【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、シリカ担体に固定され、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物が1:0.1〜0.5の重量比で含まれている金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階を含む、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法が提供される。
【0008】
以下、発明の具体的な実施形態による1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法についてより詳細に説明する。
【0009】
発明の一実施形態によれば、シリカ担体に固定され、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物が1:0.1〜0.5の重量比で含まれている金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階を含む、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法が提供できる。
【0010】
本発明者らは、芳香族ジカルボン酸を直接的な水素化反応をさせてシクロアルカンジカルボン酸を合成する方法に関する研究を進行させて、特定の担体に固定され、特定の活性成分間の重量比率を満足する金属触媒を用いると、既存の工程に比べて簡素化された工程により、高い転換率として高純度の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を製造できるという点を、実験を通して確認して、発明を完成した。
【0011】
具体的には、前記一実施形態の製造方法では、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物を特定の重量比で含む金属触媒を用いることによって、イソフタル酸を還元させる段階を経た触媒を再使用しながら、イソフタル酸の還元段階を2回以上繰り返しても触媒の活性が維持されることによって、適正水準以上の優れた転換率を実現できる程度に、イソフタル酸の還元反応条件で触媒の耐久性、特に耐酸性が向上できる。
【0012】
前記反応条件によって形成される反応器の内部溶液は、pH1以下の強酸性条件が形成される。反応物であるイソフタル酸と生成物である1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の水素解離によって形成された強酸性溶液は、パラジウム化合物の不活性化に直接間接的な原因として作用して不活性化を加速化させることがある。
【0013】
しかし、前記一実施形態で使用する金属触媒は、活性成分として、芳香族ジカルボン酸をシクロアルカンジカルボン酸に転換させる役割を果たすパラジウム(Pd)化合物と共に、助触媒として銅(Cu)化合物を混合することによって、前記銅(Cu)化合物がパラジウム(Pd)化合物と担持体との間の結合力を高める役割を果たすことで、強酸条件でも優れた耐酸性が達成されると考えられる。
【0014】
また、シリカ担体に固定され、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物を特定の重量比で含む金属触媒を用いてイソフタル酸を還元させると、反応物のイソフタル酸がほぼ大部分反応に参加して高い転換率を実現することができ、より短時間内に副産物を最小化しながらも高純度の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を提供することができる。
【0015】
特に、前記一実施形態の製造方法では、前記金属触媒の活性成分が特定のシリカ担体に固定されている状態として使用されるが、前記活性成分がシリカ担体に固定されることによって、優れた反応転換率を確保しながらも、最終的に製造された結果物において1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の選択度が90%以上確保される結果を実現することができる。このような効果は、シリカ担体の気孔特性による円滑な反応影響などの原因によると考えられる。
【0016】
そして、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法によれば、イソフタル酸から1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を合成する過程で副産物の生成がわずかで、副産物を分離および回収する追加的な工程や段階を省略することができ、純度を高めるための精製過程を最小化することができる。また、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法は、相対的に単純化された反応工程の設計が可能であり、より短時間内に高い収率として高純度の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を提供可能で、全体製造工程の効率および経済性を向上させることができる。
【0017】
具体的には、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法は、シリカ担体に固定され、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物が1:0.1〜0.5の重量比で含まれている金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階を含むことができる。
【0018】
前記金属触媒は、活性成分としてパラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物を使用し、前記活性成分がシリカ担体に固定される。上述した金属触媒の製造方法は特に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で多孔性担持体に触媒活性金属を担持する時、一般に使用される担持方法によることができる。
