍のピッキングポイントへピッキングすることである。この時、該ロボットはその現在位置を抽出して、その現在位置から近傍のピッキングポイントまでの距離が閾値を超えるかどうかを判断し、NOの場合、該タスクがその受取・実行に適したタスクであるとみなされる。
【0033】
また、クラスターロボットがいずれもその決定変数に基づいてその受取・実行に適したタスクを受け取って実行し、それによりクラスターロボットが独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0034】
図2は一実施例に係る
図1における方法の改良方法のフローチャートであり、タスク実行衝突の技術的問題を解決するための分散型ロボットのスケジューリング決定方法の改良方法を示している。
【0035】
図2に示すように、
図1における方法は、更に、
実行に適したタスクを受け取ったタスクとしてマークしてローカルに記憶して、他のロボットから伝送される更新マークが付いている受け取ったタスクのタスクパケットを受信するステップS20と、
更新決定変数に基づいてタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存するステップS21と、
優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送するステップS22と、を含む。
【0036】
本実施例において、実行に適したタスクを受け取ったタスクとしてマークしてローカルに記憶して、他のロボットから伝送される更新マークが付いている受け取ったタスクのタスクパケットを受信し、更に更新決定変数に基づいて異なるタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存し、更に優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送することにより、優先度の判断によってタスク実行衝突を解決するという技術的効果を実現する。
【0037】
説明すべきことは、クラスターロボットがいずれもその決定変数に基づいてその受取・実行に適したタスクを受け取って実行するため、クラスターロボットにおける少なくとも2台が同じタスクの内容を受け取ると決定し、例えば、いずれか3台のロボットがいずれも近傍のピッキングポイントへピッキングするタスクを受け取った場合、タスク実行衝突が生じてしまう。
【0038】
更に説明すべきことは、ステップS20では、クラスターロボットにおける各台のロボットがいずれもその受け取ったタスクを受け取ったタスクとしてマークして、受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケットを他のロボットに伝送するため、各台のロボットにはいずれもその受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット(説明都合上、「その受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット」がローカルタスク受取パケットと略称される)及び他のロボットから伝送される受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット(説明都合上、「他のロボットから伝送される受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット」が伝送タスク受取パケットと略称される)が記憶される。
【0039】
更に説明すべきことは、ステップS21及びステップS22では、更新決定変数はロボットの現在位置状態、残量状態及びタスク受取時間を含むが、それらに限らない。
【0040】
また、様々なタスクパケットは、ローカルタスク受取パケットと伝送タスク受取パケットである。
【0041】
また、更新決定変数に基づいて、異なるタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存する。ローカルタスク受取パケットと伝送タスク受取パケットがいずれもT1タスクを受け取った場合を例として、以下の更新決定変数によって優先度の判断を行ってもよく、前記更新決定変数は以下を含むが、それらに限らない。
【0042】
第1として、タスク受取時間によって優先度を判断する。
【0043】
ロボットがローカルタスク受取パケットを読み取ったT1タスク受取時間はt1、伝送タスク受取パケットを読み取ったT1タスク受取時間はt2であると仮定し、t1がt2より前である場合、後に受け取ったT1タスクの優先度が前に受け取ったT1タスクの優先度より高いと判断してもよい。
【0044】
第2として、現在位置状態によって優先度を判断する。
【0045】
ロボットがその現在位置を読み取ってからT1タスクを実行するまでの工程はs1、他のロボットの現在位置を読み取ってからT1タスクを実行するまでの工程はs2であると仮定し、s1がs2より大きい場合、伝送タスク受取パケットのT1タスクの優先度が高いと判断してもよい。
【0046】
また、優先度の高いタスクパケットを更新保存し、次に優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送することにより、1つずつ判断して優先度を決定して、最終的にあるロボットがT1タスクを実行する完了状況を決定することができ、タスク実行衝突を避けるだけでなく、資源の配置を最適化させるという技術的効果も実現する。伝送方式は放送伝送又はポイントツーポイント伝送であってもよく、本実施例において、ポイントツーポイント伝送によってタスクパケットの伝送を実現することが好ましい。例えば、タスクパケットを1台のロボットから他のロボットに伝送し、更に他のロボットから別のロボットに伝送し、このように順に伝送することで、最終的にクラスターロボットがいずれもタスクパケットを受信できる。
