(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SC杭は、外殻鋼管を有することから、外殻鋼管を有さない通常のコンクリート杭よりも、高い曲げ耐力及び靭性を有する。しかしながら、そのようなSC杭に対しても、曲げ耐力及び靭性の更なる向上が望まれている。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、曲げ耐力及び靭性が従来よりも改善された外殻鋼管付きコンクリート杭を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、外殻鋼管付きコンクリート杭が所定の径厚比を有する場合、曲げ耐力及び靭性が向上することを見出し、本発明に想到した。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る外殻鋼管付きコンクリート杭は、
外殻鋼管と、
前記外殻鋼管の内周面に付着した状態で前記外殻鋼管内に配置され、コンクリートを少なくとも一部に含む中空で円筒形状の杭体と、
を備え、
前記外殻鋼管の外径をDとし、前記杭体の厚さをtcとし、前記外殻鋼管の厚さをtsとし、前記杭体の厚さtcと前記外殻鋼管の厚さtsとの合計をT(=tc+ts)とし、径厚比をT/Dとしたとき、次式:
0.24≦T/D<0.5
で示される関係を満たし、
且つ、
前記杭体は1つの円筒部からなり、
前記杭体の厚さtcは、前記外殻鋼管に曲げモーメントが作用した際に長手方向に直交する前記円筒部の断面内において60度の頂角を有して生じる破片の剥離面全体が前記円筒部内に含まれる厚さである
ことを特徴とする。
【0006】
上記構成(1)によれば、径厚比T/Dが0.5未満であって、杭体は円筒形状を有して完全には中実ではなく、径方向中央に円柱形状の空洞を有する。このため、杭体に亀裂が発生すると、杭体の一部が剥落し、外殻鋼管付きコンクリート杭の曲げ耐力及び靭性が低下する虞がある。
しかしながら、上記構成によれば、径厚比T/Dが0.24以上であるので、径厚比T/Dが0.24未満の場合に比べて、曲げ耐力及び靭性が向上する。
また、外殻鋼管付きコンクリート杭は中空なので、杭孔に挿入する際に生じる浮力を低減できる。さらに、中実のSC杭よりも重量が軽くなることで輸送や杭施工の負担を軽減することができる。
さらに、径厚比T/Dが0.24以上である場合、SC杭に曲げモーメントが作用しても、杭体での60度破壊が抑制され、60度の頂角を有する破片の剥離が防止される。
【0007】
(2)本発明の少なくとも一実施形態に係る外殻鋼管付きコンクリート杭は、
外殻鋼管と、
前記外殻鋼管の内周面に付着した状態で前記外殻鋼管内に配置され、コンクリートを少なくとも一部に含む中空で円筒形状の杭体と、
を備え、
前記外殻鋼管の外径をDとし、前記杭体の厚さをtcとし、前記外殻鋼管の厚さをtsとし、前記杭体の厚さtcと前記外殻鋼管の厚さtsとの合計をT(=tc+ts)とし、径厚比をT/Dとしたとき、次式:
0.24≦T/D<0.5
で示される関係を満たし、
且つ、
前記杭体は、同心に配置された2つ以上の円筒部を含み、
前記杭体の厚さtcは、前記外殻鋼管に曲げモーメントが作用した際に長手方向に直交する前記2つ以上の円筒部の断面内において60度の頂角を有して生じる破片の剥離面全体が前記2つ以上の円筒部内に含まれる厚さである
ことを特徴とする。
【0008】
上記構成(2)によれば、径厚比T/Dが0.5未満であって、杭体は円筒形状を有して完全には中実ではなく、径方向中央に円柱形状の空洞を有する。このため、杭体に亀裂が発生すると、杭体の一部が剥落し、外殻鋼管付きコンクリート杭の曲げ耐力及び靭性が低下する虞がある。
しかしながら、上記構成によれば、径厚比T/Dが0.24以上であるので、径厚比T/Dが0.24未満の場合に比べて、曲げ耐力及び靭性が向上する。
また、外殻鋼管付きコンクリート杭は中空なので、杭孔に挿入する際に生じる浮力を低減できる。さらに、中実のSC杭よりも重量が軽くなることで輸送や杭施工の負担を軽減することができる。
また、杭体は同心に配置された2つ以上の円筒部によって構成されているので、例えば遠心成形を用いて、最外周円筒部の成形後に最内周円筒部の成形を行うことが可能であり、杭体の成形が容易である。
さらに、径厚比T/Dが0.24以上である場合、SC杭に曲げモーメントが作用しても、杭体での60度破壊が抑制され、60度の頂角を有する破片の剥離が防止される。