【0019】
例えば、前記金属触媒は、含浸法によって製造され、より具体的には、パラジウム化合物と銅化合物を水溶液に溶解させて混合金属塩を製造した後、乾燥した状態の担持体に含浸させ、混合金属塩溶液が含浸された担持体を乾燥させた後、空気中で焼成する方法で製造できる。
【0020】
前記乾燥過程は、常圧80℃〜150℃で1時間〜48時間進行させることができ、真空乾燥または常圧熱風乾燥などの乾燥方式を適用することができる。
【0021】
また、前記焼成過程は、酸素を含む混合気体の存在下で行うことができ、焼成温度は、300℃〜600℃であり、1時間〜6時間焼成して常温に冷やした後、最終的に触媒を得ることができる。
【0022】
具体的には、前記金属触媒に含まれているシリカ担体は、100m
2/g〜500m
2/gの比表面積を有することができる。前記比表面積の測定方法の例が大きく限定されるものではなく、例えば、BET測定法を使用することができる。
【0023】
前記シリカ担体の比表面積が小さすぎると、反応物と触媒との活性サイトが減少して反応が円滑に作用しなかったり、触媒の重要な役割を果たす金属が担体にうまく担持されずに気孔が詰まったりつぶれるなどの現象が発生しうる。また、前記シリカ担体の比表面積が大きすぎると、触媒金属の分散度が過度に高まって、反応がむしろ円滑に進行しないことがある。
【0024】
前記金属触媒に含まれるシリカ担体の全体細孔容積が0.5cm
3/g〜2cm
3/gであってもよい。前記細孔容積の測定方法の例が大きく限定されるものではなく、例えば、BET測定法を使用することができる。
【0025】
前記金属触媒に含まれるシリカ担体の全体細孔容積が大きすぎると、反応物と触媒との作用速度が活発化しすぎたあまり、副反応物が過剰に生成されたり、活性成分である金属の分散が十分に行われず、反応物と触媒との接触効率が大きく低下して、反応がむしろ円滑に進行しないことがある。
【0026】
前記金属触媒に含まれるシリカ担体の平均気孔直径は、80Å〜200Åであってもよい。前記平均気孔直径とは、前記シリカ担体に含有された多様な直径の気孔に対する直径の平均値を意味する。
【0027】
前記シリカ担体は、シリカ、シリカ−アルミナ、およびシリカ−マグネシアからなる群より選択される1種以上の化合物を含むことができる。
【0028】
また、シリカ担体の含水率は、0.1重量%〜10重量%であってもよい。担体の「含水率」とは、担体の全体重量に対して、担体内に含まれている水分の重量を百分率で示したものとして定義する。触媒を担持させる前、シリカ担体は、平均気候条件の湿度で自然に吸湿して10重量%以下の水分を含むことができる。シリカ担体の含水率が高すぎると、金属成分の溶解のための担持溶液の体積が減少して過度に濃厚な濃度で触媒を製造する場合、分散度が減少することがあり、別途の乾燥工程によりシリカ担体の含水率を必要なだけ低下させて使用することができる。ただし、別途の乾燥工程を適用することは、触媒製造上の費用に対して経済的な観点から省略または追加することができる。
【0029】
前記金属触媒に含まれるシリカ担体は、多様な方法で製造され、その構造および形状も多様でありうる。ただし、一例を挙げて説明すれば、押出成形法によって製造されたシリカ担体を使用することができ、前記シリカ担体の円柱形であり、直径1〜3mm、長さ0.5〜10mmであり、体積密度は0.2〜1.2g/mLであってもよい。このように、前記金属触媒で活性成分を担持させる担持体としてシリカ担体を使用することによって、強酸条件で耐久性が向上した触媒を製造できるという技術的利点を有することができる。ゼオライト担体の場合、構造的に含んでいるアルミニウム成分が溶出して微細気孔構造が崩壊するという欠点が存在し、溶出したアルミニウム成分が反応系の内部で副反応を起こしたり、分離および精製段階で不必要な物質として作用しうる。活性炭担体の場合、その特性上、高温の熱処理過程を適用することができず、金属活性成分との結合力が相対的に弱いため、活性成分が分離されて流失する可能性が高いという欠点が存在する。
【0030】
一方、活性成分として前記金属触媒に含まれるパラジウム(Pd)化合物は、芳香族ジカルボン酸をシクロアルカンジカルボン酸に転換させる役割を果たすと考えられ、銅(Cu)化合物は、パラジウム(Pd)化合物と担持体との間の結合力を高める役割を果たすと考えられる。
【0031】
前記金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させると、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を含む反応結果物を形成することができる。
【0032】
前記金属触媒は、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物を1:0.1〜0.5の重量比、または1:0.3〜0.5の重量比で含むことができる。より具体的には、前記金属触媒は、パラジウム(Pd)化合物に含まれているパラジウム(Pd)、銅(Cu)化合物に含まれている銅(Cu)を1:0.1〜0.5の重量比、または1:0.3〜0.5の重量比で含むことができる。
【0033】
また、パラジウム(Pd)化合物と銅(Cu)化合物のモル比によれば、パラジウム(Pd)化合物のモル数に対する銅(Cu)化合物のモル数の比は、0.1〜10、または0.5〜5であってもよい。
【0034】