【0047】
図3は一実施例に係る
図2における方法の改良方法のフローチャートであり、どのようにサーバー側から新たなタスクパケットを取得するかという技術的問題を解決するための分散型ロボットのスケジューリング決定方法の改良方法を示している。
【0048】
図3に示すように、
図2における方法は、更に、
タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたかどうかを判断するステップS30と、
タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られた場合、新たなタスクパケットを伝送するように要求するステップS31と、を含む。
【0049】
本実施例において、タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたかどうかを判断して、タスクがすべて受け取られた後、サーバー側へ新たなタスクパケットを伝送するように要求することにより、クラスターロボットを制御して連続動作させるという技術的効果を実現する。
【0050】
説明すべきことは、ステップS31及びステップS31では、クラスターロボットにおけるいずれか1台のロボットはその受信した伝送タスク受取パケットにおけるタスクがすべて受け取られたものとしてマークしたことを読み取った場合、タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたと判断する。この時、サーバー側と通信して新たなタスクパケットを伝送するように要求するよう、サーバー側と通信するロボットに伝送するまで、該ロボットは放送伝送又はポイントツーポイント伝送によって該伝送タスク受取パケットを他のロボットに伝送することができ、それによりクラスターロボットを制御して連続動作させるという技術的効果を実現する。
【0051】
図4は一実施例に係る電子機器の構造図であり、コンピュータプログラムを記憶・処理するための電子機器を示している。
【0052】
図4に示すように、電子機器であって、メモリ及びプロセッサを備え、メモリにコンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムはプロセッサにおいて実行されることにより
図1〜
図3に示すいずれか1つの方法を実現することができる。
【0053】
一実施例において更に記憶媒体を提供し、該記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムはプロセッサにおいて実行されることにより
図1〜
図3に示すいずれか1つの方法を実現することができる。
【0054】
図5は一実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定システムのアーキテクチャ図であり、分散型ロボットのスケジューリング決定システムを示しており、該分散型ロボットのスケジューリング決定システムは、
少なくとも2台のロボットを含み、ロボット同士が通信インターフェースを介して通信するクラスターロボット50と、
クラスターロボット50と通信し、他のロボットに伝送するよう、少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットをクラスターロボット50におけるいずれか1台に伝送するサーバー側51と、を備え、
クラスターロボット50が受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定して、実行に適したタスクを実行する。
【0055】
本実施例において、少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボット50における他のロボットに伝送し、更に受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定し、更に実行に適したタスクを実行することにより、クラスターロボット50は互いに通信してタスクを伝送することができ、且つ受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定して実行することができ、それによりクラスターロボット50が独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0056】
説明すべきことは、本実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定方法は様々な分野におけるクラスターロボット50をスケジューリングしてタスクを実行することに用いられてもよい。好ましくは、該方法を物流分野における物流クラスターロボット50をスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよく、更に、該方法を物流倉庫における物流クラスターロボット50をスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよい。
【0057】