【0009】
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(2)において
前記2つ以上の円筒部のうち最内周に位置する最内周円筒部を構成する材料は、最外周に位置する最外周円筒部を構成する材料よりも小さい圧縮強度を有し、
前記2つ以上の円筒部の各々は30N/mm
2以上の圧縮強度を有する材料によって構成されている
ことを特徴とする。
【0010】
上記構成(3)によれば、最内周円筒部を構成する材料が、最外周円筒部を構成する材料よりも小さい圧縮強度を有しているので、最内周円筒部の材料コストを低減することができる。
また、最外周円筒部を構成する材料の圧縮強度が最内周円筒部を構成する材料の圧縮強度よりも大きいので、最外周円筒部における亀裂の発生が抑制され、曲げ耐力及び靭性を向上させながら、コストを削減することができる。
そして、各円筒部を構成する材料は、30N/mm
2以上の圧縮強度を有しているので、円筒部の圧縮強度が不足することはなく、曲げ耐力及び靭性を確実に向上させることができる。
【0011】
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(3)において、
前記最内周円筒部はグラウトによって構成されている。
上記構成(4)によれば、最内周円筒部が硬化性材料であるグラウトによって構成されているので、最内周円筒部の形成が容易である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、曲げ耐力及び靭性が従来よりも改善された外殻鋼管付きコンクリート杭が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る外殻鋼管付きコンクリート杭(以下、SC杭とも称する)1(1A)の構成を概略的示す縦断面図である。
図2は、
図1中のII−II線に沿う概略的な断面図である。
図3は、本発明の他の一実施形態に係るSC杭1(1B)の
図2に対応する横断面図である。
図1〜
図3に示したように、SC杭1(1A,1B)は、外殻鋼管3と、杭体5(5A,5B)とを備える。
外殻鋼管3は、円筒形状を有しており、例えば、一般用圧延鋼材によって構成されている。外殻鋼管3は、例えば、300mm以上1500mm以下の外径Dを有し、外殻鋼管3の外径Dは、SC杭1(1A,1B)の外径に相当する。また、外殻鋼管3は、例えば、4.5mm以上25mm以下の肉厚tsを有する。
【0016】
杭体5(5A,5B)は、外殻鋼管3の内周面に付着した状態で外殻鋼管3内に配置され、コンクリートを少なくとも一部に含む。杭体5(5A,5B)は、円筒形状を有し、例えば硬化性の材料を硬化させて形成され、
図2及び
図3に示したように、横断面でみて厚さtcを有する。例えば、外殻鋼管3の両端には円環形状の端板7が溶接によって取り付けられ、杭体5(5A,5B)は、外殻鋼管3の軸線方向にて2つの端板7間に渡って延びている。なお、端板7が取り付けられている場合、SC杭1(1A,1B)の長さLは、端板7の外面間の長さである。SC杭1(1A,1B)は、例えば、2m以上15m以下の長さLを有する。
【0017】
ここで、SC杭1(1A,1B)の厚さTは、
図2及び
図3に示したように、外殻鋼管3の厚さtsと杭体5(5A,5B)の厚さtcの和(ts+tc)であり、SC杭1(1A,1B)の外径Dと内径dの差の半分である。
そして、SC杭1(1A,1B)にあっては、SC杭1(1A,1B)の外径Dに対する厚さTの比である径厚比T/D、換言すれば、外殻鋼管3の外径Dに対する、外殻鋼管3及び杭体5(5A,5B)の厚さの合計(ts+tc)の比である径厚比T/Dが、次式:
0.24≦T/D<0.5
で示される関係を満たしている。
【0018】
上記構成によれば、径厚比T/Dが0.5未満であって、杭体5(5A,5B)は円筒形状を有して完全には中実ではなく、径方向中央に円柱形状の空洞を有する。このため、杭体5(5A,5B)の内周面に亀裂が発生すると、杭体5(5A,5B)の内周面付近の一部が剥落し、SC杭1(1A,1B)の曲げ耐力及び靭性が低下する虞がある。
しかしながら、上記構成によれば、径厚比T/Dが0.24以上であるので、径厚比T/Dが0.24未満の場合に比べて、曲げ耐力及び靭性が向上する。
【0019】
ここで、
図4(a)及び