後述する実施例などから確認されるように、前記特定された重量比でパラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物を含む金属触媒を使用することによって、反応物として使用されたイソフタル酸の大部分を反応に参加させて高い転換率を実現することができ、最終的に製造される反応結果物中、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の選択度を高く維持することができ、特に、イソフタル酸を還元させる段階を経た触媒を再使用しながら、イソフタル酸の還元段階を2回以上繰り返しても触媒の活性が維持されることによって、適正水準以上の優れた転換率を実現できる程度に、イソフタル酸の還元反応条件で触媒の耐久性が向上できる。
【0035】
前記金属触媒中、前記パラジウム(Pd)化合物対比、銅(Cu)化合物の含有量が低すぎると、高温および強酸性のイソフタル酸の還元反応条件で触媒の耐久性が十分に維持されにくく、イソフタル酸を還元させる段階を経た触媒を再使用しながら、イソフタル酸の還元段階を2回以上繰り返す場合、触媒の活性が減少するに伴って転換率が顕著に低下しうる。
【0036】
また、前記金属触媒中、前記パラジウム(Pd)化合物対比、銅(Cu)化合物の含有量が高すぎると、触媒の製造過程およびイソフタル酸の還元段階で活性成分が十分に分散せずに焼結現象が加速化され、活性表面積が減少するに伴って転換率が顕著に低下する問題が発生しうる。
【0037】
前記パラジウム(Pd)化合物は、パラジウム金属自体、パラジウムの有機塩またはパラジウムの無機塩を意味する。このような内容は、銅(Cu)化合物についても同一である。具体的には、前記のパラジウム化合物および銅化合物の例としては、水溶液に容易に溶解可能な錯体またはイオン性化合物が挙げられ、触媒の製造工程上、空気で焼成する過程により金属元素以外の陰イオンまたはリガンドは熱分解され、金属元素は酸素と結合して酸化物形態または還元された形態の金属元素として存在しうる。
【0038】
より具体的には、前記パラジウム化合物の例を挙げると、硝酸パラジウム(Palladium(II) nitrate、Pd(NO
3)
2)、塩化パラジウム(Palladium(II) chloride、PdCl
2)、酢酸パラジウム(Palladium(II) acetate、Pd(OAc)
2)、またはこれらの水和物などを使用することができ、前記銅化合物の例を挙げると、硝酸銅(Copper(II) nitrate、Cu(NO
3)
2)、塩化銅(Copper(II) chloride、CuCl
2)、酢酸銅(Copper(II) acetate、Cu(OAc)
2)、またはこれらの水和物などを使用することができる。
【0039】
前記金属触媒は、シリカ担体に対して、前記パラジウム(Pd)化合物0.1重量%〜10重量%を含むことができる。前記金属触媒内における銅(Cu)化合物の含有量は、前記パラジウム(Pd)化合物の含有量および前記金属化合物の間の重量比として決定される。例えば、前記銅(Cu)化合物の含有量は、シリカ担体に対して、0.01重量%〜10重量%であってもよい。
【0040】
一方、前記イソフタル酸を還元させる段階では、多様な還元方法が使用可能であり、例えば、前記イソフタル酸および水素気体を接触させる段階を含むことができる。
【0041】
前記イソフタル酸を還元させる段階では、芳香族カルボン酸の還元反応に使用されることが知られている方法、反応条件および装置を大きな制限なく使用することができ、例えば、前記イソフタル酸を還元させる段階は、50℃〜350℃、または150℃〜300℃の温度、および30bar〜150bar、または50bar〜120barの圧力条件で行われる。
【0042】
具体的には、前記イソフタル酸を還元させる段階は、前記金属触媒および前記イソフタル酸が存在する反応器の内部を不活性気体の大気に転換した後に、水素気体を導入し、内部温度を昇温する段階を含んで行われる。
【0043】
つまり、前記イソフタル酸を還元させる段階は、前記金属触媒および前記イソフタル酸を不活性気体雰囲気下に反応器の内部で混合する段階;前記反応器に水素気体を導入する段階;および前記反応器の温度を昇温して、還元反応を進行させる段階を含むことができる。
【0044】
前記不活性気体とは、周期律表上の18族気体成分だけでなく、前記水素化反応に直接的に影響を及ぼさない他の気体、例えば、窒素気体などをすべて含む意味である。
【0045】
前記1,3−シクロヘキサンジカルボン酸を還元させる段階で、反応物のイソフタル酸と金属触媒、そして反応溶媒が混合された反応系中で、前記イソフタル酸100重量部対比、前記金属触媒10重量部〜80重量部を使用することができる。より具体的には、反応系中のイソフタル酸の投入量は、1重量%〜50重量%、前記金属触媒を0.1重量%〜5重量%添加することができる。
【0046】
前記イソフタル酸対比、前記金属触媒の含有量または使用量が低すぎると、前記還元反応の効率が低下したり、最終的に製造される反応結果物中、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の選択度が低下し、触媒含有量が到達していなければ、反応装置の生産効率が低下し、最終産物を得た後、分離/回収する時、装置の効率低下やエネルギー消費が過度になりうる。
【0047】
また、前記イソフタル酸対比、前記金属触媒の含有量または使用量が高すぎると、反応の進行過程で副産物が過剰発生することから、これを除去するには複数段階の工程が追加的に進行しなければならないので非経済的であり、最終的に製造される結果物の純度が低下しうる。
【0048】
一方、前記1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法では、反応物としてイソフタル酸を用いて直接的な還元反応を進行させることによって、工程が単一段階で速やかに完了することができ、2以上の多段階工程を進行させないことから、生産性および経済性などの工程効率が向上できる。
【0049】
前記イソフタル酸を還元させる段階は、反応物自体が直接還元反応をしてもよく、反応物が溶媒上に存在する状態で還元反応が起こってもよい。
【0050】