説明すべきことは、クラスターロボット50は2台のロボットを含むが、それらに限らない。各台のロボットは小型コンピュータをコアとする自律計算能力と自律ナビゲーション能力を有する移動ロボットであってもよい。また、各台のロボットの内部に複数の通信インターフェースが取り付けられてもよく、各台のロボットはいずれもその1つの通信インターフェースを介して他のロボットの通信インターフェースと通信することができる。
【0058】
更に説明すべきことは、タスクパケットは少なくとも1つのタスクを含むデータパケットであり、データパケットがネットワーク経由で伝送されてもよい。タスクパケットに少なくとも1つのタスクが含まれることは、タスクパケットが1つのタスクグループであり、該タスクグループにナビゲーションタスク、移動タスク、ピッキングタスク及び提示タスク等が含まれてもよいと理解されてもよい。
【0059】
更に説明すべきことは、複数の通信インターフェースはWiFiネットワークインターフェース及び4G IoTネットワークインターフェースを含んでもよい。WiFiネットワークインターフェースは複数台のロボットの接続通信に用いられてもよい。また、4G IoTネットワークインターフェースはサーバー側51と複数台のロボットのうちのいずれか1台との接続通信に用いられてもよい。
【0060】
更に説明すべきことは、クラスターロボット50におけるいずれか1台がサーバー側51から少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボット50における他のロボットに伝送する。
【0061】
伝送方式は放送伝送又はポイントツーポイント伝送であってもよく、本実施例において、ポイントツーポイント伝送によってタスクパケットの伝送を実現することが好ましい。例えば、タスクパケットをサーバー側からクラスターロボット50における1台に伝送した後、前の受信者から後の受信者に伝送し、このように順に伝送することで、クラスターロボット50がいずれもタスクパケットを受信できる。
【0062】
また、クラスターロボット50がタスクパケットを受信してそれぞれ記憶し、この時、各ロボットの受信したタスクパケットのタスク状態が一致する。
【0063】
更に説明すべきことは、受取決定変数はロボットの停止状態、動作状態、現在位置状態、その運搬器具又は容器、残量状態、受け取ったタスクのタスク量状態及び受取対象タスクのタスク量状態を含むが、それらに限らない。
【0064】
また、実行に適したタスクはロボットが受取決定変数に基づいてタスクパケットにおけるタスクの内容がその受取・実行に適したかどうかを判断するものである。例えば、クラスターロボット50における1台のロボットの読み取ったタスクパケットにおける1つのタスクの内容は、近傍のピッキングポイントへピッキングすることである。この時、該ロボットはその現在位置を抽出して、その現在位置から近傍のピッキングポイントまでの距離が閾値を超えるかどうかを判断し、NOの場合、該タスクがその受取・実行に適したタスクであるとみなされる。
【0065】
また、クラスターロボット50がいずれもその決定変数に基づいてその受取・実行に適したタスクを受け取って実行し、それによりクラスターロボット50が独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0066】
図6は一実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定装置のアーキテクチャ図であり、分散型ロボットのスケジューリング決定装置を示しており、該分散型ロボットのスケジューリング決定装置は、
少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送するための受信伝送モジュール60と、
受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定する決定受取モジュール61と、
実行に適したタスクを実行するための実行モジュール62と、を備える。
【0067】
本実施例において、少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送し、更に受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定し、更に実行に適したタスクを実行することにより、クラスターロボットは互いに通信してタスクを伝送することができ、且つ受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定して実行することができ、それによりクラスターロボットが独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0068】
説明すべきことは、本実施例に係る分散型ロボットのスケジューリング決定方法は様々な分野におけるクラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いられてもよい。好ましくは、該方法を物流分野における物流クラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよく、更に、該方法を物流倉庫における物流クラスターロボットをスケジューリングしてタスクを実行することに用いてもよい。
【0069】
説明すべきことは、クラスターロボットは2台のロボットを含むが、それらに限らない。各台のロボットは小型コンピュータをコアとする自律計算能力と自律ナビゲーション能力を有する移動ロボットであってもよい。また、各台のロボットの内部に複数の通信インターフェースが取り付けられてもよく、各台のロボットはいずれもその1つの通信インターフェースを介して他のロボットの通信インターフェースと通信することができる。