図4(b)は、径厚比T/Dを0.24以上に設定することによる効果を説明するための図である。
図4(a)に示したように、径厚比T/Dが0.24未満である場合、SC杭1’に曲げモーメントが作用すると、杭体5’にて60度破壊が生じ、60度の頂角を有する破片10が剥離し易いものと考えられる。
【0020】
これに対し、
図4(b)に示したように、径厚比T/Dが0.24以上である場合、SC杭1(1A,1B)に曲げモーメントが作用しても、杭体5(5A,5B)での60度破壊が抑制され、60度の頂角を有する破片の剥離が防止されるものと考えられる。
このように、60度よりも大きな頂角を有するような大きい破片はもとより、60度の頂角を有するような小さい破片の剥離が防止されることで、径厚比T/Dが0.24以上である場合、径厚比T/Dが0.24未満の場合に比べて、曲げ耐力及び靭性が向上するものと考えられる。
【0021】
上記実施形態では、径厚比T/Dの下限は、0.24に設定されているが、好ましくは0.245に設定され、より好ましくは0.25に設定され、更により好ましくは0.26に設定される。
【0022】
幾つかの実施形態では、
図3に示したように、杭体5Bは、同心に配置された2つ以上の円筒部9a,9bを含む。2つ以上の円筒部9a,9bは相互に付着している。
そして、2つ以上の円筒部9a,9bのうち最内周に位置する最内周円筒部9aを構成する材料は、最外周に位置する最外周円筒部9bを構成する材料よりも小さい圧縮強度を有する。
そして更に、2つ以上の円筒部9a,9bの各々は30N/mm
2以上の圧縮強度を有する材料によって構成されている。
【0023】
上記構成によれば、杭体5Bは同心に配置された2つ以上の円筒部9a,9bによって構成されているので、例えば遠心成形を用いて、最外周円筒部9bの成形後に最内周円筒部9aの成形を行うことが可能であり、杭体5Bの成形が容易である。
また、上記構成によれば、最内周円筒部9aを構成する材料が、最外周円筒部9bを構成する材料よりも小さい圧縮強度を有しているので、最内周円筒部9aの材料コストを低減することができる。
【0024】
上記構成によれば、最外周円筒部9bを構成する材料の圧縮強度が最内周円筒部9aを構成する材料の圧縮強度よりも大きいので、最外周円筒部9bにおける亀裂の発生が抑制され、曲げ耐力及び靭性を向上させながら、コストを削減することができる。
【0025】
また、上記構成によれば、各円筒部9a,9bを構成する材料は、30N/mm
2以上の圧縮強度を有しているので、円筒部9a,9bの圧縮強度が不足することはなく、曲げ耐力及び靭性を確実に向上させることができる。
なお、杭体5Bが複数の円筒部9a,9bによって構成されている場合、
図3に示したように、杭体5Bの厚さtcは、各円筒部9a,9bの厚さtc1,tc2の合計(tc1+tc2)である。
【0026】
幾つかの実施形態では、最外周円筒部9bはコンクリートによって構成され、最内周円筒部9aはグラウトによって構成されている。グラウトは、例えばセメントペーストやモルタルである。
上記構成によれば、最内周円筒部9aが硬化性材料であるグラウトによって構成されているので、最内周円筒部9aの形成が容易である。また、グラウトを用いることによって、材料コストの削減を図ることができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、最内周円筒部9a及び最外周円筒部9bはそれぞれコンクリートによって構成され、最内周円筒部9aは、最外周円筒部9bよりも小さい圧縮強度を有するコンクリートによって構成されている。
上記構成によれば、最内周円筒部9aに、最外周円筒部9bよりも圧縮強度の低いコンクリートを適用することで、材料コストの低減を図ることができる。
【0028】
なお、
図3に示した杭体5Bのように、杭体5Bが2つ以上の円筒部9a,9bを含む場合、杭体Bの厚さTに対する、最外周円筒部9bの厚さtc2の比tc2/Tは、例えば0.4〜0.6に設定されるが、これに限定されることはない。
【0029】
図5は、SC杭1(1A)の製造方法の一例の概略的な手順を示すフローチャートである。
図5に示したように、SC杭1(1A)の杭製造方法は、外殻鋼管準備工程S1と、プレキャスト工程(第1プレキャスト工程)S2と、遠心成形工程(第1遠心成形工程)S3とを備えている。
【0030】
外殻鋼管準備工程S1では外殻鋼管3を用意する。