前記使用可能な溶媒の例が大きく限定されるものではなく、例えば、水や有機溶媒を使用することができる。前記有機溶媒の例としては、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、プロパノール(propanol)、シクロヘキサノール(cyclohexanol)などの脂肪族アルコール(alcohol)類、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)などの脂肪族炭化水素類、エーテル(diethyl ether)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)などのエーテル(ether)、またはこれらの2種以上の混合物を使用することができる。
【0051】
反応後、分離および精製過程に及ぼす影響、溶媒の価格、廃水処理費用、環境問題の発生可能性などを考慮する時、イオン交換水の使用が最も好ましい。
【0052】
前記溶媒の使用量は大きく限定されるものではなく、例えば、反応物であるイソフタル酸の重量対比、10%〜1,000%使用できる。
【0053】
前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法では、前記還元反応段階が完了する時点で使用した触媒を分離した後、反応結果物を精製する段階をさらに含んでもよい。前記精製に使用できる方法が大きく限定されるものではないが、蒸留法、抽出法およびクロマトグラフィー法などにより分離および精製をすることができる。
【0054】
一方、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法は、下記数式1によって定義される選択度が90%以上、または93%以上、または90%〜100%、または93%〜100%であってもよい。
[数式1]
選択度(%)=[(1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の含有量(mol%)/生成物質の含有量(mol%))*100]
【0055】
前記数式1による選択度が高いほど、反応結果物内で目標とする1,3−シクロヘキサンジカルボン酸が多数生成されたと考えられ、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法が高い選択度を満足することによって、優れた反応効率を有することを確認することができる。
【0056】
一方、前記一実施形態の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法は、前記シリカ担体に固定され、パラジウム(Pd)化合物および銅(Cu)化合物が1:0.1〜0.5の重量比で含まれている金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階の後に、金属触媒を回収する段階;および前記回収された金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階をさらに含んでもよい。このように、反応で使用された触媒を再使用することによって、触媒の使用量を低減可能で、反応の経済性が向上できる。
【0057】
具体的には、前記金属触媒を回収する段階で、金属触媒の具体的な回収方法の例は大きく限定されず、例えば、金属触媒が含まれている反応系から金属触媒をろ過させ、ろ過した金属触媒を蒸発乾燥する方法を使用することができる。前記ろ過、または蒸発乾燥の具体的な方法は大きく限定されず、公知の多様な方法を制限なく適用可能である。
【0058】
また、前記回収された金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階は、新規金属触媒の代わりに回収された金属触媒を用いた点を除き、上述した前記一実施形態に記載のシリカ担体、イソフタル酸、およびイソフタル酸の還元に関する内容をそのまま含むことができる。
【0059】
一方、前記金属触媒を回収する段階;および前記回収された金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階は、2回以上繰り返し進行させることができる。上述のように、前記金属触媒は、活性成分として、芳香族ジカルボン酸をシクロアルカンジカルボン酸に転換させる役割を果たすパラジウム(Pd)化合物と共に、助触媒として銅(Cu)化合物を混合することによって、前記銅(Cu)化合物がパラジウム(Pd)化合物と担持体との間の結合力を高めて、触媒の耐久性が向上できる。
【0060】
これにより、高温および強酸性のイソフタル酸の還元反応条件で長期間繰り返し触媒を再使用しても、触媒の活性成分がシリカ担体に安定的に固定され、優れた活性を示すことができる。
【0061】
前記金属触媒に含有されたパラジウム(Pd)化合物の含有量対比、回収された金属触媒に含有されたパラジウム(Pd)化合物の含有量比率が上述した範囲を満足することによって、高温および強酸性のイソフタル酸の還元反応条件で長期間繰り返し金属触媒を再使用しても、触媒の活性成分であるパラジウム(Pd)化合物がシリカ担体に安定的に固定され、優れた反応活性を示すことができる。
【0062】
より具体的には、前記回収された金属触媒の存在下、イソフタル酸を還元させる段階で、下記数式2によって定義される転換率が45%以上、または45%〜80%を満足することができる。
[数式2]
転換率(%)=[(投入された1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の含有量(mol%))−(反応後に残る1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の含有量(mol%))]/[投入された1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の含有量(mol%)]*100
【0063】
前記回収された金属触媒は、少なくとも1回、または2回以上イソフタル酸の還元反応に参加した後、回収されて再使用される触媒に相当する。