【0070】
更に説明すべきことは、タスクパケットは少なくとも1つのタスクを含むデータパケットであり、データパケットがネットワーク経由で伝送されてもよい。タスクパケットに少なくとも1つのタスクが含まれることは、タスクパケットが1つのタスクグループであり、該タスクグループにナビゲーションタスク、移動タスク、ピッキングタスク及び提示タスク等が含まれてもよいと理解されてもよい。
【0071】
更に説明すべきことは、複数の通信インターフェースはWiFiネットワークインターフェース及び4G IoTネットワークインターフェースを含んでもよい。WiFiネットワークインターフェースは複数台のロボットの接続通信に用いられてもよい。また、4G IoTネットワークインターフェースはサーバー側と複数台のロボットのうちのいずれか1台との接続通信に用いられてもよい。
【0072】
更に説明すべきことは、クラスターロボットにおけるいずれか1台がサーバー側から少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送する。
【0073】
伝送方式は放送伝送又はポイントツーポイント伝送であってもよく、本実施例において、ポイントツーポイント伝送によってタスクパケットの伝送を実現することが好ましい。例えば、タスクパケットをサーバー側からクラスターロボットにおける1台に伝送した後、前の受信者から後の受信者に伝送し、このように順に伝送することで、クラスターロボットがいずれもタスクパケットを受信できる。
【0074】
また、クラスターロボットがタスクパケットを受信してそれぞれ記憶し、この時、各ロボットの受信したタスクパケットのタスク状態が一致する。
【0075】
更に説明すべきことは、受取決定変数はロボットの停止状態、動作状態、現在位置状態、その運搬器具又は容器、残量状態、受け取ったタスクのタスク量状態及び受取対象タスクのタスク量状態を含むが、それらに限らない。
【0076】
また、実行に適したタスクはロボットが受取決定変数に基づいてタスクパケットにおけるタスクの内容がその受取・実行に適したかどうかを判断するものである。例えば、クラスターロボットにおける1台のロボットの読み取ったタスクパケットにおける1つのタスクの内容は、近傍のピッキングポイントへピッキングすることである。この時、該ロボットはその現在位置を抽出して、その現在位置から近傍のピッキングポイントまでの距離が閾値を超えるかどうかを判断し、NOの場合、該タスクがその受取・実行に適したタスクであるとみなされる。
【0077】
また、クラスターロボットがいずれもその決定変数に基づいてその受取・実行に適したタスクを受け取って実行し、それによりクラスターロボットが独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現するだけでなく、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する。
【0078】
図7は
図6における装置の改良装置のアーキテクチャ図であり、改良された分散型ロボットのスケジューリング決定装置を示している。
【0079】
図7に示すように、
図6における分散型ロボットのスケジューリング決定装置は、更に、
実行に適したタスクを受け取ったタスクとしてマークしてローカルに記憶して、他のロボットから伝送される更新マークが付いている受け取ったタスクのタスクパケットを受信するためのマーク受信モジュール70と、
更新決定変数に基づいて異なるタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存するための更新決定モジュール71と、
優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送するための伝送モジュール72と、を備える。
【0080】
本実施例において、実行に適したタスクを受け取ったタスクとしてマークしてローカルに記憶して、他のロボットから伝送される更新マークが付いている受け取ったタスクのタスクパケットを受信し、更に更新決定変数に基づいて異なるタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存し、更に優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送することにより、優先度の判断によってタスク実行衝突を解決するという技術的効果を実現する。
【0081】
説明すべきことは、クラスターロボットがいずれもその決定変数に基づいてその受取・実行に適したタスクを受け取って実行するため、クラスターロボットにおける少なくとも2台が同じタスクの内容を受け取ると決定し、例えば、いずれか3台のロボットがいずれも近傍のピッキングポイントへピッキングするタスクを受け取った場合、タスク実行衝突が生じてしまう。
【0082】
更に説明すべきことは、クラスターロボットにおける各台のロボットがいずれもその受け取ったタスクを受け取ったタスクとしてマークして、受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケットを他のロボットに伝送するため、各台のロボットにはいずれもその受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット(説明都合上、「その受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット」はローカルタスク受取パケットと略称される)及び他のロボットから伝送される受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット(説明都合上、「他のロボットから伝送される受け取ったタスクとしてマークしたタスクパケット」は伝送タスク受取パケットと略称される)が記憶される。