プレキャスト工程S2では、外殻鋼管3内に生コンクリートを充填する。この充填は外殻鋼管3内に挿入可能な径のスクリューフィーダー等によって行う。スクリューフィーダーは、ある程度生コンクリートが充填されてきた段階で、徐々に引き抜きながら生コンクリートを充填する。
【0031】
遠心成形工程S3では、生コンクリートが充填された外殻鋼管3を遠心成形装置の型枠内に入れ、型枠の回転により生コンクリートの遠心成形を行う。
この後、生コンクリートがある程度強度を発現した段階で、外殻鋼管3を遠心成形装置の型枠から外し、蒸気養生を行うことにより円筒形状の杭体5(5A)が形成される。
【0032】
図6は、SC杭1(1B)の製造方法の一例の概略的な手順を示すフローチャートである。
図6に示したSC杭1(1B)の製造方法は、第2プレキャスト工程S4及び第2遠心成形工程S5を有する点において、
図5に示したSC杭1(1A)の製造方法と異なっている。
図6に示したSC杭1(1B)の製造方法によれば、第1遠心成形工程S3後に行われる第2プレキャスト工程S4にて、第1遠心成形工程S3にて成形された生コンクリートの内側に、生コンクリートが更に充填される。
【0033】
そして、第2遠心成形工程S5では、第1遠心成形工程S3と同様にして、生コンクリートが更に充填された外殻鋼管3を遠心成形装置の型枠内に入れ、型枠の回転により生コンクリートの遠心成形を行う。
この後、第1プレキャスト工程S2及び第2プレキャスト工程S4で充填された生コンクリートがある程度強度を発現した段階で、外殻鋼管3を遠心成形装置の型枠から外し、蒸気養生を行うことにより円筒形状の杭体5(5B)が形成される。
なお、第2プレキャスト工程S4の前に、第1プレキャスト工程S2で充填された生コンクリートの強度が発現している必要は必ずしもない。
【0034】
〔実施例〕
以下、実施例について説明する。
1.試験体の準備
まず、比較例1、2及び実施例1、2の試験体として、以下の表1〜3に示す仕様を有するSC杭を用意した。
【0036】
2.試験方法
試験装置20の概要を試験体としてSC杭1とともに
図7に示す。試験は、単純梁方式の曲げ試験とし、一方向繰返し載荷とした。試験装置20は、試験体としてのSC杭1を支持点にて支持するための支持装置22と、試験体の両端及び中央の変位を測定するための変位計24と、試験体の中央部の2箇所に均等に荷重を加える荷重装置(不図示)とを備えている。
【0037】
試験体への載荷ステップを
図8に示す。部材角が2.5/1000rad〜50/1000radの範囲では、各部材角になるまで、各試験体に対し2回繰返し載荷を行った。部材角が80/1000,100/1000radでは、各部材角になるまで、各試験体に対し1回載荷を行った。ただし、前回部材角時の荷重を上回らない場合は、それ以降の載荷ステップを1回載荷とした。
なお、部材角は、杭中央たわみ量を支持点から載荷点中央までの距離で割った値とする。
【0038】
3.試験結果
試験結果として、荷重と中央たわみの関係の包絡線図を
図9に示し、各試験体の最大荷重と耐力比を表4に示し、各試験体の中央たわみ(残留変位)が100mm時の荷重と耐力低下率を表5に示す。
【0040】
図9及び表4から明らかなように、径厚比T/Dが0.24以上の実施例1及び実施例2のSC杭では、径厚比T/Dが0.24未満の比較例2のSC杭に比べて、大きな最大荷重が発現している。このため、実施例1及び実施例2のSC杭は、比較例2のSC杭に比べて、良好な耐力を有することがわかる。
一方、
図9及び表5から明らかなように、径厚比T/Dが0.24以上の実施例1及び実施例2のSC杭では、径厚比T/Dが0.24未満の比較例2のSC杭に比べて、中央たわみが100mm時の荷重が大きく、比較例2のSC杭に比べて耐力低下率が低い。これより、実施例1及び実施例2のSC杭は、比較例2のSC杭に比べて、良好な靭性を有することがわかる。
【0041】
特に、径厚比T/Dが0.33の実施例2のSC杭では、径厚比T/Dが0.50の比較例1のSC杭と比べても、同等の最大荷重が発現しているとともに、中央たわみ100mm時の荷重も略同等であり、実施例2のSC杭は、特に良好な耐力及び靭性を有することがわかる。
【0042】
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、最内周円筒部9aの成形方法は、遠心成形に限定されることはなく、例えば、型枠を配置して振動詰めによって行ってもよい。