【0083】
更に説明すべきことは、更新決定変数はロボットの現在位置状態、残量状態及びタスク受取時間を含むが、それらに限らない。
【0084】
また、様々なタスクパケットがローカルタスク受取パケットと伝送タスク受取パケットである。
【0085】
また、更新決定変数に基づいて異なるタスクパケットにおける受け取った同じタスクの優先度を判断して、優先度の高いタスクパケットを更新保存する。ローカルタスク受取パケットと伝送タスク受取パケットがいずれもT1タスクを受け取った場合を例として、以下の更新決定変数によって優先度の判断を行ってもよく、前記更新決定変数は以下を含むが、それらに限らない。
【0086】
第1として、タスク受取時間によって優先度を判断する。
【0087】
ロボットがローカルタスク受取パケットを読み取ったT1タスク受取時間はt1、伝送タスク受取パケットを読み取ったT1タスク受取時間はt2であると仮定し、t1がt2より前である場合、後に受け取ったT1タスクの優先度が前に受け取ったT1タスクの優先度より高いと判断してもよい。
【0088】
第2として、現在位置状態によって優先度を判断する。
【0089】
ロボットがその現在位置を読み取ってからT1タスクを実行するまでの工程はs1、他のロボットの現在位置を読み取ってからT1タスクを実行するまでの工程はs2であると仮定し、s1がs2より大きい場合、伝送タスク受取パケットのT1タスクの優先度が高いと判断してもよい。
【0090】
また、優先度の高いタスクパケットを更新保存し、次に優先度の高いタスクパケットを他のロボットに伝送することにより、1つずつ判断して優先度を決定して、最終的にあるロボットがT1タスクを実行する完了状況を決定することができ、タスク実行衝突を避けるだけでなく、資源の配置を最適化させるという技術的効果も実現する。伝送方式は放送伝送又はポイントツーポイント伝送であってもよく、本実施例において、ポイントツーポイント伝送によってタスクパケットの伝送を実現することが好ましい。例えば、タスクパケットを1台のロボットから他のロボットに伝送し、更に他のロボットから別のロボットに伝送し、このように順に伝送することで、最終的にクラスターロボットがいずれもタスクパケットを受信できる。
【0091】
図8は
図7における装置の改良装置のアーキテクチャ図であり、改良された分散型ロボットのスケジューリング決定装置を示している。
【0092】
図8に示すように、
図7における分散型ロボットのスケジューリング決定装置は、更に、
タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたかどうかを判断するための受取完了判断モジュール80と、
タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたという判断結果に基づき、新たなタスクパケットを伝送するように要求するための要求モジュール81と、を備える。
【0093】
本実施例において、タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたかどうかを判断して、タスクがすべて受け取られた後、サーバー側へ新たなタスクパケットを伝送するように要求することにより、クラスターロボットを制御して連続動作させるという技術的効果を実現する。
【0094】
説明すべきことは、ステップS31及びステップS31では、クラスターロボットにおけるいずれか1台のロボットはその受信した伝送タスク受取パケットにおけるタスクがすべて受け取られたものとしてマークしたことを読み取った場合、タスクパケットにおけるタスクがすべて受け取られたと判断し、この時、サーバー側と通信して新たなタスクパケットを伝送するように要求するよう、サーバー側と通信するロボットに伝送するまで、該ロボットは放送伝送又はポイントツーポイント伝送によって該伝送タスク受取パケットを他のロボットに伝送することができ、それによりクラスターロボットを制御して連続動作させるという技術的効果を実現する。
【0095】
以上の説明は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の趣旨及び原則内に行ったいかなる修正、等価置換及び改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【課題】クラスターロボットが独立して決定でき、集中決定、中央制御による決定方式に依存せず、サーバーが過負荷になりやすいことを効果的に避けるという技術的効果を実現し、タスクをインテリジェントに選択して実行し、実行効率を向上させるという技術的効果も実現する分散型ロボットのスケジューリング決定方法を提供する。
【解決手段】分散型ロボットのスケジューリング決定方法であって、少なくとも1つのタスクを含むタスクパケットを受信して、タスクパケットをクラスターロボットにおける他のロボットに伝送し(S10)、更に受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定し(S11)、更に実行に適したタスクを実行する(S12)ことにより、クラスターロボットは互いに通信してタスクを伝送し、且つ受取決定変数に基づいて受け取ったタスクパケットにおける実行に適したタスクを決定して実行する。